エントリーシートでは、力を入れたことや印象に残ったことなど、学生時代のエピソードについて質問されることが多々あります。
課外活動についてエントリーシートに書くときは、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。
そもそも課外活動とは?
課外活動とは、学校の授業以外での活動全般を指します。
大学生であれば、サークルに所属したりアルバイトに勤しんだりした経験もあるかもしれませんが、これも課外活動です。
学園祭の実行委員会などもそうです。
また、就職活動を見据えてインターンに参加するのも立派な課外活動ですし、資格取得のための勉強や留学も課外活動と言って良いでしょう。
ボランティア活動への参加も課外活動として認められているので、エントリーシートに課外活動について答える質問があったら、ボランティアへの取り組みについて書いても問題ありません。
意外なところでは、趣味の活動も課外活動の1つです。
もしも、趣味の活動を通して学んだことの中に、企業に対してアピールしたいことがあるのなら書いてもかまいません。
エントリーシートに課外活動について書くのがおすすめな理由
エントリーシートには、自己PR、志望動機、仕事で頑張りたいことなど、企業側の指定した内容を記載し提出する必要があります。
エントリーシートにどのテーマを取り上げるかは基本的には自由であるため、課外活動について取り上げることも可能です。
ここでは、エントリーシートに課外活動について書くことがおすすめな理由を紹介していきます。
自己PRのテーマとして課外活動を書けないかと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
1.社会人スキルがアピールできる
エントリーシートに課外活動について書くのがおすすめな理由として、社会人スキルがアピールできる、というものがあります。
就活生は社会人ではないため、「そもそも社会人スキルはまだ必要ないのでは?」と考えてしまうかもしれません。
しかし、社会人スキルというものは、簡単に短時間で身につけられるものではありません。
そのため、採用担当者が就活生に求めているものの一つに、社会人としてのスキルが含まれているのです。
課外活動の経験エピソードから、リーダーシップ、コミュニケーション能力、サポート能力など、社会人に求められているスキルをアピールすることが可能です。
自分の行った課外活動からどんな社会性が身についたのか考えてみましょう。
2.成果から能力をアピールできる
課外活動で成果を出したことがある人は、自分の能力をアピールすることもできるので、エントリーシートに記載しておくことをおすすめします。
エントリーシートには、課外活動で具体的にどんな経験をして、どんな能力をつけることができたのかが伝わるエピソードを記載するように心がけましょう。
毎日どれくらい努力したのか、困難をどのように乗り越えたのかなど、成果を出した過程をまとめましょう。
また資格や受賞歴など具体的な成果がある場合、選考通過率がグッと上がることもあります。
ただし、いくらたくさんの資格や受賞歴を持っていても、全てを披露する必要はありません。
課外活動の成果から仕事に繋がるような能力をアピールすることを忘れないようにしましょう。
就活でアピールできる課外活動一覧
ここからは、就活でアピールできる課外活動を紹介していきます。
課外活動は、学業以外の活動となりますので、学生であれば、参加していた人も多い課外活動ばかりです。
難しく考えすぎず自分も経験した課外活動をぜひ活用してみてください。
複数の課外活動に参加していた人は、その中でも特に力を入れていたものや、より成果が高いもの、社会人としての能力をアピールできるものなど、就活でより効果的な課外活動を選択してみてください。
1.サークル活動
就活でアピールできる課外活動として挙げられるのがサークル活動です。
サークル活動によっては、自分の役割がはっきりしていたり、大人数のグループで活動していたり、社会人としての能力をアピールできるポイントが豊富にあります。
スポーツ系でも文化系でも、サークル活動の中でリーダーシップ性、計画性、コミュニケーション能力、責任感などが身についたことをアピールすることができます。
社会人としても役に立つ能力ばかりなので、採用担当者の人にも高く評価してもらえるはずです。
サークル活動についてガクチカを書きたいときはぜひこちらの記事を参考にしてください。
2.ボランティア活動
ボランティア活動も学生時代に参加した人も多く、就活で活かすことができる課外活動の一つです。
ボランティア活動に力を入れている企業も多く、ボランティア活動の内容によっては、企業のプロジェクト内容とリンクする場合も多くあり、高く評価してもらうことができます。
ボランティア活動では、「ただ人助けをした」という事実だけでなく、しっかりと課外活動を通して養われた能力をアピールしましょう。
ボランティア活動において、社会貢献への意欲、協調性、コミュニケーション能力、問題解決能力などをアピールすることができます。
ボランティア活動をアピールしたい際はこちらの記事を参考にしてください。
3.委員会活動
就活でアピールできる課外活動の中には、委員会活動もあります。
委員会活動は、大学という大きな組織をまとめたり、イベントを成功させたりと、大きな成果をアピールできる課外活動となります。
また、委員会活動の中で行う資料やホームページ政策を通して企画力、文章力、デザイン力、チームワークなどをアピールすることができます。
仕事の即戦力になれるとまでは言えませんが、自分のアイディアや周りの人の意見を具体的に形にできることを高く評価してもらえるはずです。
4.アルバイト
多くの人が学生時代に経験するアルバイトですが、就活でも身につけた能力をアピールすることができます。
アルバイトを通して、顧客対応力、コミュニケーション能力、チームワーク、責任感などが身についたことをアピールしましょう。
またアルバイトの業務が企業の仕事に関連している場合には、その点もアピールするといいでしょう。
また、アルバイトの中で売上に貢献したことや、バイトリーダーなどの役割を与えられた場合には、エピソードに含めると、より高い評価をもらえるはずです。
アルバイト経験をアピールしたい際はこちらの記事を参考にするのがGOODです。
5.資格取得
就活でアピールできる課外活動には、資格取得をしたことを採用することもおすすめです。
資格といっても、選考した学部で自動的に取得できる資格よりも、自主的に取得を目指した資格についてアピールするといいでしょう。
資格取得によって、目標達成力、英語力、向上心などを採用担当者に分かってもらうことができます。
どのように努力したのか、毎日どれぐらい勉強したのか、困難をどのように乗り越えたか、など具体的なエピソードを含め、資格取得の課外活動についてまとめていきましょう。
就活に活かせる資格について知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
6.留学
就活では留学を通して身につけた能力や成果もアピールポイントとなります。
留学の期間が短期でも長期でも、成果が大きいのであれば、留学期間を気にしすぎる必要はないでしょう。
留学を通して、国際的な視野、適応力、英語力、コミュニケーション能力などをアピールすることができます。
近年留学をする学生は非常に多いため、できるだけオリジナリティーのあるエピソードを交えて、留学中の努力や成果を語るように心がけましょう。
留学をガクチカとしてアピールしたい際はこちらの記事を参考にしてください。
7.その他
上記に当てはまらない課外活動も、成果や社会人としての能力が身についた活動であるのであれば、就活でのアピールに使うことができます。
特に、企業の仕事内容に結びつく課外活動は、一般的な活動でなくてもアピールとして使うことをおすすめします。
アピールのコツは、活動内容だけでなく、その活動を通じて何を学んだのか、どう成長したのかを伝えることが重要となります。
また、具体的な成果を数字や順位などで示したり、日々の努力を数字で示したりすると、努力が伝わりやすくなります。
課外活動についてアピールするポイント
課外活動についてエントリーシートでアピールする際は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
まず、人と違った珍しい体験をしただけでは社会人として通用しません。
また、同じような体験をした学生はたくさんいるはずで、ほかの人との差別化も難しいでしょう。
「私はこんな体験をしました」と、体験そのものについてアピールしてもだめなのです。
それを通じて自分がどう成長したのかについて述べ、企業に好感度を与え、就活を有利に進めていきましょう。
課外活動を通して何を学んだのか
企業に伝えるべきことは、課外活動を通して何を学び、どのように自分を成長させられたかです。
エントリーシートは珍しい体験を自慢する場ではありません。
むしろ体験した内容は珍しくなくても、まったく問題ないでしょう。
たとえば、アルバイトの経験であればよっぽど珍しい職場に勤めない限り、大学生の間に経験できることはたかが知れています。
たいていの学生が似たような生活を送り、就活の時期を迎えています。
つまり、企業が見ているのは活動内容ではなく「学び」です。
「ほかの学生にはできなかった自分だけの学び」、これがアピールすべきポイントです。
同じような活動の中で、どれだけほかの学生と学びの差をつけられたかが、就活で成功するカギと言っても良いでしょう。
経験をどう活かせるのか
いくら知識があってもそれを実践に活かせなければ意味がないように、経験もそれを活かせなければ意味がありません。
あなたが課外活動で得た経験は、今後どう活かせるのでしょうか。
実のところ、企業が知りたいのは内容そのものではなくそこなのです。
経験をどう活かすのか、それがどういったところで役立つと考えるのかを、エントリーシートで述べましょう。
体験の内容は似通っていても、そのあとどう活かしていくのかは、その人次第でもあります。
得た知識を直接活かす場面はなかったとしても、働く際の姿勢は変わってくるものでしょう。
せっかくの課外活動も、単なる学生時代の思い出にしかならない人もいますが、自分はそうでないことを理解してもらいましょう。
具体的なエピソードを添える
課外活動ではどんな出来事があったのでしょうか。
どなたにでも、印象に残ったエピソードがいくつかあるはずです。
そういった具体的なエピソードを添えると、内容により説得力が増します。
わざわざ感動的なエピソードを探したり、特別な成功体験を語ったりする必要もありません。
困難を乗り越えたことよりも、どうやって乗り越えたのかという過程や、つらい状況下でどうメンタルを保ったのかというエピソードのほうが、あなたの人としての魅力を伝えてくれます。
自分にとってはささいな取るに足らないようなことでも、企業からすれば大変興味深い内容かもしれません。
企業があなたという人間に興味をもち「もっといろいろ聞いてみたい」と思うようなエピソードを紹介してください。
確認しておきたい注意点は?
エントリーシートで課外活動について語る際は、注意点もあります。
ここであげる注意点を守らないと、どんなにすばらしい経験や学びがあったとしても、それが企業に伝わりません。
それどころかかえって悪い印象を与えてしまい、選考で不利になる可能性もあります。
エントリーシートの内容をもとにして面接が進んでいく場合もあるので、自分が書いた内容については、自信をもって話せるようにしておきましょう。
ここでは気をつけるべきことについて、2点紹介するので参考にしてください。
嘘はつかない
当たり前のことですが、嘘をついてはいけません。
実際は参加していないのに、参加していたように振る舞うのはNGです。
「当然のことだろう」と思われる方がほとんどでしょうし、ネタが見つからないことに焦って、嘘をついてしまうケースもあります。
話を誇張するのも、やっていることは嘘をつくのと同じです。
面接で深掘りされてうまく答えられないなど、嘘や誇張は必ずばれてしまいます。
平気で嘘をつくような人間のことを、誰が採用したいと思うでしょうか。
「就職したあとも、平気で嘘をついてごまかすのだろう」と思われても仕方がありません。
嘘や誇張は避け、本当に体験したことを正直に伝えましょう。
自分では「書くべきことではない」と思っていても、案外ネタとして使える出来事もあったはずです。
文章を客観的にとらえる
あなたが書いた文章は、読む相手のことを考えた文章になっているでしょうか。
エントリーシートの文章は、誰もが読んで理解できる内容でなければなりません。
そのためには、客観的な視点で文章を書く必要があります。
たとえば、専門用語を多用するとその課外活動に無縁な人にとっては、決して親切な文章とは言えません。
実際に活動していた人であれば知っていて当然かもしれませんが、関係のない人にとっては未知の用語かもしれないのです。
それでは伝えたいことが正しく伝わらないおそれもあるばかりか、読んだ人にストレスを与えるおそれもあります。
エントリーシートを提出する前に、相手の立場になって客観的な視点で自分の書いた文章を見直してみてください。
課外活動を使った例文
私はダンスサークルに所属し、力を入れてきました。
まったくの初心者でしたが、高校生のときからずっと興味があり、大学入学とともにダンスサークルに入ったのです。
最初は経験者である同期にさえついていけなくて、辞めようと思ったことが何度もありました。
自分がメンバーの足を引っ張っているように思えて、とにかくつらい日々でした。
憧れだけでダンスは踊れないということを実感する日々でしたが、今になっては、その経験が自分の糧になっていると思えます。
有名なダンスコンテストにも一度きりの人生だと思いチャレンジし、日々の練習でも経験者に追いつくため、地道に努力し続けました。
同じく未経験の後輩もできたので、簡単な振り付けさえ満足に踊れなかった自分だからこそできるアドバイスを心がけています。
そのような努力を積み重ねた結果、最後の発表会では大きな舞台でパフォーマンスをすることに成功しました。
この経験を今後でも活かし、貴社でも地道に努力することで戦力になれる人材になりたいと考えています。
まとめ
課外活動は大学生の多くが何かしらの体験をしていますが、そこから何を学び、それをどう活かしていくかが大切です。
自分から動かなくては参加できないため、自分の行動力や主体性をアピールする良い材料となります。
具体的なエピソードを織り込むことで、さらにあなたの良さが企業に伝わりやすくなるでしょう。
ただ、してこなかったことをいかにも経験したように表現するのはやめましょう。
深掘りされたときに答えられず嘘がばれてしまうからです。
また、文章には客観性が必要であり、専門用語などを使いすぎないように注意してください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート