エンタメ業界とは?現状や今後の動向と課題・やりがいについても解説

エンタメ業界とは?現状や今後の動向と課題・やりがいについても解説

「エンタメ業界ってどんな業界?」 「どのようなところにやりがいを感じられるの?」 「エンタメ業界に向いているのはどんな人?」 エンタメと聞くと華やかなイメージがありますが、具体的にどのような業界なのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

エンタメ業界に就職したい人は、業界のことを把握しておかなければなりません。

本記事では、エンタメ業界の現状や今後の動向とともに、課題についても解説しています。この記事を読むことで、就活に役に立つ情報が得られるでしょう。

また仕事を通じて感じられるやりがいや、この業界に向いている人の特徴もあわせて紹介しているため、エンタメ業界に応募するか迷っている人もひとつの判断基準として参考にしてみてください。

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エンタメ業界とは?

エンタメ業界はコンテンツやパフォーマンスを通じて人を楽しませることを目的とした業界です。多くの人はテレビをイメージするのではないでしょうか。しかし、動画配信やゲーム、舞台、イベントなども人を楽しませるコンテンツであるため、エンタメ業界に含まれます。

業種や職種も幅広いため、就活生はどのような種類があるのかを把握し、自分に合うものを選びましょう。

エンタメ業界の業種

エンタメ業界における代表的な業種は以下の通りです。それぞれ仕事内容や人を楽しませる方法が違い、市場規模の成長速度も大きく異なります。まずは、どのような業種があるのか把握しておきましょう。

業種 仕事内容
放送 テレビやラジオなどの放送関係の仕事です。
出版 書籍や雑誌、新聞、漫画などの出版に携わる仕事です。
映画 映画の制作だけでなく、配給や興行も含まれます。
音楽 楽曲や音楽コンテンツの制作、配信や宣伝を行う仕事です。
アニメ 制作会社やアニメーションスタジオなどでアニメを制作します。
ゲーム ゲームソフトやゲーム機器の開発、販売を行います。
舞台・イベント 企画から制作、運営まで行います。
遊園地・レジャー 遊園地や水族館、動物園、美術館などの運営です。
動画配信 パソコンやスマートフォンで視聴できる動画の制作、配信を行います。

エンタメ業界の職種

業種ごとに様々な職種があり、業務内容が大きく異なります。携わりたい業種を見つけたあとは、実際にどのような業務を担当したいのかを決めた上で就活先を検討しましょう。エンタメ企業の代表的な職種を紹介するため、参考にしてみてください。

職種 仕事内容
コンテンツ制作担当 作品の企画から制作までプロデュースやサポートを行います。
宣伝担当 作品をヒットさせるためのプロモーションを行います。
企画・運営担当 企画、演出、プロデュース、制作全般を行い、イベントの運営も担当します。
コンテンツ・マーケティング担当 コンテンツの営業や販売に関する業務を行います。
メディア・サイトの制作、管理担当 自社メディアやサイトの制作、管理を行います。
ライブ・イベントの制作、管理担当 企画から制作まで総合的にプロデュースします。また自社で会場運営、管理することもあります。
デザイン制作担当 コンテンツに関するデザイン制作を行います。ノベルティやタイアップ先の企業物の監修も行うことがあります。
営業担当 集客のための営業やタイアッププロモーションのイベント企画、運営を担当します。
新人スカウト・育成担当 スカウトやオーディションなどで発掘した人材をプロに育成します。
マネージメント担当 仕事のスケジュール管理や活動のサポートを行います。

エンタメ業界の現状は?

日本のエンタメ業界におけるコンテンツ市場規模は2018年でおよそ10.6兆円に対し、世界の市場規模はおよそ128.8兆円だとされており、日本が占める割合は減少傾向にあるようです。

また新型コロナウイルスの影響を受け、イベントや公演が中止、延期となり、市場が大幅に縮小した業種もあります。

さらに少子高齢化により子供向けのエンタメも減少していますが、大人向けのコンテンツは拡大傾向にあり、海外から評価が高かったアニメや漫画などの分野では海外進出を行い、販路の拡大を目指している企業が少なくありません。

出典:コンテンツの世界市場・日本市場の概観|経済産業省 参照:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/report/202002_contentsmarket.pdf

エンタメ業界の今後の動向と課題

就職するのであれば将来性のある業界に行きたいと思う人が多いのではないでしょうか。そのため、エンタメ業界に就職したい人は、今後の動向が気になるでしょう。

クールジャパンという国家戦略に取り組み、サブスクリプション方式によってデジタル関連コンテンツが加速しているなど良い傾向にありますが、課題もあります。

国家戦略のひとつ「クールジャパン戦略」とは?

クールジャパン戦略とは、アニメや漫画、ゲームなどのコンテンツを使って世界に日本の魅力を知ってもらい共感を得るための取り組みです。単純に発信するだけでなく、海外展開やインバウンド振興により日本の経済成長を図る目的があります。

しかし、目的である共感の獲得が共有されていないという課題もあります。経済的利益が目的になってしまい、日本の魅力の本質を深掘り、理解できていないことが多いようです。

また日本人は職人気質な傾向にあり、消費者ニーズよりも作り手が良いと思ったものが売れるという考えを持っているため、世界視点を意識できていないことも課題になっています。

出典:新たなクールジャパン戦略の検討|内閣府知的財産戦略推進事務所 参照:https://www.cao.go.jp/cool_japan/new_initiative/pdf/cjwg1_siryo1.pdf

デジタル関連コンテンツにも期待

日本では全体的にエンタメ業界の市場が縮小傾向にありますが、中には勢いがある業種も存在します。例えば、動画やアプリ、ゲームなどのデジタル関連コンテンツです。サブスクリプション方式の登場により聴き放題、見放題のサービスが日本で定着しつつあります。

なぜサブスクリプション方式が定着したかというと、ライフスタイルの変化がひとつの理由です。以前からサブスクリプション方式はありましたが、現在では自分で物を所有しない、物は利用するという考えを持つ人が増えたことが影響しています。

所有することに価値を見出せなくなったのは、将来の不安や収入の低下が影響していると言えるでしょう。

大きく発展したエンタメ業界の業種

エンタメ業界の幅は広く、新型コロナウイルスの影響を受けながらも大きく発展した業種があります。特に体験型ビジネス業界やゲーム業界、動画ビジネス業界の3つは消費者のニーズやライフスタイルの変化を捉え、今後もさらに発展が期待される業種だと言えるでしょう。

体験型ビジネス業界

エンタメ業界では体験の価値を高める取り組みが行われており、体験型ビジネスは没入感が得られることが特徴です。

オフライン、オンラインどちらも様々なイベントが開催されていますが、特にオフラインイベントは注目を集めました。非接触型のため、同じ空間で大人数が集まることが難しくなった今、場所の制約を受けないオフラインイベントの需要が高まっているのです。

ゲーム業界

ゲーム業界の中でもeスポーツは世界的に普及しています。サブスクリプション方式のeスポーツも盛り上がっており、今後も発展し続けるとされています。

しかし、日本では海外よりも発展していないのが現状です。これは、法律の整備が関係しています。海外で開催されているeスポーツ大会は賞金が高額ですが、日本で同様な額を設定すると賭博罪に該当する恐れがあるため、海外に追いつけていないのです。

法律の整備が行われると、日本でもさらに普及するでしょう。

動画ビジネス業界

スマートフォンの普及により動画ビジネス業界も盛り上がりました。YouTubeやSNSでのライブ配信などは個人でも動画を制作し、簡単に発信できるため、強い影響力を持っています。

サブスクリプション方式の見逃し配信サービスは、料金を気にせずに様々な動画を楽しめるという理由から人気があります。また好きな場所、好きなタイミングで視聴できるため、現代のライフスタイルに合っており、多くの人の生活に組み込まれているようです。

動画ビジネス業界は5Gなど通信高速化により、さらに発展していく業界だと言えるでしょう。

今後さらに期待されるエンタメ業界のコンテンツ

エンタメ業界において発展を遂げている体験型ビジネスや動画ビジネスの中でも、今後さらに期待されるコンテンツがあります。それは、ライブ配信や無観客で開催するライブや試合、オンラインファンミーティングです。

これらは、パソコンやスマートフォンがあれば簡単に出演者と繋がることができ、同じ空間にいなくても身近に感じることができます。

ライブ配信

最近ではSNSを通じてライブ配信をする人が増えてきました。よく活用されているのはInstagramやYouTubeです。視聴者はリアルタイムでコメントができるなど、出演者と同じ時間を共有できるという特徴があります。

また、インターネット環境が整っており、スマホやパソコンがあればどこでも配信することができるため、会場や特別な機材を用意する必要がなく、コスト削減にも繋がるということもメリットのひとつです。

無観客ライブ

これまで、アーティストなどのライブはライブ会場に足を運ぶのが一般的でしたが、新型コロナウイルスの影響を受け、開催中止となったイベントも少なくありません。そこで需要が高まったのが無観客ライブです。

人数制限もなく、感染対策をしながら視聴することができるなどオンラインならではの特徴を活かしたイベントです。

直接、お客様の表情を見たり歓声を聞いたりすることができませんが、オンライン上であってもファンとの繋がりを持てる貴重なイベントだと言えるのではないでしょうか。

無観客試合

無観客ライブ同様にオンライン上で配信する無観客試合も数多く実施されています。当初は声援や歓声がない試合は寂しさがあるなど、ネガティブな声もありました。

しかし、リモートで応援ができるシステムを導入するなど、様々な取り組みが実施されており、今では現地に行けない人でも楽しめるイベントとなっています。

オンラインファンミーティング

オンラインファンミーティングはアーティストやタレントが開催するイベントです。握手会やサイン会などファンと直接交流することができない場合でも、ビデオ会議ツールを使用すると顔を見ながら会話ができるため、多くの人が利用しています。

また場所も選ばないため、これからも利用されるケースが増えていくのではないでしょうか。

エンタメ業界の有名企業を紹介!

日本のエンタメ業界で働きたい人は、有名企業の特徴を知っておきましょう。それぞれ展開している事業や職種が異なるため、自分が求めていることと比較しながら検討できます。誰でも聞いたことがある有名企業を5つ紹介します。

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント

ソニーミュージックグループは、3つの事業を柱に幅広くビジネスを展開している企業です。

柱にしている事業には音楽ビジネスにまつわるアーティストとミュージック、アニメ関連事業やライセンス事業を展開するビジュアルとキャラクター、ライブエンタテインメント事業やパッケージソリューション事業などを行うエンタテイメントソリューションがあります。

グループ全体に総合力があり、他社に負けない強みを持っています。

出典:Sony Music GROUP|株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント 参照:https://www.sme.co.jp/

エイベックス株式会社

エイベックス株式会社は音楽事業、アニメ・映像事業、デジタル事業、事業開発などの事業があります。それぞれのビジネスカテゴリが生み出すエンタメをリンクさせることで起きるシナジー効果により、上質なコンテンツを作り出している企業です。

また、2022年にはサステナビリティ推進室が発足し、2030年より先の未来を見据えてポストSDGs時代へのアクションを本格的にスタートさせています。

出典:avex|エイベックス株式会社 参照:https://avex.com/jp/ja/

東映株式会社

東映株式会社は、総合コンテンツ企業を目指して各グループが、コンテンツを生み出す創造力、ノウハウやインフラを活用して創造の種を大きくさせる実行力、コンテンツを有効活用して全世界に発信する行動力という三位一体の企業活動に従事しています。

またお客様との接点を作るために、ネット配信など放映権の販売事業も行っているようです。さらに映像関係以外にもイベントやホテル、不動産など様々な事業を転換しているという特徴があります。

出典:東映|東映株式会社 参照:https://www.toei.co.jp/

任天堂株式会社

任天堂株式会社は、事業展開するにあたり世界の人々に対してこれまで経験したことのない楽しさや面白さを感じられる娯楽を提供することを重視しています。

数々のヒット作品を生み出していますが、ゲームソフトの開発だけでなくゲーム機も開発しており、家庭のゲーム機では不動の地位を築き上げているのが特徴です。

出典:Nintendo|任天堂株式会社 参照:https://www.nintendo.co.jp/

松竹株式会社

松竹グループは映画事業も強いですが、日本の伝統芸能である歌舞伎などの演劇事業がある総合エンタメ企業です。歌舞伎芸能に携わっていることは、大きな強みだと言えます。

また映画や演劇は収益の部分で予想と現実の乖離が大きいため、不動産事業など安定した収益基盤を強化していくことを経営指標としています。

出典:松竹|松竹株式会社 参照:https://www.shochiku.co.jp/

エンタメ業界のやりがいとは?

仕事をする上でやりがいを求める人は多いのではないでしょうか。

エンタメ業界で働くと感じられるやりがいは業種によって違います。しかし、共通しているポイントもあるため、実際に働いている人がどのようなやりがいを感じているのか知っておくと良いでしょう。

新しいことにチャレンジできる

エンタメ業界は環境の変化が激しく、新しいことにチャレンジできることにやりがいを感じている人が少なくありません。

また人の感情が関係する業界のため、同じことを繰り返しているだけでは飽きられてしまいます。そのため、常に新しいアイデアや企画を考えなければいけませんが、それがひとつのモチベーションの維持になるようです。

手がけた作品が認められる

ゼロから作り上げた作品が売れたり、高い評価が得られたりすることに嬉しさや仕事の楽しさが感じられるでしょう。直接、作品の制作に携わっていない場合も、徐々に認められていく過程を実感できるのはエンタメ業界の醍醐味でもあります。

感動を与えることができる

人々に感動を与え、心を動かすことができた時にやりがいを感じるという人も多いです。裏方の仕事は直接声を聞く機会があまりないでしょうが、今ではSNSを通じて感想を知ることができます。感動したなどというポジティブな投稿を見ると自分の心も満たされるでしょう。

イベントをやり終えたときの達成感がある

エンタメ業界は、作品が完成した時やお客様の喜ぶ顔が見えた時、イベントが成功した時など様々な部分で達成感が得られます。どの場面も緊張感があり、トラブルが起きることも少なくありませんが最後までやり遂げたという達成感に大きなやりがいを感じられるでしょう。

個性的で魅力ある人たちと仕事ができる

エンタメ業界に集まる人は個性的で魅力のある人たちばかりであるため、多くの刺激を受けます。またそれぞれの個性を大切にしながら一緒に仕事をしていくため、人間関係で鍛えられ、成長も感じられるでしょう。

エンタメ業界に向いているのはどんな人?

どの業界にも適性があります。好きなことでも向き、不向きがあるのです。自分と合わなければやりがいを感じられず、モチベーションも低下してしまうでしょう。

後から気がつくことがないように、どのような人が向いているのかや、求められる能力を知っておく必要があります。

人を楽しませることに喜びを感じる

エンタメ業界は喜ばせたり、感動を与えたりするなど人の感情が関係する仕事です。そのため、直接的ではなくても人を楽しませることや心を動かすことに喜びを感じる人が向いていると言えます。

プロデュースしたいという意欲がある

音楽が好き、映画が好きなどという気持ちは大切ですが、単純に好きというだけではファンと同じです。その好きを自分なりに表現したい、プロデュースしたいという意欲がある人がエンタメ業界の仕事に向いていると言えます。

主体的に行動できる

ゼロから作り上げていく仕事であるため、自ら考えて行動できる人が向いています。初めはわからないことばかりですが、指示がなければ動けない人は仕事がきつく感じることがあるでしょう。

状況や周囲の人に惑わされることがなく、責任を持って行動できる人はエンタメ業界に向いていると言えるでしょう。

忍耐力がある

華やかなイメージがあるエンタメ業界ですが、実際には地味な仕事や厳しい場面に遭遇することも多く、忍耐力が欠かせません。地味な仕事でもコツコツと取り組める人や、つらい状況でも努力し続けられる人が向いています。

語学力があり異文化に対して受容性がある

日本の企業であれば日本語以外の言語は不要だと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、エンタメ業界は海外市場に展開していくことができるビジネスであるため、語学力が求められる場合があります。

また言語だけでなく、異文化を受け入れながら仕事ができる人が求められます。

感性が鋭い

エンタメ業界は移り変わりが激しく、新しいものが求められる業界です。流行ったものを繰り返していると飽きられてしまいます。そのため、常にアンテナを張って情報収集しトレンドを追い求め、またトレンドになりそうなものを見極める感性の鋭さが欠かせません。

体力・精神力が強い

他業界でもそれぞれにしきたりやルールがありますが、エンタメ業界の場合も人間関係、上下関係、習慣などがあり、それに従う必要があります。

精神力が強くなければストレスに打ち勝てないため、多少のことでは動じない精神力が求められるのです。また業種によっては体力も必要です。

コミュニケーション能力が高い

社交的でなければならないというわけではありませんが、人の心を動かす業界であり、多種多様な人と一緒に仕事を進めていくため、高いコミュニケーション能力が求められます。人の気持ちを汲み取り、適切に接する能力は欠かせません。

自分の意見を持っている

自分の意見や考えを持ち、それをしっかり主張できる人はエンタメ業界でも活躍していけるでしょう。しかし、自分の主張ばかりで人の話は聞かない、受け入れないという人は注意が必要です。

コミュニケーション能力の高さにも繋がることですが、他人を尊重しながら自分のこだわりを言語化し、伝える力がある人はエンタメ業界に向いています。

エンタメ業界について理解しておこう

エンタメ業界について紹介しました。エンタメ業界は楽しさや感動を与え、人の心を動かすことができる仕事です。多くの人を魅了する業界ですが、エンタメといってもコンテンツは多種多様であり、業種や職種もたくさんあります。

エンタメが好きな人、人を楽しませたい人は業界の現状や動向などを把握した上で就職先を検討してみてはいかがでしょうか。また向き、不向きもあるため、自分の長所を最大限に活かせる業種や職種を選ぶことが大切です。

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