就職活動を本格的に意識し始めると、「サークル活動や友人との時間もこれまで通りにはいかないんだろうな」「毎日スーツを着て、説明会や面接に追われるのかな」といった、漠然とした不安を感じる学生は少なくありません。
大切な学生生活の時間を、すべて就活に捧げなければならないと考えると、気が重くなってしまいますよね。
しかし、安心してください。
結論から言うと、就活中でも遊ぶ時間を作ることは十分可能です。
もちろん、これまでと全く同じように過ごせるわけではなく、時間を賢く使うための少しの工夫と計画性は必要になります。
この記事では、就活期間を過度に恐れることなく、勉強や選考対策とプライベートを上手に両立させるための具体的な方法を解説していきます。
あなたの不安に寄り添い、自分らしいバランスの取れた生活を送るためのヒントを詳しくお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
就活のリアルなスケジュール感
多くの学生が「就活=ずっと忙しい」というイメージを持っていますが、まずはそのイメージを少し解きほぐしてみましょう。
実際のところ、「就活=365日24時間忙しい」というわけでは決してありません。
就職活動は長期戦であり、その時々でやるべきことや忙しさは大きく異なります。
例えば、大学3年生の夏から冬にかけては、自己分析や業界・企業研究、インターンシップへの参加が中心となる「準備期間」です。
そして、大学3年生の3月頃から翌年の春にかけては、エントリーシートの提出や説明会、面接などが集中する「選考ラッシュ期間」に突入します。
このように、時期によって忙しさに波があります。
特に、面接と面接の間や、エントリーシートの提出が一段落した時期などには、数日から1週間程度のまとまった空き時間ができることも珍しくありません。
この「波」を理解し、忙しくない時期を事前に把握しておくだけでも、心の余裕は大きく変わるはずです。
「就活中は遊べない」と感じてしまう3つの原因
では、物理的には空き時間があるはずなのに、なぜ多くの就活生が「遊べない」「遊ぶ気になれない」という感覚に陥ってしまうのでしょうか。
その背景には、単なる時間の問題だけではない、就活生特有の心理的な要因が隠されています。
主な原因は、「物理的な時間の制約」「精神的な焦りや罪悪感」「人間関係の変化」の3つに分けられます。
これらの原因を一つひとつ理解することで、あなたが抱える漠然とした不安の正体が明確になり、具体的な対策を立てるための第一歩となります。
自分はどのタイプに当てはまるのかを考えながら読み進めてみてください。
原因がわかれば、闇雲に不安がるのではなく、的確な対処法を見つけることができるようになります。
物理的な時間の制約
まず最も分かりやすい原因が、エントリーシートの作成やWebテストの受検、面接準備といった、就活におけるタスクそのものに時間を取られてしまうことです。
特に選考が本格化する時期は、複数の企業の選考が同時進行するため、スケジュール管理が複雑になります。
朝は説明会に参加し、昼はエントリーシートを書き上げ、夜は翌日の面接練習をする、といった具合に、1日があっという間に過ぎていく感覚に陥ることもあるでしょう。
また、地方の学生が都市部の企業を受ける場合には、移動時間や宿泊費といった物理的・金銭的な負担も無視できません。
こうしたタスクや移動に追われる日々が続くと、プライベートな時間を確保することが難しくなり、「今は遊んでいる場合ではない」と感じてしまうのは自然なことです。
自分のキャパシティを把握し、無理のないスケジュールを組むことが、こうした状況を避けるための鍵となります。
精神的な焦りや罪悪感
就活中に「遊べない」と感じる、より根深い原因が、精神的な焦りや罪悪感です。
スマートフォンの画面を開けば、SNSで友人たちの「〇〇社のインターンに参加しました」「グループディスカッション頑張った」といった投稿が目に入ります。
そうした情報に触れるたびに、「自分はまだ何もできていない」「周りは頑張っているのに、自分だけ遊んでいていいのだろうか」という焦燥感や、休むことへの罪悪感が芽生えてしまうのです。
特に、真面目で責任感の強い人ほど、この傾向は強くなります。
このような心理状態では、たとえ自由な時間があったとしても、心からリラックスすることができず、「遊ぶくらいなら、少しでも企業研究を進めるべきだ」と自分を追い込んでしまいがちです。
しかし、休息は決してサボりではありません。
長期戦である就活を乗り切るためには、意識的に心と体を休ませる時間が必要不可欠なのです。
人間関係の変化
就職活動は、友人との関係性にも微妙な変化をもたらすことがあります。
例えば、自分はまだ一つも内定がないのに、仲の良い友人が第一志望の企業から早々に内定をもらったとします。
心から「おめでとう」と思う一方で、どこかで焦りや羨ましさを感じてしまい、以前のように素直に話せなくなることもあるでしょう。
また、お互いの選考スケジュールが異なるため、単純に予定が合わなくなり、会う機会が減ってしまうこともあります。
そうなると、就活の悩みを相談したり、一緒に息抜きをしたりする相手がいなくなり、孤独感を深めてしまうことにも繋がりかねません。
さらに、就活の進捗に対する価値観の違いから、些細な一言が相手を傷つけたり、自分が傷ついたりする可能性もゼロではありません。
こうした人間関係のストレスが、「人と会って遊ぶのが億劫だ」と感じさせる一因となるのです。
就活とプライベートを両立するおすすめ時間管理術
就活とプライベートをうまく両立させるためには、精神論だけでなく、具体的な技術、つまり「時間管理術」が極めて重要になります。
限られた時間を有効に使うための鍵は、タスクを効率化し、自分自身でコントロールできる時間を意図的に作り出すことにあります。
闇雲に目の前のタスクをこなすのではなく、戦略的に時間を使うという意識を持つだけで、あなたの就活はもっと快適になるはずです。
ここでは、明日からすぐに実践できる具体的な時間管理のテクニックを紹介します。
これらの方法を取り入れて、自分らしいペースで就活を進めながら、プライベートの時間もしっかりと確保し、充実した学生生活を送りましょう。
タスクの可視化と優先順位付け
まずは、自分が抱えているタスクをすべて書き出して「可視化」することから始めましょう。
頭の中だけで管理しようとすると、「あれもこれもやらなきゃ」と混乱し、精神的な負担が増大します。
「〇〇社のエントリーシート締め切り」「SPIの勉強」「△△業界の研究」など、どんなに小さなことでも構いませんので、手帳やスマートフォンのメモアプリにすべてリストアップします。
次に、そのタスクを「緊急度」と「重要度」の2つの軸で分類し、優先順位をつけます。
「緊急かつ重要なこと」から最優先で片付けていくことで、締め切りに追われる事態を防ぎ、心に余裕が生まれます。
この作業を行うことで、今本当にやるべきことが明確になり、無駄な焦りから解放されるでしょう。
週末に翌週のタスクを整理する時間を設けるなど、定期的に計画を見直す習慣をつけるのがおすすめです。
スキマ時間の徹底活用
1日の中で意識してみると、意外と多くの「スキマ時間」が存在することに気づくはずです。
例えば、大学へ向かう通学中の電車やバスの中、授業と授業の間の空きコマ、説明会や面接の待ち時間などがそれに当たります。
こうした5分や10分といった短い時間を有効活用することが、忙しい就活生にとって非常に重要です。
例えば、移動中にはスマートフォンで企業のニュースをチェックしたり、保存しておいた業界研究の記事を読んだりすることができます。
待ち時間には、面接で話す自己PRを頭の中で反芻してみるのも良いでしょう。
このように、スキマ時間を就活タスクに充てる習慣をつけるだけで、自宅に帰ってから机に向かう時間を大幅に短縮でき、結果としてプライベートな時間を確保することに繋がります。
小さな積み重ねが、最終的に大きな余裕を生み出すことを覚えておいてください。
「やらないこと」を決める
時間管理というと、いかに効率良くタスクをこなすかという「やること」に意識が向きがちですが、実は「やらないこと」を決めるのも同じくらい重要です。
就職活動では、世の中に数多ある企業の中から、自分に合う数社を見つけ出すプロセスです。
そのため、すべての情報を網羅しようとしたり、少しでも興味を持った企業すべてにエントリーしたりするのは現実的ではありません。
むしろ、情報過多で混乱し、一つひとつの対策が手薄になってしまう可能性があります。
そこで大切なのが、自分なりの「軸」を早期に確立し、それに基づいてエントリーする企業を絞り込むことです。
また、「SNSを見るのは1日1時間まで」「寝る前はスマートフォンの電源を切る」など、生産性の低い行動や、精神的な疲労に繋がりやすい行動を意識的に断つことも有効です。
すべてを完璧にこなそうとせず、勇気を持って「やらないこと」を決める勇気が、結果的にあなたの時間を守ります。
罪悪感なくリフレッシュできるおすすめの息抜き方法
就職活動は、時にゴールが見えないマラソンのように感じられることがあります。
最後まで走り抜くためには、適切な給水や休息が欠かせません。
同様に、就活においても適度な息抜きは、次の選考に向けてパフォーマンスを最大化するための重要な「戦略的休息」と言えます。
「休むこと=サボり」という罪悪感を手放し、積極的にリフレッシュの時間を取り入れることが、結果的に内定への近道となるのです。
とはいえ、「思いっきり遊ぶのは気が引ける…」と感じる人も多いでしょう。
そこでここでは、罪悪感を感じにくく、かつ心身を効果的にリフレッシュできるおすすめの息抜き方法をいくつかご紹介します。
自分に合った方法を見つけて、オンとオフの切り替えを上手に習慣化していきましょう。
短時間でできるリフレッシュ
忙しい選考の合間でも、手軽に取り入れられるのが短時間でのリフレッシュです。
長時間机に向かってエントリーシートを書いたり、パソコン画面で企業情報を調べ続けたりしていると、集中力は途切れ、思考も凝り固まってしまいます。
そんな時は、一度立ち上がって軽いストレッチをしたり、近所を5分ほど散歩したりするだけでも、気分転換になります。
太陽の光を浴びながら少し歩くだけで、血行が促進され、気持ちも前向きになる効果が期待できます。
また、お気に入りの音楽を1曲聴く、好きな香りのアロマを焚く、温かいハーブティーを一杯飲むといった方法もおすすめです。
重要なのは、「就活から意識を切り離す時間」を意識的に作ることです。
たとえわずかな時間であっても、こうしたリフレッシュを挟むことで、次のタスクへの集中力や効率が格段に向上するはずです。
就活にもつながる息抜き
「休みたいけれど、就活のことが頭から離れない」という人には、就活にも繋がり、一石二鳥となるような息抜きの方法がおすすめです。
例えば、興味のある業界で働く社会人の先輩やOB・OGに連絡を取り、食事に連れて行ってもらうのはどうでしょうか。
リラックスした雰囲気の中で、Webサイトや説明会では得られないリアルな情報を聞くことができるかもしれません。
また、興味のあるメーカーが作っている製品を実際に使ってみたり、サービス業の企業であれば店舗に足を運んで顧客としてサービスを体験してみたりするのも良いでしょう。
これは立派な企業研究の一環でありながら、普段の買い物や外出と同じように楽しむことができます。
こうした活動は、楽しみながら自然と企業理解を深め、志望動機に深みを持たせることにも繋がるため、罪悪感なく取り組める理想的なリフレッシュ方法と言えます。
デジタルデトックスのすすめ
現代の就活は、情報収集からエントリー、企業との連絡まで、その多くがスマートフォンやパソコンを通じて行われます。
便利な一方で、私たちは四六時中、就活情報やSNSに晒され、知らず知らずのうちに心をすり減らしています。
そこで意識的に取り入れたいのが「デジタルデトックス」です。
具体的には、「1日の中でSNSアプリを開かない時間帯を決める」「寝る前の1時間はスマートフォンに触らない」といったルールを自分の中で設けることです。
就活の情報収集は時間を区切って行い、それ以外の時間は意識的にデジタルデバイスから離れてみましょう。
その時間を使って、読書をしたり、友人と直接会って話したり、趣味に没頭したりすることで、情報過多で疲弊した脳を休ませ、思考をクリアにすることができます。
常にオンラインで誰かと繋がっている状態から自分を解放し、心を落ち着ける時間を持つことは、非常に効果的なリフレッシュになります。
就活中は周囲と比べないことも大切
就職活動を進める上で、多くの学生を悩ませるのが「周囲との比較」です。
SNSを開けば、友人が難関企業のインターンシップに参加していたり、自分より先に内定を獲得していたりする情報が否応なく目に入ってきます。
こうした状況で、「自分はなんてダメなんだろう」と落ち込んだり、焦りを感じたりするのは、ある意味で自然な感情です。
しかし、その比較が過度になると、自分自身のペースを見失い、精神的に追い詰められてしまう原因となります。
就活のゴールや進むペースは一人ひとり違って当然です。
大切なのは、他人の進捗に一喜一憂するのではなく、「自分は自分」という確固たる軸を持ち、自分のペースを守り抜くことです。
ここでは、周囲と比較せずに、健全な精神状態で就活を乗り切るための心構えと、友人との上手な付き合い方についてお伝えします。
「自分のペース」を確立する
周囲の状況に振り回されないためには、まず自分自身の「就活の軸」を明確にすることが不可欠です。
なぜ就職するのか、仕事を通じて何を成し遂げたいのか、どんな社会人になりたいのか。
こうした根本的な問いに対して、時間をかけて自己分析を深め、自分なりの答えを見つけておくことが、ブレない自信に繋がります。
自分の軸が定まっていれば、たとえ友人が誰もが知る有名企業から内定をもらったとしても、「自分は価値観が違うから、あの会社は合わないな」と冷静に受け止めることができます。
就職活動は、内定の数や企業の知名度を競うレースではありません。
あなた自身が心から納得し、生き生きと働ける一社を見つけるための旅なのです。
他人の地図を羨むのではなく、自分のコンパスを信じて、自分だけの道を着実に歩んでいきましょう。
友人を「ライバル」ではなく「戦友」と捉える
就活中は、同じ目標に向かう友人が、時として競争相手である「ライバル」に見えてしまうことがあります。
しかし、見方を変えれば、彼らはあなたの状況を最も理解してくれる「戦友」にもなり得ます。
一人で抱え込まず、信頼できる友人と悩みを共有するだけで、気持ちが楽になることはよくあります。
また、お互いのエントリーシートを添削し合ったり、模擬面接の練習相手になったりすることで、客観的なフィードバックを得られ、一人で対策するよりも効率的にレベルアップできます。
もちろん、相手の進捗を聞いて焦ってしまうこともあるかもしれません。
そんな時は、情報交換はするけれど、結果を比べすぎないという適度な距離感を保つことが大切です。
互いの成功を喜び、うまくいかない時は励まし合う。
そんな健全な関係性を築くことができれば、友人は就活を乗り切る上で、この上なく心強い存在になるはずです。
SNSとの上手な付き合い方
特に注意したいのが、SNSとの付き合い方です。
SNSは有益な情報を得るためのツールにもなりますが、一方で、友人たちの「キラキラした就活」の部分だけが切り取られて投稿されるため、他人の成功が過剰に大きく見えがちです。
それを見て自己嫌悪に陥ってしまうのであれば、一度SNSから距離を置く勇気も必要です。
例えば、「就活に関する情報収集は、企業の公式アカウントや就活情報サイトに絞る」「SNSを見るのはお昼休みと夜の15分ずつだけにする」など、自分なりのルールを設けましょう。
特定の友人の投稿を見て辛くなるのであれば、一時的にミュート機能などを活用して、その情報が目に入らないようにするのも有効な自己防衛策です。
SNSはあくまでツールのひとつ。
それに振り回されるのではなく、自分が主体となって賢く使いこなす意識を持つことが大切です。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
「就活中は遊べない」という言葉は、多くの学生を不安にさせますが、それは決して絶対的な真実ではありません。
確かに、卒業研究やアルバイトと両立しながら、何の心配もなく思いっきり遊べる期間ではないかもしれません。
しかし、この記事で紹介したように、計画的に時間を使えば、プライベートな時間や息抜きの時間を確保することは十分に可能です。
むしろ、就活という長期戦を乗り切るためには、適度な休息こそが、心に余裕を生み、最高のパフォーマンスを発揮するための鍵となります。
時間管理術を駆使して効率的にタスクをこなし、自分に合ったリフレッシュ方法でオンとオフのメリハリをつける。
そして、周囲と比較しすぎず、自分のペースを大切にする。
これらを意識するだけで、あなたの就活はもっと快適で、実りあるものになるはずです。
自分らしいペースで就職活動を進め、心身ともに健康な状態で、後悔のない選択ができるよう心から応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート