就活において、多くの企業が就活生に求めている資質は「協調性」です。
会社の仕事はチームワークであり、協調性の伴わない人材は組織の足を引っ張りかねません。
また、協調性のある人材は素直に指導を受け入れる傾向があるので、戦力になるまでの期間も短いと考えられます。
就活では履歴書や面接で協調性を自己PRし、採用担当者から好印象を抱かれましょう。
ここでは、就活で協調性をアピールする際のポイントについて説明していきます。
【自己PR】協調性はアピールポイントになる?
協調性のある人材は、企業が求める人材なので、協調性は効果的な自己PRだといえます。
どうして企業は協調性のある人材を求めるのかというと、組織の一部であることを自覚して働いてほしいからです。
企業には長年守り続けている「経営理念」や「経営方針」が存在します。
会社が揺るぎない信念を維持し、従業員が一丸になって未来へと進むためには、これらの概念を共有する必要があります。
しかし、もしも協調性のない人間が入社してしまうと、経営理念から外れた行動を自分のためだけに取る場面も出てくるでしょう。
そうした態度がほかの従業員にも悪影響を与え、モチベーションを下げてしまう恐れもあります。
企業が存在意義を保つためには、協調性を持って経営理念を尊重し、進んで社風に染まれる人材を獲得することが重要だといえるのです。
【自己PR】協調性とは
周囲と協力することに長けている人は、就活の自己PRで協調性をアピールしたいと考えている人も多いでしょう。
協調性とは、立場・主張の異なるメンバーとも円滑にコミュニケーションを取り、仕事ややるべきことを円滑に回していく能力・姿勢のことです。
仕事をすれば多くの人と関わることになるため、異なる立場・主張の人と協力し、良好な人間関係を築かなければならない場面はたくさんあるものです。
そのため、人との関わりが欠かせない現場では、協調性は特に重宝され高い評価をもらえる可能性があります。
自己PRでも好印象につながることは多いため、アピールする際は、効果的な伝え方を身につけておきましょう。
【自己PR】協調性が企業に評価される理由
ではここからは、そもそも協調性が企業になぜ評価されやすいのか、詳しい理由を見ていきましょう。
協調性を自己PRでアピールする場合は、具体的な評価ポイントや期待されやすい部分などを知っておくと、より効果的なアピールができる可能性があります。
企業から協調性が評価されやすい理由には、以下のことが挙げられます。
「協調性」が評価される理由
チームワークが期待できるから
会社や取引先と良好な人間関係が期待できるから
いずれも重要な理由であり、多くの企業が良好な組織作りをするうえで重視しているポイントです。
では、詳細を見ていきましょう。
チームワークが期待できるから
企業から協調性が評価されやすい理由は、チームワークを期待できるからです。
協調性がある人は、周りの人と協力したり意見を調整したりする姿勢を忘れないため、チームワークを意識した行動・姿勢にも期待ができます。
周りの人と円滑に協力・連携できれば、より良いサービスの提供につなげていけます。
特にチームを組んでプロジェクトに取り組んだり、少数精鋭で業務を回したりするような現場では、チームワークを意識した行動は常に求められるでしょう。
そのため、特にチームワークが重視される企業・職種を志望する際は、協調性の高さは良い評価につながる可能性が高いです。
会社や取引先と良好な人間関係が期待できるから
企業から協調性が評価されやすい理由は、会社や取引先と良好な人間関係を構築できると期待されるためです。
協調性の高い人は、周りの人との調和をとにかく大事にするため、積極的に気配りができる人や周囲に思いやりをもって接することができる人も多いです。
そういった人当たりの良さは、周りからの信頼獲得につながり、良い人間関係・組織を作っていくといえます。
社内だけでなく、取引先・一般のお客様からも信頼されやすく、ひいては会社の評判や顧客満足度向上にも貢献できると考えられます。
良い人間関係を構築できることは、あらゆる仕事において重要なスキルにあたるため、総合的に見て「仕事ができる」などの評価につながる人も多いでしょう。
【自己PR】協調性のアピール方法
協調性をアピールすることを前提とした自己PRを作る前に、作成の主な流れを理解することが大切です。
自己PRの作成には順番があり、いきあたりばったりに取り組んでも、思うような自己PR文が作れずにやり直し、ということも考えられます。
自己PRの主な流れは、複数の自己アピールポイントを見つけ、そのアピールポイントを裏付けるような経験をピックアップします。
そして、企業が求める理想の人物像やスキルと複数の自己アピールポイントをすり合わせ、自己PRに使うものを1つ選びます。
自己PRを作る流れについて、さらに細かく見てみましょう。
自分のアピールポイントを5つ考える
自分のアピールポイントを考えるということは、長所を見つけるということです。
長所とは、自分の強み、優れているという意味があります。
協調性をアピールするので、協調性に絡めた長所を見つけます。
この段階では自分のアピールポイントは1つに絞らず、5つ考えましょう。
1つだけにしてしまうと、そのアピールポイントが必ずしも企業が求める人物像とマッチするとは限らないからです。
協調性と一口に言っても、複数の切り口があります。
たとえば周囲の空気を読んで対応することが得意であれば、それは従順的な協調性です。
周囲を巻き込みながらプロジェクトを進めていく能力も協調性の1つですが、この場合は自主的な協調性と言えます。
このように、協調性にスポット当てて自分の長所を見つめると、複数のアピールポイントが見つかるはずです。
表彰されたこと、褒められたこと、自分で得意だと思うことなど、思いつくまま書き出してみましょう。
協調性が発揮されたエピソードを探す
これまでに経験したことは、協調性をアピールする時に役立ちます。
経験したことや経験から学んだことには、説得力があり、自分のアピールポイントの強力な根拠になります。
学校で出された課題をグループで協力しながら進めたことや合唱コンクールで賞を受賞したことなど、面接官や企業の採用担当者が納得するような経験をしなかったか、振り返ってみましょう。
たとえば合唱コンクールを目指して、仲間と苦楽をともにした経験から、1つの目的に向かって努力する大切さを学んだなど、経験を通しての気付きも良いでしょう。
企業の求めている人物像を参考にする
どんなに優れた長所を持っていたとしても、企業が求める人材とマッチしなければ、落とされてしまいます。
自分のアピールポイントを見つけたら、企業が求める人物像やスキルについて、調べる必要があります。
求める人物像については、企業のホームページや求人情報に書いてある場合がほとんどなので、できるだけ詳しく調べるようにしましょう。
調べていくうちに、自分の長所をどうアピールするかが見えてきます。
構成に当てはめる
企業が求める人物像やスキルを把握したら、5つのアピールポイントから一番マッチするものを選びましょう。
協調性を求めるといっても、企業によって必要な人材は異なります。
企業が求める協調性についてできるだけ正確に把握することで、適切なアピールポイントを選べるようになりますので、ここは気を抜かないように気を付けましょう。
アピールポイントと理由を選んだら、構成に当てはめて自己PRを作るだけです。
協調性は裏を返すと「指示待ち」「受け身」になりかねませんので、アピールポイントがネガティブにならないようにするのが、書く際のポイントです。
【自己PR】協調性をアピールする文章構成
自己PRを面接官や企業の採用担当者にうまく伝えるには、構成に沿って書くのが大前提になります。
自己PRを成功させるには、経験やアピールポイントなど、材料も重要ですが、自分の伝えたいことを伝えるためには、文章構成は欠かせません。
無難な自己PR構成は、「結論」「理由」「エピソード」「問題」「行動」「結果」「結論」です。
書く項目について、詳しく見てみましょう。
結論:私の自己PRは○○があることです(アピールポイント)
自己PRは結論から書くと、読み手の興味を引きつけられます。そのため、自己PRはからならず結論からスタートさせましょう。
結論が書けないというのは、アピールポイントが曖昧な可能性が高くなります。
その場合は、もう一度自己アピールと企業が求める人材とをすり合わせ、志望する仕事が適職であると結論づけてみましょう。
志望する職業は、協調性が必要でしょうか。必要なら、どんな協調性でしょうか。
このような質問を自分に問いかけてみると、見つけやすくなります。
理由:なぜならば、○○で○○ということがあったからです
「理由」は結論に至ったその理由を説明します。
たとえば、「協調性があります」と、面識のない人に説明しても、その人は「本当に協調性を持っているのだろうか」と疑問を持つでしょう。
面接官や企業の採用担当者も同じで、「何を根拠にこの志望者は協調性をアピールするのだろうか」と、知りたくなります。
その答えを説明するのが、「理由」です。
ここで、自分の経験が結論に至ったということを伝え、次の「エピソード」につなげます。
エピソード:私は○○で○○をしていました
結論や理由に説得力を付けるのが、「エピソード」の役割です。
そのため、エピソードで語る体験は、結論や理由につながるものでなくてはなりません。
使えそうなエピソードが複数あれば、その中から1つだけ選びます。
単に自分の協調性をPRするだけでなく、問題解決能力が伝わるようなエピソードであればなおさら良いでしょう。
面接官や企業の採用担当者は、長所だけでなく、問題が発生した時にどう対応したか、という点もよく見ます。
反対にエピソードが見つからない、という場合は、もう一度自分の過去を振り返ってみましょう。
協調性があると自分で感じるということは、必ずと言って良いほど過去の経験が影響しています。
両親や身近な人に「協調性がある」と言われたことはないでしょうか。
それも体験の1つで、なぜそう言われたのか、その理由を考え、直接本人に聞いてみると良いでしょう。
問題:その経験で○○という問題に直面しました
自己PRなので、自分の強みをアピールするだけで良いと思うかもしれませんが、問題解決能力の有無についてもアピールすると、より好印象を与えることにつながります。
なぜなら、仕事には問題が頻繁に発生し、自分で課題を解決していく必要があるからです。
社員は一人ひとり仕事を抱えていて、1人のスタッフに対し1から10まで教えることは困難です。
そこで問題解決能力を重視する企業も多く、自己PRでは、協調性に絡めて問題解決能力もあるということをアピールするようにしましょう。
問題解決能力があることをアピールするには、過去の体験が役に立ちます。
過去問題に直面し、協調性を発揮して解決したという体験があれば、それを使って説明しましょう。
行動:私は○○と考え、○○を行いました
「問題」では、過去に直面した問題について説明しますが、それだけでは問題解決能力をアピールするという点では不十分です。
面接官や企業の採用担当者は、問題にどう取り組んだか、という点を知りたがっています。
直面した問題を取り上げたら、必ず「どう行動したか」についても言及しましょう。
この行動には、あなたの長所が発揮された事実を盛り込むことが不可欠です。
そうでなければ、単なる行動や美談で終わってしまうからです。
行動の内容を聞くまで興味を抱いていた面接官も、長所が発揮されてないことを知ると、がっかりするでしょう。
大事なのは、長所を活かすことで、どう問題を解決しようとしたかを伝えることです。
結果:その結果、○○となり、○○に大きく貢献しました
行動に出た、でエピソードを終わりにするのは不完全です。
行動に出たことによって導かれた結果を説明しないと、面接官や企業の採用担当者が知りたい「どんな結果になったのか」という疑問に答えていません。
結果はハッピーエンドが一番ですが、たとえ失敗に終わったとしても、その中で前向きな気付きがあれば問題ありません。
大切なのは、具体的にどうなったのか、結果を伝え、それによって何を得たかです。
問題の発生から行動、結果まで具体的に伝えると、効果的な自己PRになります。
結論:その経験を活かして貴社では○○で貢献していきたいと考えております
自己PRの締めの部分になります。
この部分では、自分の長所と経験から、企業にどう貢献していきたいかをアピールします。
自分のことを企業に売り込む大事な部分ですので、手を抜かずに書き進めましょう。
これまでの流れがしっかりとできていれば、結論で言いたいことも効果的に伝わります。
入社したらどのように活躍していきたいか、どのように会社に貢献していきたいかなど、入社後のビジョンを語ることがポイントです。
1つ注意するのは、自分のやりたいことに偏らず、必ず企業の価値観や社風、求める人材とすり合わせながらアピールすることを忘れないようにしましょう。
自分のことばかりアピールすると、独りよがりになり、面接官や企業の採用担当者に、アピールする力が弱まります。
【自己PR】経験別!協調性の自己PR例文
協調性をアピールする際は、人によってさまざまな経験をエピソードとして述べるでしょう。
そのため、具体的なアピール方法がわからない場合は、経験別に自己PRの例文をチェックしておくことがおすすめです。
事前に自己PRの例文を経験別に見ておけば、どのような表現方法があるのかがわかるため、自己PRが書きやすくなります。
ここで紹介する自己PR例文では、以下の経験をピックアップしています。
- アルバイト
- 部活・サークル
- ゼミ
- 留学
- ボランティア
では、例文を一つひとつ紹介していきます。
例文1:アルバイト
私の強みは、協調性を発揮してチームをスムーズに動かす力です。
アルバイト先のレストランでは、スタッフの連携が不足しており、繁忙時間帯に注文が遅れるという課題がありました。
私はこの課題を解決するために、スタッフ全員で意見を共有するミーティングを提案し、課題に対して共通認識を持つようにしました。
ほかには、役割分担を細かく再設定し、オーダーを効率よく処理するための動線を工夫しました。
結果、スタッフ間の連携がスムーズになり、注文ミスが減少したことで、料理の提供スピードが向上しました。
貴社に入社後も、チーム全体を見ながら協調性を活かし、業務の効率化に貢献していきたいと考えています。
アルバイト経験をテーマに協調性をアピールするなら、組織の中でどのような行動を取ってきたのかを明確に伝える必要があります。
アルバイトはチームワークを意識して行動することが重要視されるケースが多いため、行動やそのときの状況を詳しくアピールすれば、協調性が強みであることがより魅力的に伝わる可能性があります。
自分のポジションや役割を具体的に伝えること、工夫したことでどのような結果につながったのか詳細を説明することなども重要なポイントです。
例文2:部活・サークル
私の強みは、協調性を活かしてチームの成果を向上させる力です。
大学のサッカー部の活動では、メンバーの意思疎通が不十分なため、練習中に役割の重複や混乱が発生するという課題がありました。
そこで私は練習前に全員で目的を共有し、それぞれの役割を明確化するための時間を設けました。
これに加えて、新人メンバーとも積極的にコミュニケーションを取り、意見交換を通じてチームの雰囲気を向上させました。
結果、メンバー同士の信頼が深まり、練習効率が向上しました。
先日の大会ではチームワークが高まったことで、最も良い成績を上げることもできました。
貴社に入社した際も協調性を活かして周りと積極的に連携し、チームの目標達成に向けて尽力してまいります。
部活やサークルも周りの人との関わりや協力が欠かせない活動のため、協調性をアピールしやすいことがポイントです。
そのため、アルバイトをテーマにした自己PRと同様に、具体的に何を行ってきたのかを詳しく伝えましょう。
施策の内容を具体的に述べれば、協調性を発揮して活躍してきたというアピールに信憑性が出ます。
また、「部活をテーマに協調性をアピールする自己PR」は悪くいえばありがちな内容なので、詳しく書くことで差別化につながります。
例文3:ゼミ
私の強みは、協調性を発揮し、チームの成功に貢献できることです。
大学の経済学ゼミでは、プレゼンテーションの準備中に意見の対立が続き、準備が進まなくなるという課題がありました。
そこで私はこの状況を打開すべく、チームメンバーの意見を整理して共通点を探り、折衷案の提案に尽力しました。
また、それまで管理があいまいだったタスク管理表を作成し、進行を管理することで協力体制を見直しました。
結果、各自が責任を持って作業を進められるようになり、意見の対立も解決しました。
また、最終的には、高い評価を得るプレゼンテーションを完成させることができました。
入社後も協調性を活かしてチームの意見をまとめ、円滑な業務の進行に貢献したいと考えています。
ゼミの活動でも、周りのゼミ生と協力し合わなければならない場面は多いといえます。
そのため、どのような状況で何が課題だったのか、そこで自分は協調性を発揮して何を行ったのかを明確化しましょう。
エピソードの中身が具体的であればあるほど、協調性を伝える自己PRには説得力が加わります。
そのうえで、入社後はその協調性を活かしてどのような活躍を望むのか伝えると、企業からは活躍をイメージしてもらいやすくなります。
例文4:留学
私の強みは協調性があることで、多様な価値観を持つ人々と円滑にタスクを進めることができます。
私は大学時代に留学を経験しましたが、留学先のグループ課題の進行中には、文化や意見の違いから議論がまとまらないという課題に直面したことがありました。
私はまず、全員の意見を積極的にヒアリングし、全員の意見を尊重する姿勢を持ちながら議事録をまとめました。
さらに、議論がまとまらないことで締め切りまで時間がなくなりそうだったため、計画の練り直しを提案し、スムーズな協力体制を築きました。
これにより、チームは効率よく課題を進めることができ、グループ課題では全員が高評価を得ることができました。
貴社に入社した際は、異なる意見や価値観がある中でも協調性を持ってチームの調和を保ち、プロジェクトの成功に貢献したいと考えています。
留学をテーマにして協調性をアピールする際は、留学先で周りと協力しながら頑張った経験を具体的に説明しましょう。
エピソードで留学について説明する自己PRは、言語をマスターできるように頑張った経験などが多い傾向です。
協調性をアピールする場合は、そういったエピソードは正直使いにくいため注意が必要です。
そのため、留学先でどのような場面で協調性を発揮してきたのかはよく振り返るようにしましょう。
例文5:ボランティア
私の強みは、協調性を発揮してチームの成果を最大化できることです。
先日は地域の清掃活動を行うボランティアに参加しましたが、当初は役割分担があいまいで、一部のエリアに作業が偏ってしまっている課題がありました。
そこで私は、作業エリアを細分化し、担当エリアを決める簡単なミーティングを実施しました。
さらに、初めて参加するメンバーともコミュニケーションを取り、それぞれの負担を調整しながら進められる環境を作りました。
結果、作業効率が改善され、予定時間より早く清掃を終えることができました。
入社後も協調性を活かしてスムーズな業務遂行に努め、チームの目標達成に積極的に貢献したいです。
ボランティアも周りの人と協力して行うことが多いため、ボランティア経験をテーマにする自己PRも、協調性はアピールしやすい傾向にあります。
ただし、ボランティアは活動がさまざまなので、どのような状況だったのかは具体的に伝えましょう。
採用担当者がその状況をすぐイメージできることがポイントなので、自分が担当した役割や周りの人の反応なども明確に述べると良いでしょう。
また、協調性を活かしてどのような活躍・貢献をしたいのかも、できるだけ具体的にアピールすることが重要です。
【自己PR】協調性のアピールには言い換えも効果的
自己PRで協調性をアピールするときは、積極的に言い換え表現も活用してみましょう。
言い換え表現を活用すれば、より的確に自分の強みを伝えられるため、自分の人柄・魅力が採用担当者に伝わりやすくなります。
アピール方法によっては「協調性」のみではわかりにくい場合があるため、関連する表現を考えたうえで、言い換えも検討してみましょう。
強みを言い換えれば、一言で強みの具体性が高まることで、最初に強みを結論として述べるだけですぐ自分ならではの強みが伝わることがポイントです。
【自己PR】協調性の言い換え表現と例文
ではここからは、協調性を言い換えた場合の例文をチェックしていきましょう。
協調性の言い換え表現には、以下のパターンが例として挙げられます。
- 柔軟性
- 調整力
- サポート力
- 周りを見る力
- 相手の立場に立って考えられる
このような言い換え表現を用いれば、単純に協調性と伝えるよりも、自分ならではの強み・アピールポイントがスムーズに伝わる可能性があります。
どのような言い換え表現になるのかをチェックしたうえで、例文も参考にしてみてください。
言い換えと例文1:柔軟性
協調性は、柔軟性に言い換えることができます。
協調性があるということは、周囲の環境や人に柔軟に適応できることを意味しているからです。
どのように協調できるのかという点を表す言い換え表現なので、人と協力するうえで柔軟性を持つように意識している人は、柔軟性と言い換えてアピールすることがおすすめです。
柔軟性がある人は、視野が広いことや適応力が高いこと、常識にとらわれないことなどが魅力といえます。
さまざまなタイプのお客様と接する仕事を志望するときなどは、柔軟性をアピールすれば、評価されやすくなります。
私の強みは、柔軟性を活かして状況に適応し、仕事を円滑に進める力です。
アルバイト先のカフェでは、スタッフが急に体調不良で欠勤するという予期しない事態に見舞われることがありました。
その日には大きな混雑が予想されており、店内はすでに忙しくなりつつあったため、私は状況を冷静に把握し、いつもとは違う役割を担当することを決断しました。
レジ業務だけでなく洗い物や料理提供にも携わり、スタッフ間で細かくコミュニケーションを取りながら臨機応変に対応しました。
結果、混雑時でもスムーズに業務をこなすことができ、一部のお客様からは感謝の言葉をいただくことができました。
貴社に入社後は、柔軟性を活かして状況に素早く対応し、お客様に最適な提案を行っていきたいと考えます。
言い換えと例文2:調整力
協調性は、調整力があるという言い換えを検討することもできます。
自分と他人、組織で協力体制を形成するためには、さまざまな部分で調整を行う姿勢が重要視されます。
調整力があれば、異なる意見を持つ人同士が集まり意見がぶつかっても、その場をうまく収められる点が強みです。
協調性を発揮するうえで、対立する人同士を取り持つような役割をしたり周りの意見をまとめたりしてきた人は、調整力という表現であえてアピールするのもおすすめといえます。
私の強みは、調整力を活かしてチームの意見をまとめられることです。
大学のゼミ活動では、チームで取り組むプロジェクトを発足した際にメンバー間で意見が食い違い、発表準備が遅延したことがありました。
私は、全員の意見を否定せずに聞き、全員が納得できる妥協点を見つけることを意識しました。
また、進行役を務めることでメンバーの役割を整理し、具体的なタスクを細分化して作業を進めてきました。
結果、チーム内では連携が取りやすくなり、期限内に発表に臨むことができました。
貴社においても、調整力を活かしてメンバー間のコミュニケーションを円滑にし、プロジェクト成功に貢献したいです。
言い換えと例文3:サポート力
協調性が高い人は、サポート力があるという見方で強みを言い換えることができます。
協調性と一口にいっても、リーダー的ポジションで周りを引っ張ることができるのか、サポート役として周りの状況を補うことができるのかはそれぞれ違うでしょう。
そのため、特に後者の立場・立ち回りで周りと協力してきた人は、サポート力があると強みアピールすることがおすすめです。
部活のマネージャー業務など、周りをサポートした経験を取り上げながらアピールすることが効果的といえます。
私の強みは、サポート力を活かしてチーム全体を支え、円滑な活動を実現する力です。
大学のバスケットボール部でマネージャーを務めていた際、部員のモチベーションが低下し、練習の質やチームの士気が下がるという課題に直面しました。
そこで私は、練習後に部員一人ひとりと個別に話す時間を作り、相談に乗ったり励ましたりすることで、選手のやる気を引き出すことを心がけました。
また、試合準備やスケジュール管理を効率よく進め、部員がパフォーマンスを発揮しやすい環境作りにも力を入れました。
この結果、選手のモチベーションは回復し、チーム全体の技術力向上に貢献することができました。
貴社でもサポート力を活かし、メンバーが能力を最大限に発揮できるように支え、組織の成果向上につなげたいと考えます。
言い換えと例文4:周りを見る力
協調性のある人は、周りを見る力があるともいえます。
繰り返しになりますが、周りの人と協力して円滑な業務体制を築くためには、周りをよく見て行動する能力が必要です。
そのため、協調性に優れている人は状況判断力が高かったり、広い視野を持っていたりする点がポイントです。
アルバイトなどのめまぐるしく状況が変わる中で、学生のうちから周りを見る力を発揮してきた経験があれば、アピールすることで高評価につながる可能性があります。
私の強みは、周りを見る力を活かして、適切なタイミングで必要な対応をする力です。
アルバイト先のカフェでは、昼時の忙しい時間帯に、スタッフ不足により一つひとつの作業が遅延することがありました。
その際、私は全体の状況を見て、どこに手が足りていないかをスピーディーに把握しました。
私はまず、その手薄なエリアを中心に、お客様への注文に迅速に対応しました。
また、手が空いているスタッフに、他の業務をサポートするよう声をかけることも忘れませんでした。
結果、店舗はスムーズに運営でき、混雑によるサービスの遅延を最小限に抑えることができました。
入社後も周りの状況をよく観察し、柔軟かつ迅速に必要な行動を起こすことで、プロジェクトの問題解決につなげたいと考えます。
言い換えと例文5:相手の立場に立って考えられる
協調性の高い人は、相手の立場に立って考えられる性質があります。
協力する際は相手の心情や状況を理解し、可能な限り疑問や不安などに寄り添う姿勢が重要視されるからです。
相手の立場に立って考えられる人は、さまざまな業界・企業において組織になじみやすいことが魅力といえます。
また、お客様対応も得意な傾向にあるため、接客業・サービス業では特に評価を得やすい可能性があります。
自己PRでは、相手の立場に立って物事を考えるうえでどのような行動を取ってきたのかを具体的に示すことが大切です。
私の強みは、相手の立場に立って考え、適切に対応できることです。
先日地元のボランティア活動で、高齢者のためのイベント運営を行った際、参加者の年配の方に体調を崩されている方がいらっしゃいました。
私が状況を見ていたためすぐに気づき、すぐに近くにいたスタッフを呼び、休憩スペースの場所を案内しました。
また、他の参加者の方も不安そうにしていたため、私から直接お声がけし、明るい話で場を盛り上げることも徹底してきました。
その結果、イベントの進行に支障をきたすことなく、参加者全員が安心して楽しむことができました。
入社後も、相手の立場を考慮したうえでの対応を心がけ、社内外の信頼関係を築いていきたいです。
【自己PR】協調性が評価されやすい職種と例文
職種によってより有効となりやすい協調性の表現を紹介します。
この例ではあえて協調性という言葉は使っていません。
それぞれのエピソードから、その人が協調性のある人材だとイメージできる内容を部署ごとにまとめています。
事務職
私はチームで結果を出すための努力ができます。
大学時代、バスケットボール部の主務を務めていた時に、チームを強くするために部員一人ひとりのデータをまとめ、試合前には依頼がなくても先回りして詳細な資料を配布していました。他校とも積極的に交流をすることでチームに必要な要素を学び、常にチームに新しい情報を周知することに努力した結果、在籍中は毎年前年よりも良い成績を残すことができました。
また、バスケットボールだけでなく、部活動全体を活性化させるために大学とも連携し、よりチーム運営がスムーズに進むよう努力しました。結果、引退時にはメンバーだけでなく顧問の先生や実行委員会からもたくさんの感謝の言葉をもらうことができました。
御社においてもチームのために縁の下の力持ちとなって積極的に努力し、業績につながる仕事をしたいと考えます。
この文章は、チームで結果を出すために主体的に取り組む姿勢を具体的なエピソードを通じて効果的に伝えています。
バスケットボール部で、データのまとめや資料配布を自発的に行い、チーム成績の向上に貢献した取り組みは、計画性やリーダーシップを示しています。
また、他校との交流を通じて情報を収集し、全体の成長につなげた点は、学びを活かして行動する柔軟性を強調しています。
さらに、大学との連携で部活動全体を活性化させた経験や、感謝の言葉をもらった結果を述べることで、信頼を築いた実績が裏付けられています。
改善案としては、成績向上の具体的な成果(例:「前年より勝率が〇%向上」「大会で〇位入賞」など)を数値で示すと、取り組みの効果をさらに明確に伝えられます。
また、御社での具体的なチームの課題や目標に、自身の経験をどう活かせるかを掘り下げると、より説得力のあるアピールになるでしょう。
営業職
私はリーダーとしてチームをまとめることが得意です。
大学時代に販売店でアルバイトをしていた際、2年目からは5人1組のチームでリーダーを任されていました。以前は個別に動いていたことで効率の悪い点があったため、自分がリーダーになってからは週1回ミーティングを実施し、お互い抜けがないようフォローし合える体制を整えました。
また、仕事中の成功体験や失敗体験など情報を共有する仕組みを作り、お客様の満足度を上げ、同じミスを繰り返さない工夫も行いました。その結果チームの売上が伸び、目標150%達成という成績を残したことで社長賞を獲得しました。
御社でもチーム力を上げるアイデアや工夫で業績アップに貢献したいです。
この文章は、リーダーシップを発揮し、チームの効率化や成果向上を実現した具体的な経験が明確に示されており、説得力があります。
販売店でのアルバイトで、ミーティングを通じたフォロー体制の整備や、成功・失敗体験の共有による業務改善を行った点は、チーム全体の向上を意識した主体性と問題解決能力を強調しています。
また、売上目標を150%達成し、社長賞を獲得した具体的な成果が示されているため、リーダーシップが確かな実績として裏付けられています。
改善案としては、「売上が何%増加したか」や「ミーティング後の改善点」など、取り組みの影響をより細かい数値で示すと、インパクトがさらに増します。
また、御社の具体的な業務内容やチーム課題に対し、自身のリーダー経験をどう活かせるかを掘り下げると、採用担当者により具体的なイメージを与えられるでしょう。
サービス職
私はよく周りの人からムードメーカーだと言われます。
学生時代、飲食店の調理スタッフとして4年間働く中で、常に心がけていたのは笑顔を絶やさないことです。一緒に働く仲間と円滑に仕事を進めるためでもありますが、店舗にいらっしゃるお客様が厨房の中を垣間見た時、少しでも居心地よく感じてもらえたらと考え実践しました。
オフィス街にあったため、ランチ時にはたくさんのビジネスパーソンで店内は大混雑となります。そんな時は厨房の中もギスギスとした空気になりやすいのですが、私が笑顔を絶やさず明るい受け応えをすることで、雰囲気が良くなり業務効率も上がることがよくありました。
御社においても常に笑顔を絶やさず、つらい時こそ気持ちを和やかにする努力を忘れず、チームワークを大切に働きたいと考えます。
この文章は、ムードメーカーとして職場の雰囲気を和らげ、チームワークを促進した経験が具体的に示されており、職場における柔軟性や協調性を効果的にアピールしています。
飲食店で笑顔を絶やさずに働くことで、お客様だけでなく仲間にもポジティブな影響を与えた姿勢は、職場全体を良い方向に導く力を強調しています。
特に、大混雑時でも明るい態度を保つことで業務効率が上がるという結果を述べている点は、実績として信頼性を高めています。
改善案としては、業務効率の向上をもう少し具体的に示す(例:「注文処理時間が〇%短縮」「スタッフ間のトラブルが減少」など)と、説得力が増します。
また、御社の業務や環境において、ムードメーカーとしてどのような役割を果たし、どのようにチームや顧客に貢献できるかを掘り下げることで、さらに具体的なアピールが可能になります。
【自己PR】協調性を自己PRする時の注意点
協調性を自己PRに使用する際、いくつか注意しておくべきポイントがあります。
以下の項目を意識して自己PRを作成しましょう。
- 差別化を意識する
- 主体性がないと思われないようにする
- エピソードを用意しすぎない
- 面接態度に気を付ける
差別化を意識する
まず大前提として、協調性は自己PRに使用されやすいことを知っておきましょう。
協調性を自己PRとしてアピールする学生は多いです。
そのため企業側の印象に残らないリスクを孕みます。
もし協調性を自己PRとするなら個性を出して、印象に残りやすい工夫をすることが大切です。
言い換え表現や面接の態度、エピソードのインパクトで他の就活生と差別化する。
主体性がないと思われないようにする
協調性があるというのはいい事です。
しかし、協調性を上手に伝えられないと「主体性がない」という印象を与えてしまうかもしれません。
自分が意図した通りに自己PRが伝わるよう、言葉遣いや言い回しに注意しましょう。
また、ネガティブな印象を与える言葉や表現は避けてください。
協調性を伝える際には自分がただ人の意見に従っているというように捉えられないように、主体性を以て行動したエピソードを考えましょう。
エピソードを用意しすぎない
協調性をアピールするのは、少ないエピソードでかまいません。ポイントはそのエピソードの質です。
量を重視してしまうと一つずつのエピソードが掘り下げられません。
自己PRにおいて、エピソードは量より質。基本的にエピソードは1,2つに絞って伝える。
面接態度に気を付ける
面接では協調性のない態度をとると、面接官からの評価を悪くしがちです。
相手の心象を損ねないような礼節を保った応答をするように心がけましょう。
たとえば、我が強すぎる就活生は「協調性がない」と思われやすいものです。
面接とは企業に判断される場所であり、自分の意見を押し通す場所とはいえません。
場に合った態度を示しましょう。
また、「空気が読めない」ことも協調性がない人間に見えてしまいます。
面接官が冗談を言ったのに笑わない、逆に厳しい態度を取られているのにヘラヘラしているなどの対応は避けましょう。
面接では面接官とのコミュニケーションを円滑にし、できるだけ自然な会話を続けるように意識すると印象も良くなる。
【自己PR】協調性を自己PRして内定に近づこう!
協調性を自己PRする際には、言葉はもちろん態度でも矛盾がないように心がけましょう。
自己PRの内容が不安な就活生はジョブコミットなどの就活応援サイトで成功事例を調べておくと、選考通過率が上がります。
就活市場では他にも自己PRについて解説をしていますので、併せてご覧ください!
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒エージェント本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
周りと協力する姿勢を常に忘れずに行動できる人は、視野も広く対応力にも優れています。そういった付随する能力も、チームワーク構築の際に役立つといえます。