就職活動で必ず聞かれる項目のひとつである自己PRは、自分をアピールする重要なチャンスであるため、なるべく自分らしさが出るようなエピソードを交えて説明する必要があります。
ここでは、業務改善につながるような創意工夫ができるという強みを自己PRにする場合の例について説明します。
仕事において工夫ができるというスキルは、なぜ企業にとって重要なのでしょうか。また、自己PRに使う場合に注意すべき点とは何でしょうか。
- 自己PRで「創意工夫」をアピールする方法
- 自己PRで「創意工夫」をアピールする際の注意点
- 自己PRで「創意工夫」をアピールする例文
- 自己PRを書く際のポイント
- 自己PR作成にあたって、何を書いたら良いかわからない人
- 自己PRで「創意工夫」をアピールする方法がわからない人
- 志望動機の作成にも詰まっている人
- 「創意工夫」の言い換えを知りたい人
目次[目次を全て表示する]
【工夫する力で自己PR】創意工夫する力とは?
仕事をするうえで、自分なりの工夫を加えて業務を改善することや、新しいアイディアを出すということはとても重要なことです。
創意工夫ができる社員は、試行錯誤を繰り返し、いかにより良い製品を生み出すか、良いサービスを顧客に届けられるかという努力を積み重ねることができます。
逆に、工夫をしない社員は言われたことしかやらない指示待ち人間であるなど、自分から自発的に動くことのできない社員である可能性が高いでしょう。
創意工夫ができる社員は逆境にも強く、予期せぬ事態においてもマニュアル通りではなく、自分の頭で考えてフレキシブルに対応することができます。
そのため、企業は特に正社員採用において、創意工夫ができるかという点を重要視する場合があります。
【工夫する力で自己PR】創意工夫を魅力的に自己PRするために
自己PRで、創意工夫ができる点をアピールすることは、とても有効でしょう。
しかしながら、創意工夫を武器にアピールしてくる人は、ほかの志望者の中にもたくさんいます。
その中でも、より魅力的に創意工夫をアピールすることは必要になってくるでしょう。
具体性があるエピソードを盛り込むのはもちろん、自分のもっている創意工夫はどのようなものか、理解を深めるのも有効です。
創意工夫を魅力的に自己PRするために、必要なポイントを以下に2つご紹介します。
- 創意工夫を自分なりに定義付け
- 友人から他己分析してもらおう
創意工夫を自分なりに定義付け
一口に創意工夫と言っても多義的であるため、自分の中で具体的な意味を考えることが必要です。
きちんと意味を理解し、自分の中で定義付けができている人のほうが、軸のある自己PRをできるでしょう。
たとえば「問題を解決するために、創意工夫ができる」という、アピールの仕方とします。
過去の実際に工夫してきたエピソードを伝えるのも良いですが、そのうえで創意工夫には何が必要かを定義付けしましょう。
一般的な工夫と、創意工夫はどのように異なるのかなど、言葉の意味について理解を深めておくのも良いかもしれません。
創意工夫には、多くの人が思いつかないような、クリエイティブな発想が必要だということもポイントでしょう。
友人から他己分析してもらおう
他己分析してもらうことで、より客観的な強みをアピールできます。
たとえば、親しい友人から自分の強みを教えてもらうと良いかもしれません。
「創意工夫ができていたことはあるか」「長所はなんだと思うか」などをくわしく聞けると良いでしょう。
就活仲間がいるのなら、お互いに他己分析し合うのもおすすめです。
聞ける友人がいなくても、紙に書き出して、客観的に見て考えてみることは有効でしょう。
就活のアドバイザーに聞いてみたり、就活やビジネス系のイベントに参加して友人を作ったりするのも良いかもしれません。
【工夫する力で自己PR】創意工夫を自己PRする際の構成
創意工夫を自己PRするときに、何をポイントに考えてまとめれば良いかわかったでしょう。
内容を深めたあとは、伝わりやすいように構成を考えることも必要です。
創意工夫を自己PRする際に、しっかり構成を考えておくと、より魅力的なアピールにつながります。
せっかく、深くて良い内容ができたなら、魅力的にアピールできないと無駄になってしまいます。
ここからは、どのように構成を組み立てると良いかのポイントをご紹介していきましょう。
以下を参考に、良い創意工夫のアピール文を実際に書いてみてください。
- 結論は最初に明示
- 具体的なエピソードで裏付け
- 業務上の工夫をしたエピソード
- 企業に貢献できる意思をアピール
結論は最初に明示
先に結論を明示すると、文章構成していくうえでの道筋が立ち、相手にも伝わりやすくなります。
結論を先に書くというポイントを押さえずに、自己PRなどの文章を書くと、だらだらと長くなってしまいがちです。
長いことが悪いわけではないですが、最後まで結論が見えないと、人事も途中で読む気が失せてしまうこともあるでしょう。
一番伝えたい結論を冒頭にもってくることで、忙しい人事相手でも、必ず伝えたい部分を伝えることにもつながります。
出だしの結論から魅力が伝われば、のちのくわしいエピソードや、想いの部分まで読みたいと思ってもらえるかもしれません。
具体的なエピソードで裏付け
結論が書けたら、あとはエピソードがあれば、具体性も増してより高評価につながります。
具体的に掘り下げることで自分らしさをアピールできるでしょう。
具体的なエピソードもあったほうが、人事も入社したあとの志望者の姿が想像しやすいのです。
実際に書いていくとき、エピソードを盛り込んだほうが字数をかせぐことにもつながり、一石二鳥でしょう。
大きなエピソードでなくても良いので、何か創意工夫をアピールできることがあれば、積極的に書いてください。
業務上の工夫をしたエピソード
創意工夫とは、必ずしも製品開発などクリエイティブなことだけとは限りません。
業務の効率化をしてコスト削減するということも、業務上工夫をしたことに含まれます。
自己PRにおいては、今までの学生生活や前職での経験のなかで、自分が工夫をして良い結果を導いた例を思い出し、エピソードとして利用しましょう。
自分が担当した業務のなかで、何か問題や課題があった場合に、従来のやり方に囚われずに新しい方法を実践し、結果的に良い方向に物事が進んだという一連の流れが重要です。
例えば、アルバイト先の店舗の売上が上がらないという問題があった際に、接客方法や商品のPOPに工夫を凝らし、翌月の売上を○パーセント上げることができたという具合に、なるべく具体的にすると伝わりやすいでしょう。
企業に貢献できる意思をアピール
また、企業でどのように貢献できる人材なのかをアピールしましょう。
入社後、自分の長所や創意工夫できるところをどのように活かすのか考えてみましょう。
志望する企業の業務や事業内容に、どのように貢献できるのか想像してみてください。
そうして思いついたことをもとに、どのように貢献したいか、自分がどう貢献できる人材なのか書いてみると良いです。
企業に貢献したいという意思をアピールすることで、人事からも高い評価を得られるでしょう。
【工夫する力で自己PR】自己PRを組み立てる際に注意すべき点
このように、創意工夫ができるという自己PRを作る場合には、具体的にどのような工夫をしたのかというほかに、その結果どうなったのかという点を明確にする必要があります。
ただ単に「このような工夫をしました」というだけでは、その判断が良かったのかどうかという結果が見えないため、説得力がある自己PRとは言えなくなってしまうからです。
さらには、なぜそのような工夫をしようと思ったのかというきっかけと、最終的にその経験からどのような学びがあったのか、また入社後にその強みをどう活かせるのかということまで説明できると、より納得感が得られるでしょう。
- 誰でもできる「工夫」ではダメ
- 業界や職種との相性も考える
- 伝え方によっては短所ともなり得る
誰でもできる「工夫」ではダメ
業務における工夫や改善という内容は、多くの企業が求めているスキルであるだけに、候補者が利用しがちな自己PRでもあります。
そのため、企業の採用担当者にとっては、特に目新しいPRではないというリスクもあります。
ほかの候補者と差をつけるためには、インパクトのあるエピソードであることも重要と言えるでしょう。
同じ業務改善であっても、ほかの人が思いつかないような斬新なアイディアであったり、結果的に大幅な効率化を実現できたりといった具合に、印象に残るような具体例であることが好ましいと考えられます。
また、いくら素晴らしいエピソードでもその企業で活かせないようでは面接官の心に刺さりません。業界や企業研究をしっかりと行い、あらかじめその企業が求める人物像を明確にすることが重要です。
業界や職種との相性も考える
業界や職種によって、アピールにならない内容もあります。
たとえば、業務にスピードや効率性が強く求められる仕事では、試行錯誤しながら創意工夫を重ねていく力は評価されづらいです。
そのような業種ならば、業務を効率化するためのアイデアをたくさんもっていて、素早い行動をできる人が重宝されるでしょう。
そして、そもそも創意工夫が必要な仕事か、あらためて検証する必要があるかも考えてみてください。
自分がもっている創意工夫の力を、どのようにその職種に活かせるか、自分と相性が良いか考えてみるのも良いでしょう。
伝え方によっては短所ともなり得る
強い武器になり得る創意工夫も、伝え方を誤ると短所にもなり得ます。
業界や職種との相性を考えることと重なる部分もありますが、企業が求める人物像と合っているかは大切です。
しかしながら「企業にとって、自分の創意工夫の点が短所になるかもしれない」と気づくことは良い一歩です。
伝え方を間違えなければ、長所として受け取られることもあり、どうすれば長所にできるか考えることもできます。
企業にとって、自分の創意工夫が短所に映ってしまっていないか、よく考えて自己PRしましょう。
【工夫する力で自己PR】「工夫する力」言い換え
「工夫する力」の言い換えにはさまざまなものがあります。
覚えておくことで志望動機を作成する際はもちろんのこと、面接でも活用できるので確認していきましょう。
「工夫する力」の言い換えとしては「想像力」が筆頭に挙げられます。
創造的なアイデアやアプローチができる能力を指す言葉で、特にクリエイティブ系の企業への就職を目指している人は活用できるでしょう。
「革新性」もよく用いられる言い換えです。
新しい方法やアイデアを取り入れる柔軟性や創造力を指す言葉であり、枠にとらわれず、企業へ貢献するためにさまざまな工夫を凝らす人材であることをアピールできるでしょう。
「アイデア展開」も便利な言い換えで、アイデアを用いて新たなコンセプトの提案や解決策をひねりだせる人材であるとアピールできます。
「創意工夫」は既存のアイディアや考え方にとらわれず、新しい観点をもたらすために必要な能力やプロセスのことで、「工夫する力」の言い換えとして使えます。
「創造性」は新しい視点、発想を持ち、独自のものを創出する力を指す言葉なので、こちらも「工夫する力」の言い換えとなり得ます。
「発明力」は新しい発見やアイディアを生み出す能力のことで、「工夫する力」の言い換えとして便利です。クリエイティブな業界を目指す人はよく使うことになるでしょう。
「オリジナリティ」は独自性や普通と異なる特徴を持つことで、こちらもクリエイティブ系の職を目指す人が多く使うことになる単語です。
「革新的思考」はやや壮大ですが、「工夫する力」の言い換えとして使えます。新しい考えを生み出す能力や独自の施工方法を指す言葉なので、特にベンチャー企業の志望動機に使えるでしょう。
このように、「工夫する力」をアピールする際、適宜自分に合った言い換えを併用することで読みやすい文章が作成でき、より自分の強みを明確に表現できます。
【工夫する力で自己PR】例文5選
ここからは「工夫する力」を強みとする自己PRの例文を5つ、みていきましょう。
採用担当の方は複数の自己PRや志望動機を読みます。
結論を先に話して話題を明確にすることや、エピソードを盛り込んで興味を惹くなど、他の志望者と差別化を図ることが大切です。
例文1
私は「工夫する力」を最大限に活かし、貴社に貢献する所存です。
貴社はフレックスタイム制を導入するなど、業界の中でも常に時代の先を行く、革新的な取り組みをされています。
既存のルールにとらわれず、業務効率を最大化し、「結果を出すこと」に注力されている姿勢に魅力を感じております。
私は学生時代、所属するゼミの研究においてリーダーを務めましたが、実験が想定通りの結果とならないことが幾度もありました。
そこで別の研究室の友人や、交流のある教授にも指示を仰ぎ、研究環境の改善に務め、無事成功に導きました。
この経験以降、既存の枠組みの中でもがくよりも、視野を広げて工夫をし、求める結果を得るために工夫することを大切にしています。
私の、求める結果を得るために創意工夫するスキルは必ず貴社の業務にも役立てられると確信しております。
このスキルを活かし、貴社の更なる発展の寄与する所存です。
例文2
私は自らの「工夫する力」を活かして貴社、ひいては製薬業界に貢献できると確信し、応募いたしました。
貴社をはじめとした製薬会社の多くが人々の生活を支える医薬品を生み出している背景には、創意工夫する力があると考えています。
常に「より良いものを開発し、世のために提供する」という信念のもと、研究者が工夫を凝らして取り組んだ結果が、現代の医療の発展です。
そして過去の研究者の取り組みや願いを引き継ぎ、更に良いものを生み出すのが使命であると考えています。
私は薬学部の研究においてリーダーを任された際、既存の方法で解明できない問題に直面しました。
しかし、他の視点でのアプローチや解析を試み、最終的にプロジェクトは大成功となりました。
このように創意工夫を凝らし、研究に取り組む姿勢やスキルを活かし、貴社に貢献する所存です。
私の創意工夫のスキルが貴社に多大なる成果をもたらし、大きく寄与できる日を心待ちにしております。
例文3
私の常により良いものを作り上げるために創意工夫する姿勢やスキルを用いて、必ず貴社に貢献できると確信し、応募いたしました。
貴社はユーザー体験を最優先したWebサイト制作を大切にしており、使いやすく、スタイリッシュなデザインのサイトが多い印象です。
そこで私の創造性やサイト制作の知見を活かし、更に良いWebサイトを制作する一助となれればと考えております。
学生時代、Webサイト制作プロジェクトにおいてユーザビリティの向上を図るべく、チームでさまざまな工夫を凝らした経験があります。
あえて「使いにくいサイト」の例を挙げるなど工夫をし、学内でも最高評価を得る、使いやすいWebサイトを制作できました。
私の創造性や、発想を活かしてユーザビリティを向上させるスキルは、必ず御社の業務に役立てられると考えております。
貴社でWebサイト制作に携わり、新たな価値を世界に提供する所存です。
例文4
私は自らの「工夫する力」が人材派遣業において大いに役立てられると確信し、応募しております。
業界でもトップクラスの業績を誇る貴社に、工夫するスキルを用いて貢献する所存です。
私は学生時代、イベント運営のサークルに所属しておりましたが、参加者の人数が想定を大幅に上回ったことがあります。
しかし迅速に会場のレイアウトを工夫し、全ての参加者が快適に過ごせる空間を作り上げました。
このように、私は常に工夫し、環境を改善する力を養うことを大切にしています。
人材派遣業は競争が熾烈で、ユーザビリティの高いサービスが勝つ世界です。
私の常に工夫する特性を活かし、貴社のサービスがより利用しやすく、多くの人に活用されるために貢献したいと考えております。
例文5
私は貴社において「工夫する力」を活かして製品開発や生産プロセスの更なる効率化に貢献できると考えております。
大学時代は食品開発の研究室に所属しており、限られた予算の中で健康に良いスナックの開発に取り組みました。
予算を意識しつつ、原材料の選定を工夫することで健康でコストのかからないスナックの開発に成功しました。
私の工夫する力を活かせば、既存の商品の改良はもちろん、新製品の開発においても更なる効率化を図れると確信しております。
食品製造業界は、ダイエットやボディメイクに良いものが流行したかと思えば、ジャンキーさを強調したものが流行するなど、移り変わりが激しいです。
そこで、私の工夫する能力を活かし、常に移ろい行く時代の流れに即応した、世間のニーズに応えられる製品の製造に貢献する所存です。
【工夫する力で自己PR】具体的かつインパクトのある自己PR
面接官が自己PRを通して知りたいことは、その候補者が入社後に当社でその強みを活かせるかどうかという点です。
そのため、面接官がよりそのイメージを強く抱けるように、具体的なエピソードを用いることが効果的でしょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート