ディベロッパーとはどんな仕事なの?仕事内容から向いている人の特徴まで大調査!

ディベロッパーとはどんな仕事なの?仕事内容から向いている人の特徴まで大調査!

はじめに

就職活動をしている中で、ディベロッパーと名乗る担当者にお会いしたことはありませんか。

ディベロッパーはさまざまな業界に見られる肩書きであるため、まだ会ったことのない方も、これからお会いになる可能性は高いでしょう。

ディベロッパーは、和訳すると開発者を意味しますが、日本語に直したところで、漠然としていて、何をどう開発するのかなどは見えてきません。

そこで、今回のコラムでは、ディベロッパーとはどのようなお仕事なのか見ていきましょう。

【ディベロッパーの仕事内容とは】ディベロッパーってそもそも何?

ディベロッパーは何かを開発する人であることまでは、和訳すれば容易にわかります。

しかし、開発という言葉自体、土地開発、研究開発、アプリ開発、再開発など、さまざまな場面で使われます。

それでは、それらすべての開発者がディベロッパーと呼ばれるのかというと、必ずしもそうではないのが通例です。

たとえば、研究開発として、研究とセットで開発を行う人は、研究者、研究員、リサーチャーなどとして、研究をする人に分類されることが多いでしょう。

開発を行う人をディベロッパー呼ぶ傾向がある業界は大きく分けると2つ存在します。

1つ目は、土地開発に携わる不動産業界です。

不動産業界のディベロッパーは、主に土地を購入し、購入した土地の活用プランを考案したり、プランに基づいて土地や土地に建てられた建築物を運用したりすることを主な仕事としています。

2つ目は、IT業界です。

こちらではソフトウェアやアプリを制作する人たちがディベロッパーと呼ばれます。

ソフトウェアでは販売者と製造者が分かれていることがあり、IT業界でのディベロッパーはしばしば販売者を指すパブリッシャーと対比して用いられます。

これらの業界以外でも、なんらかの開発に携わる人はすべてディベロッパーを称することが原理的には可能です。

しかし、それらのケースは、例外的か少なくとも一般的とはいえないと判断することができるため、本コラムでは扱いません。

【ディベロッパーの仕事内容とは】ディベロッパーの業界と職種

先に述べた通り、ディベロッパーと称する人や企業が存在する業界は、主に不動産業界とIT業界の2つです。

不動産業界では、土地の購入、利用計画の立案、建設の依頼、そして建築物の運用の各プロセスにおいて、それぞれ異なるタイプの職の人が携わります。

土地の購入はバイヤーの仕事です。

バイヤーは、資産価値を増やすことができそうな土地を調査によって見極め、開発用に購入する仕事を担当します。

利用計画を立てるのは、シティプランナーの仕事です。

法令に準拠しつつ、土地を最大限有効活用するために、どのような建築物をどのような配置で建てるか設計します。

通常は、ディベロッパーは建設そのものは行わず、外部の建設会社に委託するのが基本です。

しかし、場合によってはディベロッパーが建設会社と一体化していることもあり、この場合は土木建築業者や運搬業者などとして、自ら立てたプランの実現を目指します。

そして、建設が終わったら、建築物を運用する段階に入ります。

住宅地の場合は、販売が目標となるため、登場するのはセールスパーソンや営業部門、宣伝部門などです。

一方、オフィスビルなど、販売ではなくレンタルによって利用してもらう建物・土地の場合は、それらが安定した収益源になるように、顧客を呼び込んだり、テナント料を最適化したりすることとなります。

この場合も、宣伝を行う部署は活動しますが、加えてマーケティング部門やリサーチ部門などに所属するデータアナリストたちが活躍する場になります。

IT業界の場合は、開発するソフトウェアの種類の違いがそのまま職種の違いとほぼ対応していることが特徴です。

大きく分けると、対象機器別ではスマホ向けアプリの開発者、パソコン向けソフトの開発者、スーパーコンピューターやネットワーク向けのシステム開発者の3つに大別されます。

この内システム開発者は、ディベロッパーではなくシステムエンジニアと呼ばれることもありますが、主に企業向けの開発のみを行うことを特徴としています。

一方、スマホ向けやパソコン向けのソフトウェアの場合、顧客は一般消費者とビジネスの2種類にさらに細分化可能です。

つまり、同じパソコンソフトのディベロッパーでも、ビジネス用PCソフトディベロッパーとコンシューマー用PCソフトディベロッパーの2種類が存在するわけです。

また、それぞれの機器において、プログラミング言語など、最も基礎的な開発環境を整えるディベロッパーから、オペレーティングシステムを開発するディベロッパー、オペレーティングシステム上で動くアプリのディベロッパーという風に、開発レベルによる分類も存在します。

【ディベロッパーの仕事内容とは】ディベロッパーの主な仕事内容

ディベロッパーは、このようにさまざまな職種に細分化されますが、全体として俯瞰した場合、行うことは比較的シンプルです。

不動産業界のディベロッパーは、土地や建築物の価値を最大限引き出すことがその仕事となります。

再開発される土地も含め、ディベロッパーが開発する土地は、まだその本来の価値を発揮できていません。

それぞれの土地の立地や環境などの条件を鑑み、地価などの資産価値に現れるその土地が生み出せる価値を高めることが、一貫して開発の目的となります。

そして、具体的には空き地や古くなった土地などのそのままでは何の価値も生み出さない土地に、住みよい、職場に適しているなどの付加価値を加えられるような都市計画を立案して実行することが、その仕事の全体像です。

一方、IT業界のディベロッパーは、元々あるにはあった土地の価値を引き出す不動産業界とは異なり、元々なかったソフトウェアをゼロから生み出すことと制作したソフトウェアを改良し続けることが仕事になります。

ただ、文字通り何もなかったバイナリ言語から人間にとって理解しやすい高級言語を開発していた黎明期とは異なり、今では多くの先例となるソフトウェアが存在します。

このため、ソフトウェアそのものをゼロから生み出すことには変わりなくても、ソフトウェアの機能や目的などにおいては、先例を参考にすることが可能です。

実際にはこれらの先例の問題点や先例ではカバーできていない領域、さらにまったく斬新なアイデアをバランスよく組み合わせることで、それまでにない新しいソフトウェアという価値が生み出されます。

こうしてできたソフトウェアが複雑なプログラムであればあるほど、どうしてもセキュリティホールやバグなどが発生しがちです。

それらに対処したり、新たな機能を加えたりする改良作業も、ソフトウェアのサポートを続ける限りはディベロッパーの仕事となります。

【ディベロッパーの仕事内容とは】ディベロッパーに向いている人

不動産業界の場合でも、IT業界の場合でも、ある基準点をベースに、それまでなかった付加価値を生み出すことがディベロッパーの仕事の最も本質的な部分として共通しています。

ご自身の能力や興味の持てる分野において、このような創造的な仕事に携わりたい方は、総じてディベロッパーに向いているといえるでしょう。

ただ、それぞれの職種における適性は、細かく変わってきます。

まず、不動産業界のディベロッパーでは、職種ごとに業務内容も必要な知識もまったく異なります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

土地の購入や住宅の販売、ビジネス施設のレンタルなど、直接的な収支に関係する部門では、データ解析やマーケティングの知識がある人のほうが向いています。

これは、適切に価値変動や顧客の挙動を予測できなければ、土地購入や建設などの投資に見合った収入が入らなくなってしまうからです。

シティプランナーの場合は、建築学や都市設計学のような建物を直接設計することに関する知識に加え、経済工学の知識も有していたほうがよいでしょう。

建てた建物は何年間維持できるのか、その維持費はいくらか、そして維持費などを考慮した場合、投資の回収にはどれくらいの時間がかかるのかなど、金銭的な面も含めた総合的な開発が求められるからです。

建設作業そのものがディベロッパー企業の中で一体化されていて組み込まれている場合、建設部門に向いているのは、現場で活動し続ける体力がある人や必要な重機を操縦できる人のような、特別な技能を持った人たちです。

通常の大学教育カリキュラムでは、このような技能を育てることがあまりありませんので、新卒採用ルートとして入るには、あまり適していないかもしれません。

一方、IT業界のディベロッパーの場合、プログラミング経験はあったほうがベターであることは間違いありませんが、必ずしもそのスキルがなければいけないとは限りません。

多くのプログラミング言語の構文や使い方は、オンラインで誰でも簡単に調べることができるようになっており、プログラミングに携わる意欲があれば、プログラミングの基礎知識の習得自体はそれほど難しいものではないからです。

それよりも重要になってくるのが、何がしたいのかをはっきりさせ、それに向けてどのようなプロセスを踏むプログラムを作りたいのか考える論理的思考力と既存のソフトウェアの限界などを端的に発見できる洞察力や発想力、そしてバグを一つひとつ潰していくことへの根気強さです。

これらの素質があることをアピールできれば、文系の人でも十分ITディベロッパーに就職できる可能性はあります。

IT業界でも、特に新興のベンチャー企業は、学歴よりも実際に即戦力になってくれるかを重視する傾向があるため、より文理問わず、資質のある人を採用したがる傾向があります。

ベンチャーは大手に比べて発展途上であるため、実際の発展を肌身で感じて刺激を受けたい人や挑戦意欲に溢れる人にとっては、ベンチャー系のディベロッパーは向いているといえるでしょう。

【ディベロッパーの仕事内容とは】まとめ

このコラムでは、不動産業界とIT業界の2種類のディベロッパーを、それぞれ見てきました。

開発者という和訳が共通しているように、仕事の目的が価値の創出である点はいずれでも共通している一方、実際の仕事内容は大きく異なります。

就活の目標がまだはっきりしていない場合、どちらのディベロッパーのどの職種が自分に合っているかをよく調べたり考えたりして、優れたディベロッパーを目指すのもよいかもしれません。

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