内定をもらった後に新卒がすべきこととは!入社までの流れや内定通知への返答の仕方を解説

内定をもらった後に新卒がすべきこととは!入社までの流れや内定通知への返答の仕方を解説

「内定を承諾した後は何をすればいいの?」

「内定をもらったけど就活を継続してもいいの?」

「内定をもらった後はどんな準備が必要になるの?」

上記のように内定後の動きがわからず、不安を抱えている就活生は多いでしょう。

本記事では、内定をもらった後に取るべき行動について解説します。

内定は多くの就活生が目標とする地点です。

気持ちよく入社式を迎えるためにも、本記事で解説する内容を参考にしてください。

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【内定をもらった後】まず確認!「内定」「内々定」「採用」の違いとは?

まずは「内定」「内々定」「採用」では意味が違うことを理解してください。

似たような意味で使われる言葉ですが、使われるタイミングによって大きく意味が異なります。

就活が終わりに差し掛かると耳にする言葉ですが、誤った認識を持ってしまうとあなたのキャリアに傷がつくかもしれません。

さらに、志望企業との信頼関係も悪化する可能性があります。

本章では、それぞれの言葉の意味を紹介するので参考にしてください。

「内々定」とは

内々定とは、企業があなたに対して採用の意思があると伝えることです。

将来的な採用の約束や採用予定通知として扱われます。

主に10月1日より以前に利用される言葉です。

内定を通知できるのが10月1日以降になるからです。

政府は就活生が勉強する時間を確保しつつ、就活に取り組んでもらうために企業に要請しています。

そこで、企業は10月1日より前に採用の意思があることをアピールするために、内々定といった言葉を使い、就活生が他社に流出するのを防止しています。

しかし、内々定は正式な労働契約を結んでいるわけではありません。

企業が内々定を取り消したからといって、即座に違法になるわけではないので注意してください。

参考:確かめよう労働条件|厚生労働省

「内定」とは

内定とは、企業があなたに対して採用内定を通知し、あなたが通知を承諾した場合を示す言葉です。

内定を承諾した後に結ぶ契約書に必要事項を記入し、提出することで正式な契約となります。

内々定よりも拘束力が強く、企業は一方的に内定を取り消せません。

また、就活生側にもリスクがあります。

内定を承諾した後でも辞退することは可能です。

しかし、企業との関係が悪化するおそれがあります。

内定が通知されたら、自分のキャリアについて真剣に考えてください。

安易に内定を承諾してしまうと、入社後に後悔する可能性があります。

就活を後悔しないためにも、あなたの就活軸とマッチした企業であるか考えたうえで決断してください。

「採用」との違い

採用とは、企業が就活生に対して合格判定を出した状態の言葉です。

企業側が一方的に就活生を評価しているにすぎません。

つまり、就活生は採用された状態であることを知らない可能性があります。

採用通知書も同じ意味合いです。

企業が採用する意思があることを就活生に示す意味があります。

一方で、内定は労働契約が成立している状態です。

お互いの合意があるため、採用よりも法的な拘束力が強くなります。

採用された=内定ではないことを理解しておきましょう。

採用からさらに踏み込み、労働契約が締結されるまでは気を抜かずに過ごしてください。

【内定をもらった後】新卒で内定をもらった後の基本的な流れ

新卒で内定をもらった後の流れは以下の通りです。

内定をもらった後の流れ
  • 内定通知の受領
  • 労働条件・雇用契約書の確認
  • 内定への返答
  • 内定承諾書の提出
  • 入社までのスケジュール確認

内定をもらって嬉しい気持ちは理解できます。

しかし、内定後にはやるべき対応があります。

スムーズに処理し、すみやかに契約を結ぶためにも、本章の解説を参考にしてください。

順番が入れ替わることはないため、1から順に実行してください。

1.内定通知の受領

まずは、企業から内定通知を受領してください。

通知されない状態では契約が結べないため、結果を待ちましょう。

内定通知は最終面接や電話、メール、または内定通知書などさまざまです。

企業の価値観や文化によって異なります。

企業から通知を受け取ったら、まず感謝の意を伝えてください。

通知がメールや電話だった場合、後日正式な書類が郵送もしくは、データで送られることが一般的です。

通知を受けたら、返答期限を確認し、2番以降の行動に備えます。

電話の場合、重要な情報を見逃さないよう内容をメモしてください。

また、その場で内定の保留か承諾を求められることがあります。

事前にあなたの意思を整理しておくと返事がスムーズです。

2.労働条件・雇用契約書の確認

次に、雇用契約書に記載されている労働条件について確認してください。

あなたのキャリアプランや私生活に影響が出るため、隅々まで内容を確認しましょう。

確認するべき項目は、基本給や勤務地、具体的な業務内容、残業代の計算方法、休日・休暇の制度などです。

「さらっと読んだけど大丈夫だろう」と油断すると、入社後に後悔する可能性があります。

もし、不明点や疑問点、または選考中に聞いていた話と相違がある場合は、内定承諾の返答期限前に、人事担当者や採用窓口に問い合わせてください。

納得のいかない契約はミスマッチにつながります。

すべての項目を理解し、納得できる状態になるまで妥協しないでください。

3.内定への返答

雇用契約書の内容を確認したら、企業に内定の返事をしましょう。

企業が指定した期限内に、入社意思(承諾・保留・辞退)を明確に伝えることが大切です。承諾・辞退・保留のどの場合でも、できる限り早く、誠意をもって連絡するのが社会人としてのマナーです。

とくに保留したい場合は、他社選考待ちなど理由を正直に伝え、いつまでに最終回答できるかを明確に提示し、企業の許可を得てください。

あなたの勝手な判断だけでは、企業からの印象が悪くなるので注意が必要です。

辞退の意思は、メールではなく電話で伝えるのがより丁寧です。

返事の期限が過ぎると、内定が無効になる可能性があります。

そのため、企業に一報を入れておくことをおすすめします。

4.内定承諾書の提出

内定を承諾する場合、内定承諾書を提出してください。

企業から郵送されてきた「内定承諾書」や「誓約書」に署名・捺印し、指定された期日までに返送してください。

内定承諾書の提出をもって、企業とあなたの間で労働契約が正式に成立し、法的な拘束力が生まれます。

内定承諾書以外にも、卒業見込み証明書など、入社までに必要な書類が同封されている場合があります。

すべての書類が揃っているかチェックしたのちに、企業に提出してください。

提出期限は厳守し、万が一遅れる場合は事前に企業へ連絡を入れましょう。

「内定を承諾する意思がない」「社会人としてのマナーがない」など、企業に悪い印象を与えてしまいます。

返送する際は、送付マナー(添え状の添付など)にも注意を払ってください。

5.入社までのスケジュール確認

内定承諾書の提出後、企業から入社までの具体的なスケジュールが伝えられます。

たとえば、内定式の日程や内定者懇親会の開催情報、入社前研修の案内、そして入社までに取り組むべき課題などです。

イベントや課題は、入社への意欲を示す場です。

そして、同期や先輩社員との親睦を深め、社会人としての準備を整える意味があります。

とくに内定式は、入社意思の最終確認の場となることが多いため、スケジュールをしっかり管理し、予定を空けておきましょう。

欠席する場合はやむを得ない理由と丁寧な連絡が必要です。

入社日までの時間を有効に使い、スムーズな社会人生活をスタートしてください。

【内定をもらった後】分岐点!内定通知への返答どうする?承諾・保留・辞退の対応方法

企業から内定をもらった場合、承諾・保留・辞退のどれかを選択しなければなりません。

内定をもらって嬉しい気持ちはわかりますが、就活はまだ続きます。

あなたのキャリアや理想の働き方が手に入る企業に就職するためにも、本章の解説を参考にしてください。

内定通知を受けた後、返事に困る場合があります。

企業に対して何も連絡しないのは失礼にあたるため、3つの選択肢のうちどれかを選べるように知識をつけてください。

承諾する場合

内定を承諾する場合、採用担当者へ電話やメールで入社する意思を伝えてください。

採用担当者は内定を承諾してくれるか不安に思っているため、承諾する意思が固まったら早期に連絡しましょう。

早い段階から対応することで、企業と良好な信頼関係が構築できるからです。

次に、送られてきた内定承諾書や労働条件通知書を記入し、指定された期限までに郵送してください。

内定承諾書はあなたの入社意思を証明する大切な書類です。

提出が遅れると、企業との信頼関係に悪影響をおよぼすので注意してください。

最後は、内定者懇親会への参加や住民票・卒業見込証明書などの追加書類の準備です。

書類に不備があると手続きが遅れるため気をつけてください。

保留する場合

内定を保留する場合、すみやかに採用担当者に保留の意思を伝えてください。

保留が続くと企業の採用計画に支障をきたします。

そのため、保留や迷っているなら正直に気持ちを伝えてください。

採用担当者は人間です。

あなたの内定を承諾するか迷う気持ちや就活を続けたい気持ちなどを真摯に説明することで理解してくれます。

「内定を保留にすると採用担当者に悪い印象を与えるのではないか」と心配する就活生がいるかもしれません。

採用担当者は内定を保留にする就活生がいることを想定しているので安心してください。

保留の意思を伝える際、保留にしたい理由と期間を明確にしましょう。

「保留にします」だけでは誠意が伝わらないからです。

保留したい理由の伝え方

内定を保留にする場合、理由を添えて説明してください。

企業は採用計画に沿って採用を実施しています。

内定の保留を長期化させると志望企業に迷惑がかかります。

そこで、採用担当者に連絡する際、適切な理由を述べてください。

以下のように自分の将来やキャリアを真剣に考えていることを伝えると、企業は納得しやすいです。

良い伝え方 企業に与える印象
キャリアを慎重に考えるためです 真面目で将来を考えている人
結果待ちの企業があり比較したいです 内定を真剣に考える人
悪い伝え方 企業に与える印象
まだ決められません 主体性がない人
忙しくて対応ができません 入社意欲が低い人

内定を保留したい人は、採用担当者の気持ちを考え、きちんと理由を述べるようにしてください。

保留できる期間の目安は?

保留できる期間は1週間を目安にしてください。

内定の保留は企業との合意が必要です。

あなたが保留したいからといって、一方的に返事を引き伸ばすことは避けてください。

企業との関係性が悪化する可能性があるからです。

最悪の場合、内定辞退と受け取られる場合があります。

そこで、内定の保留を連絡する際、「◯月◯日までに回答します」と伝えてください。

明確な日時を説明することで、採用担当者に安心感を与えることが可能です。

一方で、他社の選考結果を待ちたい就活生は「他社の選考結果が明後日判明します。選考結果を受けたうえで比較検討したいです」と正直に伝えてください。

上記のように丁寧に説明することで、1週間以上の猶予をもらえる可能性があります。

辞退する場合

内定を辞退する場合、できるだけ早くかつ誠意を持って連絡してください。

内定辞退は心苦しい作業です。

しかし、社会人としてのマナーを守り、丁寧に対応することで、今後のあなたの評価やキャリアに良い影響を与えます。

もっとも誠意を示せるのが電話での辞退連絡です。

内定は、企業にとっては大切な採用活動の結果であり、採用担当者があなたのために多くの時間を割いています。

直接話せる電話を選択することで、良い関係を維持したまま内定を辞退できます。

営業時間内に電話をかけたがつながらない、または採用担当者が会議などで不在の場合、メールにて先に連絡してください。

内定辞退は重要な事項です。

早期に意思を示すことで、企業の負担を軽減させられます。

【内定をもらった後】例文!内定承諾・保留・辞退の連絡マナー

内定を承諾・保留・辞退する際のマナーと例文を解説します。

採用担当者に連絡の必要性を理解したものの、「実際にはどんな言葉で伝えればいいの?」と疑問に思う就活生は多いでしょう。

そこで、本章では例文を紹介しつつ、どういった流れで進めるべきか解説します。

連絡のマナーを守り、企業との友好的な関係を維持してください。

連絡手段の基本

連絡手段の基本は電話です。

あなたの言葉で伝えることで採用担当者に誠意を示せます。

電話がつながらないもしくは、急ぎで夜間に連絡する場合はメールでも可能です。

「お電話しましたがご不在でしたので、メールにて失礼いたします」と断り書きを入れておくのがおすすめです。

メールを送信しておくことで、採用担当者の都合が良いタイミングで読めます。

どの連絡手段を使ったとしても採用担当者に感謝の気持ちを伝えてください。

選考はお互いの時間とお金を使って進行します。

相手に敬意を示すことで社会人として働くのに必要な心構えが習得できます。

関係性は企業と就活生です。

しかし、あなたは1人の社会人としての自覚を持ち、連絡するようにしてください。

【例文】電話で内定を承諾する場合

電話で内定を承諾する場合、以下のような流れで進めてください。

①名乗りと取り次ぎの依頼 「お忙しいところ失礼いたします。私は、採用内定をいただきました〇〇大学の[あなたの氏名]と申します。採用担当の[担当者名]様はいらっしゃいますでしょうか?」

②感謝と承諾の意思 「この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。貴社からの内定を謹んでお受けいたします」

③入社への意欲 「貴社で働ける機会をいただけたこと、心より嬉しく思っております。入社後は、一日も早く貴社に貢献できるよう精一杯努力いたします」

④今後の確認 「つきまして、入社までに必要な手続きや書類について、あらめてご教示いただけますでしょうか」

⑤締めの言葉 「それでは、引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました」

【例文】メールで内定を承諾する場合(電話後のフォロー)

メールで内定を承諾する場合、以下を参考にしてください。

件名:内定承諾のご連絡(〇〇大学 氏名) 株式会社 [企業名] 採用担当 [担当者名]様 お世話になっております。 〇〇大学の[あなたの氏名]です。 この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。 貴社からの内定を謹んでお受けいたします。 貴社で働く機会をいただけたことに心より感謝申し上げます。 入社後は、精一杯貢献できるよう努力する所存です。 つきましては、今後の手続きや入社までに必要な提出書類等について、あらためてご教示いただけますと幸いです。 まずは略儀ながら、内定承諾のご連絡といたします。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 署名 --- [あなたの氏名](ふりがな) 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 電話番号:090-xxxx-xxxx メールアドレス:[email protected] ---

【例文】電話で内定を保留(検討)する場合

電話で内定を保留する場合、以下のように伝えてください。

①名乗りと取り次ぎの依頼 「お忙しいところ失礼いたします。私は、採用内定をいただきました〇〇大学の[あなたの氏名]と申します。採用担当の[担当者名]様はいらっしゃいますでしょうか?」 ②感謝と保留の意思 「この度は内定のご連絡、誠にありがとうございます。貴社には大変魅力を感じており、内定をいただいたことを心より嬉しく思っております」 ③保留の理由と具体的な期限 「大変恐縮ではございますが、自分の今後のキャリアを慎重に考えるため、[企業から提示された期限]から追加で〇日間、内定のお返事を保留したくお願い申し上げます」 ④再度の謝罪とお願い 「ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。慎重に決断するため、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます」 ⑤締めの言葉 「それでは、〇〇日までには必ずご連絡いたします。本日はありがとうございました」

【例文】電話で内定を辞退する場合

電話で内定を辞退する場合、以下の流れが想定されます。

①名乗りと取り次ぎの依頼 「お忙しいところ失礼いたします。私は、採用内定をいただきました〇〇大学の[あなたの氏名]と申します。採用担当の[担当者名]様はいらっしゃいますでしょうか?」 ②感謝と辞退の意思 「この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。大変申し上げにくいのですが、今回は内定を辞退したく、ご連絡いたしました」 ③辞退の理由 「貴重なお時間をいただきながら恐縮ですが、さまざまな選考を通じて自身の適性や将来の目標を深く考えた結果、他社のご縁に入社する決断に至りました」 ④謝罪と再度の感謝 「選考を通じて貴社には大変お世話になりました。ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございません」 ⑤締めの言葉 「それでは失礼いたします」

【例文】メールで内定を辞退する場合(電話後のフォロー)

メールで内定を辞退したい人は、以下の文章を参考にしてください。

件名:内定辞退のご連絡(〇〇大学 氏名) 株式会社 [企業名] 採用担当 [担当者名]様 お世話になっております。 〇〇大学の[あなたの氏名]です。 この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。 熟慮いたしました結果、今回は内定を辞退したくご連絡いたしました。 貴重なお時間をいただき、選考を通じて大変お世話になりましたにもかかわらず、このようなご連絡となりましたこと、深くお詫び申し上げます。 自身の今後のキャリアや適性を深く考えた結果、このような決断となりましたこと、ご理解いただけますと幸いです。 末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。 署名 --- [あなたの氏名](ふりがな) 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 電話番号:090-xxxx-xxxx メールアドレス:[email protected] ---

【内定をもらった後】新卒が内定承諾から入社までにやるべきこと

新卒の方が内定を承諾し、入社までにやるべきことは以下の5つです。

入社までにやるべきこと
  • 内定式・内定者懇親会への参加
  • 内定者研修・課題の実施
  • 必要書類の準備・提出
  • (該当する場合)一人暮らしの準備(新居探し・引越し)
  • 健康診断の受診

内定を承諾してからもやるべきことが多くあります。

期日ギリギリになって慌てないためにも本章の解説を参考にしてください。

内定式・内定者懇親会への参加

内定を承諾したら内定式・内定者懇親会に参加してください。

内定式は、正式に企業とあなたが雇用契約を結ぶ意思確認の場です。

一般的に10月1日付近に開催されます。

企業にとっては、内定者に入社の意思を再確認してもらい、辞退を防ぐ目的があります。

内定者懇親会は、内定者同士や社員との交流を深める場です。

参加することで、会社の雰囲気を肌で感じられ、入社へのモチベーションを高められます。また、同期となる仲間と事前に顔を合わせることで、入社後の不安を軽減し、スムーズに会社に馴染むことが可能です。

特別な事情がない限り、積極的な参加が強く推奨されます。

内定を承諾した際、あらかじめ日程を確認しておき空けておきましょう。

内定者研修・課題の実施

内定者研修や課題は、入社までの間に内定者に対して実施されます。

主な目的は2つあります。

1つ目は、入社後のスムーズな立ち上がりを支援するためです。

研修を通じて、ビジネスマナーの基礎や業務に必要な専門知識の初歩を身につけることで、入社後すぐに戦力となれるよう準備を促します。

2つ目は、内定者の入社意欲を維持・向上させるためです。

企業は内定者と定期的な接点を持つことで、「自分は企業から放置されている」と感じることを防げます。

さらに、研修を通じて帰属意識を高めたいと考えています。

課題はeラーニング形式やレポート提出など、企業や職種によってさまざまです。

企業から届いた連絡や書類を確認し、余裕を持って取り組んでください。

必要書類の準備・提出

内定者は入社に向けてさまざまな必要書類を準備・提出する必要があります。

代表的なものは以下の通りです。

代表的な必要書類
  • 健康診断
  • 資格証明書
  • 成績証明書
  • マイナンバー
  • 卒業見込証明書(在学証明)

まず、企業が指定する医療機関、または自身で受診した結果を提出してください。

次に業務に関わる資格があれば写しが必要です。

成績証明書は大学での成績が客観的に把握できるようになっています。

マイナンバーは年金手帳と紐づいているため、提出が求められます。

そして、重要なのが卒業見込証明書です。

翌年の3月に卒業する予定であることを証明する書類になります。

卒業見込証明書や成績証明書は、大学の窓口で発行手続きに時間がかかる場合があるため、企業からの指示があり次第、早めに申請することが大切です。

(該当する場合)一人暮らしの準備(新居探し・引越し)

入社に伴い一人暮らしの準備が必要な場合は、新居探しや引越しを早めに済ませましょう。

3月〜4月上旬の引越しシーズン直前は、新社会人や学生の移動が集中し、不動産費用(家賃、敷金、礼金など)や引越し費用が高騰するからです。

良い物件から埋まるため、希望の物件が見つかりにくくなります。

早い時期に準備することで、ゆっくりと比較検討でき、費用も抑えることが可能です。

また、企業によっては住宅手当や引越し費用補助などの福利厚生があります。

事前に担当者に制度が利用できるか確認しておきましょう。

勝手な思い込みで契約すると、対象外になる可能性があるので注意してください。

健康診断の受診

内定者が入社前に健康診断の受診を求められることがあります。

労働安全衛生法にもとづき、企業が従業員の健康状態を把握し、入社後の適切な業務配置や健康を管理するためです。

多くの場合、企業が指定する医療機関で受診します。

自宅近くに医療機関がない場合、自分で病院を探し、受診する必要があります。

診断結果は、採用の合否には基本的に影響しません。

しかし、入社手続きの一環として提出が義務づけられています。

企業からの指示に従い、期限に遅れないよう早めに受診してください。

健康診断は事前の予約が必要です。

多くの内定者が同時期に受診するため、早期に受診を済ませておくことをおすすめします。

【内定をもらった後】差をつける!入社までに新卒が準備しておきたいこと

入社までに準備しておきたいことは、以下の5つです。

入社までに準備しておきたいこと
  • PCスキルの基礎
  • ビジネスチャット・メールの基本マナー
  • 業界・企業に関する最新ニュースのキャッチアップ
  • 社会人としての自己管理能力
  • 残りの学生生活を全力で楽しむ!

内定をもらった後、入社日まで多くの時間があります。

空いた時間に目的意識を持って過ごすことで同期と差をつけることが可能です。

「入社日までヒマだな、、」「何で時間を潰そうか」など過ごし方に迷っている内定者は参考にしてください。

PCスキルの基礎

まずはPCスキルの基礎を身につけてください。

資料作成やデータ処理、メール対応など、ほぼすべての業務でパソコンを使用します。

とくにExcel(表計算・データ管理)、PowerPoint(プレゼン資料作成)、Word(文書作成)の基本的な操作は、業務効率に直結します。

入社後に差をつけるには、ソフトの基本機能に加え、タッチタイピングを習得しておくことが重要です。

タッチタイピングは、キーボードを見ずに文字を打つ技術であり、習得すれば大幅に作業時間を短縮できます。

基本スキルは、研修で教わるのを待つ必要はありません。

自己学習で操作をマスターしましょう。

「タイピング 無料」などで検索してください。

無料で練習できるツールが利用できます。

ビジネスチャット・メールの基本マナー

ビジネスチャット・メールの基本マナーの習得も欠かせません。

ビジネスシーンで使われるチャットやメールは、学生間のコミュニケーションとは異なり、明確な基本マナーとルールが存在します。

とくに、以下の3つが重要です。

結論を先に記述する

丁寧な敬語を正しく使う

件名を見ただけで内容がわかるようにする

学生時代のような略語やフランクな言葉遣いは厳禁です。

社会人にとってメールは「記録に残る公式文書」であり、マナーを守ることは信頼感に直結します。

入社前に基本的な型を理解し、マナーの重要性を認識しておくことで、スムーズなコミュニケーションが取れます。

結果、社外の人や取引先の人と良好な関係性を構築することが可能です。

業界・企業に関する最新ニュースのキャッチアップ

内定をもらった業界や企業に関する最新のニュースは継続的にチェックしましょう。

社会人としての当事者意識を持つためです。

また、入社後の業界理解を深める効果もあります。

ニュースを読む際は、記載された情報を追うだけでなく、「この動向が自分の会社や部署にどのような影響を与えるか」という視点を持つことが重要です。

企業のプレスリリースや競合他社の動向、業界全体の課題などを把握してください。

入社後の業務研修や上司・先輩との会話にもついていけるようになり、早期の戦力化につながります。

ただし、情報は信頼性のある媒体から得るようにしてください。

SNSやブログなど、個人の情報発信は真偽が不明です。

誤った情報を掴む可能性があるので注意してください。

社会人としての自己管理能力

社会人としての自己管理能力を磨きましょう。

社会人になると、学生時代とは異なり、体調管理や金銭管理などは自己責任です。

家族からも1人の社会人として見られるため、学生時代のようなサポートはなくなります。

さらに、体調を崩して会社を欠勤することは、仕事の遅延や同僚への負担に直結するため、日々の体調維持が基本です。

また、給与や税金、社会保険などお金に関する管理も複雑になります。

無駄な出費を抑えるためには収支計画を立てなければなりません。

そこで、入社日までに練習をしておきましょう。

学生気分を払拭し、体調と生活基盤を自分で律する管理能力を鍛えることで、今後の人生に役立つスキルが手に入ります。

残りの学生生活を全力で楽しむ!

残りの学生生活を全力で楽しむことも忘れてはなりません。

社会人になると、長期休暇の取得が難しくなります。

そのため、内定式が終わってから卒業までの期間が最後のチャンスです。

卒業旅行に行ったり、趣味に没頭したりしてください。

あるいは学業に最後の追い込みをかける貴重な機会です。

専攻していた分野の知識を深めることは、入社後の仕事の基礎力にもつながります。

心身ともにリフレッシュし、学生時代にしかできない経験を悔いなく積むことで、充実した気持ちで社会人のスタートが切れます。

社会人としての準備は大切ですが、学生にしかできないこともあるため、さまざまなことに挑戦してください

【内定をもらった後】要注意!内定をもらった後の新卒のNG行動と「内定取り消し」ケース

内定をもらった後も気は抜けません。

あなたの行動次第では内定が取り消しになる可能性があります。

本章では、内定後に気をつけるべき行動について解説します。

内定をもらった後のNG行動
  • 書類の提出期限を破る・連絡を無視する
  • 辞退の連絡を直前までしない・音信不通
  • SNSでの不適切な発言

内定をもらい嬉しい気持ちになる内定者は多いでしょう。

一方で、一瞬の油断が内定取り消しになるケースがあります。

何事もなく無事に入社日を迎えるためにも、以降の解説を頭に入れて残りの学生生活を過ごすようにしてください。

書類の提出期限を破る・連絡を無視する

書類の提出期限を破ったり、連絡を無視したりするのは避けてください。

入社手続きに必要な書類(内定承諾書、卒業証明書など)の提出遅延は、企業側の入社準備や法的な手続きに大きな支障をきたします。

提出期限を守れない行動は、社会人としての責任感や信用力に欠けると見なされ、入社前から採用担当者や現場に不安を与えてしまいます。

期限に間に合わない可能性が発生した場合、必ず採用担当者に電話で連絡してください。

遅れる理由と提出予定日を丁寧に伝え、指示を仰ぐのがマナーです。

家庭の事情や身内の不幸など、何が起こるかわかりません。

採用担当者はやむを得ない場合があることは理解しています。

早期かつ、正直に伝えて状況を共有してください。

辞退の連絡を直前までしない・音信不通

内定を辞退する場合、企業への連絡を直前まで遅らせたり、連絡を一切せずに音信不通になったりする「サイレント辞退」は絶対に避けてください。

内定辞退の連絡が遅れると、企業は空いた採用枠を埋めるための対応(補欠合格者への連絡など)ができません。

結果、採用活動に深刻な影響を与えます。

サイレント辞退は、あなたの誠意やマナーが疑われ、その後の就職活動や将来のキャリアにも悪い評判が残る可能性があります。

辞退を決めた場合、決断した時点で速やかに、電話で担当者に直接連絡し、丁寧な言葉で感謝と謝罪を伝えるのが社会人の最低限のマナーです。

伝えにくい気持ちは理解できますが、辞退の連絡も社会人の第一歩と考えてください。

SNSでの不適切な発言

内定を獲得した後、SNSでの不適切な発言には細心の注意を払う必要があります。

企業は採用した内定者のSNSアカウントをチェックしていることが多く、不適切な発言が発覚した場合、内定取り消しになるからです。

具体的には、内定先企業への不満や愚痴、あるいは選考を通じて知った企業の機密情報などが挙げられます。

SNS上であっても、あなたはすでに「〇〇社の内定者」という立場です。

公の場での不適切な発言は企業の信頼を傷つけます。

さらに、あなたの社会人としての資質を問われる行為です。

SNSを利用することは問題ありませんが、発信には気をつけてください。

内定取り消しになる正当な理由とは?

企業が内定を出した場合、基本的に撤回できません。

しかし、企業側から内定を取り消せる場合があります。

内定の取り消しは、どれだけ努力を重ねて時間とお金をかけたとしても水の泡です。

本章で紹介する3つの理由を理解し、条件に当てはまらないように生活してください。

内定取り消しになる正当な理由とは?
  • 単位不足で大学を卒業できない
  • 犯罪行為や重大な経歴詐称が発覚した
  • 健康状態が著しく悪化した

内定の取り消しは、あなたのキャリアプランに悪影響です。

理想の社会人生活をスタートさせるためにも参考にしてください。

単位不足で大学を卒業できない

単位不足で大学を卒業できない場合、内定が取り消しとなります。

内定は、学生が「卒業すること」を前提として結ばれる契約です。

したがって、内定者が単位不足などによって大学を卒業できなかった場合、内定の前提条件が崩れたことになります。

内定者が卒業できないと、企業は内定を無効にしても問題はありません。

取り消すことが正当な理由として認められるからです。

企業は、卒業見込証明書をもって内定を出しているため、卒業できなかった場合、企業に責任はなく学生側の問題として扱われます。

内定者は、最後まで学業を怠らず、確実に卒業できるよう過ごしてください。

単位が不安な内定者は学生課を訪れ、卒業できる見込みか確認しておきましょう。

犯罪行為や重大な経歴詐称が発覚した

内定者が犯罪行為に及んだり、選考過程で重大な経歴詐称が発覚したりした場合、内定取り消しができます。

内定者が虚偽の報告を企業にしたからです。

たとえば、逮捕されるような重大な事件や学歴、職歴、取得資格の詐称などです。

企業は、内定者を「あなたなら会社で信頼して働ける」と判断して採用しています。

犯罪行為は企業の信用を著しく損ないます。

経歴詐称は企業と内定者との間に信頼関係が成り立たないと判断されるためです。

とくに、経歴詐称は入社後の懲戒解雇の理由にもなり得ます。

選考では常に正確な情報を提供してください。

自分をよく見せたい気持ちは理解できます。

しかし、嘘の申告は自分の首を締めるため避けてください。

健康状態が著しく悪化した

内定者が、入社後の業務遂行に支障をきたすほど、健康状態が著しく悪化し、回復の見込みがないと判断された場合、内定取り消しが正当な理由となり得ます。

企業は、労働契約を結ぶ際、内定者が健康を維持し、与えられた職務を遂行できることを前提としています。

たとえば、入社直前に突発的な重大な病気や怪我を負い、長期にわたる休養が必要となった場合などです。

安全配慮義務を果たしたうえで業務遂行が困難であると判断されれば、内定が取り消されることがあります。

ただし、企業には病状回復のための最大限の配慮が求められます。

健康状態を理由にした内定取り消しは、条件が厳しくなることを理解しておきましょう。

【内定をもらった後】内定をもらった後に関するQ&A

内定をもらった後に関するQ&Aをまとめました。

内定の獲得をサポートするサービスや内定獲得に欠かせないスキルを発信する媒体は多くあります。

しかし、内定を獲得した後の動きも重要です。

内定を取り消されないためにも、以下のQ&Aの内容を理解し、覚えておきましょう。

内定を獲得した際、あなたの行動を助ける材料になります。

Q.複数内定をもらった場合、どうやって1社に決めればいい?

複数内定をもらった場合、「自分が将来何をしたいか」を軸に、企業を比較検討することが重要です。

給与や離職率などの客観的な条件だけでなく、志望会社で働くことで理想とするキャリアが実現できるか、社風や社員との相性はどうかといった定性的な要素も重視しましょう。

とくに、勤務地や転勤の有無はライフプランに大きく関わります。

判断に迷った際、家族や信頼できる人に相談し、第三者の視点を取り入れるのも有効です。

あなたの性格を考慮しつつ、参考意見が手に入ります。

就活エージェントなら、あなたの価値観とマッチした企業かプロ目線でアドバイスしてくれます。

多くの情報を総合的に判断し、後悔のない会社を選びましょう。

Q.内定承諾書を提出した後に辞退はできますか?(法的拘束力は?)

内定承諾書を提出した後でも、法的には内定を辞退することは可能です。

日本の法律では「職業選択の自由」が保障されています。

労働契約は入社の2週間前までであれば、いつでも解除できるとされています。

したがって、内定承諾書に法的拘束力はほとんどありません。

ただし、辞退の連絡が入社直前になると、企業側に大きな迷惑がかかります。

信義則(誠実に約束を守る義務)に反するとして、ごく稀に損害賠償を請求されるリスクがあります。

あなたが企業の内定を辞退すると決めたら、できるだけ早くかつ、誠意をもって電話で連絡してください。

真摯な気持ちを説明することで採用担当者の理解を得られやすくなります。

Q.企業から他社の選考を辞退するよう圧力をかけられたら?

企業から他社選考の辞退を強要されるような圧力を受けても、応じる必要はありません。

あなたには職業選択の自由があるからです。

内定獲得後も複数の選択肢を比較検討する権利があります。

圧力だと感じた場合は、丁寧な言葉遣いで「自分のキャリアを慎重に考えるため、結論が出るまで待っていただきたい」と毅然とした態度で伝えてください。

ただし、内定を保留できるかどうかは企業の判断次第です。

企業が延長を拒否した場合、その時点で承諾または辞退の決断が必要になります。

しかし、不当な圧力に屈して意思に反する決断をする必要はありません。

大学のキャリアセンターや就活エージェントに相談して、適切な対応方法を教えてもらいましょう。

まとめ

この記事では新卒の方が内定をもらった後の行動について解説してきました。

内定はもらって終わりではありません。

承諾・保留・辞退のどれかを採用担当者に伝える必要があります。

電話もしくはメールにてあなたの気持ちを正直に説明してください。

誤魔化したり、嘘をついたりする行為は企業との信頼関係に悪影響です。

言いにくい気持ちは理解できますが、誠意を持って対応して社会人としての第一歩を踏み出してください。

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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