自己PRで相手の立場になって考える力をアピールしたいという人もいるでしょう。
本記事では、「相手目線」の必要性を学ぶとともに、さまざまな事例をもとに、相手の立場に立った自己PRの作り方を紹介しています。
この記事を読めば、あなたの強みや、何をアピールすることが企業に受け入れられるかを知るとともに、企業に高評価される「相手目線」の自己PRが作れるようになるでしょう。
- 相手の立場に立って考えられる人の特徴
- 相手の立場になって考えることでアピールできること
- 企業が自己PRを質問する意図
- 相手の立場になって考えることができる人の自己PR例文
- 相手の立場になって考えることを自己PRしたい人
- 自己PRの書き方がわからない人
- 自己PRで好印象を獲得したい人
- 例文をもとに自己PRしたい人
目次[目次を全て表示する]
【自己PR:相手の立場に立って考える】選考で求められる理由
就職活動で必ずと言っていいほど、自己PRは問われます。
自己PRを通して企業はどのようなことを知りたいと考えているのでしょうか。
企業はあなたを雇うことで、どのようなメリットがあるのか、直接的に仕事に活かせる経験や能力・実績などはあるのかという点について自己PRを通して確認しています。
具体的には自己PRを通して企業が知りたいのは、以下2点の情報です。
- あなたの人柄を知る
- 入社後活躍できるかを見る
それぞれについてくわしく解説していきます。
あなたの人柄を知るため
新卒採用においては人柄を重視する企業が多く見られます。
理由はキャリア採用と異なり、即戦力となるスキルや知識を持ち合わせていない、もしくは就活生間の差がほとんど見られないためです。
新卒は入社後に先輩社員から教育を受け、戦力とすることを前提として採用します。
そのため、先輩社員となじんで仕事を行えるかが、新卒採用においては重要なポイントです。
また仕事はチームで行う場面が多いです。
協調性の高さは、新人の頃だけでなく社会人として働くうえで、常に強みとして活かすことができます。
以上が新卒採用において、企業が人柄を重視する傾向にある理由です。
入社後に活躍できるかを見るため
もちろん採用の判断基準は人柄だけではありません。
あなたの強みと企業が求めているニーズを合致させる必要があります。
たとえば研究職の場合はコツコツと試験を重ねられる継続性、営業職であれば素早く行動に移せる行動力や、相手の立場に立って考え、提案や対応ができるなどの強みがニーズとマッチします。
もちろん上にあげたものだけが正解というわけではありません。
ほかのあなたの強みを企業のニーズと結びつけることは可能なのです。
【自己PR:相手の立場に立って考える】そもそもどういう意味?
相手の立場に立って考えるとは、相手の気持ちを汲み取り、言動につなげることを指します。
「自分がもし相手だったらどう思うか」「相手はこんなことを考えているのではないか」と相手の気持ちに寄り添うことは、日常生活はもちろん、ビジネスの場でも役立ちます。
特に直接人と関わる業務では、相手と信頼関係を築くうえで大いに役立つでしょう。
【自己PR:相手の立場に立って考える】どんな特徴がある?
相手の立場に立つと言ってもさまざまな特徴があります。
企業にアピールする際にはあなたの特徴を捉えたアピールをしなければ企業を納得させることはできません。
また、あなたがなんとなく自分で相手の立場に立って考えられると思っている場合には、改めてどういったポイントが相手立場に立って考えられると言えるのかについて考えておくことで面接での深掘り質問にも対応することができます。
聞き上手である
相手の話を聞くことが得意であったり、悩みの相談を受けたりすることが多くある場合には相手の立場に立って考えることができると言えるでしょう。
聞き上手というようにアピールすることもできますが、具体例として相手の立場に立って考えることができるとアピールすることによってより積極的なアピールにすることができるでしょう。
周りの友達などから聞き上手と言われたり、相談に乗ることが多いという人は相手の立場に立って考えることができると言えるでしょう。
円滑なコミュニケーションができる
学校の課題でのグループワークなどで意見がぶつかったとしても円滑なコミュニケーションを通じてうまく場を回すことができるというような場合にも相手の立場に立って考えることができると言えるでしょう。
また、グループワークなどにおいて、相手がどういった理由で意見をしているのかという背景まで考えることで、違う意見でもうまくまとめることができます。
コミュニケーション能力というアピールでは漠然としていてイメージが伝わりませんが、こうしたアピールをすることで効果的なアピールをすることができます。
意見を押し付けない
グループワークなどでは、ついつい自分の意見ばかりを押し付けてしまう場面があります。
相手の意見を取り入れて、うまくまとめることなどは非常に重要なスキルであり、自分の意見ばかりを相手に押し付けてしまっていては意見がうまくまとまることはありません。
相手の立場に立って考えることができるというのは、相手の求めるものを理解した上でうまく自分の意見を伝えるような調整の力でもあります。
そうした部分で衝突しているようでは相手の立場に立つことができるとは言えません。
グループワークや部活動などの経験をもとにこうした経験があればアピールをすることができるでしょう。
相手の気持ちに配慮ができる
自分の意見を主張するあまり、相手の意見を強く批判してしまう場面もあります。
相手が一生懸命に考えて発言した意見を、一方的な考えで否定することで相手を傷つけてしまい、その後の話し合いや行動の中で、相手が委縮し、持てる力を発揮できなくなってしまうこともあります。
そこで、自分の意見は正しいと思いながらも、相手の状況であれば違うと感じることがあるかもしれない、という冷静な目線を持っていることが大事です。
相手の発言の意図や背景にある気持ちを配慮して発言や行動ができることも、アピールできるポイントになるでしょう。
観察力がある
観察力があることは相手の立場になって考えるために必要不可欠な特徴です。
相手のことをよく知らないとその人の立場に立つことは難しいからです。
そのため、観察力のある人は常に周囲の人々をよく観察しています。
例えば、相手の表情や仕草、話し方からその人の感情や思考を読み取ることができます。
また、日常の何気ない行動や言動からその人が何を大切にしているのか、どのような価値観を持っているのかを理解しようともしている人も多いです。
自分より相手を優先する
相手の立場に立って考える人にとっては自分より相手を優先することが一般的です。
相手のためを思ったり、人の気持ちを考えて行動したりできる人は自然と自分の欲求を後回しにして相手に譲ることができます。
例えば、会議の場で自分の意見を主張する際も、まずは他のメンバーの意見を聞き、それを尊重する姿勢を持つことができます。
このような行動は他者に対する思いやりや尊重を示すものであり、良好な人間関係を築くために非常に重要です。
想像力がある
想像力のある人はありとあらゆる角度から物事を見て、様々な状況を推測できます。
例えば、現在起きている事柄を見てその背景にどのような過程があったのかを推測し、相手がどのように感じているのかを表情や態度から読み取ったりすることができます。
このような想像力は、相手の感情や考えを理解する上で非常に大切です。
さらに、想像力があることで相手の立場や視点を想像し、自分自身の行動や対応を顧みることもできます。
柔軟性や協調性がある
相手の立場になって考えられる人は柔軟性や協調性があることも多いです。
チームにおいて自分の意志を曲げないことも時には重要ですが、それが障害となることもあります。
一方、柔軟性や協調性のある人は他人の考えや意見を尊重し、必要によって自分の意見を調整できます。
例えば、プロジェクトの進行中に意見が対立した場合でも、相手の立場や意見を理解し、建設的な対話を通じて共通の目標を目指せるのです。
柔軟性や協調性はチームワークを促進し、共同で目標を達成するために欠かせない要素の1つであるといえます。
【自己PR:相手の立場に立って考える】 ビジネスの場で強みを活かした例
自己PRでは、あなたの強みが実際入社後にどう生かせるのかという点が評価されます。
以下では「相手の立場に立って考える」という強みが具体的にどう企業や業務に生かせるのかを解説していきます。
自己PRで強みをどう生かすかという部分は具体的であればあるほど良いです。
あなたが志望する企業の企業研究を踏まえ、どのようにアピールすればいいか考える際の参考にしてみてください。
相手のニーズを捉えた提案ができる
相手の立場になって考えることができる人の特徴の一つとして、相手のニーズを捉えた提案ができるということが挙げられるでしょう。
営業においては、購買意欲のある人に提案するとは限りません。
むしろ、購買について消極的に考えている人を相手にすることも多いでしょう。
相手のニーズを的確に捉え、合った商品やサービスを提案することが重要なのです。
接客業においても、相手のニーズにあった商品やサービスの提案ができるということをアピールすることができれば良いでしょう。
クライアントと良い関係が築ける
クライアントから依頼を受けて業務を行う局面は、あらゆる業種業界に存在します。
たとえ自社で製品開発し、流通販売まで行っているメーカーであっても、各部署にはそれぞれクライアントが存在するのが一般的です。
いかなる大手企業であっても、1社だけですべての事業を回せるわけではありませんので、そこには必ずビジネスパートナーが存在し、立場的にクライアントとなる相手も出てくるのです。
そんな時相手目線に立てるということは、クライアント側の気持ちに寄り添い、真のニーズに応えられることを意味します。
クライアントとしては、意図をしっかり汲み取ってくれるビジネスパートナーは非常に大切です。
もちろん良い関係が構築できますし、より良い成果が得られる期待もありますので、そうした立ち位置で仕事ができる人材は高く評価されます。
顧客視点の企画を作ることができる
相手目線に立って仕事ができる人は、顧客視点の企画を作れる優秀な人材になり得ます。
あらゆる企業に顧客は存在し、事業成績を上げるためには顧客の賛同を得ることが必須なのは、もちろん言うまでもありません。
近年では世界中の企業がSNSなどを駆使し、顧客の動向を洗い出すマーケティング手法を展開していますが、これもひとえに顧客の視点を知り、真のニーズを探り出すためです。
相手目線に立てる人が顧客の立場に立ち、求めるものや今ある課題を探り出すことができれば、おそらくその事業は成功を収めることができるでしょう。
部下に好かれる
寄り添うべき相手は社外ばかりではなく、社内にも存在します。
新入社員の間は求められることはないにしても、将来的にマネージャーの立場に成長してくれそうな人材は、企業にとっては大きな宝と言えます。
新卒採用の時点で、この先部下を持ち、組織やプロジェクトの運営を担ってくれる期待のある人物は、積極的に採用する企業が大半でしょう。
相手目線に立てる人は部下に好かれる期待値が高いため、幹部候補としても名前が挙がりやすい傾向にあります。
仕事は1人でできるものではありませんので、組織として業務にあたる環境を整えられる能力は高く評価されます。
相手目線で相手のことを理解しようとする人材は、まさに企業にとって必要な存在と言えるのです。
社内の人間関係を円滑にできる
相手の立場にたって考えられる人は社内における人間関係も円滑に構築することができます。
相手の状況や立場に立って客観的な視点を持てることで気遣いや適切な対応ができるのです。
広い視野をもっていることで人への配慮ができる人は社内の雰囲気を向上させることができるので重宝されます。
【自己PR:相手の立場で考える】能力が有利に働く職種
相手の立場に立って考える力は、業界、職種問わずどこでも求められる能力であり、身につけていれば高い評価を受けるアピールポイントの1つです。
特に顧客と直接コミュニケーションを取ることや職場内でさまざまな人と関わる仕事をしている職種では、相手に配慮する力は必須になります。
そのため、ここでは相手の立場に立って考える力が、人と関わる仕事をする上でどのように有利に働くのかを解説していきます。
解説する職種は、営業・接客、事務、マーケティング、カスタマーサポートの4つです。
営業・接客
営業や接客では、「相手がどんな悩みを抱えているか」「相手がどんなことを求めているか」を、常に考え続ける必要があります。
たとえば、相手に配慮のない一方的なセールストークでは話を聞いてもらえません。
それに、早く料理を注文したいのに、それに気付いてもらえなければ不満を感じるはずです。
そのため、大切なのは相手の立場に立ち、徹底的に考えることです。
営業では、経済状況や悩みに配慮した上で、相手のニーズに合った商品を提案するのが大切です。
また、接客では視線やしぐさを冷静に観察して、相手が求めていることを察知する必要があります。
トップ営業マンやトップ接客員であるほど、相手の話を傾聴することや観察しながら「どんな悩みがあるのか」「どんなことを求めているのか」を、常に考え続けています。
もしあなたが、人の悩みや相談事を聴けることや気配り上手であれば、その強みを活かせる業種と言えるでしょう。
事務
事務職はオフィスワークの代表的な職種で、女性からの人気が高く、未経験でも応募しやすい印象があります。
それに、営業職のように社外の人と接する機会が少なく、1人でパソコンに向き合って作業するため、相手の立場に立って考える能力はさほど重要でないと思うかもしれません。
しかし実際は、電話や来客対応、社内各部署との連絡など、オフィス内でさまざまな人と仕事することが多いので、人に対する気遣いは重要です。
書類を作成する際にも、相手が読みやすいように工夫する必要がありますし、電話対応の引継ぎも「どう伝えたらわかりやすいか」を考えなければいけません。
事務職は基本的に、会社業務のサポート的役割を担います。
そのため、自己PRを書く際、「社員が働きやすくするためにはどのようなことをすれば良いのか」を考えられればアピールにつながります。
マーケティング
マーケティングとは、消費者ニーズに沿った商品を作り、その商品を顧客に販売して利益を上げるための活動を言います。
仕事内容としては、消費者ニーズを測るための調査分析、ニーズに沿った商品サービスの企画、企画した商品を販売につなげる販促や広告、販売後の動向チェックが一連の仕事の流れです。
この中で特に大切なのは消費者ニーズの調査でしょう。
商品を作って売りたいと考えた時に、消費者に求められてない商品は売れません。そのため、相手の立場に立ち「消費者はどのような商品がほしいのだろう」と徹底的に考える必要があります。
企画や販売促進が主なイメージですので意外かもしれませんが、マーケティングは顧客のニーズに沿った商品を生み出す仕事なので、相手の立場になって考える力は必須です。
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、相手の立場になって考えることができる人物に非常に向いている仕事の一つであると言えるでしょう。
カスタマーサポートは、既存顧客の問い合わせやアフターサポートを電話やメール、チャットなどで行う仕事です。
相手に寄り添う姿勢を存分に活かせる仕事であると言えるでしょう。
さらに、冷静に問題や課題を解決する姿勢を持っている人はより強みを活かせるはずです。
その他
相手の立場に立って考えるという強みは上記の職種以外でも、様々な職種で生かすことができます。
例えば、塾講師やインストラクターなど、人に何かを教える業務でも生かせるでしょう。
相手が何がわからないのか、相手はしっかり理解してついてきているかなどを考えながら業務に励むことで信頼関係をしっかりと築けるでしょう。
また、人の悩みに寄り添ったり、人を助けたりする職種でも役立てられます。
【自己PR:相手の立場に立って考える】作成する前の準備
続いて、自己PRを作成する際の準備についても紹介していきます。
すぐに自己PRを作りたいと考えている人も多いかもしれませんが、下記の対策を行うことでより質の高い自己PRをよりスムーズに作成できるはずです。
ぜひ、参考にしてみてください。
企業の求める人物像と照らし合わせよう
企業の求める人物像と照らし合わせることは非常に重要であると言えます。
あなたがアピールしたいと考えている強みが企業の求める人物像に合っているのかについて確認していくようにしましょう。
なぜならば、合っていない人物像をアピールする場合、企業研究をしていないとみなされ、あまり良い印象を与えることができないからです。
エピソードを整理する
エピソードを整理するのも、自己PRを作成するにあたっては非常に重要な準備の一つです。
あなたがこれまで強みを発揮したエピソード、または強みを身につけたエピソードは何なのかについて、まずは箇条書きで雑に書いてみましょう。
どのようなきっかけがあったか、どのように発揮したか、どのような結果、成果になったのかなどを細かく整理しておくことで、具体的で質の高い自己PRを作成できるはずです。
強みを入社後にどう活かせるか考える
強みを入社後にどのように活かすことができるのかについても考える必要があります。
なぜならば、自己PRは、あなたが企業にとって活躍できる人物であるということをアピールする絶好の機会だからです。
自分の強みが企業にどう活かせるのか、強みを伝えて終わりではなく、活躍の想像までしてもらえるようにしましょう。
企業研究や職種の理解を深めておき、業務やキャリアアップにどのように活かせるのか実現可能で具体的なビジョンについて説明していきましょう。
【自己PR:相手の立場に立って考える】効果的にアピールできる最強の構成
それでは、相手目線に立てるという自己PRをする時に、具体的にどのような構成で文章を組み立てていけば良いかを解説します。
意地の悪い見方をすれば、相手目線になれるなら、当然、採用担当者目線にもなれなければなりませんので、ハードルは決して低くありません。
口先だけだと捉えられないようにするためには、自分だけにしか語れない実体験を踏まえたエピソードを挙げて、真実味と企業への期待感を持たせることが大切です。
それではフレームに沿って見ていきましょう。
結論:私の自己PRは相手目線に立てることです(アピールポイント)
ビジネスでは結論を先に述べることが基本です。
理由は最初に何について言及するかを述べることで、聞き手が理解しやすいためです。
たとえば以下の2つの文を読み比べてみてください。
それぞれは同じ内容の文ですが、 Aのほうが読みやすく、伝わりやすい文章だと感じたかと思います。
このように結論を先頭に配置することで、相手に伝わりやすくスピード感のあるコミュニケーションを取ることができるのです。
そのためビジネスシーンではよく使われています。
自己PRでは、あなたの強みは何か、簡潔に一文で述べましょう。
理由:なぜならば〇〇で〇〇ということがあったからです
説得力のある文章とするためには、理由を入れる必要があります。
なぜなら、実績などの情報や根拠が述べられているかどうかで、説得力が大きく変化するためです。
あなたがなぜ「自分が相手目線に立てる人物」であるかという理由を伝えましょう。
理由がなかなか思いつかない場合は、あなたが「相手の立場で考えること」を大切にしている理由や、第三者に言われたことについて考えると考えやすくなります。
たとえば、日常生活で「気が利く」と言われた、アルバイトでお客様から褒められたなど、あなたが実際に経験した具体性やオリジナリティのある出来事がおすすめです。
ただし「相手の考えていることがわかる」など独りよがりな理由にならないよう注意しましょう。
エピソード:私は〇〇で〇〇をしていました
エピソードはアピールに具体性やオリジナリティをもたせるために重要な部分です。
エピソードは「どのような問題が生じたか、それに対しあなたはどのように行動したか、その結果どうなったか」という構成で書くことがポイントです。
このように書くことで、順を追ってあなたの行動を相手に伝えられるため、とてもわかりやすい文章になります。
結果や成果を数字などの具体的な指標であらわせる場合は、積極的に利用しましょう。
より具体性が増し、相手にもあなたが出した結果や成果が伝わりやすくなります。
たとえば、アルバイトでの出来事を話すのであれば、バイト中に起こったトラブルに対して、あなたはどういった顧客対応をしたか、その結果どのような成果をあげられたかを具体的に話します。
このように具体的なエピソードを交えて相手に伝えることで根拠が生まれ、上手にアピールができるのです。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
第一のポイントである「問題」については、あなたの強みである「相手の立場で考える」を発揮できたきっかけについて述べましょう。
このきっかけについては読み手が驚くような内容でなくてもかまいません。
たとえば、バイト中にお客様が飲み物をこぼしたことや、子どもが泣いて親が困っているなど、バイト中よく見られる場面などで問題ありません。
むしろそういった場面のほうが、伝える相手もイメージをしやすいため、好印象を与えられる可能性があります。
自分なりに工夫して乗り切った問題や課題について簡潔に述べましょう。
行動:私は〇〇と考え〇〇を行いました
第二のポイントは行動では問題が生じた際、自分がどのように考え、具体的にどう行動をしたかを述べてください。
実は問題・行動・結果という3つの構成の中で、この行動についてがもっとも重要なポイントです。
なぜならあなたが問題に直面した際に、どのように考え、行動したかというプロセスを企業の採用担当は求めているためです。
地味と思えるエピソードでもまったく問題ありません。
あなたが信念をもってやり遂げたことは、充分評価に値します。
結果のインパクトより、自分自身が自信をもってアピールできることや努力してきたエピソードを選ぶことが重要です。
結果:その結果〇〇となり〇〇に大きく貢献しました
自己PRの終盤では行動の結果、問題がどう解消したかという結果を伝えましょう。
冒頭の結論とリンクするような形で述べると相手に伝わりやすくなります。
たとえば「相手の気持ちに立って考え、食後のお茶をお出ししたことで、お客様に喜んでいただき、さらにはお客様からお褒めの言葉までいただいた」といった構成で述べると相手に伝わりやすいです。
より説得力を増すためには具体的な数字をあげると効果的です。
しかし、出来事によっては数字であらわせないものもあります。
具体的な数値はない場合「○○だったが、××にすることができた」など、前後関係がわかる書き方を意識しましょう。
このように冒頭と末尾に結論を配置し、間に理由やエピソードを組み込むテクニックのことを「PREP法」と呼びます。
ビジネス文書でよく使用されるフレームワーク手法の1つです。
入社後も充分活用できるテクニックなので、この際にマスターしておきましょう。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
自己PRの結論としては、その強みが企業貢献につながることをアピールする必要があります。
このフレームでは、自分が相手目線で問題を解決することで、事業にプラスの成果を生むことができるという期待値を述べることが大切です。
前例であれば、「クライアントの不満を解消し、真のニーズに応える」能力の期待値にもなりますし、「適切なヒアリングで顧客の要望に寄り添う」という顧客満足度向上にもつながります。
こうした貢献は企業としても十分に期待できる能力と認められますので、ぜひ堂々とアピールしてください。
【自己PR:相手の立場に立って考える】言い換え表現
「相手の立場に立って考える」という表現は、人によって解釈が異なります。
そのため、その強みが「どういう場面で発揮できたか」を振り返り、より具体的な表現に言い換えることで、分かりやすく的確にアピールすることが重要です。
また、より企業に響くアピールにするためには、その強みが「入社後どういう場面で発揮できるか」という視点もふまえ、企業が求める人物像に近い言い換え表現を使うことがポイントです。
企業研究を通して、その企業において「相手の立場に立って考える」強みが活かせそうな場面や、求める人物像をしっかりとイメージし、最適な言い換え表現を探りましょう。
ここからは、言い換え表現の具体例をいくつか見ていきます。
相手の立場に立って考えることの言い換え表現
相手の立場に立って考えることを言い換えると、よりあなたらしい自己PRになります。
あなたの人柄が伝わるため、自分なりに言い換えることを検討してみてください。
- 相手の立場を考慮した振る舞いができる
- ヒアリング力がある
- 相手の意見を尊重することができる
- 気持ちの変化を捉えることができる
- 相手の気持ちに寄り添うことができる
- 相手の意見をくみ取り、円滑にコミュニケーションをとれる
1.相手を考慮した振る舞いができる
相手の立場に立って考えられる人は、相手が嫌がったり、してほしくないような振る舞いは避け、相手が喜ぶような振る舞いを行える、といえます。
自分がもし相手の立場だったら「こうしてほしい」「こうしてほしくない」という視点で、相手が「こうしてほしい」と感じるだろう振る舞いを率先してできる人は、この言い換え表現が適しているでしょう。
仕事においても、お客様が喜ぶことは何かを考え、満足度の高いサービスを提供できるなどの利点があるでしょう。
2.ヒアリング力がある
相手の立場に立って考えられる人は、相手への理解を深めようとするため、相手のニーズや要望を聞くことを重視している傾向にあります。
そのため、相手が何を思っているのか、何を求めているのかなど、相手の考えや気持ちを引き出す「ヒアリング力」があるといえるでしょう。
営業や販売・接客において最適な提案をするためには、まず相手のニーズを捉えることが大切です。
ヒアリング力は、この最適な提案をするために欠かせない力といえます。
3.相手の意見を尊重することができる
相手の立場に立って考えられる人は、自分がされて嫌なことは相手にもしないため、相手の意見を軽くあしらうことはしません。
相手の意見を尊重し、それをどう実現していけるのかを一緒に模索する姿勢がある、といえるでしょう。
この姿勢は、特にチームで仕事に取り組む場合など、一緒に仕事をする人との信頼関係を築き、プロジェクトを円滑に進める際などで活かされるでしょう。
4.気持ちの変化を捉えることができる
相手の立場に立って考えられる人は、言葉だけでなく、行動や表情から相手の気持ちの変化をくみ取ることが得意な場合があります。
その都度、相手の気持ちの変化を感じ取ることができると、相手に的確なタイミングで、的確なアプローチをすることができます。
この力は営業や販売・接客など、お客様の気持ちの変化を捉えることが重要な仕事で役に立つでしょう。
5.相手の気持ちに寄り添える
相手の立場に立って考えられる人は、「相手の意見を尊重することができる」と同じように、相手の気持ちを尊重し、否定しないという意識を持っている傾向があります。
相手の気持ちを否定せず、寄り添うことができる人は、お客様や同僚含めどんな相手とも信頼関係を築きやすく、仕事上の様々な場面で活かせる強みであるといえるでしょう。
6.相手の要望をくみ取り、円滑にコミュニケーションをとれる
相手の立場に立って考えられる人は、相手の潜在的なニーズを捉えることができ、そのニーズに沿った効果的なアプローチを行える、ともいえるでしょう。
言葉で言われなくても相手が求めていることをくみ取り、的確なコミュニケーションを図ることをアピールしたい場合は、この言い換え表現を参考にしてみてください。
この強みは、お客様の満足度に繋がるのはもちろんのこと、一緒に仕事に取り組む人との円滑なコミュニケーションによって業務の効率化や生産性の向上にも繋がるでしょう。
【自己PR:相手の立場に立って考える】アピールする際の注意点
相手の立場に立って考えることは非常に魅力的なアピールになる一方で、客観的なアピールができないことから企業に対してアピールする際にはいくつか注意点が存在します。
注意点をしっかりと踏まえた上でアピールすることができれば企業にとってあなたが魅力的な人材であることがアピールできるため、ぜひ参考にしてみてください。
1度自分で自己PRが完成したと思っても第三者に添削を依頼することでもあなたの自己PRをさらに客観的なアピールにすることができます。
当たり前のエピソードでアピールしない
自己PRにおいて、ほとんどの人が同じ行動をすると考えられる場面を取り上げるのは避けましょう。
また、「恋人をエスコートした際に気が利くと言われた」など、恋愛などプライベートなエピソードも自己PRには不向きです。
採用を勝ち取るためには、ある程度ほかの就活生と差別化できるエピソードを用いて、自己PRをしましょう。
具体的には「会話や相手の態度から何を求めているのかを推し量れる」などが望ましいエピソードです。
自己満足になっていないか確認する
企業から、ただの自己満足で終わっているエピソードのように捉えられないよう気を付けましょう。
相手の気持ちを理解して行動したつもりでも、相手にとっては余計なことをしていた、ということも考えられます。
相手から感謝の言葉があったなど客観的な表現を加えて伝えることで、自己満足ではなく、相手の要望をしっかりとくみ取れたというアピールができます。
自分が行動した結果起こった、相手の反応やプラスの影響など、客観的な事実を組み込みましょう。
主体性もアピールする
相手の立場に立って考えることは非常に魅力的な能力ですが、相手を尊重するあまり、顔色をうかがってあなたの意見が伝えられないなどと判断されてしまえばせっかくの魅力も短所として捉えられてしまいます。
相手の立場に立って考えることができるからこそ、グループワークでは円滑なコミュニケーションで全員の意見をまとめることができるなどのアピールをすることができると良いでしょう。
また、主体性をアピールするためにも企業に対してあなたがある程度自分で考えて行動できる点や、時には自分の意見を通すこともできる人物であると理解してもらえるようなエピソードも用意しておくと良いでしょう。
しかし、最初からアピールの中でこうしたポイントについて触れてしまっては一貫性がなくなってしまう場合には、面接などで深掘りの質問が来た時にうまく回答できるように用意しておくだけでも十分です。
強みやエピソードは1つに絞る
自己PRで複数の強みやエピソードを盛り込むのは避けましょう。
なぜなら文章にまとまりがなくなり、相手に何をアピールしたいのかが伝わらなくなるおそれもあるからです。
たとえば「私は相手の立場に立って考えられ、積極性もあります」と複数アピールをする場合、エピソードでこの2つがあらわされるような出来事を盛り込む必要があります。
その場合は必然的に文章が長くなるため、読み手の集中力が途切れたり、情報が多すぎたりと、最終的に何を伝えたかったのかを理解してもらえない可能性があります。
いくらアピールが素晴らしくても、相手に伝わらなければ意味がありません。
自己PRは強み、エピソードを1つに絞り、シンプルな文章を作成しましょう。
要点をまとめる
せっかく相手の立場に立った自己PRの内容がそろったとしても、要領を得ない話し方ではうまく伝わりません。要点をまとめて話すことが大事です。
よくビジネス上の大切なスキルの1つは要点をまとめる能力だと言われます。相手がほしい情報を的確に捉え、相手が理解しやすいように伝える努力をすることです。
一方的に自分が思っていることだけを話し続けていては、せっかくの自分の良さが相手に伝わりません。
ここでも、相手の立場になれるかどうかがキーワードとなることがわかります。自己PRを成功させるために要点をまとめる力を身につけておくこともアピールポイントにつながるのです。
【自己PR:相手の立場に立って考える】場面別の例文を紹介!
ここまで学んできた「相手目線の自己PR」について、実際にはどう表現したら良いでしょうか。
参考にしていただくために、「聞き取る力」「傾聴力」「意見の集約力」「配慮する力」をアピールする例文を紹介していきます。
例文1:相手の気持ちを聞き取れる
百貨店の洋菓子売場でアルバイトをしていた時、お客様から「甘いのを探している」とお問い合わせがありました。
「探している」という言い方から、洋菓子売場には無いものをお探しなのではと思いました。
「和菓子売場でしたらもう少し奥にございます。お饅頭や羊羹の専門店がございます。」とお答えすると、「和菓子売場は向こう側なのね。ありがとう。」と言って頂き、お客様をお望みの売場に案内することができました。
お客様の言葉づかいや話し方、その場の状況を見て的確なご提案ができる販売員になりたいと考えております。
例文2:傾聴力がある
原因を調べてみると、「後輩がレベルアップするための練習時間をもっと増やすべきだ」という声と、「後輩選手のレベルアップにつなげるためにも、大会に出場する選手たちの練習を中心にして、大会で勝ち上がっていくことを優先すべきだ」という対立があることがわかりました。
両者とも「サークルのレベルアップのために」という目標は同じながらも、視点が違うことで対立していたのです。
そこで、同じコートでまとまって練習していたものを、後輩指導のメンバーと大会出場メンバーとで、練習時間や場所の設定を工夫した練習をするよう提案しました。
それにより、みんなが満足のいく時間で練習したり、指導したりすることができ、自分の代と後輩の代ともに入賞者を出すことができました。
例文3:意見を集約できる
私の強みは傾聴力です。野球サークルの運営会議でのことです。
私はサブリーダーとして、メンバー全員が意見を出しやすい雰囲気を作るため、みんなの意見を傾聴するよう、努めました。
すると普段は意見を言いにくい下級生から、運営に対する要望や練習内容に関する意見を引き出すことができました。これは、この傾聴力があったからだと感じています。
その結果として、学年にかかわらず自由に発言できる運営会議へと発展させる結果につなぐことができました。
メンバーは団結心が強まり、活気のあるサークルへと変わり、大会でも良い成績を収めることができるようになりました。
相手の気持ちに寄り添うように耳を傾けることで、ビジネス上の問題解決への糸口を見つけることができると思います。
御社の業績に貢献できるよう、相手の立場に立てる人材として、今後さらに傾聴力に磨きをかけていきたいと考えております。
例文4:相手の気持ちに配慮できる
アルバイトで、次のようなことがありました。私はファミリーレストランでアルバイトをしていますが、お客さまが今、何を求めているかを察して、声をかけられる前に行動するよう心がけてきました。
たとえば、小さいお子様連れのお客様には、何も言われずともお子様用のイスを用意したり、はしの代わりに小さなスプーンを追加で出したりするようなことや、席を立って帰る様子がわかると呼び出される前にレジに入るなどといったことです。
その結果、お客様に「気が利いているね、気持ちが良いよ、ありがとう」と褒めて頂くことや、帰り際には「君に会いたいからまた来る」と常連になってくださった人までできました。
御社に入った際には、こうした相手の気持ちに配慮した行動によって、顧客対応のシーンで役立てることができると考えています。
例文5:相手の立場になって考えられる
私は相手の立場に立って物事を考えることができます。
私は飲食店でアルバイトをしていた際、後輩の教育を担当していました。
後輩は初めてのアルバイトで慣れないことも多く、うまく立ち回れないことも多かったです。
私はこのときの後輩の姿を、自分がアルバイトを始めたての頃に重ね、自分がどうしてほしかったか、なにがわからなかったのかを思い起こしながら後輩に接することを心がけました。
私はアルバイトを始めたての頃、忙しさからわからないことを質問しづらかったことを思い出し、後輩のシフトに合わせて相談できる時間を確保しました。
そうすることで後輩の働きは大きく改善され、一緒に働く人たちにも褒めてもらえるようになりました。
料理の提供時間も5分ほど短縮され、お客様の満足度の向上にもつながったと考えます。
もし貴社にご縁をいただけた際には、この経験を活かし、お客様の立場に寄り添って満足していただける接客を目指します。
例文6:相手の気持ちに寄り添える
私の強みは相手の気持ちに寄り添えることです。
大学時代、長く勤めた飲食店で新人の後輩がお客様に間違った商品を提供し、叱責されて落ち込んでいました。
そこで慰めの言葉、そしてこれからどのようにモチベーションを保つかについて話しました。
その後、後輩は気持ちを切り替え、元気よく業務をこなしてくれました。
退勤時には後輩から感謝され、お互いを励まし合える関係にもなりました。
貴社に入社した際にも、相手の気持ちに寄り添う姿勢を大切にし、チームで協力したいと考えています。
【自己PR:相手の立場】「相手の立場になって考える力」を養う方法
相手の立場になって考える力をアピールしようと思ったものの、まだまだ足りないと思っている人も多いかもしれません。
そのような場合は努力して、相手の立場になって考える力を養成するのも選択肢の1つです。
まず、相手の立場に立つことができないということは、相手の状況や気持ちがわからないといえます。
なぜわからないのかというと、想像ができていないからです。
もしくは、想像ができるが興味がないためしていないという場合もあります。
したがって、想像力を鍛えるのが良いでしょう。
想像力を鍛えるには、日頃から人の気持ちについて考えてみたり、小説などの本を読んで知見を広げたりすることで、相手の立場になって考える習慣を身につけましょう。
【自己PR:相手の立場に立って考える】自己PRには見直しが必須
完成した自己PRはしっかり見直しが必要です。
誤字、脱字があると採用担当が文章を読んだときに、読みにくいだけでなく、あなたの印象も悪くなってしまうおそれがあります。
必ず見直しを行い、書いた文章が問題ないかチェックをしましょう。
また友達や家族など、周りの人に見てもらい、アドバイスをもらうのも効果的です。
自分では完璧な文章だと感じていても、実際は文法がおかしくなっていたり、文章が進むにつれ論点がずれていたりすることがあります。
自分では気づかないミスや、客観的な印象を教えてもらい、より良い文章を書きましょう。
就活市場エージェントの利用がおすすめ!
他人に文章を見てもらうことの大事さは理解したけれど、「友達や家族に見てもらうのは気恥ずかしい」「きちんとフィードバックしてくれるか心配」と感じる方もいるのではないでしょうか。
そのようなあなたには就活エージェントの利用がおすすめです。
就活エージェントを利用することで、就職活動のノウハウを理解したプロのエージェントから、あなたの自己PRに関する基礎的なミスの指摘はもちろん、より効果的なアドバイスをもらえます。
数ある就活エージェントの中で、特におすすめなのは就活市場エージェントです。
就活市場エージェントの特徴は専属のエージェントが学生一人ひとりに寄り添い、サポートをしてくれる点です。
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利用料は無料ですのでぜひ登録してみましょう。
まとめ
「相手目線」を自己PRで伝えるためには、相手目線で考え、行動することでどのような結果を出したのかを文章化することが求められます。
そのためには ・あなたにとって相手目線とはどのような考え方か? ・具体的にどのような行動をして、どのような成果を挙げたのか?
以上をしっかり説明できるようにしましょう。ぜひたくさん書き出してみてくださいね!
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート