エントリーシートを記入する上で、長所や短所をどのように記入するか、面接でどのように伝えるかということに悩んでいる学生は多いです。
自らの長所や短所をそもそも理解していない、という学生の場合は先ずそこを知るところから始めなければいけませんし、就活を機に考えた学生からすると、確かに大変かもしれません。
ですが、エントリーシートの内容が選考に与える影響はとても大きいですし、なるべくならここを上手く書いて、採用担当者に好印象を与えたいですよね。
そこで今回は、エントリーシートの長所・短所の正しい書き方についてご紹介していきます。
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【ESの長所短所】企業が長所や短所を聞く理由
企業が長所や短所を聞くのは、あなたが自社とマッチした人材なのかを判断したいからです。
ミスマッチに気づかず内定をだしてしまった場合、入社してすぐの退職や、内定辞退になりかねません。
そうすると、わざわざ時間とお金をかけて採用したのに、すべての努力が水の泡になってしまいます。
だからこそ、企業は細心の注意を払いながら、あなたの長所と短所を見極めたいのです。
ここでは、その見極める項目として、人柄・自己分析ができているか・長所と短所をどう捉えているかについて解説していきます。
人柄と社風が合うか
企業が長所と短所を聞くのは、あなたの人柄を詳しく知りたいからです。
人柄を知れば、「自社にマッチした人材か」「入社後に長く活躍してくれそうか」が判断できます。
自社の社風や雰囲気にマッチした人材でないと、入社してもすぐに退職してしまう可能性がたかいのです。
それに、たとえ内定をだしても「やっぱり入社するのやめます」と内定辞退してしまったら、企業からすれば、お金と時間の損失でしかないのです。
そのため採用担当者は、このようなミスマッチを可能な限り減らしたいと考えています。
長所と短所がマッチした会社に入社すれば、それらを活かして仕事ができるので、成果をあげやすいのです。
成長も実感しやすいので、モチベーションを維持したまま活躍できるでしょう。
企業とミスマッチしないため、入社後に長く活躍するためにも、人柄を深く分析しておくと安心です。
自己分析ができているか
長所と短所を聞くのは、あなたがどれだけ自己分析してきたかを知るためです。
自己分析をおこたり、自分の長所と短所がわからないままだと、「どのように活躍するのか」を採用担当者にアピールできません。
アピールできないと、強みを活かしてパフォーマンスが発揮できない、自分の課題を克服しようと努力できない人物と判断されてしまいます。
つまり、何もとりえのない、働く気がない人だと思われてしまうのです。
逆にはっきり答えられれば、企業でどういう強みを活かせて、どのような弱点を努力して克服するかが伝えられます。
採用担当者に働く姿を具体的にイメージさせられるのです。
具体的にイメージしてくれれば、企業にマッチした人材なのかすぐにわかります。
マッチしていれば、具体的に伝えられた分、印象に残りやすいので、就活を有利に進められるでしょう。
長所や短所をどう捉えているのか
長所と短所を聞けば、あなたが長所をどのように活かそうと考えているか、短所を改善しようとプラスに捉えているかがわかります。
この2つの中でも、特に、短所の捉え方は重要です。
たとえば、短所を聞かれたときに「頑固なところです」とそのまま答えてしまうと、悪い印象を与えてしまいます。
採用担当者に「この人は克服しようと努力しない人なのだな」と判断され、不採用につながってしまうのです。
伝えるときは、あくまでも短所をプラスに捉えて、改善する意識があるとアピールしましょう。
頑固も、「信念をもっている」「粘り強い」と言い換えができたり、考え方を変えることで強みに転換できたりします。
短所が長所に変わるのも言い方・考え方の1つです。
採用担当者に聞かれた際は、好印象をもってもらえるように、どのように捉えているか、注意して伝えるようにしましょう。
入社後に活躍できるか
エントリーシートで企業が長所短所を聞く理由には、入社後に活躍できる人材かを確かめたい、という企業の意図も関係しています。
特に長所は、学生のポテンシャルを図るうえで重要な要素になります。
長所からは仕事内容や社風に対する適性がわかるため、より的確に採否を判断できるでしょう。
また、短所があまりにも業務内容や企業の理念と相性が悪いものであれば、本当に会社に適応できるか不安が伴います。
そのため企業はエントリーシートで長所短所を聞き、活躍のポテンシャルを総合的に判断しているのです。
長所短所も本人の人柄や能力に大きく関係するポイントであるため、見逃せば、採用のミスマッチが起こる可能性があります。
そのため、エントリーシートで企業に活躍の可能性を評価してもらうには、企業との相性も考慮したうえで長所短所を記載する必要があります。
【ESの長所短所】思いつかない時の見つけ方
エントリーシートに長所短所を書くにあたって、そもそも長所短所がわからない…と悩む人は少なくありません。
そのため長所短所を的確に記載し、自分自身の人柄を明確に伝えるには、事前に長所短所をしっかりと見極めておく必要があります。
長所短所を見つける方法には、以下のアプローチが挙げられます。
- 自分の過去で印象に残っていることを振り返る
- 自分の特徴を探す
- 周りの人に聞いてみる
- とにかく数を出す
- 自己分析と照らし合わせる
- 診断ツール
このように、長所と短所はさまざまな考え方・アプローチで見つけることができます。
すぐに思いつかなくても焦る必要はないため、自分に合ったやり方で、長所短所を的確に見極めていきましょう。
自分の過去で印象に残っていることを振り返る
エントリーシートに記載する長所短所を探す際は、まず、自分の過去の経験で特に印象に残っていることを振り返ってみましょう。
これまでの人生で印象深い経験、大きな達成感や喜びを得た成功体験、苦労して乗り越えた困難などをよく思い出してみることが大切です。
そのようなインパクトの強い経験には、自分の強みや行動特性が現れていることがほとんどです。
「自分とはどういう人間か」を明確に説明できるエピソードになるため、そこから長所短所を言語化してみましょう。
どのような人にも、印象深い経験や鮮明に覚えている出来事などはあるものです。
「そんな立派な長所はない…」と思っている人でも、これまでの出来事をよく振り返れば長所短所は見つかるはずなので、じっくりと時間を取って過去の経験を洗い出しましょう。
自分の特徴を探す
エントリーシートに書く長所短所がわからないときは、自分の特徴を具体的にピックアップしていくことが重要です。
普段から自然にできること、得意なこと、大切にしている価値観などを洗い出せば、長所や強みは自然と見えてくるものです。
ほかの人と比べて違うと思えるポイントや、気がつけば集中して取り組んでしまうこと、モチベーションが上がることなども重要といえます。
企業は、そのような行動・考え方の傾向からわかる長所や強みを知りたいと考えています。
また、短所に関してはどうしても苦手に感じてしまうことや、取り組むうえで正直モチベーションが上がらないことなどを整理すると良いでしょう。
人にはそれぞれ長所短所があるため、片方について自分の特徴を整理すれば、もう片方の理解が深まるケースもあります。
そのため長所短所を理解するために自分の特徴を探す際は、あらゆる側面から、自分を表す要素を見極めることが大切です」。
周りの人に聞いてみる
エントリーシートに記載する長所短所がなかなか見つからないときは、周りの人に積極的に聞くことで理解を深めていく方法もあります。
家族や友人、アルバイト仲間などの自分をよく知る人に「私ってどんな人?」「私の良いところは?」と聞けば、より客観的な視点で長所短所を見極めることができます。
特に自信のない人は、自分自身で長所を見いだすことが苦手なものです。
そんなときは周りに協力してもらって良い部分や魅力を聞き出せば、自分の評価ではなく他人の評価で、長所を理解することができます。
外から見たときの長所は、自分自身のおごりや過大評価によるものではないため、より的確である可能性が高いです。
また、プライドの高い人や自分を客観的に見ることが苦手な人などは、短所も判断しにくい場合があります。
そんなときは勇気を出して周りの人に自分の改善点や欠点を教えてもらい、短所の見極めにつなげることが大切です。
とにかく数を出す
長所短所を見つけ出すには、とにかく思いついたことを書き出しましょう。
書き出す内容は「自分の思いついた長所短所がアピールにつながるかわからない」と感じたり、「就職活動に関係しないのでは」と感じたりするような、他愛もない内容でかまいません。
紙とペンを用意し、就活のことは忘れ、とにかく思いつくことを書き出していきましょう。
なかには自分に自信がなくて、長所を書き出せないという方もいるかも知れません。
そういった方は基本的に自分をきびしく評価しがちです。
まずは自分を甘口で評価して書き出していきましょう。
短所しか出てこないという場合も心配ありません。
先に説明したように短所は長所に言い換えられるので、気にせず書き出してください。
「もうこれ以上思いつかない」という場合は人に聞いてみると、新しい発見があるかも知れないのでおすすめです。
自己分析と照らし合わせる
数を出したあとは、自己分析や過去の経験と照らし合わせてみましょう。
数多く出した長所短所といくつかの印象的なエピソードとが結びつくはずです。
あとは前半で解説した書き方の構成に合わせて文章を作成するだけです。
これで選考に使える長所短所のアピール文が完成します。
自己分析が進まない、過去の経験が思いつかないという方も少なからずいるかと思います。
そんなときは以下のようなテーマをイメージして書き出してみてください。
- 人に褒められたこと
- 感謝されたこと
- 手に入れたこと、実績
- 得意なこと
- 好きなもの
- 大切にしていること
これらをテーマに自分のこれまでを見返すと、比較的簡単に自己分析や過去の経験が洗い出せるはずです。
ぜひ参考にして、取り組んでみてください。
診断ツールを使う
ESに書く長所と短所がわからないときは、診断ツールを活用するのがおすすめです。
診断ツールを使えば、自分の性格や長所短所、ものの考え方からそれに基づいた適職まで、詳しく診断してもらえます。
自己分析が苦手な人でも、手っ取り早く自分自身を客観視できるため、長所短所を見極めやすくなります。
診断ツールは、使い方が簡単なうえに基本的に無料で利用できるものが多いので、気軽に活用できることもメリットです。
基本的な使い方は、自分の考え方や普段の行動について、簡単な質問に答えるのみです。
心理テストに答えるような要領で活用できるため、ESに書く長所短所がわからないときは、ツールをぜひ活用してみましょう。
なお、診断ツールはさまざまあるため、おすすめはいくつかのツールを使ってみることです。
複数のツールを使ったほうが、さまざまな観点から自分の長所短所を知ることができ、ESを書くうえで参考にしやすくなります。
【ESの長所短所】自己分析で使えるおすすめツール
自己分析に適したツールはさまざまあるため、ESの長所短所を書くうえで診断ツールを活用する際は、おすすめのツールをチェックしておきましょう。
おすすめの自己分析ツールは、以下の通りです。
- MBTI診断
- ビッグファイブ・パーソナリティテスト
- DISC理論
いずれも性格や自分の強みを知るうえで有名なツールなので、活用しやすいのがポイントです。
では、以下からツールの特徴とおすすめポイントを紹介していきます。
MBTI診断
MBTI診断は、16タイプに分けて性格を診断してくれるツールです。
有名で人気のある性格診断のため、プライベートで、すでに試したことがある就活生も多いのではないでしょうか。
最近では、選考の際にMBTIのタイプを聞く企業も出てきているようです。
もちろんあくまで傾向ではありますが、MBTI診断では、それぞれの強みや性格傾向、適職などをわかりやすく言語化してくれるのがポイントです。
同じタイプの芸能人・有名人を知れたり、相性の良い性格タイプをチェックできたりする部分もあるため、ちょっとしたエンタメコンテンツとしても楽しめます。
適職をチェックすれば、志望業界を絞る際にも役立つはずです。
最近トレンドになっている性格診断だからこそ、自分はどのタイプに当てはまるのか、知っておいて損はないでしょう。
なお、診断方法は簡単で、思考や行動についての質問に答えるだけです。
ビッグファイブ・パーソナリティテスト
ビッグファイブ・パーソナリティテストとは、5つの主要な特性に基づき、性格を評価する診断ツールです。
その5つの特性は、人間の性格を説明するうえで広く認められている基準であり、性格の傾向を理解するうえで役立ちます。
5つの特性とは、以下の通りです。
- 外向性
- 情緒安定性
- 開放性
- 誠実性
- 調和性
質問に答えていくと、上記の5つの特性についての評価がそれぞれ3段階で出てきます。
MBTI診断と同様に、質問は直感的でわかりやすいものなので、診断自体は難しくありません。
自分がどのような性格で、何が得意で何が苦手なのかといったポイントを理解するうえで役立つため、ESを書き始める際はビッグファイブ・パーソナリティテストもぜひ試してみましょう。
DISC理論
DISC理論とは、個人の行動を4つのカテゴリに分類し、個々の性格や価値観などを診断するツールです。
以下の通り、DISC理論には4つの行動傾向の分類があります。
- Dominance:主導型
- Influence:感化型
- Steadiness:安定型
- Conscientiousness:慎重型
行動スタイルを基調とした性格診断であり、結果に基づいて、さまざまなアドバイスを得られるのがポイントです。
一人ひとりの行動により焦点を当てた性格診断であり、自分の行動傾向を知りたいときに役立つでしょう。
マネジメントやチームビルディングなど、ビジネスシーンでもDISC理論は多くの場で活用されています。
自分は普段どのようなスタイルで行動しているのか、どのような環境で自分らしくいられるのか、などのポイントを理解しやすくなるのがポイントです。
診断ツール使用時の注意点
MBTIやビッグファイブ・パーソナリティテスト、DISC理論などの診断ツールを活用して自己分析を行う際は、あくまで診断結果は一つの指標であることを理解しておきましょう。
いずれも自己理解を深めるうえで有効なツールになりますが、診断結果はあくまでツールによる診断結果です。
診断結果がすべてではないため、基本的には参考になる情報としてとらえるべきといえます。
完全に診断結果にしたがって長所短所を決めたり、適性のある職業を決めたりすると、方向性にブレが生じるケースもあります。
最終的に自己分析の答えを出すのは自分自身であり、ツールではないことを理解しておきましょう。
また、診断ツールにばかり頼っていると、自分についての考えを言語化するスキルも育たないため注意が必要です。
【ESの長所短所】アピールする際の最強の構成
結論から書く
長所と短所をアピールするときは、「私の長所は〇〇です」というように、必ず冒頭で伝えるようにしましょう。
まずは結論から述べて、そのあとにエピソードや理由を説明するのがエントリーシートの基本です。
最初に結論を書けば、あなたが何を伝えたいのか、採用担当者がすぐにわかります。
そして、結論のあとに、あなたの経験談などを付け加えれば説得力は倍増です。
説得力があるエントリーシートは、採用担当者の印象に深く残るので、書類選考や面接が通過しやすくなります。
ただ結論から書いたとしても、自己分析の不足から具体性に欠ける内容や、テンプレートをコピペしただけでは印象に残りづらいのです。
印象に残らなければ、最後まで読んでもらえず書類選考も通過できません。
必ず自己分析を徹底して、自分にしか伝えられない結論を冒頭にもってきましょう。
長所・短所に関する具体的なエピソードを書く
長所短所を述べる際は、結論を述べたあとに、その長所と短所の裏付けとなるエピソードを具体的に書いていく必要があります。
エピソードに具体性がなければ、結論として述べた長所短所に信憑性がないため、採用担当者の印象に残りません。
また、「長所はコミュニケーションが得意なところです」と結論だけ述べても、具体的にどのような長所なのかがわからないものです。
そういった詳細を伝えるフェーズとしてもエピソードは重要であるため、具体的なエピソードを記載することは忘れないようにしましょう。
なお、長所のエピソードはその長所が発揮された経験であることが望ましいため、直面した課題や困難、そしてそれに対する行動、結果を順に伝えることが重要です。
一方で短所を伝える際は、ただ短所を結論として伝えるだけでは詳細がわかりにくいため、具体的な失敗談を取り上げる必要があります。
入社後どう生かすか書く
エントリーシートで長所短所を述べる際は、最後はまとめとして、入社後にどのように活かしていきたいか具体的にアピールすることが重要です。
特に長所に関しては、企業は自分の強みや長所、能力を活かして活躍・貢献してくれる人を求めているため、具体的な活かし方は積極的に伝える必要があります。
業務内容や働き方などに触れて長所の活かし方を述べれば、再現性が伝わるアピールになるため、採用担当者はより魅力を感じやすくなるでしょう。
なお、短所についてはどのように改善して業務に取り組みたいかを述べることが重要です。
短所を短所としてただ述べるだけでは、やはりマイナスな印象ばかりが強くなるため、改善の姿勢を示すことが良い評価を獲得するポイントになります。
実際に改善のために行っていることに触れながら、その姿勢を業務でどのように活かしていきたいのかを積極的にアピールしましょう。
結論
自分の長所と短所、それについて説明する具体的なエピソードを書いたら、最後は締めるための結論です。
入社してからの将来像や前向きな意欲、企業への志望の高さや達成したい目標などを書きます。
ここで注意するべきなのは、間違っても「よろしくお願いいたします」という謙遜した言葉で締めないことです。
謙遜した言葉は、一見ものすごく丁寧で好印象をもたれるように考えられます。
しかし、相手からはテンプレートのように思われるので、アピールに欠けます。
だからこそ、必ず「この会社にどうしても入りたい」という意欲で終わるようにしましょう。
そうすれば、企業担当者に「この人と面接で会って話してみたい」と思ってもらえます。
最後だからと気を抜かず、細心の注意を払って作成してください。
【ESの長所短所】エントリーシートを書く際のポイント
自分の長所短所は把握していても、エントリーシートに書くとなるとどのように書けば良いのか悩んでしまう人も少なくはありません。
特に短所に関しては、それを書くことでマイナス印象を持たれるのではないかと不安に感じてしまうものです。
しかしながら長所も短所も、企業側にとってはその人の人間性を知るために重要です。
長所はいかにアピールできるかが大切ですし、短所はいかに克服しポジティブ思考で捉えることができているかがポイントになってきます。
エントリーシートに長所短所を書く際のコツについて解説します。
長所・短所に共通するポイント
長所も短所も、結論から述べる点は同じです。
だらだらと長い前置きは省き、最も言いたいことを簡潔に書き出すことが大切です。
そうすることで人事担当者も理解しやすくなりますし、インパクトを与えることができます。
自分自身も頭の中で整理しやすくなるでしょう。
長所短所のどちらも、結論→ エピソード→ まとめ という組み立てで文章構成をすることが基本です。
具体的なエピソードを交えて説明する
長所や短所を述べましたものの、それだけで文章が終わってしまうと信憑性に欠けてしまいます。
ポイントは、結論を裏付ける体験談やエピソードを添えることです。
具体的なエピソードを書くことで、説得力のある内容になるのです。
エピソードはできるだけ理論的に書くことも大事です。
出来事だけを書くのではなく、なぜそのようにして、なぜそう考えたのか、そして何を学んだのか、深く掘り下げていきましょう。
長所を書く際のポイント
長所は自己アピールにもつながりますので、できる限り濃い内容にしたいものです。
エントリーシートでは、長所を活かして得たことや入社後にどう活かせるかを伝えることがポイントです。
長所は入社後どう活かして成果を上げるかを説明する
例えば自分の長所が「リーダーシップ能力」だとします。
部活などでメンバーを引っ張ったような出来事を淡々と書いただけでは、エントリーシートとしては不十分です。
それに加え、持ち前のリーダーシップ力を入社後にどう活かすかを話したいものです。
希望する会社がチーム営業の業務形態であれば、みんなを率いてチームリーダーとして売り上げ貢献につなげたいといった内容を書きましょう。
それを書くことで入社への強い意欲も感じられますし、企業研究をしている真面目さも伝わります。
将来のビジョンをしっかりと持った人間性も、高く評価されるはずです。
入社後に長所をいかに活かすかを説明するためにも、受ける会社の企業研究はおろそかにはできません。
長所を活かしてどんな成果を上げたのかを説明する
長所を証拠付けるエピソードを書く際には、その強みをどのように活かしてどんな成果を得たのかも書く必要が出てきます。
仮に良い結果ではなかったとしても、何か学びになったことがあるはずです。
経験を学びへとつなげることができる人は、仕事でも成長できます。
企業は、自社で成長し活躍できる人材を探しているのです。
短所を書く際のポイント
長所に比べて、短所は書きにくいと感じる人は多いです。
短所を書くポイントは、ネガティブな内容にならないようにすることです。
そのためには、改善策や長所に変える努力を見せることが必要と言えます。
またすべての短所は長所に言い換えることができますので、上手く言い換えて自身の強みにしてしまうこともひとつです。
改善するために行っていることを書く
エントリーシートの短所欄には、ただ自分の短所を書くだけでは好印象にはなりません。
中には短所はどうしようもないと開き直っている人もいますが、そういう態度が伝わる書き方も問題です。
短所を書く際には自分のマイナス面と向き合うと共に、何とかしようとする姿勢を見せることが大切です。
悪いところが分かっているのであれば、それを直すための謙虚さや努力も書くようにしましょう。
そうすることで、謙虚さや努力家といった長所もまた見えてきます。
短所を長所に言い換えられる用意する
長所と短所は紙一重だと言われているように、どんな短所も裏返せば長所にもなるのです。
いくつか例を挙げてみます。
<わがまま>→ <自分を持っている>
<心配性>→ <計画性がある><失敗が少ない>
<おおざっぱ>→ <寛大>
エントリーシートに短所を書く際は、こうした長所への言い換えを上手に活用することで内容がネガティブになりません。
「私の短所は、心配性なところです。
しかしながら心配性なおかげで物事に対して、しっかりと計画を立てて挑むことができるので失敗が少ないとも言えます。」といった書き方をすることで、短所もポジティブに活用することができている印象になります。
自己分析をしっかりして、自分の短所をいかにプラスに変えることができるのかを知っておくことが大事なのです。
長所・短所に一貫性をもたせる
ESに長所短所を書く際は、内容にしっかりと一貫性を持たせるようにしてください。
一貫性のない回答は、矛盾が目立つため、採用担当者からは「しっかりと自己分析をしていない」という評価を受けてしまいます。
長所と短所は表裏一体ともいえるため、多くの場合は、長所の裏付けは短所になる傾向です。
「〇〇ができるからこそ△△が苦手」「〇〇が苦手だからこそ△△の場面で活躍できる」ということが、理にかなっていることが重要です。
例えばコミュニケーション能力が長所であるにも関わらず、短所として人見知りであることを伝えてしまうと、疑問が生まれてしまいます。
確かに人のタイプはさまざまなので、「コミュニケーションは得意だが初対面の人と仲良くなるのは苦手」という人もいるかもしれませんが、印象としては矛盾を感じる人は多いでしょう。
そのような矛盾を感じさせないためには、長所短所で一貫性を持たせることが大切です。
【ESの長所短所】エントリーシートを書く際の注意点
ESに長所短所を書く際は、アピールにおける重要なポイントとして、いくつかの注意点をチェックしておきましょう。
主な注意点は、以下の3つが挙げられます。
- 志望企業との適性を考える
- 長所や短所を複数列挙しない
- 記入欄に気を付ける
伝え方のポイントとあわせて確認し、よりわかりやすいアピールにつなげることが大切です。
では、注意点の詳細を以下からまとめていきます。
志望企業との適性を考える
ESで長所短所を述べる際には、志望企業の求める人物像と、自分の特徴がマッチしているかを意識しましょう。
求める人物像と長所短所の性質がマッチしていることが、採用担当者から良い評価を獲得するポイントになるからです。
例えば、チームワークを重視する企業であれば、長所として「協調性」や「コミュニケーション能力」をアピールするのが効果的です。
そのうえで、短所にはチームワークにつながる性質を書かないことが重要なポイントといえます。
例えば営業職志望でありながら、短所が「控えめすぎる」だと、営業職に対する適性の高さは感じてもらえないでしょう。
企業文化に合わない強みを強調すると、ESの選考では逆効果になるため、企業の特徴や価値観に合った長所や短所を選ぶことが重要といえます。
志望企業が求める人物像は、企業研究・分析を徹底的に行うことで把握する必要があります。
長所や短所を複数列挙しない
ESで長所短所を述べる際は、複数列挙せず、一つに絞って述べることが基本です。
特に長所に関しては、良い評価を獲得したい心理から、複数列挙してしまうケースがあります。
しかし複数列挙しても、それぞれの印象は薄くなりがちで、どれも中途半端に見えてしまいます。
複数取り上げるよりも、一つに対して細かく掘り下げてアピールしたほうが、結果として印象は良くなるものです。
短所については、一つを取り上げたうえで改善のために行っていることを具体的に伝える必要があるため、基本的には一つのみで問題ないといえます。
ESでは、たくさんのアピールポイントを用意するのではなく、一つを用意して濃い内容でアピールすることを意識しましょう。
記入欄に気を付ける
エントリーシートに長所短所を記載する際は、記入欄に注意する必要があります。
具体的なフォーマットや質問内容は企業によってさまざまなので、必ずしも、「長所」「短所」という名前の記入欄が用意されているとは限りません。
長所と短所で記入欄が一つにまとまっているパターンもあれば、自己PRとなっているパターンもあります。
長所と短所をまとめて記載する必要がある場合は、文字数などの規定に従いながら、長所・短所それぞれが何なのかわかりやすく書く必要があります。
短所に触れたくない心理から、長所しか書かないなどの対応はしないようにしましょう。
ほかにも、企業の方針によって、記入欄にはさまざまな規定が見られる場合があります。
うまく書けないときは、必要に応じてキャリアセンターや就活エージェントなどに相談し、添削を受けながらESを仕上げましょう。
【ESの長所短所】エントリーシートで使える回答例文
ここまでエントリーシートの長所短所を書く際のポイントと構成をご紹介しました。
あらためて説明すると、以下の2点がエントリーシートの長所短所を書く際のポイントです。
- 結論→理由→どうとらえているか→結論の構成で文章を作成する
- 具体的なエピソードを交えて説明する
ここからは実際にどのような文章になるのかを見ていきましょう。
ご紹介した書き方をふまえて作成した例文をいくつかご紹介いたします。
ぜひあなたのエントリーシート作成の参考にしてください。
長所の例文①忍耐力
まずは長所の例文をご紹介いたします。
今回ピックアップした長所は「忍耐力」と「行動力」です。
どちらの長所も就活生にとってアピールしやすいポイントで、企業にとってもあなたを採用するメリットが感じ取りやすい長所となります。
長所を書く際のポイントは以下の2点を盛り込むことです。
- 長所を活かして達成した成果や実績
- 入社後にその長所をどう活かしていくか
上記ポイントを押さえて文章を書くと、それぞれどのような文章になるのかを見ていきましょう。
私は自身の忍耐力を活かして、粘り強く努力ができます。
私は学生時代、サッカー部に所属していました。
サッカー部ではきびしいトレーニングを課せられることもありましたが、常に「なんのために行っているのか」を考えて、決して無駄にならないように努力をしました。
ときにはつらくて逃げ出したくなることもありましたが、そのようなときも、持ち前の忍耐力を発揮してトレーニングをやり遂げ、レギュラーメンバーに選ばれたのです。
粘り強く努力をすることで、レギュラーに選ばれるだけでなく、県大会出場という結果を残すことができました。
入社後もわからないことや苦しいことはたくさんあるかと思いますが、持ち前の忍耐力で粘り強く努力をして、貴社で活躍できる人材へと成長して結果を残したいと考えています。
長所の例文②行動力
次に行動力の例文をご紹介します。
私には思い立ったらすぐ行動へ移せる行動力があります。
昨年、大学の夏休みを利用して私は資格の取得に挑戦しました。
なぜ資格取得に挑戦したかというと、卒業後に私がやりたいことや、働きたい業種を考えた際にこの資格が必要になると感じたためです。
夏休み中は友人たちと遊ぶ時間を割いて短期集中で勉強したため、周りの人たちが遊んでいるのをうらやましいと感じることや、勉強をすることがつらいと感じることもありました。
しかし、この資格を取得することは、必ず自分の成長につながると信じて勉強を継続しました。
その結果、はじめての受験で合格できたのです。
この行動力を活かして、入社後も何事も恐れずにチャレンジして成長して貴社へ貢献したいと考えています。
短所の例文①心配性
続いて短所の例文をご紹介します。
「心配性」と「集中しすぎる」テーマの例文をご紹介します。
短所は長所と異なり、単純に短所を書くだけでは読む相手の印象に残りません。
短所を書く際のポイントは以下の2点です。
- 短所を改善するために行っていること
- 短所を長所に言い換えられる用意をする
これらのポイントをうまく文章に盛り込み、あなたの短所をアピールポイントに変換する必要があります。
それでは実際にどのような文章となるのか、例文を参考に見てみましょう。
私はいつも「うまくいかなかったらどうしよう」と考えてしまいます。
しかし、その心配性のおかげで不測の事態に備え、臨機応変に対応できた経験があります。
アルバイト先の飲食店で勤務中、急に停電してしまったことがありました。
お客様や社員の方々は突然のことに戸惑っていましたが、私はそのような場面でも冷静さを保ち、適切に対処できました。
なぜ対処ができたかというと、空き時間に勤務先のマニュアルを熟読しており、そのなかの停電時対処法を思い出すことができたからです。
失敗しないためにマニュアルをしっかり読んでいたことで、素早くトラブルに対応でき、社員さんやお客様から感謝されました。
入社後もネガティブにならず、この慎重さを活かして臨機応変に対応して貴社へ貢献していきたいと考えています。
短所の例文②集中しすぎる
私は何かに熱中すると周りが見えなくなってしまい、食事をするのも忘れて没頭してしまいます。
大学の講義で、経営学に関する本のレポートを作成する課題が出されたときのことです。
私がレポートの題材に選んだ本がとても興味深く、読むことに熱中してしまい、半日で本を読破したことがあります。
提出するレポートも一度書き始めると没頭してしまい、2時間で完成させてしまいました。
そのおかげで余暇時間ができ、有意義に時間を使うことができたのです。
この経験から、集中力をコントロールできるようになれば、メリハリをつけて仕事ができるのではと考えるようになりました。
そのため入社後はスケジュール管理を常に意識し、メリハリをつけて仕事に取り組むことで貴社へ貢献していきたいと考えています。
長所と短所を一緒に書く例文①
続いて長所と短所を一緒に書く際の例文をご紹介します。
私は計画を立てることが苦手で、細かいスケジュールを事前に組むのが得意ではありませんでした。
そのため、思い通りに進まない場面で焦りを感じることがあり、自分の計画性の欠如を実感しました。
この経験をきっかけに、柔軟性を持ちつつもタスクを可視化し、優先順位を明確にする工夫を取り入れるようになりました。
その結果、状況の変化にも対応しながら、着実に物事を進める力が身につきました。
現在では「柔軟性を持って計画的に動けること」が自分の長所だと考えており、入社後もこの強みを活かして、状況に応じた最適な行動を選びながら成果を出していきたいです。
長所と短所を一緒に書く例文②
私の短所は、完璧主義すぎるところです。
細部にこだわりすぎてしまい、物事を進めるのに時間がかかってしまうことがあります。
この短所を改善するために、私は時間をかけすぎずに進めるよう意識してきました。
具体的には、やるべきことに優先順位をつけ、重要な部分に集中するよう心がけました。
結果、効率的に作業を進めることができ、完璧を求めるあまり進捗が遅れることが少なくなりました。
今では、柔軟に対応しながらも成果を上げることができるようになり、完璧主義を克服できたと感じています。
入社後も柔軟性を活かして効率的に動ける長所を活かし、お客様対応でも臨機応変に行動することで、より良いサービスを提供していきたいです。
【ESの長所短所】互換性のある長所と短所一覧
表裏一体になっている長所と短所を把握しておけば、一貫性のあるアピールができ、矛盾を防ぐことができます。
ESに書く長所短所がわからない人は、以下に互換性のある長所と短所を挙げていくため、ぜひチェックしてみてください。
① 短所:計画性がない 長所:柔軟性
② 短所:慎重すぎる 長所:決断力
③ 短所:自己主張が苦手 長所:協調性
④ 短所:意志が弱い 長所:柔軟な対応力
⑤ 短所:競争心が足りない 長所:協力的
⑥ 短所:自信がない 長所:慎重に行動する
⑦ 短所:人に頼ることが多い 長所:チームワークを大切にする
⑧ 短所:優柔不断 長所:深く考えて行動する力
⑨ 短所:時間をかけてしまう 長所:緻密な計画を立てる力
⑩ 短所:負けず嫌い 長所:向上心の強さ
⑪ 短所:物事を先延ばしにする 長所:プレッシャーに強い
⑫ 短所:極端に慎重 長所:リスク管理能力
⑬ 短所:臆病 長所:冷静に物事を見極められる
⑭ 短所:感情に流されやすい 長所:共感力
⑮ 短所:周囲に遠慮しすぎる 長所:謙虚
⑯ 短所:極度に緊張する 長所:計画的
⑰ 短所:人と比較してしまう 長所:自己改善意欲が高い
⑱ 短所:自分を過信しがち 長所:成長意欲が高い
⑲ 短所:他人に厳しい 長所:公正な判断能力
⑳ 短所:目立ちたがり 長所:積極性がある
【esの長所短所】まとめ
長所や短所を書く際には、あくまでも客観性を重視してください。
そうでなければ、エントリーシートを読む人間と、書いた学生の間に温度差が生じてしまいます。
客観的な分析であることを印象付けた上で、その主張を支持する具体的な過去のエピソードなどが盛り込まれていると、更に魅力的なエントリーシートが完成します。
結論(長所・短所)を初めに主張し、その根拠となるエピソードの紹介、最後にもう一度軽く結論に触れる、という順序を意識してみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート