就職活動において、複数の企業から内定をもらうことは喜ばしい成果である一方で、その後の決断に苦しむ学生は少なくありません。
特に近年は選考の早期化が進んでおり、早い段階で内定承諾書を提出したものの、その後に第一志望の企業から内定が出た、あるいは自分のキャリアについて深く考え直した結果、別の道に進みたくなったというケースが増えています。
承諾書を出してしまった後に辞退を申し出るのは、誰にとっても非常に心苦しく、勇気がいることです。
しかし、これはあなたの人生に関わる重要な決断です。
この記事で正しい辞退の仕方を知り、誠意ある対応で前に進むための準備を整えましょう。
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内定承諾後の辞退は可能だがリスクあり
内定承諾書を提出した後に辞退することは、法的には決して不可能なことではありません。
しかし、そこには企業と交わした約束を破るという重い事実が存在します。
多くの就活生が法的に許されるなら問題ないと考えがちですが、社会人としての第一歩を踏み出すにあたって、権利の主張だけでなく相手への配慮が不可欠です。
ここでは、内定承諾書の持つ意味や民法上の権利について正しく理解し、その上でなぜ円満な辞退を目指すべきなのか、その背景にあるリスクと責任について解説していきます。
内定承諾書(入社承諾書)の役割
内定承諾書とは、企業から通知された内定に対して、求職者がその企業に入社する意思があることを誓約するための重要な書類です。
企業はこの書類を受け取ることで、採用予定人数を確定させ、入社に向けた研修の準備や備品の手配、さらには他の応募者への不採用通知といった実務を進めていきます。
つまり、内定承諾書は単なる紙切れではなく、企業とあなたの間で交わされる入社の約束を証明するものなのです。
法的な拘束力は限定的であると言われることもありますが、これを提出するという行為は、企業に対して多大な期待と準備をさせるきっかけとなるため、その重みを十分に理解しておく必要があります。
民法における雇用契約と解約の権利
法律の観点から見ると、内定承諾書を提出した時点で、学生と企業の間には始期付解約権留保付労働契約という労働契約が成立したと考えられます。
少し難しい言葉ですが、要するに入社日から働くことを約束し、企業は賃金を支払うという契約が結ばれた状態であり、あなたはすでに入社前であってもその企業の労働者としての立場を持つのです。
しかし、日本国憲法では職業選択の自由が保障されており、民法第六百二十七条では、期間の定めのない雇用契約において解約の申し入れから2週間で契約が終了すると定められています。
したがって、入社日の2週間前までに辞退を申し出れば、法的な問題は生じません。
内定辞退は実質的に退職と同等の権利行使とみなされるため、企業がこれを法的に阻止することはできないのです。
可能だが円満に進める努力が必須
法的に辞退が可能であるとはいえ、何の配慮もなく一方的に辞退を告げるのは社会人としてのマナーに反します。
企業はあなた一人を採用するために、多くの時間とコスト、そして一緒に働きたいという熱意を注いできました。
その期待を裏切ることになる以上、法律を盾にするのではなく、誠意を持って謝罪し、できる限り相手に迷惑をかけないよう配慮することが求められます。
トラブルに発展すれば、出身大学や後輩にまで悪影響が及ぶ可能性も否定できません。
自分の将来のためにも円満に進める努力を惜しまず、最後まで責任ある行動を心がけることが、社会人としての第一歩として非常に重要なのです。
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内定承諾後に辞退する際に想定される3つのリスク
- リスク1:損害賠償を請求される恐れ
- リスク2:同じ企業や関連会社へ将来応募できなくなる恐れ
- リスク3:大学のキャリアセンターや後輩の就活に影響が出る恐れ
法的に辞退できるなら、何も心配いらないのではと考えるのは早計です。
内定承諾後の辞退には、法的リスクは低いとしても、社会的・倫理的な側面でのリスクが潜んでいます。
企業側もビジネスとして採用活動を行っているため、約束が破られたことによる実害が生じれば、相応の対応を検討せざるを得ない場合があるからです。
ここでは、多くの就活生が不安に感じる損害賠償請求の可能性や、将来的なキャリアへの影響、さらには大学や後輩への波及といった、辞退に伴う3つの具体的なリスクについて詳しく解説します。
リスク1:損害賠償を請求される恐れ
もっとも懸念されるのが損害賠償を請求されるのではないかという点ですが、結論から言えば、実際に学生個人に対して損害賠償が請求されるケースは極めて稀です。
ただし、可能性がゼロというわけではありません。
例えば、あなたが入社することを前提として、会社負担で高額な海外研修に参加していたり、あなた専用の特別な備品やPCなどを購入済みであったりする場合など、会社に明確かつ多大な実損が出ているケースでは、その費用返還を求められるリスクがあります。
また、あまりにも悪質な辞退の仕方、例えば入社日当日に連絡もなく来ないなどの行為があった場合は、信義則違反としてトラブルになる可能性があるため注意が必要です。
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リスク2:同じ企業や関連会社へ将来応募できなくなる恐れ
一度内定を承諾した後に辞退した場合、その企業への再応募は非常に難しくなると考えるべきです。
さらに注意したいのが、その企業が属するグループ会社や関連会社への影響です。
企業グループ内では採用に関する情報やブラックリストが共有されていることが多く、ある一社で不誠実な辞退をしたという記録が残れば、将来的に関連企業へ転職しようとした際に不利になる恐れがあります。
業界によっては企業間の横のつながりが強く、噂が広まることもあり得ます。
この会社とはもう関わらないからと軽く考えず、将来のキャリアの可能性を狭めないためにも、誠実な対応を心がけることが大切です。
リスク3:大学のキャリアセンターや後輩の就活に影響が出る恐れ
内定辞退の影響は、あなた個人にとどまらない場合があります。
特に、大学の推薦枠を利用していた場合や、大学と企業との間に長年の信頼関係がある場合、あなたの不誠実な対応が大学の評判を傷つけてしまうリスクがあるのです。
企業側がこの大学の学生は信用できないと判断すれば、来年度以降の求人数を減らしたり、その大学からの採用を見送ったりする可能性があります。
つまり、あなたの行動がこれから就活を行う後輩たちのチャンスを奪うことになりかねないのです。
自分の選択が周囲に与える影響を想像し、大学や後輩に迷惑をかけないよう、最後まで責任ある態度で辞退の手続きを行う必要があります。
【最重要】円満辞退のために守るべき3大マナー
- マナー1:辞退を決めたら即日・営業時間内に連絡する
- マナー2:連絡手段は電話が第一選択
- マナー3:誠意をもって、お詫びと感謝を伝える
内定承諾後の辞退を円満に進めるためには、何よりも相手への敬意と誠実さが欠かせません。
どんなに正当な理由があったとしても、伝え方一つで相手の受け取り方は大きく変わります。
トラブルを避け、お互いにわだかまりを残さないためには、社会人として守るべき基本的なマナーを徹底することが大切です。
ここでは、辞退を決意したその瞬間から意識すべき、連絡のスピード、手段、そして伝える際の心構えという3つの最重要マナーについて解説します。
これらを守ることで、厳しい状況でも相手の理解を得やすくなります。
マナー1:辞退を決めたら即日・営業時間内に連絡する
辞退を決意したら、一刻も早く企業に伝えることが鉄則です。
気まずいから、怒られるのが怖いからと連絡を先延ばしにするのは、もっとも避けるべき行為です。
あなたが連絡を躊躇している間にも、企業はあなたの入社準備を進めており、時間が経てば経つほど迷惑の度合いは大きくなります。
また、連絡は必ず企業の営業時間内に行いましょう。
深夜や早朝の連絡は非常識と捉えられかねません。
決断したその日が最短の連絡日であると心得て、勇気を出してすぐに行動に移すことが、相手に対する精一杯の誠意であり、トラブルを最小限に抑えるための最善策です。
マナー2:連絡手段は電話が第一選択
辞退の連絡は、メールやチャットだけで済ませるのではなく、必ず電話で直当者に伝えるの接担がマナーです。
メールは一方的な通達という印象を与えやすく、特に内定承諾後という重要な局面では誠意がないと判断され、相手の怒りを買う原因にもなりかねません。
電話で直接話をすることで、申し訳ないという気持ちや感謝の思いが声のトーンから伝わり、相手も感情的に納得しやすくなります。
まずは電話をかけ、不在の場合やどうしても繋がらない場合に限り、メールでその旨を伝えてから改めて電話をするという手順を踏みましょう。
肉声で伝えることの重みを理解し、逃げずに向き合う姿勢が大切です。
マナー3:誠意をもって、お詫びと感謝を伝える
辞退を伝える際は、理由を並べ立てるよりも、まずは心からの謝罪とこれまでの感謝を伝えることに注力してください。
ご期待に沿えず申し訳ありませんというお詫びの言葉と、これまで丁寧に選考していただき、ありがとうございましたという感謝の言葉をセットで伝えることが基本です。
相手はあなたを評価し、仲間として迎え入れようとしてくれていたのですから、その期待を裏切る事実に対して真摯に向き合う必要があります。
言い訳がましくなったり、開き直ったりする態度は厳禁です。
謙虚な姿勢で誠心誠意伝えることができれば、採用担当者も残念だが仕方ないと受け入れてくれるはずです。
【例文あり】内定承諾後 辞退の連絡ステップ
いざ電話をかけようと思っても、具体的に何と言えばいいのか、話す順序がわからないと不安になることでしょう。
緊張して言葉に詰まってしまわないよう、事前に話す内容を整理し、台本を用意しておくことを強くおすすめします。
また、電話だけで終わらせるのではなく、その後のフォローメールまで行うのが社会人の丁寧な仕事です。
ここでは、そのまま使える電話のトークスクリプトとフォローメールの例文を紹介します。
これらを参考に、自分の状況に合わせて言葉を選び、落ち着いて連絡する準備を整えましょう。
STEP1:電話での伝え方(トークスクリプト例)
電話をかける際は、手元にメモを用意し、静かな場所からかけましょう。
以下は標準的なトーク例です。
お世話になっております。
内定をいただきました、〇〇大学の就活 太郎と申します。
採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。
(担当者が出る) お忙しいところ恐れ入ります。
先日内定のご連絡をいただき、内定承諾書を提出いたしました件で、大変申し上げにくいのですが、お電話いたしました。
この度、自身の適性やキャリアについて改めて深く検討いたしました結果、誠に勝手ながら、今回の内定を辞退させていただきたく存じます。
承諾書提出後のご連絡となり、多大なるご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
本来であれば直接お伺いしてお詫びすべきところですが、お電話でのご連絡となりますことをお許しください。
これまで温かくご対応いただき、本当にありがとうございました
まずは結論を簡潔に伝え、理由よりも謝罪の言葉を重ねるのがポイントです。
電話をかけるタイミングも重要です。
始業直後の朝一番や終業間際は、朝礼や業務の締め作業で忙しいことが多く、昼休み(12時〜13時)は担当者が席を外している可能性が高いです。
これらを避け、午前なら10時半〜11時半頃、午後なら14時〜16時頃を目安にかけると、比較的つながりやすく、相手にも迷惑がかかりにくいでしょう。
STEP2:電話後のフォローメール
電話で辞退の了承を得たら、感謝と謝罪の気持ちを改めて伝えるために、すぐにお礼とお詫びを兼ねたフォローメールを送ります。
これは電話の内容を記録として残す意味合いもあります。
件名:内定辞退のお詫び(〇〇大学 氏名) 本文: 株式会社〇〇 人事部 採用担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学の就活 太郎です。
先ほどはお忙しい中、お電話にてご対応いただきありがとうございました。
電話でもお伝えいたしました通り、検討を重ねました結果、誠に勝手ながら貴社よりいただきました内定を辞退させていただきたく存じます。
承諾書提出後の辞退となり、〇〇様をはじめ関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしますことを、改めて深くお詫び申し上げます。
本来であれば直接お伺いすべきところ、メールにて恐縮ではございますが、末筆ながら貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
署名
電話の直後に送信することで、より丁寧な印象を与えることができます。
メールを送るタイミング
メールは電話を切った直後に送るのがベストですが、もし時間が空いてしまう場合でも、必ずその日の営業時間内に送るようにしましょう。
翌日以降になると、本当に反省しているのかと疑念を持たれる可能性があります。
電話での会話の記憶が新しいうちに、迅速に行動することで誠意を示すことが重要です。
(補足)お詫び状(手紙)は必要なのか?
かつては内定辞退の際にお詫び状(手紙)を送ることがマナーとされていましたが、現在の就職活動においては、電話とメールでの連絡で十分とされることが一般的です。
特にスピード感が重視されるビジネスの現場では、手紙が届くまでのタイムラグよりも、メールで即座に意思を伝える方が好まれる傾向にあります。
ただし、担当者に個人的に大変お世話になった場合や、企業文化として礼儀を重んじるような伝統的な企業の場合は、メールの後に手書きのお詫び状を送ることで、より深い謝罪の意を表すことができます。
基本はメールで十分ですが、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
内定承諾後の辞退をメールでのみ連絡する場合
体調不良で声が出ない、あるいは担当者が多忙でどうしても電話がつながらないなど、やむを得ない事情でメールのみで辞退を伝えるケースもあるでしょう。
その場合は、電話ができない理由を添えつつ、通常以上に丁寧な文章を心がける必要があります。
件名:【重要】内定辞退のご連絡(〇〇大学 氏名) 本文: 株式会社〇〇 人事部 採用担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学の就活 太郎です。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
また、先日内定承諾書を提出させていただきましたが、本日はその件でご連絡いたしました。
この度、一身上の都合により、誠に恐縮ながら内定を辞退させていただきたく存じます。
入社の意思をお伝えした後の辞退となり、多大なるご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
本来であればお電話にて直接お詫びすべきところですが、〇〇の事情によりお電話でご連絡することが難しく、メールでのご連絡となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
メールでの連絡になり申し訳ないという一文を必ず加えるようにしましょう。
企業側の反応別困ったときの対処法
誠意を持って伝えても、企業側の反応はさまざまです。
すんなりと受け入れられることもあれば、予想外の引き止めや、厳しい言葉を投げかけられることもあります。
こうした不測の事態に直面した際、動揺して曖昧な返事をしてしまうと、トラブルが長引く原因になります。
ここでは、強く引き止められた場合、怒られた場合、理由を深掘りされた場合の3つのケースについて、具体的な対処法と心構えを解説します。
事前にシミュレーションしておくことで、どんな反応があっても冷静に対応できるようになります。
ケース1:強く引き止められた場合
優秀な人材であればあるほど、企業は簡単には諦めません。
一度オフィスに来て話をしよう、食事でもしながら考え直さないかと強く引き止められることがあります。
しかし、ここで少し考えますなどと曖昧な態度を見せるのは禁物です。
期待を持たせてしまうと、最終的に断った際の相手の失望感や怒りが増してしまいます。
お誘いは大変光栄ですが、私の決意は固まっております。
申し訳ございませんと、感謝を示しつつも、決定事項であることを毅然と伝えることが重要です。
一度決めたことを覆さない姿勢を見せれば、企業側も諦めざるを得ません。
ケース2:怒られた・責められた場合
承諾後の辞退に対し、担当者が感情的になり、怒鳴られたり責められたりするケースも稀にあります。
このような場合は、反論したり言い訳をしたりせず、ごもっともです。
多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんと、ひたすら冷静に謝罪を繰り返すサンドバッグ対応に徹するのが賢明です。
相手の怒りの炎に油を注がないよう、低姿勢を貫きましょう。
損害賠償を請求すると言われた場合
研修費を返せ、損害賠償を請求するぞと脅されることがありますが、前述の通り、法的に認められるケースは稀です。
動揺せず、申し訳ございません。
ですが、辞退の意思は変わりませんと伝えましょう。
その場で支払いの約束などは絶対にしないようにしてください。
学校に言うぞ、後輩は今後一切採用しないと言われた場合
脅迫まがいの行為であり、オワハラ(就活終われこのような発言は、就活生の弱みにつけ込むハラスメント)の一種と言えます。
もしこのような言葉を投げかけられた場合は、一人で抱え込まず、すぐに大学のキャリアセンターに詳細を報告・相談してください。
大学側から企業へ事実確認や抗議を行ってくれる場合があります。
あまりに酷い場合は、電話を切る勇気も
長時間にわたる罵倒や人格否定が続く場合、それはもはや指導や説得の域を超えており、企業のコンプライアンス意識に問題があります。
大変申し訳ございませんが、これ以上のお話は控えさせていただきます。
失礼いたしますと告げて、電話を切っても構いません。
自分の心を守ることも大切です。
ケース3:辞退理由を執拗に深掘りされた場合
どこの会社に行くんだ、うちより条件が良いのかと、辞退理由や他社について執拗に聞かれることがあります。
しかし、入社する具体的な企業名は絶対に言わないようにしましょう。
企業間のトラブルに巻き込まれたり、良からぬ噂を流されたりするリスクを避けるためです。
理由は自分の適性を再考した結果、別の業界に進むことにした、職種のマッチングを重視したなど、あくまで自分の内面や適性に着地させるのが無難です。
他社との比較ではなく、自分自身の判断であることを強調しましょう。
内定承諾後の辞退に関するQ&A
辞退の理由は、必ずしもすべてを正直に話す必要はありません。
特に御社の給料が低かったので、社風が合わないと思ったのでといったネガティブな理由は、相手を不快にさせるだけなので避けましょう。
他社に決めたという事実を伝えること自体は問題ありませんが、前述の通り具体的な社名は伏せ、検討の結果、別の企業にご縁を感じたためといったオブラートに包んだ表現が適切です。
企業側は理由を知りたがりますが、あくまで円満に終わらせるための建前もビジネスマナーの一つです。
辞退の連絡は、基本的にはこれまでやり取りをしていた採用担当者宛に行います。
もし内定通知書やメールに辞退の連絡先が指定されている場合は、それに従ってください。
担当者の名前がわからない場合や、連絡先が不明な場合は、会社の代表電話や採用窓口にかけ、採用ご担当者様をお願いしますと取り次いでもらいましょう。
いきなり社長や役員宛に連絡する必要はありません。
法的には入社日の2週間前までであれば問題ありませんが、入社直前の辞退は企業にとって致命的な迷惑となります。
研修の準備や配属先の調整など、受け入れ準備が完了している段階でのキャンセルは、実損が出る可能性も高まります。
したがって、可能か不可能かで言えば可能ですが、辞退を決めた瞬間がリミットだと考えてください。
一日でも早く伝えることが、あなた自身の誠意の証明になります。
内定者研修や懇親会のために、PCや書籍、資料などの備品を借りている場合は、速やかにすべて返却しましょう。
これらはあくまで入社予定者だから貸与されていたものであり、辞退した時点で保持する理由がなくなります。
返却方法は、郵送(宅配便)が一般的です。
その際、破損しないよう丁寧に梱包することはもちろん、一筆お礼のメモを添えると丁寧です。
送料は元払い(自分持ち)で送るのがマナーです。
まとめ:誠実な対応で円満に辞退し、後悔のない選択をしよう
内定承諾後の辞退は、法的リスクよりも人としての誠実さが問われる場面です。
企業への罪悪感や怒られることへの恐怖はあるかと思いますが、曖昧な対応や連絡の遅れは、事態を悪化させるだけです。
まずは速やかに、電話で直接、誠心誠意お詫びと感謝を伝えましょう。
誠実に対応すれば、多くの企業はあなたの決断を尊重してくれるはずです。
就職活動はゴールではなく、社会人生活のスタートラインです。
後ろめたさを残さず、胸を張って新しい道へ進めるよう、最後まできっちりとけじめをつけましょう。
応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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