はじめに
インターンシップを志望している就活生は、企業とメールのやりとりをすることもあるでしょう。特に、日程や持ち物などについて質問メールは重要です。
しかし、社会ではメールの書き方にも「ビジネスマナー」があります。マナーを踏まえていないメールは企業を不愉快にさせ、採用過程に響くリスクも生まれます。質問を送る前に、マナーを正しく勉強しておくのがおすすめです。
ここでは、インターンシップ志望者の質問メールについて解説します。
【インターンシップの質問メール】メールの書き方の基本
学生生活では、ビジネスメールを書く機会はほとんどなかったかもしれません。
まだ学生とはいえ、インターンシップには社会人としての最低限のマナーを身につけて臨みたいものです。
友達同士のメールのやり取りとは異なり、ビジネスでのメールを送る場合は、送る相手に配慮していくつか守るべきルールがあります。
ここでは、社会人としての基本的なメールの書き方を紹介します。
慣れていないと、いざ急いでメールを書かなければならなくなったときに困りますので、インターンシップ参加前に確認しておきましょう。
メールの基本的なマナーは「宛名」と「署名」と「挨拶」
ビジネスメールの基本はまず「宛名」です。自分が送ったメールが誰に向けられているのか、はっきりと文面で示しましょう。
文頭に相手の名前を入れるのが一般的です。そして、「挨拶」をはさんで自分の名前と大学名を名乗ります。
挨拶は「お世話になっております」が常識ですが、初めてメールを送る相手にはもちろん「はじめまして」となります。
多くの就活生やインターンシップ志望者が見逃しがちなのは「署名」です。ビジネスメールでは文章の最後に送信者の名前を入れるのがマナーです。また、住所や連絡先も署名と一緒に添えておくとより親切でしょう。
「宛名」と「挨拶」と「署名」はいかなるときも必要なのでテンプレート化しておくと便利です。
件名で内容が分かるようにする
ビジネスメールでは、受信者が一瞬で内容を想像できるのが理想です。質問メールであれば届いた瞬間に「誰かから質問が来ている」と察してもらえるよう工夫しましょう。
そのために大切なのが件名の書き方です。件名がないのは分かりにくいだけでなく、企業に失礼です。「A大学B山C朗」という風に自己紹介した後で「インターンシップ説明会について質問」とシンプルに用件を明記すると、受信者はすぐ内容を把握してくれるでしょう。
ビジネスメールにおいては、「忙しい人に読んでもらっている」のが前提です。長い導入文やだらだらとした説明は要りません。自分が聞きたい内容をコンパクトにまとめましょう。
また、1つ1つの文章も短く区切った方が読みやすいでしょう。
インターンシップの質問メールにおいて避けるべき質問
ビジネスメールの基本に則ったメールが書けたとしても、質問すること自体がルール違反な質問もあります。
インターンシップを前に、あれこれと知りたいことはあるとは思いますが、聞きたいことをなんでもメールして良いわけではありません。
インターンシップは、就活生にとっては志望企業を知るうえで非常に有効な機会ですが、企業にとっても優秀な学生を見極められる機会となっていることを忘れてはいけません。
メールで避けるべき質問をしたことで、本採用に悪影響を与えてしまわないように注意しましょう。
調べればわかる情報
その質問は、本当にメールで質問する必要があるのか、送信する前に確認しましょう。
自分で調べればわかるような内容の質問をすると、忙しい担当者に迷惑をかけてしまうことになり、何よりその企業への熱意や興味について疑問をもたれてしまいます。
インターンシップ参加前には、企業の情報はきちんと調べておくことが基本です。
企業研究をしていない人と思われたり、やる気のない印象を与えたりしないためにも、質問のメールを送る前には企業のホームページや資料をよく調べて、記載がある内容を質問していないか確認が必要です。
要求をする
自己中心的な印象を与えるような、企業に要求をするメールは送るべきでありません。
企業側ですでに設定している日程の変更を要求するなどは、常識的に考えて自分勝手なお願いではないか、よく考えてみる必要があります。
やむを得ない理由でどうしても日程調整が必要な場合は、要求ではなく、どのようにしたら良いか、判断を企業側に委ねるような文面にしましょう。
この場合は、日程が合わない理由を簡潔に書くことが大切です。
誠実さと、インターンシップ参加への熱意が伝わるように配慮して書きましょう。
好印象を与える質問メールのポイント
インターンシップにおいて質問をメールにて行う場合、企業に好印象を与えるためには工夫が必要です。
まず、相手は社会人ですから、メール送信時の時間帯やメールの基本構成、正しい敬語表現などはしっかり押さえてください。
基本のマナーを意識したら、次に以下の3点を踏まえてメールの内容を工夫してみましょう。
要件は簡潔に
メールにおいて、だらだらと何を伝えたいのかあやふやな内容にしてはいけません。
要件は簡潔に冒頭で伝えるよう意識しましょう。
例えば、
「本日は、○月○日に開催される貴社のインターンシップについて、お聞きしたいことがあり、連絡いたしました。」
など一言挟んで、質問することで、メールの目的などがぶれることなく伝わります。
企業へ向けてメールで質問を行う場合は要件を簡潔に示すように心がけましょう。
相手の都合を配慮する一言を
相手は社会人です。
そのため、相手は仕事の合間を縫って学生の質問に回答してくれることになります。
できるだけ余裕をもって質問するようにしましょう。
「お忙しいところ恐縮ですが、」や、
「ご都合のつく際にご回答いただけると幸いです。」など、
相手の都合を配慮する一言を添えてみることで、気が使える印象や常識のある印象を獲得することができます。
質問の内容は具体的に答えやすいものを
質問の内容についても工夫が必要です。
抽象的な質問は考えられる回答の幅が広くなってしまいます。
自分の求めていた回答と企業の回答に齟齬が生じてしまいます。
質問について、何が知りたいのか、どのような回答が欲しいのか明確にしましょう。
「~について教えていただきたいです。」
「~なのでしょうか。」
等、「はい・いいえ」で答えられる質問形態や、求めている回答が明確にわかるような質問形態を用いると良いです。
インターンシップについて企業からの回答メールにはお礼を伝える
質問メールを送信したら、返事を待ちます。正しい内容でメールを送れたなら、遅くとも翌営業日には返事が来るでしょう。しかし、メールのマナーでは「返信が来たから終わり」ではありません。
目上の相手がインターンシップ志望者のために時間を割いて返信をくれたのです。当然、お礼のメールをする必要があります。
お礼のメールは早ければ早いほど理想的です。どんなに遅れても1日以内には返信するようにしましょう。お礼メールには2つの意味合いがあります。
1つは相手の労力に対して感謝を示すことです。そして、もう1つは「しっかり内容が理解できた」と確認する意味です。お礼メールが来ないと企業は「届いているのか」と不安になるので、すぐに返信をしましょう。
営業日に返信しよう
企業からの回答メールに対してお礼のメールを送る場合は、なるべく早く、できれば24時間以内に返信することが基本です。
しかし、もし返信しようとした当日が、企業の休日に当たっている場合は、休み明けの始業時間後に送りましょう。
休日のプライベートな時間に送られて来たメールは、あまり良い印象をもたれません。
ビジネスでのメールも、相手への配慮から、緊急の場合を除いて、営業日に送ることが望ましいとされています。
この場合、くれぐれも休み明けに返信し忘れることのないように注意しましょう。
「Re:」は消さない
返信する際の件名欄は「Re:」をつけたまま、件名もそのままにして返信しましょう。
担当者は、多くの人とさまざまな案件についてのメールのやり取りをしていることが考えられます。
「Re:」がついた件名欄を見れば、どの案件の何度目のやり取りなのか、ひと目でわかります。
件名を書き変えたり「Re:」が消されていたりすると、はじめて来たメールなのか、どの話についてのメールなのか、メールを受け取った相手に確認するための手間をかけさせてしまうのです。
返信不要と記載の場合は返信しない
企業から来た回答メールに「返信は不要です」との書かれているケースもあります。
企業側の学生への気づかいで返信不要としてくれているのか、担当者が多忙なため、メールの確認がわずらわしくなるなどの理由から、返信不要なのかを判断することは難しいでしょう。
企業側の気づかいである場合は、質問の回答に対し承知したことと供に、お礼を伝えるためのメールを返信することで、丁寧な印象を与えられます。
しかし、そうでない場合には物事の分別がついていないという印象をもたれる可能性もあるため、返信はしないほうが無難でしょう。
【インターンシップの質問メール】例文
以下、インターンシップ志望者の質問メールの例文です。これからメールを送る際の参考にしましょう。
件名:【C大学文学部D山E助】
インターンシップ説明会の会場について A株式会社B課長様 はじめまして C大学文学部D山E助と申します。
私は1月15日に行われる御社のインターンシップ説明会に出席を予定しております。
当日はよろしくお願いいたします。
さて、御社サイトでは会場が「Fビル3階」とあるのですがFビルには1号館から3号館があるため、よろしければどの館か教えていただけないでしょうか。
お忙しいところお手数おかけいたします。
以上、よろしくお願いいたします。
D山E助 (住所、電話番号、メールアドレスなどを記載)
【インターンシップの質問メール】注意点
敬称に注意
学生生活でなじみがないため、特に迷いがちなのがメールで使う敬称です。
間違いがちなものとして多いのは「御社」と「貴社」の使い方があげられます。
相手企業を指す場合の敬称は、面接の場合など話し言葉では「御社」と言いますが、メールで書く場合は「貴社」と書きます。
話し言葉と書き言葉で異なることに注意して、使い分けられるようにしておきましょう。
また「部長」や「課長」などの役職名は敬称でもあるため、「○○課長様」とすると敬称が2つ付いていることになり、間違いです。
間違いやすい敬称については、まとめて確認しておきましょう。
誤字脱字に注意
当然のことですが、メールを送信する前に、誤字脱字がないか十分に確認しなければなりません。
企業の担当者は、多忙の中、質問のメールに回答してくれるのです。
誤字や脱字で質問内容がわかりにくかったり、質問の意図が正しく伝わらなかったりした場合は、確認作業のため手をわずらわせてしまいます。
また、企業に対する対応が雑である印象を与えてしまい、入社後の仕事に対する姿勢についても不安を抱かれてしまう危険があります。
誤字脱字のないメールを心掛けることは、社会人にとっては当然の習慣です。
改行をする
メールの文章を読むときは、紙に書かれた文字を読むときよりも読みにくくなり、目に負担がかかりがちです。
そのため、改行や段落分けを工夫するなど、見やすくするように意識して書くことが大切になってきます。
また、相手がパソコンでメールを読むとは限りません。
改行は、スマートフォンで読む場合を考えて入れると良いでしょう。
1つの文章に、複数の要素を入れないようにすることも、わかりやすい文章にするために重要なポイントです。
絵文字は使わない
企業とメールのやり取りをする場合は、友達とのメールとはしっかり区別しなければなりません。
絵文字などを使うと、馴れ馴れしいメールとなってしまい、企業に対するメールとしては不適切です。
友達感覚でメールをしていると思われてしまうと、立場をわきまえていない失礼な学生という印象を与えてしまいます。
「!」なども、くだけた印象になるため使わないほうが良いでしょう。
また、文字化けしてしまうおそれのある丸囲みの数字やローマ数字、省略文字などの機種依存文字も使わないように注意してください。
シンプルなメールアドレスを使う
普段使っているメールアドレスが、社会人としてふさわしいものかどうかも注意してチェックする必要があります。
あまり奇抜な印象を与えるようなメールアドレスであれば、使用するのは避け、就職活動用にシンプルなメールアドレスを新しく作成したほうが無難でしょう。
これから就職活動が本格化してくると、さまざまな企業とのメールのやり取りが増えてくることも考えられます。
就職活動用のアドレスを作成することで、管理もしやすくなり、企業からの重要なメールを見逃してしまうことも防げます。
送る時間に注意
深夜や早朝などにもかかわらず、自分のタイミングでメールを送信するのはやめましょう。
電話とは違い、メールならば何時に送っても相手の都合の良いときに読んでもらえるため「送る時間帯は関係ないだろう」と考えがちです。
しかし、ビジネスのメールでは、よほど緊急の用事でない限りは、相手の会社の業務時間内に送ることがマナーとされています。
社用のメールを携帯で確認している場合も考えて、非常識な時間に送信しないよう気をつけましょう。
まとめ
まだ学生であるとはいえ、インターンシップに参加する場合には、社会人として最低限のマナーは押さえておかなければなりません。
そのこと自体が、インターンシップに参加するうえでのマナーであると言えるでしょう。
これから本格的な就職活動が始まると、企業にメールを送る機会も増えてきます。
また、いずれ社会人となればビジネスメールのマナーはマスターしていることが必須です。
インターンシップを機会に、ビジネスメールのマナーを身につけておきましょう。
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