この記事では、自己PRで「提案力」をアピールする時のポイントと例文を紹介します。
提案力があれば、集団の中で意見を言う力があるのではないか、というイメージを持たれやすいと考える学生も多いですし、実際に提案力がある人間は企業に重宝されます。では、就活の面接で提案力をアピールするためにはどのように話をすれば良いのでしょうか。
うまく提案力を自己PRしたい、ESや面接の自己PRで提案力を伝えて通過したい、という方はぜひ参考にしてください。
【提案力を自己PR】企業が自己PRを聞く理由
企業は自己PRを通じて応募者の性格や価値観といった人柄と、ポテンシャルの高さをスキルや経験から知りたいと思っています。自己PRに使うエピソードには、具体的な体験を細かく伝えることで人柄が伝わりやすくなります。
また、エピソードから得たスキルや経験には再現性があり、入社後も生かせることが重要です。自己分析から強みと共にエピソードを掘り起こし、企業研究を行い企業にマッチした自己PRを行いましょう。
【提案力を自己PR】提案力がある人の特徴
提案力とは、提案力という一つの能力というよりも、さまざまな能力が組み合わさることで発揮される能力です。また、提案力がある人は、営業職やコンサルタントに向いていると言えるでしょう。
というのも、営業職やコンサルタントともに、お客様やクライアントと自社との間に立つ立場になります。そのため、相手の意向を汲みつつ、自社の利益も考え、win-winになるような提案をしていくことが求められるからです。
ここからは、提案力がある人の特徴を具体的に解説していきます。
課題解決能力が高い
1つ目の特徴として、課題を発見する能力や解決できる能力が高いです。
たとえば、クライアントに自社との新しい事業を提案するとします。その場合、まず自社からどのような内容なのか説明を求められるでしょう。
問題がなければ、次にクライアントから内容はもちろん、どのような利益があるのか説明を求められることになります。
ここまでの段階で、スムーズにアプローチするにはシミュレーションすることが必要不可欠です。相手からどのような反応が返ってくるか考えていく過程で、自然とその提案の中にある穴を埋めていくことになります。すると、同時に発生が予想される課題や問題に対する解決策やどのような対応が必要か見えきます。
常に複数のもののバランスを考えながら、最善策に向けて詰めていく過程で身についていくのです。
人の話を聞くのがうまい
2つ目の特徴として、人の話を聞き、その人の抱える問題やニーズを考えることができます。提案力が求められる場面では、さまざまな条件である場合やニーズを前提に、提案をお願いされる場合がほとんどです。
まずは、前提とされる理由であることやどうしてその内容に至ったのかを理解を深める必要があります。人の話を聞くのがうまい人は、実際に当事者の声に耳を傾け、寄り添うことで、最善の解決策を導き出すことができるのです。
しかし、それは一概にただ状況を理解できることや共感できるということだけではありません。客観的な視点から冷静に物事の本質を捉えることで、何が最善となるのか見極めることができるということでもあるのです。
人に自分の考えを伝えるのがうまい
3つ目の特徴として、人に自分の考えを伝えるのがうまく、仕事においてもプレゼンなどでその力が役立ちます。
いかに相手にわかりやすく、自分の考えを伝えて惹きこむことができるか、という力がプレゼンでは重要です。人の話をよく聞き、理解し、寄り添うことができ、自分の考えと相手の考えとのバランスを取ることができます。
そのため、相手に、より自分の考えを的確かつ、効果的に伝えることができるのです。
また、どうしたらより相手の目に魅力的に映るかという点に関しても、思い描いた自分を魅せることができます。提案に至った経緯から、概要、結果として生み出される効果まで、一通りの流れを策略的に考えることもできるのです。
【提案力を自己PR】提案力が発揮されるビジネスシーン
提案力は、ビジネスの様々なシーンで重大な役割を果たします。市場や顧客のニーズや問題を理解して、それを満たし課題を解決する取り組みを提案する能力は多くの場面で重宝されています。特に、新規事業の企画や提案、業務改善の提案、顧客への提案などの場面ではこの提案力の発揮が期待されるでしょう。
ビジネスはチームでの協働が基本なので、どんなに素晴らしいアイデアでも提案が受け入れられなければ実現は難しいのです。
ここでは、具体的にどのような場面で提案力が発揮されるのかをご紹介します。
新規事業の企画や提案
企業にとって新規事業の成功は、成長と発展の要になる重要な要素です。そのため、新規事業の企画や提案ができる提案力は、非常に大きな価値を持ちます。
例えば、エコフレンドリーな製品ラインの開発や、デジタルマーケティングを駆使した新しい顧客獲得戦略の提案などが考えられます。新規事業を立ち上げる際には、ビジネスモデルを一から企画し、効果的にプレゼンテーションする高い提案力が求められます。ただ創造的なアイデアを出すだけでなく、実現可能で周囲を巻き込んで計画を実行できることが成功の鍵となります。
効果的な提案は市場のニーズを正確に理解し、それに基づいた実行可能なビジネスプランを構築することで成り立っています。

新しいことを提案できる力は、自らのキャリアチャンスを広げることにも繋がります。自信がある方は将来を考えた上でアピールしてみても良いですね。
業務改善の提案
効率化や生産性向上はどの企業にとっても重要な経営目標です。この目標を達成するためには業務改善の提案が有効な手段です。
業務改善には、まず現状の業務を見つめ直して課題の洗い出しが必要です。そのため、日々の業務プロセスを詳細に把握し存在する課題を明らかにします。そして、会社や事業部全体の生産性をより効率的に改善するための改善策を検討します。
例えば、業務プロセスの変更や短縮、品質の向上、コスト削減といった具体的な方法です。
課題発見と実用的な解決策の提案能力が、ここでの成功の鍵です。そのためには日常業務の流れを深く理解することや、周りの声を聞いてどうすればもっと良くできるか考える習慣が大切です。
顧客への提案
ビジネスシーンにおいて顧客への提案は企業の成長と直結する重要な活動で、高い提案力が求められます。
日々の業務では顧客へ自社の製品やサービスを提案することや、販売したいシステムを提案することがあります。そのとき、顧客のニーズを引き出してどのような製品やサービスが顧客の要望を満たしているか考えて提案する力が求められます。
例えばミレニアル世代が好む親しみやすいデザインの家電製品を提案するなどです。
顧客のニーズや視点を深く理解し提案を行うことで、信頼関係の構築と顧客満足度の向上が期待できます。優れた提案力を発揮することで顧客からの信頼を勝ち取り、結果として企業の信頼と業績の向上に繋がります。

営業職、コンサル職などは、まさに提案力を必要とする職種だといえます。ここで紹介した新規事業の企画や提案に関わるだけでなく、業務改善の提案、顧客への提案の全てを行うことになります。営業職やコンサル職にエントリーする方は、求められているスキルとマッチするかと思いますので、ぜひ積極的に提案力を自己PRしてみてください。
【提案力を自己PR】自己PRの作り方
企業に評価される自己PRを作るためには、いきなり文章を書き始めてはいけません。まずは、自己PRを効果的に伝える文章構成を考える必要があります。
そして、提案力という言葉だけでは差別化ができないため、自分の個性に合った言い換えの言葉を考えます。その提案力を印象付ける具体的なエピソードを例文などを参考にして決めます。
このような順番で考えることで、オリジナリティのある自己PRができあがるでしょう。
1. 構成を考える
いきなり文章を書き始めないようにしましょう。まずは構成を考えることが大切です。文章の冒頭で結論を明確に伝えます。
これにより、学生がこの文章で主張したいことを理解した上で読み進められます。
次にエピソードを述べます。結論に至った経験をできるだけ具体的に述べることで、納得度と信憑性が高まります。
最後に企業にどのように貢献するのかをアピールします。結論とエピソードからの学びは他の場面でも発揮できる強みであり、それを生かして具体的な事業内容などを上げて伝えます。
どんな順番で文章を構成すると最も企業に響くのかを考える準備が自己PRの完成度を高め、志望度の高さと企業への理解度が企業に伝わりやすくなるでしょう。

自己PRでは構成がとても大切です。企業の人事は何百、何千人ものESに目を通すので、構成次第では全く頭に残らない自己PRになってしまいます。構成のコツをおさえた自己PRを作成できるように練習しましょう。
2. 提案力の言い換えを考える
提案力があると述べるだけでは、やや具体性が不足していることがあります。自分の提案力は、どのように言い換えることができるのかを考えてみましょう。
提案力をより印象的に伝えるためにはどのような力につながっている提案力なのか、特徴を捉え伝えることが大切です。
「創造的なアイデアを生み出す発想力」「相手の言葉を理解し、適切に応えることができる傾聴力」「複雑な状況や情報を素早く捉え、解釈する理解力」
このような言い換えをすることで提案力の具体性が補われて、実際の業務でどのように役立つのかイメージが明確に伝わります。さらに、他の就活生と差別化になり企業の印象に残るでしょう。
3. 例文をもとにエピソードを決める
自分の提案力が際立った印象的なエピソードを選ぶことが、自己PRでは重要です。
過去の出来事に注目した自己分析を用いるなどして、できるだけ多くの経験とその詳細を深掘りして整理します。そして、いろいろな例文を参考にしながら、どんなエピソードを伝えるかを考えると良いでしょう。
その際重要なのは、結論部分で述べた提案力の裏付けになる内容であることです。
また、企業が状況をイメージしやすいように、専門的な単語や言い回しを避けるようにしましょう。できるだけ数字を使うなど、客観的な判断ができる内容が望ましいです。
これらの点に注意してエピソードを選ぶことで、面接官に強い印象を残す自己PRになります。
【提案力を自己PR】提案力を伝える際の構成
ただ提案力がある、という主張だけでは、企業にどのような影響をもたらすのかが曖昧です。より的確に自分の主張を伝えるためには、結論→エピソード→貢献、という構成で話を進めていきましょう。
大切なのは、企業側に自分が入社した後の様子をイメージしてもらうことができるということです。どのような内容を話していけば良いのか、よりイメージしてもらいやすいのでしょうか。
結論→エピソード→貢献の流れに沿って、具体的に解説していきたいと思います。
結論
最初に「私の長所は提案力があることです。」と一言で述べると良いです。結論から先に伝えることで、これから何についてPRしていくのかが相手にはっきりと伝わります。
アピールしたいその提案力が現在どのように活きていて、これからのビジョンとどう絡んでいく想定なのか伝えましょう。
ここでポイントとなるのが、アピールしたい提案力と自分の希望する仕事の内容がマッチしているのかということです。実際に自分が希望する仕事の業務内容と自分のPRしたい提案力の方向性が違う場合、PRにつながりません。
この後、つながってくるエピソードと貢献の導入となる重要な部分になりますので、話の辻褄が合うように注意しましょう。
エピソード
エピソードというのは具体的な経験談のことです。エピソードではできる限り具体的なものを用いることで提案力があることの説得力が増していきます。
内容は問題→行動→結果の流れを意識するようにしましょう。たとえば、
「チームで取り組んでいる課題で◯○という問題が発生してしまいました。チーム内で相談したところ、△△と□□という2つの改善案が出たのです。しかし、どちらも一つも案に絞るには決定打に欠けていて、チーム内でもなかなか意見がまとまりませんでした。そこで私は△△と□□のメリット部分のみを合わせ、お互いが欠点をカバーしあえるような△□という案を提案したのです。すると、それぞれの案を支持していたメンバーも、△□という案に賛同してくれました。結果的に、問題が解決するとともに、課題のクオリティをさらに上げることができたのです。」
というように、実体験に基づいているかつ、PRしたい提案力の裏付けとなるエピソードを話しましょう。
入社後にどのように貢献するか
最後に提案力が企業にどう活かせるかを述べます。事前に企業が求めている人物像を考え、それに添えるような貢献を考えましょう。
たとえば、企業がアイデア力を持つ人を求めていると仮定します。その場合でも、企業の求める人材と自分のPRしたい部分をうまくマッチさせることができるのです。
「自分は、長所である提案力を活かし、自分の培ってきた知識、経験から、たくさんのアイデアを発想、提案していきます。ただ複数の案を出すだけではなく、多数の案を足しかけすることでブラッシュアップを重ね、最良の結果につなげていけたらと考えています。」
というように、全体の話に一貫性を持たせることで、説得力のあるアピールをすることができます。
【提案力を自己PR】提案力を伝える際のポイント
提案力を伝える上で大切になってくるのが、ただ提案力があるということを伝えるだけでは効果がない、ということです。効果的に伝えなければせっかくのアピールも半減してしまいます。
そこで提案力をアピールする際のポイントをご紹介します。
相手が納得できるエピソードとともに伝える
何をやってきて、何がやれるのかについて深く考えてみましょう。自分の強みもプラスしてアピールできると尚良いです。相手に自分の良さを知らせるためには、自分が自分の良さを理解することが大切です。

自己PRでは、アピールポイントの裏付けとなるエピソードに説得力を持たせて説明することが求められます。具体的な数字を用いて、強みを発揮して活躍したエピソードをアピールすることで、より効果的に提案力をアピールすることができます。
結論から先に伝える
ダラダラ話をするのではなく、最初にどんなふうに提案力があるのかということを話しましょう。それに続いて説得力のあるエピソードを伝えることで、相手の印象に残る自己PRとなります。
他の質問に対しても、回答を先に答えるよう意識しましょう。回答全体にまとまりが生まれます。
注意する点は、提案力を求めていない会社もあるということを知ることです。
新入社員として入社してから、すぐにすごいアイデアを提案したり、企画を立てたりできるとは期待されていません。面接の中で「何か提案してください」と言われた際の準備をしておくくらいならば良いですが、面接の段階で過度に提案力を押しても、相手との間に温度差が生まれてしまいます。
相手の姿勢や、様々なケースに備えてしっかり下調べと事前準備をしておきましょう。
【提案力を自己PR】提案力をアピールする際の注意点
提案力をアピールする際の注意点は以下の3つです。
自己PRは、自分の強みをそのまま伝えるだけでは高評価につながりません。
限られた文字数や時間の中で工夫することが重要です。
今から自己PRを作成する就活生は参考にしてください。
「アイデア」ではなく「提案によって生まれた成果」を伝える
提案力をアピールする際の注意点の1つ目は「アイデア」ではなく「提案によって生まれた成果」を伝えることです。
面接はアイデアを発表する場ではありません。提案力を活用した結果、どういった成果が生まれたのかをアピールする場です。
もちろんエピソードを話す中でアイデアについて触れることがあるでしょう。しかし、メインは成果です。アイデアを提案したことでどのような成果が得られたのか説明しましょう。
成果は大きなものでなくても大丈夫です。売上の向上や全国大会出場などインパクトを重視しがちですが、問題ありません。採用担当者の評価は成果の大小で変化しないからです。
アイデアと成果はセットで伝えましょう。
提案に至ったプロセスと実行力をセットでアピールする
提案力をアピールする際の注意点の2つ目は、提案に至ったプロセスと実行力をセットでアピールすることです。単に「提案しました」だけではなく「どのような課題を見つけ、どういったプロセスで提案に至ったのか」を伝えてください。
提案力に加えて、思考力や実行力のアピールが可能です。たとえば、来客数が減少している課題に気がついたとします。提案するタイミングは、暇な時間が生まれたことを店長に相談した時が考えられます。
上記のような流れで説明すれば、具体性のある自己PRになるでしょう。
採用担当者は当時の様子をまったく知りません。想像しやすくするために、提案に至ったプロセスと実行力をセットでアピールしてください。
企業の事業課題に絡めてアピールする
提案力をアピールする際の注意点の3つ目は企業の事業課題に絡めてアピールすることです。
採用担当者に響く自己PRをするには、企業の事業課題と自分の提案力を結びつけることが重要です。たとえば「御社の〇〇という課題に対して、私はAを提案します」と具体的に伝えると、より印象に残る自己PRになります。
事業課題を知るには企業研究とインターンシップが効果的です。公式ホームページや就活情報サイトを活用することで、短時間で情報収集できます。さらに、インターンシップに参加すれば、実際に働く人の意見が聞けるでしょう。
その後、外と内から得た情報を整理し、自分の言葉にしてください。オリジナリティがある自己PRになります。
【提案力を自己PR】提案力を活かせる業界・職種
提案力が活かせる業界・職種は以下の4つです。
提案力が活かせる業界・職種を知っておくことで就活の方向性が決まります。提案力を強みとしてアピールしたいが、希望する業界や職種が決まっていない就活生は本章の解説を参考にしてください。
自分の価値観に合った職種を選ぶことで、仕事のやりがいにつながります。
営業職
営業職は、お客様の課題や悩みを解決するのが仕事です。そのためにはお客様に対して適切な提案が欠かせません。提案力がある就活生ならお客様が満足する案を提案できるでしょう。
さらに、ニーズ把握や競合他社との差別化に役立ちます。ニーズ把握は候補をいくつか提案する中で絞られてきます。提案力がなければ、候補を伝える場を設けることが難しくなるでしょう。
また、自社にしかない魅力を伝えるには提案力が必須です。提案をおろそかにすると「他社の方が良さそうだ」となり、販売機会を逃します。
営業職は契約の獲得や新規顧客の開拓が主な仕事です。提案力を駆使して、業務をスムーズに進めましょう。
企画・マーケティング職
企画・マーケティング職はさまざまな場面でプレゼンする機会があります。提案力を身につけておくことで、自分の考えを効果的に伝えられるでしょう。
たとえば、新しい商品を開発するための企画を考えたとします。社内の上司や経営層から承諾をもらうには提案力が重要です。提案力がないと、自分が考えた案の魅力や商品の良さが伝わりません。
また、自分の提案に説得力を持たせるには市場調査が必要です。お客様のニーズがどこにあるのか、トレンドは何かを盛り込むことで、提案した根拠が明らかになります。
企画・マーケティング職を希望する就活生は、提案力が成果につながることを理解しておきましょう。
コンサルタント職
コンサルタントは企業が抱える課題を発見し、最適な解決策を提案する仕事です。
誰でも思いつきそうな解決案ではコンサルタントに依頼する意味がありません。企業の経営状況や経営戦略などをきちんと調査し、分析する必要があります。
ただし、コンサルタントは分析力と同じレベルで提案力も重要です。企業の課題を分析できても解決案が伝わらないことがあります。提案力が不足しているからです。
自分の提案が、クライアントにとって有益な情報であると感じてもらう必要があります。
さらに、提案力を磨くことで信頼関係の構築に役立ちます。価値のある提案を続けることで、クライアント評価が高くなるからです。
コンサルタントを目指すなら提案力を磨いておきましょう。
エンジニア職
エンジニア職は、社内やクライアントの要望を形にする仕事です。そのため提案力は無くても問題ないと考えるでしょう。
しかし、提案力はエンジニアに欠かせません。要望を聞いているだけでは、相手のニーズを満たせないからです。
エンジニアは最新の技術と豊富な知識を持っています。クライアントが想像できないことも実現できるでしょう。そこで、提案力が効果を発揮します。
クライアントの案に対して自分の提案を加えることで、より良い案が完成します。その結果、クライアントの満足度が向上するでしょう。
エンジニア自身の技術は重要ですが、同時に提案力も必要になることを理解しておきましょう。
【提案力を自己PR】提案力は言い換えて使おう
冒頭にもありましたが、提案力という一つの能力というよりも、さまざまな能力が組み合わさることで、発揮される能力です。そのため、視点を変えることでさまざまな能力に言い換えて使うことができます。
あまり話の中で提案力と同じワードを何度も使うと、結局その本質って何?と思われてしまう可能性があります。
その時々の場面や話の内容に合わせて、適したワードに言い換え、さまざまなPRに応用できるように使いこなせるようになりましょう。
発想力がある
提案力がある人はさまざまなアイデアを考える発想力があります。発想力があるということは、視野が広く、さまざまな角度から物事を考えることができるということです。
前提となりますが、提案するにも元となるアイデアがなければ提案していくことができません。つまり、提案力があるということは、アイデアを生み出す力が備わっているということになるのです。
発想力はどんな職種でも活かすことができ、重宝され、身につけておくに損はない力です。
傾聴力がある
傾聴力があるということは、人の話を聞くことがうまいということです。しかし、この言葉を用いる際は面接でも傾聴力があることを示す必要があります。
つまり、面接中も言葉の意味を理解するだけでなく、相手の表情や細かな仕草の意図を汲む必要があるということです。
詳しく知りたいという方はこちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
物事を客観的に考えることができる
物事を客観的に考えることができるということは、物事を一方的ではなく、多角的に見て考えることができるということになります。
もちろん、しっかりと自分の意見が言えることや主観は大切です。しかし、一歩離れたところから客観的に物事を捉えることで、主観だけでは見えてこなかったものが見えてきます。
日常生活でも大切なことですが、主観だけでは成り立たない仕事の中では、特に客観視できる力は必要となってくるでしょう。
好奇心旺盛である
提案力は、好奇心旺盛であるとも言い換えられます。好奇心旺盛な人は様々な新しいことや未知のことに興味を持ち深掘りすることで、新たな知見や知識を得られます。
これらの発見は従来の方法に囚われない新しい視点を生み出し、革新的な提案へと繋がります。
また、多様な分野における知識と理解は、問題解決プロセスにおいても重要な役割を果たし、創造的なアイデアの提案に貢献するでしょう。
理解力がある
提案力がある人は、理解力があるとも言えます。
理解力がある人は知らない事柄に直面した場合、それを深く理解しようと努力します。
そのため、知識をますます蓄えることになり、この新たに理解した知識を活用して従来は解決が困難だった課題への提案を可能にします。
つまり、理解力は情報を深く分析し、それを基に創造的な提案を生み出す強力な基盤となるのです。
入社直後は学ぶことが多く、理解力があることは評価されるでしょう。
粘り強い
提案力は、粘り強いとも言い換えできます。多くの場合、より良い状況や成果を得る探求心から提案が行われます。
例えば、新しいプロジェクトの提案を考案する際、一度の失敗や困難であきらめずに粘り強く取り組む姿勢が要求されます。提案した内容が達成するまで継続する様子は、粘り強さの現れといえます。
このように困難や失敗にもめげずに粘り強く最後までやり遂げることができるのが、提案力のある人の特徴と言えます。
企画力がある
提案力は企画力があると表現できます。提案する時点で自分の考えを持っているからです。
また、提案力から企画力に変更することで単純に意見を出すだけではなく、実現可能な形に落とし込む能力を持っているアピールになります。
仕事は提案するだけでは採用されません。自社の利益が見込める形に修正し、プレゼンする必要があります。そのため、企画力は提案力とセットで重要です。
学生時代にイベントを企画した経験がある就活生は、提案力を企画力に言い換えることが可能です。どういった内容を企画し、その経験から何を得たのか採用担当者にアピールしましょう。
創造力がある
創造力は、新しいものを生み出す力をアピールしたいときに言い換えられます。
提案力だけでは自分の考えを伝えるのが上手い就活生といった印象になるでしょう。しかし、創造力に言い換えることで、新しい企画やイベントが考えられる人材だとアピールできます。
企業は新しい商品やサービスを開発することで売上を伸ばします。そこで創造力が効果を発揮します。今まで思いつかなかった案を創造することで、社内に新しい風が吹くでしょう。
創造力は企業の発展に欠かせないスキルです。創造力を武器にしたい就活生は提案力から言い換えてみましょう。
創造力について興味のある就活生は、こちらの記事を参考にしてください。
行動力がある
提案力から行動力に変更することで、主体性のアピールになります。
もちろん提案力のある人の内、主体性がある人もいるでしょう。しかし、提案力だけでは採用担当者に伝わりません。ほとんどの場合が初対面であり、採用担当者は自分のことを何も知らないからです。
そこで行動力について自己PRすることで主体性がアピールできます。さらに、積極的に課題解決に取り組む姿勢も伝えられます。
行動力はアピールできる要素の多い能力です。提案力だけでは物足りないと感じる就活生は、行動力に言い換えてみましょう。
行動力を用いて自己PRしたい就活生は、こちらの記事を参考にしてください。
コミュニケーション能力がある
提案力よりも、コミュニケーション能力をアピールすることで得られるメリットが多くなります。
働くうえでは提案力よりもコミュニケーション能力の方が重要です。提案力は自分から相手に伝える力になります。
しかし、コミュニケーション能力は双方向でのやり取りを円滑に進める能力です。一方的な提案よりも、お互いの情報を交換できる方が評価は高くなります。その結果、周囲の意見を尊重しながら、自分の考えもきちんと伝えられる人材であるアピールが可能です。
コミュニケーション能力はすぐに鍛えられるものではありません。時間をかけて身につけます。
自己PRでコミュニケーションをアピールしたい就活生は、以下の記事を参考にしてください。
コミュニケーション能力を鍛えるポイントを解説しています。
プレゼンテーション能力がある
プレゼンテーション能力も提案力から言い換えが可能です。
提案力とプレゼンテーション能力は近い意味で使われます。しかし、細分化すると意味が異なります。
以下の表を参考にしてください。
能力 | 意味 | 構成要素 |
---|---|---|
プレゼンテーション能力 | 自分の考えや情報を相手に分かりやすく伝える能力 |
|
提案力 | 相手の課題やニーズを的確に把握し、最適な解決策を提案する能力 |
|
コミュニケーション能力は、会議で自分の案を発表する際に活躍します。
お客様の課題を解決するよりも、会議で自分の意見を述べることが多い職種なら、プレゼンテーション能力をアピールしましょう。
【提案力を自己PR】提案力を関連づけた自己PR例文
例文
私の長所は、提案力があるということです。
インターンシップではファッション系雑誌を扱っている出版社で働かせていただいたのですが、そこでは雑誌をベースにした新規WEBメディアの立ち上げを計画していました。
その上で、サイトのコンセプトや企画といった部分の提案を任せていただいたのですが、上司から、
- 発刊している雑誌の企画と被らないこと
- オリジナリティの高いもの
- 出版社のコンセプトに沿っているもの
という3つの条件を提示されました。
そこで私は最初に、自社で出している雑誌のコンセプトの把握、他社売れ筋雑誌の調査、市場ニーズの高いジャンルという3つのテーマを徹底的に調べ上げました。
会社ではファッション系雑誌を扱っているのですが、その中でも足元にスポットを当てているページは少ないことに気付きました。
他社でもその傾向が強く、ここが狙い目だと思ったのですが、それだけでは弱いと思い、それに加えて地域のデートスポットや街のおしゃれなカフェというテーマを繋げて提案しました。
結果的に私の企画は採用され「外に出たくなる足元と、出たら行きたくなるデートスポット」をコンセプトにした通称「外スポ」の発足が決まりました。
私は貴社の企画部を志望していますが、そこでも必ず私の提案力は役立つと信じております。

この自己PRでは、アピールポイントを最初に提示した後、どんなエピソードで提案力が発揮されたのかを端的に説明し、最後に入社後も活かせることをアピールできています。
どんなエピソードを用いてアピールする際にも、このような構成で自己PRができるようにしましょう。
【提案力を自己PR】提案力を関連付けた自己PR例文【職種別】
提案力をアピールする際の自己PR文を職種別に紹介します。
自己PRの内容は、職種によって変更することが重要です。求められる人物像にマッチした内容にできるからです。
採用担当者も職種に適した人材を採用しようと考えています。自己PRでも油断せずに、自分がいかに適性のある人材かアピールしてください。
営業職
例文
私は、顧客の潜在的なニーズを捉え、最適なソリューションを提案することで、顧客の課題解決に貢献したいと考えています。
大学時代に地域の企業とコラボした商品開発のプレゼン大会に出場し、提案力を磨きました。
この経験から、私は顧客の状況を深く理解し、的確に提案する重要性を学びました。
御社では、お客様の癒しを提供する価値観を大事にし、顧客満足度向上に貢献したいです。

自己PRは具体性が重要です。文字数に余裕のある場合は、提案力を磨くために行なった努力内容をアピールしましょう。
またプレゼン大会に参加した結果まで伝えられると、より良い自己PRになります。自分の学生時代を振り返り、自己PRの題材になるものがないか確認してください。
さらに、営業職に求められる力が何か自分なりに考えておきましょう。営業職では使わないスキルをアピールしてもプラス評価にならないからです。
今回の例文では顧客の課題解決に注目しています。営業職には欠かせない能力です。そのため、採用担当者の目に留まりやすい自己PRになります。
企画・マーケティング職
例文
私はカフェでのアルバイト経験を通して、提案力を身につけました。
たとえば、新商品のメニュー提案では、売れ筋の予測や顧客の嗜好を分析し、効果的なプロモーション戦略を立案しました。
分析にはAIを効果的に活用しました。
その結果、売上が従来比20%増加し、定期客の獲得にも成功しました。
この経験から、マーケティング職への配属を希望しており、提案力を活かし、新商品やサービスの企画・実行に貢献したいと考えています。

企画・マーケティング職は提案する際に数字が欠かせません。そのため、自己PRする際も数値を活用しましょう。
今回の例文では売上がどれだけ上昇したかを客観的に示しています。自分の努力が可視化され、採用担当者も評価しやすくなるでしょう。
一方で数字が含まれない自己PRは、抽象度が高くなります。自信を持ってアピールできる結果でも採用担当者にはピンとこないかもしれません。
具体性を出すために、積極的に数字を用いてください。
コンサルタント職
例文
私は、大学生を対象にした新商品プレゼン大会での優勝経験から提案力を身につけました。
コンサルタント職への配属を希望し、入社後はクライアントに対して高品質な提案をすることで、御社の成長に貢献したいと考えています。
プレゼン大会では、チームメンバーとの協力を通じて課題を分析し、独自の視点からの新商品を提案しました。
その結果、審査員から高い評価を得られました。
この経験から、チームワークを大切にし、斬新なアプローチで問題に取り組むことの重要性を学びました。
入社後は、クライアントの課題に対して既存の枠にとらわれず、新たなビジネスチャンスを創造したいです。

プレゼン大会に参加した経験は、提案力をアピールするのに適したエピソードです。自己PRで伝えたい強みと経験がマッチしているため説得力が生まれています。
また、チームで取り組んだ点が好印象につながるでしょう。仕事は複数人で行うからです。提案力に加えて、協調性や柔軟性のアピールができています。
メインの提案力を邪魔しない程度になっているのが良い点です。
エンジニア職
例文
私は提案力を武器に、新しいアイデアや解決策を積極的に提案できる人物です。
趣味のプログラミング経験から、論理的思考や問題解決能力が身につきました。
たとえば、大学のプロジェクトでチームメンバーと協力してWebアプリを開発する際、使いやすさを向上させるための提案を行い、実際に実装するプロセスにも関わりました。
この経験から、チームとの連携やクライアントの要望に柔軟に対応する能力を磨きました。入社後には、エンジニア職としてチーム全体の成長に貢献し、革新的なアプリケーション開発に提案力を発揮したいです。

エンジニア職は、クライアントの要望を聞くだけでは不十分です。自分から改善案を提案することで、クライアントの満足度を向上させられます。
そのため、エンジニア職を目指す就活生は、要望に対してプラスαで改善案を提案するように心がけてください。就活の場合は、自分がどういった点で企業に貢献できるのか伝えましょう。
【提案力を自己PR】提案力を関連付けた自己PR例文【言い換え表現別】
続いて、提案力を言い換えた場合の例文を4つ紹介します。
提案力を言い換えた場合を解説してきましたが、本章では実際に自己PRに当てはめて解説します。提案力以外で自己PRを作成してみたくなった就活生は、ぜひ参考にしてください。別の角度の例文を読むことで、新しい気づきが生まれるでしょう。
また、言い換え表現を理解しておくことで、ほかの就活生との差別化になります。オリジナリティを出すために覚えておきましょう。
創造力がある
例文
私のアピールポイントは、豊かな創造力です。
学生時代にボランティア活動を通じて、子供たちに貴重な経験を提供した経験があります。
たとえば、子供たち向けのワークショップを企画・実施する際には、彼らの興味や関心を引きつけるために音楽と色にこだわりました。
その結果、子供たちが楽しみながら学べるプログラムが提供でき、彼らの成長に貢献できたことを実感しました。
入社後は、創造力を活かして、子供たちが勉強したくなる教材作りに励みたいです。

学生時代の経験と入社後に取り組む仕事内容がリンクしているため好印象です。自己PRに一貫性が生まれるため、説得力のある文章になります。
自己PRに使用するエピソードは、自分がアピールしたい要素に関連しているか確認しましょう。エピソードを適当に選んでしまうと漠然とした文章になり逆効果です。
志望する職種もしくは、伝えたい強みのどちらを基準にしても問題ありません。両方がマッチするように調整してください。
さらに、企業研究したことをアピールしたいなら、教材作りの箇所を具体的にしましょう。今までにないアイデアを伝えることで、採用担当者に熱意が伝えられます。
行動力がある
例文
私は、行動力と人とのつながりを大切にする人間です。
これは、日本中を旅行した経験から培われたものです。
旅行中には、予期せぬトラブルに遭遇することもありましたが、それを乗り越えるために柔軟な発想と行動力を発揮しました。
たとえば、北海道を旅行した際は雪で交通機関がマヒしました。
そのため予定していた宿に向かうことが不可能になりました。
その際にたまたま通りかかった夫婦の方に事情を説明し、一泊させてもらいました。
翌日は天気が回復したため旅行を再開できました。
入社後には、この行動力を活かし、困難な課題にも積極的に挑戦し、チームを引っ張るリーダーになりたいです。

エピソードを話す際は成功した話を選びがちですが、トラブルを乗り越えた経験でも問題ありません。むしろ、ほかの就活生との差別化になるでしょう。自己PRに使える話題が見つからない就活生は、一度視野を広げてください。
成功はもちろんのこと失敗した経験や挫折したことがあるでしょう。後者の内容は恥ずかしいと考えるかもしれません。しかし、自分の気持ちを素直に伝えることで、オリジナリティがある自己PRが完成します。
コミュニケーション能力がある
例文
私は海外の方とコミュニケーションを交わしたことで、異文化を受け入れる重要性を学びました。
留学中に海外の友人との交流を通じて、コミュニケーション能力を磨く機会を得ました。
言葉や文化の違いを乗り越えながら、お互いを尊重し合い、成長できることを実感しました。
たとえば、初めての異文化交流で、コミュニケーションの壁に直面した際には、相手の文化や背景を尊重しながら、自ら発信する大切さを学びました。
これらの経験から、新しい環境や考え方に柔軟に対応し、円滑なコミュニケーションを図りたいです。
入社後は、留学経験を活かした旅行プランの企画・立案に貢献したいと考えています。

コミュニケーション能力をアピールするには、誰かと対話しているシーンを切り抜くのが効果的です。
今回は留学を取り上げていますが、プレゼン発表やミーティングといったシーンも候補になります。自分の経験から似た状況がなかったか振り返ってください。自分の体験をもとにすることで、独自性のある自己PRになります。
数多くの自己PRを読む採用担当者にとって、目新しさを感じるでしょう。
プレゼンテーション能力がある
例文
私はゼミでの研究発表会への参加を通じて、プレゼンテーション能力を身につけました。
研究成果を的確に伝えるために見やすいスライドを作成しました。
さらに、参加者の理解を深めるために、自分の考えを整理し、冷静に伝えることを意識しました。
その結果、参加者と教授を含めた全員から拍手を頂戴しました。
これらの経験を活かし、入社後はプレゼン力を活用して、チーム内外への情報共有や提案活動を円滑にしたいです。

プレゼンテーション能力は仕事に欠かせない能力です。入社後の姿が予想できるため、採用担当者も注目して自己PRを読むでしょう。
また、プレゼンテーションを成功させるための工夫が盛り込まれている点が評価できます。結果は重要ですが、過程も忘れてはいけません。できる限り詳しく説明するようにしましょう。
今回の例文では「見やすいスライドの作成」「意見の整理」などが当てはまります。プレゼンテーション能力をアピールしたい就活生は、自分が工夫した点も伝えましょう。
自分の価値観や課題に取り組む姿勢などが読み取れ、採用担当者が評価しやすくなります。
【提案力を自己PR】まとめ
自己PRで提案力をアピールする際は、まず提案力がある人の特徴を把握して提案力が就活でどのように評価されるのかを理解することが大切です。
それができたら、自己PRの最適な構成とエピソードを丁寧に選び組み合わせることで、人事担当者へ最高のアピールを行いましょう。
効果的なエピソード選びに迷ったら、色々な例文を参考にすると良いでしょう。
自己PRの例文をさらに知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
自己PRのアピールポイントは、企業が求めている人物像に近いものであるほど効果的になります。つまり、提案力をアピールする際は、応募している企業の仕事に提案力が求められているかを確認することが大切だということになります。どのような人物像が求められているのかをしっかり把握した上で自己PRを作成していくようにしましょう。