インターンシップは職場の雰囲気を実際に体験したり、自分と職種との適性を図ったりすることができる貴重な機会です。
そんなインターンシップは民間企業だけでなく、行政でも実施されています。
将来的に公務員としての就職を希望しているような方であれば、是非とも参加したいと考えるのではないでしょうか。
しかし行政のインターンシップは民間企業のインターンシップと少し内容が異なるので、充分に理解を深めてから応募するといいでしょう。
ここでは行政のインターンシップの特徴や、参加する際の志望動機の書き方などについて解説していきます。
【行政インターンシップの志望動機】行政のインターンシップとは?
国家公務員や地方公務員や政府関係機関など、公共サービスに携わる仕事を体験できるのが、行政のインターンシップです。
講義や実習などを通じて行政の現場の雰囲気や実務を経験し、社会貢献の重要性や責任感を養ったり、就職へのモチベーションを高めたりするのが目的だとされています。
民間企業と同様に、夏に実施されるサマーインターンシップ、秋に実施されるオータムインターンシップ、冬に実施されるウィンターインターンシップなどの種類があります。
行政のインターンシップで経験できる内容は多岐に渡ります。
国家公務員の職場か地方公務員の職場かで業務が異なりますし、役所や水道局、土木事務所や観光施設など、配属されるインターンシップ先もさまざまです。
民間企業のインターンシップではビジネスにおける基礎知識を学ぶという側面が強いのに対し、行政のインターンシップでは国家運営の仕組みや社会貢献の意義などについて体験することが可能です。
【行政インターンシップの志望動機】行政のインターンシップに参加するメリットとは?
行政のインターンシップに参加する最大のメリットとしては、行政の実態を深く理解できるという点が挙げられるでしょう。
例えば市役所や水道局などといった場所で実際にどのような業務が行われ、どういった形で市民の生活が支えられているのか、身をもって知ることができます。
また、単純に将来の安定性から公務員を目指しているというような方でも、インターンシップに参加することで行政の重要性ややり甲斐を理解し、公務員として働くことの意義を発見できる場合もあります。
それから、行政の仕事はいろいろな部署や分野が絡み合って成立しているケースがほとんどですから、市民の生活に関して広い視野を培うこともできるでしょう。
【行政インターンシップの志望動機】民間企業のインターンシップとの相違点は?
行政のインターンシップと民間企業のインターンシップにおける最も顕著な相違点は、多くの場合報酬が発生しないということです。
民間企業では長期のインターンシップにおいて、参加者に報酬が支払われるのが一般的です。
しかし、市民の税金が資金源である行政では、インターンシップの参加者に報酬が支払われるケースは少ないのが特徴です。
特に財政難の自治体のインターンシップであれば、報酬が発生する可能性はかなり低いのではないでしょうか。
加えて、前述したとおり行政にはさまざまな職場や部署が存在するので、希望の職場で働けないこともありえます。
参加者が少なければ希望の職場を体験できることもあるかもしれませんが、参加者が多い場合は難しくなるでしょう。
そして民間企業ではインターンシップへの参加がそのまま内定に繋がるケースもありますが、行政のインターンシップにそうした特性はありません。
とはいえ実際の行政の職場を経験することで専門的な知識や志望動機が深まるでしょうから、面接などにおいて、インターンシップ参加者のほうが有利になる可能性はあります。
【行政インターンシップの志望動機】志望動機で見られるポイント
志望動機では主に以下の3つのことが見られています。
以下の点を意識しながら志望動機を書いていきましょう。
会社や業界の理解
まず志望動機では応募する会社や業界の深い理解を示すことが重要です。
会社や業界についての理解が深いと、よく調べており、志望度が高いと判断されたり、本当に自分がその会社・業界でやりたいことができるのかなどを知ることができます。
会社とマッチしているか
次に会社とマッチしているかどうかが見られています。
たとえ優秀な人材でも、行う業務や社風、働き方に合っていなければ、会社で活躍することは難しくなります。
そのため、企業は自社とマッチしている人材を中心に採用しています。
志望度
もちろん志望動機では志望度が見られています。
企業は高いコストを払って採用活動を行っており、できるだけ内定辞退者を出したくないと考えています。
そのため、志望度が高く、内定辞退などしないかどうかは特に見られています。
【行政インターンシップの志望動機】志望動機の書き方について
行政のインターンシップに参加を希望するのであれば、エントリーシートの作成が重要です。
とりわけ志望動機の書き方は合否に大きく関係してくるでしょう。
そして行政のインターンシップですから、当然ながら行政に関係した志望動機を書くことが大切となります。
まず志望動機に取り入れたいのは「市民や社会に貢献したい」という気持ちです。
自分がどういった形で市民の生活を支え、社会や地域の役に立ちたいと考えているのか、そう思うに至ったエピソードを交えて説明するといいでしょう。
それから「自分が学校や社会などからなにを学び、どんな能力や長所を持っているか」についてもアピールしましょう。
ここで提示した自分のスキルを、どのようにして市民や社会のために役立てられるのかを明確にすることで、志望動機に説得力が生まれます。
【行政インターンシップの志望動機】志望動機の7つの構成
どれだけ自社にマッチする人材かを、志望動機を通じて厳しくチェックしています。
選考に通るために、どのように志望動機を構成すべきか確認していきましょう。
志望動機の7つの構成
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結論:私は〇〇という点で貴社を志望しました
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理由:なぜならば〇〇という経験で〇〇と考えたためです
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エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
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問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
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行動:そのため私は〇〇を行いました
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結果:その結果〇〇になりました
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結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
1.結論:私は〇〇という点で貴社を志望しました
最初に述べるべきは結論です。
その企業を志望した一番のポイントを明確にしましょう。
結論からスタートすることに慣れていない方、抵抗を感じる方もいるかもしれません。
ですが、企業にとっては一番知りたいのが、自社のどんなところに魅力を感じて志望したのかです。
これにより、どれだけ自社を理解しているかや、その人の熱意や入社意欲の強さが伝わってきます。
企業の担当者としては、就活生が他社にもエントリーしていることは了解済みですから、自社が本命なのか否かを、志望したポイントから見極めようとしています。
他社と差別化が図れるようなポイントを最初に挙げることで、選考者が興味を持ち、あなたに注目して話を聞いてくれるようになるのです。
2.理由:なぜならば〇〇という経験で〇〇と考えたためです
次に、結論で挙げた志望動機に至った理由を述べましょう。
どのような経験から、エントリーした企業で仕事をしたいと思ったかを具体的に述べます。
「大手だから。」、「有名だから。」、「収入が高いから。」といった表面的な理由や単純な理由は避けてください。
自分の過去の経験などに基づき、こんな仕事がしたいと思った、この企業で働く目的を見出したといった理由を挙げることがポイントになります。
ご自身の経験が企業を志望する動機に結び付いたとアピールすることで、自社が本命かもしれないという入社意欲の高さや熱意を伝えやすくなります。
3.エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
結論、理由を述べたら、入社後の活躍に結び付くエピソードを紹介しましょう。
エピソードで紹介した経験をもとに、入社後にどう貢献できるかをアピールできる経験を選ぶことがポイントです。
企業が求める人物像にマッチする自分の能力や強みがあるかを検討し、それに合ったエピソードがないか、過去の経験の棚卸しを行います。
その中から1つだけエピソードを選び、どのような経験だったかを簡潔に説明してください。
4.問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
過去の経験から1つを選ぶ際に押さえておきたいポイントがあります。
それは自分が何らかの問題に直面し、それを乗り越えたり、解決したりするために自ら行動を起こし解決したエピソードであることが、アピール材料として大切だということです。
過去の経験談をただ話しても、昔話や思い出話になってしまいます。
面接官はあなたの昔語りや美談を聞きたいと思っているわけではありません。
あなたがどんな人物であり、入社後にどんな活躍をしてくれそうな人物なのかをエピソードから知りたいと思っています。
そのためには、何らかの問題に直面し、それを自らの行動で乗り越えたといった成果が見える内容であることが必要となるのです。
5.行動:そのため私は〇〇を行いました
経験の概要を説明し、直面した問題についてわかりやすく状況説明をしたら、それに対して、あなたがどのような行動に出たのかを説明しましょう。
行動は入社後の活躍につながるような、仕事をしていくうえで必要となるような行動であることがベストです。
直面した問題に対して自ら考え、自ら能動的に取った行動であることが求められます。
誰かが考えて、誰かの指示で行った受動的な行動や、誰かに行ってもらったという行動ではなく、自らが動いた積極的な行動をアピールしましょう。
動ける人材であること、決断力があること、根性があることなど、自分の強みが発揮できた行動を示せるエピソードを紹介してください。
6.結果:その結果〇〇になりました
行動に出たところまでを話したところで安心してしまい、その結果を伝え忘れる方も少なくありません。
ビジネスをしていくうえでは、結果が求められます。
エピソードの紹介においても、行動を出たところまでで終えるのではなく、その結果、どうなったのかを具体的に説明するようにしましょう。
7.結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
エピソードの結果を述べたら、最後の総括としての結論を述べます。
これはあなたを売り込む最後のメッセージとなります。
エピソードで紹介した経験をもとに、入社後にどのような貢献ができるかを具体的に述べてください。
ただ単に「経験を活かして頑張ります。」はNGです。
これでは、どの企業でも使い回しができるので、本当に自社が本命なのかと疑われてしまう可能性があります。
最後まで気を抜かず、手を抜かず、その企業への入社意欲の高さと熱意をアピールし切りましょう。
そのためには、その企業の他社との差別化ポイントや、企業が求める人物像、その企業の仕事のスタイルなどに照らし合わせ、〇〇という点で貢献をしたいと具体的に伝えることが大切です。
【行政インターンシップの志望動機】行政の実態に触れられるのは貴重
公務員や政府機関などの仕事を体験できる行政のインターンシップには、民間企業のインターンシップとは異なる意義と価値があります。
そして、なかなか実態を把握しづらい行政の実務に関われるというだけでも、充分な社会勉強になりえるでしょう。
そのため、公務員を目指している方はもちろん、それ以外の方であっても、1度は行政のインターンシップに参加してみることで、貴重な経験を得られるのではないでしょうか。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート