インターン(インターンシップ)の面接で、面接官から「何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。
これが逆質問で、通常面接の最後に求められます。
逆質問に対する回答も、選考に影響を与えますので、インターンの面接を控えているなら、逆質問されたときに備え、準備することをオススメします。
と言ってもどのように回答したら良いか、どんな質問が適当か、悩む人も多いのではないでしょうか。
ここではインターンの種類別・職種別の逆質問について、例文を交えてご紹介します。
目次[目次を全て表示する]
【インターン面接 逆質問】逆質問は必ずしよう
- 疑問がなくなる
- 企業に入社意欲をアピールできる
面接での逆質問はただの疑問解消の場ではありません。
逆質問をすることには「疑問がなくなること」「入社意欲をアピールできること」という2つのメリットがあります。
入社前に企業に関する疑問をなくすことは非常に重要であるため、不安を解消するためにも気になっていることは失礼がない程度に質問してみましょう。
また、逆質問をするということは、その企業への興味関心があるということの表れです。それとは逆に、逆質問を聞かれた際に、「特にありません。」と答えてしまうと、「この人は熱意がないな」という印象を与えてしまいます。
面接で好印象を与えるためにも、逆質問は絶対にした方がいいと言えます。
これらの理由を踏まえて、ぜひ企業研究を深めた上で、効果的な逆質問をしましょう。
【インターン面接 逆質問】企業が逆質問を求める理由とは
準備を万全に整えて面接に臨み、満点に近い状態に進んだとしても、「何か質問はありますか?」の逆質問に失敗し、選考に落とされてしまうことも少なくありません。
逆質問に戸惑い、口ごもってしまったり、「とくにありません」で終わらせてしまったりすると、その可能性は高くなります。
面接官は、なんとなく逆質問しているわけではありません。そこには必ず意図がありますので、まずはそれを理解しましょう。
逆質問は企業にとって、就活生が企業に対して不安や疑問を持っているかどうか、把握できる機会を作ります。
そのほかにも理由はいくつかありますが、主なものは以下の4つです。
- コミュニケーション能力や質問力を把握するため
- 志望度や熱意を知るため
- リサーチ力を知るため
- 性格や人間性を知るため
それでは見ていきましょう。
コミュニケーション能力や質問力を把握するため
面接において逆質問が求められるのは、逆質問の内容を通して、就活生のコミュニケーション能力や質問力を測るためです。
質のいい質問をするためには、事前に得た企業の情報を論理的に整理し、表面的な情報だけではわからない、より深い部分に対する疑問を持つ必要があります。
そして、その疑問を相手に分かりやすく伝える能力も逆質問には必要です。
このような質問力やコミュニケーション能力は、ビジネスにおいて基盤となる重要な素質となります。
そのため、企業側は逆質問を通して、その能力があるのか判断しようとしています。
志望度や熱意を知るため
多くの企業は面接で、志望度や熱意を知ろうとします。
志望動機は、志望意欲を把握できる項目の1つですが、逆質問することで、「どのくらい本気か」を見極められるようになります。
志望意欲の高い人は、その企業に関心を持ち、事前に会社の事業内容や現状についてよく調べていると、企業は考えています。
質の高い逆質問をすれば、「この学生は入社する熱意が高い」と、面接官は評価するでしょう。
とくに人気の企業であれば、本気度の高さを重要視していることも少なくなく、逆質問を通して志望意思を示すことが、とても重要です。
リサーチ力を知るため
最後に、「リサーチ力を知るため」に逆質問があります。
入社意欲が高ければ、志望先企業の業務に自分はどのように貢献できるかや、活かせる能力・スキルなどスキルなどを理解しているので、それに合った質問をすることができます。
自分のスキルやキャリアビジョンと企業の将来性を照らし合わせた逆質問をすることができれば、面接官にリサーチ力をアピールすることができるでしょう。
性格や人間性を知るため
企業が逆質問を求めるのは、性格や人間性を知るためでもあります。逆質問を通じて学生が興味を持っているものや、価値観を知ることができるからです。
例えば、企業文化や働き方についての質問をする学生は、企業に対する関心が強いことがわかります。 また、具体的な業務内容やキャリアなどについての質問をしてくる学生は、企業研究をしっかりと行ってきていることが示されます。
自分がその企業で貢献できることに関する質問をすることで、就職を真剣に考えているモチベーションをアピールしましょう。
このように、逆質問を通じて学生の性格や人間性を知ることで、企業とのマッチ度を測っています。
【インターン面接 逆質問】種類別例文43選!好印象を与える逆質問とは?
続いて、逆質問例についても紹介します。それぞれどのような質問なのか、ぜひ参考にしてみてください。
企業文化や社風に関する逆質問
・御社の社員の方々が、仕事に対するモチベーションを維持するために、会社としてどのようなサポートや取り組みをされていますか?
・入社後、私が御社の文化や価値観に馴染むために、どのような行動や姿勢が最も大切だとお考えですか?
将来のビジョンと結びつけた逆質問
・御社が今後3〜5年で特に注力していく事業領域は何ですか?また、その中で私のような新入社員がどのような役割を担うことを期待されていますか?
・現在、御社の事業において、より効率化や改善が必要だと感じている点はありますか?
・もし入社が叶った場合、御社の事業課題に対して私自身のどのような強み(データ分析力、コミュニケーション能力など)を活かして貢献できるとお考えですか?
面接で聞いた内容を掘り下げた逆質問
・面接の冒頭で、〇〇のプロジェクトは現在進行中であると伺いました。そのプロジェクトを進める上で、チームが直面している最も大きな課題は何ですか?
・御社の事業課題に対して、入社後に私がどのように貢献できるか、具体的にイメージをお聞かせいただけますか?
・御社では『社員の主体性を尊重する』という文化があると伺いましたが、その具体例として、社員の方が自ら新しいアイデアを提案し、実現に至った事例があればお聞かせいただけますか?
社員の入社理由に関する逆質問
・入社されてから、その時の期待と現実とのギャップはありましたか?
・御社で活躍されている方々は、どのような理由で入社される方が多いですか?そして、その方々に共通する行動やマインドセットがあればお教えいただけますか?
・入社されてから現在に至るまで、御社で働いていて最もやりがいを感じるのはどんな時ですか?
・やりがいを支えている御社の魅力は何だとお考えですか?
業務に関する逆質問
・業務について、苦労する点や難しさを感じるのはどのような時でしょうか?
・私が配属される部署では、業務はどのようなサイクルで進められることが多いですか?
・若手のうちから裁量を持って業務を進める機会はありますか?
・入社後、業務を通してスキルアップするために、どのようなサポート制度がありますか?また、どのような基準で個人の成果が評価されるか、具体的な例を交えて教えていただけますか?
インターンに関する逆質問
・インターンシップでは、どのような点が評価されますか?また、その評価は今後の選考プロセスにどのように影響しますか?
・インターンシップ期間中、社員の皆様とはどのような形で関わることができますか?
・インターンシップでは、業務や成果物に対して、どのようなフィードバックをいただける機会がありますか?
制度やキャリアに関する逆質問
・将来的に新規事業の立ち上げに携わりたいと考えているのですが、御社では社員が新しい事業アイデアを提案する機会はありますか?また、そのアイデアがどのように評価され、実現に至るのでしょうか?
・入社後は〇〇の部署で働きたいと考えているのですが、他の部署の業務を経験できるようなジョブローテーション制度はありますか?また、部署異動はどのような基準で行われますか?
企業で求められるスキルに関する逆質問
・入社までに身につけておくべきスキルや知識はありますか?もしあれば、どのように学習すればよいかアドバイスをいただけますでしょうか。
・将来、海外事業に携わることを目標としています。御社で海外と関わる仕事をするためには、語学力以外にどのようなスキルが必要になりますか?
自分の強みや魅力を伝える逆質問
・学生時代に〇〇のプロジェクトでリーダーを務めた経験から、チームをまとめる力が身につきました。御社では、そのようなリーダーシップを発揮する機会はありますか?
・面接の中で、御社の〇〇という事業に大変魅力を感じました。私の△△という経験は、その事業の課題解決に貢献できるのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか?
面接官個人に関する逆質問
・〇〇様は、どのような時に仕事のやりがいを感じますか?また、御社のどのような点に魅力を感じ、働き続けていらっしゃいますか?
・もし〇〇様がもう一度就職活動をされるとしたら、どのような基準で企業を選びますか?また、御社を選んだ理由を改めてお聞かせいただけますか?
ユニークな逆質問
・もし私が御社に内定をいただけた場合、入社までにこれだけはやっておいた方がいい、という『これは外せない!』ということがあれば教えていただけますか?
・御社で働く中で、社内で流行している言葉や、社員の間でよく使われるジョークなどはありますか?社風や文化を知る上で参考にしたいと考えています。
職種別逆質問
良い逆質問にはいくつか特徴がありますが、どの面接を受けても同じ逆質問を繰り返すのは、避けましょう。
職種によって特徴や必要とされる人材は異なりますし、同じ調子で逆質問を続けると、面接官や人事担当者に響かなくなる恐れが出てきます。
インターン選考を勝ち取るためにも、志望する職種に合わせた逆質問を心がけましょう。一手間かけることで、成功する確率がぐんと上がります。
ここでは、5つの職種について、効果的な逆質問をご紹介します。
- 営業職インターンの逆質問
- エンジニア職インターンの逆質問
- マーケティング職インターンの逆質問
- 企画職インターンの逆質問
- ライター職インターンの逆質問
営業職インターンの逆質問
・御社はグローバルな事業展開を目標に掲げておられます。海外での営業戦略について、どのようにお考えでしょうか?
営業職は実行力やコミュニケーション能力だけでなく、アイディアを提案し、相手の心を動かすプレゼンテーション能力も求められるため、それを踏まえた質問は自分の魅力アピールだけでなく、仕事に対する情熱や、会社を志望する意欲を面接官に示すことができます。
また、会社に共通するビジョンについての質問は、会社について調べないとわからないため、「この学生は我が社について調べている」「営業職を志望する姿勢が見られる」と評価されやすくなります。
会社の理念や事業展開などについては、ある程度リサーチを続けていると、出てくる情報ですので、見落とさないようにすることが大切です。
エンジニア職インターンの逆質問
・私は御社の求人票に記載されていた、特定のプログラミング言語を勉強しています。ほかに習得した方が良いものがあればご教示ください
企業のビジョンについて逆質問することで、学生は自分のやりたいことと、企業のビジョンがマッチしているかどうか確認できます。
企業について隅から隅まで調べた上での質問ではなく、ある程度情報を収集し、その上での将来を見据えた質問ということで、好意的に受け入れます。
また、入社前に勉強しておいた方が良いことについての逆質問は、本気で就職するつもりがあることを面接官に伝えることができるため、志望意欲や仕事に対する情熱をアピールしたいときにオススメです。
それと同時に、面接官に入社後の姿をイメージしてもらうのに役立ちます。
マーケティング職インターンの逆質問
・今後御社では、どのサービス分野においてマーケティング戦略に取り組むとお考えですか?
専門性を帯びた質問は、面接官を選ぶ必要がありますが、上記の質問であれば、逆に「よく調べているな」と好意的に受け入れてもらえます。マーケティングは企業の活動全般に関わることですので、ビジネスモデルについての質問は、的外れではありません。
1つ注意する点は、度を超すと、現場の担当者でなければ説明できないような、突っ込んだ質問となりますので、人事担当者は、企業の経済事業を担当しているわけではないため、相手を見て選んだ方が良い質問内容だということです。
企画職インターンの逆質問
・ワークショップでもっと強化した方が良い点があるなど、チームの課題がありましたら教えてください。
「私にはこのような強みがあります」とストレートにアピールするのではなく、「持ち前の特技を活かせるでしょうか」と質問することで、自己PRできる逆質問になります。
自己PRできる強みや経験がなければ、それを性格に置き換えることも可能です。
逆質問の自己PRは、企業の業務内容に関連することが原則になります。自己PRと企業のニーズにズレがあると、逆質問してもあまり意味がありません。
また、現場担当者が面接に同席したときに活用できる逆質問は、現場担当者と打ち解けやすい質問内容ですが、度を超すと失礼な態度と見なされてしまうこともありますので、逆質問の仕方には十分注意を払いましょう。
ライター職インターンの逆質問
・ライターインターン内定をいただけた場合、事前に準備しておくことはありますか?
自分が望むキャリアについて逆質問することで、自分のニーズと会社のニーズが一致するかどうか確かめることが可能になります。
また、ライターインターンとして選考されたことを見据えた逆質問は、働く意欲が感じられ、人事担当は、「この学生はやる気がある」と、手応えを感じるでしょう。
ですが、逆質問の内容を「この取材ライター案件を担当させていただけますか」とすると、「受かっていもいないのに早すぎる」という印象を与え、逆効果になることもあります。
【インターン面接 逆質問】好印象を与える逆質問のポイント
逆質問は基本的に、自身が気になる事や疑問に思っていることを質問すれば良いです。
ここではさらに、好印象を与える逆質問を考えるためのヒントを紹介します。
以下のポイントを意識してみると内容の深い質問ができるのではないでしょうか。
自分なりに工夫してより評価の高い逆質問を考えてみてください。
- 企業を研究したことが伝わる内容にする
- 将来のビジョンと結びつける
- ポジティブな印象を受ける言い回しにする
- 面接で聞いた内容を掘り下げる
- 逆質問は事前に用意する
- 入社後の姿をイメージさせる
- インターンに参加したい目的を明確にする
- 質問を通じて強みや熱意を伝える
それでは、詳しく見ていきましょう。
企業を研究したことが伝わる内容にする
逆質問は、事前にどれだけ企業について調べてきたかを示す絶好の機会です。
企業のウェブサイトやIR情報、ニュースリリースなどを読み込むことで、表面的な情報だけでなく、事業の方向性や課題、業界における立ち位置まで理解していることを示しましょう。
たとえば、「御社の〇〇事業における△△という取り組みに感銘を受けました。
今後の事業展開において、この取り組みをどのように発展させていくご予定ですか?」といった質問は、あなたの熱意と深い理解を面接官に強く印象づけます。
将来のビジョンと結びつける
あなたの将来のビジョンと企業の方向性を結びつける逆質問は、入社後の貢献意欲をアピールする効果的な方法です。
単に「成長したい」と伝えるのではなく、「将来、〇〇の分野で活躍したいと考えているのですが、御社で働くことで、そのために必要なスキルや経験はどのように身につけられますか?」といった具体的な質問をすることで、あなたが自身のキャリアを真剣に考えていることを示せます。
企業は、明確な目標を持ち、自社で成長してくれる人材を高く評価します。
ポジティブな印象を受ける言い回しにする
質問内容によっては、言い回しだけでポジティブにもネガティブにも捉えられることがあります。
業務の難しさや給与に関する質問、休暇についてなどの質問は特に言い回しに注意しましょう。
このような質問をしたい場合は、なぜそこが気になったのかを明確にする必要があります。
疑問に思った理由はできるだけ前向きな表現を心掛けましょう。
面接で聞いた内容を掘り下げる
面接官の話を真剣に聞いていたことを示す逆質問は、コミュニケーション能力の高さをアピールできます。
面接中に話された業務内容や企業文化、プロジェクトの話などをメモしておき、それに基づいて「先ほど〇〇様がおっしゃっていた△△のプロジェクトについて、チーム体制や役割分担はどのようになっているのでしょうか?」と具体的に掘り下げる質問をしましょう。
これは、あなたが一方的に話すだけでなく、相手の話を理解し、さらに深く知ろうとする姿勢があることを証明します。
逆質問を事前に用意する
当日その場で頭を回転させて質問をひねり出すのは難しいため、面接で逆質問が思い浮かばないときのために、事前に逆質問を準備しておきましょう。
企業のHPに掲載されている情報から事前に考えつく質問をメモしておいてください。
面接当日、用意していた質問の答えとなる内容を先に説明されるかもしれません。
そのため逆質問の候補は3つ以上あると最低1つは質問できる内容が残るはずです。
入社後の姿をイメージさせる
逆質問は、あなたがその企業で働く未来を具体的に想像しているかを示す機会です。
漠然とした質問ではなく、自分のスキルや経験がどのように活かせるかを具体的に尋ねることで、入社後の貢献意欲をアピールしましょう。
たとえば、「学生時代に培った〇〇のスキルを、御社の△△事業でどのように活かせるとお考えですか?」といった質問は、入社後の具体的な働き方を面接官にイメージさせ、あなたの即戦力としての可能性を示します。
また、「御社で働く社員の方は、入社1年目でどのような業務に携わることが多いですか?また、どのような能力が求められますか?」という質問は、入社後のキャリアパスを真剣に考えていることを伝え、働く意欲の高さをアピールできます。
インターンに参加したい目的を明確にする
インターンシップへの参加目的を明確にした逆質問は、あなたの意欲と企業への関心の高さを伝える効果的な方法です。
単なる体験ではなく、学びや成長を目的としていることを示しましょう。
例えば、「私は〇〇の経験を通して、△△のスキルをさらに高めたいと考えています。このインターンシップでは、どのような業務を通してそのスキルを磨くことができますか?」と尋ねることで、あなたがインターンシップを自己成長の機会として捉えていることが伝わります。
また、「今回のインターンシップで、最も学べることや得られる経験は何ですか?御社で働くことの面白さや難しさを肌で感じたいと考えています。」という質問は、あなたの熱意と真剣さを面接官に印象づけます。
質問を通じて強みや熱意を伝える
逆質問は、あなたの強みや熱意を間接的にアピールするチャンスです。
自分の強みを活かせる場面を具体的に想定した質問をすることで、貢献意欲を伝えましょう。
「私の強みは、課題解決に向けて粘り強く取り組む力です。御社の業務において、どのような場面でその強みを活かせるとお考えですか?」という質問は、あなたの自己分析の深さと、それが企業でどう役立つかを具体的に考える姿勢を示します。
また、「御社の〇〇という事業に強く惹かれています。この事業で働くには、どのような資質やスキルが特に重要になりますか?」と尋ねることで、特定の事業に対する熱意と、そのために必要な能力を身につけたいという向上心をアピールできます。
【インターン面接 逆質問】NGな逆質問とは?
逆質問には、評価が上がるものと、反対に下がるものとがあります。
評価が下がる逆質問をしてしまうと、それまでの面接が良くても、落とされてしまう可能性がありますので、悪い印象を残さないよう注意が必要です。
学生がうっかりして質問してしまうNGな逆質問について2つにまとめたので解説していきます。
- 給与面
- 福利厚生面
- 企業研究をすればわかる内容
- 離職率や残業面
- 企業側の応えづらい内容
- 目的のない内容
- 「質問はありません」
給与面
仕事をする以上、支払われる給与は気になることですが、インターンシップの面接では不適切な質問になります。
仕事よりも給与を優先する人物、つまり入社する意欲はそう高くない、と見なされてしまう恐れがあるからです。
面接官から給与について説明があれば別ですが、そうでなければ給与に関する逆質問は避けましょう。
「長期インターンの時給はいくらですか?」「入社初年度の平均年収はどのくらいですか?」「どんな手当がもらえますか?」「前年度支給したボーナスはいくらか教えてください」といった質問は、NG逆質問になります。
福利厚生面
給与に加え、休日や有給も、働く側にとって、大切な選択基準になります。と言っても、福利厚生面の逆質問をすると、「仕事内容や会社よりも、福利厚生面の方に興味がある」とのマイナス評価を得てしまうことになります。
通常休日や社会保険といった待遇についての情報は、求人情報に掲載されている場合が多く、それをインターンの面接で逆質問してしまうと、「下調べをしていない」ということになり、さらに評価が落ちてしまいます。
「残業はあるんですか?」「転勤する必要はありますか?」「有給休暇は取れますか」「年間休みはどのくらいありますか」は、避けた方が無難な逆質問です。
待遇に関する逆質問はNGと言っても、絶対にしてはいけない、ということではありません。
たとえば「アルバイトをしていたとき、月平均5〜10時間ほど残業しておりました。御社の求人情報には、『残業あり』とありますが、平均的な残業時間を教えてください」と、聞くことは可能です。
「求人情報を見ただけではわからなかったので質問しました」というニュアンスが出れば、「残業時間に合わせて、こちらで調整します」という姿勢が伝わります。
ただし、待遇に関する逆質問は、あまり良い印象を与えない、という点は忘れないようにしましょう。
この手の逆質問は、どうしても聞く必要に迫られたときにする、と位置づけた方が賢明です。
企業研究をすればわかる内容
企業研究をすればわかるような内容を聞いてしまうと、マイナスなイメージを与えてしまう可能性が非常に高いです。
企業の公式サイトに書いてあるようなことを聞くということは、全く企業研究を行っていない、モチベーションが低く、滑り止めで受けている人物であると思われてしまいます。
「この人は本当にうちのインターンに参加したいのだろうか?」と疑われてしまうような質問を面接の最後にしてしまうと、途中まで回答の質が良かったとしても、落とされてしまう可能性が急激に上昇します。
したがって、企業についてしっかりと調べた上で、それでもわからなかったことやより詳しく知りたいことについて聞くことをおすすめします。
離職率や残業面
離職率や残業時間といった企業のネガティブな側面を直接的に尋ねる質問は、面接官に不信感を与える可能性があります。
例えば、「御社の離職率はどれくらいですか?」や「平均残業時間はどれくらいですか?」といった質問は、入社前からネガティブな要素を気にしていると捉えられかねません。
このような内容を知りたい場合は、「社員の皆さんが仕事とプライベートを両立するために、どのような工夫をされていますか?」や「プロジェクトの納期が迫っている際、どのようにチームで協力して乗り越えていますか?」といった形で、ポジティブな言葉に変換して質問するのが良いでしょう。
企業の働き方に対する考え方や社員同士の協力体制を探る質問にすることで、面接官に良い印象を与えつつ、知りたい情報を引き出すことができます。
企業側の応えづらい内容
経営に関わる機密情報や、面接官個人のプライバシーに踏み込むような質問は避けましょう。
例えば、「御社の今後の業績見通しについて、具体的な数字を教えていただけますか?」といった質問は、企業の機密情報に関わるため、面接官は答えられません。
また、「年収はどれくらいですか?」といった質問も、選考段階では不適切です。
「御社の〇〇事業は、今後どのようなビジョンを描いていらっしゃいますか?」といった、企業が公開している情報をもとに、その先の展望について尋ねる質問に留めるのが賢明です。
面接官の答えにくい質問を投げかけると、場の雰囲気が悪くなるだけでなく、コミュニケーション能力が低いと判断されるリスクもあります。
目的のない内容
事前に調べればわかるような質問や、意図が不明確な質問は避けましょう。
「御社の事業内容は?」や「社員数は何人ですか?」といった、企業のウェブサイトを見ればすぐにわかるような質問は、企業研究を怠っていると判断されてしまいます。
このような質問は、面接官に「この学生は本当にうちの会社に興味があるのだろうか?」という疑念を抱かせる原因になります。
逆質問は、あなたの知的好奇心や入社意欲をアピールする場です。
企業の情報を深く掘り下げた上で、「御社の〇〇というサービスは、どのような顧客層をターゲットにしているのでしょうか?」といったように、具体的な情報をさらに深掘りする質問を準備することが大切です。
「質問はありません」
面接の最後に「質問はありません」と答えるのは、最も避けるべき行動の一つです。
これは、企業への関心や入社意欲が低いと判断される可能性が高いです。
面接官は、逆質問を通してあなたの熱意や思考力を測ろうとしているため、質問がないということは、そのチャンスを放棄したことになります。
面接の中で疑問が解消されてしまった場合でも、「面接を通して、御社の事業内容や働き方について理解が深まりました。特に、〇〇様のお話にあった△△という点に大変感銘を受けました。もし可能であれば、今後の選考フローについてお教えいただけますでしょうか?」といったように、感謝を伝えた上で、面接のまとめや今後の展望について尋ねるなど、前向きな姿勢を示すようにしましょう。
【インターン面接 逆質問】逆質問についてのQ&A
弊社は就活エージェントを運営しているため、様々な就活生の方からインターン面接における逆質問についての質問をいただきます。
その中でも多くの就活生の方からご質問いただくことが多いものを厳選して3つ紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
逆質問が思いつかない時は?
逆質問が思いつかない時は、その時間を自己PRとして用いるような考え方をすることをおすすめします。
もちろん「私の強みは〜」などと話し始めてしまうと、「自己PRについては先ほど聞きましたよ」と突っ込まれてしまうかもしれませんが、「私の強みである〇〇は貴社において〇〇の業務に活かせると考えていますが、他に求められる能力には何がありますか」などと聞くのが良いでしょう。
これにより自分の強みについて積極的にアピールできるだけでなく、さらに能力を磨く意欲がある人物であるとモチベーションの高さを評価してもらえます。
逆質問は何個するのがいい?
もちろん与えられた時間にもよりますが、逆質問は3個程度用意しておくことをおすすめします。
あまりにも少ないと「やる気がない」「あまり興味がないのでは?」と思われてしまう可能性が高いため、最低でも3個程度は用意することをおすすめします。
また、面接の途中逆質問で聞こうと思っていた疑問が解消されてしまうこともあるため、余裕があれば5個程度用意しておくと安心でしょう。
回答をもらった後どう終わればいい?
回答をもらった後はただ「ありがとうございます」と言うのではなく、質問によって企業についてより理解を深められたことや、意欲が高まったことなどを伝え、感謝の言葉を述べるようにしましょう。
また、逆質問の多くは面接の最後に実施されるため、そのまま面接が終わったら、面接を実施してくれたことに関する感謝の言葉も忘れないことが重要です。
【インターン面接 逆質問】まとめ
面接官への逆質問の内容は、基本的に「聞きたいことを質問」します。
と言っても実際は何でも質問できるというわけではなく、企業が逆質問をする意図を理解した上で、考える必要があります。
企業の職種や事業内容に合わせた逆質問を心がけると、なおさら良いでしょう。
給与や福利厚生など待遇に関する逆質問は、評価を下げることにつながりやすく、「自分をアピールできる」という、逆質問のメリットと正反対の結果を招きかねません。
逆質問は、インターン選考の合否を左右しますので、慎重に準備することが望まれます。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート