エントリーシートを記入する上で、長所や短所をどのように記入するか、面接でどのように伝えるかということに悩んでいる学生は多いです。
自らの長所や短所をそもそも理解していない、という学生の場合は先ずそこを知るところから始めなければいけませんし、就活を機に考えた学生からすると、確かに大変かもしれません。
ですが、エントリーシートの内容が選考に与える影響はとても大きいですし、なるべくならここを上手く書いて、採用担当者に好印象を与えたいですよね。
そこで今回は、エントリーシートの長所・短所の正しい書き方についてご紹介していきます。
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【ESの長所短所】ESで聞かれる長所短所とは
エントリーシートでは、志望動機や自己PRと並んで「長所や短所」を問われることが多いです。
企業は応募者の人物像をできるだけ多角的に把握したいと考えているため、長所短所の設問は欠かせません。
ここで重要なのは、単なる性格の羅列ではなく、自分の特徴を客観的に整理して伝えることです。
長所や短所を記載する際は、自己PRとの違いを理解しておく必要があります。
自己PRとの違い
自己PRと長所短所は混同しやすいテーマですが、評価されるポイントが異なります。
自己PRと長所短所の違い
自己PR:強みを前面に押し出す場面
長所短所:バランスを持った自己理解と改善意欲を見せる場面
自己PRは「私はこういう強みを持っています」「こうした経験で成果を出しました」と具体的な強みをアピールする場面です。
一方で、長所短所は「自分の性格や行動特性をどう認識しているか」を問う設問です。
企業はこの違いを通じて、応募者がどれだけ客観的に自分を捉えられているかを見ています。
そのため、自己PRではポジティブな経験や成果を重視し、長所短所では正直さと改善の姿勢を重視すると良いでしょう。
また、自己PRと長所短所を矛盾なく整合性を持たせることも大切です。
例えば、自己PRで「積極性がある」と述べているのに、短所で「消極的」と書くと説得力を失ってしまいます。
このように両者の役割を整理することで、ES全体に一貫性が生まれ、採用担当者に好印象を与えることができます。
【ESの長所短所】企業が長所や短所を聞く理由
なぜ企業はエントリーシートで長所や短所を必ずと言っていいほど確認するのでしょうか。
それは、学歴やスキルだけでは分からない「人柄」や「考え方」を知るためです。
就活においては、具体的に以下のようなものを知ろうとしています。
- 人柄と社風が合うか
- 自己分析ができているか
- 長所や短所をどう捉えているのか
長所と短所の書き方には、その人の価値観や自己理解の深さが表れます。
人柄と社風が合うか
企業が長所短所を通して最も確認したいのは「自社の社風やチームに馴染めるか」という点です。
同じ強みや短所を持っていても、社風に合えば活躍しやすく、逆に合わなければミスマッチにつながります。
例えば「主体性が強い」人はベンチャー企業では歓迎されますが、大手企業のチームプレー重視の文化では浮いてしまう可能性もあります。
つまり、長所短所は単なる性格診断ではなく「企業との相性」を示す重要な材料になるのです。
そのため、就活生は自分の強みや弱みを言葉にする際に「その企業が求める人物像とどう結びつくか」を意識して書くことが必要です。
人柄と社風の相性を伝えられるかどうかで、採用担当者の評価は大きく変わってきます。
自己分析ができているか
長所と短所を聞くのは、あなたがどれだけ自己分析してきたかを知るためです。
自己分析をおこたり、自分の長所と短所がわからないままだと、「どのように活躍するのか」を採用担当者にアピールできません。
アピールできないと、強みを活かしてパフォーマンスが発揮できない、自分の課題を克服しようと努力できない人物と判断されてしまいます。
つまり、何もとりえのない、働く気がない人だと思われてしまうのです。
逆にはっきり答えられれば、企業でどういう強みを活かせて、どのような弱点を努力して克服するかが伝えられます。
採用担当者に働く姿を具体的にイメージさせられるのです。
具体的にイメージしてくれれば、企業にマッチした人材なのかすぐにわかります。
マッチしていれば、具体的に伝えられた分、印象に残りやすいので、就活を有利に進められるでしょう。
長所や短所をどう捉えているのか
長所と短所を聞けば、あなたが長所をどのように活かそうと考えているか、短所を改善しようとプラスに捉えているかがわかります。
この2つの中でも、特に、短所の捉え方は重要です。
たとえば、短所を聞かれたときに「頑固なところです」とそのまま答えてしまうと、悪い印象を与えてしまいます。
採用担当者に「この人は克服しようと努力しない人なのだな」と判断され、不採用につながってしまうのです。
伝えるときは、あくまでも短所をプラスに捉えて、改善する意識があるとアピールしましょう。
頑固も、「信念をもっている」「粘り強い」と言い換えができたり、考え方を変えることで強みに転換できたりします。
短所が長所に変わるのも言い方・考え方の1つです。
採用担当者に聞かれた際は、好印象をもってもらえるように、どのように捉えているか、注意して伝えるようにしましょう。
入社後に活躍できるか
エントリーシートで企業が長所短所を聞く理由には、入社後に活躍できる人材かを確かめたい、という企業の意図も関係しています。
特に長所は、学生のポテンシャルを図るうえで重要な要素になります。
長所からは仕事内容や社風に対する適性がわかるため、より的確に採否を判断できるでしょう。
また、短所があまりにも業務内容や企業の理念と相性が悪いものであれば、本当に会社に適応できるか不安が伴います。
そのため企業はエントリーシートで長所短所を聞き、活躍のポテンシャルを総合的に判断しているのです。
長所短所も本人の人柄や能力に大きく関係するポイントであるため、見逃せば、採用のミスマッチが起こる可能性があります。
そのため、エントリーシートで企業に活躍の可能性を評価してもらうには、企業との相性も考慮したうえで長所短所を記載する必要があります。
【ESの長所短所】思いつかない時の見つけ方
エントリーシートに長所短所を書くにあたって、そもそも長所短所がわからない…と悩む人は少なくありません。
そのため長所短所を的確に記載し、自分自身の人柄を明確に伝えるには、事前に長所短所をしっかりと見極めておく必要があります。
長所短所を見つける方法には、以下のアプローチが挙げられます。
- 自分の過去で印象に残っていることを振り返る
- 周りの人に聞いてみる
- 自己分析と照らし合わせる
- 診断ツール
このように、長所と短所はさまざまな考え方・アプローチで見つけることができます。
すぐに思いつかなくても焦る必要はないため、自分に合ったやり方で、長所短所を的確に見極めていきましょう。
自分の過去で印象に残っていることを振り返る
エントリーシートに記載する長所短所を探す際は、まず、自分の過去の経験で特に印象に残っていることを振り返ってみましょう。
これまでの人生で印象深い経験、大きな達成感や喜びを得た成功体験、苦労して乗り越えた困難などをよく思い出してみることが大切です。
そのようなインパクトの強い経験には、自分の強みや行動特性が現れていることがほとんどです。
「自分とはどういう人間か」を明確に説明できるエピソードになるため、そこから長所短所を言語化してみましょう。
どのような人にも、印象深い経験や鮮明に覚えている出来事などはあるものです。
「そんな立派な長所はない…」と思っている人でも、これまでの出来事をよく振り返れば長所短所は見つかるはずなので、じっくりと時間を取って過去の経験を洗い出しましょう。
周りの人に聞いてみる
エントリーシートに記載する長所短所がなかなか見つからないときは、周りの人に積極的に聞くことで理解を深めていく方法もあります。
家族や友人、アルバイト仲間などの自分をよく知る人に「私ってどんな人?」「私の良いところは?」と聞けば、より客観的な視点で長所短所を見極めることができます。
特に自信のない人は、自分自身で長所を見いだすことが苦手なものです。
そんなときは周りに協力してもらって良い部分や魅力を聞き出せば、自分の評価ではなく他人の評価で、長所を理解することができます。
外から見たときの長所は、自分自身のおごりや過大評価によるものではないため、より的確である可能性が高いです。
また、プライドの高い人や自分を客観的に見ることが苦手な人などは、短所も判断しにくい場合があります。
そんなときは勇気を出して周りの人に自分の改善点や欠点を教えてもらい、短所の見極めにつなげることが大切です。
自己分析と照らし合わせる
数を出したあとは、自己分析や過去の経験と照らし合わせてみましょう。
数多く出した長所短所といくつかの印象的なエピソードとが結びつくはずです。
あとは前半で解説した書き方の構成に合わせて文章を作成するだけです。
これで選考に使える長所短所のアピール文が完成します。
自己分析が進まない、過去の経験が思いつかないという方も少なからずいるかと思います。
そんなときは以下のようなテーマをイメージして書き出してみてください。
- 人に褒められたこと
- 感謝されたこと
- 手に入れたこと、実績
- 得意なこと
- 好きなもの
- 大切にしていること
これらをテーマに自分のこれまでを見返すと、比較的簡単に自己分析や過去の経験が洗い出せるはずです。
ぜひ参考にして、取り組んでみてください。
診断ツールを使う
ESに書く長所と短所がわからないときは、診断ツールを活用するのがおすすめです。
診断ツールを使えば、自分の性格や長所短所、ものの考え方からそれに基づいた適職まで、詳しく診断してもらえます。
自己分析が苦手な人でも、手っ取り早く自分自身を客観視できるため、長所短所を見極めやすくなります。
診断ツールは、使い方が簡単なうえに基本的に無料で利用できるものが多いので、気軽に活用できることもメリットです。
基本的な使い方は、自分の考え方や普段の行動について、簡単な質問に答えるのみです。
心理テストに答えるような要領で活用できるため、ESに書く長所短所がわからないときは、ツールをぜひ活用してみましょう。
なお、診断ツールはさまざまあるため、おすすめはいくつかのツールを使ってみることです。
複数のツールを使ったほうが、さまざまな観点から自分の長所短所を知ることができ、ESを書くうえで参考にしやすくなります。
【ESの長所短所】自己分析で使えるおすすめ診断ツール
自己分析に適したツールはさまざまあるため、ESの長所短所を書くうえで診断ツールを活用する際は、おすすめのツールをチェックしておきましょう。
おすすめの自己分析ツールは、以下の通りです。
- MBTI診断
- ビッグファイブ・パーソナリティテスト
- DISC理論
いずれも性格や自分の強みを知るうえで有名なツールなので、活用しやすいのがポイントです。
では、以下からツールの特徴とおすすめポイントを紹介していきます。
MBTI診断
MBTI診断は、16タイプに分けて性格を診断してくれるツールです。
有名で人気のある性格診断のため、プライベートで、すでに試したことがある就活生も多いのではないでしょうか。
最近では、選考の際にMBTIのタイプを聞く企業も出てきているようです。
もちろんあくまで傾向ではありますが、MBTI診断では、それぞれの強みや性格傾向、適職などをわかりやすく言語化してくれるのがポイントです。
同じタイプの芸能人・有名人を知れたり、相性の良い性格タイプをチェックできたりする部分もあるため、ちょっとしたエンタメコンテンツとしても楽しめます。
適職をチェックすれば、志望業界を絞る際にも役立つはずです。
最近トレンドになっている性格診断だからこそ、自分はどのタイプに当てはまるのか、知っておいて損はないでしょう。
なお、診断方法は簡単で、思考や行動についての質問に答えるだけです。
ビッグファイブ・パーソナリティテスト
ビッグファイブ・パーソナリティテストとは、5つの主要な特性に基づき、性格を評価する診断ツールです。
その5つの特性は、人間の性格を説明するうえで広く認められている基準であり、性格の傾向を理解するうえで役立ちます。
5つの特性とは、以下の通りです。
- 外向性
- 情緒安定性
- 開放性
- 誠実性
- 調和性
質問に答えていくと、上記の5つの特性についての評価がそれぞれ3段階で出てきます。
MBTI診断と同様に、質問は直感的でわかりやすいものなので、診断自体は難しくありません。
自分がどのような性格で、何が得意で何が苦手なのかといったポイントを理解するうえで役立つため、ESを書き始める際はビッグファイブ・パーソナリティテストもぜひ試してみましょう。
DISC理論
DISC理論とは、個人の行動を4つのカテゴリに分類し、個々の性格や価値観などを診断するツールです。
以下の通り、DISC理論には4つの行動傾向の分類があります。
- Dominance:主導型
- Influence:感化型
- Steadiness:安定型
- Conscientiousness:慎重型
行動スタイルを基調とした性格診断であり、結果に基づいて、さまざまなアドバイスを得られるのがポイントです。
一人ひとりの行動により焦点を当てた性格診断であり、自分の行動傾向を知りたいときに役立つでしょう。
マネジメントやチームビルディングなど、ビジネスシーンでもDISC理論は多くの場で活用されています。
自分は普段どのようなスタイルで行動しているのか、どのような環境で自分らしくいられるのか、などのポイントを理解しやすくなるのがポイントです。
診断ツール使用時の注意点
MBTIやビッグファイブ・パーソナリティテスト、DISC理論などの診断ツールを活用して自己分析を行う際は、あくまで診断結果は一つの指標であることを理解しておきましょう。
いずれも自己理解を深めるうえで有効なツールになりますが、診断結果はあくまでツールによる診断結果です。
診断結果がすべてではないため、基本的には参考になる情報としてとらえるべきといえます。
完全に診断結果にしたがって長所短所を決めたり、適性のある職業を決めたりすると、方向性にブレが生じるケースもあります。
最終的に自己分析の答えを出すのは自分自身であり、ツールではないことを理解しておきましょう。
また、診断ツールにばかり頼っていると、自分についての考えを言語化するスキルも育たないため注意が必要です。
【ESの長所短所】アピールする際の最強の構成
ESで長所短所を書く際には構成が重要になります。
長所短所に限らず、ESにおいて文章構成は非常に重要です。
文章であなたの伝える力がはかられています。
論理的にまとめて伝える力は社会人の必須スキルになりますので、下記を参考に正しい文章構成で文章を作成しましょう。
結論から書く
長所と短所をアピールするときは、「私の長所は〇〇です」というように、必ず冒頭で伝えるようにしましょう。
まずは結論から述べて、そのあとにエピソードや理由を説明するのがエントリーシートの基本です。
最初に結論を書けば、あなたが何を伝えたいのか、採用担当者がすぐにわかります。
そして、結論のあとに、あなたの経験談などを付け加えれば説得力は倍増です。
説得力があるエントリーシートは、採用担当者の印象に深く残るので、書類選考や面接が通過しやすくなります。
ただ結論から書いたとしても、自己分析の不足から具体性に欠ける内容や、テンプレートをコピペしただけでは印象に残りづらいのです。
印象に残らなければ、最後まで読んでもらえず書類選考も通過できません。
必ず自己分析を徹底して、自分にしか伝えられない結論を冒頭にもってきましょう。
長所・短所に関する具体的なエピソードを書く
長所短所を述べる際は、結論を述べたあとに、その長所と短所の裏付けとなるエピソードを具体的に書いていく必要があります。
エピソードに具体性がなければ、結論として述べた長所短所に信憑性がないため、採用担当者の印象に残りません。
また、「長所はコミュニケーションが得意なところです」と結論だけ述べても、具体的にどのような長所なのかがわからないものです。
そういった詳細を伝えるフェーズとしてもエピソードは重要であるため、具体的なエピソードを記載することは忘れないようにしましょう。
なお、長所のエピソードはその長所が発揮された経験であることが望ましいため、直面した課題や困難、そしてそれに対する行動、結果を順に伝えることが重要です。
一方で短所を伝える際は、ただ短所を結論として伝えるだけでは詳細がわかりにくいため、具体的な失敗談を取り上げる必要があります。
入社後どう生かすか書く
エントリーシートで長所短所を述べる際は、最後はまとめとして、入社後にどのように活かしていきたいか具体的にアピールすることが重要です。
特に長所に関しては、企業は自分の強みや長所、能力を活かして活躍・貢献してくれる人を求めているため、具体的な活かし方は積極的に伝える必要があります。
業務内容や働き方などに触れて長所の活かし方を述べれば、再現性が伝わるアピールになるため、採用担当者はより魅力を感じやすくなるでしょう。
なお、短所についてはどのように改善して業務に取り組みたいかを述べることが重要です。
短所を短所としてただ述べるだけでは、やはりマイナスな印象ばかりが強くなるため、改善の姿勢を示すことが良い評価を獲得するポイントになります。
実際に改善のために行っていることに触れながら、その姿勢を業務でどのように活かしていきたいのかを積極的にアピールしましょう。
結論
自分の長所と短所、それについて説明する具体的なエピソードを書いたら、最後は締めるための結論です。
入社してからの将来像や前向きな意欲、企業への志望の高さや達成したい目標などを書きます。
ここで注意するべきなのは、間違っても「よろしくお願いいたします」という謙遜した言葉で締めないことです。
謙遜した言葉は、一見ものすごく丁寧で好印象をもたれるように考えられます。
しかし、相手からはテンプレートのように思われるので、アピールに欠けます。
だからこそ、必ず「この会社にどうしても入りたい」という意欲で終わるようにしましょう。
そうすれば、企業担当者に「この人と面接で会って話してみたい」と思ってもらえます。
最後だからと気を抜かず、細心の注意を払って作成してください。
【ESの長所短所】エントリーシートに長所短所を書く際のポイント
エントリーシートで長所や短所を記入する際には、単に性格を列挙するだけでは不十分です。
企業が重視するのは、その性格が実際の経験や成果にどう結びついているか、そして入社後にどう活かされるのかという点です。
長所や短所は、必ずエピソードや具体的な行動とセットで伝えることで説得力が増します。
また、長所と短所が矛盾していないか、一貫性があるかも評価に直結します。
改善への取り組みや企業での活用方法まで触れることで、自己分析の深さと将来性を伝えることができるでしょう。
具体的なエピソードを交える
長所や短所は抽象的に語るのではなく、具体的なエピソードとセットで書くことが重要です。
「協調性がある」と言うだけでは説得力がなく、読み手に印象を残せません。
例えば「ゼミ活動でリーダーを支える立場に徹し、意見を整理してメンバーに共有したことで、研究発表がスムーズに進んだ」といった具体例を盛り込むと評価が高まります。
エピソードはアルバイト、部活動、ゼミ活動など就活生が身近に経験してきたことを活用すると良いでしょう。
結果や学んだことを含めて伝えることで、単なる性格紹介ではなく「行動特性」として伝わり、社会人としての資質をアピールできます。
長所短所に一貫性を持たせる
長所と短所は、できるだけ一貫性を持たせることが評価のポイントです。
自己PRで「挑戦心が強い」と述べているのに、短所で「消極的」と書いてしまうと矛盾が生じます。
一貫性を持たせるためには、長所と短所を表裏一体の関係として整理するのが効果的です。
例えば「積極性がある」ことを長所とし、「周囲の意見を聞く前に行動してしまう」ことを短所と書けば、矛盾せずに一体感のある自己分析になります。
この工夫によって、採用担当者は「自分の特徴を多面的に捉えている」と感じ取り、信頼感を持つのです。
長所を活かしてどんな成果を出したか伝える
長所を伝える際は、性格そのものを説明するだけでなく、それを活かしてどんな成果を出したのかを記載することが重要です。
「責任感が強い」と伝えるなら、「アルバイト先で欠員が出た際にシフトを積極的に引き受け、店舗運営を滞りなく続けられた」といった実績があると効果的です。
成果を伴った長所は、入社後の活躍をイメージさせやすく、採用担当者に安心感を与えます。
また、成果は数字や具体的なエピソードを含めることで説得力が増します。
就活生にとっては大きな成果でなくても構いませんが、「行動によってポジティブな結果が出た」という点を示すことが大切です。
長所は入社後の活かし方を伝える
長所を説明する際には、必ず入社後の活かし方まで触れると効果的です。
単に「協調性があります」と伝えるだけでは自己紹介に留まってしまいます。
「協調性を活かして、チームの意見をまとめながら効率的に成果を出せる社員になりたい」といった形で未来志向のメッセージを加えることが重要です。
企業は「採用後にどのような活躍をしてくれるのか」を知りたがっています。
したがって、自分の長所を企業の業務や社風と結びつけることが評価につながるのです。
長所を入社後にどう活かすかを考えて書くことは、自己理解の深さと企業研究の成果を示す有効な手段となります。
短所の改善に行っていることを伝える
短所を正直に伝えることは大切ですが、そのままではマイナスの印象に繋がりかねません。
そこで、短所と併せて「改善に向けてどんな取り組みをしているか」を必ず記載しましょう。
例えば「心配性な面があるため、タスクを細かく分けて優先順位をつける工夫をしている」と具体的に改善策を書くと、前向きな印象を与えます。
採用担当者は「弱点をどう受け止め、改善しているか」を重視しています。
改善努力を示すことで、短所が単なる欠点ではなく「成長の伸びしろ」であると捉えてもらえるでしょう。
短所を長所に言い換えて伝える
短所を伝える際に有効なのが「長所に言い換えて伝える」工夫です。
例えば「慎重すぎる」という短所は「物事を丁寧に進められる」と表現を変えることができます。
このように短所を長所の裏返しとして伝えることで、マイナス要素をポジティブに印象付けることが可能です。
もちろん、言い換えるだけではなく改善の工夫を添えることで誠実さを保つことが大切です。
採用担当者に「弱点を把握しつつも前向きに取り組んでいる」と思わせることができれば、短所はむしろプラスの評価材料になります。
言い換えは万能ではありませんが、就活生にとって安心して短所を伝える方法として効果的です。
【ESの長所短所】エントリーシートを書く際の注意点
ESに長所短所を書く際は、アピールにおける重要なポイントとして、いくつかの注意点をチェックしておきましょう。
主な注意点は、以下の3つが挙げられます。
- 志望企業との適性を考える
- 長所や短所を複数列挙しない
- 記入欄に気を付ける
伝え方のポイントとあわせて確認し、よりわかりやすいアピールにつなげることが大切です。
では、注意点の詳細を以下からまとめていきます。
志望企業との適性を考える
ESで長所短所を述べる際には、志望企業の求める人物像と、自分の特徴がマッチしているかを意識しましょう。
求める人物像と長所短所の性質がマッチしていることが、採用担当者から良い評価を獲得するポイントになるからです。
例えば、チームワークを重視する企業であれば、長所として「協調性」や「コミュニケーション能力」をアピールするのが効果的です。
そのうえで、短所にはチームワークにつながる性質を書かないことが重要なポイントといえます。
例えば営業職志望でありながら、短所が「控えめすぎる」だと、営業職に対する適性の高さは感じてもらえないでしょう。
企業文化に合わない強みを強調すると、ESの選考では逆効果になるため、企業の特徴や価値観に合った長所や短所を選ぶことが重要といえます。
志望企業が求める人物像は、企業研究・分析を徹底的に行うことで把握する必要があります。
長所や短所を複数列挙しない
ESで長所短所を述べる際は、複数列挙せず、一つに絞って述べることが基本です。
特に長所に関しては、良い評価を獲得したい心理から、複数列挙してしまうケースがあります。
しかし複数列挙しても、それぞれの印象は薄くなりがちで、どれも中途半端に見えてしまいます。
複数取り上げるよりも、一つに対して細かく掘り下げてアピールしたほうが、結果として印象は良くなるものです。
短所については、一つを取り上げたうえで改善のために行っていることを具体的に伝える必要があるため、基本的には一つのみで問題ないといえます。
ESでは、たくさんのアピールポイントを用意するのではなく、一つを用意して濃い内容でアピールすることを意識しましょう。
記入欄に気を付ける
エントリーシートに長所短所を記載する際は、記入欄に注意する必要があります。
具体的なフォーマットや質問内容は企業によってさまざまなので、必ずしも、「長所」「短所」という名前の記入欄が用意されているとは限りません。
長所と短所で記入欄が一つにまとまっているパターンもあれば、自己PRとなっているパターンもあります。
長所と短所をまとめて記載する必要がある場合は、文字数などの規定に従いながら、長所・短所それぞれが何なのかわかりやすく書く必要があります。
短所に触れたくない心理から、長所しか書かないなどの対応はしないようにしましょう。
ほかにも、企業の方針によって、記入欄にはさまざまな規定が見られる場合があります。
うまく書けないときは、必要に応じてキャリアセンターや就活エージェントなどに相談し、添削を受けながらESを仕上げましょう。
【ESの長所短所】エントリーシートで使える回答例文
ここまでエントリーシートの長所短所を書く際のポイントと構成をご紹介しました。
あらためて説明すると、以下の2点がエントリーシートの長所短所を書く際のポイントです。
- 結論→理由→どうとらえているか→結論の構成で文章を作成する
- 具体的なエピソードを交えて説明する
ここからは実際にどのような文章になるのかを見ていきましょう。
ご紹介した書き方をふまえて作成した例文をいくつかご紹介いたします。
ぜひあなたのエントリーシート作成の参考にしてください。
長所の例文①忍耐力
まずは長所の例文をご紹介いたします。
今回ピックアップした長所は「忍耐力」と「行動力」です。
どちらの長所も就活生にとってアピールしやすいポイントで、企業にとってもあなたを採用するメリットが感じ取りやすい長所となります。
長所を書く際のポイントは以下の2点を盛り込むことです。
- 長所を活かして達成した成果や実績
- 入社後にその長所をどう活かしていくか
上記ポイントを押さえて文章を書くと、それぞれどのような文章になるのかを見ていきましょう。
私は自身の忍耐力を活かして、粘り強く努力ができます。
私は学生時代、サッカー部に所属していました。
サッカー部ではきびしいトレーニングを課せられることもありましたが、常に「なんのために行っているのか」を考えて、決して無駄にならないように努力をしました。
ときにはつらくて逃げ出したくなることもありましたが、そのようなときも、持ち前の忍耐力を発揮してトレーニングをやり遂げ、レギュラーメンバーに選ばれたのです。
粘り強く努力をすることで、レギュラーに選ばれるだけでなく、県大会出場という結果を残すことができました。
入社後もわからないことや苦しいことはたくさんあるかと思いますが、持ち前の忍耐力で粘り強く努力をして、貴社で活躍できる人材へと成長して結果を残したいと考えています。
長所の例文②行動力
次に行動力の例文をご紹介します。
私には思い立ったらすぐ行動へ移せる行動力があります。
昨年、大学の夏休みを利用して私は資格の取得に挑戦しました。
なぜ資格取得に挑戦したかというと、卒業後に私がやりたいことや、働きたい業種を考えた際にこの資格が必要になると感じたためです。
夏休み中は友人たちと遊ぶ時間を割いて短期集中で勉強したため、周りの人たちが遊んでいるのをうらやましいと感じることや、勉強をすることがつらいと感じることもありました。
しかし、この資格を取得することは、必ず自分の成長につながると信じて勉強を継続しました。
その結果、はじめての受験で合格できたのです。
この行動力を活かして、入社後も何事も恐れずにチャレンジして成長して貴社へ貢献したいと考えています。
短所の例文①心配性
続いて短所の例文をご紹介します。
「心配性」と「集中しすぎる」テーマの例文をご紹介します。
短所は長所と異なり、単純に短所を書くだけでは読む相手の印象に残りません。
短所を書く際のポイントは以下の2点です。
- 短所を改善するために行っていること
- 短所を長所に言い換えられる用意をする
これらのポイントをうまく文章に盛り込み、あなたの短所をアピールポイントに変換する必要があります。
それでは実際にどのような文章となるのか、例文を参考に見てみましょう。
私はいつも「うまくいかなかったらどうしよう」と考えてしまいます。
しかし、その心配性のおかげで不測の事態に備え、臨機応変に対応できた経験があります。
アルバイト先の飲食店で勤務中、急に停電してしまったことがありました。
お客様や社員の方々は突然のことに戸惑っていましたが、私はそのような場面でも冷静さを保ち、適切に対処できました。
なぜ対処ができたかというと、空き時間に勤務先のマニュアルを熟読しており、そのなかの停電時対処法を思い出すことができたからです。
失敗しないためにマニュアルをしっかり読んでいたことで、素早くトラブルに対応でき、社員さんやお客様から感謝されました。
入社後もネガティブにならず、この慎重さを活かして臨機応変に対応して貴社へ貢献していきたいと考えています。
短所の例文②集中しすぎる
私は何かに熱中すると周りが見えなくなってしまい、食事をするのも忘れて没頭してしまいます。
大学の講義で、経営学に関する本のレポートを作成する課題が出されたときのことです。
私がレポートの題材に選んだ本がとても興味深く、読むことに熱中してしまい、半日で本を読破したことがあります。
提出するレポートも一度書き始めると没頭してしまい、2時間で完成させてしまいました。
そのおかげで余暇時間ができ、有意義に時間を使うことができたのです。
この経験から、集中力をコントロールできるようになれば、メリハリをつけて仕事ができるのではと考えるようになりました。
そのため入社後はスケジュール管理を常に意識し、メリハリをつけて仕事に取り組むことで貴社へ貢献していきたいと考えています。
長所と短所を一緒に書く例文①
続いて長所と短所を一緒に書く際の例文をご紹介します。
私は計画を立てることが苦手で、細かいスケジュールを事前に組むのが得意ではありませんでした。
そのため、思い通りに進まない場面で焦りを感じることがあり、自分の計画性の欠如を実感しました。
この経験をきっかけに、柔軟性を持ちつつもタスクを可視化し、優先順位を明確にする工夫を取り入れるようになりました。
その結果、状況の変化にも対応しながら、着実に物事を進める力が身につきました。
現在では「柔軟性を持って計画的に動けること」が自分の長所だと考えており、入社後もこの強みを活かして、状況に応じた最適な行動を選びながら成果を出していきたいです。
長所と短所を一緒に書く例文②
私の短所は、完璧主義すぎるところです。
細部にこだわりすぎてしまい、物事を進めるのに時間がかかってしまうことがあります。
この短所を改善するために、私は時間をかけすぎずに進めるよう意識してきました。
具体的には、やるべきことに優先順位をつけ、重要な部分に集中するよう心がけました。
結果、効率的に作業を進めることができ、完璧を求めるあまり進捗が遅れることが少なくなりました。
今では、柔軟に対応しながらも成果を上げることができるようになり、完璧主義を克服できたと感じています。
入社後も柔軟性を活かして効率的に動ける長所を活かし、お客様対応でも臨機応変に行動することで、より良いサービスを提供していきたいです。
【ESの長所短所】互換性のある長所と短所一覧
表裏一体になっている長所と短所を把握しておけば、一貫性のあるアピールができ、矛盾を防ぐことができます。
ESに書く長所短所がわからない人は、以下に互換性のある長所と短所を挙げていくため、ぜひチェックしてみてください。
① 短所:計画性がない 長所:柔軟性
② 短所:慎重すぎる 長所:決断力
③ 短所:自己主張が苦手 長所:協調性
④ 短所:意志が弱い 長所:柔軟な対応力
⑤ 短所:競争心が足りない 長所:協力的
⑥ 短所:自信がない 長所:慎重に行動する
⑦ 短所:人に頼ることが多い 長所:チームワークを大切にする
⑧ 短所:優柔不断 長所:深く考えて行動する力
⑨ 短所:時間をかけてしまう 長所:緻密な計画を立てる力
⑩ 短所:負けず嫌い 長所:向上心の強さ
⑪ 短所:物事を先延ばしにする 長所:プレッシャーに強い
⑫ 短所:極端に慎重 長所:リスク管理能力
⑬ 短所:臆病 長所:冷静に物事を見極められる
⑭ 短所:感情に流されやすい 長所:共感力
⑮ 短所:周囲に遠慮しすぎる 長所:謙虚
⑯ 短所:極度に緊張する 長所:計画的
⑰ 短所:人と比較してしまう 長所:自己改善意欲が高い
⑱ 短所:自分を過信しがち 長所:成長意欲が高い
⑲ 短所:他人に厳しい 長所:公正な判断能力
⑳ 短所:目立ちたがり 長所:積極性がある
【esの長所短所】まとめ
長所や短所を書く際には、あくまでも客観性を重視してください。
そうでなければ、エントリーシートを読む人間と、書いた学生の間に温度差が生じてしまいます。
客観的な分析であることを印象付けた上で、その主張を支持する具体的な過去のエピソードなどが盛り込まれていると、更に魅力的なエントリーシートが完成します。
結論(長所・短所)を初めに主張し、その根拠となるエピソードの紹介、最後にもう一度軽く結論に触れる、という順序を意識してみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
特に新卒採用では、即戦力というよりも「伸びしろ」や「素直さ」が評価対象となるため、短所の伝え方ひとつで印象が変わります。
したがって、ESにおける長所短所は、自己分析の成果をコンパクトに示す重要な設問だと言えます。