地方銀行の志望動機の書き方|ポイントと注意点をわかりやすく解説

地方銀行の志望動機の書き方|ポイントと注意点をわかりやすく解説

目次目次を全て表示する

はじめに

就職活動に勤しんでいる学生の中で、地方銀行を志望している就活生は多くいることでしょう。

地域と密着した安定感ある営業基盤や、転勤が少ないところなどが魅力的な地方銀行ですが、その分地方銀行を志望する就活生も毎年多くなりやすいのも事実です。

そんな競争率が高い地方銀行に就職するためには、誰よりも魅力的な志望動機を書ける必要があるでしょう。

本記事では地方銀行の志望動機の書き方について、ポイントと注意点を分かりやすく解説していきます。

いざ志望動機を書こうとしてみても、経験や知識がないと中々手が進まないものです。無理やり完成させてみても、本当にこの文章でいいのか不安が残ってしまうかもしれません。

そういったことを回避するためにも、この記事で紹介する内容を把握し、誰よりも魅力的な志望動機が書けるように学んでいきましょう。

まずは金融業界について知ろう

地方銀行に就職したい方は、様々な業種や業態がある金融業界の中でなぜ他の業態ではなく地方銀行を選んだのかを明確にすることが大切です。

そのためには志望している地方銀行だけでなく、他の業態を含めて金融業界について理解しましょう。

その違いを知った上で、その中でも、なぜ地方銀行を選んだのかを明確にしなくてはなりません。

そのために、銀行、証券、保険がどんな業態なのか、基本的な点を理解しておきましょう。

銀行

銀行は預貯金という形で個人や法人からお金を預かり、それを運用して増やして生活や経済活動を支える役割と、与信業務を通じて経済活動を支える役割を果たしています。

預貯金は与信を通じて個人や法人に貸し出され、そこから得た利息が預貯金の利息として還元されていきます。

また、銀行としても投資などの運用を行って預貯金を増やす業務も担っているのです。

銀行にも種類があり、全国展開し世界とも競争力を持ち、国や大手企業をはじめとして取引を行い日本経済を担う都市銀行と、中小企業や住民の生活に根差して地方経済を担う地方銀行がある他、近年では店舗を持たないネット専業の銀行も成長してきました。

証券

証券会社は株式の売買の仲介や、FX、投資信託、国債や社債などの取引をサポートする役割を果たす他、企業の上場のサポートや資金調達をサポートする役割を担っています。

規模の大きな大手証券会社をはじめ、地方に拠点をおくような中小の証券会社もあります。

また、証券会社でも店舗や営業職員を持たないネット専業証券会社が続々と参入しているのが特徴です。

店舗の運営費や人件費が抑えられることで、口座の維持管理費や取引手数料などが安いのが魅力で、24時間いつでも気軽に投資をする機会が与えられるのも魅力です。

これまで株式取引やFXなどをしたことがない方にも注目され、コストを抑えたい方や夜間などに取引を行いたい人に人気を集めています。

保険

保険会社は大きく分けて、生命保険、損害保険に分かれます。

生命保険は人の死亡で遺族の生活が困難にならないように保険金でカバーしたり、病気やケガで治療が必要になった際に十分な治療が受けられるよう給付金で経済的に支えたりする保険です。

時代のニーズに合わせ、ガンや三大疾病、介護や老後の年金をカバーする保険なども取り扱っています。

損害保険は火災や自然災害などで自宅や店舗、工場や事務所などに生じた損害を補填したり、自動車事故における人身事故や物損事故の損害賠償や自損事故の損失補填などに備えたりする保険、ケガをした際や介護になった際の補償などを取り扱う分野です。

保険業界でも、従来の営業職を中心にした保険販売ではなく、店舗や営業職がいないネット専業保険会社が登場しています。

この中でなぜ銀行にしたのか?を明確に!

金融業界と言っても様々な業種がある中で、なぜ、地方銀行を選んだかを明確にできないと、内定獲得には結び付きません。

証券業界や保険業界ではなく、なぜ銀行業界にしたのかという点をはじめ、銀行業界の中でも、有名な都市銀行や近年注目を高めているネット銀行ではなく、なぜ、地方銀行なのかを具体的に説明できるようにしましょう。

有名な金融機関より、地方銀行の方が競争率が低そうだから、内定がもらえそうだからなど、甘い考えで志望するのでは選考には通りません。

また、銀行業界には信用金庫や信用組合も存在しています。

営業地域が限定され、地域に暮らす人、勤務している人、地域で営業する中小企業に向けた会員サービスを提供しています。

地域に根差す点では地方銀行と同様なので、なぜ、地方銀行にしたのか、自分なりに明確にすることが大切です。

 

地方銀行とは

地方銀行、通称地銀に就職する上ではそもそも地銀がどのような銀行なのかということを知らなければいけません。地銀とは、その名の通り地方に集中して展開している銀行のことを指します。さらに詳細にいえば、全国地方銀行協会に加盟している銀行のことです。

地方銀行は、冒頭でも書いた通り人気の職種でもあるため、ライバルが大勢います。Uターン就職をする学生の他に、その地方で育ってきた就活生も当然ライバルとなることでしょう。メガバンクと比較した時に、規模の小さい銀行という風に捉えられがちですが、実際にはそのようなことはなく、その名の通り全国地方銀行協会に加盟する地銀の規模はとても大きなものです。

Uターンや就職を希望している地銀がある場合には、経営規模や特色、理念といったことを入念に言及しておくようにしましょう。

 

地方銀行の特徴

地方銀行の主な使命は、特定地域の有望な企業を支援することです。

中小企業に融資して成長を支えることや顧客企業を取り持ち、新たなビジネスや企業価値を生む活動がメインとなります。

もちろん個人顧客に住宅ローンや教育ローンなどのサービスを提供することで、地域生活者を経済的に支える役割も果たします。

各地域に産業や生活基盤を持つ多くの人にとって、なくてはならないとても身近なパートナーといえるでしょう。

地域経済に関してはメガバンクより大きな影響力を持つことも多く、細かい情報に精通し、地域社会との信頼関係も厚いのが特徴です。

基本理念は地域とともに発展し、地域社会に活力を与える存在となることです。

中小企業だからといって貸し渋りや貸し剥がしも少なく、利用促進のためにエリア内には多くの支店やATMなどを設けていることも特徴でしょう。

特に郊外になるとメガバンクの支店は存在しないことが多いですが、地方銀行であればどこでも利用が可能なほど高い利便性を誇るのが一般的です。

他にも地域密着型イベントの主催や協賛に力を入れており、文化セミナーやスポーツイベントなどで名前を見る機会も非常に多くあります。

地つまり方銀行は単なる金融機関ではなく、地域経済そのものを担う存在であることが大きな特徴です。

 

地方銀行の将来性

地方銀行への就職を目指すなら、その将来性についても研究が必要です。

現在各地方銀行は大きな変革の波の中にあり、従来の経営方針を変えていくことが迫られています。

2016年ころからは地方銀行同士の合併や経営統合が進み、その姿もかなり変わりつつあります。

将来を見据えてIT技術や海外融資などでいくつかの地方銀行が連携して事業投資を行うケースも登場しました。

地方銀行は、自行の経営体力を強化するために収益源の多様化や新たな貸し出し先の発掘などが課題とされているのは事実です。

地方大学との連携やベンチャービジネスへの投資などが盛んに進められているのもそうした流れの一環です。

地域とともにある地方銀行はその地域に有力産業を育てることが必要不可欠なため、積極的に地方大学や自治体、商工会議所などと連携し、地方創生に取り組んでいる真最中といえるでしょう。

観光支援ファンドや再生可能エネルギー事業への投資ファンド設立やエリア外からの移住者を募るため住宅ローン金利を優遇するなど、新たな地域活性化企画が精力的に進められているのが現状です。

こうした取り組みの成果は各地方によって異なりますので、自分がどの地域の銀行へ就職を目指すべきかは、こうした実績も含めてしっかり研究する必要があります。

 

地方銀行とメガバンクとの違い

一言で銀行と言っても、三菱UFJ銀行や三井住友銀行といったメガバンクがあれば、全国各地に存在する地方銀行もあります。

たとえ自分の地域にあった銀行名を口にしても、その地域に住んでいない人には通じないことがほとんどでしょう。

そもそも地方銀行とメガバンクには、営業エリアや業務内容などが異なり、全く同じものではありません。2つの銀行の違いを把握しておかなければ、志望動機を書く際に齟齬が生まれる可能性もあります。

ここでは、地方銀行とメガバンクとは明白に何が違うのかを紹介していきます。

 

地方銀行は地域に大きく貢献できる

地方銀行は地域に密着した銀行だという特徴があります。メガバンクも地域と関わりを持って営業を行っていますが、ある特定の地域に強く根付いているのは地方銀行です。

地方によっては、メガバンクよりも地方銀行の方を信頼しているという人も多く存在します。地方銀行の方が顧客の本音を理解しやすく、必要なサポートを提供しやすいという利点があるのです。

 

メガバンクは幅広く様々な業務を扱う

仕事内容は地方銀行とメガバンクにそれほど差はありませんが、メガバンクであれば地方銀行ではできない業務を扱うことがあります。

幅広く様々な仕事に挑戦してみたいと考えている人は、メガバンクの方が合っているでしょう。

ただし、ホールセール業務やリテール業務といった、銀行における根本的な業務内容はほぼ違いがありません。業務を通して地域を活性化させたいと考える人であれば、地方銀行の方が合っていると言えるでしょう。

 

地元で安定した仕事を求めるなら地方銀行

生活を安定させながら仕事をしたいと考える人であれば、地方銀行を選ぶのが好ましいでしょう。

地方銀行であれば安定して収入を得られる他、土日、祝日出勤することもありません。

また、女性の人であれば産休・育休が取りやすいというメリットもあります。近年、女性の働きやすい環境作りが注目されており、女性に向けた福利厚生を取り入れる地方銀行も年々増えてきています。

 

地方銀行には地元出身者しか就職できないのか

他県の地方銀行に就職したいと考える人は、その地域出身でなければ就職できないのか疑問に思ったことがあるでしょう。実際に就職する人は地元出身の人が多いですが、他県の人でも内定がもらえないわけではありません。

ここでは地方銀行に地元出身者が多く就職する理由と、他県の人が就職するために重要なポイントを紹介していきます。

 

地元出身者からのエントリーが多いから採用数も多い

地方銀行の採用を見れば、他県出身の学生の採用率が低いように感じるかもしれません。しかし、それは地元出身者からのエントリーが他県出身よりも多いため、採用数も必然的に他県出身よりも多くなっているのです。

地方出身の学生は、実家から出勤したいと考える人が多いそうです。地方銀行も地元出身者だけを採用するとは考えていませんが、応募数の比率から自然と地元出身者の採用が増えてしまうのです。

 

他県の出身者であっても評価されれば採用される

他県出身でも地方銀行から内定をもらうことはできますが、地方銀行としては県外に住んでいることを懸念して、内定を出しても辞退されるのではと警戒されます。

そのため、県外出身の学生は入社後に計画しているライフプランを伝えることが重要になります。県外出身であっても、その地域に住み貢献していきたいという意志を表明できるように準備しておきましょう。

 

地方銀行の志望動機に書くべき項目

地方銀行を志望する以上、その銀行の特徴を理解し、どのような取り組みを行っているかを踏まえて志望動機を作成する必要があります。

学生からの人気が高い割には新卒者の採用枠は決して多くないため、ライバルに打ち勝つためには準備や調査を入念に行い、意欲を認めてもらわなければなりません。

どのように書けばその熱意が伝わるか、4つのポイントに分けて解説します。

 

なぜその地方銀行を選んだのか

学生としては、自分の出身地の地方銀行であるだけでも志望理由になるような気もしますが、実際には特に地元優先ではなく、県外の人でも問題なく採用しています。

とにかく優秀な学生の取り合いになっていますので、縁もゆかりもない出身者でも認められれば内定を得ることができます。

ただし何度も述べているように、地方銀行の使命はその地域の活性化ですから、受ける銀行が担当している地区の情報は必ず知っておかなければなりません。

当該銀行がどの地域でどのような取り組みを行っているかも知らずにどんな志望動機を書いたところで、面接官の質問に答えられず落とされてしまうでしょう。

なぜその銀行を選んだのか、その銀行が取り組んでいる事業を踏まえた上で説得力あるアピールをしてこそ、採用担当者に響く志望動機になります。

そこならではの経営方針が必ずありますので、それもきちんと調べておきましょう。

多くの地方銀行には長い歴史があり、永らく地方経済を支えてきた自負があります。

そうした地方貢献に触れ、その銀行の取り組みの一端を担うために志望したという軸で、熱意を伝えることがポイントです。

 

その地域にどう貢献していきたいのか

出身者の方が説得力を持たせやすいのは事実ですが、県外の人でもそこに就職すればその地域に貢献する事業に携わることになります。

そこで志望動機に盛り込むべきは、地方銀行が担当するエリアに関する自身の体験です。

過去その地域に関わったなんらかの経験があり、その時感じたことからこれからも地域貢献していきたいと強く思ったのであれば、説得力のある動機になります。

地方銀行で働くには地方を支える誇りが必要ですので、どのように貢献していきたいかを踏まえてエピソードをまとめましょう。

体験はなんでもかまいませんが、根底にはその地域に対する深い愛情が感じられることがポイントです。

 

他県の出身者の場合は特に理由を明確にする

他県出身者であっても、その地域エリアに関わった体験を志望動機に盛り込んでいきましょう。

たとえ他県出身だとしても、その地域の好きなところが記載されていると、面接官にとっては地域に特別な思いがあるように感じられます。

他県出身であっても、その地域のために貢献したいという意欲的な姿勢は、地元の人にとって好印象を抱かせます。生活した経験がない場合は、地域へ貢献したい理由や熱意をアピールするようにしましょう。

 

就職後にどうなっていきたいのか

自分がその地方銀行でどのような活躍をしたいのか、入社後の具体的なイメージを思い浮かべてもらうことがポイントです。

就職後にどんな仕事をしたいのか、どのように地域とともに活動したいのか、実際に自分が入社したと仮定して仕事ぶりを想像してみてください。

当然、入ったばかりの新入社員にできることなど限られていますが、どのような活動を通じて銀行員として成長していきたいのか、キャリアパスも含めて構成してみましょう。 またそのための努力についても触れ、入社後もスキルアップのための努力を怠らない志を伝えてください。

例えば、優れた銀行員は法律にも精通し、不動産の知識も豊富です。

働きながらより高みを目指して専門知識を勉強し、より活躍できる銀行員に育ってくれるなら、ぜひ採用したい人材です。

 

地方銀行の志望動機を作成するポイント

地方銀行の志望動機を作成する際にはどのようなことを意識すればよいのでしょうか?

志望動機の構成や内容の観点から、ポイントをお話します。

ぜひ以下の5点を参考にしてみてください。

 

結論を最初に伝える

志望動機において、また他の文章を作成する時にも結論を先に伝えることは重要です。

というのも、あなたの志望動機をはじめて聞かされる人たちは、あなたのエピソードやアピールについてどこが重要であるかをくみ取る事が難しいからです。

最初に結論をはっきり示しておくと、読み手や聞き手がポイントを読み飛ばしてしまうことはありません。

はじめてあなたの志望動機を読む側の人のために読みやすい構成を意識して書きましょう。

最初に結論を説明することで、それ以降に続く裏付けもとても有効になります。

 

エピソードは一つに絞って具体的にアピール

志望動機の裏付けとして示すエピソードは一つに絞ってください。

これは義務的ではありません。

中には複数のエピソードをアピールしたい人もいるでしょう。

しかし複数のエピソードをアピールするにはエピソード同士の繋がりが必要となります。

関連性の薄いエピソードを無理やり伝えようとするとむしろ何を伝えたかったのかが濁り、企業に要点が伝わりづらくなってしまうのです。

なるべくエピソードを絞って詳しく掘り下げて伝えることが好ましいでしょう。

エピソードを掘り下げることで企業にあなたの人柄や魅力を詳しく知ってもらえます。

 

地銀を志望する理由を突き詰める

地銀に就職したいと考えている方はまず、志望する理由を突き止めなければいけません。これは地銀に限らずあらゆる業界に対して共通していえることですが、就活生の多くはこの部分を意外に怠ってしまいがちです。調べる際には給料や自宅からの近さなどといった自分都合のことだけではなく、企業側が求める人材や、企業理念といった部分も綿密に調査するようにしましょう。

その上でなぜ自分がその地銀に入社したいのかということを、しっかりと考えるようにしてください。その際には自己分析や企業研究といったことは当然行うのが前提です。

例えば、地方に根付いている地銀に就職する場合は、その地域に対する地域愛などが一般的な志望動機として挙げられます。こういったものは志望動機としては有効である反面、それだけでは弱いというのが正直なところです。地域愛があることは前提として、その部分に加えて独自の志望動機を考えるようにしましょう。

 

企業に貢献する意思を伝えよう

就活のゴールは内定です。

そのためどうしても志望動機で自分の人柄や魅力ばかりを必死に伝えてしまうことが多いでしょう。

しかし、それだけでは不十分です。

内定が決まった後は実際に社会の一員として会社で働くこととなります。

そのため志望動機にも自分が想像できる限りの目標を織り交ぜて話すと企業から好印象を得られます。

企業に属した後の自分のことを想像してみてください。

地方銀行でどのようなことを目標に仕事に取り組むのか、それは企業にとってどのようなメリットを生むのかよく考えてみると良いです。

将来のビジョンに繋げよう

将来の自分はどうなっていると思いますか?

そんなこと想像もしたことない人が殆どでしょう。

しかし、大人の一員として将来のビジョンが立っている人は企業にとっても魅力的です。

自分の将来性を効果的にアピールして自分を採用すると良い事を積極的に伝えましょう。

地方銀行に向けた志望動機の注意点

地方銀行で内定を得るためには、エントリーシートや面接での様々な質問の中でも志望動機が大きなカギを握ります。

なぜ、その地方銀行を選んだのか、入社意欲の高さや貢献できることをしっかりアピールできないと、内定をもらうことはできません。

そのため、志望動機の内容をいかに構成するかはとても重要です。

ここでは志望動機として内容に盛り込むにはNGとなる、地方銀行の志望動機として書いてはまずいポイントを紹介します。

 

経済発展に関与したいはNG

経済発展と言っても、国全体をイメージした経済発展を強調することはNGです。

なぜなら、国の経済発展を担うのは都市銀行の役割であり、そうであれば、都市銀行を志望するべきだからです。

地方銀行を志望する場合には、地域経済の発展を挙げる必要があります。

その地方銀行が展開する地域を理解し、地域社会でどのような問題を抱えており、どのような役割が地方銀行に期待されているかを、よくリサーチしましょう。

その課題解決をするには、自分がどのような貢献ができるのかや、地域から期待されている地方銀行の役割を担っていく上で、自分がどのような貢献ができるかをアピールすることが大切です。

 

数字に強いからだけはNG

数字に強いことは金融業界を志望する上では必須の要素ですが、それだけがアピール材料になってはいけません。

なぜなら、志望する人たちはほぼ数字に強く、他の応募者と差別化が図れないからです。

地方銀行で仕事をしたいと考える以上、数字に強いのは当たり前だとの前提で、他の応募者と差別化できるプラスアルファの強みや特技、スキルなどをアピールできるようにしましょう。

ただ、数字に強いと言っても、どれだけ強いのかは伝わりません。

例えば、簿記1級を取得している、珠算で段を保有しているなどのスキルを披露したり、数字に対しての正確性が高いことのエピソードなどをセットで紹介できたりすることが求められます。

 

給料にフォーカスを当てるのはNG

地方銀行を志望する方は、IターンやUターン志向の方、都心より、地元や地方で働きたい方などが多いかもしれません。

地方の中小企業などの選択肢もある中で、地方銀行が最も収入がいいからとか、信用金庫や信用組合より年収が高いからといった理由を志望動機にしてはいけません。

給料がいいからというのは、志望動機の1つにはなると思いますが、自分の気持ちの中だけにとどめておきましょう。

企業の側では、自社にとって貢献してくれる人材を求めています。

給料をもらいたいだけの人材を求めているのではなく、高い給料を支払うにはそれに見合った人材でなくてはなりません。

そこを履き違えず、自分が高い給料をもらうに値するだけの人物であり、どれだけ、志望している地方銀行に貢献できるのかをアピールすることが必要です。

 

地方銀行の志望動機例文

例文 私はもともと、大学を卒業したら地元に帰ると決めていました。 就職をする際には、人の役に立つ仕事をするというのを第一条件として考えていました。 そして自分が得意としている数字面の力も発揮できれば良いという風に思っていました。 そういった条件に絞って探してみた結果、貴行に辿り着きました。 それまでの私は、地方銀行に対して地味であるという印象を抱いていましたが、調べれば調べるほどその魅力に気付くこととなったのです。 地方経済を根幹から支えながら県内外問わず取引がある貴行は、地方経済を盛り上げるために不可欠な存在となっていました。 何十年と住むこの土地で「やりがいのある仕事をしたい」そう考えた時、私が働きたいと思える場所は貴行だけでした。

 

地方銀行員に向いている人の特徴は?

銀行員は仕事上、お金を取り扱うことが基本で業務には常に数字がつきまとってきます。もしも記入した数字が1ケタ間違ってしまえば、それだけで大問題になりかねませんので、物事を几帳面に取り組める人は銀行員に向いているでしょう。

経営に興味を持ってる人であれば、融資業務などでその知識が活かせるでしょう。融資というのは返済の見込みがあるかどうかを慎重に調べていく必要がありますが、その大仕事をやり切った時は大きな達成感を感じられるはずです。

また、銀行員であれば強い正義感を持つことも大切です。銀行とは多くの人の大切な資金を預かる重要な立場にあります。不正を行ってしまえば自分だけでなく、その銀行の信頼を失うことに繋がるため、顧客の資産を管理していることを自覚しましょう。

 

地方銀行でも扱う業務は広がってきている

地方銀行とメガバンクを比べた時、メガバンクの方が規模が大きく扱う業務も豊富だろうと考える人は多いでしょう。規模の大きさに関しては事実ではありますが、だからと言って地方銀行の業務内容が少ないわけではありません。

地方銀行は現在浮上している問題を解決するために、それぞれの地域で様々な活動やシステムを生み出そうとしています。その中には、実際に新たな業務を生み出し実行に移しているところもあるのです。

ここでは地方銀行で広がりを見せている新しい業務を紹介していきます。

 

地域創生のための活動の増加

地方銀行の特徴はその地域と密着していることですが、近年ではその繋がりを利用して、地方企業と協力して新規事業を行ったり、地域創生に貢献したりする動きが活発化しています。

実際にあった例としては、ある地方銀行はクラウドファンディングサイトと提携し、クラウドファンディングを通じた新商品や新サービスの開発を行っており、別の地方銀行では地方創生宣言を展開し、産業の支援センターを開設したりしています。

上記のような活動は年々増加傾向にあり、これからも地域問題を解消するために活動をはじめる地方銀行が増えていくと考えられています。

 

その土地の農業や移住者への支援も可能

地方銀行がある地域は農村地域であることが多く、地元の活性化や持続可能な農業のために地方銀行が支援を行っていることが珍しくありません。

また、近年では少子高齢化や都市部への人口集中から、多くの地域で人口問題が浮上しています。それを解消すべく、移住者に向けて支援を行う地方銀行も増えており、そういった活動はメガバンクでは行えない唯一の魅力と言えるでしょう。

 

地方銀行の現状と抱える問題点

地方銀行にはメガバンクにはない様々な魅力を持っていますが、その反面、問題を抱えている部分もあります。就職する前にはそういった部分もしっかり把握しておきたいところでしょう。

ここでは、地方銀行の現状と抱える問題点について紹介していきます。

 

地方の人口減少と経済の停滞

地方銀行が抱える大きな問題は、人口減少や高齢化による顧客減少と、マイナス金利による経済の停滞です。

地方から都市部へ移住する人は年々増えており、地方の人口減少は深刻化しています。地域によっては人口減少を避けようと活動しているところもありますが、すべての地域が活動をしているわけではありませんので注意が必要です。

そして、マイナス金利の影響も無視できない内容です。マイナス金利であれば銀行にお金を預けることが損になってしまうため、企業への貸し出しを銀行側が積極的に行っていかなければなりません。

フィンテックへの取り組みが招く激しい競争

フィンテックとは通信技術と金融サービスを融合させた新しいサービスです。キャッシュレス決済やネットバンキングなどがフィンテックに該当しますが、その新サービスの研究が盛んにおこなわれるようになり、競争も激しいものになっています。

フィンテックは今では世界中に規模が拡大しており、日本でも少しずつ取り組みが進められています。ただし、新しい事業には新しい問題が発生しやすいもので、それらに対処するために銀行員も知識をつけていく必要があるでしょう。

また、フィンテックの導入から金融機関の機械化が進むことで、人員が削減されることも近年問題視されています。

 

明確な志望理由でライバルに差をつけよう

地方銀行の志望動機を考える際は、銀行と自分双方の利益を強調するようにしましょう。

自分自身がその場所で働きたい、成長したいという風に思う気持ちは大切ですが、それだけでは弱いです。

資格や熱意、きっかけはなんでもかまいませんが、相手に与えられることは具体性があるほど望ましいでしょう。

RECOMMEND この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます

広告掲載をご検討の企業さまへ