日立製作所は日本の大手電機メーカーで、伝統ある企業です。
その知名度の高さから就活生にも非常に人気を博しています。
日立製作所に入社するためには、徹底的な企業研究が欠かせません。
この記事では、日立製作所の企業研究で確認すべきポイントを解説します。
社員の声も紹介しているので、参考にしていただけるでしょう。
目次[目次を全て表示する]
日立製作所の企業研究で確認すべきポイント
まずは、日立製作所の企業研究で確認すべき点を解説します。
就活で特に重要となるのは「事業内容」「企業理念」「競争力」の3つです。
色々なポイントを紹介しますが、この点を重点的に確認してください。
①代表取締役
氏名 |
東原 敏昭 |
経歴 |
・1977年 4月 日立製作所入社 ・2013年 4月 執行役専務 就任 ・2014年 4月 代表執行役 執行役社長兼COOに就任(現在に至る) |
②企業理念
数ある電機メーカーの中でなぜ日立製作所を選んだのか明確な回答をするためには、企業理念を理解することが大切です。
日立製作所の企業理念は、以下の通りです。
「日立製作所は、その創業の精神である"和"、"誠"、"開拓者精神"をさらに高揚させ、日立人としての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを基本理念とする。
あわせて、当社は、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力する。」
※ 「日立製作所 基本理念」を引用
つまり、柔軟な思考で物事を深く広く捉え、最後まで自分の力でやり遂げ、その結果、企業や社会に貢献できるような人物を求めているといえるでしょう。
③設立年・事業拠点・資本金
設立年 |
1920年 |
事業拠点 |
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号 |
資本金 |
45億8,790万円(2019年3月末現在) |
④事業内容
日立の事業セグメントは、大きく以下の5つに分かれます。
コンサルティング、クラウドサービス、ソフトウェア等
エネルギーソリューション、パワーグリッドシステム
産業・流通システム、水・環境システム等
エレベーター、鉄道システム等
医療機器、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等
日立製作所は、電機メーカーのイメージが強いでしょう。
実際、白物家電の実績が豊富で、特に環境に配慮した製品を売りにしています。
しかし、上述の通り、家電のみならず様々な分野に手を広げています。
事業の多角化推進の政策を取っていましたが、リーマンショックで赤字を出してからは、不採算事業からの撤退を進めています。
持ち前の高い技術を活かして、近年好調なのが、鉄道やエレベーターなどのモバイリティ。
特に電車は、海外輸出にも積極的で、世界トップレベルの鉄道システムを提供しています。
また、エレベーターはすでに高いシェアを獲得しており新規参入も少ないため、今後も成長が見込まれる領域です。
⑤業績
日立製作所の売上高と営業利益の推移は、以下の通りです。
(単位: 百万)
年度 |
売上高 |
営業利益 |
2018 |
9,480,619 |
754,976 |
2017 |
9,368,614 |
714,630 |
2016 |
9,162,264 |
634,869 |
2015 |
10,034,305 |
634,869 |
2014 |
9,774,930 |
641,325 |
⑥成長性
日立製作所が今後成長していくかどうかはなんとも言えません。
毎年売上増大を謳っていますが、上記の売上高の通り、ほぼ横ばいで推移しています。
ただ、その守備範囲の広さから、リーマンショック時のように大きく利益が減少する心配はあまりありません。
よくも悪くも堅実な企業だといえるでしょう。
⑦景況・経済動向による影響度
為替の影響をどれだけ受けるのかという点ですが、日立製作所は海外売上比率が高くないため、こちらの影響は他の電機メーカーと比べると低いでしょう。
ただ、売上が9兆円にも上っている大企業ですから、数字としての金額の変動は大きいです。
⑧競争力
中国や台湾企業の台頭により、電機メーカーは日立に限らず危険に晒されました。
その中でも日立は家電の環境性能の高さに自信を持っています。
地球温暖化の影響もあり、省エネ製品が手に取られる傾向が続いています。
価格では中国製品に劣っていても、地球にやさしいことを理由に日立の家電が売れ続けることは大いに考えられるでしょう。
また、先述の通り、日立は様々な事業を展開しています。
そのなかには採算が取れない事業も存在します。
日立は不採算事業をカットすることで、利益を上げられる会社づくりを進めてきました。
結果的に、事業の選択で得た利益を技術開発等に投資することができ、さらなる技術力の向上が見込めます。
そして、日立製作所は鉄道やエレベーターなどの社会インフラ事業で、日本企業トップクラスの売上高を誇っているのも強みです。
何といっても、日立はOT・IT・プロダクトの3つを一社で保有している数少ない企業です。
自社ですべてまかなえてしまうため、あらゆる課題に対処できる強みが最たる強みといえるでしょう。
⑨社風
日立製作所の社風を一言で言えば、真面目で堅実です。
日立製作所の製品はシステムやインフラなど生活を支えるのに役立つものばかりなため、「堅実性」や「信頼性」が大切となります。
ただ、単に真面目なだけでなく内に秘めた熱い思いを持っている社員が多いです。
売上10兆円規模というスケールの大きい事業に携われるため、そこに対する社員の情熱も高いでしょう。
基本的には年功序列の日本的な企業の環境ですが、人材を「人財」と評し、人を大切にする文化も根付いており、働きやすい環境だといえます。
⑩キャリア形成の環境
日立製作所は、キャリア開発の取り組みとして、GPMという目標管理のためのプログラムを世界共通で実施しています。
GPMとは、企業の目標と個人の目標を連動させ上司からのチェックを行うことで、会社と社員の成長を結び付けようとする取り組みです。
実際、GPMによって、社員のキャリアアップと会社の生産性の向上を同時に達することができたとの声が挙がっています。
⑪職種
日立製作所は、職種ごとの採用形態を取っています。
具体的な職種は以下の通りです。
- 研究開発
- 設計開発
- SE
- 資材調達
- 生産管理
- 生産技術
- 品質保証
- 営業・営業技術
- 人事総務
- 経理財務
- 法務
- 知的財産マネジメント
- 企画
求める人物像
日立製作所は「広い視野と強い意志をもった人材」を求めています。
それは、公式採用情報サイトの以下の引用からも明らかです。
- 柔軟な頭で、物事の全体像を捉えられる人財
- あらゆる人に心を開き、心を開いてもらえる人財
- 常に自分の意志を持ち、それを明確に示せる人財
- 困難に立ち向かい、最後までやりとげられる人財
⑫勤務条件
給与 |
ジョブグレード、いわゆる等級制で年収が決定 |
福利厚生 |
独身寮、社宅、世帯手当、住宅補助、通勤手当、カフェテリアプラン等 |
大手企業だけあって、福利厚生は充実しています。
⑬CSR活動・ダイバーシティの取り組み
日立グループ全体として「CSR活動取り組み方針」を定め、様々な分野でCSRに関する取り組みを実施しています。
⑭関連企業
日立グループは日立製作所を中心に、連結子会社800社以上という大グループを形成しています。
【企業研究】日立製作所社員の声を紹介
最後に、実際に日立製作所の社員として働いている方の声を紹介します。
先輩社員がどのような理由で志望を決めたのか、働いて感じた日立製作所の特徴などを確認しましょう。
2004年入社: 渉外女性
就活では、インパクトのある社会貢献ができる企業を中心に探してみました。
惹かれたのは製造業界。
モノという実態があり、それが社会を支えているという明快さに魅力を感じました。
しかし、一言でモノといってもその種類は様々。
目に見えるモノもあれば目に見えないものもあります。
就活を進めるうちに、「私たちが当たり前のように使用しているモノほど実は社会を支えている」と思うようになりました。
目立たないけど人々の生活をしっかり支えている社会インフラを作っている日立に魅力を感じ、入社を志望しました。
2010年入社: 営業男性
就活で軸にしたキーワードはインフラ支援。
商社や独立行政法人・メーカーなどを回りましたが、自らの手で持続性あるインフラを創り出すメーカーに魅力を感じました。
当時の日立が採用スローガンに打ち出していた「not only product, but Life.」。
この一文に、日立の体温や理念を感じました。
利益至上主義をとらず、社会貢献を主軸と考え、グローバル展開している日立こそ自分が行くべきところだと運命すら感じました。
上司は「やりたいようにやってみろ。
責任はわしが取る」と、裁量を任せてくれます。
お客様と対峙している営業の声には、技術サイドも真剣に耳を傾けてくれます。
構想と戦略をもって取り組めば、営業からでもムーブメントを起こしていける…。
そうした文化が日立にはあり、魅力を感じるところです。
まとめ
日立製作所の企業情報を紹介してきました。
日立製作所は様々なモノづくりを行っており、IotやOTまで手がける守備範囲の広さが持ち味です。
安定の大企業なため就職難易度は非常に高いですが、企業理念や求める人材像を意識した効果的なアピールを行い、ぜひ就職を成功させましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート