金融業界は、多くの就活生が受ける人気の業界です。
自己PRを強化し、ほかの学生と差をつけることで選考通過の可能性が上がります。
本記事を参考に、しっかりと準備をして選考に臨みましょう。
- 金融業界の自己PRの書き方
- 金融業界に求められている人物像
- 金融業界の自己PRの例文
自己PRの基本的な作り方
- 自己分析
- 業界分析・企業分析
- 自分の強みを具体的なエピソードで表す
- 自己PRの構成にそってまとめる
自己PRは、金融業界に限らず、自分のことを知ってもらえる項目の中でも重要な部分です。
自分の強みや過去経験をアピールするためには、正しい作り方で構成する必要があります。
金融業界の自己PRを作る際のポイント
金融業界の自己PRを作るにあたって、どのような点を踏まえればいいのか、押さえておきたいポイントや気を付けるべきポイントをご紹介します。
- 金融業界が求める人物像を把握する
- 結論から話す
- 自己PRの根拠として具体的なエピソードで説明する
この3点を意識して自己PRを作成することで簡単に、良い質の文章を作ることができます。
また、これは自己PRだけでなく志望動機やES等にも流用できるため、しっかりとポイントを押さえて就職活動を効率よく進めていきましょう。
金融業界が求める人物像を把握する
自己PRと言っても、就活における自己PRは、ただ自分について語ればいいのではありません。
志望する業界やエントリーする企業にマッチする人材であることをアピールできないと、内定には至りません。
そのため、自己PRを作成する前に、金融業界で求められている人物像を把握することが求められます。
求められる人物像に沿った自分の強みや魅力がないかを、自己分析を通じて明確にしましょう。
結論から話す
自己PRをする際には、「自分はこういう人間です。」という結論からスタートしましょう。
前置きとなる説明や導入の話は必要ありません。
たとえば、「御社では〇〇という人材を求めていますが、私はそれに当てはまっており、○○が強みです。」と伝えるのではなく、ストレートに「私の強みは〇〇です。」から始めます。
何があなたの一番言いたいことなのか、何があなたのアピールポイントなのかが最初の一言でわかることで、面接官の興味を惹き、あなたを印象づけることができます。
それがアピールポイントである理由は、結論の後に簡潔に話しましょう。
自己PRの根拠として具体的なエピソードで説明する
自己PRの結論と理由を述べたら、それを根拠付ける具体的なエピソードを説明することが重要です。
アピールポイントが単なる絵に描いた餅にならないよう、過去の経験談などを引き合いにして、自分のアピールしたい点が発揮されたエピソードを語りましょう。
具体的なエピソードがないと、企業の求める人物像や職種の適性に合わせて、内定を得たいだけの目的で自己PRを作り出したと思われかねません。
企業が求めているのは、その業務を遂行でき、企業に貢献してくれる活躍が期待できる人物です。
具体的にアピールポイントを発揮し、結果や成果を残せた経験などがなければ、本当に活躍できる人材なのか疑問符が残ります。
エピソードはとくに制約はなく、部活動やゼミ、サークルなどの学生時代の経験や大学時代に学んだこと、アルバイトやボランティアの経験など何でもかまいません。
経験談と言っても、単に事の経緯を語るのではなく、その経験の結果、得られたものや、自分のアピールポイントをどう発揮でき、どういう成果に結び付いたのかまで具体的に話すことがポイントです。
金融業界に向いている人物像を理解しよう
金融業界で活躍するためには、数字に強いだけでなく、さまざまなスキルや特性が求められます。
顧客やビジネスパートナーとの信頼関係を築くためのコミュニケーション能力、仕事に対する主体性や自己成長に対する意欲、新しい情報をいち早くキャッチする敏感さなどが挙げられます。
金融業界は経済情勢や法規制の変化が激しく、柔軟に適応する力も不可欠です。
ここでは、金融業界で求められる人物像について、4つの重要なポイントから具体的に説明します。
コミュニケーション能力があって信頼される
金融業界では、顧客やビジネスパートナーとの信頼関係が業務の成功を左右するため、優れたコミュニケーション能力が不可欠です。
金融商品やサービスは一般的に複雑で、顧客にとっては不明点が多く不安を感じやすい領域でもあります。
そこで、顧客の理解度に合わせてわかりやすく説明する力や、状況に応じた柔軟な対応力が重要です。
また、顧客からの信頼を得るためには、丁寧かつ誠実な姿勢で接することが求められます。
さらに、ビジネスパートナーとチームを組んでプロジェクトを進める際には、適切な情報共有や円滑な意思疎通が欠かせません。
コミュニケーション能力が優れた人物は、こうした関係構築力や調整力を活かし、金融業界での高い成果を生むことが期待できます。
主体性をもって業務に取り組める
金融業界は非常に多忙で、業務も高度な専門性を要し、業務範囲が広いことが特徴です。
そのため、指示を待つだけではなく、自ら何をすべきかを判断し、主体的に行動できる人材が求められます。
金融市場や顧客ニーズの変化に合わせ、最適な行動を自分で考え実行する力が必要です。
特に営業職などでは、新規顧客へのアプローチや、マーケット分析に基づいた提案を積極的に行うことで、成果を上げられます。
また、主体性を持つことで、課題に対して柔軟に対処でき、リーダーシップも発揮しやすくなります。
金融業界では、こうした主体性が、個々の業務とチーム全体の成果を押し上げる力となります。
新しい情報を敏感に取得していける
金融業界は、国内外の経済状況や法改正、社会情勢などの影響を大きく受けるため、常に最新の情報をキャッチできる感覚が重要です。
金融商品は市場動向や政策の変化によって価値が大きく変わることがあり、最新の情報を迅速に取り入れる姿勢が求められます。
たとえば、金融アナリストや投資担当者であれば、日々更新される市場データや経済指標を分析し、顧客にとって最適な提案を行う力が必要です。
また、情報感度が高い人は、新しいビジネスチャンスを見つけるのも早く、適応力も高い傾向があります。
顧客の利益を守るためにも、信頼できる情報をいち早く把握し、それをもとに的確なアドバイスを行える人材は、金融業界で非常に重宝されます。
日々自己研鑽を行える勤勉さがある
金融業界で成長を続けるためには、日々の自己研鑽が不可欠です。
業界の変化が激しいため、新しい知識やスキルを習得する姿勢が求められます。
たとえば、顧客ニーズに応じたコンサルティングや営業スキルの向上だけでなく、リスク管理やデータ分析といった専門スキルの研鑽も必要です。
さらに、金融業界ではグローバルな視点も必要とされるため、国際経済の動向や各国の金融政策の理解も重要です。
自己研鑽を継続することで、金融のプロフェッショナルとして顧客から信頼される存在となり、キャリアの幅も広がります。
勤勉に学び続ける姿勢を持つ人材は、企業にとっても将来性のある貴重な存在であり、金融業界でのキャリア形成において大きな強みとなります。
金融業界を志望する人に必要な資質
- 知りえた情報を口外しない
- ルールや期日を順守できる
- 慎重さと正確さ
- 肉体と精神の強さ
どの業界においても「信用力」は不可欠ですが、特に金融業界においては非常に高い「信用力」を求められます。そのような金融業界に就職するためは、次の4つの資質が必要です。
知りえた情報を口外しない
金融業では、お客様の資産や極めてセンシティブな個人情報、会社の重要な情報に触れることになりますので、機密を守ることのできる思慮深さが必要です。
業務上知りえた情報を外部に漏らしてしまうことによるリスクとしては、例えば証券会社のインサイダー取引が挙げられます。
※インサイダー取引:上場企業の役員、社員、その他の関係者が、公表されていない会社の重要な事実に基づいて行う証券の取引
ルールや期日を順守できる
金融業は様々な法律に基づいて業務を行っていますので、法律に関する知識はもちろん、それを順守する誠実さが必要です。
また、期日を過ぎてしまうとお客様に大きな損害を与えてしまう作業が多くありますので、責任感をもって期日を順守できる真面目さが要求されます。
金融業は様々な法律に基づいて業務を行っていますので、法律に関する知識はもちろん、それを順守する誠実さが必要です。
また、期日を過ぎてしまうとお客様に大きな損害を与えてしまう作業が多くありますので、責任感をもって期日を順守できる真面目さが要求されます。
これはどの職業でも必要になるものですが、金融業では日々大きなお金が動くことから極めて重要な要素です。
期日を守ることが苦手な人は、意識して生活するように習慣づけていきましょう。
慎重さと正確さ
上述した「ルールや期日を順守できる」と関連しますが、法律やルールにのっとって、仕事を期限までに間違いなく処理することができるという慎重さと正確さが求められます。
金融業界では、例え小さなミスだったとしてもそこから大きな損失やトラブルになる可能性が高いです。
実際に銀行では、誤メールやPCの消し忘れ等のうっかりしたミスでも厳罰の処分になることがあります。
日常的に確認を怠らないように意識づけましょう。
肉体と精神の強さ
資格がないと扱えない金融商品もあるため、普段の仕事の他に絶えず継続して資格の勉強が必要です。
また決算期や大幅な法律改正があったときなどは非常に忙しく、営業職であれば特に体力がなければ務まりせん。
お客様に損をさせてしまうのではないかという不安と向き合うため、タフな精神力をもって、向上心のある前向きな姿勢で取り組むことが大切です。
金融業界の職種別に求められる能力
金融業界では職種によって求められる能力が異なってきます。
しかし、共通して求められる能力はコミュニケーション力や柔軟性、忍耐力です。これらの能力は顧客への対応やICTなど新しいスキルへ順応するために必要となります。
ここからは、金融業界に共通して求められる能力を踏まえ、職種別の能力を紹介しましょう。
証券会社の場合
証券会社は金融商品の仲介や株式の運用などで収益を得ており、顧客である投資家に対しては資産運用のアドバイスや金融商品の提案します。
そのために必要とされる能力は、顧客とのコミュニケーション能力や株価の動きを予測する判断力、また情報収集能力も必要とされます。
高度情報化が進んでいる昨今で、金融業界も膨大な情報が日々変化していきます。
情勢の変化に置いて行かれないためにも、情報収集を怠らないようにしていきましょう。
カード会社の場合
カード会社は利用者からは年会費や手数料を集め、加盟店からはカードの利用に伴う手数料により収益を得ています。
また、カード会社は利用者や加盟店の双方からカード会社としての信用を求められます。そのため、信用とともに責任感ももたなければなりません。
このようにカード会社は信用や責任を担う会社であるため、採用に関しても同様の能力が求められます。
銀行の場合
銀行員の採用において求められる能力はカード会社と同様に信用と責任感です。また、銀行の業務には預金業務の他に貸付業務があります。
この場合は企業などの経営状況を調べて、適正な貸付となるようにしなくてはなりません。
そのため企業などの経営に関心があって、経営状況を判断できる能力が求められ、さらに窓口対応のため顧客とのコミュニケーション能力も必要です。
政府系金融機関の場合
政府系金融機関は国の出資により設立された銀行です。業務内容は国の経済発展や企業の活動支援します。
他の金融機関と異なることは国家プロジェクトに関わることが多くあります。必要とされる能力としては責任感や使命感、自分の仕事に対するプライドをもつことです。また、グローバルな視点をもつことも大切になります。
外資系投資銀行の場合
外資系投資銀行は企業を対象として資金調達やM&Aの支援、アドバイスすることを主要な業務としています。
また証券会社と同様に証券業務も行いますが、証券会社との違いは法人が対象となることです。
外資系投資銀行は成果主義を基調としているため厳しい側面をもっており、心身がタフであって、粘り強さなどが求められます。外資系であることから英語も必要とされます。
生命保険会社の場合
生命保険会社は保険商品の保険料と集めた保険料を原資とした運用益を収益としています。
保険商品を勧める上では、顧客に寄り添った商品の説明などのコミュニケーション能力が必要です。
また顧客に対して保険商品を説明するためには、商品に対する理解力とプレゼンテーション能力が求められます。
損害保険会社の場合
損害保険会社も顧客へ保険商品を販売し、集めた保険料やその運用益が収益となっています。
保険商品を説明するためには、プレゼンテーション能力や保険に関する知識が必要です。
また、被害にあった顧客へ保険適用する際には冷静で的確な対応力が求められます。顧客に寄り添う対応も生命保険会社の場合と同様に必要です。
リース会社の場合
リース会社は、設備などを顧客に貸し出すことによりリース料を得ることが主な収益です。
顧客には、貸し出す設備などの説明やリースによるメリットを的確に理解してもらわなければなりません。
そのため、プレゼンテーションやコミュニケーションの能力が必要です。近年では海外とのリース取引も増加しているため、語学力やグローバルな視点もなければなりません。
アセットマネジメントの場合
アセットマネジメントは顧客の資産を預かって管理運用する業務です。
管理運用の中では、さまざまな投資をし、投資の手数料や運用費用を収益としています。
顧客が有利になる投資するためには運用するファンドの知識を得るための研究や勉強を欠かせません。
向学心や向上心をもつことが必要とされます。
金融業界の自己PRを作る7ステップ
金融業界での自己PRは、強みをアピールするだけでなく、弱みやそれを克服するための姿勢も伝えることで、より深い印象を与えることが重要です。
金融業界に適した自己PRを作成するには、結論ファーストで強みを明確にし、具体的なエピソードで裏付けを行うことが効果的です。
また、入社後の貢献方法も加えて、採用担当者に自分の成長性と将来の可能性を示します。
この7つのステップを踏めば、金融業界に向けた魅力的な自己PRが完成します。
1.自分の強みを一言で表す
自己PRを始める際は、まず金融業界にマッチする自分の強みを一言でわかりやすく伝えることがポイントです。
たとえば、「高い分析力」や「卓越したコミュニケーション力」「迅速な意思決定力」など、自身の強みをシンプルかつ効果的に表現します。
ビジネスでは、結論を先に述べるコミュニケーションが好まれるため、結論ファーストの表現が求められます。
また、単なる強みではなく、「常に変化に適応する能力」や「顧客ニーズに柔軟に対応する力」など、業界で必要とされるスキルと結びつけることが重要です。
これにより、自分のスキルが金融業界でいかに活きるかを印象付けられます。
結論から始めることで、採用担当者にも理解されやすく、印象に残る自己PRが作れます。
2.強みを表すエピソードを書く
次に、その強みがどのように形成されたのかを具体的なエピソードを通じて説明します。
強みをアピールするだけではなく、それがどのような背景や経験によって培われたかを述べることで、より説得力のある自己PRになります。
たとえば、分析力をアピールする場合、大学での統計の授業で取り組んだ研究や、アルバイト先でのデータ分析の取り組みを具体的に紹介します。
金融業界では、事実に基づいた行動と結果を重視するため、経験から得た学びやスキルの成長過程を具体的に記すことで、信頼性を高めることができます。
また、状況に応じた柔軟な対応や、目標達成のための工夫を交えると、採用担当者にとっても記憶に残る内容になります。
3.その強みから出る弱みを書く
どんな強みにも、反対の側面である弱みが存在します。
ここでは、強みが時に弱みとして現れる場面についても正直に述べることで、自分をより客観的に捉えられることを示します。
たとえば、分析力が強みである場合、細部にこだわりすぎて全体像を見失うことがある、といった具体例を挙げると良いでしょう。
金融業界でも、自己認識ができている人材が好まれるため、弱みを率直に認め、成長の意欲を持っていることを伝えることで、誠実な印象を与えることができます。
自分の弱みを把握し、それが仕事にどのような影響を及ぼすかを理解していることをアピールすることで、採用担当者にとってもポジティブな印象を与えることができます。
4.弱みの克服のために努力していることを書く
次に、その弱みを克服するためにどのような取り組みをしているかを具体的に述べます。
自己成長に対する意欲や、積極的に弱点に向き合う姿勢は、金融業界において評価されやすいポイントです。
たとえば、細部にこだわりすぎる傾向がある場合、全体の進捗状況を把握するためのチェックリストを作成したり、スケジュール管理に力を入れるといった具体的な取り組みを紹介します。
努力している過程を具体的に示すことで、仕事においても成長し続ける意欲が伝わります。
金融業界は変化のスピードが早いため、自己改善に向けて主体的に行動できる姿勢は高く評価されます。
また、弱みに対して前向きに取り組むことで、問題解決能力の高さもアピールできます。
5.その結果どうなったのかを書く
弱みを克服するための努力の結果、自分がどのように成長し、強みがさらに磨かれたのかを具体的に伝えましょう。
たとえば、分析力を伸ばすために取り組んだ結果、数字を扱うスピードが上がったり、データを活用する際の精度が高まったなどの具体的な成長を示します。
この成長のプロセスを示すことで、採用担当者に自己改善の意識と成果を感じてもらえます。
金融業界は変化が速く、柔軟に適応できる人材が求められるため、成長への努力を続けた姿勢は高評価につながるでしょう。
努力の結果、自分の強みがさらに強化されたことを述べることで、成長意欲と仕事への前向きな姿勢を示し、自己PRに説得力が加わります。
6.自分の強みを活かして入社後にどう貢献するのかを書く
次に、入社後に自分の強みをどのように活かし、どのように会社に貢献したいかを具体的に記します。
たとえば、分析力が強みであれば、顧客の投資戦略をサポートし、信頼できる市場分析を提供することで、企業の業績向上に寄与したいと述べます。
会社のビジョンや目標と自分のスキルをどう活かせるかを示すことで、採用担当者に自分の将来性を伝えることができます。
また、入社後の具体的な目標や取り組みも記載することで、前向きな姿勢と高い貢献意欲がアピールできます。
こうした具体的な貢献内容を述べることで、採用担当者に「この人なら自社で活躍してくれる」と思わせることができます。
7.完成した自己PRを添削する
最後に、完成した自己PRを徹底的に見直し、文法の誤りや内容の整合性、読みやすさを確認します。
特に、金融業界では正確さと論理性が求められるため、誤字脱字や不自然な表現は避け、簡潔かつ論理的に内容が伝わるよう修正しましょう。
できれば第三者にもチェックしてもらい、客観的なフィードバックを得ることでさらに精度を上げます。
また、内容が重複していないか、無駄な表現がないかも確認し、冗長さを省いてより簡潔で読みやすい文章に仕上げます。
最終チェックを徹底することで、金融業界に適した信頼性と説得力のある自己PRが完成し、採用担当者に好印象を与えられることでしょう。
金融業界の自己PRで伝える際のおすすめの構成
金融業界で厳しい競争を勝ち抜き、内定を得るためには、自分の強みや人柄をアピールする自己PRで面接官にほしい人材と思ってもらわなくてはなりません。
そのためには、内容だけでなく、どのような順番でどう話すかの構成も重要になります。
金融業界は高い正確性や倫理性、ロジカルな思考が要求される業界ですので、基本はPREP法を用いて構成するのがベストです。
PREP法とはPOINT(結論)→REASON(理由)→EXAMPLE(具体例)→POINT(まとめの結論)で構成されます。
- 結論
- 理由
- エピソード
- 問題
- 行動
- 結果
結論:私の自己PRは〇〇です(アピールポイント)
PREP法ではまず結論からスタートします。
一般的に自己PRを求められれば、「私は〇〇で、~のような性格で、〇〇が得意で、〇〇もできます」など、自分がどのような人間で、どのようなことができるか、次々と挙げながら、自分を知ってもらおうとするはずです。
ですが、就活における自己PRでは、アピールポイントは1つに的を絞る必要があります。
わずか15分程度の限られた面接時間の中で、自分を知ってもらうためにはいくつもの側面を挙げるより、1つに絞ることで、どんな人物かをわかりやすく伝えられます。
しかも、最初にアピールポイントが何かから話すことで、最初の一言で、あなたの特徴を印象づけられるのがメリットです。
理由:なぜならば〇〇で〇〇ということがあったからです
まずは結論として、アピールポイントは何なのかを一言で簡潔に伝えてから、それを一番のアピールポイントとして選んだ理由を述べましょう。
初めて会う面接官に、そのアピールポイントが本当だと理解してもらうためには、なぜそれを選んだのかの理由が必要です。
しかも、その理由は、経験に基づくものでないといけません。
家族や友人にそこがあなたの強みだと言われるからといった他人からの評価や自分でそう思うからという主観ではなく、実際の経験から、自分のアピールポイントだと感じた理由を伝えましょう。
経験に基づくことで、内定を得るために作りだしたのではなく、本当に強みなのだということを納得させやすくなります。
エピソード:私は〇〇で〇〇をしていました
続いて、そのアピールポイントをより納得させる、経験に基づくエピソードを紹介しましょう。
具体的なエピソードを話すことで、そのアピールポイントが実際に発揮できることを伝えやすくなります。
具体的なエピソードを通じて、あなたの人と成り、考え方や行動力なども伝えることが可能です。
自己PRとして、自分の良いところをあれもこれもと話すより、アピールポイントは1つに絞ったうえで、それを伝えるためのエピソードを通じて、あなたという人物がどんな人なのかを伝えるほうが、面接官に理解しやすく、印象づけられます。
エピソードも1つに絞り、アピールポイントが強調できるよう、困難に直面して乗り越えた経験を選ぶのがベストです。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
エピソードの概要を紹介した後、その経験で直面した問題や課題を紹介しましょう。
面接官はあなたの経験談を初めて聞くわけですので、どんな状況なのかイメージしやすいように伝えることがポイントです。
冗長にならず、簡潔かつ明確に、何が問題だったのかを伝えてください。
選ぶ問題は、自分がアピールしたいポイントを使って自らの考えと行動で乗り越えられた内容であることが必要です。
他人の意見で解決したとか、他人のアイディアをもとに乗り越えた内容ではなく、自分のアピールポイントが役立った問題を選んでください。
行動:私は〇〇と考え〇〇を行いました
直面した問題に対して、どのように考え、どのような行動を取ったのかを説明しましょう。
もちろん、最初に結論づけたアピールポイントを活かした行動であることが必要です。
長々と語るのではなく、簡潔かつ具体的にわかりやすく説明しましょう。
最初に伝えたアピールポイントがしっかり伝わってくるように、うまくまとめて述べることがポイントです。
アピールポイントを印象づけるのはもとより、なんらかの問題に直面したときに、あなたがどのような行動を取る人物なのかもイメージさせることができます。
就職して仕事をしていくうえでは、さまざまな問題に次々と直面することになります。
その際にどのように乗り越えられるのか、あなたの行動力などもチェックされるところです。
結果:その結果〇〇となり〇〇に大きく貢献しました
直面した問題に対して、どのような行動を取ったか、アピールポイントを伝えられたことで、話が終わってしまう方もいますが、結果までしっかり伝えることが大切です。
あなたがアピールポイントを活かした行動に出たことで、問題が解決できたのか、どのような結果がもたらされたかを具体的に紹介してください。
単に「自分の行動で問題は解決されました」だけでは十分ではありません。
自分が行動に出たことで、どう変わったのかをビフォー・アフターがわかるように伝えるのがポイントです。
できれば、数値などのデータを用い、客観的な違いを伝えましょう。
アルバイト先の売上が20%アップした、作業効率が5分短縮されたなど、結果が明確になる客観性がアピールできるとベストです。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
最後の結論では、再び、自分のアピールポイントを強調するとともに、そのアピールポイントを、入社後にどう活かすかを話すことが重要になります。
エピソード紹介で結果まで伝えると、そこで話が完結してしまう人や話し終えた感を持ってしまう人が多いですが、最後のまとめの結論は忘れてはいけません。
就活の面接における自己PRは、単に自分をアピールする場ではなく、その企業にとって、いかに役立つ人物であるかを伝える機会だからです。
最初に結論で述べたアピールポイントを、これまでの経験を活かし、どう入社後に活かせるのか、具体的な場面や業務などを挙げて主張しましょう。
単に「経験を活かして頑張ります。」ではなく、具体的に〇〇という場面を想定することで、その企業への意気込みが伝えられます。
金融業界の自己PR例文
それでは実際に、金融業界向けの性格的な特徴を活かした、代表的な要素をもとに自己PR例をご紹介しますので、参考にしてください。
金融業界に適していない自己PRを行うと逆効果になってしまう可能性もあるため、自己PRのトピックは慎重に選択することが必要です。
アピールポイント別の自己PR例文
私は慎重な性格で、金融業界が適職だと志望しました。
顧客の大切な資産をお預かりし、期待する利益を上げた運用を行っていくうえでは顧客へのリスク説明や慎重なリスク管理が欠かせません。
私は親からの仕送りとアルバイトで稼いだお金を、毎月の家賃、光熱費、通信費、食費に分けて管理しており、毎日、収支を付けることを欠かしません。
金銭に関する慎重さと管理力は、御社での仕事にも活かせると考えています。
金融業界では金銭を扱うとともに、顧客の大切な資産を預かることや運用をすることとなります。
顧客へのリスクの説明や、顧客の年齢や経験などに合った商品の提案、顧客に損害を与えないよう最大限配慮する、顧客情報を流失させないなど、慎重性が求められます。
そのため、慎重な性格は自己PR材料となります。
私は忍耐力を武器に、御社の営業職としての活躍を目指しています。
幅広い選択肢がある時代に、粘り強く商品の必要性や魅力を提案することが顧客を納得させるカギを握ると考えるからです。
高校時代は柔道部に所属しており、毎朝稽古がありました。
3年間1日も休んだことがなく、雪の降る氷点下の道場でも稽古に取り組んだのは私だけでした。
体力面でも精神面でも忍耐力が養われているので、顧客に寄り添いながら、粘り強くアプローチをして成果を上げることができると考えています。
金融業界でも、ノルマや成績目標が課せられる営業職や、為替業務や証券など早朝から深夜や明け方までシフトや残業などが入る職種の場合は、忍耐力も求められます。
私のアピールポイントは真面目な性格です。
これまで一度も、人との約束を破ったことがありません。
家族とも友だちとも交わした約束は必ず、紙に書き出して明文化し、いつまでに何をするのかを明確にしています。
約束を果たすまでは机の上に紙を張り出しておくので、相手が忘れていても、必ず約束を果たす真面目さがとりえです。
必ず約束を守ってくれる人と信頼をされているので、顧客との関係でも職場でも信頼を勝ち得、業務を円滑に遂行できます。
多額の金銭が動く世界ですので、採用する企業にとっても、お金を託す顧客にとっても真面目な性格であることは重要な要素です。
私は目標達成力が強みです。
学業においても、アルバイトにおいても目標を明確に立ててそこに向けてひたむきに努力を重ねて達成してきました。
この能力は貴社に入った際にも大いに発揮できると考えています。
ノルマや目標の達成が重要となる貴社で努力を重ねて、成果を残すことができると考えています。
金融業界では設定した目標に対してコンスタントに成果を出すことが求められます。
また、金銭が動く仕事であることから成果が数値としてわかりやすく現れます。
そのため、特に重要視される要素です。
私の強みは常に最新を追い続けられる情報収集力です。
高校生のころから社会情勢に興味を持ち、ニュースや新聞を毎日確認していました。
この習慣はいまでも続いており、正しい情報を素早く把握する必要のある金融業界において役に立つと考えています。
また、集めた情報を収集するだけではなく自分なりに分析し、経済情勢について卒論を執筆しました。
この能力を用いて、貴社での仕事でも仕事に取り組み結果を残していけると考えます。
金融業界では日々状況が変わります。
そのため情勢に対しての感度を高く保てる情報収集力を持つ人材が求められます。
職種別の自己PR例文
私の強みは、顧客対応力と目標達成力です。
私は大学時代に二年間カフェでアルバイトをしていました。
そこでカフェのスタッフリーダーになることを目標として、一人一人に丁寧な接客を心掛けました。
他のスタッフともミーティングを行い、どのような接客であればお客様の満足度が高いかを考え、その考えをほかのスタッフに共有しました。
そういった取り組みを評価してもらい、目標であったスタッフリーダーになることができました。
この顧客対応力と目標達成力という強みは、貴社で仕事をするうえでも、顧客一人一人に適切な対応を行い、目標を達成して成果を残すことに役立ちます。
私は、分析力と情報収集力が強みです。
大学時代には、所属しているゼミのSNSアカウントを担当し、投稿にくる反応を分析したアカウント運営を行っていました。
リアクションが多くくる投稿や他の伸びているSNSアカウントの投稿を研究、分析し、運営を続けることでフォロワー数1000人を達成することができました。
これは情報収集と分析を何度も行いトライ&エラーを繰り返した成果だと考えています。
貴社で働く際にも、この能力は情勢を理解し的確に顧客と自社に対して価値を生み出すことに役立つと考えています。
私の強みは、忍耐力と英語力です。
大学時代に、1年間オーストラリアに交換留学をしました。
はじめは日本で学んでいた英語と、現地でのネイティブな会話の違いに衝撃を受けました。
今まで努力してきた英会話がなかなか通じず、悔しい思いをしました。
しかし諦めずにホストファミリーや学生に積極的に話しかけ続けると、会話が少しずつできるようになり、周りの人もスラングや単語を教えてくれるようになりました。
これは挫けずに会話に挑戦し続けたことで得られた経験だと考えています。
貴社で働く際にも、留学で身につけたネイティブな英語力をもって諦めずに挑戦し続け、成果を上げることができると考えています。
金融業界の面接で自己PRをするときのコツ
金融業界の面接で自己PRをする際には、自己PRをただ伝えるだけでなく、面接官の視点や質問を意識して準備することが重要です。
ES(エントリーシート)との整合性を保つことやエピソードの深掘りにも対応できるようにしておくことで、説得力と信頼感を高められます。
ここでは、金融業界の面接で自己PRを成功させるための3つのコツを解説します。
ESの内容と整合性がとれるようにする
金融業界の面接では、面接官がES(エントリーシート)を手元に置いて話を聞いていることが一般的です。
そのため、自己PRで述べる内容がESと矛盾しないよう、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
たとえば、ESに「主体性」を強みと記載している場合、面接でもそれに沿った内容を話し、経験の中で主体的に取り組んだエピソードを共有するなど、一貫性を保ちましょう。
また、ESで強みとして記載した部分について具体的にどのような経験があったか、どう活かせたかなどを自分の言葉で説明できるよう準備することが大切です。
面接で内容に一貫性があると、面接官からの信頼感が増し、あなたの真剣さや誠実さが伝わりやすくなります。
エピソードを深掘りされても良いように準備する
金融業界の面接では、自己PRに対してエピソードの詳細を深掘りされることが多くあります。
面接官は、応募者がどのような行動をとり、どのように考えて成果を出したのかを重視するため、具体的な行動や状況をさらに聞かれることが多いためです。
そのため、自己PRに使用するエピソードに関しては、詳細な部分まで整理しておくことが必要です。
たとえば、プロジェクトの規模や役割、どのような困難があり、それに対してどう対応したか、結果として何を得られたかなど、時系列で説明できるように準備しましょう。
また、エピソードから学んだことや、それが金融業界でどのように役立つかも意識しておくと、面接官に深い理解を促せます。
具体的な準備をしておくことで、予想外の質問にも自信をもって答えられます。
端的に話す
面接では、内容を端的にわかりやすく伝える力も重要視されます。
面接時には緊張も加わり、つい話が長くなってしまうこともありますが、簡潔に話すことを心掛けることで、要点が伝わりやすくなります。
自己PRでは、最も伝えたい結論を先に述べ、その後に具体的なエピソードや行動の詳細を続けると効果的です。
もし詳細を知りたい場合、面接官がさらに質問をしてくれるため、すべてを一度に話そうとせず、まずは概要を伝えることに集中しましょう。
事前に話す内容をまとめ、練習しておくと、実際の面接で落ち着いて要点を話せるようになります。
端的に話すことで、論理的思考や整理力も評価されやすく、金融業界の求めるスキルをアピールすることにもつながります。
自己PRは就活エージェントに頼ろう
こうした業務効率化や他業界からの参入による競争の激化から、金融業界では人員削減の動きが広がっています。
みずほフィナンシャルグループは2026年までに1万9,000人の削減、三菱UFJフィナンシャルグループは2023年までに6000人の削減を公表しています。
今後、より狭き門となることが予想される金融業界への就職を目指すなら、「信用力」は最低限必要な資質です。
今後はそれにプラスして、求められる能力があります。
それは、AIには読み取れない隠れた顧客のニーズを汲み取ったり、新商品を開発したりする能力です。
人間ならではの「思いやり」、「発想力」で、IT技術で効率化できない部分を補う人材が必要とされているのです。
しかしこれらの能力は、マニュアル化された自己PR術や就活テクニックでは評価されにくい部分です。
人間ならではの能力を引き出すためには、やはり一人ひとりに寄り添った、人間ならではの就活支援が必要です。
そこで就活市場エージェント」をおすすめします。
こちらでは、専任のエージェントがマンツーマンで面接対策などのサポートを行っています。
そのため、一人ひとりの能力を引き出し、さらにそれをどうPRするか、じっくり相談できるのです。
金融業界の自己PRを作成するポイントを知っておこう
金融業界と一口にいっても、その業種と職種は多岐にわたります。
自己PRの作成には、職務において金融業界が求める人物像のキーワードである「思慮深さ」「誠実さ」「正確さ」や「慎重さ」「タフさ」について考え、さらにその企業が求める人物像について掘り下げましょう。
金融業界にマッチする自己PRの例文などを参考にしても良いでしょう。
金融業界に必要な資質をもった人間として、自分の強みや長所をしっかりとらえた自己PRと笑顔を忘れずに内定を勝ち取りましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート