博報堂ってどんな会社?事業紹介や強豪との違いなど徹底解説

博報堂ってどんな会社?事業紹介や強豪との違いなど徹底解説

はじめに

博報堂は有名な広告代理店であり、日本の二大巨頭の1つとされていますが、もちろん事業規模は世界でも有数です。

数ある広告代理店の中で「クリエイティブの博報堂」という異名を持つほど、有名クリエイターの排出企業としても知られています。

広告業界での活躍を夢見る人ならぜひ入社したいと考える先ですが、それだけに就活戦線を勝ち抜く綿密な企業研究が必要です。

博報堂の事業内容

博報堂の事業内容を知るために、まず広告代理店業界のおさらいをしておきましょう。

主に企業や自治体、官公庁などをクライアントとして、その広告活動をサポートするのが広告代理店の仕事です。

企業が企業自身や自社の商品やサービスの知名度を上げるためにTVや新聞・雑誌などで広告活動を行う場合、そのほとんどは広告代理店の協力を得て実行します。

広告代理店の中にはメディアを選ばない総合広告代理店もあれば、特定分野に特化した専門広告代理店もあります。

また、グループ会社や親会社の宣伝活動に特化したハウスエージェンシーもあり、それぞれが業界内で棲み分けされているのも特徴です。

博報堂はこの中で総合広告代理店に該当し、あらゆるクライアントから依頼を受け、あらゆるメディアに広告を展開する事業を行っています。

その歴史は長く、1895年(明治28年)から変わることなく第一線を走り続けていますが、現在はクライアントの要望にきめ細かく応えるため、事業をさらに細分化して運営しています。

それでは主要な事業について内容をまとめてみましょう。

マーケティング

効果的な広告を展開するために欠かせないのがマーケティングです。

現在スマートフォンなどの普及により、一般消費者が膨大な情報を瞬時に得られる時代となり、氾濫する情報をいかに効率的に扱うかが最重要課題ともなっています。

博報堂は、とくに生活者データ・ドリブンマーケティングとインサイト分析(生活者研究)に力を注ぎ、蓄積したデータからクライアントの最適解を導くメソッドを形成しています。

クリエイティブ

冒頭でも触れたように、博報堂が誇るクリエイティブをメインとした事業です。

これまでにも国内外問わず数々の受賞歴がありますが、広告の顔となるデザイン部分を担当する部門であり、同社の花形と言える事業でしょう。

プロモーション

WebやSNS、アプリなどのデジタル体験領域と生活者の行動とを掛け合わせることで「心と体を動かすプロモーション」を掲げています。

こちらでも国内外問わず受賞歴がありますので、企業研究の一環として視聴しておきましょう。

PR

PR事業では、近年とくにSNSによる情報発信力が高まっていることを受け、博報堂はメディアや有識者、インフル​エンサーなど多様な側面からマーケティング視点でのPRを提供しています。

また、専門性を必要とするコーポレート視点でのPR​も展開しています。

コンサルティング

同社が市場への知見とクリエイティビティを駆使し、経営課題やマーケティング課題を解消するコンサルティング事業も行っています。

戦略策定から最終的な実施まで、専門組織や関連会社も絡めワンストップで提供できるのが強みです。

事業開発・イノベーション

博報堂のクリエイティビティとプロジェクトデザイン力で、クライアントの事業開発やイノベーションをサポートする事業です。

未来のサービスや事業を創造する取り組みも行っています。

メディア・コンテンツ

博報堂DYグループの総合メディア事業会社「博報堂DYメディアパートナーズ」と連携した事業です。

生活者に対し、最新のメディア環境を踏まえた上でクライアントの狙いを実現する、メディア・コンテンツサービスの提供を行っています。

テクノロジー・R&D

ビッグデータを読み解き、新たな取り組みへ活用する事業です。

博報堂はデータアナリティクスの専門組織・専門家も抱え、クライアントへデータドリブンマーケティングの提供を行っています。

同社内にある研究開発部門と博報堂DYホールディングスとの連携により、ナレッジツールやソフト開発、AI研究などを行い、次世代広告のあり方を研究開発しています。

博報堂の募集職種からわかる仕事内容とは

博報堂の募集要項では、総合職(アカウントプロデュース、ストラテジックプランニング、クリエイティブ、PRなど)が募集職種とされています。

同時に博報堂DYメディアパートナーズの募集も総合職でかけられていますが、双方の業務内容は異なっていますので注意しましょう。

総合職

総合職の仕事内容は、大きく分けて営業とクリエイティブの2つです。

アカウントプロデュースはいわゆる営業職で、クライアントと折衝を行い、課題を抽出した上で最適なソリューションのプランニングと実行をするのが仕事です。

クライアントとパートナーシップを築き、クライアントのマーケティング課題を解決するため、戦略立案から実施までをプロデュースするのが業務となります。

ストラテジックプランニングも同様にクライアントの戦略に関わりますが、こちらはとくに消費者調査(定量および定性)やデータ分析など、マーケティング部分に深く関わると理解すればよいでしょう。

同社は顧客の多くが有名企業のため、手がけるビジネスもスケールが大きく、予算規模も数億円以上に及ぶケースも珍しくはありません。

もちろん新卒からいきなりというわけにはいきませんが、いつか大規模プロジェクトに携わりたいと考えるなら、アカウントプロデュース職は大いに活躍できる仕事です。

一方クリエイティブはその名のとおり、あらゆるクリエイティブに携わるのが仕事です。

主に営業からクリエイティブに関する依頼を受け、期待に沿う企画提案、制作をするのが仕事です。

クリエイティブの中でも部署に分かれており、それぞれ専門領域を担当します。

クライアントと密に接する仕事ではありませんが、クライアントの課題を深く理解し分析した上で、期待をさらに上回る作品を創り上げるのが醍醐味と言えます。

クリエイティブは同社の顔でもありますので、個性を発揮するにふさわしい仕事と言えるでしょう。

博報堂の競合他社との違い

博報堂が競合他社と違う点は、過去、多くのクリエイターを輩出してきた点にももちろんあります。

ただクリエイティブだけに目を取られると、同社の真の姿を捉え損なう可能性もあるでしょう。

同社がどのような観点で事業を展開し、社員はどのようなスタンスで業務を進めているか、特徴的な点から本質を見極めることが重要です。

打ち合わせのやり方

博報堂は打ち合わせのやり方が違うと言われる理由は、2017年に「博報堂のすごい打ち合わせ」という書籍が出版されたからです。

その中で同社が斬新なアイデアを生み出し続けられる理由として、50%が雑談であることが挙げられています。

従来の枠組みにとらわれないアイデアを生み出すためには、固定観念に縛られない新しい発想が重要だとして、チームの打ち合わせでは雑談によるあらゆる可能性の洗い出しをするとしています。

この作業は拡散と言いますが、アイデアは発想より思考の拡散で作り出されるというのが同社のモットーです。

こうしたスタイルは、会議の場では上下に関係なく、誰もが意見を言いやすい環境を生むことも可能にしています。

同社では「アイデアの下では皆平等」というフレーズも有名で、新人でもよいと思えばよい、悪いと思えば悪いとコメントできる空気があります。

比較的上下関係の厳しい体育会系の広告代理店も多いため、同社のこうした空気感は他社とは大きな違いと言えるでしょう。

制作部門

あらゆる専門家がそろい、プロモーションの企画立案から仕上げまで、ワンストップで創れる業界随一の制作体制が同社の大きな違いです。

最新技術にも貪欲で、常に新しい可能性を追求した結果、今まで一方通行だった広告やプロモーションがコンテンツへと昇華したというのも同社の誇りとされています。

人材育成にも力を入れ、企業内大学で業界人の育成にも努めていますが、常に次世代のプロモーションを自社の力で切り拓く、制作現場のパイオニアであり続けようとする姿勢は、他社には同社独自の体制です。

データに基づいた営業活動

博報堂は、データの収集と分析に非常に強みを持ち、裏付けある営業活動を行うのが大きな特徴です。

とくにデータドリブンマーケティングに強い自信を持ち、説得力あるロジックで効果的なマーケティング施策を打ち出すのが他社との違いと言えるでしょう。

とくに生活者データの蓄積と分析に長けており、Web行動データや購買データなどの消費者データをデジタル広告ソリューションに存分に活かしています。

消費者行動の一歩先を行くマーケティングスタイルが、博報堂らしさと言えます。

博報堂の求める人物像とは

博報堂は「生活者とともに未来をつくる存在」であることを明言しています。

このビジョンを形にするため、新しい感性とスピード感を持つ人材を多く求めており、採用も積極的に行っているのが特徴です。

クライアントと生活者・社会との架け橋になることを使命としているため、「生活者発想」と「パートナー主義」とを両立する必要がありますが、実は固定された人物像はありません。

同社は「粒ぞろいより粒違い」の文化をモットーとし、「こういう人を求める」という決まったイメージは持たず、いろいろな価値観を持つ人材をよしとするのが伝統的な社風です。

そのため、異質なキャラクターも活躍しやすい環境にありますが、同社人事局長によると「自分の意見をしっかり持ち、仲間の意見もしっかり受け止め、しなやかに変化できる柔軟な感性を持つ人物」が活躍できるだろうとしています。

人のことを考え寄り添うことができる

クライアントに寄り添い、生活者に寄り添い、双方をつなげるのが広告代理店の社会的使命ですので、独りよがりにならず人の考えに寄り添えることは重要です。

とくに「クライアントファーストの博報堂」と言われる同社は、プレゼンテーションの場においてもクライアントにとってベストと信じる最適解をとことん考え抜き、1点のみ提案するのがスタイルです。

ここにもパートナー主義が現れていますので、そうした考えに共感することも大切でしょう。

自分だけの強みを理解して能力を発揮できる

先ほど粒ぞろいより粒違いという言葉を挙げましたが、重要視されるのはその人だけが持つ個性や強みです。

人と同じではない独自性を打ち出せる人は、同社に入社しても存分に活躍が期待できるでしょう。

ただそれにはまず自分で自分のよさや持ち味を深く理解し、第三者にもわかるように発揮しなければなりません。

そのためには徹底した自己分析が必要ですし、周囲の意見も聞いて自分の魅力を知ることが重要です。

サプライズ好き

博報堂は2017年に「絶対に本音で話さざるを得ない説明会」を開催したことでも有名です。

これはFace Trackingという技術で参加学生の表情からモヤモヤ度を導き出し、学生の納得度の低い社員には同僚や上司・家族がサプライズ登場し、本音を問い正すという仕掛けでした。

学生の聞きたいことにとことん答えるというのがイベントの企画主旨でしたが、参加学生も登壇した社員もまったく予期していなかったサプライズであり、非常に高評価を得た企画です。

博報堂側が企画を練りに練って、学生のためにこのような仕掛けを考え抜くくらいなのですから、同社がサプライズ好きの集まる会社であることに疑問の余地はないでしょう。

そもそも広告はターゲットに驚きや発見、感動を与えることで、訴求したいものに対する何らかの感情を呼び起こすのが主たる目的です。

人が幸せになれるサプライズが好きだという人は、同社への適性は十分にあるのではないでしょうか。

まとめ

博報堂は日本の広告代理店の二大巨頭であり、「クリエイティブの~」「クライアントファーストの~」というような数々の異名も持つ企業です。

その事業内容は多岐にわたりますが、同社が一人ひとりの個性を重視するように、あらゆる分野に自身の能力や資質を活かせるフィールドが用意されていると言えるでしょう。

企業研究では、企業そのものの調査をすると同時に、これまでに手がけたプロモーションや受賞した作品などをできる限りチェックし、その真意を自分なりに考察することも大切です。

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