不動産の仲介や売買を行う不動産会社は年々その数を増やしており、現在ではコンビニよりも多いと言われています。
そのため不動産業界を志望している就活生にとっては選びたい放題だと言えるでしょう。
どうせなら自分に合った企業で、長く働きたいものです。
ブラック企業も多い不動産業界では就職する会社の選び方も大変重要になってきます。
今回は就職する不動産会社の選び方について詳しくまとめていきます。
不動産業界を志望している就活生は是非参考にしてみてください。
- 不動産業界の概要
- 不動産業界のビジネスモデル
- 不動産業界の現状・動向
- 不動産業界の研究をしたい人
- 不動産業界のトレンドや課題を知りたい人
- 不動産業界の業務内容を知りたい人
不動産業界とは?
不動産業界とは文字通り不動産を扱う業界であり、不動産とは土地や建物などの財産を指す言葉です。
「動かすことのできないもの」と覚えておけば良いでしょう。
不動産の対義語として「動産」という言葉がありますが、これは文字通り動かせるものであり、人が所持できるものならばパソコンであろうが財布であろうがテーブルであろうが、それは動産です。
そして、不動産業界とは文字通り、土地や建物などを扱う業界のことです。
不動産業界への就職は「やめとけ」と言われる理由
不動産業界への就職については、「やめとけ」「きつい」「ブラック」などのネガティブな評判が取り沙汰されることがあります。
そのため就職を検討する際は、本当に不動産業界で問題ないか不安に思う人は多いでしょう。
不動産業界への就職について「やめとけ」などといわれる理由は、以下が挙げられます。
- ノルマが厳しい
- 残業・休日出勤がきつい
- 古い体質の会社が多い
いずれも働く際はチェックしておきたい業界ならではの特徴といえるため、以下から詳細を見ていきましょう。
ノルマが厳しい
不動産業界について「やめとけ」といわれる理由は、業界全体の傾向として、ノルマが厳しいからです。
実際に、不動産屋=ノルマがきつく激務、というイメージを持っている人は少なくないでしょう。
厳しいノルマが課せられる企業は、もし達成できなかった場合は、上司から激しく叱責されることもよくあります。
そのため、ストレス耐性やメンタルの強さがなければ乗り越えられないことも事実です。
最初は希望とやる気を持って不動産会社に入社したものの、ノルマの厳しさとそれに伴う上司からの強いプレッシャーに耐えられず、ほかの業界に転職していく人は珍しくないといえます。
上記の状況は、必ずしも「ブラック」といえるわけではありませんが、その性質を秘めている部分があることは確かでしょう。
そのため不動産業界に就職するなら、ストイックに業務に取り組めるか、よく検討する必要があります。
残業・休日出勤がきつい
不動産業界が「やめとけ」といわれるのは、残業・休日出勤がきついケースが多いためです。
残業・休日出勤が多いことには、不動産業界のメインターゲットが、個人向けの場合は20代~40代であることが関係しています。
個人向けに営業を行う不動産屋は、20代~40代の働き盛りの人を対象として戸建てやマンションを販売したり、貸したりしていきます。
そのため、平日日中は顧客と商談する機会が少なく、結果として夜遅くまでの残業や休日出勤を余儀なくされる仕組みになります。
労働時間は傾向として長くなるため、不動産業界に就職するのであれば、体力に自信がないと厳しいと考えられます。
それでいて前述のとおり精神力・メンタルの強さも求められるため、不動産業界の仕事は、心身ともに丈夫な人でなければ務まらない可能性がある点が特徴です。
古い体質の会社が多い
不動産業界が「やめとけ」といわれたりブラックと取り沙汰されたりする理由には、令和の時代に入った現代でも、依然として古い体質の会社が多いからです。
上下関係の厳しさがあるのはもちろんのこと、業界全体の雰囲気として、きつい仕事も精神論・根性論で乗り切れば大丈夫、といった体育会系の風潮も見られます。
また、古さを感じる要因の一つとして、業務のデジタル化やDXが遅れていることも挙げられるでしょう。
デジタル化が進んでいない業界は、一つひとつの業務の効率の悪さが働くうえでネックになります。
その非効率性に嫌気がさし、業界を離れようとする人も少なくないため、特にデジタルネイティブな世代は相性の悪さを感じやすいかもしれません。
そのため不動産業界に就職する際は、適応力の高さもある程度求められるといえるでしょう。
不動産業界に就職する魅力
不動産業界には「やめとけ」といわれるようなネガティブな要素・デメリットもありますが、一方で魅力を感じる要素がたくさんあることも事実です。
そのためここからは、不動産業界の魅力をいくつかピックアップしていきます。
不動産業界の魅力は、主に以下の3つです。
- 若手から高収入が狙える
- 若手から昇格・昇進できる
- 学歴に自信がなくてもチャレンジできる
では、具体的にどのような魅力・メリットがあるのかを見ていきましょう。
若手から高収入が狙える
不動産業界に就職すれば、若手から高収入が狙える可能性があります。
不動産会社は、特に営業職において、売上に応じて給与が上がる歩合制を取り入れている企業も多いです。
自分の努力次第で高収入が狙えるところは、大きな魅力の一つといえるでしょう。
そもそも不動産業界は、一つひとつの商品が高額で常に大きなお金が動くため、もともとの給与水準が高いことも特徴といえます。
なお、デベロッパーやゼネコンは特に高収入の傾向があり、デベロッパーの平均年収は844万円にのぼります。
ゼネコンの場合は、平均年収は605万円であり、全業界の平均年収である433万円を大きく超えていることが特徴です。
また、大手であれば年収1,000万円を超えることも少なくありません。
若手から昇格・昇進できる
不動産業界は、若手から昇格・昇進できる企業が多いことも大きな特徴です。
業界全体の特徴として、不動産会社は多くの場合「実力主義」的な風潮が強く、結果を出せば若手のうちから昇進・昇格のチャンスがあります。
そのため、優秀な営業マンなどは多くの件数を獲得することでぐんぐん実力を伸ばし、20代のうちから大きな裁量権のあるポストに就くことも珍しくありません。
したがって不動産業界は、若いうちからマネジメントの経験を積極的に積みたい人におすすめできるでしょう。
実力主義・成果主義という厳しい環境下で働くことは確かに大変ですが、成長速度を早められたり、大きな達成感を味わえたりすることは強みといえます。
そのため、不動産業界のやり方が肌に合っている人は、非常に強いやりがいを感じられるはずです。
学歴に自信がなくてもチャレンジできる
不動産業界は、学歴に自信がなくてもチャレンジできる魅力的な業界です。
デベロッパーやゼネコンを除く不動産業界の多くの企業は、基本的に「学歴不問」としているケースが多く、一般的に学歴フィルターは存在しないとされています。
そのため、学歴に自信がない人でも就職できるチャンスはあり、もちろん出世のチャンスも十分といえます。
それまで経歴について自信を持てなかった人が、不動産業界に就職して成果を上げ、若手のうちに出世を経験することで一発逆転…というケースも珍しくないでしょう。
不動産に関する知識・スキルは、基本的に学校ではなく、就職後に現場で学んでいきます。
だからこそ不動産業界に優秀な学歴は必須ではなく、やる気や熱意を評価してもらい、採用に至るパターンも少なくありません。
不動産業界の4つのビジネスモデル
続いて、不動産業界のビジネスモデルについても理解を深めておきましょう。
様々なビジネスモデルが存在しますが、代表的なものは以下の4つです。
それぞれどのような業務なのか、確認してみてください。
不動産開発
不動産開発とは土地を購入して新しい建物を建設し、その建物を販売または賃貸する事業を指します。
このビジネスモデルでは土地の購入費用や建設コストと、完成した建物を販売または賃貸した際の収益の差が利益となります。
開発される物件は住宅、マンション、オフィスビル、商業施設など多岐にわたり、それぞれの地域や市場の需要に応じて計画されます。
不動産開発における重要な要素は適切な土地の選定と、ターゲット層に合わせた建物の設計・企画です。
例えば、都心部ではオフィスビルや高層マンション、郊外ではファミリー向けの住宅や商業施設が開発されることが一般的です。
不動産流通(仲介)
不動産流通は売り手と買い手、または貸し手と借り手の間に立ち、売買や賃貸の仲介を行う事業です。
このビジネスモデルは仲介業者が取引をサポートすることで、売り手や買い手から手数料を受け取る仕組みとなっています。
不動産仲介業者は大きく分けて「客付業者」と「元付業者」に分類されます。
客付業者が買主や借主に営業を行い、その取引が成立した際に手数料を得る一方、元付業者は売主や貸主に営業を行い、契約成立後に手数料を得ているのです。
さらに、不動産仲介には「両手取引」と呼ばれる形態もあります。
これは売主と買主の両方と直接交渉し、双方から手数料を得る方法です。
両手取引は利益率が高い反面、公平性が問われることもあるため、信頼関係の構築が重要となります。
不動産流通の成功には豊富な物件情報と広範なネットワークを持つことが重要であり、顧客のニーズを的確に理解し、それに応じた物件を提案する能力が求められます。
不動産管理
不動産管理とはマンションやオフィスビルといった建物の管理・運営を行う事業を指します。
この事業のビジネスモデルは建物の所有者から管理業務を受託し、その対価として報酬を得る仕組みです。
具体的な業務内容は共用部分の清掃、設備の保守点検、入居者対応、賃料の集金、契約更新の手続きなどです。
管理の質が高ければ入居者満足度が向上し、空室率の低下や長期的な収益の安定に寄与します。
また、トラブル対応や設備故障時の迅速な対応も求められるため、専門知識と経験が不可欠です。
不動産管理は管理業務そのものから得られる報酬に加え、管理物件が増えることで業務規模が拡大し、さらなる利益を生み出すことが可能です。
安定した収益を確保するためには所有者や入居者からの信頼を築くことが成功のカギとなります。
不動産賃貸
不動産賃貸は企業や個人が所有する不動産を賃貸することで収益を得る事業です。
このビジネスモデルでは物件を貸し出し、その賃料収入を安定的な収益源とすることが特徴です。
不動産賃貸事業には賃貸住宅、オフィスビル、商業施設などが含まれ、それぞれ異なる市場ニーズに応じた運営が求められます。
例えば、都市部では単身者向けの賃貸マンションが需要を集める一方、地方では家族向けの一戸建て賃貸物件が主流となる場合があります。
賃貸事業の成功には適切な物件の選定と維持管理が不可欠です。
立地条件や物件の設備が賃料に大きく影響するため、競争力のある物件づくりが求められます。
また、賃貸契約のトラブルを防ぐための法的知識や、空室率を下げるために様々な工夫を凝らしたプロモーションが重要です。
不動産賃貸は安定的な収益が得られますが、空室が多いと収益が発生しないため、長期的な視点での運営計画が必要です。
不動産業界の現状
不動産業界は住宅や商業施設、オフィスビルなどの開発、売買、賃貸、管理を通じて、経済活動において重要な役割を果たしています。
市場規模は約4.6兆円と推定されており、これは新型コロナウイルス感染症の影響を受けた過去数年と比較しても底堅い水準を維持しています。
住宅市場では低金利政策の継続や都市部への人口集中が背景となり、特に首都圏や主要都市での需要が高まっています。
一方で、地方都市や過疎地域では人口減少に伴い、空き家問題や不動産価値の下落などが課題です。
総じて日本の不動産業界は多様な要因により変化し続けていますが、市場規模は依然として大きく、安定した成長が期待されています。
不動産業界の動向
続いて、不動産業界の動向についても紹介します。
以下の2点が特に注目されている要素であり、就活の面接でも軽く聞かれることがあるため、覚えておきましょう。
リノベーションの加速
日本の不動産業界ではリノベーションの需要が急速に高まっています。
その背景には少子高齢化や人口減少の影響で買い手がつかない一軒家や空き家が増加している現状があります。
さらに、新築住宅やマンションの価格が高止まりしていることもリフォーム需要を押し上げる一因です。
特に都市部では新築物件の供給が限られていることから、既存の住宅を改修して利用価値を高めるリノベーションが注目されています。
リノベーションは住宅や商業施設のデザイン性や機能性を向上させることで不動産価値の向上を図る取り組みとして重要視されています。
また、空き家対策の一環として自治体や国が補助金制度を導入しているケースも多く、これがリノベーション需要をさらに促進しているのです。
例えば、古い住宅を最新の断熱性能や耐震基準を満たす形に改修することで、エネルギー効率を向上させると同時に居住者の快適性も高めることが可能です。
このように、リノベーションは市場のニーズに応えるだけでなく、環境問題の解決や地域の活性化にも寄与しています。
リフォームを専門として行う業界として「リフォーム業界」があります。
リフォーム業界についてさらに詳しく知りたい学生はこちらの記事を参考にしてください。
カーボンニュートラル化
カーボンニュートラル化は環境問題への対応としてますます重要視されています。
カーボンニュートラルとは人為的行為による温室効果ガスの排出量を植林や森林管理などによる吸収量で相殺し、排出量を実質的にゼロにすることで「持続可能な社会」を実現するための国際的な取り組みとして注目されています。
例えば、省エネルギー対策として、建物の断熱性能を向上させる取り組みや、高効率な空調設備の導入が代表的です。
また、屋根に太陽光パネルを設置することで再生可能エネルギーを活用し、エネルギー消費を抑える事例も増えています。
さらに、建築時に使用される木材を再利用することや、解体された建物の建材をリサイクルすることで廃棄物の削減と環境負荷の軽減を図る動きも活発化しています。
不動産業界の課題
続いて、不動産業界の課題についても紹介します。
以下の2つの課題はどのような不動産業界の企業にも共通しているものですし、就活の面接でも聞かれることがあるかもしれません。
スムーズに答えられるように、確認しておきましょう。
人材不足
不動産業界では人材不足が深刻な課題となっています。
この問題の背景には業界特有の働き方や職場環境が影響しています。
不動産業界は取引先や顧客のスケジュールに合わせた対応が求められることが多く、長時間労働や休日出勤が常態化している企業も少なくありません。
その結果、働き手にとって決して魅力的な職場環境とは言えず、若い世代を中心に敬遠される傾向が強まっています。
また、他業界との人材獲得競争においても、労働環境の改善が遅れているため、不動産業界は後れを取っていると言えます。
この課題を解決するためにはIT技術やDXの導入が必要不可欠です。
例えば、契約手続きのオンライン化や物件情報のデジタル管理、AIを活用した顧客対応の自動化ができれば、業務効率を大幅に向上でき、従業員の負担軽減につながります。
また、リモートワークの導入や柔軟な勤務形態を取り入れることで、多様な人材が働きやすい環境を整備することも重要です。
他にも、従業員のスキル向上を目的とした研修や教育プログラムを充実させることで業界全体の競争力を高めることも期待されます。
IT技術への対応
不動産業界ではIT技術への対応が遅れていることが課題となっています。
多くの企業が依然としてアナログな手法で業務を進めており、紙媒体での契約書管理や手作業でのデータ処理が一般的です。
このような状況では業務効率が低下し、顧客への対応が迅速に行えないことがしばしば発生します。
さらに、古いシステムや技術を使用し続けることで、競争力の低下を招く恐れもあります。
特に、他業界がDXを推進している中で、不動産業界が取り残されるリスクが指摘されているのです。
この課題に対応するためには、当然ながら先端技術の積極的な導入が求められます。
例えば、物件のバーチャル内覧を可能にするVR技術や、顧客データを一元管理するCRM(顧客関係管理)システムを導入できれば、業務効率の向上と顧客満足度の向上につながります。
不動産業界の業種
不動産業界はその業務内容によって大きく4つの業種に分類されます。
それぞれの業種は特徴や役割が異なり、どの分野も不動産市場において重要な役割を果たしています。
不動産開発は土地を購入し、新築の住宅、マンション、商業施設、オフィスビルなどの建物を建設して販売する業種です。
市場のニーズを読み取りながら地域に適した建物を提供することが求められます。
不動産流通は不動産の売主と買主、または貸主と借主を仲介する業務を指します。
売買や賃貸における取引をスムーズに進めるための橋渡し役をこなす業種です。
不動産管理は賃貸物件やオフィスビルなどの建物を所有者に代わって管理・運営する業種です。この業種では建物の維持管理や入居者対応、賃料回収などを行います。
建物の価値を維持・向上させ、所有者の利益を最大化することを目的としています。
また、トラブル対応や契約更新の管理を通じて、所有者と入居者の両者が安心できる環境を提供するのも仕事です。
不動産賃貸は文字通り、企業や個人が所有する不動産を貸し出す業種です。
この業種では自社が保有する物件を貸し出すことで賃料収入を得ることが主な収益源となります。
適切な物件の選定や管理が収益の安定に直結するため、綿密な市場調査と運営が必要です。

宅建業との違いも理解しておきましょう。不動産業と宅建業は一見似ているようで異なるものです。
宅建業(宅地建物取引業)は不動産業の一部を構成しており、売買や仲介といった不動産の流通を専門としています。
一方、不動産業はより広い範囲を指すものであり、売買や仲介だけでなく、賃貸や管理、不動産開発など様々な業種を含んでいます。
宅建業の主な特徴は不動産取引の安全性を確保するために、法律で厳しく規制されている点です。
例えば、宅地建物取引士の資格を持つ者が契約に関わる重要事項を説明する義務があり、これにより取引の透明性と信頼性が担保されています。
これに対して不動産業の他の分野、例えば不動産管理や賃貸では法律規制の内容が異なり、業務内容も宅建業とは大きく異なります。
不動産業界の職種
続いて、不動産業界の職種についても紹介します。
様々な職種が存在しますが、新卒の方が任される可能性の高い仕事は以下の4つです。
どの業務に取り組みたいか考えながら確認してみてください。
企画・開発
不動産業界における企画・開発の職種は都市開発や商業施設の建設プロジェクトを中心に、不動産の価値を最大化するための企画を立案・実行する重要な役割を担います。
この職種にはディベロッパーとゼネコンという大きく異なる2つの立場があります。
ディベロッパーは建物の構想や設計を練り、建設用地を取得して計画を推進する役割を果たす仕事です。
プロジェクトの初期段階から完成までの全体を指揮し、建設後の広告展開や運用計画も担当します。
一方でゼネコンはディベロッパーが計画した建築物を実際に建設する職種です。
設計図に基づき、高い技術力と効率的な工程管理で建物を形にする責任を負い、安全性や環境への配慮を重視しながら高品質な建物を提供することが求められます。
営業
不動産業界における営業職は多くの場合、最も多くの人材が従事する職種です。
仕事内容は取り扱う物件の種類によって大きく異なります。
営業職は住宅用の戸建てやマンションを扱う場合には購入希望者の要望に応じた物件を紹介し、契約までをサポートします。
一方で、商業用のオフィスや店舗の賃貸を扱う営業では法人顧客との交渉が主な業務です。
また、インセンティブ率が高い傾向があり、実績を上げた分だけ収入が増える仕組みが特徴です。
顧客の要望を的確に把握し、それに応じた提案を行うことで信頼を獲得することが成功の鍵となります。
事務
事務職は不動産業界において営業活動を裏方から支える重要な役割を果たします。
主に社内業務の円滑な進行をサポートする仕事が中心です。
契約書や物件資料の作成、顧客情報の管理、スケジュール調整、電話応対など「一般的な事務職」と思って構いません。
また、営業が外出している間に顧客からの問い合わせに対応することも多く、チーム全体の業務効率を高める役割を担います。
特に不動産取引は法的な側面が強いため、契約書類や顧客情報の管理ミスは許されません。
管理
管理職は不動産業界において建物や土地の維持管理を行う職種です。
物件の安全性や快適性を保つためのメンテナンス、修繕工事の手配、入居者からの問い合わせやクレーム対応などが主な業務となります。
例えば、マンションの管理では共用部分の清掃や設備の点検、オフィスビルではエレベーターや空調設備の保守管理を行います。
管理職には物件の状態を的確に把握し、必要な対応を迅速に取る能力が必要です。
また、入居者やオーナーと円滑なコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが重要です。
不動産業界の仕事内容
不動産業界の仕事内容についても理解を深めておきましょう。
様々な仕事が存在しますが、代表的なものは以下の5つです。
それぞれどのような業務を行っているのか考えた上で、自分が携わりたい仕事を検討してみましょう。
不動産開発・建築の仕事は土地や街の開発に関わり、地域に新たな価値を創造する役割を果たします。
この仕事はまず土地の分析と調達から始まります。
地域の需要や市場動向を調査し、その結果に基づいて最適な土地を選定・購入するのです。
次に、購入した土地の特性を活かしながら建物の企画を行います。
商業施設や住宅、オフィスビルなど、地域のニーズに合った用途を検討し、施設の設計図を作成します。
企画段階が終わったら、次は建物の建築です。
この過程ではディベロッパーやゼネコン、設計士が連携してプロジェクトを進めます。
建築の過程では安全性や環境への配慮が求められ、法律や規制に基づいた計画が重要です。
不動産賃貸仲介の仕事は賃貸物件を借りたい顧客と物件を所有するオーナーの間をつなぐ役割を担います。
店舗に常駐して顧客からの問い合わせに対応し、ニーズに合った物件を提案することが多いです。
顧客とのヒアリングを通じて希望条件を把握し、それに応じた賃貸マンションや住宅を紹介します。
必要に応じて物件の内覧に同行したり、物件の写真を撮影して送付したりすることも業務の一部です。
賃貸仲介では提案から契約手続きまでを一貫して行うため、幅広い知識と迅速な対応力が求められます。
また、店舗ごとにノルマが設定されているケースが多く、目標達成に向けた計画的な営業活動が必要です。
不動産販売仲介は個人や企業が所有する不動産を代理として販売する仕事です。
この職種では不動産の仕入れから販売までの一連のプロセスを担当します。
まず、不動産物件を募集するための広告作成やポスティングを行い、売主を探します。
その後、買主を見つけるためにテレアポや飛び込み営業を行い、契約に至るまでのクロージングを担当します。
この業務では高い交渉力とマーケティングスキルが必須です。
不動産販売仲介は難易度が高い仕事であり、一人ひとりにノルマが課されるため、数字を追いかける姿勢も求められます。
つまり、実績が収入に直結するため、目標達成のやりがいが感じられる仕事です。
不動産管理は所有者に代わって物件の運営や維持管理を行う仕事です。
この職種には賃貸仲介業務、入居者対応業務、建物管理業務の3つの分野があります。
賃貸仲介業務では物件の入居者を募集し、契約時の対応や広告作成を行い、入居者対応業務では入居後のトラブル対応や家賃回収、契約更新手続きを担当します。
また、建物管理業務では設備の保守点検や修繕計画の実行を通じて物件の価値を維持するのが仕事です。
物件の状態を正確に把握し、適切な対応を行う能力が求められます。
また、入居者と所有者双方の満足度を高めるための調整力も重要です。
地道な作業が多い一方ですが、物件の価値を最大化し、安定的な運営を支える重要な仕事です。
不動産販売の仕事は企業や個人が所有する物件を直接販売することです。
この職種では顧客との直接的な接点を持つため、高い営業力が求められます。
営業活動はテレアポや飛び込み営業から始まり、アポイントを取得した後、顧客との面談を通じてニーズをヒアリングするという流れです。
その上で顧客に最適な物件を提案し、契約に至るまでのサポートを行います。
不動産販売では顧客獲得のために展示会や内覧会を開催することも多いです。
近年ではSNSを活用したプロモーションも増えており、デジタルマーケティングのスキルが求められることもあります。
また、一人ひとりにノルマが課されるため、目標達成に向けた計画的な活動が不可欠です。
不動産会社を選ぶときに見るべき6つのポイント
ここまで不動産会社の種類や業務内容など基礎的な知識について解説してきました。
次に就職する不動産会社を選ぶ時に見るべきポイントについて説明していきたいと思います。
不動産会社は年々その数を増やして行っていますので、一つ一つ見ていてはかなりの時間を取られてしまいます。
これから説明する6つのポイントで判断基準を作り、気になった会社だけピックアップしていきましょう。
まず不動産業界・会社が自分に合っているのかをしっかり考えましょう。
不動産業界は物件を取り扱う業種ですので、人の転機や重要な時に立ち会えたりといったところにやりがいを感じるといったところに憧れている就活生も多いでしょう。
しかし蓋を開けると不動産業界にはブラック企業も多く、ノルマ・外回り営業がきつい、未だに電話営業が行われているなど多くのデメリットも存在します。
また不動産会社の種類や職種によっても大きく業務内容や待遇が変わってきますので、自分に合った会社・見つけるのが必要不可欠でしょう。
ここを疎かにしてしまうと、仮に不動産会社に入社したとしても「こんなはずではなかった、、、」というような目に遭ってしまいます。
不動産業界と自分自身の適性を見極めたい人はこの記事を参考にしてください。
不動産会社の給与体系としては主に「固定給制」と「固定給制+歩合制」の2種類が挙げられます。
「固定給制」は成績や実績に限らず、勤続年数を重ね、役職について行ったりすると徐々に年収が上がってきます。
一見すると良いように思えますが、年功序列の会社が多く、勤続年数が短いとなかなか給料が上がらなかったり、役職につけなかったりといったデメリットもあるようです。
一方「固定給制+歩合制」では優秀な成績を残すと基本給にインセンティブとして給料が上乗せされるシステムです。
そのため勤続年数に関係なく実力至上主義の会社が多く、頑張れば頑張るほど稼げるというメリットがあります。
しかし良い成績を残せないとインセンティブがつかないので、いつまで経っても安月給となってしまいます。
この二つの給与体系をよく比較し、自分にとってはどちらが良いのかを考え、エントリーする企業を選ぶというのも良いでしょう。
就職する不動産会社を選ぶ際はどんな雇用形態があるかに注目するのも非常に大切です。
不動産会社で働く場合、正社員、契約社員、業務委託、アルバイトといったよう雇用形態が考えられます。
新卒採用で入社を狙う就活生の多くは正社員としての入社を検討している方がほとんどだと思いますが、必然的にフルタイムでの勤務となります。
しかし人によっては「フルタイムだと都合が悪い」という方もいるかと思いますので、そのような方は契約社員、アルバイトの方が良いでしょう。
雇用体系によって待遇や業務内容が大きく変わってきてしまいますので、自分が希望する雇用形態を明確にしておくことをオススメします。
ここをよく調べないと「正社員だと思っていたのに、契約社員での採用だった」などといったことが起きてしまう可能性もあるので注意してください。
不動産会社に限った話ではありませんが、福利厚生が充実している会社は社員をそれだけ大事にしている会社という証拠になり、ホワイトな企業が多いです。
福利厚生を充実させるには多大な費用がかかります。
そのため福利厚生がしっかり整備されていない企業は、そこにお金をかける余裕がないほど業績が悪い、社員を大事にしていないということが考えられるのです。
福利厚生の充実度はその会社の労働環境を顕著に表しますので、就職する会社の判断材料として使うことをオススメします。
福利厚生は求人票や企業の公式サイト、企業説明会などで知ることができます。
就職する不動産会社を選ぶ際はその会社の業績にも注目しましょう。
先ほども説明した通り、業績の悪い企業に就職してしまうと、十分な福利厚生が受けられなかったり、低賃金で長時間労働を強いられたりといった状況に追い込まれてしまう可能性が高いです。
逆に会社の業績が良い企業では福利厚生が充実している、快適な労働環境が整えられているといったようなホワイト企業が多いので、長い期間働き続けられる人が多いです。
会社の業績は書店で販売されている「就職四季報」や企業の公式サイトで確認することができますので、気になった企業が合った場合は調べてみましょう。
どんなにホワイトな会社でも雰囲気が合わないと居心地が悪くなってしまい、辞めてしまうといった可能性も考えられます。
気になった会社の雰囲気がどのようなものなのかはしっかりリサーチしておいた方が入社後のミスマッチを防ぎやすいです。
会社の雰囲気を探るには会社説明会に行って実際にオフィスを見学させてもらったり、OB訪問をして直接話を聞くという方法が考えられます。
不動産業界に向いている人とは?
前章では就職する不動産会社を選ぶポイントなどについて解説してきました。
次に不動産業界に適性がある人の特徴についてまとめていきます。
不動産業界に興味がなかった人でも、当てはまる項目が多かったら選択肢の一つとして入れてみてはいかがでしょうか?
コミュニケーション能力が高い人は不動産業界への適性があると言えます。
不動産会社の種類にもよりますが、不動産業界ではお客様と密にコミュニケーションをとって業務を行うことが多いです。
特に不動産の仲介を行う会社では、一般のお客様を相手に仕事をしますので、幅広い年齢層の人たちと触れ合う機会が多くなります。
契約を取るには相手の求めていることを察して提案したり、疑問に思っていることを丁寧に説明したりといったことが重要です。
それらをクリアできるコミュニケーション能力を持った人は不動産会社への就職を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
お客様の多くは不動産を購入する際、何度も打ち合わせや下見などを繰り返して、考えに考え抜いた上で決断します。
そのためお客様を気遣い、お客様のためになるようなことをすぐに行えるフットワークの軽さは重要です。
不動産の購入は人生で何度もない機会なので、お客様も慎重になります。
ですので不動産会社も一回一回の営業に全力を尽くさなくてはお客様に満足してもらうことはできないのです。
不動産会社の中にはノルマがあったり、営業成績によってはインセンティブが上乗せされたりといったこともあります。
そのため自分で目標を設定し、それを達成しようと努力できる人は不動産業界で成功できるでしょう。
もし不動産業界を希望しているのであれば、学生時代から目標を定めて、それに向かって努力できるような癖をつけておくことをオススメします。

不動産業界に向いている人についてさらに知りたい学生は、向いている人・向いている人について具体的に解説している記事があるため、そちらをぜひ参考にしてみてください。
どのような学生なら適性があるのかを詳しく解説しているため、それらに当てはまるかチェックすることで、自分自身の向き不向きがわかりやすくなります。
また、不動産業界に就職する際は「デベロッパーって何?」と疑問を持っている人も多いでしょう。
デベロッパーの特徴や仕事内容についても別記事で詳しくまとめているため、気になる人はぜひチェックしておきましょう。
不動産業界の選考対策
不動産業界の選考に受かり、採用を勝ち取るには、しっかりとした選考対策が重要といえます。
そのためここからは、不動産業界の選考対策として重要なポイントを解説していきます。
積極的に実践しておきたい選考対策には、以下の3つが挙げられます。
- 自己分析
- 業界・企業研究
- 面接対策
では、具体的にどのような対策が必要なのか、注意点は何なのかをなどをチェックしていきます。
自己分析
不動産業界への就職を目指す際は、自己分析が欠かせません。
自己分析では、自分についてさまざまな面で理解を深め、人柄や強み、興味関心の方向性などを見極めていきます。
そのため自己分析は、自分はなぜ不動産業界を志望するのか、自分の強みをどう発揮するのかなどを考えるうえで有効といえます。
自己分析がしっかりできていなければ、自己PRも志望動機も書けないため、選考には通らなくなります。
自己分析を行う際は十分に時間を取り、自己理解度を高めましょう。
そのうえで説得力のある志望動機・自己PRなどを書き、企業に魅力を感じてもらうことが重要です。
業界・企業研究
就活では、自己分析とあわせて業界・企業研究も欠かせないといえます。
自分の志望する企業の特徴や性質を知らなければ、どのようなアピールが有効なのか、どのような学生であれば採用されやすいのかなどがわかりません。
より効果的なアピールをするうえで、業界・企業研究は重要です。
なお、おすすめの業界・企業研究の方法は、学んだことやリサーチしたことをノートにわかりやすくまとめることです。
以下の記事では、業界・企業研究ノートのテンプレートを無料で配布しているため、不動産業界の研究を進める際はぜひ活用してみてください。
面接対策
就活の選考対策では、当然、面接対策も欠かせないでしょう。
自分はどのように活躍できる人なのかを、面接では具体的にアピールする必要があります。
対策する際は、答える内容をブラッシュアップするだけでなく、答えるときのマナーや喋り方においても質を高めることが重要です。
そのため、面接対策は就活のプロに相談して行うことがおすすめです。
ジョブコミットは、就活エージェントとして多くの就活生を支援しており、面接対策では徹底的に模擬面接を行ってくれることが特徴です。
相談は無料なので、積極的に登録・相談したうえで、面接対策を万全にしましょう。
まとめ
ここまで不動産会社の選び方について詳しく解説してきました
不動産業界には多くの企業が存在しており、その中から自分に合った会社を探すのはかなり大変です。
不動産業界を志望している就活生は、是非この記事を参考に就職する不動産会社を効率的に選んでみてはいかがでしょうか?
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
不動産関連業界としては、リフォーム業界が挙げられます。
リフォーム業界はその名の通り、リフォームの施工業者・ハウスメーカー・建築デザイン事務所などが所属する業界です。
リフォーム業界は近年人気が高まっており、多方面から注目されていることが特徴です。
不動産を全般的に…というよりはリフォームに興味関心を強く持っている人は、不動産業界ではなくリフォーム業界の企業を志望することも考えてみましょう。
なお、リフォーム業界の仕事内容や市場規模、課題、将来性などの詳細は、こちらからぜひチェックしてみてください。