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【味の素はなんの会社】味の素はどんな会社なのか
「味の素」と聞くと、多くの人が「うま味調味料」や「Cook Do」といった家庭用の食品を思い浮かべるかもしれませんね。
もちろん、それは味の素の大きな柱の一つです。
しかし、味の素株式会社は「食品会社」という枠組みを超え、「アミノサイエンス®(アミノ酸の科学)」を核とした多角的な事業を展開するグローバル企業です。
実は、医薬品の原料や最先端の電子材料など、私たちの生活に欠かせない様々な分野でその技術が生かされています。
「食と健康の課題解決」をミッションに掲げ、世界中の人々の"Well-being"(よりよく生きること)に貢献し続けている、非常にユニークな立ち位置の企業だと言えるでしょう。
【味の素はなんの会社】味の素の仕事内容
味の素が「食」と「健康」の分野でグローバルに活躍している背景には、多岐にわたる職種の社員たちの活躍があります。
「食品メーカー」というイメージが強いかもしれませんが、その事業領域は調味料や冷凍食品にとどまらず、アミノ酸技術を応用したヘルスケア領域や、最先端の電子材料分野にまで及んでいます。
そのため、仕事内容も非常に多様です。
例えば、新しい「おいしさ」や「健康機能」を生み出す研究開発職、その価値を世界中の食卓や産業界に届ける営業職やマーケティング職、そして、それら全ての活動を支えるコーポレート部門など、様々な専門性を持った人材が協働しています。
皆さんの専攻や強みを活かせるフィールドが、想像以上に広がっているかもしれません。
ここでは、味の素の代表的な仕事内容をいくつかピックアップして、その具体的な役割と魅力について詳しく解説していきます。
R&D(研究開発):「アミノサイエンス」を支える技術の源泉
味の素の根幹を支えるのが、世界トップレベルの「アミノサイエンス」を追求するR&D(研究開発)部門です。
この職種は、単に新しい調味料や食品を開発するだけではありません。
例えば、微生物を利用してアミノ酸を効率的に生産する「発酵技術」の研究、アミノ酸の機能性を解き明かしサプリメントやメディカルフード(医療用食品)に応用する「健康栄養研究」、さらにはアミノ酸研究の知見を活かして半導体パッケージの絶縁材料「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」のような電子材料を開発するなど、その領域は驚くほど広範です。
研究者たちは、基礎研究から製品化に至るまでの長いプロセスに携わり、味の素の持続的な成長を技術面からリードしています。
理系学生はもちろん、食や健康、最先端技術に強い探求心を持つ人にとって、自分の専門性を深めながら社会に大きなインパクトを与えられる、非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。
セールス(営業):「食」と「健康」のソリューションを届ける
味の素のセールス(営業)職は、単に商品を店舗に並べてもらう「モノ売り」ではありません。
彼らのミッションは、味の素が持つ多様な製品や技術を組み合わせ、顧客(企業)が抱える課題を解決する「ソリューション提案」を行うことです。
例えば、家庭用食品の営業であれば、スーパーやコンビニのバイヤーに対し、トレンドや消費者のニーズに基づいた売場提案や販促企画を行います。
一方、業務用(BtoB)の営業では、レストランや食品メーカーに対し、新メニューの開発支援や製造プロセスの効率化につながる調味料・素材を提案します。
さらに、アミノ酸原料を医薬品メーカーに、電子材料をIT企業に提案するなど、「食品」の枠を超えた領域でも活躍しています。
顧客の懐に深く入り込み、信頼関係を築きながらビジネスを創造していく、非常にダイナミックな仕事です。
文系・理系問わず、高いコミュニケーション能力と課題解決意欲が求められます。
コーポレート・その他:多様な専門性で事業を推進する
味の素のグローバルな事業展開は、R&Dやセールスだけでなく、多様な専門性を持つコーポレート部門の社員たちによって支えられています。
例えば、財務・経理部門は、経営戦略に基づいた資金調達や予算管理を通じて、健全な企業経営の舵取りを担います。
人事部門は、採用活動はもちろん、社員一人ひとりが最大限に能力を発揮できるような制度設計や研修プログラムを企画・実行し、「人を大切にする」という味の素の企業文化を体現します。
他にも、法務、知的財産、広報(コミュニケーション)、SCM(サプライチェーン・マネジメント)、DX推進など、その役割は多岐にわたります。
これらの部門は、いわば会社全体の「土台」であり、各事業部と密接に連携しながら、味の素グループ全体の価値向上を目指しています。
自身の専門性を活かしながら、経営に近い視点で会社全体を動かしていく、大きなやりがいを感じられるフィールドです。
【味の素はなんの会社】味の素選ばれる理由と競合比較
多くの食品・素材メーカーがひしめく中で、なぜ味の素は就活生や消費者、そして投資家から選ばれ続けるのでしょうか。
その理由は、単に「ほんだし」や「Cook Do」といった強力なブランド力だけではありません。
味の素の最大の強みは、創業以来100年以上にわたって培ってきた「アミノサイエンス」という独自のコア技術にあります。
この技術を軸に、「食品」という枠組みにとどまらず、「ヘルスケア」や「電子材料」といった一見すると関連性の低い分野にまで事業を多角化させ、それぞれで高い競争力を確立している点にあります。
このようなユニークな事業ポートフォリオは、他の食品メーカーには見られない大きな特徴です。
競合他社と比較した際の優位性はどこにあるのか、そして味の素が持つ「選ばれる理由」とは何なのか。
ここでは、味の素の企業研究を深める上で欠かせない、その強みと独自性について掘り下げていきます。
独自の「アミノサイエンス」技術と多角的な事業展開
味の素が他の食品メーカーと一線を画す最大の理由は、その事業の「多角性」にあります。
その根幹にあるのが、世界に誇る「アミノサイエンス」技術です。
多くの場合、食品メーカーは食品事業が売上の大半を占めますが、味の素は違います。
うま味調味料の研究から始まったアミノ酸の研究は、現在、「食品事業」だけでなく、アミノ酸サプリメントや医薬品原料などを扱う「ヘルスケア事業」、さらには半導体の高性能化に不可欠な「電子材料事業」という、全く異なる3つの柱を育てるまでに発展しました。
特にヘルスケアや電子材料の分野は利益率が高く、味の素の安定した経営基盤に大きく貢献しています。
「食」を入り口としながらも、その技術力を社会の多様な課題解決に応用し、事業領域を拡大し続けてきた歴史こそが、味の素の最大の強みであり、他社にはないユニークな魅力と言えるでしょう。
高い世界シェアを持つ電子材料「ABF」の強み
味の素の多角的な事業の中でも、特に注目すべきなのが電子材料事業、とりわけ「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」の存在です。
就活生の皆さんには「食品会社がなぜ半導体?」と意外に思われるかもしれません。
ABFは、高性能なパソコンやサーバーのCPU(中央演算処理装置)に使われる、絶縁材料の一種です。
味の素は、アミノ酸研究で培った化学合成技術を応用してこのABFを開発し、現在では世界市場で圧倒的なシェアを誇っています。
近年のデジタル化の進展やAI、5Gの普及に伴い、半導体の需要は爆発的に増加しており、ABFの供給が世界のIT産業を支えていると言っても過言ではありません。
食品事業という安定した収益基盤に加え、こうした最先端かつ高成長市場で不可欠な技術を持っていることは、企業の将来性や安定性を図る上で非常に大きな強みとなっています。
競合他社(日清食品・キッコーマン)との違い
食品業界には、日清食品やキッコーマンといった強力なライバルが多数存在します。
これらの企業と味の素を比較することで、その立ち位置はより明確になります。
例えば、「カップヌードル」で知られる日清食品は、即席麺というカテゴリーで圧倒的なブランド力と開発力を誇る「加工食品のスペシャリスト」です。
一方、「醤油」を核とするキッコーマンは、和食文化の世界的な広がりを背景に、醤油事業でグローバルに高いシェアを持つ「調味料のスペシャリスト」と言えます。
これに対し味の素は、調味料や加工食品も手掛けつつ、前述の通り「アミノサイエンス」を基盤にヘルスケアや電子材料といった非食品分野にも強みを持つ「多角経営のスペシャリスト」です。
事業領域の広さだけでなく、社員の待遇面(平均年収や福利厚生)や人材育成に対する考え方においても、他社と比較して優位性があるというデータも見られ、就活生にとって魅力的な選択肢となっている理由が伺えます。
【味の素はなんの会社】味の素の求める人物像
これほどまでに多角的かつグローバルに事業を展開する味の素は、一体どのような人材を求めているのでしょうか。
高い技術力とブランド力を持ち、安定した経営基盤を誇る企業だけに、採用のハードルも高いのではないかと感じるかもしれません。
しかし、味の素が本当に見ているのは、単なる学歴や専攻分野だけではありません。
彼らが大切にしているのは、「味の素グループWay」と呼ばれる企業理念への深い共感です。
これは、新しい価値の創造、開拓者精神、社会への貢献、人を大切にする、という4つの行動指針から成り立っています。
つまり、味の素が目指す「食と健康の課題解決を通じて、人々のWell-beingに貢献する」という壮大なミッションに、本気で共感し、自ら行動できる人材かどうかを重視しています。
ここでは、味の素が掲げる「求める人物像」について、具体的なキーワードをもとに、さらに深く掘り下げて解説していきます。
「味の素グループWay」への共感と実践
味の素の選考を受ける上で、最も重要なキーワードが「味の素グループWay」です。
これは、「新しい価値の創造」「開拓者精神」「社会への貢献」「人を大切にする」という4つの価値観で構成されています。
味の素は、この「Way」に深く共感し、それを体現できる人材を強く求めています。
例えば、エントリーシートや面接では、学生時代に「新しい価値の創造」や「開拓者精神」を発揮した経験、つまり、前例のないことに挑戦したり、困難な課題を乗り越えたりしたエピソードが問われることが多いです。
また、「社会への貢献」や「人を大切にする」という観点から、チームの中でどのような役割を果たし、どのように他者と協力して目標を達成したか、という経験も非常に重視されます。
単に理念を暗記するのではなく、自分のこれまでの行動や価値観と「Way」を紐づけ、自分の言葉で語れるようにしておくことが、選考突破の第一歩となります。
多様な人々を巻き込む「共創力」
味の素の仕事は、決して一人で完結するものではありません。
R&D、セールス、マーケティング、生産、コーポレートなど、異なる専門性を持つ部署が連携し、時には社外のパートナーとも協力しながら、一つのプロジェクトを進めていきます。
特に、グローバルに事業を展開し、「食」から「最先端技術」まで扱う味の素では、多様なバックグラウンドを持つ人々と円滑にコミュニケーションをとり、一つの目標に向かってチームをまとめる力が不可欠です。
採用ページでも「様々な立場の人を巻き込みながら、施策を提案・実行することが好き」な人を求めていると明記されています。
学生時代のサークル活動、部活動、アルバイト、ゼミ活動などで、意見の異なるメンバーとどのように議論し、合意形成を図り、プロジェクトを推進したか。
その具体的なプロセスと、あなた自身が果たした役割を明確に伝えることが、この「共創力」をアピールする鍵となります。
困難に立ち向かう「開拓者精神」と「やり遂げる力」
味の素は、うま味調味料の発見から始まり、常に新しい市場や事業領域を切り拓いてきた「開拓者精神」を持つ企業です。
アミノ酸技術を電子材料に応用するなど、既存の枠にとらわれない挑戦を続けてきました。
そのため、求める人物像としても、「困難にもめげず、新しいことにチャレンジすることを楽しめる」姿勢や、「難題にもあきらめず取り組むことができる」粘り強さ(=やり遂げる力)を強く打ち出しています。
就職活動では、誰もが成功体験をアピールしがちですが、味の素の選考では、むしろ「失敗から何を学んだか」「困難な状況をどう乗り越えたか」というプロセスが重視されます。
自ら高い目標を設定し、その達成に向けて粘り強く努力した経験、あるいは予期せぬトラブルに直面した際に、諦めずに解決策を模索し続けた経験がある人は、そのエピソードを具体的に整理し、アピールできるように準備しておきましょう。
【味の素はなんの会社】味の素に向いてる・向いていない人
味の素が「アミノサイエンス」を核に多様な事業を展開し、独自の企業理念「味の素グループWay」を大切にしていることが見えてきました。
では、こうした特徴を持つ味の素でいきいきと活躍できるのは、具体的にどのような人なのでしょうか。
また、逆に「自分には合わないかもしれない」と感じる可能性があるのはどのようなタイプの人でしょうか。
企業研究において、自分の価値観や働き方の志向と、企業の文化がマッチしているかを見極めることは、入社後のミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。
大企業だから、有名だからという理由だけで選ぶのではなく、その中身をしっかり理解する必要があります。
ここでは、これまでの分析を踏まえ、味の素というフィールドで輝ける可能性のある人、そして、もしかすると他の環境の方が合っているかもしれない人の特徴について、就活アドバイザーの視点から解説します。
【向いている人】食や健康を通じた社会貢献に強い情熱がある人
味の素は「Ajinomoto Group Shared Value(ASV)」という考え方を経営の根幹に据え、事業を通じて「社会価値」と「経済価値」を両立させることを目指しています。
つまり、単に利益を追求するだけでなく、事業そのものが「食と健康の課題解決」という社会貢献につながることを強く意識している企業です。
したがって、「自分の仕事を通じて、世界中の人々の健康や豊かな食生活に貢献したい」という純粋で強い情熱を持っている人は、味の素の企業文化に非常によくマッチするでしょう。
面接やESで語る志望動機が、単なる「憧れ」や「待遇の良さ」にとどまらず、社会課題への深い関心と、それを味の素で解決したいという具体的なビジョンに基づいているならば、それは強力なアピールポイントになります。
食や健康という、人間の根源的な「Well-being」に携わることに、心からのやりがいを感じられる人にとって、味の素は最高の舞台となるはずです。
【向いている人】チームで協力し、大きな成果を出したい人
味の素の選考では、「周囲と協力して成し遂げた経験」が繰り返し問われることからも分かるように、個人プレーよりもチームワークを非常に重視する社風があります。
R&D、セールス、コーポレートといった多様な職種が連携し、時には国境を越えたメンバーと「共創」しながらプロジェクトを進めるのが日常です。
そのため、「自分が、自分が」と前に出るタイプよりも、異なる意見に耳を傾け、チーム全体の成果を最大化するために自分ができる役割は何かを考え、行動できる人が求められます。
サークル活動やゼミ、アルバイトなどで、リーダーシップを発揮した経験はもちろんのこと、フォロワーシップを発揮してチームを支えた経験も高く評価されます。
自分一人の力では成し遂げられないような大きな目標に向かって、多様な仲間と知恵を出し合い、切磋琢磨することに喜びを感じる人にとって、味の素は理想的な環境と言えるでしょう。
【向いていない人】安定志向が強すぎる人や個人プレーを好む人
味の素は食品業界トップクラスの安定企業であり、福利厚生も手厚いことで知られています。
しかし、その環境に安住し、「言われたことだけをこなしていれば安心」と考えるような、安定志向が強すぎる人には向いていないかもしれません。
味の素は「開拓者精神」を掲げ、アミノサイエンスを軸に電子材料のような新規事業へも果敢に挑戦し続ける、変化を恐れない企業だからです。
若手であっても主体的に課題を見つけ、周囲を巻き込みながら新しい価値を生み出すことが期待されます。
また、前述の通りチームワークを重んじるため、自分の研究や成果にこだわり、個人で仕事を進めたいという独立志向が強すぎる人も、組織の中で力を発揮しにくい可能性があります。
もちろん専門性は重要ですが、その専門性をいかにチームの力に変えていくか、という視点を持てない人は、ミスマッチを感じるかもしれません。
【味の素はなんの会社】味の素に受かるために必要な準備
味の素が、独自の技術力を持ち、理念を大切にする魅力的な企業であると同時に、就活生から絶大な人気を誇る「難関企業」であることも事実です。
内定を勝ち取るためには、付け焼き刃の対策ではなく、綿密な準備と深い自己分析が不可欠となります。
特に、味の素のように事業領域が広く、企業理念が明確な会社の場合、「なぜ他の食品メーカーではなく、味の素でなければならないのか」という問いに対して、自分自身の経験と価値観に基づいた、説得力のある答えを用意する必要があります。
また、選考プロセスで重視されるポイント、例えば「チームでの経験」や「理念への共感」を、どのようにアピールすれば面接官の心に響くのか、その戦略を立てることも重要です。
人気企業だからこそ、ライバルとの差別化を図るための「プラスアルファ」の準備が求められます。
ここでは、味の素の選考を突破するために、最低限これだけは押さえておきたい準備について、具体的な3つのポイントに絞って解説します。
「なぜ味の素か」を明確にするための徹底した企業研究
味の素の内定を目指す上で、最も基本的かつ重要な準備が「徹底した企業研究」です。
食品業界には、日清食品、キッコーマン、明治、カゴメなど、数多くの優良企業が存在します。
その中で、「なぜ私は他のどの会社でもなく、味の素を志望するのか」を、誰よりも深く、具体的に語れなければなりません。
そのためには、味の素の強みである「アミノサイエンス」が、食品事業だけでなく、ヘルスケア事業や電子材料事業(特にABF)といった多角的なビジネスにどのように結びついているのかを正確に理解する必要があります。
また、競合他社はどのような事業戦略をとり、味の素とは何が違うのかを、IR資料(投資家向け情報)などを読み込んで比較分析することも有効です。
表面的な「商品が好き」というレベルを超え、味の素のビジネスモデルそのものと、将来のビジョンに共感していることを示すことが、志望度の高さを伝える鍵となります。
「チームで成し遂げた経験」を具体的に語る準備
味の素の選考では、「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」の中でも、特に「チームで協力して何らかの成果を成し遂げた経験」が重視される傾向にあります。
これは、味の素が「人を大切にする」文化を持ち、多様な部門が連携して仕事を進める「共創」を重んじているからです。
したがって、サークル、部活動、ゼミ、アルバイトなど、自分が所属した組織やチームの中で直面した課題は何か、その課題に対し、自分がどのような役割(リーダー、サポーター、調整役など)を担い、どのように周囲を巻き込みながら解決に至ったのか、その具体的なプロセスを詳細に振り返っておく必要があります。
単なる「頑張りました」という結果報告ではなく、「なぜその行動をとったのか」という思考のプロセスと、「その経験から何を学んだのか」という学びを、自分の言葉で論理的に説明できるように準備しましょう。
ASV(味の素グループ・シェアード・バリュー)の深い理解
「味の素グループWay」と並んで重要なのが、「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)」という経営理念です。
これは、事業を通じて「社会価値」と「経済価値」を両立させる(=社会課題の解決と企業の成長を同時に実現する)という考え方です。
味の素は、このASVを経営の根幹に据えており、社員一人ひとりがASVを意識して業務に取り組むことを求めています。
したがって、就活生としても、ASVの概念を深く理解し、共感していることを示す必要があります。
例えば、味の素が具体的にどのような社会課題(例:食資源の枯渇、環境負荷、人々の健康寿命)に着目し、それを自社の「アミノサイエンス」技術でどのように解決しようとしているのか、具体的な取り組み(例:減塩製品の開発、環境負荷の低い発酵プロセスの開発)を調べてみましょう。
そして、自分自身が社会課題に対してどのような問題意識を持っているかを結びつけ、「ASVの実現に自分も貢献したい」という熱意を伝えることが重要です。
【味の素はなんの会社】味の素の志望動機の書き方
さて、企業研究や自己分析を進めていくと、いよいよ「志望動機」という最大の難関に直面します。
特に味の素のような人気企業では、毎年何千、何万というエントリーシート(ES)が提出されるため、ありきたりな内容では人事の目に留まりません。
「貴社の製品が好きで」「社会貢献性の高さに惹かれて」といった抽象的な理由だけでは、「それなら他の食品メーカーでも良いのでは?」と一蹴されてしまうでしょう。
味の素の志望動機で求められるのは、「なぜ、あなたなのか(Your Why)」と「なぜ、味の素なのか(Why Ajinomoto)」が、説得力を持って結びついていることです。
つまり、あなたのこれまでの経験や培ってきた価値観と、味の素が目指すビジョンや事業内容が、どこでどう交差するのかを論理的に示す必要があります。
ここでは、他の就活生と差をつけるための、具体的で熱意の伝わる志望動機の組み立て方について、3つのステップで解説します。
結論ファースト:「私が味の素を志望する理由」
志望動機を作成する際、最も重要なのが「結論ファースト」で書き出すことです。
ESを読む人事担当者は、非常に多くの応募書類に目を通しています。
だらだらと前置きが長く、何を言いたいのか分からない文章は、それだけでマイナスの印象を与えかねません。
まずは、「私が貴社を志望する理由は、〇〇という私の経験を活かし、貴社の『アミノサイエンス』技術を通じて、世界中の人々のWell-beingに貢献したいと強く考えるからです」というように、自分の軸と味の素の事業を結びつけた「志望の核心」を簡潔に提示しましょう。
この最初の数行で「おっ」と思わせることができれば、その後の具体的なエピソードも読んでもらいやすくなります。
自分の言葉で、最も伝えたい熱意を凝縮した一文を考えることから始めてみてください。
この「結論」が、志望動機全体の「背骨」となります。
根拠:「味の素グループWay」や事業と自身の経験の紐づけ
結論で述べた「志望の核心」に説得力を持たせるのが、次のステップである「根拠」の提示です。
ここでは、なぜ自分がそのように考えるようになったのかを、具体的なエピソードを交えて説明します。
重要なのは、自分の過去の経験と、味の素の理念(味の素グループWay)や具体的な事業内容とを、意図的に「紐づける」ことです。
例えば、「開拓者精神」に共感するなら、自分が困難な目標に挑戦し乗り越えた経験を。
「社会への貢献」を軸にするなら、ボランティア活動やチームで社会課題の解決に取り組んだ経験を挙げます。
そして、「その経験を通じて〇〇という価値観を培った。
この価値観は、貴社の〇〇という理念(あるいは〇〇という事業)と深く共鳴する」という論理を展開します。
単なる経験の羅列ではなく、その経験から得た学びが、いかに味の素で働く上で活かされるのかを示すことが不可欠です。
入社後の貢献:「入社後に挑戦したいこと」で熱意を示す
志望動機の最後は、未来への視点、すなわち「入社後に何を成し遂げたいか」という具体的なビジョンで締めくくります。
過去の経験と現在の熱意(志望理由)が「点」だとすれば、入社後のビジョンは、それらの点と点を結びつけ、未来へと続く「線」にする役割を果たします。
ここでは、企業研究で得た知識を総動員し、「貴社の〇〇という事業分野において、私の〇〇という強みを活かし、具体的に〇〇のような形で貢献したい」と、できるだけ具体的に述べることが重要です。
例えば、R&D志望なら「発酵技術を応用して環境負荷の低い素材開発に挑戦したい」、セールス志望なら「業務用ソリューションを通じて、日本の食産業の課題解決に貢献したい」などです。
「この学生を採用したら、こんな風に活躍してくれそうだ」と人事担当者にポジティブなイメージを抱かせることができれば、あなたの志望動機は格段に説得力を増すはずです。
【味の素はなんの会社】味の素についてよくある質問
企業研究や選考準備を進めていると、パンフレットや採用サイトだけでは分からない、ちょっと突っ込んだ疑問が出てくることもありますよね。
「実際、どれくらいお給料をもらえるの?」「福利厚生は本当に手厚いの?」「海外で働くチャンスって、本当にあるの?」といった、リアルな情報です。
こうした疑問は、働く上でのモチベーションや、将来のキャリアプランを考える上で非常に重要です。
味の素は、その知名度の高さから、就活生の皆さんからも様々な質問が寄せられます。
もちろん、OB・OG訪問などで直接社員の方に聞くのが一番ですが、ここでは、就活アドバイザーとして多くの学生から寄せられる、味の素に関する「よくある質問」をピックアップし、公開されている情報や一般的な傾向に基づいて、分かりやすくお答えしていきます。
企業理解をさらに深めるための参考にしてください。
Q1:平均年収や福利厚生は?
就活生の皆さんが最も気になる点の一つが、待遇面でしょう。
味の素の年収は、食品業界全体で見てもトップクラスの水準にあると言われています。
有価証券報告書に基づく平均年間給与は、約1,000万円を超える水準で推移しており、これは大きな魅力です。
ただし、これは全社員の平均であり、総合職のキャリアや年齢によって変動します。
特徴としては、月々の給与よりもボーナス(賞与)の比率が高い傾向があるようです。
また、福利厚生についても非常に手厚いと評価されています。
特に家賃補助(住宅関連のサポート)が充実しているという声は多く聞かれ、可処分所得(実際に手元に残るお金)を考える上で大きなメリットとなります。
その他にも、カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)や、育児・介護支援制度なども整備されており、社員が長期的に安心して働ける環境づくりに力を入れていることが伺えます。
Q2:海外で活躍するチャンスは?
味の素は、世界35以上の国と地域に拠点を持ち、売上の半分以上を海外で生み出している、真のグローバル企業です。
したがって、海外で活躍するチャンスは非常に多いと言えます。
若いうちから海外トレーニーとして経験を積む制度や、海外のグループ会社へ駐在員として赴任するキャリアパスが、R&D、セールス、コーポレートなど、様々な職種で用意されています。
「アミノサイエンス」を軸にした事業は、国や文化を超えて需要があり、特にアジアや南米、北米などで積極的に事業を展開しています。
もちろん、誰もがすぐに行けるわけではなく、国内でしっかりと実務経験を積み、語学力や専門性、そして「開拓者精神」を証明する必要がありますが、将来的にグローバルな舞台で自分の力を試したいと考えている人にとって、味の素は非常に刺激的で、チャンスに溢れた環境であることは間違いありません。
Q3:選考で重視されるポイントは?
これは最も核心的な質問ですね。
味の素の選考で一貫して重視されるのは、「味の素グループWay」や「ASV」といった企業理念への深い共感と、それを体現できるポテンシャルがあるかどうかです。
ESや複数回にわたる面接を通じて、「なぜ味の素なのか」という志望動機が深く掘り下げられます。
また、もう一つの重要なポイントが「チームワーク」や「共創力」です。
「学生時代に周囲と協力して成し遂げた経験」は、ほぼ間違いなく問われると考えてよいでしょう。
単に「優秀であること」をアピールするのではなく、自分がチームの中でどのような役割を果たし、どのように貢献したのかを、具体的なエピソードに基づいて論理的に説明できるかが鍵となります。
高い目標に向かって粘り強く努力する「やり遂げる力」と、多様な人々を巻き込む「人間的な魅力」を、自分の言葉でしっかりと伝える準備をしてください。
まとめ
皆さん、お疲れ様でした。
「味の素」が「なんの会社」なのか、その多角的な事業内容と、根底に流れる「アミノサイエンス」という強み、そして「Well-beingへの貢献」という熱い想いを感じていただけたでしょうか。
単なる食品メーカーではなく、食、健康、そして最先端技術で社会課題の解決に挑むグローバル企業であること。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート



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