はじめに
就職をする前に、実際に就業を体験できるインターンシップは、業務に携わる中で社風などを確かめられる貴重な機会です。
社会に出るより前に知っておきたかったことについて実感をともなって確かめられる、何より社員と直接話ができるなどのメリットも感じられるでしょう。
一方で、特に長期のインターンシップに参加した人の中には、お礼をするべきかどうか悩むこともあるかもしれません。
そもそもお礼は必要なのか、お礼をする場合の注意点などとあわせて解説していきましょう。
長期インターン参加後にお礼は必要?
結論から先に言うと、お礼はもちろん必要です。
なおかつ、できるだけ早く送るようにすべきでしょう。
そもそも、最終日にはきちんとお世話になった社員にお礼を伝えるはずですが、翌日以降にもしっかりと感謝の気持ちを伝えれば、相手に与えるイメージは格段に良くなるはずです。
ただし、長々とした文章を書くのではなくできるだけ簡潔に、わかりやすくまとめるように意識しなければなりません。
「あまり短すぎると、長文に比べて印象が悪くなってしまうのではないか」と心配する人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
だらだらとした文章を送ってしまうと、かえって心証を損なうこともあり、読み手の立場に立って、読みやすく負担をかけないようなものに仕上げましょう。
1dayインターンや短期インターンの場合は?
企業が行っているのは長期間にわたるインターンだけではなく、数日だけのものや、数時間くらいのものまでさまざまです。
短期であれば気軽に参加しやすく、かつ複数の企業のインターンに参加しやすいというメリットもあるでしょう。
一方で、長期に比べれば深く業務に関わることなく、なかなか職場の雰囲気に慣れなかったり、社員からじっくり話を聞けなかったりしたというデメリットを感じるかもしれません。
それでも長期の場合と同様に、お礼は欠かさずに送っておくべきでしょう。
インターンとはそもそも、学生の側からしてみれば興味のある企業を訪問し、就業体験ができるため、自分の適性を見極められる意義あるものです。
ところが開催される多くは平日であり、企業側としては、通常の業務時間を削ってまで機会を提供しているのです。
これらの背景を理解すれば、短期間であってもお礼するべきだという考えに至るはずで、短文であってもなるべく速やかに送っておけば、企業に好印象を与えるチャンスにもなるでしょう。
お礼はメールで良いのか?
ここまでで、インターンに参加したあとはお礼を送るべきということがわかったはずです。
それではお礼の手段はメールで良いのか、あるいは手紙をしたためるべきなのか、会社宛に電話して口頭で伝えるべきなのかを見ていきましょう。
メールでOK
インターンを経験したことによって、入社したい意欲が高まったら、なおさら貴重な機会が得られたことに対してお礼を伝えて、印象を良くしておくべきです。
それによってマイナスなイメージになることはまずないでしょう。
もし仮に、参加した学生のほとんどがお礼をしていたとすればどうでしょう。
お礼をしなかったことにより、そのあとの採用に直接影響することはなかったとしても「プラスに働くことはない」と言わざるを得ません。
手段は手間がかからないメールでも失礼に当たることはなく、手書きの手紙と比べて、事務的な印象を与えることもありません。
電話なら感謝の気持ちが伝わりやすいと思う人もいるかもしれませんが、タイミングが悪ければ、企業によっては時間を割かれて迷惑に思うこともあるため、連絡手段は慎重に判断すべきでしょう。
お礼のメールを送るときの注意点
感謝の気持ちを伝えるためにもお礼は送ったほうが好ましく、お礼はメールでも礼儀に欠けるものではないことがわかったうえで、送る際に何か注意すべきことはあるのでしょうか。
せっかく送っても、たとえば件名が長すぎていたり、内容が定型文ばかりだったりすれば、相手に不快感を与えかねません。
そこでここから先は、具体的にどのようなことに注意をすれば良いのか確認していきましょう。
さらに例文を示しますので、これからお礼のメールを送る際の参考にしてください。
時間・タイミング
まず注意したいのは、できるだけ速やかに送ることです。
何日も経ってからでは、あまり良いイメージにつながらないでしょう。
特に参加人数が多かった場合は、時間が経ってからでは顔を忘れられてしまっているかもしれませんし、すでに参加者のほとんどからお礼を受け取っているでしょう。
つまりライバルに先を越されてしまって不利になるため、早いに越したことはありません。
たとえば最終日の当日でも問題はありませんが、もしメールの作成に手間取ってしまい、仕上がりが深夜になってしまった場合は翌日になってから送りましょう。
ビジネスマナーとして、緊急な場合を除いて深夜の送信は控えるべきです。
また、常識的な範囲で送らなければなりません。
できるだけ就業時間内にメールを送信し、翌日が土曜日というケースでは、週が明けてから月曜日にするなど、相手への配慮を忘れないください。
送る相手
ビジネスメールにおいては、挨拶や本文よりも前に、宛名を先頭に書くことが基本のルールです。
インターンのお礼であれば人事担当者に送るというのが一般的で、どこの部署に送れば良いのか宛名に迷うことはありません。
長期インターンなどの場合には、個人的にお世話になった人がいるかもしれませんが、それぞれにお礼を送る必要まではないでしょう。
なぜならば、本文にその人の名前をあげておき、お礼を伝えてもらえるように一言添えておく程度でかまわないからです。
企業によっては独自のトークシステムにより、オンライン上でコミュニケーションを取れることがあるかもしれません。
チャットを利用して、個別に送信できるようなものであれば、それを通じて感謝を伝えても良いでしょう。
誤字脱字に気をつける
メールでお礼を送る場合、特に注意したいのは、宛先はもちろん、本文内に誤字や脱字をなくすことです。
せっかくすぐに送ったとしても、漢字に誤りなどがあれば印象を悪くしてしまいかねません。
これはお礼メールに限らずエントリーシートなどにおいても同様です。
誤字や脱字のないことが当たり前で、1つでもミスがあれば評価は下がってしまいます。
特に宛先については慎重に慎重を期して、間違えたまま送信して、相手に失礼がないように気をつけましょう。
本文においても、必ず送信する前に読み返すくせをつけておいてください。
さらに同音異義語など間違えやすい漢字などに注目し、繰り返しチェックをして、伝えたい内容が簡潔にまとまっていることを確かめてから送信しましょう。
お礼メールの例文
株式会社〇〇 人事部様
お世話になっております。
〇〇大学の〇〇です。
この度はインターンシップに参加させていただき、誠にありがとうございました。
業務内容だけではなく、社会人としてのビジネスマナーや考え方も教えていただき、〇〇業界の理解も深まり、人間としても成長できたと感じております。
また、期間中には多くの社員の方々と交流する機会を与えていただいたことで、温かい職場の雰囲気を肌で知ることができ、入社したいという気持ちがますます高まりました。
今後の本選考においても、この度の経験を活かしてしっかりと取り組んでまいります。
期間中は特に〇〇様には個人的に特にお世話になったので、一言感謝の気持ちをお伝えいただけると幸いです。
末筆ながら、貴社の益々のご発展と皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
返信が返ってきたらどうする?
ここまででお礼の必要性や、メールで送る際の注意点については理解できたはずです。
しかしこれで安心せず、お礼のメールに返信があった場合の対応を知っておかなければなりません。
もしも、返信の文末に返信不要とあればその通りに返信しなくてもかまいません。
それがない場合は、できるだけ早く返信してください。
すでにインターンについてのお礼は済ませているわけですから、返信の内容は返信があったことについてお礼をするだけの、簡潔な内容を心がけましょう。
ただし、自分からのお礼メールに目を通してもらって、忙しい業務の合間を縫って返信をしていただいたのです。
その背景を理解したうえで、短文であってもしっかりと感謝の気持ちをこめましょう。
まとめ
インターンへ参加した直後に、メールを通じてお礼をすることは、感謝の気持ちを伝える、当たり前のマナーとして覚えておいて良いかもしれません。
必ずしも、そのあとの選考に直結することはありません。
また「ライバルに差をつけよう」などと力むものでもなく、素直にお礼をすれば良いだけで、深く悩む必要もないのです。
お礼を書こうとすれば、インターンを振り返ることにもつながります。
つまり、これからの就職活動に役立ちそうなエピソードを思い出すきっかけにもなるでしょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート