はじめに
企業の面接で、志望動機は必ずといっていいほど聞かれます。
なぜその企業を志望しているのか自分なりの回答を述べるのですが、ここで難しいのが差別化です。
似たようなほかの企業ではなく、その企業でなければいけない理由をアピールする必要があります。
準備していかなければ曖昧な回答になりやすく、面接官に対して良いアピールができません。
面接を控えている就活生は、これから紹介する質問事項や答え方のコツなどを押さえて、志望動機について話す準備をしましょう。
志望動機の話し方のコツ
面接では、ハキハキした明るい調子で話すなど、声色や速さにも気をつけなくてはいけません。
志望動機を話すときだけでなく、そうした話し方は面接では終始大切です。
ここでは、そうした表面的な話し方のテクニックではなく、話す内容について深く解説します。
面接で志望動機を話す際に、絶対に押さえるべきポイントが2つあります。
この2つを怠ると、内定をもらえる確率が下がるので要注意です。
熱意や動機を面接官にしっかりと伝えるためにも、以下のこと踏まえて話すようにしましょう。
結論から話す
話を聞く側にとって、何がいいたいのか分からない話をされるのはストレスです。
とくに面接では、面接官は限られた時間の中で何人もの話を聞かなくてはいけません。
結論が分かりづらい話をしてしまうと、面接官からの印象は悪くなります。
またビジネスにおいて、結論から話すことは重要で、当たり前のように行われています。
過程や理由を最初にだらだら語られては、着地点も取られる時間も分からないので、そもそも聞いてもらえないこともあるのです。
面接で志望動機を結論から話せないと、説明や話が下手だという評価をされてしまう恐れもあります。
ビジネスにおいて必要なコミュニケーション力や、説明力が足りないという烙印をおされかねないので、必ず結論から話しましょう。
「入社したい」と伝える
面接官に、志望度の高さをアピールすることはとても大切なことといえます。
入社したいとはっきり伝えることで、やる気を示すことが可能です。
社会人として仕事をしていく際には、自分でモチベーションを保つことが求められます。
社員はアルバイトなどと違い、自分でコントロールできる割合や仕事をする時間が多くなります。
モチベーションが低くパフォーマンスが下がると、成果にも大きく影響するのです。
企業は自社に利益をもたらしてくれる人材を求めるため、成果を上げそうな人を歓迎します。
高いモチベーションを維持できる人材は、長い時間でもしっかりと仕事に向き合うことができ、効率的に作業をこなせる傾向があります。
やる気を示すために「入社したい」とはっきり伝えることが大切です。
企業が志望動機を聞く理由
学生の志望動機を聞くことで、企業はどの部分に注目し、何を知ろうとしているのでしょう。
企業が重要視しているポイントを知ることができれば、高評価が得られやすい志望動機を話せるようになるはずです。
企業によって学生を選ぶ基準や条件の優先順位に違いはありますが、志望動機を聞く際に多くの企業が共通して確認していることがあります。
代表的なものを2つ紹介します。
企業は以下の2つを見ていることを意識して、志望動機内容や構成を考えてみてください。
内定辞退をしないかを確認するため
企業は内定を渡したら、その学生が本当に入社してくれるかどうかを見極めようとします。
1社にすべてをかけて応募している学生は少ないからです。
むしろ、できる限り多くの企業に応募しようとする学生が多いでしょう。
1社から内定を得ても、後でもっと志望度の高い企業から内定を得られれば、最初の企業を断ることになります。
企業は、せっかく出した内定を断られると、その空席を埋めるためにほかの人の採用を検討し直さなくてはいけません。
これまでかけたコストが無駄になるうえに、さらにコストがかかることになります。
そうしたリスクを避けるために、後で内定を断らなそうな学生を選びたいはずです。
志望度が高いことをアピールできれば、面接官は安心して内定を出しやすくなります。
入社後に長く働いてくれるかを確認するため
企業は、採用した人材にはできるだけ長く働いてほしいと考えるものです。
新卒採用であれば、なおさらでしょう。
中途採用であれば即戦力となる場合が多く、入社後すぐに仕事を任せられますが、新人の場合はそうはいきません。
研修期間や育成期間は必須で、先輩のフォローも欠かせません。
企業に貢献し、利益を出せる仕事をするようになるには時間がかかります。
そのため、新人採用には多くのコストがかかるのです。
しかし、新卒は年齢が若いため、働ける年数が多くあり、これから育って結果を出せる可能性も高いです。
育成のコストは、新卒の将来性への投資になります。
早期離職をされてしまうと、そのコストが回収できないうえに、辞めてしまった人員の穴埋めとして、また採用活動をしなくてはいけなくなります。
面接時とESの志望動機の違い
面接で必ずといっていいほど聞かれる志望動機ですが、ESなど応募書類にも書いている人が多いでしょう。
応募書類は落ちついた環境で、自分のいいたいことを整理しながら書くことができます。
時間をかけて、内容を考え直したり書き直したりすることも可能です。
しかし面接では、緊張している状況で面接官とコミュニケーションを取りながら話すことになります。
スムーズな回答が求められますし、志望動機の内容について面接官がつっこんだ質問をしてくることもあります。
内容は応募書類に書いたものと同じで良いのですが、面接で志望動機をうまく話すためには、面接特有の対策が必須です。
メモなどを見ずにすらすらいえるように練習し、質問されそうなことを事前に考えて、その回答を準備しておくことが大切です。
志望動機を話す際に質問されること
すでに応募書類に書いていても、「志望動機を教えてください」など1から説明を求められることも多いです。
1分以内など時間が指定されることもあるため、話すエピソードやアピールする文言の優先順位を決めておくと焦らずに済みます。
書類を読んだ面接官が内容についてすぐに質問をしてくることもありますが、一般的には志望動機を答えた後でその内容について深く質問されることが多いです。
どんなことを聞かれやすいのか、代表的なものを紹介するので、回答できるように準備しておきましょう。
企業選びの軸の深堀り
志望動機は、結論から伝えることが大切だと先述しました。
多くの人が最も伝えたいことを一つに絞って先に話し、詳しいことを後で説明していくという構成で話します。
そのため、冒頭で簡潔に述べる内容が企業選びの軸と判断されるのです。
なぜその軸を設定して企業選びを行っているのか、根本的なことを質問されます。
企業理念と自分が大切にしている価値観が一致していることを話すなら、その価値観について深掘りされる可能性が高いです。
その価値観を持つようになった過去の経験や、そのときの心境などを詳しく話せるように準備しておきましょう。
企業の取り組みに好感を持ったことを話すのなら、その企業の取り組みについてよく調べ理解しておかなくてはいけません。
他社との比較
志望動機は、その企業でなければいけない理由が求められます。
「それなら他社でもできるよ?」などと詰められた際に、答えられないとイマイチな空気になります。
ほかの企業ではなく、その企業だから働きたいという熱意があることを伝えなくてはいけません。
面接官に納得してもらえるような説明をするためには、志望する企業とほかの企業がしっかりと差別化できているかが重要になります。
他社にはない、その企業ならではの商品やサービスの良さを探してみましょう。
その企業特有の事業内容や、社風にも注目してみてください。
リモートワークが可能だったり、オフィスを訪れた際の雰囲気が気に入ったりなど、自分が求めている働き方に関して言及することもできます。
将来像について
入社後どのような仕事をしたいのかや、どんな人物になりたいのかについて質問されることがあります。
自分の将来像をしっかりと思い描いている人は、目標が定まりやすいため、真剣に仕事に打ち込み成果を上げる可能性が高いです。
そのため、入社後にどのように仕事をしていきたいのか、自分なりの考えを伝えることが重要になります。
ただ自分の願望や、理想を伝えるだけでは不十分です。
その理想像が企業に合っているのか見られているため、企業が求める人材について調べておく必要があります。
企業の取り組みや目指している方向性について調べ、自分がどのように関わっていけるのかを考えましょう。
その企業で活躍しているのはどのような人物かを調べることでも、ヒントを得られます。
他社の選考状況
「ほかに興味を持った企業はありますか」などと聞かれることもあります。
ストレートに、ほかに受けている企業での選考状況を聞かれることもあります。
志望度の高さを強調するために、「ありません」などと嘘をつく必要はありません。
この質問で聞かれているのは、志望動機の軸の正確性です。
ほかに興味のある企業や、受けた企業の取り組み・方向性がまったく違う場合、その人の志望動機の軸が定まっていないことになります。
軸が定まっていないのに、もっともらしいことをいっていたことが発覚すると、志望動機だけでなくほかの回答についても一気に説得力を失います。
まったく違う企業については、伏せていた方がいいかもしれません。
しかし、軸に沿って選んだ企業があれば、怖がらずに回答しましょう。
おわりに
面接では、志望動機について必ずといっていいほど質問されます。
高評価を得るためには、最も伝えたいことをまず簡潔にいいきることや志望度が高いこと、入社後の自分の将来像が見えていることを積極的にアピールすることが大切です。
面接の場合は緊張や面接官のペースがあるため、ESでの回答とは勝手が違ってくる部分があります。
軸をしっかりと定めて企業を選び、面接官からの質問を事前に予測し回答を考えておくなど、面接対策を十分に行ってから面接に挑んでください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート