はじめに
履歴書やエントリーシートに、必ずと言っていいほど記入する必要のあるのが志望動機です。
その企業を志望する理由を書けば良い、ということはわかりますが、「具体的にどんなことを書くのか全然思いつかない」という人も少なくありません。
とくにとりあえず応募した企業の場合は、その傾向が強くなるのではないでしょうか。
志望動機を書くには、志望動機の意味や書く目的を把握することが大切です。
ここでは、志望動機の書き方について、書くときのポイントや例文を交えながら、詳しく解説します。
【志望動機がわからない】そもそも 志望動機とは?
志望動機とは簡単に言うと「その企業を志望する理由」のことです。
志望動機として具体的に文章に表す場合は、単に志望する理由だけではなく、「なぜその企業なのか」ということも明確にすることがポイントです。
たとえば、特定のケーキが好きだということを人に伝える場合、単に「ケーキが好きだ」とは言わず、「このケーキが好き」と、名指しで伝えるでしょう。
さらに、そのケーキに思い入れがあれば、なぜそこまで好きなのか、惚れている理由についても述べるのではないでしょうか。
それと同じで、志望動機を書くときは、「なぜその企業でなければならないのか」ということをアピールすることが大切です。
それと同時に、「入社後どのように企業に貢献できるのか」についても、志望動機で伝えることも忘れないようにしましょう。
【志望動機がわからない】志望動機はなぜ重要?
就活生にとって、志望動機は当たり前のように聞かれる質問です。
つまり、企業にとって大事な質問であり、志望動機を聞くにはいくつか理由があります。
志望動機を書く目的に、「その企業を志望する理由」がありますが、企業は志望動機を通して、就活生の志望意欲を知ろうとします。
企業は内定を出したら承諾し、継続して勤務してくれる人材を探しています。
もし人選を間違えれば、再び多大な労力とお金を費やして、人材を探さなくてはなりません。
就活生が本気で就職先を探しているのと同様に、企業もまた本気で求めている人材を探しています。
志望動機では、志望理由のほかに「会社に貢献できる理由」を伝えますが、これは企業が求めている人材と、就活生とがマッチするかどうか見極める判断材料になります。
企業の採用担当者は、志望動機から、就活生の長所や強み、持っている能力、仕事に対する情熱や企業に貢献したい意欲などを知ります。
それらの情報から、就活生が入社後どのように仕事に取り組むか想像し、企業に必要な人材かどうかを判断します。
志望動機が内定獲得を左右すると言っても過言ではありません。
就職において志望動機は重要な役割を果たしますので、心を込めて作成することが望まれます。
ほとんどの就活生は、複数の企業に申し込みますので、一社ごとに志望動機を作成するのは面倒くさい、と思うかもしれません。
ですが志望動機を使い回してしまうと、本気度や情熱が伝わりにくくなり、内定を得ることが難しくなります。
志望動機は、構成を決めておき、毎回書くのが基本です。
その企業になぜ就職を望んでいるのかを明確にしてから、書くことがポイントになります。
【志望動機がわからない】とりあえず応募した企業の志望動機の書き方とは!
就職を志望する企業の中には、「なんとなく良さそう」と思うものもあります。
その場合は、「その企業でなければならない理由」を見つけることが難しく、志望動機も何を書いたら良いか、思いつかないと困る人も多いのではないでしょうか。
たとえとりあえず応募した企業の志望動機でも、視点を変えると、その企業に就職を志望する、強烈な理由を発見することがあります。
その理由を見つけるには、企業が求めている人材を把握することから始めます。
その人材と自分のスキルや素質を照らし合わせ、合体させると、立派な志望動機が誕生します。
【志望動機がわからない】1.企業が求めているのはどんな人材?
企業が面接や書類選考を実施するのは、求めている人材を見つけるためです。
志望動機を書く前に、その企業がどんな人材を求めているのか、知る必要があります。
志望動機が思いつかない、書いても文字が埋められないという場合は、企業に関するリサーチ不足という場合がほとんどです。
企業が求めている人材については、求人情報などに掲載されていますが、それだけでは不十分と感じたら、独自に企業研究をして情報を収集必要があります。
企業研究に必要な情報収集方法には、ホームページやパンフレットから得るものと、会社説明会に出席したり、会社の製品を使ったりするなど、自分で得るものがあります。
その際「企業概要・企業理念をみる」「どんな商品やサービスを行っているか見る」について意識しながら情報収集すると、うまくいきます。
企業概要・企業理念をみる
企業が求める人材を知るには、企業概要や企業理念をチェックするのが一番です。
なぜなら、企業理念をゴールに設定し、そのために必要な事業活動を展開している企業がほとんどというのが理由になります。
企業概念や企業理念をチェックし、企業と自分がマッチする部分を見つけましょう。
「理念に共感する部分があった」というものでも構いません。
心に響くものや、共感を得る部分が、そのまま志望動機のベースになります。
企業が目指すものを知れば知るほど、「どうしても入社したい」と思うようになるかもしれません。
そうすると、益々志望動機が書きやすくなり、良い志望動機を作成する確率が高くなります。
どんな商品やサービスを行っているか見る
企業の商品やサービスは、企業理念やコンセプトなどを反映してつくられています。
商品やサービスの歴史、誕生秘話などできるだけ情報を収集し、理解を深めることが、企業を理解することにつながります。
可能であれば、実際に商品やサービスを利用してみましょう。
良い志望動機を書くきっかけになるかもしれません。
もし「自分もこんな良い製品を作ってみたい」「こんなサービスの企画をしてみたい」と思うようになったら、それを志望動機に反映させます。
【志望動機がわからない】2.自分にできることを考える
企業が求める人材を把握したら、マッチするスキルや素質が自分にあるかどうか考えます。
自分にできることを見つけるポイントは、「自分が得意とすること」と「自分ができること」を明確にすることです。
自分が得意とすることやできることを明確にするということは、簡単に聞こえますが、上辺だけで理解しても、良い志望動機は書けません。
自分の能力について深堀りすることが、自分の人柄や会社に貢献できることを、企業の採用担当者にハッキリと伝えることにつながります。
得意なことを考える
「あなたの得意なことは何ですか?」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。
「好奇心旺盛で、何にでも興味を示すところです」などという表現になりがちですが、「具体的にどうなのか」ということが相手に伝わりません。
好奇心旺盛と一口に言っても、探究心が強く地道に粘り強く研究を続けるのが得意なのか、不安よりも興味のほうが勝り、新しい土地に足を踏み入れることに躊躇しないことが強みなのか、そのスキルは多岐にわたります。
「好奇心旺盛」というのが得意だと思ったら、それについて深堀りすることが大切です。
どうやって深堀りしたら良いかわからない場合は、過去のエピソードと得意なことをリンクさせるとうまくいきます。
得意だと思うことには必ず理由があり、その理由は過去の体験から来ていることがほとんどです。
関心のあることと企業の商品・サービスを結びつける
自分がやりたいことを志望動機に書くことは、大切なことですが、「人の役に立ちたい」「社会に貢献したい」などとするのは、あまり良い書き方とは言えません。
これらの表現は単に願望で終わってしまい、具体性に欠けています。
志望動機で自分のやりたいことをアピールするには、「仕事を通してどうなりたいか」ということを付け加える必要があります。
具体的に言うと、自分のやりたいことと、企業の商品やサービスを結びつけることです。
まず自分のやりたいことを、できるだけ明確にします。
「なぜやりたいのか」「どうやりたいのか」など自問しながら「やりたいこと」を深掘りしていきます。
そのうえで、企業の商品やサービスの開発に携わることで、自分のやりたいことが実現するかを考えます。
【志望動機がわからない】企業と自分のキャリアプランの共通点を見つける
良い志望動機を書く最後の仕上げとして考えることは、企業が求める人材と自分のスキルをマッチングさせ、それを自分のキャリアプランに落とし込むことです。
企業は就活生の人柄や仕事感だけでなく、将来構想も知りたがっています。
仕事を通してどうなりたいかを志望動機に書くことは、採用担当者の、知りたいという欲求を満たすことになります。
「仕事を通してスキルアップをしたい」「企業の目指す目標達成に貢献したい」など、将来の展望を明らかにすることがポイントです。
【志望動機がわからない】3つを合わせよう!
「企業が求めている人材」「自分にできること」「企業と自分のキャリアプランの共通点」をそれぞれに明確にしたら、いよいよ志望動機を書く段階に入ります。
志望動機では、この3つについて意識しながら書くことが大切です。
例文1
私は、貴社の経営理念である「何事も挑戦」という部分に共感を覚え、貴社への就職を強く志望します。
私は日頃から「不可能と言われることでも、挑戦し続けることで目的を達成できる」を信条とし、常に前に突き進んできました。
高校時代、無理と言われた国立大学に現役合格したことも、困難に立ち向かう力の原動力となっています。
貴社はさまざまな分野に事業展開を続け、いくつかの失敗はあるものの、成功したことも数多く、長期的に見て利益を出しております。
私も貴社が手掛ける事業の最前線に立ち、さらなる発展に貢献できればと考えております。
例文2
貴社がコストを抑えて上質なサービスを提供する店であることを知り、貴社を志望いたしました。
貴社の強みは、私が持つスキルにつながるものがあります。
私は長年レストランでウエイトレスのアルバイトをしていて、接客の経験を積み重ね、スキルを磨いてきました。
アルバイトの中でもリーダー的な存在で、コストを抑えた運営について意見を出す機会にも恵まれました。
貴社ではこれまで身につけた接客のスキルと、効率的な運営を実践した経験を活かし、貴社が目指す店づくりに貢献したいと考えております。
例文3
私は独自の創造力で道を切り開き、デザイン業界において地位を築いた貴社を志望します。
私はデザインを学び、将来はこのスキルを活かした仕事に就きたいと考えております。
貴社が手掛けるデザインは、私が追い求めているものと一致し、貴社で技術を高めたいと強く思うようになりました。
入社後は、貴社がこだわる独創性を守りながらデザインを手掛け、貴社の成長に貢献するとともに、自分自身も「独創性のあるデザインを生み出す」という目標を果たしたいと考えております。
まとめ
とりあえず志望した企業に対して、志望動機が思い浮かばないのは、珍しいことではありませんが、視点を変えることで問題を解決できます。
志望動機の目的は、企業と自分の接点を、企業の採用担当者に伝えることです。
企業が求める人材と自分のスキルや素質を把握し、共通点を見つけ出せれば、志望動機がわからないという悩みから解放されるでしょう。
企業と自分、そして共通点について明確にしたら、志望動機を書く準備は整います。
後はポイントを意識しながら書き進めれば、たとえとりあえず応募した企業でも、採用担当者に好印象を残す志望動機になる可能性が高まります。