はじめに
一定期間、憧れの企業で実地体験をさせてもらえるインターンシップは、就活生の勉強になるだけでなく採用過程で有利に働くこともある体験です。
貴重な体験をさせてもらったからには、お礼状を送りたいと考える人もいるでしょう。
一方で、わざわざお礼状を書くとおおげさに思われるのでいらないと考える就活生もいます。
インターンシップのお礼状は出すべきかどうか迷ってしまう問題であり、ここでは必要性を深く考えていきましょう。
インターンのお礼メールはないと失礼なのか
結論から言うと、インターンシップのお礼状を出さなければいけないというビジネスマナーは特に存在していません。
そして、お礼状を出さなかったからといって、その後の就活に影響が出るケースも特にないと言えます。
必要性だけでいうと、お礼状がいらないインターンシップのほうが圧倒的に多いのです。
インターンシップ期間では、一方的に研修生が企業のお世話になるだけでなく、対価として労働力を提供しています。
いわば、密度の濃いアルバイトのような感覚でもあります。
そのため、研修生が過度にへりくだって企業にお礼状を送らなくても十分に恩は返せていると見られます。
最終日に口頭で社員にお礼を言って回る程度の挨拶でも受け入れてもらえるでしょう。
インターンにお礼メールを出さなくて良い理由
それでは「本当にインターンのお礼メールはしなくても良いの?」と不安に感じている方に向けて、お礼メールを出さなくて良い理由について解説します。
まず、選考に影響するインターンだったとしても、お礼メールを出さなかっただけで選考に落とされてしまうことはありません。
心から感謝の気持ちを伝えたい一心でお礼メールを送るならまだしも、形式的に送るだけならば、お礼メールは送っても送らなくても同じです。
インターンにお礼メールを出さなくて良い理由について、その詳細を見ていきましょう。
選考に影響しない
まず、インターンのお礼メールを出さなかったからといって、選考に落とされてしまうことはありません。
インターンの中には、長期インターンのように数ヶ月から1年単位で実施されるものがあります。
しかし、選考が絡むようなインターンは主に半日や1日で終わるものばかりです。
この手のインターンでは、お礼メールを送らなかったがために落とされることはないのです。
先輩社員や上司とよほどの接点があったならまだしも、大勢いるインターン生の1人であったのであれば、特にお礼メールを送る必要はないでしょう。
有利になるわけではない
インターンのお礼メールは、たとえ大手企業相手だったとしても、送ったことが有利に働くとは限りません。
選考が絡むタイプのインターンや短期インターンは、企業側も多くの学生を受け入れます。
インターン中の学生の振る舞いについてはチェックしますが、お礼メールが選考に大きく影響を及ぼすとは考えにくいのです。
ただし、ベンチャー企業のように受け入れたインターン生の数が少ない企業については、次回の選考において優遇される場合もあるようです。
お礼メールの送付は、時と場合によって使い分けると良いでしょう。
送らなくても内定を獲得できる
インターンのお礼メールは、必ず送るものではありません。
送らなくとも、選考の中でしっかりと自分自身をアピールできれば、十分内定を獲得できます。
お礼メールを送らなかったがために落とされることはないので安心してください。
お礼メールの作成には、言葉づかいや内容を考えるのに時間がかかります。
ただでさえ就活中の学生には時間がありません。
もし、複数社インターンを受けるのであれば、優先順位を決めてどの企業にお礼メールを送るか事前に考えておきましょう。
お礼状を出したほうが良いパターンもある
ただし、お礼状がいらないケースばかりではなく、きちんと文面で感謝を伝えるべきインターンシップもあります。
たとえば、大学の推薦枠を使ってインターンシップに参加できた場合です。
参加者の態度は今後の推薦枠を左右する可能性があり、最後まで企業側に好感を持たれる努力は必須です。
口頭で伝えるだけではなく、お礼状まで出して印象良く終わりましょう。
また、応募枠がないのに無理を言ってインターンシップ経験をさせてもらったなど、企業に負担をかけたときにもお礼状は出したほうが良いでしょう。
出さなかったところで気分を悪くする企業は少ないでしょうが、人間同士の礼儀として相手に感謝の気持ちをしっかりと残しておくことが大切です。
長期インターン先に出すのも効果的
長期インターン先に限っては、インターンのお礼メールは極力送りましょう。
ここで言う長期の目安とは1週間以上です。
1週間以上でなおかつ、企業の平常業務に携われるような職業体験要素の強いインターンにこそ、お礼メールは有効と言えます。
なぜなら、企業側もインターンを通じて学生の人間性や能力を見極めており、良い学生がいればそのまま採用したいと考えているからです。
選考に影響しないのはあくまでも短期インターンであり、こうした長期系の選考要素の強いインターンにおいて、お礼メールは非常に有効です。
お礼状を書くことで社会勉強になることも
お礼状がいらないと言われていても、あえて書くことで社会勉強になるパターンもあります。
お礼状では敬意や感謝は示しつつ、ビジネス文書としての精度も求められます。
友達同士の手紙のように、ラフな文体が許されるものではありません。
社会のルールを知り、実践するプロセスは学生生活だけではわからなかった経験を与えてくれます。
また、お礼状をもらった経験が少ない企業に、感謝を文書で伝えると強烈なインパクトを残します。
お礼状をきっかけにして交流が始まり、就活の相談に乗ってもらえるようになる可能性もあるでしょう。
ともすれば、インターンシップ参加した企業で内定がもらえることもあり得ます。
お礼状を出す必要はなくても、「出さないほうが良い」とは言えないのです。
お礼状はメールにするか手紙にするか
お礼状はメールで出したほうが望ましい企業もあります。
忙しい担当者なら、いつでもどこでもチェックできるメールのほうが、すぐに目を通してもらえる確率が高まります。
書くほうも時間をとられずに済みますし、楽な方法ではあります。
しかし、丁寧さを考えるならやはり手書きの手紙にするべきでしょう。
手書きでお礼状を書くと、もらった相手も「本当にこの会社に感謝してくれている」と実感しやすいものです。
また、インターネットで拾ったテンプレートなどを流用しにくいので、余計に誠意が伝わります。
注意点として、便箋や封筒をカラフルなものにせず、ビジネス用のフォーマルな商品を使いましょう。
また、シャーペンではなくボールペンか万年筆で書くほうがおすすめです。
書き方のポイントを押さえよう
インターンのお礼メールは出したほうが好感度のあがる可能性があります。
お礼メールの書き方については、いくつかポイントが存在します。
まず、基本的な言葉遣いや、文章の構成に気をつけて書いていきましょう。
インターンでの経験が自身にとって学びがあったこと、ためになったということをしっかりと伝えます。
内容に不安があるという人は、就職課やエージェントを利用して出す前に添削してもらうのがおすすめです。
お礼メールの書き方や効果的な内容については、こちらの記事も参考になるのでぜひご一読ください。
→https://shukatsu-ichiba.com/article/7945
お礼状の文面に気をつけて送ろう
お礼状の文面については、就職応援サイトのジョブコミットが参考になります。
お礼状を出す決まりがなくても、出さないよりは出したほうが好感度は高まります。
インターンシップの終わりには、勉強もかねてお礼状を書いてみましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート