【履歴書の志望動機の書き方】はじめに
志望動機はエントリーした企業の選考を勝ち残り、内定を得るために重要な役割を果たすものです。
履歴書の志望動機に何が書かれているかで、次へのステップに進めるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
ここでは内定を得るための大きなカギを握る履歴書の志望動機の書き方を徹底解明していきます。
【履歴書の志望動機の書き方】志望動機とは?
志望動機とは、その企業を選んだ理由、その企業で働きたいと思うきっかけや理由のことをいいます。
つまり、なぜ、その企業に就職して仕事をしたいと望んでいるのかを、企業の担当者に伝える重要なプロセスになります。
仕事が見つかればなんでもいい、お給料がもらえればどこでもいいでは、就活は成り立ちません。
生活に困ってアルバイトを探すのとは訳が違います。
定年を迎えるまで働くかもしれない場所であり、企業としては組織の一員として採用し、企業の継続的な成長のために役立つ活躍をしてほしいと願っています。
就活生にとっても、なぜその企業を選ぶのか、なぜその企業で働きたいのかは長い職業人生を歩んでいくうえで、重要なスタートポイントになるのです。
企業にとっても給料を支払っていく以上、それに見合う活躍をしてくれ、今後何十年と会社のために役立ってくれる人材を望んでいます。
新卒の社員は今後、会社を支え、将来的には会社を担うマネジメント層になるかもしれない人材です。
働いてくれるなら誰でもいいわけにはいかないのです。
そのために、どうしてうちの会社で働きたいと思っているのか、どんな活躍をしてくれるのかは、重要な注目ポイントになります。
志望動機は、いわば企業へのラブレターであり、プロポーズの言葉ともいえます。
どのようにラブレターを書けば、企業に響くのか、面接で会って話をしてみたいと思わせるのか、書き方のポイントを押さえていきましょう。
冒頭に結論を述べる
志望動機を履歴書に書く際には、まず冒頭で結論を述べます。
結論とは、なぜ、その企業を選んだのかを簡潔にアピールする文章です。
志望動機の構成を予め考える
結論を最初に述べるにあたっては、どうしてその企業を志望するに至ったかをじっくりと考え、企業にどうアピールすれば伝わるかを検討しなくてはなりません。
志望動機の基本的な構成は、まず結論を述べ、なぜそう考えたかの理由を明解に述べます。
そして、その理由に至った経緯や理由を根拠づける具体的なエピソードをわかりやすくまとめる必要があります。
そして、最後に結びとして、自分がどう企業に貢献できるかを伝えるのが基本スタイルです。
最後の結びは、自分はその企業に対してこんな貢献ができるので、ぜひ採用すべき人材であることを伝える、熱烈なラブコールを簡潔に伝えるものです。
結論、理由、エピソード、結びの起承転結で構成できるよう、エントリーする企業ごとに検討していきましょう。
具体例を記載してるかを確認する
構成案を作成する際には、必ず、具体例が挙げられているかを確認しましょう。
具体例なんて何で必要なの、と思われる方もいるかもしれません。
その企業に入りたいとアピールできれば、それで十分なのではと思う方もいることでしょう。
では、たとえば、「有名な企業だから志望しました。」、「経営者にカリスマ性があるので志望しました。」、「御社の製品が好きなので志望しました。」で選ばれることができるでしょうか。
消費者から製品のファンですと言われれば、「ありがとう、嬉しいです。」と受け止めてもらえますが、就職して働きたいという方に言われても、心に響きません。
自社の製品を好きであることは、全社員に共通する当然の話だからです。
誰でもが言えるような志望動機ではなく、その人だからこその動機が求められています。
仮に製品が好きということが一番の志望動機だったとしても、なぜ好きになったのか、どのように好きなのかを具体的なエピソードとして伝えることで、アピール力が強まります。
【履歴書の志望動機の書き方】志望動機を考える際のポイント
志望動機を考える際には押さえておきたいポイントがあります。
このポイントをいかに志望動機の中で展開し、簡潔なメッセージを駆使してアピールできるかが選考突破のカギを握ります。
ポイントを押さえて構成を考えましょう。
経験を入社後どう活かせるかを書く
志望するに至った経緯や経験のエピソードを書いたら、書きっぱなしにしてはいけません。
こんな経験があったので、御社を志望しましたと書いたのであれば、その経験をどう活かせるのかを伝えましょう。
自分の経験や能力を活かして、会社に貢献できる人材であることを伝えないと、組織の一員として採用したいとは思ってもらえません。
なぜその会社でないといけないかを書く
どうしてその会社を選んだのかも、書いておきたい重要なポイントです。
会社は数えきれないほどあり、同じ業種の中でもさまざまな会社があります。
にもかかわらず、なぜ、その会社を選んだのかをアピールしなくてはなりません。
複数の会社にエントリーする場合には、その会社ごとに、なぜその会社でないといけないのかを伝える必要があります。
入社後、どんな仕事をしたいのかを書く
入社した際に、その会社でどんな仕事をしたいのかも書きましょう。
自分の経験や能力などを活かせる仕事として伝えるのがポイントです。
会社によっては、配属先は希望できないとか、入社後の研修を通じて配属先を決定するなどとあらかじめ案内がなされている場合もあります。
だからといって、具体的な職種ややってみたい仕事を伝えてはならないわけではありません。
むしろ、何がしたくて志望してるのかを知りたいと思われています。
何でもいいから志望しましたでは、いったい何のためにうちの会社を志望したのかと思われてしまいます。
その会社で働く自分の姿を具体的にイメージし、どんな活躍ができるのか、どのように成長をしていきたいのかを伝えましょう。
【履歴書の志望動機の書き方】項目別!志望動機の作り方
どうしてその会社を選んだのかは、その人によって異なりますが、ここでは代表的なパターンを項目別に挙げてみます。
第一志望以外の企業において志望動機に悩んだ時にも参考になります。
経営理念やビジョンに共感
歴史の古い会社や、急成長を遂げているベンチャー企業などを選んだ際に選ばれる志望動機の一つです。
経営理念やビジョンは捻じ曲げずに、そのまま使うのが基本です。
また、理解が浅いと内容を誤解してしまい、企業側に自社を理解していない、企業研究が足りないと思われてしまいます。
企業マネジメントや事業を遂行するうえで重要なポイントだからこそ、しっかりと理解して志望動機として構成しましょう。
仕事内容に興味がある
やりたい仕事と企業の仕事がマッチする、自分の能力や興味、経験が活かせる仕事であることは重要です。
好きこそものの上手なれという言葉があるように、興味があれば、すぐに仕事も覚えられ、スキルアップも期待でき、長く続けていけるからです。
人・社風に惹かれた
実際にOBやOGに会って話を聞いた経験や、サービスなどを利用した時に感じたことなど具体的なエピソードを用いて伝えましょう。
ホームページやテレビで見て感じたとか、カリスマ社長のイメージだけで伝えるより、実際の自分の経験に基づいておきたいところです。
【履歴書の志望動機の書き方】志望動機例
構成の仕方や書くべきポイントを押さえて、どのように書けばいいか志望動機例をご紹介します。
参考にしながら、エントリーする企業に合わせ自分の場合に置き換えて作成してみましょう。
空調メーカーの開発職
私は御社の開発職を志望しています。
空調メーカーとして常に業界をリードし、省エネに役立ち、誰もが快適な環境を得られるエアコンを開発できる技術に魅力を感じているからです。
家族でリビングに集まる機会が多いのですが、人がいるところを察知し、その人が希望する温度にコントロールできるエアコンに感銘を受けました。
大学の工学部で学んだ機械設計の技術を活かし、進化を続ける御社のエアコン開発に取り組みたいと志望しました。
雑誌出版社の編集記者
私は御社で編集記者になりたいと志望しました。
母が長年愛読していた〇〇の婦人誌を大学に入って、初めて手に取ってみました。
レシピやファッションなどに始まり、髪のお悩みのアドバイスや家計の節約術、今日本で問題となっている制度に至るまで幅広い特集が組まれています。
役立つ情報が詰め込まれた1冊を毎月発行するとなれば、どれだけの取材と記事の作成、編集の労力がかけられているかと興味を持ちました。
中高と新聞部だった経験を活かし、多くの女性に役立つ情報を届ける編集記者になりたいと志望しています。
アパレルメーカーの販売職
私は御社の販売職を志望しています。
子どもから高齢者まで対応できるラインナップで人気の御社ですが、アイテムそのものよりも、ショップの販売員の知識やサービスに魅力を感じています。
探しているアイテムをすぐに見つけてくれるスピード、ズボンの裾上げをその場でしてくれる技術、海外からの買い物客にも多言語対応できる体制は他のお店にはありません。
アパレルショップでのアルバイト経験と、大学で専攻した中国語と英語の語学力を活かし、海外からも人気の御社の販売店で活躍することを志望しています。
商社の総合職の志望動機
私には日本の優れた商品を世界に流通させたいという想いがあり、御社を志望しました。
私は大学時代に、1年間オーストラリアに留学しています。
そこで気付いたことは、日本では必ず売っている商品でも海外では売られていないものがとても多いということです。
試しに、日本から持っていった便利グッズを紹介すると、同じ語学スクールに通うドイツや韓国から来た留学生がとても驚いていました。
日本では、特にひと工夫が加えられた便利グッズが多く、日本の商品は優れているものが多いことを実感した瞬間でした。
私はこの海外経験から、日本の誇れる商品を世界に流通させたいと考えています。
日本の商品を流通させることで、世界の人々をつなげたいと思い、御社を志望いたしました。
IT業界のエンジニア職の志望動機
私はゲームのアプリケーションの開発に関わる仕事がしたいと思い、御社を志望いたしました。
私は高校生のころにプログラミング教室に入ったことがキッカケとなり、IT業界に興味を持ちました。
大学に入ってからは、趣味の延長として、ゲームのアプリケーションも作成しています。
アプリケーションは大学の友人からも好評で、「モノづくりを通して誰かを笑顔にすること」の素晴らしさを知りました。
御社は特にゲームのアプリケーションの開発にとても力を注いでいることで知られています。
高校生のころから6年間関わっているシステムづくりの経験を活かし、アプリケーション開発の仕事を通してたくさんの人々を笑顔にしたいと思い、御社を志望いたしました。
【履歴書の志望動機の書き方】志望動機のNG例
志望動機のNG例文を紹介します。
○○という経営理念(ビジョン)に共感したためです
私は御社の経営理念にある「働き心地は、すべてにつながる」という姿勢に大変感銘を受けたため、御社を志望いたしました。
私は大学時代に居酒屋でアルバイトをしていたため、いかに、働き心地の良い環境が仕事の効率アップにつながるかということを、身をもって経験しています。
また学生の長時間労働も問題になり、実際に試験前に勉強時間が取れずに2単位を落とした過去もあります。
だからこそ、働き心地を大切にする会社に身を置きたいという強い想いが、私にはあります。
御社の「働き心地は、すべてにつながる」という経営理念にはとても共感させられるものがあります。
この経営理念は常に忘れることなく、日々お客様と向き合っていきたいと思います。
御社の○○というサービスが良いと思ったからです
私は御社が店頭で行っている無料のコーヒーサービスが非常に良いと思ったため、御社を志望いたしました。
御社のコーヒーサービスは夏にはアイス、冬にはホットで、多くのお客様の心を捉えています。
私も時々、弟と利用しています。
このような素晴らしいサービスは、あまり見かけたことがありません。
無料のコーヒーサービスという素晴らしい企画を実行することができる御社で、私も学ばせていただきたく、志望いたしました。
OB訪問で会った○○さんと一緒に働きたいと思ったからです
私がOB訪問させていただいたのは御社のAさんで、Aさんの人柄に惹かれ、一緒に働きたいという想いから御社を志望いたしました。
OB訪問では、風通しの良さやチームワークの良い現場など、御社の魅力をうかがい知ることができました。
またAさんからはエントリーシートに関する、心の込もったアドバイスまでいただくことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
私はAさんのような人間味溢れる社員が多く働く、御社の社風にとても魅力を感じています。
御社ではAさんのような人間になることを目指します。
将来独立するためのスキルを御社では身に付けられると考えてるからです
私には「自分の雑貨屋を開きたい」という幼いころからの夢があり、そのためのスキルを身に付けられることから御社を志望いたしました。
御社では私が夢見てきた雑貨屋で取り扱いたいと考えている、おしゃれなキッチングッズや生活グッズなどを多く販売しています。
御社に入社し、店長クラスまでの経験を得ることができれば、お店の運営から、接客技術、仕入れなどを一通り知ることができます。
私は御社でたくさんのスキルを身に付ければ、幼いころからの夢である「雑貨屋」を開くことができると確信しているため、志望いたしました。
初任給や年間休日が良かったからです
私が御社を志望した理由は、同業他社と比較しても、非常に高い初任給と年間休日の多さに大きな魅力を感じたためです。
サービス業は一般的に年収が低いと言われています。
また給料の割には休日も少なく、給料を自給に換算するとアルバイト並みの会社も多いです。
しかし、御社では大卒の初任給が24万円、そして年間休日は130日という好条件が揃っているのが大きな魅力です。
他社では初任給は20万円に届かないところもあり、年間休日は多くても110日でした。
御社に入社すれば私の生活は安泰だと思い、志望いたしました。
【履歴書の志望動機の書き方】まとめ
志望動機はなぜその企業を選び、どうしてそこで仕事をしたいのかを企業にアピールするラブレターのような存在です。
その会社でないといけない理由を具体的に伝えることで、選考の突破が期待できます。
結論、理由、具体的なエピソードと結びの構成パターンに、その会社でなくてはならない理由や自分がどう貢献できるのか、入社後にどんな活躍をしたいのかを組み込んでいくのがポイントです。
基本的な構成や入れたいポイントを踏まえて、しっかり検討しましょう。