【例文あり】会計事務所の志望動機はどう書く?書き方やアピールポイントなどを解説!

【例文あり】会計事務所の志望動機はどう書く?書き方やアピールポイントなどを解説!

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はじめに

会計事務所の志望動機を書くときは、仕事内容や働き方のイメージを具体的に持つことが大切です。

しかし会計事務所は専門性が高く、なんとなくのイメージだけで志望動機を書くと浅い印象になりやすいです。

そこでこの記事では、会計事務所とは何か、どんな人が向いているのか、企業が志望動機で見ているポイントを丁寧に解説します。

また会計事務所の志望動機の例文やNGワードも紹介するので、自分だけの説得力ある志望理由を整理したい人は参考にしてみてください。

【会計事務所の志望動機】会計事務所とは

会計事務所の志望動機を書く前に、まずは会計事務所とは何かを正しく理解することが重要です。

会計事務所は企業や個人事業主の会計や税務をサポートし、経営を裏側から支える専門家集団です。

そして会計事務所と税理士法人の違いや、一般企業の経理との違いを押さえることで、志望動機に具体性が生まれます。

この記事では会計事務所の役割や特徴を整理しながら、なぜその環境で働きたいのかを言語化できるようになることを目指します。

会計事務所の役割と仕事内容の全体像

会計事務所は、企業や個人事業主の帳簿作成や申告書の作成を通じて、日々の経営活動を数字の面から支える存在です。

具体的には仕訳入力や試算表の作成、決算書の作成、法人税や所得税などの申告書の作成を行い、適正な税務処理をサポートします。

また経営者と面談して業績の説明や今後の資金繰りの相談に乗ることもあり、単なる事務作業にとどまらないコンサルティング的な役割も期待されます。

そのため会計事務所の志望動機では、数字を扱うだけでなく中小企業や地域の経営を支えたいという思いを伝えると、仕事の本質を理解していると評価されやすいです。

さらに繁忙期と閑散期のメリハリがある職場であることも特徴なので、忙しい時期にも粘り強く取り組める姿勢を示すと良い印象につながります。

税理士法人との違いと会計事務所の特徴

会計事務所と税理士法人は混同されがちですが、税理士法上の組織形態が異なり、規模や提供サービスにも違いがあります。

一般的に税理士法人は複数の税理士が共同で設立する法人形態で、拠点数が多く大規模な顧客を担当するケースが多いです。

一方で個人の会計事務所は所長税理士を中心に少人数で運営されることが多く、顧客との距離が近いことが特徴です。

そのためアットホームな環境で幅広い業務を経験したいのか、大規模法人で専門性を深めたいのかによって、会計事務所の志望動機の書き方も変わります。

また所長の方針や事務所の規模によって求められる役割も異なるため、応募先の特徴を理解したうえで、自分がどのように貢献できるかを具体的に言語化することが大切です。

会計事務所で働くことの魅力

会計事務所で働く魅力の一つは、多くの中小企業と関わりながら経営の数字を間近で学べることです。

業種や規模の異なるクライアントの決算書や会計データに触れることで、自然とビジネスモデルや資金繰りの感覚が身についていきます。

また顧客の経営課題を数字から読み解き、節税対策や資金調達の助言を行うことで、経営者から直接感謝される機会も多いです。

さらに会計事務所の志望動機では、こうした学びとやりがいに加えて、資格取得と実務経験を両立できる点を挙げると説得力が増します。

特に税理士や簿記などの資格取得を目指しながら長期的に専門性を高めていきたいというキャリアビジョンを示すと、成長意欲が伝わりやすくなります。

【会計事務所の志望動機】会計事務所の職種

会計事務所の志望動機を書く際には、どの職種としてどのように活躍したいのかを明確にすることが重要です。

一口に会計事務所と言っても、税務スタッフや巡回監査担当、コンサルティング職、アシスタント職など役割はさまざまです。

そして職種ごとに求められるスキルや働き方が異なるため、自分の強みとマッチするポジションを意識すると志望動機が具体的になります。

ここでは代表的な職種の仕事内容と求められる人物像を整理し、会計事務所の志望動機に落とし込むヒントを紹介します。

税務スタッフの仕事内容

税務スタッフは、クライアントの会計データを整理し、帳簿の入力や試算表の作成、決算書や各種税務申告書の作成を担当するポジションです。

まず日々の仕訳入力や領収書の整理など地道な作業が多く、正確さとスピードの両立が求められます。

また税法や会計基準の改正にも対応する必要があり、日々知識をアップデートしながら業務に臨む姿勢が欠かせません。

会計事務所の志望動機で税務スタッフを志望する場合は、簿記の学習経験や数字を扱うことが得意な点、コツコツとした作業を継続できる点をアピールすると良いです。

さらにクライアントにとって安心できる申告を支える縁の下の力持ちとして貢献したいという意欲を書き添えることで、仕事への責任感も伝えられます。

巡回監査担当の仕事内容

巡回監査担当は、実際にクライアント先を訪問し、帳簿と現場の実態が一致しているかを確認しながら、経営者と直接コミュニケーションを取る職種です。

具体的には月次の試算表をもとに業績の説明を行い、資金繰りや今後の投資計画について意見交換を行うなど、経営に近い立場で仕事をします。

そのため数字への理解に加えて、相手の話を丁寧に聞きながら専門用語をかみ砕いて伝えるコミュニケーション力が求められます。

会計事務所の志望動機で巡回監査担当を希望する場合は、アルバイトやサークル活動などで培った対人折衝経験を具体的に示すと良いでしょう。

そして単に数値を報告するだけでなく、経営者の良き相談相手として信頼関係を築きたいというスタンスを伝えることで、事務所が求める人物像とのマッチをアピールできます。

コンサルティング職・アシスタント職の仕事内容

近年は会計事務所でも、税務申告にとどまらず経営改善や事業承継、相続対策などのコンサルティング業務に力を入れる事務所が増えています。

コンサルティング職は、決算書や資金繰り表の分析を通じて課題を抽出し、改善策を提案する役割を担い、中長期的な視点でクライアントの成長を支えます。

一方でアシスタント職は、資料作成やデータ整理、セミナー運営などを通じてコンサルタントをサポートし、チームとして付加価値の高いサービス提供を支えます。

会計事務所の志望動機でこれらの職種を志望する場合は、数字の分析が好きなことに加えて、企画やプレゼンテーションに興味がある点を示すと良いです。

さらに将来的には経営課題の発見から解決まで一貫して伴走できる人材になりたいというビジョンを書き込むことで、長期的な成長意欲をアピールできます。

【会計事務所の志望動機】 会計事務所に向いている人

会計事務所の志望動機を考える際には、自分がこの仕事に向いているかどうかを客観的に振り返ることが欠かせません。

なぜなら向いている人の特徴を理解しておくことで、志望動機の中でどの要素を強調すべきかが明確になるからです。

またギャップを感じやすいポイントを事前に知っておけば、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

ここでは会計事務所に向いている人の代表的な特徴を紹介し、自分の経験とどう結び付けて志望理由を書けば良いのかを解説します。

数字に強くコツコツ取り組める人

会計事務所の仕事は、日々の仕訳入力や帳簿のチェックなど、細かい数字と地道に向き合う業務が中心です。

そのため一度に大きな成果が見えにくくても、コツコツと正確な作業を積み重ねていくことにやりがいを感じられる人が向いています。

また同じような処理が続く中でも、数字の違和感に気づく観察力や、ミスをそのままにしない慎重さも重要です。

会計事務所の志望動機では、簿記の勉強や部活動、アルバイトなどで地道な努力を継続して成果を上げた経験を盛り込むと説得力が増します。

さらに小さな改善を積み重ねて全体の精度を高めていくことに喜びを感じるという価値観を示せば、仕事との親和性をうまくアピールできます。

コミュニケーション能力と傾聴力がある人

会計事務所の仕事は数字を扱うイメージが強い一方で、実際には経営者や担当者とのコミュニケーションも欠かせません。

特に巡回監査やコンサルティングに携わる場合、相手の状況や本音を丁寧に聞き出し、専門用語をかみ砕いて分かりやすく説明する力が求められます。

また相手の立場や背景を理解しながら、税務上のリスクや改善ポイントを率直に伝えるバランス感覚も重要です。

そのため会計事務所の志望動機では、接客アルバイトやサークル運営など、人と信頼関係を築いた経験を交えてアピールすると良いでしょう。

加えて相手の話を遮らず最後まで聞いたうえで、最適な提案を一緒に考える姿勢を強調すれば、数字だけでなく人に向き合える人材として評価されやすくなります。

学び続ける意欲と成長志向がある人

会計や税務の世界は、法改正や制度変更が頻繁に行われるため、一度学べば終わりという仕事ではありません。

常に新しい知識や実務事例に触れながら、自ら学び続ける姿勢を持つ人ほど、長期的に活躍できるフィールドです。

また資格取得や研修などを通じて専門性を高めることで、担当できる業務の幅が広がり、クライアントへの貢献度も高まります。

会計事務所の志望動機では、これまで主体的に学びに取り組んできたエピソードや、入社後に挑戦したい資格を具体的に示すと良いです。

そして知識を自分だけのものにするのではなく、チームや顧客のために還元していきたいというスタンスを伝えれば、成長志向と協調性の両方をアピールできます。

【会計事務所の志望動機】企業が志望動機を問う理由

会計事務所の選考では、ほぼ必ずと言っていいほど志望動機が問われます。

なぜなら志望動機には、その人がどれだけ会計事務所の仕事を理解しているかや、入社後に長く働いてくれそうかといった情報が表れるからです。

また限られた選考時間の中で、人柄や価値観を知るための手掛かりとしても、志望理由は重要な質問項目です。

ここでは企業が会計事務所の志望動機を通じて何を見ているのかを整理し、評価される志望動機を書くための視点を解説します。

志望度と入社後の定着度を確かめるため

企業が会計事務所の志望動機を重視する理由の一つは、本当にその事務所で働きたいのかという志望度を確かめるためです。

なんとなく事務職に見えるから、安定していそうだからといった浅い理由だけでは、入社後にギャップを感じて短期離職につながるリスクがあります。

一方で会計や税務の専門性に魅力を感じているのか、中小企業を支えたいのかなど、動機が具体的なほど定着度も高いと判断されやすいです。

そのため会計事務所の志望動機では、応募先を選んだ背景や、自分の価値観と仕事のどの部分が合致しているのかを丁寧に説明することが求められます。

さらに将来どのような専門家になりたいのかという中長期のキャリアイメージを示すことで、腰を据えて成長してくれそうな人材だと感じてもらいやすくなります。

業務理解とミスマッチ防止のため

会計事務所の業務は繁忙期の残業や、地道な書類作成、法律に基づく厳格な処理など、想像以上に負荷がかかる場面も少なくありません。

そのため仕事内容を十分に理解していないまま入社してしまうと、忙しさや責任の重さに耐えられず、早期にミスマッチが起きてしまいます。

企業は志望動機を通じて、候補者がどの程度リアルな業務イメージを持っているかを確認し、本当にこの環境で力を発揮できそうかを見極めています。

会計事務所の志望動機では、説明会や事務所見学、OB訪問などで知った具体的なエピソードを交えながら、仕事への理解度を示すと良いです。

そして大変さを理解したうえで、それでも挑戦したいと感じている理由を書き添えることで、覚悟のある志望者であることを伝えられます。

人柄と価値観が事務所の文化に合うかを見るため

会計事務所は少人数の組織であることも多く、一人ひとりの人柄やコミュニケーションスタイルが職場の雰囲気に大きく影響します。

そのため企業は志望動機を通じて、候補者の価値観や仕事への向き合い方が、自社の文化と合うかどうかを慎重に見ています。

例えばチームで協力する風土を大切にしている事務所であれば、協調性や周囲への配慮を重視する志望理由が評価されやすいです。

また顧客との長期的な関係構築を重視する事務所であれば、信頼関係を築くために意識してきた行動を語れるかがポイントになります。

会計事務所の志望動機では、自分が大切にしている働き方や価値観と、事務所の方針が重なる部分を言語化することで、相性の良さをアピールできます。

【会計事務所の志望動機】 なぜ会計事務所なのかを考えよう

会計事務所の志望動機を書くうえで欠かせないのが、数ある業界の中からなぜ会計事務所を選ぶのかという問いに向き合うことです。

なんとなく安定していそうだから、事務職に近いからといった理由だけでは、面接官に響く志望理由にはなりません。

自分の経験や価値観、将来のキャリアイメージを振り返りながら、会計事務所だからこそ実現できることを明確にする必要があります。

ここでは他業界ではなく会計事務所を選ぶ理由を整理するための視点と、具体的な深掘りの方法を紹介します。

他業界ではなく会計事務所を選ぶ理由の整理

まずは自分が興味を持った業界や職種を広く書き出し、その中でなぜ会計事務所を志望するのかを比較しながら整理してみると考えやすくなります。

例えば金融業界やコンサルティング業界にも数字を扱う仕事はありますが、会計事務所はより中小企業に近い立場で継続的に伴走できる点が特徴です。

また決算や税務申告といった企業に必ず必要な業務を担うため、景気に左右されにくい安定性があることも魅力の一つと言えます。

会計事務所の志望動機では、こうした他業界との違いを踏まえたうえで、自分が特に惹かれたポイントを具体的に言語化することが重要です。

その際単に安定しているからではなく、企業の意思決定を数字で支える役割に魅力を感じたといった本質的な理由を示すと、説得力が高まります。

これまでの経験から動機を抽出する方法

なぜ会計事務所を志望するのかを考えるときは、これまでの学業やアルバイト、課外活動の中からヒントを探すと動機が具体的になります。

例えば簿記の勉強を通じて数字で企業活動を捉える面白さに気づいた経験や、家業の会計処理を手伝ったことがきっかけになった人もいるかもしれません。

またサークルの会計係として予算管理を行い、限られた資金の中で運営方針を検討した経験が、会計への興味につながるケースもあります。

会計事務所の志望動機では、こうした経験を時系列で振り返り、そこから得た気づきや価値観を整理していくことが大切です。

特に数字を通じて物事を整理したり、人の意思決定を支えたりしたときに感じたやりがいを言葉にすると、動機の芯が明確になります。

キャリアプランと会計事務所の仕事を結び付ける

会計事務所の志望動機をより強いものにするためには、将来どのような専門家になりたいかというキャリアプランと結び付けて考えることが有効です。

例えば税理士や公認会計士を目指して専門性を高めたいのか、中小企業の経営パートナーとして幅広い相談に乗れる人材になりたいのかによって、志望理由は変わります。

また将来的に事業承継や相続、海外進出支援など特定の分野に強みを持ちたい場合、その分野に力を入れている会計事務所を選ぶことも選択肢です。

会計事務所の志望動機では、入社後数年で身に付けたいスキルや担当したい業務、その先に描くキャリア像を具体的に描写すると良いでしょう。

そしてそのキャリアを実現するうえで、会計事務所というフィールドが最適である理由を説明することで、説得力のある志望動機に仕上がります。

【会計事務所の志望動機】なぜその企業の会計事務所なのかを考えよう

会計事務所の志望動機では、なぜ会計事務所なのかに加えて、なぜその事務所なのかを明確にすることが重要です。

業務内容が似ている事務所が多い中で、自社を選んでもらう理由が伝わらないと、他社志望動機との違いが見えにくくなります。

また事務所ごとの方針や顧客層、組織体制には違いがあるため、それらを理解したうえで自分との相性を語ることが評価につながります。

ここでは応募先の会計事務所ならではの特徴をリサーチし、志望動機に落とし込むためのポイントを解説します。

事務所ごとの特徴をリサーチするポイント

まずは応募先の会計事務所のホームページや採用情報を読み込み、顧客層や提供サービス、事務所として大切にしている価値観を把握することが出発点になります。

例えば中小企業の黒字化支援に力を入れている事務所もあれば、資産税や相続に強みを持つ事務所、国際税務に特化した事務所など、注力分野はさまざまです。

またスタッフ紹介やブログ、セミナー情報などから、働く人の雰囲気や教育体制、働き方に関する考え方を読み取ることもできます。

会計事務所の志望動機では、こうした情報の中から特に共感したポイントを選び、自分の価値観や経験とどのように重なるのかを言語化することが大切です。

その際単に規模や知名度を挙げるのではなく、その事務所だからこそ実現したい成長や貢献を具体的に述べると、説得力が増します。

業務内容と自分の強みを結び付ける書き方

応募先の会計事務所を選んだ理由を語る際には、事務所の業務内容や方針と、自分の強みや経験をセットで伝えることが効果的です。

例えば創業支援やスタートアップ支援に力を入れている事務所であれば、新しい取り組みに前向きに挑戦してきた経験を結び付けて語ることができます。

また巡回監査や経営支援に重きを置いている事務所であれば、顧客と長期的な関係を築いたアルバイト経験などをアピール素材にできます。

会計事務所の志望動機では、事務所が求める人物像と自分の強みがどのように重なるのかを、具体的なエピソードを交えて説明することが重要です。

さらに自分の強みを活かすことで事務所のサービス向上や顧客満足度の向上にどう貢献できるかまで言及すると、採用後のイメージも持ってもらいやすくなります。

事務所のビジョンへの共感を伝えるコツ

会計事務所ごとに掲げている理念やビジョンは、志望動機を差別化するうえで非常に重要な要素です。

例えば地域密着で中小企業を支えることを大切にしているのか、専門特化で高度な税務サービスを提供することを重視しているのかによって、組織の方向性は大きく変わります。

志望動機を書く際には、ただ理念を引用するだけでなく、そのビジョンに共感したきっかけとなる自分の経験や価値観をセットで語ることがポイントです。

会計事務所の志望動機では、説明会で印象に残った言葉や、ホームページに記載されていたメッセージに対して感じたことを具体的に書くと伝わりやすくなります。

そしてそのビジョンの実現に向けて自分がどのような役割を担いたいかを示すことで、単なる共感にとどまらない前向きな姿勢をアピールできます。

【会計事務所の志望動機】会計事務所のアピールポイント3選

会計事務所の志望動機では、自分の強みをどのようにアピールするかが合否を左右します。

とはいえ何を強みとして伝えるべきか分からず、自己PRと志望動機の違いに悩む就活生も少なくありません。

そこでここでは会計事務所で評価されやすい代表的なアピールポイントを三つに絞って整理します。

自分の経験の中からどの要素を前面に出すかを考えながら、会計事務所の志望動機に落とし込んでみてください。

数字力と論理的思考力をアピールする

会計事務所で働くうえで、数字に強いことや論理的に物事を考えられることは大きな強みになります。

単に数学が得意というだけでなく、データや事実をもとに仮説を立て、筋道を立てて結論を導く力が求められます。

例えばゼミでのデータ分析や、アルバイト先で売上データを集計し改善策を考えた経験などは、会計事務所の志望動機でも有効なアピール材料です。

このとき数字を扱った結果として、どのような成果や学びがあったのかまで具体的に伝えると説得力が増します。

さらに会計や税務の専門知識を身に付けることで、数字を通じて経営判断を支えたいという意欲を添えると、仕事との結び付きが明確になります。

顧客志向とコミュニケーション力をアピールする

会計事務所は専門知識を提供するだけでなく、顧客の立場に寄り添って最適な選択を一緒に考えるパートナー的な役割も担います。

そのため顧客志向やコミュニケーション力も、会計事務所の志望動機で評価される重要なアピールポイントです。

例えば接客アルバイトでお客様から感謝された経験や、サークル活動でメンバーの意見を調整しながら企画を成功させた経験などは有効な材料になります。

会計事務所の志望動機では、相手のニーズを正しく把握するためにどのような工夫をしてきたのかを具体的に語ると良いでしょう。

そして専門知識を分かりやすく伝え、顧客の不安を解消しながら信頼関係を築きたいという姿勢を示すことで、事務所が求める人物像とのマッチをアピールできます。

成長意欲と資格取得への取り組みをアピールする

会計事務所では、日々の業務をこなしながら資格取得や自己学習に取り組むことが求められます。

そのため成長意欲の高さや、継続して勉強を続けられるかどうかは、採用側にとって大きな判断材料です。

会計事務所の志望動機では、すでに簿記や税法の勉強を始めている場合は、その取り組み内容や学習時間の確保方法を具体的に示すと良いでしょう。

まだ勉強を始めていない場合でも、これまで別の分野で継続して努力してきた経験を踏まえ、今後どのように学習を進めるかを語ることが大切です。

特に資格取得を通じて担当できる業務の幅を広げ、事務所や顧客への貢献度を高めていきたいという前向きな姿勢を伝えると、成長ポテンシャルを評価してもらいやすくなります。

【会計事務所の志望動機】NGワード集

会計事務所の志望動機では、無意識のうちにマイナスの印象を与える言葉を使ってしまうことがあります。

せっかく内容自体が良くても、表現の選び方一つで熱意や専門性が伝わりづらくなるのは避けたいところです。

ここでは会計事務所の志望動機で避けたいNGワードと、その代わりにどのような表現を使えば良いかを紹介します。

表現の引き出しを増やしておくことで、より洗練された志望理由を書くことができるようになります。

会計事務所の志望動機で避けたい表現

まず避けたいのは、楽そう、安定していそうといった、仕事の本質に触れていない表現です。

これらは会計事務所の志望動機として、業務理解が浅い印象を与えやすく、入社後のギャップも懸念されます。

またなんとなく数字が好きだからといった曖昧な理由や、親に勧められたからといった主体性の乏しい表現も、評価は高くなりません。

さらに残業が少なそうだからといった働きやすさだけに焦点を当てた理由も、志望度が低いと受け取られてしまう可能性があります。

こうした表現を避けつつ、数字を通じて企業の意思決定を支えたい、専門性を高めて顧客の役に立ちたいといった前向きな動機に言い換えることが大切です。

伝え方を工夫すれば使える表現もある

一見すると好ましくないように見える動機でも、伝え方を工夫することで、プラスの印象につなげることは可能です。

例えば安定して働きたいという思い自体は、多くの人が持つ自然な価値観ですが、それだけでは会計事務所の志望動機としては弱くなります。

しかし企業や社会に欠かせないインフラとしての役割を担う会計や税務の分野で、長く専門性を高めながら貢献したいと表現すれば、前向きな印象に変わります。

また事務作業が好きという気持ちも、正確さや継続力をアピールする文脈で語れば、評価されるポイントになります。

つまり自分の本音を否定するのではなく、仕事の本質と結び付けて表現を磨くことが、会計事務所の志望動機をブラッシュアップするうえで重要です。

【会計事務所の志望動機】志望動機のおすすめ構成

志望動機を書く際には、以下の構成で作り上げると良いでしょう。

志望動機の構成 
  1. 結論(その企業を通して成し遂げたいこと・想い)
  2. そう考えるようになった原体験
  3. なぜその業界か
  4. なぜその企業か
  5. 結論(入社後にどうしていきたいか)

論理的な構造になっており、説得力の高い志望動機を作り上げることができます。

1. 結論(その企業を通して成し遂げたいこと・想い)

まず最初に、自分がその企業を通じて成し遂げたいことを端的に述べます。

志望動機の核となる部分であり、「私は○○を実現したいと考えています」といった形で、明確に伝えることが重要です。

ポイント
  • 企業を志望する理由が明確に伝わる内容にする
  • 具体的なキーワードを入れる(例:通信を通じて人々の生活を豊かにしたい、DX推進で企業の課題を解決したい など)
  • 企業の事業内容と自分の目標が合致していることを示す

2. そう考えるようになった原体験

結論に説得力を持たせるために、自分がその目標を持つに至った背景や原体験を述べます。

どのような経験を通じてその想いを抱くようになったのかを具体的に説明しましょう。

ポイント
  • 自分自身の経験に基づいたエピソードを盛り込む
  • その経験を通してどのように考えが変化したかを示す
  • できるだけ具体的な事例を用いる(例:インターンでの経験、学生時代の活動 など)

3. なぜその業界か

次に数ある業界の中でも、その業界を選んだ理由を説明します。

単に「興味があるから」ではなく、自分の経験や目標と業界の特性がどのように結びついているのかを明確に伝えましょう。

ポイント
  • その業界の社会的な役割や成長性に触れる
  • 具体的な業界の特徴と自分の志向・経験がどのように合致するかを説明する
  • 競合他社の業界と比較して、その業界ならではの魅力を述べる

4. なぜその企業か

業界の中でも特にその企業を選ぶ理由を説明します。

企業ごとの特徴や強み、自分が共感するポイントを具体的に述べることで、志望の本気度を伝えましょう。

ポイント
  • 企業のビジョンや理念に共感した点を述べる
  • 企業の事業内容や強みと自分の経験・スキルがどのように合致するかを示す
  • 具体的な企業の取り組みや文化に言及する(例:○○事業の成長性、○○という独自の取り組み など)

5. 結論(入社後にどうしていきたいか)

最後に、入社後にどのように活躍したいかを述べます。

最初に述べた「成し遂げたいこと」を実現するために、具体的にどのように貢献したいかを明確に伝えましょう。

ポイント
  • 入社後のキャリアビジョンを具体的に示す
  • 企業の成長にどのように貢献できるかを説明する
  • 長期的な視点での目標を持っていることを伝える(例:○○分野での専門性を高め、新規事業の立ち上げに携わりたい など)

【会計事務所の志望動機】会計事務所の志望動機例文5選

ここまで会計事務所の志望動機の考え方やポイントを解説してきましたが、実際の文章イメージが湧かない人も多いかもしれません。

そこでここからは、パターンの異なる会計事務所の志望動機例文を五つ紹介します。

それぞれ強調しているポイントや経験は異なりますが、どの例文にも会計事務所ならではの視点や具体性を盛り込んでいます。

あくまで丸写しではなく、自分の経験に置き換えながら、表現の仕方や構成を参考にしてみてください。

例文1

私が御社を志望する理由は、中小企業のパートナーとして経営を数字の面から支えたいと考えているからです。

大学で簿記を学ぶ中で、同じ売上でも費用構造や資金繰りによって企業の安定性が大きく変わることを知り、会計の奥深さに魅力を感じました。

またゼミ活動では、地域企業の決算書を分析し課題を整理する演習に取り組み、数値から経営の実態を読み取る面白さを実感しました。

御社は中小企業の黒字化支援に力を入れており、月次訪問を通じて経営者と二人三脚で改善に取り組んでいる点に強く共感しています。

私はこれまで培ってきた分析力を生かし、正確な会計データの提供と分かりやすい説明を通じて、経営者の意思決定を後押しできる税務スタッフを目指したいと考えています。

例文2

私は、専門性を高めながらお客様に寄り添う働き方を実現したいと考え、会計事務所の志望動機を明確にしてきました。

大学一年次から日商簿記検定の学習を進め、現在は二級まで取得していますが、学んだ知識を実務で生かしたいという思いが強くなりました。

また飲食店でのアルバイトでは、レジ締めや売上管理を任される中で数字の重要性を実感し、ミスを防ぐ仕組みづくりにも取り組みました。

御社は若手のうちから決算や申告書作成に携われる環境と、資格取得を支援する制度が整っている点に魅力を感じています。

入社後は日々の業務で実務力を磨きながら、税理士資格の取得にも挑戦し、長期的に御社とお客様の成長に貢献できる人材を目指したいと考えています。

例文3

私は人と関わることが好きでありながら、数字を通じて物事を整理することにもやりがいを感じるため、その両方を生かせる会計事務所を志望しています。

学内の学生団体では会計担当として活動し、イベントごとの収支管理や年間予算の策定を行う中で、限られた資金をどう配分するかをメンバーと議論しました。

その際、数字で現状を見える化することで、感覚ではなく根拠に基づいた意思決定ができるようになった経験が印象に残っています。

御社は巡回監査や経営相談に力を入れており、経営者との継続的な対話を大切にされている点に共感しました。

私も傾聴力と説明力を磨きながら、数字とコミュニケーションの両面から中小企業を支える巡回監査担当者として活躍したいと考え、御社を志望いたします。

例文4

私は将来的に事業承継や相続の分野で専門性を高めたいと考えており、その第一歩として御社の会計事務所で経験を積みたいと考えています。

祖父が営んでいた個人商店の廃業を身近で見たことをきっかけに、中小企業の世代交代や承継の難しさに関心を持つようになりました。

大学では中小企業論を学び、レポート作成の際には地域企業を訪問して経営者に話を伺うなど、現場の声にも触れてきました。

御社は資産税や事業承継支援に強みを持ち、税務と経営の両面からオーナー企業をサポートされている点に大きな魅力を感じています。

入社後はまずは税務スタッフとして基礎を固めつつ、資産税案件にも積極的に関わり、将来的には事業承継の専門家として御社の強みをさらに伸ばす存在になりたいと考えています。

例文5

私は前職で営業職として働く中で、数字に基づいた経営判断の重要性を痛感し、会計の専門家として企業を支える道に進みたいと考えるようになりました。

営業として売上目標達成に取り組む一方で、利益率や固定費の構造を理解していないと、短期的な数字だけを追ってしまう難しさを感じていました。

そこで退職後に簿記の学習を始め、現在は会計や税務の基礎知識を身に付けながら、会計事務所の志望動機を固めてきました。

御社は異業種出身者の採用実績が豊富で、これまでの社会人経験を生かしながら専門性を高められる環境だと感じています。

私は営業で培ったコミュニケーション力と行動力を強みに、会計や税務の知識を積み上げ、経営者に寄り添う総合的なパートナーとして成長していきたいと考えています。

【会計事務所の志望動機】作成後にやること

会計事務所の志望動機を書き上げたら、そこで終わりにせず、必ず推敲とブラッシュアップの時間を取りましょう。

また志望動機がエントリーシートや面接での受け答えと一貫しているかを確認することも重要です。

ここでは会計事務所の志望動機を作成した後に取り組みたい具体的なステップを紹介します。

細かな見直しを重ねることで、より伝わりやすく、選考で評価される志望理由に仕上げることができます。

志望動機を推敲し第三者にチェックしてもらう

まずは自分で声に出して読んでみて、違和感のある表現や言い回しの重複がないかを確認しましょう。

特に会計事務所の志望動機では、同じ言葉を繰り返し過ぎていないか、主張と具体例のバランスが取れているかがチェックポイントです。

そのうえで、キャリアセンターの職員や友人、OBなど第三者に読んでもらい、率直なフィードバックをもらうことをおすすめします。

自分では気づかない専門用語の多さや、熱意が伝わりきっていない箇所を指摘してもらえると、文章の質を大きく高めることができます。

また指摘をそのまま反映するだけでなく、自分なりに咀嚼して志望動機全体のストーリーがより明確になるように調整する姿勢も大切です。

面接やES全体との一貫性を確認する

会計事務所の志望動機は、エントリーシートの他の設問や自己PR、ガクチカ、さらには面接での発言とも整合性が取れている必要があります。

なぜなら一貫性のあるストーリーは信頼感につながり、逆に内容が場面によって変わると、本心がどこにあるのか疑問を持たれてしまうからです。

志望動機を書き終えたら、これまで作成した応募書類や想定問答と照らし合わせて、矛盾している部分がないかをチェックしましょう。

また将来のキャリアプランや会計事務所を選んだ理由が、自己PRや学生時代の経験と自然につながっているかも重要な観点です。

最後に会計事務所の志望動機を軸に、選考全体で伝えたいメッセージを一つのストーリーとして整理しておくことで、自信を持って選考に臨めます

まとめ

会計事務所の志望動機を作成するには、会計事務所の役割や職種の特徴、自分に向いているポイントを理解したうえで、なぜその事務所なのかを具体的に言語化することが大切です。

またNGワードを避けつつ、自分の経験や価値観、将来のキャリアプランと会計事務所の仕事を結び付けて表現することで、説得力のある志望理由になります。

最後に、書き上げた志望動機を第三者にチェックしてもらい、エントリーシートや面接全体との一貫性を整えることで、自信を持って選考に臨めるでしょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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