ベンチャー企業の志望動機の書き方は?人事が見るポイントや職種別の例文を紹介

ベンチャー企業の志望動機の書き方は?人事が見るポイントや職種別の例文を紹介

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はじめに

「ベンチャー企業ってどんな企業?」 「ベンチャー企業の志望動機で大切なポイントを知りたい」 「ベンチャー企業が求める人物像は?」 ベンチャー企業への就職を考えている方の中には、このような疑問や不安があるという方もいるでしょう。

大手の上場企業をはじめ、一定規模以上の一般企業とベンチャー企業では求める人材が異なります。

この記事ではベンチャー企業への就職を検討している方向けに、ベンチャー企業の志望動機はどのように書けば良いか、志望動機を書く際のポイントについて詳しく説明しています。

ベンチャー企業の採用担当者に高く評価されるポイントや気をつけるべき点を把握した上で、相手に納得感を与えられる志望動機を説明できるようになりましょう。

ベンチャー企業とは?

ベンチャー企業とは新たな技術やこれまでにないサービスを発案して事業を行う小・中規模の新興企業を指します。

ベンチャーは英語で冒険的という意味を持ちますが、新たなビジネスに果敢にチャレンジする企業をベンチャー企業と名付けたのは日本の独自の呼び方であり、他国ではそのような呼び方はされていません。

最新の技術を採り入れたり、これまでにないビジネススタイルを展開したりし、新たな市場やニッチ市場で事業をスタートさせます。

事業が認められると、個人投資家やベンチャーキャピタルなどから資金提供を受け、ビジネスを成長、企業規模を拡大させながら、やがては株式の上場を目指すケースも少なくありません。

スタートアップとの違いは

スタートアップは日本では新たに起業することや、新規事業の立ち上げを意味し、ベンチャー的な事業内容か否かを問わず、立ち上げたばかりの企業を指すことが多いです。

ですが、本来のスタートアップ企業の意味は異なります。

アメリカのシリコンバレーで生まれた言葉で、新しいビジネスモデルを開発し、EXIT(出口戦略)のもとで極短時間で急激な成長を目指し、一攫千金を狙うビジネス集団と解されています。

ベンチャー企業のように成長して規模を大きくして大手企業に肩を並べようと頑張るのではなく、企業を急成長させて価値を高め、株を売却することで、創業メンバーやファンドの利益を得ようとするのが、本来のスタートアップ企業の意味です。

アーリーベンチャー

アーリーベンチャーとはベンチャー企業の成長段階を示す用語です。ベンチャー企業を起業して、事業が軌道に乗るまでのおよそ5年の時期を指します。

事業経営としては赤字の段階であり、運転資金や設備投資など、事業の種類にもよりますが、資金ニーズも高い時期です。

一般的な金融機関からの融資は難しく、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルなどに売り込みをかけ、投資を引き出すケースも少なくありません。

創業社長とそれに賛同したビジネスパートナーなど数名程度の小規模な企業が多く、2年から3年程度経って、ようやく社員を募集するようになりますが、即戦力となる人材を1名から数名採る程度で新卒採用をしても、まだ人材育成が難しい段階です。

ミドルベンチャー

アーリーベンチャーの段階の倒産リスクを乗り超え、事業が軌道に乗り出し、商品やサービスが認知されてくる段階をミドルベンチャーと呼びます。

もっとも、利益はまだ出ていないか低収益のケースも多く、安定的で持続的な成長を目指し、資金意欲が旺盛となる時期でもあります。

少しずつ取引規模も増えていくため、人材の確保にも積極的になり始めます。

即戦力となる中途採用を中心に、新しいビジネスに興味を持ち、企業理念や社風に共感した若手が少しずつ集まってくる時期です。

一方で創業時のビジネスパートナーが新たな事業の立ち上げを目指して独立したり、社員の出入りにも流動性があったりする企業が少なくありません。

新たな事業やサービスにも着手する企業も出てくるなど、成長の可能性に差が出て来る時期でもあります。

メガベンチャー

メガベンチャーはアーリー段階を乗り越え、ミドル段階でどんどん力を付け、ビジネスの認知度を高めて取引先や顧客などの利用者も増やし、成長し続けるために人材の採用にも積極的です。

創業からの年数も長くなり、認知度も企業規模も大きくなり、もはやベンチャーとは呼べないレベルまでに成長を遂げた段階です。

新興市場マーケットへの上場だけでなく、東証一部に上場するなど大手企業と比肩する企業も出てきます。

若者から高齢者まで企業名が認知され、新たなビジネスモデルで成功したパイオニアとして経営基盤も安定してきます。

次々に新たなサービスや事業を立ち上げたり、企業買収などを行ったりするなど、ベンチャーならではのチャレンジ精神や戦略的な手法にも磨きがかかっていく段階です。

志望動機で重要なポイント

ベンチャー企業を志望する場合には、志望動機が重要視されます。

有名な大手企業や歴史もある安定した中小企業ではなく、なぜベンチャーを選んだのか、その意欲をしっかりと示さないと採用に至るのは難しいと心得ましょう。

ベンチャーでは成長段階を問わず、自ら考え、自ら行動できる人が求められます。

なぜベンチャーを志望するのかから始まり、自分がどう活躍できるのかしっかりアピールすることが重要です。

・なぜその会社なのか? ・なぜその業種なのか? ・会社で何ができるか?

なぜその会社なのか?

なぜその会社なのかは、なぜ、大手企業や中小企業ではなくベンチャーというジャンルを選んだのかに始まり、ベンチャーの中でも、なぜその会社なのかを明確にすることがポイントです。

自分の経験談や、その会社の企業理念や社風、新たなビジネスの魅力など、その会社を志望するに至った動機や理由を具体的にアピールしましょう。

そのためには企業研究をしっかりと行い、他社との違いや差別化ポイント、これまでの成長プロセスをしっかりと理解しておくことが大切です。

展開する商品やサービスの理解をはじめ、どのような人材がどのような働き方をしている会社なのか、将来展望などしっかりリサーチし、分析しておきましょう。

なぜその業種なのか?

ベンチャーと言うとITベンチャーがイメージされますが、ベンチャーと言ってもITだけではありません。

また、ITなどの業界の中でも事業スタイルや、BtoBかBtoCかなど業種が異なります。

志望する会社の属する業種をなぜ選んだのかも、盛り込むのがポイントです。

数ある業種の中で、なぜその業種を志したのかを、自分の経験談などをもとにアピールできると説得力が増します。

その業種を志す理由としては自分の経験や大学で学んだこと、アルバイトで得た経験やノウハウがもとになることもあれば、その会社に最初に注目して後付けで業種が付いてきた方もいるかもしれません。

いずれにしても業種の研究を行い、どうしてその業種なのか明確な動機と理由を持っておくことが重要です。

会社で何ができるか?

アーリーベンチャーの段階はもちろん、ミドルベンチャーでも人材を育成する環境はまだ整っていないケースも多く、採用する人材の能力や意欲を重視して人選するのが基本です。

メガベンチャーとなり新卒から中途採用まで積極的に採用する段階に入っても、基本は自ら考え自ら動くを重視した仕事スタイルが出来上がっているため、自分が入社して何をやりたいのか、何ができるのかを明確にしておくことが大切になります。

現在展開している事業だけにとどまらず、自分の新たなアイディアでサービスを創出していきたいくらいの心持ちで臨みましょう。

自ら成長しようという意欲ある人材でないと、ベンチャー企業には響きません。

ベンチャー企業で志望動機が大切な理由

ベンチャー企業への就職・転職では学歴よりも意欲や積極性が重視される傾向にあります。

その理由としてはいくつか挙げられますが、まずは求人が少ないという点です。

成長段階にあるベンチャー企業では、少人数の採用を推し進めています。

そのうえで学歴というのも大切な基準なのですが、学歴ばかりにとらわれてしまうと、やる気や経験のある社員は集まらないという考えも存在します。

一人当たりの業務量も一般企業と比べて多いベンチャー企業では、積極的に業務に参加し、自ら成長できる社員を探しています。

だからこそ就活では、あなたがいかに企業の一員として積極的に参加していく姿勢があるか、というのを強調するために志望動機の面を強化してES作成や面談・面接に挑む必要があるのです。

ちなみに学歴、志望動機のほかには資格などのスキルも就活を有利に進める要素となります。

自ら学び、成長する意欲がみられる人材は重宝するからです。

ベンチャー企業での就職を目指している場合には、簿記や語学などのスキルは最低限磨いておきましょう。

ベンチャー企業の志望動機で好印象を与えるポイント

志望動機は、企業に良い印象をアピールするチャンスです。

数ある企業の中からベンチャー企業を選択した理由や、どのように貢献したいのか、また将来について具体的に語れるようにしましょう。

あらかじめ質問を想定しておくと時間をかけずに答えられるので、決断力を重視しているベンチャー企業の面談ではとくに有効です。 ・結論を先に伝える ・入社へのやる気を見せる ・どんな質問がくるか想定しておく ・なぜ成長したいのかを考える ・なぜベンチャー企業を選んだのか理由を伝える ・どのように貢献したいのか伝える ・企業理念への共感を伝える ・待遇面以外の魅力について伝える ・将来像などを具体的に

結論を先に伝える

先に「どうしてこの企業を選んだのか」を簡潔に話しておくと、後の根拠や背景が伝わりやすくなります。

もう一つのメリットは短時間でアピールできるところで、最初に結論を言っておくと志望理由に説得力が加わって採用担当者の印象にも残りやすいでしょう。

入社へのやる気を見せる

なぜ、歴史と伝統のある企業や知名度の高い大手企業、安定した中小企業などではなく、ベンチャー企業を選んだのかをしっかり伝えることがポイントです。

入社へのやる気が見られないと、大手企業や創業からの実績が古い中小企業が本命で保険的にエントリーしたのではないか、ほかが落ちたから仕方なくベンチャー企業にエントリーしたのではとみなされてしまいます。

ベンチャー企業の選考は大手企業の選考が始まる前か、逆に内定が出された後に行われることが多いので、選考の練習にした、ほかがダメだったから応募したなどとわかれば、どうせ入社しないだろう、あまり能力がない人だと思われてしまいます。

ベンチャー企業は起業からの年数や成長実績などにもよりますが、一から新人を育てるというよりは、最初から即戦力として活躍してくれる人材が欲しいと考えている企業が少なくありません。

そのため、その企業をしっかり理解して、どんな活躍をしたいのか、どんな貢献ができるのかをアピールしましょう。

どんな質問が来るか想定しておく

ベンチャー企業では面接に行っても、社長がTシャツとジーパンで現れるなど、自由な社風があります。

性格や仕事への姿勢、ビジネスに関する感覚もユニークなことが多いので、どんな質問がくるかわかりません。

大企業や中小企業における一般的な、面接の質疑応答例を用意しても通用しないケースがあります。

あらかじめ企業のサイトや公式ブログ、社長のSNSや社員のブログやSNS、社長や社員のインタビュー記事などをチェックして、どんな質問がきそうか、どんな人材を求めているか検討しておきましょう。

そのうえで、求められる人物像に即した自分の強みなどをアピールできるとベターです。

なぜ成長したいのかを考える

ベンチャー企業への志望動機としては、ほかではできないチャレンジなどをして成長したいとアピールする方が多いです。

ですが、社会人としての成長はどの企業でもできることです。

なぜ、そのベンチャー企業で成長していきたいと考えるのか、どのような成長を遂げたいのか、それによって何を得ていきたいのか、しっかりアピールできるようにしておきましょう。

なぜベンチャー企業を選んだのか理由を伝える

中堅・大企業に比べてビジネス経験の浅いベンチャー企業を選んだ理由には、ポジティブな意思があることを伝えましょう。

これから一緒に働くチームの一員として、前向きなイメージを持っている人材は良い印象を与えます。

熱意を持って仕事に取り組む意思と、長く働きたい覚悟を伝えましょう。

具体的な理由には、個人のスキル向上が見込めることや、上司との距離が近いことで学べることが多い、などがあります。

どのように貢献したいか伝える

長所やスキルといった目に見えて企業に貢献できるポイントをアピールしましょう。

志望動機では何ができるのかアピールする必要があり、そのためにはどんな企業か知っておく必要があります。

企業が求める人材と自分のスキルがマッチしていると高評価が得られます。

企業側にどのようなメリットがあるのか重視して伝えましょう。

企業理念への共感を伝える

企業理念とは、会社がどんな目的を持って存在しているかを示すものです。

志望動機として企業理念への共感を伝える場合に気を付けたいポイントは、具体的にその企業でなければならない理由を伝えることです。

共感した部分を曖昧にすると中身のないアピールになってしまうので、他者との差別化を図るためにも明文化しましょう。

待遇面以外の魅力について伝える

仕事にやり甲斐を感じられるポジティブな魅力をアピールしましょう。

事業や仕事の内容から魅力を汲み取ってアピールすると良い印象を与えます。

例えば、資格取得できる環境のある企業ならスキル向上がモチベーションに繋がる、といったものです。

将来像などを具体的に

志望動機を書くうえで大切なのは、自分の明確なビジョンです。

会社で積極的に仕事に取り組む姿勢をアピールすることも大事ですが、具体的にどのように仕事に取り組むのか、どういったことを頑張りたいのかということをなるべく詳細に伝えるのが基本です。

また、「自分の就活軸」や大学での経験で根拠づけると良いでしょう。

ベンチャー企業の場合は、将来的に経営者になりたいと考えている社員も多いので、そういった思いがあなたにもあるのであれば、素直に書いてみても良いでしょう。

採用担当者の中には、そういうハングリー精神のある社員を好む人もいます。

最初はなんだか気恥ずかしく感じるかもしれませんが、慣れてくれば自信を持って堂々と自分の目標を語ることができるようになります。

ベンチャーの求める人物像

ベンチャー企業は、企業自体が、老舗企業やすでに成功している大手企業が作ったマーケットに、新たにチャレンジする精神にあふれています。

そんなモチベーションの高い企業の一員になることを目指すなら、相手が欲しがる人材であることをアピールする必要があるでしょう。

その企業がどんな社員を求めているのか、人物像をあらかじめ知ることがとても大切になってきます。

一概に言えませんが、ベンチャーが求める傾向の強い人物像についてまとめてみましょう。

成長意欲のある人

ベンチャー企業は企業自体が高い成長意欲を持っています。

そんな企業が求めるのは、企業の成長スピードに負けないくらいの勢いで成長してくれる人員です。

これは真面目に仕事を覚えてコツコツ育つ人材というよりも、すでに備わっている資質に近い部分が強いでしょう。

マーケットのスピードを追い越すくらいの勢いで学び、本気で考え、先へ先へと進んで行くような意欲にあふれた人が好まれます。

自分で考え行動する人

言われた仕事を丁寧に納めることも大切ですが、ベンチャー企業では自分で考え、自分で行動できる人が好まれる傾向にあります。

これは大手企業のように、新入社員研修や教育などに時間や人員を割く余裕がないことも理由です。

新人は手取り足取り教えてもらえるものだと考えているなら、ベンチャーには向きません。

黙って指示待ちしているような人物ではなく、自分から積極的に現場で学ぶ主体性が求められます。

変化に対して柔軟な対応ができる人

経営ノウハウも組織運営ノウハウも、ベンチャー企業は今まさに作っている最中です。

すでに定まったルールがあり、従業員はそれに従っていれば良いという落ち着いた環境ではありません。

事業においても、目まぐるしく方針転換する可能性があります。

朝決まったことが夕方には180度変わっている、そんな状況にも臨機応変に対応できる資質を持った人が理想でしょう。

またほとんどが新規事業なわけですから、課題も山積み、トラブルも多発するのが日常茶飯事です。

過去の事例も解決例もありませんので、その都度状況に合わせた対応が求められます。

「これで果たして良いのだろうか」と悩むこともたくさんありますし、時には判断ミスが発生し、対応に追われるケースもあるでしょう。

そうしたことも恐れずに、むしろ望むところだと言える柔軟な頭の人が向いています。

ベンチャー企業の志望動機の例文を紹介

それではベンチャー企業の志望動機で、好まれやすい例文を紹介します。

ITベンチャー

私はITインフラで社会を変えたいと思い、御社を志望しました。

現代はITインフラが生活に欠かせないものとなっていますが、過去に敷かれたインフラはすでに飽和状態にあり、この先社会をより豊かにするためには土台から作り直す必要があると考えております。

御社は高度な技術を一般のマーケットに開放し、人々の快適な生活のための基盤作りにチャレンジされています。

そのことはまさに自分がやりたいと考えていたことであり、他社にはない唯一無二の魅力と感じました。

大学ではプログラミングを学び、趣味でスマートフォンのアプリ制作やポータルサイトの運営も行っております。

御社に入社し、自分が本当にやりたいと思う仕事で社会を変える一端を担いたいと考えております。

営業職

私が御社を志望したのは、御社が常に顧客を大切にし、今のマーケットにないサービスを生み出す姿勢と熱意に強く惹かれたためです。

私は御社のサマーインターンシップに参加させていただき、御社が一人ひとりの個性を活かし、営業も開発も垣根を越えて顧客満足を追求するフィールドに大変魅力を感じました。

私はサービスを提供する相手を第一に考えることをモットーに、アルバイトでは接客を学びました。

必要なのはマニュアルではなく、一人ひとりの顧客を満足させることだと考える御社だからこそ、私が強みとするホスピタリティが存分に活かせると確信しております。

入社後は自分の強みと経験を活かし、世界中に御社のサービスのファンを作るため、全力を尽くしたいと思います。

コンサルティング業界

私の夢は、たくさんの経営者と一体となり、あらゆる課題を乗り越えることで自分の視野を広めることです。

御社が特定の業界に特化せず、世界の幅広い企業をクライアントとして事業展開していることに強く惹かれ、志望いたしました。

解決すべき課題は企業の数だけあり、特定の業界で学べることには限りがあると思います。

御社のようにあらゆる企業にソリューションを提案するスタンスは、業界だけでなく社会全体を変えるきっかけになると確信しております。

御社のサイトで社長や先輩社員の方々のお考えに触れ、本気で社会に変化を起こすのだという熱い意志を感じました。

入社後は御社で経営コンサルタントとして、大学時代に学んだ経営学の専門知識を活かし、活躍したいと考えております。

ベンチャー企業の志望動機を書く際のオススメの構成

ベンチャー企業の志望動機を書くには、内容として盛り込みたいポイントを押さえるだけでなく、構成にも注意を払うことが大切です。

どのように伝えていくかの構成によって、伝えたいことがうまく伝わらなくなったり、逆に、しっかりと伝わり、説得力を持たせたりできます。

アピールしたい内容や入社意欲の高さ、自ら行動し成長していける姿勢などを効果的に伝えるためにオススメの構成をご紹介します。

結論:私は○○という点で貴社を志望しました

最初に結論として、なぜその会社を志望したのかをストレートに述べましょう。

結論を最初に明らかにすることで、あなたがアピールしたいポイントがしっかり伝わります。

ベンチャー企業は志望動機を重視しているので、志望した動機の一番のポイントが最初に明確になることで、採用したい人材かどうかの判定もしやすくなり、その後に続く内容を読み込んでくれるかにも影響を与えるためです。

どの点で志望したのか、明確なポイントを1つ挙げるようにしましょう。

いくつも並べ立てたり、ほかの会社でも通用するような差別化できないポイントを挙げたりするのは避けましょう。

理由:なぜならば○○という経験で○○と考えたためです

次に結論に至った理由を述べます。

なぜ、その会社を志望するに至ったのか、そのキッカケとなったご自身の経験を理由にするのがポイントです。

成長している企業だから、知名度が高いから、自由そうだからなど表面的な理由や抽象的な理由ではなく、自分の経験という具体的な面を打ち出しましょう。

これにより、しっかり考えたうえで志望していることがわかります。

また、具体的な経験を通じて志望したいと考えた点で、入社意欲の高さや、入社して頑張っていきたいという姿勢を伝えることにもつながります。

エピソード:私は○○で○○ということをしていました

構成の3ステップ目として、ベンチャー企業にマッチする人材であること、その会社に貢献し、活躍できる人材であることをアピールできるようなエピソードを紹介しましょう。

なぜ、エピソードを紹介する必要があるかと言えば、いかに自分の能力や大学で学んだことを伝えたところで、本当にその能力を発揮できるのか、大学で学んだことがどの程度役立つのかが、書面だけではわからないからです。

具体的な自分の経験談を示すことで、活躍できる人材であるという説得力を高められます。

エピソードの内容はとくにシーンは問われません。

部活動やアルバイトの経験、ボランティア活動や海外留学の経験、幼少期から取り組んできたことなど、ベンチャー企業での活躍につながりそうなエピソードを選びましょう。

問題:その経験で○○という問題に直面しました

エピソードを紹介するにあたっては、その経験において問題に直面し、それを自分の行動で乗り越えた、解決した、改善したといった内容であることがポイントになります。

問題を乗り越えた経験を話すことで、ただの昔話や美談、自慢話になるのではなく、会社に貢献できる活躍ができる人物だと示せるためです。

そのため、エピソードを選ぶ際には、何らかの問題に直面し、それを自分の行動によって解決できた経験を選ぶようにしましょう。

問題を紹介する際は、初めてあなたのエピソードを読む選考者が、直面している状況をイメージしやすいよう、わかりやすく簡潔に説明することが大切です。

行動:そのため私は○○を行いました

直面した問題に対して、どのような行動をとったのかを説明しましょう。

誰かに指示されたり、誰かに行わせたりした内容ではなく、自ら積極的かつ能動的に行った行動であることがポイントです。

志望する会社で活躍するのにマッチする行動であれば、アピールポイントになります。

自分の強みや能力を発揮できた行動、大学で学んだ知識や技術などを活かせた行動などをアピールできるとベストです。

アピールしたいからと、だらだらと冗長的に伝えるのではなく、行動を明確にしてわかりやすく説明しましょう。

一文程度で伝えるのが基本です。

結果:その結果○○になりました

エピソード紹介の最後のステップとして、行動に出た結果、どうなったのかをしっかり書きましょう。

ただ行動に出ただけで話が終わってしまっては、直面した問題がどうなったのかがわからずじまいになります。

ビジネスを行っていくうえでは、行動に出るというプロセスも大切ですが、その結果も求められます。

企業が利益を出し、継続的に成長を遂げていくうえでは結果を出すことは欠かせません。

そのため、行動の結果、どうなったのかまで、しっかり伝えるようにしましょう。

単に「問題が解決しました」で終わらせるのではなく、具体的にどういう成果が出せたのかを説明しましょう。

問題が生じた時点と行動に出た後の違いをわかりやすく紹介し、数値などの客観的な指標を示して説明できるとベストです。

結論:その経験を活かして貴社では○○で貢献していきたいと考えております

エピソードの結果を伝えて、おしまいではありません。最後のまとめとしての結論を述べることが必要です。

紹介したエピソードの経験を活かし、志望した会社でどのように活躍し、どう貢献できるかをアピールしましょう。

「とにかく頑張ります」、「成長したいです」と、どの会社でも通用するような結論づけは避けてください。

具体的に〇〇という点で貢献したいと、その会社ならではの側面に着目して、どのような面で貢献できるかを明らかにすることがポイントです。

これによって、入社意欲の高さや、どの程度期待できる人物かが伝わりやすくなるからです。

ベンチャー企業の志望動機でNGな例

どんな企業に対しても不適切な志望動機というものは存在します。

例えば、明らかに就活サイトの受け売りであるとか、ほかの企業に対する志望動機と同じ文言を使いまわしている、というような場合です。

しかし、大手や中堅以上の企業に対しては適切であっても、ベンチャー企業の志望動機としては不適切である場合もあります。

ベンチャー企業では、社員が少なかったり、経費にまわせる資金に乏しかったり、という特有の事情があるからです。

具体的な例を見ていきましょう。

成長したい

「成長したい」という言葉自体は良いのですが、問題になるのは「自ら成長する主体性があるか」という点です。

ベンチャー企業は組織自体も成長過程にあります。

ですから、新人を一から教育するようなプログラムは整っていませんし、教育に割く人手もありません。

企業に成長させてもらうのではなく、自ら学んで成長する姿勢が求められます。

もちろん、日々の業務をこなしているだけでも、身に付くものはあるでしょう。

しかし、志望動機としてアピールするなら、当然それだけでは足りません。

仕事以外の時間を使って新しいスキルを身に付けるなど、「自分が成長することで企業も成長させる」というくらいの気概がないのなら、「成長したい」とアピールするのはやめておきましょう。

福利厚生など

ベンチャー企業の中には、ユニークな福利厚生制度を備えている企業も多くあります。

しかし、「福利厚生が充実していることに惹かれました」と志望動機に挙げるには注意が必要です。

企業がその制度を導入しているからには、必ず理由があります。

例えば、資格取得のための費用を補助する制度は、業務のスキルアップを期待してのものです。

社内に無料のカフェを設置している場合は、仕事中にリフレッシュして業務効率が上がったり、社員同士のコミュニケーションが円滑になったりすることを期待しています。

その理由を理解しないまま、ただ制度を利用して恩恵を受けようという姿勢では、企業に悪印象を与えてしまいます。

福利厚生制度を志望動機に挙げるなら、その制度を利用することで企業にプラスの価値を生み出せるというアピールも必要です。

○○は将来性があるから

「これからはITの時代だから」「バイオテクノロジーに将来性を感じて」などというのは、その業界を志望した理由にはなっても、その企業を志望した理由にはなりません。

とくに同じ業界で複数の企業に応募する場合、それぞれの企業の特徴や強みを把握していなければ、志望動機が曖昧になってしまいます。

ベンチャー企業では、業界の中でも極狭い範囲に特化していることがほとんどです。

「ITの中でも、これからはデジタルマーケティングが伸びると考えています。そこでデジタルマーケティングに注力している御社を志望しました。」など、業界の中でなぜその企業を選んだのかを明確にしましょう。

そのためにはもちろん、業界や企業のことをよく調べて、将来性を見通す力も重要です。

ワークライフバランスを大切にしたい

企業のワークライフバランスの考え方と自分の環境を照らし合わせて、共感できる具体的な理由をアピールしましょう。

「自分のために時間を使いたい」「家庭の都合で残業が難しい」といった場合でも、そのまま伝えてしまうのは印象が良くないので、「企業のために資格を取得する時間が欲しい」と、アピールしましょう。

そのようなポジティブで企業に貢献する気持ちが現れた言葉は良い印象を与えます。

平凡すぎる志望動機

「これからはITの時代だから」のような一般論的なことや、「Webデザインのビジネスに関心がある」といった、業界全般に言えるような平凡な志望動機を話しても、ベンチャー企業からは欲しい人材とは思われません。

ベンチャー企業が求めている人材は、向上心があり、成長を常に求めている人、旺盛なチャレンジ精神を持つ志のある人です。

その業界やビジネスを志望動機にあげるのであれば、自分自身はなぜその業界に入りたいのか、そのビジネスに関わりたいのか、もう1階層掘り下げた説明をすると説得力が出ます。

例えば、「これからはITの時代だから」というフレーズを使うのであれば、次のように話を展開できるでしょう。

「私は自ら考えることなく、ただ現状維持で妥協することが苦手です。

どう問題を解決するか、改善・進化させるかを考えて行動することが好きです。

進化や変化のスピードが要求されるIT化の時代に活躍できる実力を身につけ、会社とともに自分自身も成長したいです」と、「なぜ」の部分を明確に説明することによって、同じ平凡な志望動機でも聴く側が納得できる内容に昇華させることができます。

また、同じ製品やサービスを取り扱う複数社の中でその企業を志望する理由として、製品自体の機能やその企業の独自技術、ビジネスモデルなど、より具体的な事例をあげて説明できることが、採用担当者への強いアピールになるでしょう。

ベンチャー企業の志望動機で人事担当者が評価する点

ベンチャー企業の人事担当者は、志望動機のどのような点を重視するのでしょうか。

・自ら考え行動できる ・変化に柔軟に対応できる ・向上心と挑戦意欲のある

このような人物本位の条件にあてはまる資質があるかを判断します。

それでは、具体的にどのような要素によって、条件に合うか判断するのかを見ていきましょう。

前職との関連

採用担当者が前職について質問するのは、主に二つの目的があります。

・前職の仕事や経験が自社で活かせるかを知りたい

入社後の教育体制や人材育成の制度が整った大企業とは異なり、ベンチャー企業では採用後に即戦力として仕事ができ、会社に利益貢献ができるかを重視します。

このため、前職で蓄積した知識や技術については、相当の関心をもって聴かれるので、前職の仕事内容について分かりやすく簡潔に説明できるように準備しておきましょう。

・仕事に対する姿勢や人柄を知りたい

前職でどのように仕事に取り組んでいたか、職場での周りの人との関わり方、仕事に対する考え方などを聞くことで、その人を採用した場合、どのような姿勢で、どのような取り組みをしてくれるのかを判断します。

参考になるエピソードを用意しておくと良いでしょう。

自らの経験や知識

前職が同じ業種や類似のビジネスを手掛けている企業からの転職であれば、具体的に示せる資格や技術、参加したタスクやプロジェクトの経験についての説明は採用担当者も関心を持って聴きますので、整理して分かりやすく説明できるように準備しておきましょう。 

また、業種やビジネスの内容が異なり関連が薄い場合は、「営業を担当し取引先との良好なコミュニケーションと信頼関係が築けた」「担当したタスクでチームリーダーとしてメンバーをまとめ成果を出した」などのヒューマンスキル面での経験や実績を説明することで、取り扱う製品やサービスが変わっても活躍できる人材であると判断されるでしょう。

前職で得た経験や技術を、転職先企業でどのように活かせるかを上手に伝える事ができれば、採用担当に強くアピールできるでしょう。

会社を選んだ理由

ベンチャー企業は、大企業のように採用に多額のコストをかけることはできません。

そのため、採用した社員にはできるだけ長く働いて欲しいと考えているでしょう。

ベンチャー企業の採用担当者は、志望動機を重視します。

安定志向の人が、大企業に内定をもらえなかったため仕方なくベンチャー企業に応募した場合、採用しても長く働いてくれる可能性は低く、中途採用で大企業に内定をもらえればすぐに転職するリスクが高いからです。

まず第一に「ベンチャー企業を選んだ理由」がはっきりしていること、次に同じ業種の中で、なぜこの会社を選んだのかをより具体的に説明できるよう準備しましょう。

・企業のビジョンや代表の価値観に共感している

ベンチャー企業では、社長や代表者のビジョンや価値観への共感がより重視されます。

小規模・少人数で仕事を進めていかなければならないベンチャー企業にとって、会社のビジョンや価値観に共感できない人が、組織の中で円満な人間関係を築き、利益貢献できるようになるとは考えられないからです。

・企業の製品やサービス、独自技術に魅かれている、携わってみたい

志望動機として、企業の製品や技術について具体的な内容を説明することも大切です。

例えば、同じアプリを複数社が発売している状況であれば、その企業の製品が売りにしている独自機能や差別化している点をあげて説明したり、アフターサポートの品質に特に力を入れているところに魅かれている、自分もその仕事に携わってみたいといった説明ができると、なぜその企業を選択したのか志望動機がはっきり示せますし、採用担当者へのアピールにもなるでしょう。

ベンチャー企業の志望動機の伝え方を知ろう

大手の企業でもベンチャー企業でも、大学生の新卒・転職問わず、志望動機においては意欲を見られる論理的な文章を書くことが重要です。

日時を問わず考えれば、最終的には良い志望動機が書けるはずです。

しかしベンチャー企業の場合は、一般企業以上に個性や貪欲さを出してみると良いでしょう。

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