高校時代の吹奏楽部経験をガクチカに使うのは要注意!できるだけ避けたい理由と使いたい際の注意点について徹底解説!

高校時代の吹奏楽部経験をガクチカに使うのは要注意!できるだけ避けたい理由と使いたい際の注意点について徹底解説!

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【ガクチカ】高校の吹奏楽部のエピソードはアピールに気をつけよう!

「学生時代に最も力を注いだこと」、いわゆる「ガクチカ」は、エントリーシートや面接で必ずと言っていいほど問われる定番の質問です。

部活動に打ち込んだ経験を伝えたいと考える学生は多く、中でも高校時代の吹奏楽部でのエピソードをガクチカとしてアピールしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

毎日仲間と練習に励み、コンクールという明確な目標に向かって努力した経験は、あなたにとってかけがえのない財産だと思います。

しかし、就職活動のガクチカとして高校時代の吹奏楽部の経験を語る際には、いくつか注意すべきポイントがあります。

採用担当者は、基本的に「大学時代」にあなたが何を学び、どう成長したかを知りたいと考えているため、高校時代のエピソードは慎重に扱う必要があります。

この記事では、高校の吹奏楽部経験をガクチカとして使うことの是非や、効果的にアピールするための方法、注意点などを詳しく解説していきます。

ただの思い出話で終わらせず、あなたの魅力が伝わるガクチカを作成するためのヒントが満載ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

【ガクチカ】高校時代の吹奏楽部経験はできるだけ避けたい理由

ガクチカで高校時代の吹奏楽部経験をアピールすること自体が、絶対にNGというわけではありません。

しかし、多くの就活アドバイザーが「できれば大学時代のエピソードを」と助言するには、明確な理由が存在します。

採用担当者は、あなたが大学という自由な環境の中で、何を考え、主体的に行動したのかを知りたいと考えています。

その中で高校時代のエピソードを話してしまうと、「大学では何もしてこなかったのかな?」というネガティブな印象を与えかねません。

また、吹奏楽部は非常に人気のある部活動であるため、他の就活生とエピソードが被りやすく、差別化が難しいという側面もあります。

ここでは、なぜ高校時代の吹奏楽部経験をガクチカとして使うことを慎重に考えるべきなのか、その具体的な理由を3つの観点から解説していきます。

これらの理由を理解することで、より効果的な自己PRの方法が見えてくるはずです。

最新の自分をアピールできないから

企業がガクチカを通して知りたいのは、「最新のあなた」がどのような人物で、入社後にどう活躍してくれる可能性があるか、という点です。

高校時代から大学卒業までには、少なくとも4年間の月日が流れています。

この期間は、価値観が大きく変化し、精神的にも大きく成長する時期です。

それにもかかわらず、あえて高校時代のエピソードを話してしまうと、採用担当者に「大学の4年間で語れるような経験はなかったのだろうか」「成長が止まってしまっているのではないか」という懸念を抱かせてしまう可能性があります。

企業は、あなたが大学生活という自由な時間の中で、いかに主体的に課題を見つけ、行動し、成長したかを知りたいのです。

吹奏楽部での素晴らしい経験も、大学での経験と比較すると、どうしても「過去の栄光」という印象を与えがちです。

今の自分を最も魅力的に見せるためにも、できる限り大学時代のエピソードからガクチカを探すことが、就職活動における基本的な戦略と言えるでしょう。

他の学生と内容が被りやすいから

吹奏楽部は、全国的に見ても非常に多くの生徒が所属している人気の高い部活動です。

そのため、ガクチカとして吹奏楽部のエピソードを語る就活生は、毎年後を絶ちません。

「コンクールでの金賞受賞を目指して、仲間と協力した」「練習方法を工夫して、一体感を高めた」「意見の対立を乗り越えて、チームをまとめた」といった話は、採用担当者からすれば「またこの話か」と思われかねない、ありきたりなエピソードになりがちです。

もちろん、あなた自身の経験は唯一無二のものです。

しかし、何万人ものエントリーシートに目を通す採用担当者にとって、他の学生との差別化が難しいというのは紛れもない事実です。

ガクチカは、あなたの人柄や個性をアピールするための絶好の機会です。

多くの人が語るであろうエピソードを選ぶことは、その他大勢の中に埋もれてしまうリスクを自ら高めてしまうことになりかねません。

あなたの魅力がより際立つ、あなたならではのエピソードを選ぶことが重要です。

企業が求める再現性を伝えにくいから

企業がガクチカで確認したい最も重要なポイントの一つは、「その経験から得た学びや強みを、入社後も再現できるか」という点です。

つまり、あなたのポテンシャルを見極めようとしています。

高校時代の部活動は、顧問の先生や指導者の存在が大きく、ある程度管理された環境下での活動です。

一方で、大学生活や社会人としての仕事は、より自律性と主体性が求められます。

そのため、高校時代の経験を語られても、採用担当者は「それは先生の指導が良かっただけでは?」「社会という全く違う環境でも同じように力を発揮できるだろうか?」という疑問を抱きがちです。

自ら課題を発見し、解決策を考え、周囲を巻き込みながら実行していくという一連のプロセスは、大学時代の経験の方がより説得力を持って伝えられます。

入社後の活躍イメージを採用担当者に具体的に持ってもらうためにも、できるだけ社会人としての働き方に近い、大学での主体的な取り組みをアピールする方が、再現性を効果的に示すことができるのです。

【ガクチカ】高校時代の吹奏楽部経験をアピールすべき人の特徴

ここまで高校時代の吹奏楽部経験をガクチカにすることを避けるべき理由を解説してきましたが、もちろん例外もあります。

伝え方次第では、高校時代のエピソードが他のどの経験よりもあなたの魅力を強くアピールできるケースも存在します。

重要なのは、「なぜ大学時代ではなく、あえて高校時代の話をするのか」という問いに、採用担当者が納得できるだけの明確な理由があるかどうかです。

例えば、その経験があなたの人間性や価値観の根幹を形成するほど強烈なものであったり、大学での活動に直接的な影響を与えていたりする場合です。

単に「一番頑張ったのが高校の部活だったから」という理由では、アピールとしては弱いと言わざるを得ません。

ここでは、どのような特徴を持つ人であれば、高校時代の吹奏楽部経験をガクチカとして効果的にアピールできるのか、具体的な3つのパターンを紹介します。

自分自身がこれらに当てはまるか、客観的に判断することが重要です。

全国大会出場などの突出した実績がある人

客観的に見て「すごい」と誰もが認めるような突出した実績は、高校時代のものであっても十分にアピール材料となり得ます。

例えば、吹奏楽コンクールで全国大会に出場し、金賞を受賞したといった経験です。

このような高いレベルでの成功体験は、目標達成のために尋常ではない努力を継続できる人物であることの強力な証明になります。

ただし、重要なのは「全国大会に出場しました」という結果だけを自慢することではありません

その輝かしい成果を得るために、どのような困難があり、あなたがチームの中でどのような役割を果たし、どのように貢献したのか、そのプロセスを具体的に語ることが求められます。

高い目標を設定し、そこに至るまでの課題を乗り越えた経験は、社会に出てからも活かせる再現性の高い能力として評価されるでしょう。

実績のインパクトに頼るだけでなく、その背景にあるあなたの思考や行動をセットで伝えることが、採用担当者の心に響くアピールに繋がります。

大学での経験に直結する学びを得た人

高校時代の吹奏楽部での経験が、あなたの価値観や将来の目標に決定的な影響を与え、大学での学びや活動に直接繋がっている場合も、説得力のあるガクチカになり得ます。

例えば、「高校の吹奏楽部で、地域の方々に演奏を届ける慰問演奏会を企画した経験から、音楽を通じて社会に貢献することの喜びに目覚め、大学では地域創生について学べる社会学部を選んだ」といったストーリーです。

このように、高校時代の経験が単なる過去の出来事で終わっておらず、現在のあなたの行動原理や専門性につながっていることを示せれば、話に一貫性が生まれます。

採用担当者は、あなたが場当たり的に行動するのではなく、過去の経験から学び、将来を見据えて行動できる人物であると評価するでしょう。

「高校での経験が原体験となり、大学で〇〇という形で深化させた」という流れで語ることで、高校時代のエピソードが現在と未来を語る上で不可欠な要素であることを示すことができます。

企業の求める人物像と合致する強みをアピールできる人

あなたが志望する企業の「求める人物像」と、高校時代の吹奏楽部経験で培った強みが、強く合致している場合も有効なアピールとなり得ます。

例えば、チームで一つの製品を作り上げるメーカーが「協調性」や「目標達成意欲」を重視している場合、吹奏楽部で仲間と心を一つにしてコンクールに挑んだ経験は、その素養があることを示す好例となります。

この場合、なぜその経験を通してその強みが培われたのかを、具体的なエピソードを交えて論理的に説明する必要があります。

「私の強みは協調性です。

吹奏楽部では、100人近い部員と音を合わせるため、常に周りの音を聞き、自分の役割を全うすることを意識していました」といったように、吹奏楽部という環境ならではの具体性を盛り込むことが重要です。

企業のウェブサイトや採用ページを徹底的に読み込み、どのような人材が求められているかを正確に把握した上で、自身の経験と結びつけて語ることができれば、採用担当者に「自社で活躍してくれそうだ」という強い印象を与えることができるでしょう。

【ガクチカ】高校時代の吹奏楽部経験をアピールする際の注意点

高校時代の吹奏楽部経験をガクチカとして話すと決めた場合、その伝え方には細心の注意を払う必要があります。

ただ闇雲に「頑張りました」「大変でした」と語るだけでは、採用担当者の心には響きません。

それは単なる思い出話であり、自己PRとは言えないからです。

大切なのは、過去の経験を客観的に分析し、そこから得た学びや強みが、いかにして入社後の活躍に繋がるのかを論理的に示すことです。

高校時代のエピソードであっても、採用担当者が「この学生は面白いな」「自社で活躍してくれそうだ」と感じるような、魅力的なガクチカに仕上げることは十分に可能です。

ここでは、あなたの吹奏楽部経験を効果的なアピールに変えるための3つの重要な注意点を解説します。

これらのポイントを意識するだけで、あなたのガクチカは他の就活生と大きく差がつくものになるはずです。

大学での経験と関連づける

高校時代の吹奏楽部経験を語る上で、最も重要な注意点が「大学での経験と関連づける」ことです。

高校時代のエピソードだけで話を完結させてしまうと、前述の通り「大学では何もしてこなかったのでは?」という懸念を払拭できません。

そうならないためにも、高校での経験から得た学びや課題意識が、大学でのどのような行動に繋がったのかを必ず付け加えるようにしましょう。

例えば、「高校時代、部員のモチベーション維持に苦労した経験から、大学では心理学を専攻し、組織における個人の動機付けについて深く学びました」というように繋げるのです。

こうすることで、あなたが過去の経験から学び、継続的に成長しようとする意欲のある人材であることをアピールできます。

高校時代のエピソードはあくまで導入であり、そこから現在の自分にどう繋がっているのかを示すことで、話に深みと説得力を持たせることができます。

成果だけでなくプロセスを具体的に語る

「コンクールで金賞を受賞した」というような輝かしい成果は、もちろんアピールポイントになります。

しかし、採用担当者が本当に知りたいのは、その成果そのものよりも、そこに至るまでのプロセスです。

あなたが目標達成のために、どのような課題意識を持ち、何を考え、どのように行動したのか、その具体的な過程を語ることが何よりも重要です。

例えば、「演奏技術が未熟な1年生を指導するにあたり、ただ教えるだけでなく、彼らの意見にも耳を傾けることで信頼関係を築き、自主的な練習を促しました」といったエピソードを盛り込むことで、あなたの人柄や課題解決能力が伝わります。

成功体験だけでなく、失敗から学んだ経験や、困難を乗り越えた経験を語ることも、あなたの人間的な深みを示す上で非常に効果的です。

結果だけを伝えるのではなく、あなたならではの試行錯誤の物語を語ることを意識してください。

専門用語を避け誰にでも分かる言葉で説明する

吹奏楽に長年打ち込んできたあなたにとっては当たり前の言葉も、経験のない人からすれば全く意味の分からない専門用語である可能性があります。

「譜読み」「ソルフェージュ」「アンブシュア」などの言葉は、音楽経験のない採用担当者には伝わりません。

ガクチカを話す際は、相手がその分野について全く知識がないという前提に立ち、誰にでも理解できる平易な言葉で説明することを心がけましょう。

例えば、「個人練習だけでなく、パート内でのアンサンブルを強化し、全体の調和を図りました」という表現は、「個人練習だけでなく、同じ楽器を担当するグループでの練習を増やし、全体の音のバランスが良くなるように努めました」と言い換えることができます。

専門用語を使わずに分かりやすく説明する能力は、入社後に多様な人とコミュニケーションをとる上で不可欠なスキルとして評価されます。

相手の視点に立って言葉を選ぶ姿勢を忘れないようにしましょう。

【ガクチカ】高校時代の吹奏楽部経験のガクチカ例文

ここまで、高校時代の吹奏楽部経験をガクチカとしてアピールする際のポイントや注意点について解説してきました。

理論は分かっても、実際にどのような文章にすれば良いのか、イメージが湧きにくい方もいるかもしれません。

そこで、ここからは具体的な例文を3つ紹介します。

それぞれの例文では、「目標達成への執着心」「課題解決能力」「周りを巻き込む協調性」という、異なる強みをアピールする構成になっています。

これらの例文はあくまで一例であり、丸写しするのではなく、あなた自身の経験や言葉に置き換えて参考にすることが重要です。

例文を読む際には、これまで解説してきた「大学での経験との関連づけ」や「プロセスの具体性」といったポイントがどのように盛り込まれているかに注目してみてください。

あなた自身の経験を振り返り、どの強みを軸にガクチカを構成するかを考えるきっかけにしていただければ幸いです。

例文①:目標達成への執着心をアピール

私が学生時代に最も力を注いだことは、高校時代の吹奏楽部で、地区大会で万年銅賞だったチームを初の金賞受賞に導いたことです。

当時、私たちの部は練習に対する意識が低く、多くの部員が目標達成を諦めていました。

私はその状況を変えるため、まず全部員に「なぜ金賞を取りたいのか」をヒアリングし、目標を自分事として捉えてもらうことから始めました。

そして、個々の技術的な課題とチーム全体の表現力の課題を洗い出し、具体的な練習計画を立案・提案しました。

特に、朝の自主練習を習慣化させるために、私自身が誰よりも早く朝練に参加し、後輩の指導にも積極的に取り組みました。

その結果、徐々に部内の一体感が高まり、目標であった金賞を受賞できました。

この経験から、困難な目標に対しても粘り強くアプローチし続ける執着心を学びました。

この強みは、大学でのゼミ活動において、難解なテーマの研究を最後までやり遂げる際にも活かされています。

貴社に入社後も、この執着心を発揮し、高い目標にも果敢に挑戦していきたいです。

例文②:課題解決能力をアピール

私が学生時代に最も力を入れたのは、高校の吹奏楽部でパートリーダーとして演奏技術の向上に貢献した経験です。

私が所属していたトロンボーンパートは、部内で最も技術レベルが低く、合奏の際に全体の足を引っ張ってしまうことが課題でした。

原因を分析したところ、基礎練習の不足と、部員間の実力差によるコミュニケーション不足が問題だと考えました。

そこで私は、2つの施策を実行しました。

1つ目は、パートメンバーの実力に合わせた個人別の練習メニューを作成し、日々の基礎練習を可視化したことです。

2つ目は、週に一度、上級生が下級生にマンツーマンで指導する時間を設け、パート内のコミュニケーションを活性化させたことです。

これらの取り組みの結果、パート全体の技術が底上げされ、コンクールでは審査員から「安定感のある演奏」との評価をいただくことができました。

この経験から、現状を分析し、課題の根本原因を特定して解決策を実行する能力が身につきました。

この課題解決能力は、大学時代のアルバイトでも活かされており、店舗の売上向上に貢献しました。

例文③:周りを巻き込む協調性をアピール

私が学生時代に力を注いだことは、高校時代の吹奏楽部で、学年を超えた一体感を醸成し、定期演奏会を成功させた経験です。

当時、私たちの部は約80名の部員がいましたが、学年間のコミュニケーションが希薄で、演奏にも一体感が欠けていました。

私はこの状況を改善するため、全部員が楽しめるレクリエーション企画を立案し、実行しました。

また、練習方法についても、パートや学年を混ぜたグループでの練習を新たに取り入れ、互いに意見を言いやすい雰囲気作りを心がけました。

当初は「練習時間がもったいない」という反対意見もありましたが、企画の意図を丁寧に説明し、一人ひとりと対話を重ねることで、徐々に理解を得ることができました。

結果として、部内の風通しが良くなり、本番の演奏会では「これまでで最高の演奏だった」と多くの方からお褒めの言葉をいただくことができました。

この経験から、多様な意見を持つ人々をまとめ上げ、一つの目標に向かってチームを導く協調性を学びました。

この強みを活かし、貴社でも様々な部署の方と連携しながら、プロジェクトを成功に導きたいです。

【ガクチカ】高校時代の吹奏楽部経験以外にガクチカがない場合の対処法

「高校の吹奏楽部以外に、胸を張って話せるような経験がない…」と悩んでいる方もいるかもしれません。

サークルにも入っていなかったし、特別な活動もしてこなかった、と感じている就活生は決して少なくありません。

しかし、心配する必要はありません。

ガクチカは、必ずしも華々しい成果や特別な経験である必要はないのです。

採用担当者が見ているのは、経験の大きさではなく、その経験を通してあなたが何を学び、どう成長したかです。

あなたが「当たり前」だと思っている大学生活の中にこそ、あなたらしさが光るガクチカの種は眠っています。

大切なのは、自分の経験を丁寧に振り返り、その価値を再発見することです。

ここでは、高校の吹奏楽部経験以外にガクチカが見つからないと悩むあなたのために、大学生活の中からアピールできる経験を見つけ出すための具体的な対処法を3つ紹介します。

視点を少し変えるだけで、あなただけの魅力的なガクチカが見つかるはずです。

授業やゼミ活動から見つける

大学生活の本分は、言うまでもなく学業です。

あなたが真剣に取り組んだ授業やゼミ活動は、立派なガクチカになり得ます。

例えば、特定の授業で高評価を得るために、どのような工夫をしたのかを振り返ってみましょう。

「膨大な量の参考文献を読み込み、自分なりの視点でレポートをまとめた」「グループワークでリーダーシップを発揮し、議論をまとめて発表を成功させた」といった経験は、あなたの真面目さや計画性、協調性をアピールする材料になります。

特に、ゼミでの研究活動は、課題設定、情報収集、分析、発表という仕事のプロセスと非常に似ているため、ガクチカとして語りやすいテーマです。

「なぜそのテーマに興味を持ったのか」「研究を進める上でどんな困難があり、どう乗り越えたのか」を具体的に語ることで、あなたの知的好奇心や探求心を効果的に伝えることができるでしょう。

アルバイト経験を深掘りする

多くの学生が経験するアルバイトも、ガクチカの宝庫です。

たとえ誰にでもできるような仕事内容であっても、その中であなたが何を考え、どのように工夫して取り組んだのかを語ることで、他の学生との差別化を図ることができます。

例えば、飲食店のホールスタッフであれば、「お客様に快適に過ごしてもらうために、メニューにない組み合わせを提案した」「新人スタッフが早く仕事に慣れるように、独自の業務マニュアルを作成した」といったエピソードが考えられます。

重要なのは、与えられた仕事をただこなすだけでなく、より良くするために主体的に行動した経験です。

「なぜその行動を取ろうと思ったのか」という動機や、「その行動によってどのような良い変化が生まれたのか」という結果までセットで語ることで、あなたの課題発見能力や主体性をアピールすることができます。

日常生活での小さな挑戦を言語化する

部活動やアルバEイトといった分かりやすい活動をしていなくても、ガクチカの材料は日常生活の中に隠されています。

例えば、「資格取得のために毎日2時間勉強を継続した」という経験は、あなたの目標達成意欲や継続力を示すことができます。

「趣味のプログラミングで、Webサイトを自作した」という経験は、あなたの探求心や学習能力をアピールする材料になります。

大切なのは、「学生時代に力を入れたこと」を大げさに捉えすぎないことです。

あなたが何か目標を立て、それに向かって努力した経験、あるいは何かを継続した経験であれば、どんなに些細なことでも構いません。

その経験の前と後で、あなた自身がどのように成長できたのかを自分の言葉で説明することができれば、それは立派なガクチカになります。

自分自身の大学生活を丁寧に振り返り、小さな挑戦や成功体験を洗い出してみましょう。

【ガクチカ】高校時代の吹奏楽部経験のガクチカに関するよくある質問

ここまで、高校時代の吹奏楽部経験をガクチカとして語る際の様々な側面について解説してきました。

アピールすべき人の特徴や注意点、例文などを通して、全体像は掴めてきたかと思います。

しかし、実際に自分のガクチカを作成しようとすると、「自分の場合はどうだろう?」といった個別の疑問や不安が出てくることもあるでしょう。

特に、多くの就活生が悩みがちなポイントについては、あらかじめ解消しておくことで、自信を持って選考に臨むことができます。

ここでは、就活生から特によく寄せられる質問を3つピックアップし、Q&A形式で分かりやすく回答していきます。

他の就活生も同じような悩みを抱えていることを知り、少しでもあなたの不安が解消されれば幸いです。

Q. 全国大会などの実績がなくてもアピールできますか?

A. はい、全く問題ありません。

全国大会出場やコンクールでの金賞受賞といった輝かしい実績がなくても、高校時代の吹奏楽部経験をガクチカとしてアピールすることは十分に可能です。

採用担当者は、実績の大きさだけであなたを評価するわけではありません。

むしろ、その経験を通じてあなたが何を学び、どのような強みを身につけたのかという「プロセス」の方を重視しています。

例えば、「目標だった県大会出場は叶わなかったが、その悔しさをバネに、後輩の指導方法を根本から見直すことに尽力した」という経験は、あなたの課題解決能力や他者への貢献意欲を示す素晴らしいエピソードになります。

大切なのは、結果の大小ではなく、目標に向かって真摯に取り組んだ姿勢や、その経験から得た学びを自分の言葉で語ることです。

実績がないからと諦めるのではなく、あなたの経験の中にしかない価値を見つけ出し、自信を持ってアピールしてください。

Q. 大学では文化系のサークルに入りましたが、体育会系の吹奏楽部経験はマイナスになりますか?

A. いいえ、マイナスになることは全くありません。

むしろ、そのギャップがあなたの多面的な魅力を伝える上でプラスに働く可能性もあります。

高校時代は体育会系の厳しい環境で目標達成に向けて努力し、大学では文化系のサークルで自分の興味関心を深める、という経験は、あなたが環境に応じて柔軟に対応できる人物であることや、多様な価値観を持っていることの証明になります。

重要なのは、それぞれの経験に一貫性があるかどうかではなく、それぞれの活動にどのような目的意識を持って取り組み、何を得たのかを明確に説明できることです。

面接で「なぜ大学では違う活動を?」と聞かれた際には、「高校時代に培った協調性を、大学では全く異なる分野で活かしてみたいと考えたからです」というように、前向きな理由を添えて答えると良いでしょう。

異なる経験を通して得た、幅広い視野や能力をアピールするチャンスだと捉えましょう。

Q. 面接で「なぜ大学時代のエピソードではないのですか?」と聞かれたらどう答えるべきですか?

A. この質問は、高校時代のエピソードを語る上で、最も想定しておくべき質問の一つです。

この質問をされた際に、自信を持って堂々と回答できるかどうかが、採用担当者に与える印象を大きく左右します。

回答のポイントは、正直に理由を述べつつ、その経験が自分の人格形成にどれだけ大きな影響を与えたかを熱意を持って伝えることです。

例えば、「おっしゃる通り、大学時代にも力を注いだことはございます。

しかし、私の強みである『困難な目標にも屈しない粘り強さ』の原点を形成したのは、間違いなく高校時代の吹奏楽部での経験です。

あの経験があったからこそ、大学での〇〇という挑戦も乗り越えられました。

私の根幹を最もよく表すエピソードとして、本日はこのお話をさせていただきました」というように答えるのが良いでしょう。

ただ「大学では何もしていなかった」という印象を与えないよう、大学での経験にも触れつつ、なぜ高校時代の話を選んだのかを論理的に説明することが重要です。

【ガクチカ】まとめ

今回は、ガクチカで高校時代の吹奏楽部経験をアピールする際の注意点や、効果的な伝え方について詳しく解説しました。

吹奏楽部での経験は、あなたにとってかけがえのないものであり、多くの学びがあったことと思います。

しかし、就職活動の場では、採用担当者が「大学での成長」を知りたいと考えていることを念頭に置き、慎重に扱う必要があります。

基本的には、まず大学時代の経験の中からガクチカを探すことをお勧めします。

授業やゼミ、アルバイト、趣味など、あなたが当たり前だと思っている経験の中にこそ、アピールできる要素は隠れています。

それでもなお、高校時代の吹奏楽部経験が自分を最もよく表すエピソードだと考えるのであれば、本記事で紹介したポイントを強く意識してください。

「大学での経験との関連性」「成果だけでなくプロセスの具体性」「誰にでも分かる言葉での説明」、この3点を押さえることで、あなたのガクチカは単なる思い出話から、採用担当者に響く自己PRへと昇華するはずです。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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