この記事では、自分史を使った自己分析の方法を徹底解説しています。
近年、ますます自己分析の重要性が増しています。
そこで2024年度、着目されているのが自分史を使った自己分析です。
本記事では、そもそも自分史とは何か、自分史はどのようにして作成するのか、自分史からどのように分析を進めればよいのか、といった就活生の疑問をわかりやすく解説します。
ぜひ本記事を読みながら、一緒に自分史を作成してみてください。
- そもそも、自分史とは?
- 実際の自分史の例
- 自分史の作り方の手順とポイント
目次[目次を全て表示する]
【自己分析】自分史とは?
自分史とは自分の歴史です。
自分の年齢や学年と出来事を一覧にするとわかりやすいでしょう。
自分史作成は過去を検証する作業です。
今は人生100年時代と言われています。
健康寿命が延び社会システムは古いものから新しいものへと変化しています。
高齢者となっても学びや活躍の場があるのです。
大学生で勉強が終わりではなく、社会人となっても学びは続きます。
ですのでこれから自分がどういう方向に進みたいか、過去から検証しましょう。
平凡な人生と思っていたのがこんな経験をしたという再発見につながります。
産まれてから就職するまでが人生の第一ステージです。
働いて社会の中心を担う第二ステージに進むため、自分史で第一ステージを振り返りましょう。
自己分析を自分史からスタートするのもおすすめ!
「自分史」で今までの人生に焦点を絞ることができると、自己分析が容易になります。
自己分析では興味のあることや将来どのようになりたいか考えをハッキリさせる作業です。
これは意外と難しい作業です。
手がかりがなければ曖昧なまま進めることになります。
だからこそ、少し焦点を絞って「自分史」を作るのです。
自分史を作ると過去の経験を客観視することができ思考が整理されます。
未来のやりたいことや得意なことは過去と地続きです。
自己分析は自分史を作るところから始めましょう!
ぜひ紙とペンを片手に読み進めてみてください。
【自己分析】実際の自分史の例を見てみよう
実際に弊社の就活相談に来てくれた学生の自分史を見てみましょう(掲載許可を得ています)。
このように、時系列ごとにどんなことがあったかをまとめていくのが自分史です。
作成する前に、こちらの自分史を読んでみて、雰囲気だけでも掴み取りましょう。
就活市場エージェントの利用者(都内の大学3年生男子)の実際の自分史
自分史では例の画像のように、時間軸とその時期に起こった出来事、その出来事の中で感じたことを表にしてまとめます。
どんな間隔で時間軸を設定するか、どんな項目で出来事を分けるかは自由ですが、就活市場のおすすめは4〜5項目程度におさめることです。
エピソードを絞り込むことで、自己分析に必要な、内容の濃いエピソードを見つけることができます。
【自己分析】自分史の就活への活かし方
自分史を使って自己分析をしたら、どのように就職活動に活かしていけばよいのかを解説します。
自分史を作成したあと、どのようにして就活を進めていけば良いのかを理解してから自己分析を開始することで、より効率を上げることができます。
1.業界選び・企業選びの軸を決める
自分史を使った自己分析の結果は、業界選び、企業選びに活かすことができます。
業界、企業を選んでいくときには、軸を決めることが大切です。
外せない条件はあるか、どのような環境を求めているのか、といった点を、自分史で書き出したエピソードを分析することで見つけ出せます。
2.ガクチカ、自己PRに活かす
自分史を作成することでさまざまな過去の経験を掘り出すことができます。
ここで掘り出したエピソードは、ガクチカや自己PRの文章を考える際にとても役に立ちます。
ガクチカ、自己PRでは、自分のアピールとともに、その根拠となるエピソードを具体的に伝えることが求められます。
そんなとき、過去経験をたくさん掘り出していれば、どのエピソードを伝えるか迷うことがなく、スムーズに選考対策を進められます。
【自己分析】自分史を作るメリット
自分軸がわかることのほか、自分史を作ることによる効果はほかにもあります。
生まれてから学業が終わるまでの人生の第一ステージを俯瞰して見られることで、自分のルーツをたどれるのです。
ルーツは自分自身を形成するアイデンティティーのもととなっています。
自分史でルーツをたどることで、具体的には次のような効果が期待できます。
忘れていたエピソードを思い出す
すっかり忘れていた記憶から、努力が認められた瞬間や憧れた人がいたことなどを思い出すことがあります。
「自分がこういった考えを持ったのはこの出来事があったからなんだ」と腑に落ちる感覚を味わうことがあるかもしれません。
過去の気づきは成長の種です。
当時どんな言葉を交わしたか、どんな心境だったかまで思い出してみましょう。
当時はこう思っていたが振り返ると実際はこうだったというように、時間を経たことで過去への解釈が変わっているかもしれません。
それは当時から成長しているから見方が広がったと言えます。
嫌な過去だったとしても感謝や気付きに変えられると思えば向き合えます。
性格や傾向の発見
性格や傾向の発見も自分史の効果です。
実は社交的な性格だった・細かいことに気付きやすい性格だったなど自分の性格を発見すると、どのような職場が良いか検討できます。
また、いくつもの成功と挫折の経験から、自分の勝ちパターンや失敗傾向も発見できます。
性格や傾向の発見は、どんな社風の会社が自分に合うのか考える材料になります。
3つ子の魂百までと言いますが、小・中・高・大と通して変わらなかった考えや変わった考えがあると思うので書き出してみるといいでしょう。
環境によって人の振る舞いは変わるので、どんな環境でも変わらなかった考えがあれば、それはあなたの本質的な人間性と言えます。
自分の軸が見つかる
自分軸とは、言動のおおもととなる思考のことです。
思考がブレていると行動が行き当たりばったりとなり一貫性を持たず人生の迷子になってしまいます。
思考が言葉や行動となってあらわれます。
誰のために、何のために、自分史の出来事から点と点をつなげてみてください。
何を大切にして生きていくか見えてくるはずです。
自分軸があると「その会社で何をしていきたいか」という難しい質問にも答えられます。
【自己分析】自分史の作り方2ステップ
自分史を作る2ステップは、過去の棚卸しとそれを表にまとめていく作業です。
自分史を作る上で、紙またはエクセルなどの表計算ツールの用意が必要です。
紙に関しては、ノート、ルーズリーフ、A4コピー紙、どんな紙でも大丈夫です。
表計算ツールを使用する場合は、エクセルまたはGoogle spreadsheetがおすすめです。
用意ができたら、早速ステップ1から始めていきましょう。
ステップ1.過去の経験を書き出していく
まず、紙の右側に学年にあわせて過去の出来事を書き出します。
良かったこと悪かったこと、記憶にあるだけの過去を洗い出しましょう。
中学・高校時代は部活をする方が多いと思うので、どんな活動をしていたか書き出すのもいいでしょう。
プライベート、学校生活、自分の精神面の変化など自由に書きます。
あとで清書もできますので、紙が汚れることを気にせずに書いてみてください。
取得した検定や資格があればそれも書き出しましょう。
ステップ2.表にする
過去経験の書き出しを終えたら、それらを表にしてきましょう。
表にするときには、横には小学校、中学校・・・大学、といったような時系列、縦には頑張ったこと、印象に残っていること・・・など過去経験の分類を書いていきます。
表をつくったら、書き出した過去経験が表のどこにあたるかを考え、埋めていきましょう。
このとき大切なのは、できるだけ文章にしていくことです。
どんな経験で、どんなことを考え、どんなことを学んだのか、といった内容をできるだけ具体的に書くようにしましょう。
以下のボタンからテンプレートがダウンロードできるので、ぜひ使用してください。
【自己分析】自分史を使った分析のポイント
自分史を使った自己分析のポイントを、エピソードの項目ごとに解説していきます。
エピソードの項目ごとに、どんなことが分析できるのか、ひとつひとつ解説していますので、作成した自分史とこちらで紹介しているポイントを一緒に見ながら分析を進めましょう。
1.好きだったこと
好きだったことの項目では、どんなことが好きだったのかを時系列で見ていくことで、自分が興味を惹かれるものを分析します。
昔からあまり変わっていないのであれば、それが自分が最も興味を惹かれるものです。
一方時間の経過とともに変わっているのであれば、好きなことをベースに仕事をしていくのは安定しないかもしれない、といった分析ができます。
2.頑張ったこと
頑張ったことの項目には、自分が活躍できる環境のヒントが隠されています。
なぜそれを始めたのか、なぜそれを頑張れたのか、頑張った結果どうだったのか、と細かく振り返ることが大切です。
細かく振り返れば振り返るほど、自分が将来活躍するためにはどんな環境が必要なのか、をより深く分析することができます。
3.印象に残っていることや、場所、気持ち
印象に残っているエピソードからは、自分が達成感を感じる瞬間がどこか、を探すことができます。
仕事を続けていく上で、達成感はとても重要です。
就活市場エージェントに相談に来られる、転職を考えていらっしゃる方の中にも「今の仕事に達成感、やりがいを感じない」ことを理由に挙げられる方が少なくありません。
新卒で入社する企業で生涯働き続けたい、という方は、自分がどんな瞬間に達成感、やりがいを感じるのかを印象に残っているエピソードから分析して、業界、企業選びに活かしていただきたいです。
4.挫折した経験
挫折した経験のエピソードの中には、自分が最も成長したエピソードが隠されています。
人間は失敗を通して成長するものです。
大きな失敗であればあるほど、より多くのことを学ぶことができます。
その挫折はどのようなものだったのか、その挫折をどのようにして乗り越えたのか、そして、その挫折からどのようなことを学んだのかを分析しましょう。
さらに余裕のある方は、その挫折経験から学んだことを活かして成功できた体験まで考えられると、自分の強みも見えてきます。
5.挑戦した経験
挑戦した経験を分析することで、自分の意欲関心を深掘りすることができます。
特に大切なのか、なぜチャレンジしたのかを分析することです。
例えば、好きなことだからチャレンジできたのであれば、好きなことを仕事にしたとき、チャレンジ精神を発揮してより活躍できるかもしれません。
一方、苦手なことを克服するためにチャレンジしたのであれば、逆境に立ち向かう力が求められる環境でも活躍することができるかもしれません。
このように、チャレンジした理由を明確にすることで、自分がどのような点に意欲関心を持って働いていけるのか、を理解することができます。
【自己分析】3ステップで自分史を活用しよう
自分史の欄をだいたい埋めることができたでしょうか。
おおまかにできたら自分史を活用していきましょう。
この作業では学年と出来事の欄とは別のスペースに書いたり、色ペンを使ったりしてみてください。
自分史からの気付きや深堀していく作業になります。
3ステップで順番に説明します。
自分の傾向を観察
1ステップでは自分の傾向を観察する作業になります。
自分史をサッと一読しなおしてみてください。
精神的に安定している、不安定だ、小学・中学はポジティブ傾向だったが、高校・大学ではネガティブ傾向にあるなど気付いたことはないでしょうか。
興味が転々としていても、興味が定まれば熱心に取り組んだ経験はなかったでしょうか。
その興味はどんなジャンルだったでしょうか。
その興味は今も続いているでしょうか。
自分史で気になるワードを赤ペンで丸付けするのもいいですし、文章で自分の傾向を言葉にするなど、自分史を見つめて向き合ってみてください。
どのポイントで何を感じてどんな行動をしたか?
2ステップではどのポイントで何を感じてどんな行動をしたか自覚する作業をします。
自分史の中からこの経験は大きかったという出来事を選んでください。
- なぜ頑張れたのか…バスケットボールが好きだった、親友と一緒だった
- その結果どうなったか…全国大会へ行った
- そのためにどんな行動をしたか…朝の練習とチーム皆とコミュニケーションをとるように心がけたこと
自分史から選ぶ経験はいくつでもいいです。
これは自分にとって大きな出来事から考察していきましょう。
傾向から見える自分の性格や思考を言語化
3ステップでは傾向から見える自分の性格や思考を言語化します。
言語化することによって人にうまく伝えることができるようになります
1ステップと2ステップで書き出したことから性格や思考を導き出します。
- 性格…目標に向かってコツコツ頑張ることができる
- 思考…自分だけでなく周りの成長も大事 笑顔の世界を作りたい
- 部活やアルバイト経験があると学びも多く言語化しやすいのではないでしょうか。
性格や思考から、チームで仕事するのがいいのか、主に一人で技術を磨いていく作業がいいのかなど見えてくると思います。
性格と思考のほか「興味」や「努力したこと」などに注目するのもいいと思います。
注目する項目をいくつか絞って自分の傾向を見つけてください。
【自己分析】合わせてやりたい自己分析
自分史を作ることはとても有効な自己分析の方法のひとつですが、自己分析には他にも非常に多くの方法がある。
その中でも、自分史の作成と一緒に実施できる、就活市場おすすめの自己分析の方法をご紹介します。
他己分析
他己分析とは、自分の周囲の人たちに自分のことを分析してもらい、自己分析をする方法です。
自分では気が付かなかった自分の特徴を教えてもらうことができるため、他己分析をすることで、より広く自分を知ることができます。
他己分析の方法にもさまざまな種類がありますが、就活市場おすすめの他己分析方法をまとめている記事があるので、他己分析をしてみたい、という方は読んでみてください。
自己分析ツール
実は就活市場では、LINEのチャットに送られてくる質問に答えるだけで自動的に自己分析が完了する「自己分析ツール」を完全無料でご提供しています。
このツールは年間1000人以上の就活生が利用しており、プロが監修しているツールとなっているため、お手軽に、しかも制度の高い自己分析ができるようになっています。
所要時間も15分程度とかなり短いため、まずは一度試してみてください。
その他の自己分析ツール
この記事でご紹介した自分史、他己分析、自己分析ツールを使った自己分析のほかにも、さまざまな自己分析の方法があります。
どの方法で自己分析をやってもよいですが、それぞれ違った特徴を持っています。
いくつか試してみた上で、最も自分に合うと感じた方法で自己分析を進めていただきたいです。
自己分析の簡単なやり方については、とてもわかりやすく解説している記事がありますので、そちらをご覧ください。
【自己分析】まとめ
自分史を書き出してみていかがだったでしょうか。
記事を読みながら書き出したという方も、これからじっくり取り組むという方も、完成時には充実感を覚えることと思います。
なんとなく就活するのはもったいない話です。
自分軸で歩めるよう心がけてみてください。
自分史があれば、迷いがあってもどちらに進むべきか方向性が見えてくるはずです。
また自己分析の一環としてだけではなく、自分史をその先の生き方の道しるべとして活用してみてください。
就活が終わっても学びは続きます。
人生のどの時点でもいい未来を選べるように、就活が終わっても時折見返すことをおすすめします。
あなたの自分史の作成がうまくいくことを願っています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート