就職活動ではよく「挫折経験」について聞かれることがあります。
しかし、挫折といわれると「そこまで大それたエピソードがない…」と感じてしまう人も多いと思います。
本記事では、挫折経験がない・思いつかない人向けに回答例文や回答の方法、挫折経験の見つけ方について解説します。
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【挫折経験がない】挫折経験が面接で聞かれる理由
就職活動の面接で「挫折経験を教えてください」と聞かれるのは珍しいことではありません。
多くの学生は困惑しますが、実際には面接官が学生を落とすために聞いているわけではありません。
面接官は学生がどのように困難に向き合い、そこから成長してきたのかを知りたいと考えています。
そのため、挫折経験がないと感じる学生も、自分なりに努力したエピソードや壁を乗り越えた経験を整理しておくことが重要です。
自己理解の深さを知るため
面接官が「挫折経験」を尋ねる理由の一つは、学生が自分自身を客観的に理解しているかどうかを確認するためです。
困難や失敗に直面したとき、人はどのように感じ、どう行動したのかを振り返る必要があります。
この自己理解の深さこそが、将来的な成長や改善につながると判断されるのです。
したがって、挫折経験が思いつかない場合でも、小さなつまずきを「自分はどう感じたか」という視点から整理することが大切です。
課題にどう向き合うかを見たいから
面接官は、学生が課題に直面したときにどのような姿勢で取り組んだのかを知りたいと考えています。
挫折という言葉は大げさに聞こえますが、実際は「うまくいかなかったこと」「思った通りに進まなかったこと」でも構いません。
課題に向き合い改善しようとする姿勢を見せることで、企業は成長意欲を感じ取ることができます。
つまり、経験がないことを恐れるのではなく、行動や改善の姿勢を中心に語ることがポイントです。
入社後の逆境対応力を推し量るため
社会人になると、自分の思い通りにならないことや壁に直面することは日常的に起こります。
そのため企業は、学生が過去の経験を通じてどの程度逆境に耐え、どのように行動してきたのかを知りたいのです。
挫折経験を語ることは、入社後にどのように困難を乗り越えられるかを示す手段になります。
小さな出来事でも構わないので、自分なりに頑張った体験を伝えることが重要です。
【挫折経験がない】「ない」と答えるのはアリ?
面接で「挫折経験はありますか」と聞かれた際に、正直に「ない」と答えてしまう学生も少なくありません。
しかし、それだけで終わってしまうと「自己理解が浅い」「困難を経験していないため忍耐力が足りない」と誤解されるリスクがあります。
挫折経験がないと感じる場合でも、小さな壁や課題を工夫して乗り越えたエピソードを語ることが重要です。
ここでは「ない」と答えた場合にどう捉えられるのか、そしてどのように伝えるべきかを解説します。
素直に伝えるだけでは評価が下がる
挫折経験が本当に思いつかないからといって「特にありません」と答えると、面接官にマイナスの印象を与えてしまいます。
なぜなら、困難を経験していないのではなく「自分を客観視できていない」と思われる可能性があるからです。
素直に答えること自体は悪くありませんが、そのままでは評価に繋がらない点を理解しておきましょう。
必ず補足として「小さな経験ではありますが」と前置きして、工夫した出来事を具体的に示す必要があります。
小さな出来事を「挫折経験」として整理できる
挫折といっても、大きな失敗や深刻な体験である必要はありません。
勉強やアルバイト、サークル活動の中で「思ったように結果が出なかった」「当初は失敗したが工夫して改善した」といった経験も立派なエピソードです。
重要なのは「そのときに何を感じ、どのように工夫して乗り越えたのか」を説明することです。
小さな経験を挫折経験に変換して語ることで、自然で説得力のある自己PRに繋がります。
学びや改善行動があれば十分評価される
面接官が知りたいのは「どんな困難を経験したか」ではなく「そこからどう学んだか」です。
たとえ小さな課題でも、改善に向けて工夫した行動や得られた学びを伝えれば、十分に評価対象となります。
経験の大小ではなく、そこから成長につなげられるかどうかが面接官にとって最も重要なポイントです。
つまり、「挫折経験がない」こと自体は問題ではなく、伝え方次第で大きな強みに変えられるのです。
【挫折経験がない】エピソードを探すコツ
「挫折経験がない」と思っている学生でも、日常生活や学業、アルバイトなどを振り返ると小さな困難や課題は必ず存在します。
それらをどのように切り取って語るかで、立派なエピソードとして面接で活用することが可能です。
ここでは、挫折経験を見つけ出すための3つの視点を紹介します。
過去の経験を深掘りしてみる
まずは中学・高校・大学といった学業や課外活動を振り返りましょう。
大会で結果が出なかったこと、成績が伸び悩んだこと、思うように友人関係を築けなかったことなども立派なエピソードです。
大切なのは「結果がどうだったか」ではなく「どのように課題と向き合ったか」を思い出すことです。
小さな経験であっても、整理すれば十分面接で伝えられる内容になります。
アルバイトやサークル活動を振り返る
アルバイトやサークル活動では、多くの学生が小さな困難を経験しています。
アルバイトなら「接客でミスをした」「新人教育で苦労した」、サークルなら「意見が対立してまとまらなかった」などが代表的です。
これらは就活でよく使えるエピソードであり、社会人基礎力をアピールする絶好の機会です。
普段は些細に感じる出来事でも、整理して語れば「困難を乗り越えた経験」に変換できます。
日常生活の小さな工夫を思い出す
勉強方法を工夫したことや、生活習慣を改善したこともエピソードとして使えます。
例えば「時間管理が苦手だったが、スケジュール帳を導入して改善した」といった行動はシンプルながら立派な学びです。
面接官は特別な経験ではなく、身近な出来事から学んだ姿勢を評価します。
大きな困難を無理に探す必要はなく、自分の生活の中にある「小さな挑戦」を掘り起こすことがコツです。
【挫折経験がない】挫折経験を聞かれた際の回答例
「挫折経験がない」と感じる学生でも、工夫次第で自然に伝えられる回答を作ることができます。
ポイントは「困難がなかった」と言い切るのではなく、「小さな課題をどう乗り越えたか」をエピソードで示すことです。
ここでは実際に使える回答例を紹介します。
回答例① アルバイトでの工夫
私はアルバイトで新人教育を任された際、当初は指導がうまく伝わらず困難を感じました。
しかし、先輩の方法を参考にしながらマニュアルを作成し、改善を図りました。
その結果、新人の定着率が上がり店舗全体の雰囲気も良くなりました。
この経験から相手に合わせて伝え方を工夫する重要性を学びました。
この例は「困難をどう解決したか」を具体的に示しており、学びの部分を強調できています。
回答例② 学業でのチャレンジ
私はゼミ活動でプレゼンを担当した際、当初は資料作成に時間がかかりすぎ困難を感じました。
しかし、友人や先輩に相談し効率的な作成方法を取り入れたことで、最終的にはわかりやすいと高評価を得ることができました。
この経験から課題に直面したときに人に相談し改善する姿勢を身につけました。
協力や相談の重要性をアピールできる例であり、社会人基礎力の一部である協調性も伝えられます。
回答例③ サークル活動での工夫
私はサークル活動でイベントの運営を担当した際、意見が対立して計画が進まないという困難に直面しました。
私は全員が意見を出し合える場を設け、優先順位を決めることで合意形成を進めました。
結果としてイベントは成功し、仲間との信頼関係も深まりました。
この経験から人をまとめるには調整力と柔軟さが必要だと学びました。
リーダーシップや調整力をアピールできる良い例文であり、今後の仕事にも活かせる要素が盛り込まれています。
【挫折経験がない】NG回答例とその理由
挫折経験を問われた際に答え方を誤ってしまうと、面接官にマイナスの印象を与える可能性があります。
特に「ない」とだけ答えてしまうことや、不自然なエピソードを盛ることは避けるべきです。
ここではNG例文とその理由を紹介します。
NG例文① 「挫折経験はありません」だけで終わる
これまで大きな失敗や挫折を経験したことがありません。
この回答では「課題に直面した経験がない」と受け取られてしまい、学びや成長意欲を示すことができません。
たとえ大きな経験がなくても、小さな困難をどのように克服したかを伝えることが大切です。
NG例文② 嘘や盛りすぎのエピソード
大学時代に大規模プロジェクトを1人で任されましたが、苦労の末に大成功を収めました。
現実味のないエピソードは「信頼できない学生」と思われる原因になります。
挫折経験は無理に派手なものを語る必要はなく、身近で小さな出来事を誠実に語る方が効果的です。
NG例文③ ネガティブな印象で終わる回答
ゼミでの発表準備が大変で心が折れそうになり、そのまま途中で投げ出してしまいました。
挑戦をやめたままの話では、「課題を乗り越える力がない」と評価されかねません。
困難に直面した後の行動や工夫、そこから得た学びを必ず付け加えることが重要です。
【挫折経験がない】挫折経験の回答で好印象を与える工夫
「挫折経験がない」と答える場合でも、工夫次第で面接官に好印象を与えることができます。
大切なのは「困難がなかった」ことを強調するのではなく、「日常の中で小さな困難をどう克服したか」を前向きに伝えることです。
以下の工夫を意識すれば、自然で説得力のある回答に仕上げられます。
工夫① 成長意欲を強調する
困難が少なかったことを「挑戦する機会が多くなかった」と言い換え、今後は積極的に挑戦して成長したい姿勢を示すと前向きな印象を与えられます。
「大きな挫折はありませんでしたが、小さな課題を乗り越える中で工夫を学びました」と伝えると効果的です。
工夫② 小さなエピソードを掘り下げる
日常生活や学業、アルバイトなどの中での工夫や努力を「困難」として語る方法があります。
例えば「アルバイトでの新人指導」や「ゼミでの資料作成」などを題材にすれば、具体性のあるエピソードで信頼感を得られます。
工夫③ 未来につなげる視点を持つ
「過去の困難は少なかったが、社会人になってから挑戦を恐れずに取り組みたい」と未来志向でまとめるのも有効です。
「これからの成長に向けて挑戦したい」という姿勢を伝えれば、ポジティブで意欲的な印象を残せます。
【挫折経験がない】まとめ
就活で「挫折経験」を聞かれたときに答えられないと不安に感じる学生は少なくありません。
しかし、大切なのは「大きな挫折を語ること」ではなく「小さな困難からどう学び、成長につなげたか」を伝えることです。
経験がないと感じる人も、学業やアルバイト、日常の取り組みの中に必ず工夫したことや課題を克服した場面があるはずです。
それを具体的なエピソードとして整理し、学びや成長意欲と結びつけて伝えましょう。
嘘や誇張をせず、誠実な言葉で表現すれば、面接官に「自己理解がある学生」と好印象を与えることができます。
挫折経験がないと悩む必要はありません。
自分らしい言葉で小さな困難を語り、未来につながる姿勢を示すことが、就活成功への近道です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート