就職活動では、書類選考や面接で必ず長所を聞かれます。
そういった場では、就活生の皆さんはなんとかして採用担当者に良い印象をもってもらいたいと考えるものでしょう。
そのために、自分の「優しさ」という特性をアピールしたいという人もいるかもしれません。
しかし、自分が「優しい」ということを他者へアピールするには、コツや押さえるべきポイントが存在します。
この記事で解説しているのは、そんな「優しさ」を長所に使用するために重要なポイントです。
就活中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 優しいことを長所として伝える際に必要な工夫
- 優しいの言い換え表現
- 長所をわかりやすく伝えるための構文
- 優しいことを上手く長所として伝えたい人
- 優しいことを長所として伝えていいか不安な人
- 上手く優しいことを長所としてアピールできない人
- 例文を参考に長所のアピール文を考えたい人
目次[目次を全て表示する]
【長所:優しい】企業が長所を聞く理由
効果的なアピールをするには質問の意図を押さえることが重要です。
企業が長所を聞く理由は「自分を客観的に見られているか確認するため」「あなたの人柄を見るため」の2点です。
以下で詳しく見ていきましょう。
自分を客観的に見られているか確認するため
企業は自分の長所を認識できているかから、あなたが自分を客観的にみられているかを確認しています。
企業で働くうえで自分を客観し出来ているかは重要です。
例えば現状の目標の達成ペースが足りていないのに自分を過信して改善を行わなかったり、逆に順調なのに自分を追い込んでしまったりしては適切なアプローチはできません。
これまで自分の強みや長所と向き合う機会が少なかったという人は多いでしょう。
長所をアピールする際に、過剰に謙虚にふるまう必要はありません。
等身大のあなたを自信をもってアピールしましょう。
あなたの人柄を見るため
企業は一丸となって目標やビジョンを目指すにあたり、同じ価値観や人柄であるかどうかを重視しています。
また、働く際に企業の社風や社員の人柄とあなたの人柄が全く異なっていると馴染めないという危険性もあるでしょう。
長所を聞くことであなたの人柄をより深く知り、企業の社風に合うか、雰囲気にあるかを見極めているのです。
【長所:優しい】優しいことを長所としてアピールする際は工夫が必要!
「優しい」という性格上の特性は、一見すると万人受けするポジティブな要素に思えます。
しかし、長所という場面では気をつけて用いないと、思わぬマイナスイメージを与えかねない諸刃の剣なのです。
その理由は、「優しさ」という単語がもっているイメージの多様さや、曖昧さにあります。
そのため、不適切なアピールをすると、自分の想定とはまったく別の印象を抱かれかねません。
自分が「優しい」ということを採用担当者へアピールする際は、伝え方に工夫が必要です。
それでは、実際にどんな工夫が必要なのかを確認してみましょう。
- 自画自賛にならないようにする
- 優しさの意味を具体的に説明できるようにする
自画自賛にならないようにする
「優しい」という特性を長所で使う際は、自画自賛にならないよう気を配る必要があります。
長所とは、もちろん自分について、採用担当者に良い印象をもってもらうためにアピールをする場です。
一方で、そのアピールが単なる自画自賛になってしまうと、かえって印象は悪くなってしまいます。
「私はこんなに優しい人間です」という主張に相手が共感できないければ、一種の自慢話になってしまうというわけです。
「私は自分をこう思っています」という主観的な視点以外に、「他者からこのような評価を受けています」という第三者の視点を取り入れるのがコツになります。
その第三者の視点を取り入れることによって、「優しい」というアピールポイントを補強するための証拠になるのです。
優しさの意味を具体的に説明できるようにする
もう1つ「優しさ」を長所に用いる際に重要なのは、その優しさの意味や方向性について、具体的な説明をできるようにしておくことです。
「優しい」という言葉を聞いて思い浮かべるイメージは、人によっていろいろあります。
なぜならば、優しさとは1つの具体的なイメージを指すのではなく、複数の性質をもった抽象的な概念であるからです。
したがって、あなたが採用担当者に伝えたい「優しさ」とはどういった方向性のものなのか、それが発揮されたエピソードを交えて説明する必要があります。
曖昧なイメージのままでは、採用担当者の印象に残らずに終わってしまう可能性が高いです。
そこで具体的なイメージを伝えることで、相手もあなたの「優しさ」という特性が、入社後にどう発揮されるのか想像しやすくなります。
【長所:優しい】優しいことの言い換え表現
ただ単に「私の長所は優しいところです」と伝えても、端的で漠然としているため、それだけではあなたの長所をイメージしてもらえません。
面接では、あなたの人柄や性格をイメージしてもらえることで、信頼性の高いアピールになるのです。
優しさにもさまざまな種類があるので、その優しさを言い換えて表現することで明確なものとなり、面接官に伝わりやすくなります。
ここからは、「優しさ」を言い換える表現として、3つの例をくわしく紹介していきます。
- 協調性がある
- おおらか
- 素直
協調性がある
働くうえで、さまざまな価値観やバックグラウンドをもつ人と協力していかなくてはなりません。
優しい人は、自分と違う価値観をもっている人であっても、上手に人間関係を構築できます。
そのため、どのようなタイプの人とでも協力して働けるので、優しさは「協調性がある」と言い換えるのがおすすめです。
これにより、優しい人という印象だけでなく、周囲の人と助け合い、協力し合いながら働ける要領の良さなどもアピールできます。
おおらか
おおらかな人は、他人のミスに寛容であり、相手の意見を否定せず、人間関係を円滑に進められるのが特徴です。
また、穏やかで多くの人から好かれやすく、話しかけやすいという特徴もあります。
優しい人も同じように、相手の意見を否定せず、誰に対しても公平にコミュニケーションを取れるので、優しさは「おおらかな人」と言い換えられます。
おおらかな人は周囲から信頼されやすいため、頼りになる存在であるという印象を与えられるでしょう。
素直
優しい人は、人の意見を素直に受け入れられる傾向があります。
また素直な人は、自分の意見を必要以上に突き通さず、必要であれば柔軟に人の意見を取り入れられるため、周りの人よりも早く成長しやすいです。
成長が早ければ、早い段階から活躍でき、どんどんキャリアアップしていけるので、企業から見ても魅力的な存在だといえるでしょう。
このように、優しい人と素直な人は似た性質をもっているため、優しさは「素直」と言い換えられます。
【長所:優しい】 優しいことを長所で伝える際のポイント
長所で「優しさ」をアピールする場合は、十分に注意しなければ、マイナスイメージになりかねないことはわかりました。
それでは、具体的にどういった形でPRすれば「優しさ」という特性を有効活用できるのでしょうか。
「優しさ」を長所に用いる際のポイントは5つあります。
まずは、自分が採用担当者に伝えたい「優しさ」とは何か、詳しく分析するところから始めましょう。
そして、その「優しさ」をねらい通り伝えるには、どんな情報が必要になるのかを考えることが大切です。
- 「優しい」以外の言葉でも説明できるようにする
- 優しさが発揮されたエピソードを用意する
- 優しさをどのように仕事へ活かすかを考える
- 優しさが短所にならないよう注意する
- ひとりよがりな優しさではないかチェックする
「優しい」以外の言葉でも説明できるようにする
「優しさ」を長所に使用する際は、「優しい」以外の単語でもその性質を説明できるようにしましょう。
「優しさ」には、「大らか」「素直」「気づかいができる」「穏やか」「愛想が良い」「親身、世話好き」といった複数の性質や方向性が含まれています。
それを1に絞って具体的な単語に置き換えられるということは、自分の特性を正しく理解しているということです。
ねらった意図で「優しさ」を印象づけることができるうえ、自己分析がしっかりできているというプラスの評価も得られるでしょう。
そのためには、過去の行動や考え方をもとに自己分析を行って、適切な単語を用意する必要があります。
自分自身への理解を深め、その「優しさ」をほかの適切な言葉で説明できるように準備をしておきましょう。
優しさが発揮されたエピソードを用意する
「自分は優しい」という主張を補強するために有効なのは、その優しさが発揮された具体的なエピソードを用意することです。
わかりやすい事例があれば、そこから実際の性質を想起しやすくなります。
一方、採用したエピソードが「人として当然のこと」になっていないかは確認しておく必要があるでしょう。
「お年寄りに公共交通機関の席を譲った」「小さい子にお菓子をあげた」など、一般的に「それはやって当たり前」というイメージのある行為をわざわざ「優しさ」を強調するために語ると、「恩着せがましい」といったマイナスイメージにつながってしまいます。
選んだエピソードから受ける相手側のイメージを想像しながら、話す内容を考えましょう。
優しさをどのように仕事へ活かすかを考える
採用担当者があなたの性格や性質について知りたいのは、その性格・性質が、仕事にどういう影響を与えそうなものであるかを判断したいからです。
したがって、単に「私は優しい性格をしています」という内容だけではその判断ができません。
「私は優しい性格をしており、その優しさは仕事をしていくうえで、このような形で役に立つと考えています」といった、将来的な展望を織り込んだ情報を渡すことで、始めて有効なアピールとなります。
その際、企業の求める人材のイメージとマッチした内容にできるとなお良いでしょう。
採用担当者には、「この人物はうちの企業に必要な人材である」という印象を残すのが重要になります。
自分の優しさという性質で得られる業務上の成果を、採用担当者が想像できるようなアピールを考えることが大切です。
優しさが短所にならないよう注意する
「優しい」という性質を長所で使用するならば、その優しさが短所になってしまわないよう気を配る必要があります。
多くの場合、長所と短所とは紙一重です。
たとえば「大らか」という長所は「危機感がない」「何も考えていない」という印象に、「気づかいができる」という長所は「主体性がない」「自己主張ができない」という印象になってしまうこともあります。
また、ほかにも「優柔不断」「恩着せがましい」「適当でいい加減」という印象をもたれる場合もあるでしょう。
選んだエピソードや伝え方によっては、そういったマイナスのイメージをもたれかねないのです。
自分が伝えたい特性について、もたれやすいマイナスイメージをきちんと把握したうえで、それをくつがえすような話作りが必要になります。
ひとりよがりな優しさではないかチェックする
長所に「優しい」という性質を用いる際は、それがひとりよがりな優しさになっていないか確認することも大切です。
「優しさ」とは、複数の性質をひとまとめにした抽象的な概念です。
自分では「私のこの性質は優しさだろう」と思っていても、人によってはそう感じない場合もあります。
長所の際も、「私は自分自身についてこう思っている」という主張だけでは、ひとりよがりな評価だと思われかねません。
そこで、友人や家族あるいはバイト先の人など、自分以外の第三者からもらった評価をPRに盛り込んで、主張に客観性をもたせる必要があります。
また、一度考えた長所の内容を本番前にほかの人にチェックしてもらい、どんな印象を受けたか意見をもらうのも良いでしょう。
【長所:優しい】優しいことを長所でわかりやすく伝える構文
優しさを言い換えたところで、「どのように伝えたら良いのだろう」と悩んでしまう人もいるでしょう。
どんなに素晴らしい内容でも、正しい構文に沿っていなければ、回りくどく伝わりにくい文章になってしまいます。
あなたの長所をより魅力的に伝えるためにも、構文に沿って正しく書かなければいけません。
その構文は、「結論」「根拠」「どう活かしていくのか」「結論」の4つにわけられます。
ここからは、優しさを長所でわかりやすく伝える構文について、くわしく紹介していきます。
- 結論
- 根拠
- 入社後どのように活かすか
- 結論
結論
「私の長所は〇〇です」といったように、結論から伝えるようにしましょう。
面接において、まず結論から話すのは鉄則です。
ただ単に「優しいところ」ではなく、どのように優しいのか、言い換え表現を用いて具体的に述べることで、誰が聞いてもわかりやすく長所を伝えられます。
ここでの結論は、できるだけ端的に伝えることがポイントです。
それにより、これから何について話すのかを理解してもらいやすく、その後に続く内容が頭にスムーズに入ります。
根拠
優しさを長所としてアピールするからには、面接官にあなたの優しさが、成果を上げるのに活かせることを納得してもらう必要があります。
そのため、これまでの優しさを活かして、成功した経験を伝えましょう。
その経験が「アピールとして弱いかもしれない」と感じる場合もあると思いますが、ひとつのエピソードにこだわる必要はなく、具体的に根拠を伝えられるのであれば、複数のエピソードを述べても構いません。
根拠が具体的であればあるほど、信頼度が高まり高評価につなげられます。
入社後どのように活かすか
選考における長所は、性格的な特徴だけでなく、再現性をもたせるのも重要です。
あなたの優しさが、実際に仕事に活かされている姿を想像させることで、「ぜひ採用したい」と面接官の心をつかめます。
どのような種類の優しさであっても、ほとんどの企業で必要とされますが、事前に業界・企業研究を怠らず行い、企業が必要としている人材を把握しておきましょう。
企業が必要とする人材と、あなたの優しさを結びつけられると、企業に対する熱意もアピールできて高評価につなげられます。
結論
最後は、冒頭で伝えた内容と相違がないように、あらためて結論を伝えましょう。
あらためて結論を述べることで、「何をアピールしたいのか」をしっかりと印象に残せます。
ここで、冒頭の結論とぶれが生じてしまうと、信頼性のない長所となってしまうので注意しなければいけません。
最後の締めくくりで全体の印象が決まるといっても過言ではないので、最後にしっかりと見直し、長所である優しさをアピールできているのか、誰が見ても理解できる内容であるかの確認も忘れずに行いましょう。
【長所:優しい】優しいことを長所で伝える際の例文
優しさにはさまざまな種類があり、その性質ごとに選ぶべき言葉やエピソードは異なります。
選考で優しさを伝えるためには、先ほども伝えた通り、わかりやすく伝える構文に沿ってアピールしていきましょう。
しかし、言い方次第では、短所と受け取られてしまう可能性もあります。
たとえば、優しさをおおらかな人と表現した場合、寛容なことから「几帳面さが足りない」などと判断される可能性があります。
また、素直な人と表現した場合、人の意見を素直に受け入れることから「自己主張ができない」「人に流されやすい」と受け取られてしまう可能性があるため、伝え方には十分な注意を払わなくてはなりません。
ここからは、長所として優しさを伝える際の例文を3つ紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- おおらか
- 気遣いができる
- 素直
例文①おおらか
私の長所は、大らかで感情的になりにくい点です。
うまくいかないことやトラブルがあっても、他人のせいにしたりマイナスの感情を表に出したりすることなく、明るく人と接することを心がけています。
学生時代には、文化祭の本番に向けて準備をする中、思ったように進まずにクラス全体がピリピリしてしまいました。
その際、常日頃から心がけている通りに明るくクラスメイトを励まし、トラブルに対する大らかさで場を和ませることで、クラス全体のやる気を取り戻せました。
このとき、クラスメイトの1人からは「あなたのおかげでクラスの雰囲気が明るくなった」と言ってもらうこともできたのです。
御社に入社した際は、この大らかさを活かして業務に取り組み、現場で働くメンバー全員が仕事のしやすい環境を作っていきたいと考えています。
例文②気づかいができる
私の長所は、周りをよく見て仲間への気づかいができるところです。
チームで物事にあたる際は、チーム内の雰囲気作りが重要であると考え、気づいたことがあれば積極的に声をかけるようにしています。
ゼミでの議論の際はほかの人の発言に押されてうまく輪の中に入れない人がいれば、あえて語りかけることで意見を聞き出したり、ゼミの予定を全員に伝えるため、LINEのグループでまとめたりしていました。
その甲斐あって、卒業式ではゼミのメンバーから感謝の言葉をもらったことが印象に残っています。
御社に入社したら、この長所を活かして困っているメンバーへ積極的に声をかけ、協力して問題を解決し、助け合いながら業務を遂行していきたいと考えています。
例文③素直
私の長所は、素直に相手の話を聞ける点にあると考えています。
指摘されたことや教えてもらったことをどんどん吸収することで、自分の糧にしていけるからです。
学生時代のバイト先は、オーナーが大変きびしい人でした。
しかし、私はオーナーを避けるようなことはせず、教えを素直に乞うことで仕事を着実に覚えていくことを選びました。
正直にわからないことをたずねると、オーナーもしっかりそれに答えてくれます。
そのおかげで、最終的にはバイトリーダーにまで登り詰め、店舗の売り上げに貢献できました。
御社に入社したあとも、わからないことは先輩社員の方に素直に尋ね、できることを1つずつ積み重ねていくことで、業務に貢献していきたいと考えています。
おわりに
ここまで、就職活動で「優しさ」をアピールポイントとして活用する際に、気をつけたい点やコツについて解説してきました。
「優しい」という性質は曖昧かつ抽象的ですが、その分多くの切り口をもったポテンシャルの高い特性でもあるのです。
伝え方を工夫すれば、あなたの魅力を採用担当者へ的確に伝えられる特徴といえます。
「優しさ」という特性を長所で使用する際の注意点やコツを理解して、就職活動の成功を目指しましょう。
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