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企画力とは?就活で評価される3つの要素
就活における「企画力」とは、単にアイデアを出す力だけではありません。
課題を発見し、解決のためのアイデアを生み出し、それを実現するために周囲を動かす力までを含む「総合的な思考力・実行力」を指します。
企業が学生の企画力を見るのは、「自分で考え、動き、成果を出せる人かどうか」を見極めるためです。
ここでは、企画力を構成する3つの要素を解説します。
① 発想力:新しいアイデアを考える力
発想力は、既存の枠にとらわれずに「新しい視点で物事を捉える力」です。
学生の場合、サークル活動やゼミ、アルバイトの中で「もっとこうした方がいい」と感じた瞬間が発想力の出番です。
たとえば、学園祭で来場者が少ない原因を分析し、「SNSでの告知を増やそう」と新たな方法を提案した経験などが該当します。
就活では、このように現状を変えるアイデアを考えられる姿勢が高く評価されます。
② 計画力:実現に向けて具体化する力
企画は「思いつくだけ」では意味がありません。
発想したアイデアを形にするための「計画力」も企画力の重要な要素です。
スケジュールを立て、必要な人員や予算を整理し、実行に移すための段取りを組む力が問われます。
学生であれば、イベントやプレゼンを成功させるためにどの順番で何を準備したかという具体的なプロセスを説明できると、計画力の高さを示せます。
③ 実行力:行動し、周囲を動かす力
どんなに良い企画でも、行動に移せなければ意味がありません。
実行力とは、「やるべきことを実際にやり切る力」、そして「周囲を巻き込みながら成果を出す力」です。
学生の場合、自分一人で完結する活動は少ないため、「チームメンバーを動かす」「関係者に協力を依頼する」といった協働の中での実行力が重視されます。
「自分の言葉でチームを動かし、イベントを成功に導いた」など、リーダーシップを伴う実践例があると強い印象を与えられます。
企業が学生の「企画力」を評価する理由
企業が学生に「企画力」を求めるのは、社会に出てからも自ら考え行動できる人材を育てたいからです。
ビジネスの現場では、与えられた仕事をこなすだけでなく、「課題を見つけ、改善提案をし、成果につなげる力」が必要です。
学生時代に小さな活動でも、自分で課題を見つけ、周囲を巻き込みながら何かを形にした経験は、まさにその力の証拠となります。
つまり、「企画力=主体的に価値を生み出す力」として、就活において非常に評価されやすいのです。
企画力を自己PRで伝える3ステップ
企画力を効果的に自己PRで伝えるには、単に「アイデアを出した」と書くだけでは不十分です。
大切なのは、どんな経験を通じて、どのような課題を見つけ、どんな工夫で成果を出したのかを明確に示すことです。
ここでは、企画力を魅力的に伝えるための3つのステップを順に解説します。
① 経験を整理して「どんな企画をしたか」を明確にする
最初のステップは、自分の過去の経験の中から「企画を立てた」場面を整理することです。
サークル、ゼミ、学園祭、アルバイトなど、学生生活の中には数多くの企画経験が隠れています。
重要なのは、「自ら課題を見つけ、それを解決するために行動した経験」を選ぶことです。
与えられた仕事や決められたタスクをこなしただけの経験では、企画力の本質を伝えることはできません。
自分の意思で何かを生み出した経験を明確にし、その企画の目的や背景を整理することで、ストーリー性のある自己PRの土台ができます。
② 企画の目的・工夫・結果を具体的に書く
次に、その企画をどのように進めたかを具体的に書き出します。
企画の目的をはっきりと示し、「なぜその企画を行ったのか」を伝えることで、考える力や分析力を示せます。
また、工夫した点を具体的に記すと、創意工夫や課題解決への姿勢が伝わります。
さらに、最終的な成果や結果を数字や変化で表すことで、説得力が格段に高まります。
たとえ小さな成功でも、「何を考え、どう動き、どんな影響を与えたのか」という流れを明確にすることが、印象に残る自己PRにつながります。
③ 「自分が果たした役割」を強調して再現性を示す
最後のステップは、自分自身がその企画の中でどんな役割を果たしたのかを強調することです。
チームでの活動であれば、全体の中で自分がどのように貢献したのかを明確にすることが重要です。
自分が主導した部分、工夫を提案した部分、実行を支えた部分などを具体的に示すことで、「この人は社会に出ても企画力を発揮できる」という再現性を伝えられます。
また、自分の役割を振り返る過程で、自分の得意分野や強みが明確になり、他の自己PRテーマとも一貫性を持たせやすくなります。
経験を通じて得た気づきや成長まで書き添えると、より深みのある自己PRになります。
学生の企画力が伝わる自己PR例文【ジャンル別】
学生が自己PRで「企画力」を伝える際には、どんな経験からその力を発揮したかがポイントです。
同じ「企画力」でも、サークル・ゼミ・アルバイト・学園祭など、活動の場によって強調すべき要素が異なります。
ここでは、ジャンルごとの具体的な自己PR例文を紹介します。
サークル活動での例文:「イベントをゼロから立ち上げた」ケース
私の強みは、課題を発見し、形にする「企画力」です。
所属していたサークルで、活動がマンネリ化していると感じ、新しいイベントをゼロから立ち上げました。
まず、メンバーへのアンケートを通じて「他大学との交流を増やしたい」という意見が多いことを把握し、他大学との合同イベントを企画しました。
開催に向けて日程調整や会場確保、広報方法などを一つずつ整理し、協力者を募って準備を進めました。
結果として、当日は予想の2倍となる50名以上が参加し、サークル全体の活気が戻りました。
この経験から、周囲の意見をまとめながら実行に移す力が身についたと感じています。
ゼミ・研究活動での例文:「発表形式を工夫して理解度を高めた」ケース
ゼミでの発表活動において、私は「企画力」を発揮しました。
ゼミ内で発表内容が難しく、聴き手が理解しにくいという課題があったため、スライド構成と発表方法の見直しを提案しました。
具体的には、専門用語の解説を加え、ストーリー性のある構成に変更し、グループで実験結果を視覚的に伝える工夫をしました。
結果として、教授から「最も分かりやすい発表だった」と評価をいただき、ゼミ全体でも新しい発表形式が定着しました。
この経験を通じて、課題を発見し、より良い方法を自ら企画・提案する力が培われました。
アルバイトでの例文:「新しい販売企画を提案して売上アップ」したケース
私はアルバイト先で「企画力」を発揮し、売上向上に貢献しました。
勤務していたカフェでは、平日の来客数が少ないという課題がありました。
そこで、常連のお客様の声をもとに「ランチセットにドリンク割引を付けるキャンペーン」を提案しました。
POP作成やSNS告知なども自ら担当し、実施後1か月で平日来店者数が1.3倍に増加しました。
この経験から、現場の課題を分析し、実際に成果につなげる力を身につけました。
今後も現状に満足せず、課題解決のために考え、動ける社会人を目指したいと考えています。
学園祭・学生団体での例文:「チームをまとめて来場者数を倍増させた」ケース
学園祭実行委員として、私はチームをまとめながら「企画力」を発揮しました。
前年より来場者が減少していたため、原因を分析し、集客につながる新しいステージ企画を立ち上げました。
SNSでの事前告知や、地域団体とのコラボイベントを提案・実行した結果、来場者数は前年の約2倍に増加しました。
準備段階では、メンバー間の意見の食い違いもありましたが、全員の意見を尊重しながら議論をまとめたことで、チームとして大きな成果を出すことができました。
この経験を通じて、目標に向かって周囲を動かし、成果を出す力こそが自分の強みであると実感しました。
企画力を自己PRで書くときのポイント
企画力を自己PRで伝える際は、単に「イベントを企画しました」「新しい提案をしました」といった表面的な表現では印象に残りません。
大切なのは、課題に向き合い、考え、行動し、成果を出すまでの一連のプロセスを具体的に描くことです。
ここでは、読み手に伝わる企画力の書き方の3つのポイントを紹介します。
「思いつき」ではなく「課題→解決の流れ」を示す
企画力は、ひらめきやアイデア勝負の能力ではありません。
「課題を見つけ、それを解決するための手段を考える力」として書くことで、ビジネスでも通用する再現性を示すことができます。
たとえば、「集客が減っていた」「参加率が低かった」などの現状を明確にし、それに対してどのように考え、どんな行動をとったのかを順序立てて説明することが重要です。
この課題→発想→実行→成果の流れを意識することで、単なる思いつきではなく、論理的に考えて動ける人物だと印象づけられます。
結果だけでなく「工夫・分析・改善」も伝える
多くの学生が自己PRで「成功しました」「評価されました」と結果を強調しますが、それだけでは偶然の成功のように見えることがあります。
企画力を伝える際は、結果に至るまでにどんな工夫や分析をしたのかを丁寧に表現することが大切です。
たとえば、「アンケートを実施してニーズを把握した」「SNSの反応を分析して改善を重ねた」など、行動の裏にある思考の過程を描くことで、計画性や継続的な改善力が伝わります。
面接官は「この学生は考えながら行動できるか」を見ています。
過程をしっかり語ることで、努力や成長も自然と伝わる文章になります。
数字や実績を入れて説得力を高める
自己PRで企画力をアピールする際は、具体的な数字や成果を入れると説得力が格段に上がります。
たとえば、「参加者数を前年比150%に増やした」「売上を20%向上させた」など、客観的なデータを用いると、どの程度の成果を出したのかが明確に伝わります。
数字がない場合でも、「前年より多くの人に参加してもらえた」「チーム全体の満足度が上がった」など、比較の基準を示すと効果的です。
定量的な成果は、単なるエピソードを超えて信頼できる結果として読み手に印象を残します。
企画力を活かせる仕事・業界とは?
企画力は、あらゆる業界で求められる汎用的なスキルですが、特に「アイデアを形にする」「課題を解決する」「人やサービスを動かす」といったプロセスが重要な職種で強く発揮されます。
自ら考えて行動する主体性を持ち、柔軟な発想を活かせる人は、多くの企業で高く評価されます。
ここでは、企画力を最大限に活かせる代表的な業界を紹介します。
広告・マーケティング業界:新しいアイデアを形にする仕事
広告・マーケティング業界は、まさに企画力が評価される代表的なフィールドです。
消費者の心をつかむキャンペーンやSNS施策、新商品のプロモーションなど、常に新しいアイデアが求められます。
特に学生時代にイベントを企画したり、SNS運用で成果を出した経験がある人は、その経験をマーケティング的な視点に置き換えてアピールすると効果的です。
「相手にどう伝えれば行動してもらえるか」を考え、実行できる人は、広告・PR・企画営業などの職種で大きく活躍できます。
IT・Web業界:ユーザー視点の企画が評価される
IT・Web業界では、「どんなサービスならユーザーが喜ぶか」を考える力が重視されます。
アプリやWebサービスの開発、デザイン、UX設計などでは、ユーザーの課題を理解し、それを解決する企画を立てるスキルが不可欠です。
学生時代に「使いやすさ」や「デザイン性」を意識して企画した経験があれば、それをユーザー思考の強みとして語ると効果的です。
変化の激しい業界だからこそ、柔軟に発想し、試行錯誤しながら改善できる人が求められます。
メーカー・商社:新製品や販売戦略の企画がカギ
メーカーや商社では、製品やサービスをより多くの人に届けるための企画力が重要になります。
新商品を開発する際のコンセプト設計や、販路拡大のための販売促進施策など、現場の課題をもとにした発想が求められます。
学生時代に販売促進やイベント運営の経験がある人は、それを「現状を改善する企画を立てた経験」として伝えると効果的です。
また、チームで協力しながら成果を出した経験を語ることで、組織の中で企画を実現する力をアピールできます。
人材・教育業界:サービス改善・イベント企画に活かせる
人材・教育業界では、「人の成長やマッチングを支援するための企画力」が活かされます。
採用イベント、研修プログラム、学生支援サービスなど、相手のニーズを理解し、最適な企画を立てることが求められます。
学生時代にチーム運営や後輩指導、学内イベントの企画を経験した人は、その経験を「相手の立場を考えた企画」として語るとよいでしょう。
特に教育分野では、相手の成長を支援する目的意識と、より良い形を探る改善意識の両方が高く評価されます。
面接で企画力を伝えるときの話し方
面接で企画力をアピールする際は、ただエピソードを語るだけでなく、「どのような考え方で行動し、どんな成果を得たか」を論理的に伝えることが大切です。
採用担当者は、あなたが入社後に同じような力を発揮できるかどうかを見ています。
そのためには、話の構成や伝える順番を意識し、聞き手にとって分かりやすく、再現性のあるストーリーにまとめる必要があります。
STAR法(Situation・Task・Action・Result)で整理して話す
企画力を伝える際に最も効果的なフレームワークが「STAR法」です。
これは、Situation(状況)→Task(課題)→Action(行動)→Result(結果)の順で話を整理する方法です。
最初に「どんな場面で」「どんな課題があったのか」を簡潔に伝え、そのうえで「自分がどのように考え、どんな行動をとったのか」を具体的に語ります。
最後に、その結果として「何を得たのか」「どんな成長があったのか」を示すことで、説得力のある流れを作ることができます。
STAR法を使うことで、面接官が話の全体像をイメージしやすくなり、あなたの企画力の本質が自然に伝わります。
相手企業の事業に沿った「企画視点」を加える
面接では、自分の経験を語るだけでなく、応募先の企業に合わせた企画の視点を加えることが重要です。
たとえば広告業界なら「ターゲットに合わせた発想」、IT業界なら「ユーザー体験を改善する視点」など、企業のビジネスモデルに関連づけて話すことで説得力が増します。
自分の過去の経験を、企業の求める価値観や仕事の特徴に重ね合わせて語ると、単なる学生の体験談ではなく、「入社後に活かせる力」として伝わります。
面接官は「この人が自社でどんな企画を生み出せるか」を想像して聞いているため、企業理解を前提とした話し方が印象を大きく左右します。
「今後どう活かしたいか」で締めると好印象
エピソードを語り終えたら、最後に「この経験を今後どのように活かしていきたいか」を必ず加えましょう。
過去の成功体験で終わらせず、将来への展望を語ることで、成長意欲と前向きな姿勢をアピールできます。
たとえば、「今後は貴社の新規サービス企画において、ユーザーの声を反映した提案ができるようになりたい」というように、具体的な目標を添えると効果的です。
面接官に「この人は入社後も企画力を磨き続けるだろう」と感じさせることができれば、印象に残る自己PRになります。
まとめ|学生の「企画力」は考えて動ける力で伝わる
就活で企画力をアピールするうえで大切なのは、「考えるだけでなく、実際に行動に移し、周囲を動かせる力」を見せることです。
企業は、学生が自分のアイデアをどのように現実化し、どんな影響を与えたのかを重視しています。
発想力だけでなく、行動力や協働力を含めた総合的な企画力を伝えることが、印象に残る自己PRの鍵になります。
アイデア+実行+協働の流れを意識してPRしよう
企画力は、アイデアを出す力と行動に移す力の両方があってこそ評価されます。
さらに、周囲の協力を得ながら成果を上げる「協働力」も欠かせません。
この三つの流れを意識して自己PRを構成することで、単なる発想力ではなく、「チームで価値を生み出せる力」として伝わります。
面接やエントリーシートでは、「どのようなアイデアを考え、どんな工夫で実行し、誰と協力して成果を出したのか」という一貫した流れを描くことが重要です。
経験の大小よりも「課題解決力」を示すことが重要
企画の規模や成果の大きさよりも、課題をどう捉え、どのように解決へ導いたかを伝えることが本質です。
たとえ小さな活動でも、自ら課題を見つけ、工夫して改善を重ねた経験は強い印象を残します。
企業は「結果の派手さ」よりも「問題解決のプロセス」を重視する傾向があります。
自分の考えと行動によって状況を変えた経験を語ることで、企画力を実践的な力として伝えることができます。
あなたの行動が周囲を動かしたエピソードが最強の企画力PRになる
最も説得力のある企画力の自己PRは、「自分の行動が周囲を動かした経験」を語ることです。
チームをまとめた、メンバーを巻き込んだ、相手の意見を引き出した――こうした経験には、発想だけでなく実行と影響力の要素が含まれています。
自分の一歩が周囲に変化をもたらした瞬間を丁寧に描くことで、面接官に主体的に動ける人という印象を与えることができます。
それこそが、学生が企画力を最も自然かつ力強く伝える方法です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











