世界最大級の消費財メーカーであるP&G。
その日本法人であるP&Gジャパンのインターンシップは、就活生にとって圧倒的な成長機会と本選考への登竜門として、毎年絶大な人気を誇ります。
この記事では、P&Gの企業概要から、謎に包まれたインターンの実態、そして多くの学生が気になる選考の倍率や優遇情報まで、徹底的に解説していきます。
P&Gへの熱い想いを抱くあなたが、ライバルに差をつけ、憧れの舞台への切符を掴むための具体的な対策も紹介しますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
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【P&Gのインターン】P&G企業概要
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は、世界中の人々の暮らしに寄り添う製品を提供する、世界最大の日用消費財メーカーです。
その歴史は古く、1837年にアメリカで創業されました。
日本においては、P&Gジャパン合同会社として事業を展開しており、「ファブリーズ」や「アリエール」、「パンパース」、「SK-II」など、誰もが一度は手に取ったことのあるような有名なブランドを数多く保有しています。
「世界中の人々の、よりよい暮らしのために」という企業理念を掲げ、消費者のニーズを的確に捉えた製品開発力と、革新的なマーケティング戦略で業界をリードし続けています。
外資系企業ならではの実力主義の風土と、若いうちから大きな裁量権を持って挑戦できる環境は、成長意欲の高い就活生にとって非常に魅力的です。
グローバルな舞台で活躍したい、消費者の生活に直接影響を与える仕事がしたいと考えている学生にとって、P&Gは最高の環境と言えるでしょう。
多様なバックグラウンドを持つ社員が互いを尊重し、高め合う文化も、P&Gの大きな特徴の一つです。
- 会社名:P&Gジャパン合同会社
- 所在地:〒651-0088 兵庫県神戸市中央区小野柄通7-1-18
- 事業所:高崎工場(群馬県)、滋賀工場(滋賀県)など
- 代表者名:代表取締役社長 ヴィリアム・トルスカ
- 設立年月日:2006年3月3日(日本での事業開始は1973年)
- 資本金:非公開(P&Gグループとして)
- 事業内容:日本における洗濯洗浄関連製品・紙製品・医薬部外品・化粧品などの販売、輸出入
- 連絡先:お客様相談室 0120-118226(製品に関する問い合わせ)
- ホームページURL:https://jp.pg.com/
P&Gの採用倍率
P&Gの本選考における採用倍率は、公式には発表されていません。
しかし、その知名度、待遇の良さ、そしてグローバルなキャリアパスへの期待から、毎年非常に多くの優秀な学生が応募するため、採用倍率は数百倍に達するとも言われています。
この高倍率の背景には、いくつかの理由が考えられます。
まず、P&Gがマーケティングやブランドマネジメントの分野で世界的に高い評価を得ていることが挙げられます。
「マーケティングを学ぶならP&G」と言われるほど、そのノウハウは体系化されており、キャリアの初期段階から責任ある仕事を任されるため、圧倒的な成長を求める学生からの人気が集中します。
また、外資系企業ならではの成果主義に基づく高い給与水準や、多様性を重視する企業文化も、学生を惹きつける大きな要因です。
選考プロセスもユニークで、論理的思考力やリーダーシップを深く問われるため、付け焼き刃の対策では通用しません。
徹底した自己分析と企業理解に基づいた準備が不可欠であり、それが結果的に選考のハードルを上げ、高い倍率につながっているのです。
P&Gの平均年収
P&Gの平均年収は、転職サイトなどの情報によると約850万円前後と推定されており、日本のメーカーの中でもトップクラスの水準を誇ります。
ただし、これは全社員の平均値であり、年齢や役職によって大きく異なります。
特にP&Gでは「バンド」と呼ばれる職務等級制度が採用されており、年収はこのバンドに基づいて決定されます。
若手社員であっても成果を出せば早い段階で昇進・昇給が可能であり、30代で年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
この高い年収水準の理由は、P&Gがグローバルで統一された報酬体系を持つ、世界有数の優良企業であることに尽きます。
企業の業績に貢献した社員に対しては、報酬という形で正当に評価するという考え方が徹底されています。
また、「人材こそが最も重要な経営資産である」という哲学のもと、優秀な人材を惹きつけ、維持するために、競争力のある給与パッケージを提供しているのです。
厳しい選考を乗り越え、入社後も高いパフォーマンスを発揮し続けることが求められますが、それに見合った報酬と成長機会が約束されているのがP&Gの大きな魅力です。
【P&Gのインターン】インターンの概要
P&Gのインターンシップは、単なる仕事体験にとどまらない、非常に内容の濃いプログラムとして知られています。
特に有名なのが、夏に開催される職種別のサマーインターンです。
マーケティング職や営業統括職、生産統括職など、それぞれの職種で実際のビジネス課題に取り組む、いわば「リアルジョブ」形式で進行します。
学生は一人の社員として扱われ、メンター社員のサポートを受けながら、数週間にわたってプロジェクトを担当します。
このインターンシップの最大の魅力は、P&Gが長年培ってきた世界最高水準のビジネスノウハウを肌で感じられる点にあります。
データ分析に基づく戦略立案や、消費者インサイトの探求など、学校の授業では決して学べない実践的なスキルを身につけることができるでしょう。
また、全国から集まる非常に優秀な学生たちとチームを組み、切磋琢磨する経験は、大きな刺激となるはずです。
厳しい選考を勝ち抜いた者だけが参加できるこのインターンは、本選考への優遇も期待できるため、P&Gへの入社を目指す学生にとっては絶対に挑戦したいプログラムと言えます。
インターンの内容
P&Gのインターンシップは、職種ごとに特化した実践的な内容で構成されています。
最も有名なマーケティング職の「Marketing Boot Camp」では、学生は特定のブランドのマーケティング担当者として、実際のビジネス課題に取り組みます。
市場分析や消費者調査を行い、データに基づいて新しいプロモーション戦略や製品コンセプトを立案し、最終的には経営陣に対してプレゼンテーションを行います。
P&Gが誇る世界トップクラスのマーケティング理論を、実践を通じて体系的に学ぶことができるのが最大の特徴です。
営業統括職のインターンでは、得意先である小売店への営業戦略を考えるワークが中心となります。
どのようにすれば自社製品をより多く販売できるか、データを用いて論理的に提案する力が試されます。
生産統括職では、工場の生産ラインにおける課題解決など、モノづくりの根幹に関わるプロジェクトを担当します。
いずれの職種においても、社員と同様の責任と裁量が与えられ、「学生扱い」されることは一切ありません。
メンター社員からの手厚いフィードバックを受けながら、短期間で驚くほどの成長を実感できる、非常に密度の濃いプログラムとなっています。
インターンの募集時期・開催時期
P&Gのインターンシップは、主力のサマーインターンを中心に、いくつかの時期に分けて募集・開催されます。
最も規模が大きく、知名度も高いサマーインターンは、大学3年生や修士1年生を対象に、例年4月頃から募集が開始され、8月から9月にかけて開催されます。
選考期間も長いため、早めの情報収集と準備が不可欠です。
募集開始はP&Gの新卒採用サイトや各種就活ナビサイトで告知されるので、見逃さないように定期的にチェックしましょう。
サマーインターンの他にも、秋冬に1dayや数日間の短期インターンが開催されることもあります。
これらは特定の職種理解を深める目的で開催されることが多く、サマーインターンほどの規模ではありませんが、企業理解を深める絶好の機会です。
募集時期はサマーインターン終了後の秋以降になることが一般的です。
P&Gの選考は一度不合格になると、その後1年間は再応募できないというルールがあるため、どのタイミングで応募するかは慎重に判断する必要があります。
自分の準備状況や学業との兼ね合いを考え、最適な時期に応募戦略を立てることが重要です。
インターンの応募方法・選考フロー
P&Gのインターンシップへの応募は、まずP&Gの採用ホームページ「P&G Careers」からのオンライン登録が第一歩となります。
登録後、マイページが作成され、そこから各職種のインターンにエントリーします。
選考フローは職種によって若干異なりますが、一般的には以下の流れで進みます。
この選考プロセスは、応募者の論理的思考力、リーダーシップ、そしてP&Gという企業文化へのフィット感を多角的に評価するために設計されています。
各ステップの通過率は非常に低く、入念な対策が求められます。
選考フロー1:オンラインアセスメント(Webテスト)
エントリー後、最初に課されるのがオンラインアセスメントです。
これには、性格適性検査と図形や数理能力を測るテストが含まれます。
特に図形テストは独特な形式で知られており、事前の対策が必須です。
このテストの結果と、後述するサプリメンタルデータシートの内容が総合的に評価されます。
選考フロー2:サプリメンタルデータシート(ES)
オンラインアセスメントと並行して、あるいは通過後に提出を求められるのが「サプリメンタルデータシート」と呼ばれる、P&G独自のESです。
ここでは、リーダーシップを発揮した経験など、具体的なエピソードを深く掘り下げて記述することが求められます。
単なる経験の羅列ではなく、その経験から何を学び、どのようにP&Gで活かせるかを論理的に示す必要があります。
選考フロー3:面接
書類選考を通過すると、複数回の面接が待っています。
面接は個人面接が基本で、オンラインまたは対面で実施されます。
サプリメンタルデータシートに記載したエピソードに基づき、「なぜそう行動したのか」「他に選択肢はなかったのか」といった深掘りの質問が繰り返されます。
過去の行動と思考のプロセスを徹底的に問われるため、自己分析の深さが試される場となります。
【P&Gのインターン】インターンの倍率
P&Gのインターンシップ、特に人気の高いサマーインターンの倍率は、本選考同様に公式発表されていません。
しかし、その圧倒的な人気と、本選考への優遇が期待できることから、倍率は数百倍、場合によってはそれ以上に達すると考えるのが妥当でしょう。
募集職種によっては採用人数が数名から十数名程度と非常に少ない一方で、応募者は全国のトップレベルの学生が数千人単位で殺到します。
外資系企業やマーケティング職を志望する学生のほとんどが応募すると言っても過言ではなく、その競争の激しさは想像に難くありません。
この極めて高い倍率を突破するためには、他の学生との差別化が不可欠です。
P&Gが求めるリーダーシップ像を深く理解し、自身の経験と結びつけて具体的に語れるかどうかが、選考の大きな分かれ目となります。
生半可な気持ちで応募しても、最初のオンラインテストで足切りされてしまう可能性が高いのが現実です。
それほどP&Gのインターンは狭き門であり、参加すること自体が非常に価値のある経験と言えるのです。
P&Gのインターンは倍率が高い理由
P&Gのインターンシップ倍率がこれほどまでに高くなるのには、明確な理由が3つあります。
第一に、プログラムの質の高さと得られる成長実感です。
P&Gのインターンは「リアルジョブ」そのものであり、学生は社員と同じレベルの責任と裁量を与えられます。
世界トップクラスのビジネスパーソンから直接フィードバックを受けながら、実践的な課題解決に取り組む経験は、他のどのインターンシップでも得難い圧倒的な成長機会を提供します。
この評判が口コミで広がり、成長意欲の高い優秀な学生が殺到するのです。
第二に、本選考への強力な優遇パスとしての側面です。
インターンシップで高い評価を得た学生は、早期選考や一部選考免除といった形で本選考を有利に進めることができます。
実質的にインターンが本選考の一部となっているため、P&Gへの入社を本気で目指す学生にとっては、絶対に通過したい関門となります。
最後に、参加すること自体の価値、つまり「箔がつく」という点も無視できません。
最難関インターンの一つであるP&Gの選考を突破したという事実は、他の企業の選考においても自身の優秀さを証明する強力な武器となり得るのです。
選考通過率はどれくらい?
P&Gインターンの具体的な選考通過率は公表されていませんが、数百倍と推定される倍率から考えると、各選考段階での通過率が非常に低いことは明らかです。
仮に倍率が200倍だとすると、全体の通過率はわずか0.5%です。
最初の関門であるオンラインアセスメント(Webテストとサプリメンタルデータシート)の段階で、応募者の大半がふるい落とされると考えられます。
ここでの通過率は10%~20%程度ではないかと推測されます。
つまり、10人の応募者のうち、面接に進めるのは1人か2人という計算になります。
続く面接も複数回行われ、そのたびに通過者は絞られていきます。
最終的にインターン参加の切符を手にできるのは、全応募者の中でもほんの一握りの、まさにトップ層の学生だけです。
この数字からも、P&Gのインターン選考がいかに厳しいかがわかるでしょう。
しかし、これは裏を返せば、選考プロセスの一つ一つを丁寧に対策し、着実に突破していくことができれば、必ず道は開けるということです。
通過率の低さに臆することなく、万全の準備で臨むことが何よりも重要です。
【P&Gのインターン】インターン優遇はある?
多くの就活生が最も気にするのが、インターン参加者への優遇措置の有無でしょう。
結論から言うと、P&Gのインターンシップ、特にサマーインターンに参加し、そこで高いパフォーマンスを発揮した学生に対しては、本選考における強力な優遇が存在すると考えられています。
これは多くの就活情報サイトや過去の参加者の体験談で共通して語られている事実です。
P&Gにとって、数週間にわたるインターンシップは、応募者の能力や人柄をじっくりと見極める絶好の機会です。
書類や数回の面接だけではわからない、実践的な課題解決能力やチームでの協調性、プレッシャーのかかる状況での思考力などを評価できるため、インターンでの評価を重視するのは当然と言えます。
具体的には、早期選考への招待や、本選考のステップが一部免除されるといった優遇措置が一般的です。
ただし、重要なのは「インターンに参加すれば誰でも優遇されるわけではない」という点です。
あくまでインターン期間中の成果や行動が評価対象となるため、参加者は常に高い意識を持ってプログラムに臨む必要があります。
早期選考優遇
P&Gのサマーインターンシップで高い評価を得た学生は、通常の選考スケジュールよりも早い段階で始まる早期選考に招待されるケースが多いようです。
これは、企業側が「優秀だと判断した学生を他社に先駆けて確保したい」と考えるためであり、多くのトップ企業で採用されている手法です。
早期選考では、一般の学生が応募する本選考とは別のクローズドなルートで選考が進みます。
インターン終了後、比較的早いタイミングで次の選考ステップの案内が届き、年内には内々定が出ることも少なくありません。
この優遇を得ることで、他の学生よりも精神的に余裕を持って就職活動を進めることができるという大きなメリットがあります。
本選考優遇
早期選考への招待に加えて、具体的な本選考プロセスにおける優遇も存在します。
最も一般的なのが、選考フローの一部免除です。
例えば、通常であれば複数回実施される面接が1回で済んだり、グループディスカッションが免除されたりといったケースが考えられます。
インターンシップという長期間の実践的な選考を通じて、すでに応募者の能力は十分に評価されているため、企業側も効率的な選考を行いたいと考えています。
最終面接のみで内定に至る「ジョブ内定」の形も、実質的な本選考優遇と言えるでしょう。
こうした優遇措置は、P&Gがインターンシップを単なる企業PRの場としてではなく、採用活動に直結する重要なプロセスと位置づけている証拠です。
インターンで成果を出すことが、P&Gの内定への最も確実な近道であることは間違いないでしょう。
【P&Gのインターン】P&Gのインターンに関する最新のニュース(25年8月時点)
P&Gのようなグローバル企業は、常に変化する市場や社会のニーズに対応するため、その事業戦略や採用方針もアップデートされ続けています。
就職活動においても、企業の最新動向を把握しておくことは、ライバルと差をつける上で非常に重要です。
特に、企業の業績や新しい取り組みに関するニュースは、面接での会話のきっかけや、志望動機を深めるための材料になります。
ここでは、2025年8月時点でのP&Gに関する注目すべきニュースを2つ紹介します。
これらの情報を参考に、自分なりの考えをまとめておくことで、より説得力のあるアピールが可能になるでしょう。
単にニュースを知っているだけでなく、そのニュースが何を意味し、今後P&Gにどのような影響を与えるかまで考察することが、深い企業研究の証となります。
企業の目指す方向性と自分のキャリアビジョンを重ね合わせて語れるよう、準備しておきましょう。
P&G、2025年6月通期で増収増益を達成
2025年7月末に発表されたP&Gの2025年6月通期決算(2024年7月〜2025年6月)によると、売上高は前期比で微増、営業利益は10.3%増となり、堅調な業績を維持していることが明らかになりました。
特に営業利益率が向上している点は、コスト管理や高付加価値製品へのシフトが成功していることを示唆しています。
このニュースは、P&Gが世界的な経済の不確実性の中にあっても、強力なブランド力と巧みな経営戦略によって安定した成長を遂げる力があることを証明しています。
就活生としては、この安定した経営基盤が、社員にとって長期的なキャリアを築きやすい環境や、新しい挑戦への投資を可能にしていると捉えることができます。
面接などで「貴社の強み」を問われた際に、具体的な決算内容に触れながら、その成長の要因を自分なりに分析して話すことができれば、他の学生よりも一歩踏み込んだ企業理解を示すことができるでしょう。
27卒向けサマーインターンシップの募集開始
P&Gの採用サイトでは、既に27卒学生を対象としたサマーインターンシップの募集が開始されています。
例えば、営業統括部門では「Strategic Selling Challenge Summer」と題した1dayインターンシップのエントリーを受け付けています。
これは、P&Gが早期から優秀な学生との接点を持ちたいと考えている証拠です。
注目すべきは、単に仕事を体験するだけでなく「Challenge」という言葉が使われている点です。
これは、参加者に高いレベルの課題解決能力を求めていることの表れと言えるでしょう。
これからインターン選考に臨む学生は、この「挑戦」というキーワードを意識し、過去の経験の中から、困難な状況を乗り越え、高い目標を達成したエピソードを準備しておく必要があります。
なぜ自分がその「Challenge」にふさわしい人材なのかを、具体的な経験に基づいてアピールすることが、選考を突破する上で極めて重要になります。
【P&Gのインターン】インターンに受かるための対策ポイント
P&Gの超難関インターンを突破するためには、付け焼き刃の対策では全く歯が立ちません。
周到な準備と戦略的なアプローチが不可欠です。
多くの学生が憧れるこの機会を掴むためには、P&Gがどのような人材を求めているのかを正確に理解し、それに合わせて自分を最大限にアピールする必要があります。
具体的には、P&Gが選考で一貫して重視している「リーダーシップ」と「論理的思考力」を、選考の各ステップで証明することが求められます。
しかし、ただ「私にはリーダーシップがあります」と主張するだけでは不十分です。
自身の具体的な経験と結びつけ、説得力のあるストーリーとして語ることが重要になります。
また、オンラインテストから面接に至るまで、すべてのプロセスで一貫性のあるアピールを心がけることも大切です。
ここでは、数多くの内定者を支援してきた経験から、特に重要だと考える2つの対策ポイントを、その理由とともに詳しく解説します。
この2点を徹底的に磨き上げることが、合格への最短ルートとなるでしょう。
P&Gの求めるリーダーシップ像「5E」を体現するエピソードを準備する
P&Gの選考対策で最も重要なのが、独自のリーダーシップモデルである「5E」を深く理解することです。
5Eとは、Envision(目標を描く力)、Engage(周りを巻き込む力)、Energize(活気づける力)、Enable(可能にする力)、Execute(実行する力)の5つの要素を指します。
P&Gは、これらの能力をバランス良く備えた人材を求めています。
対策としては、まず自分の過去の経験(アルバイト、サークル、ゼミなど)を棚卸しし、それぞれの経験が5Eのどの要素に当てはまるかを分析してみましょう。
そして、サプリメンタルデータシートや面接で語るための具体的なエピソードを複数準備します。
なぜこの対策が必要かというと、P&Gの面接では「あなたのリーダーシップ経験を教えてください」という漠然とした質問ではなく、「目標達成のために、どのように周りのメンバーを巻き込みましたか?(Engage)」といった形で、5Eの各要素をピンポイントで問われるからです。
事前にエピソードを整理し、構造化しておくことで、どのような角度から質問されても、自信を持って論理的に回答できるようになります。
「なぜ?」を5回繰り返す自己分析で、行動の軸を明確にする
P&Gの面接は、一つのエピソードに対して「なぜそう考えたのか?」「なぜその行動を選んだのか?」と、深掘りの質問が執拗に繰り返されるのが特徴です。
この「なぜなぜ攻撃」に対応するためには、表面的な自己分析では全く足りません。
そこでおすすめしたいのが、「なぜ?」を5回繰り返す自己分析手法です。
例えば、「サークルの副部長として新入生歓迎イベントを成功させた」という経験に対して、「なぜ成功させようと思ったのか?」「なぜその施策を選んだのか?」「なぜメンバーは協力してくれたのか?」と、自分の行動や思考の背景を徹底的に掘り下げていきます。
この対策が必要な理由は、P&Gが単なる成功体験の結果だけでなく、その裏にある応募者の価値観や思考プロセス、つまり「行動の軸」を知りたいと考えているからです。
この深掘り作業を通じて、自分の強みや弱み、大切にしている価値観が明確になり、どんな質問に対しても一貫性のある、自分らしい回答ができるようになります。
これは、自分自身を深く理解し、自信を持って面接に臨むための不可欠なトレーニングなのです。
【P&Gのインターン】インターンに落ちたら本選考は受けられない?
P&Gのインターン選考に落ちてしまった場合、「もう本選考は受けられないのだろうか…」と不安に思うかもしれません。
結論から言うと、心配は不要です。
P&Gでは、インターン選考に落ちた場合でも、本選考に再チャレンジすることは可能です。
ただし、一点だけ非常に重要な注意点があります。
それは「1年ルール」と呼ばれるものです。
P&Gの選考は、職種やインターン・本選考の区別なく、一度不合格になると、その時点から1年間は再応募することができません。
例えば、2025年8月のサマーインターン選考で不合格となった場合、次にP&Gの選考に応募できるのは2026年8月以降となります。
そのため、同じ採用年度の秋冬インターンや本選考に再度エントリーすることはできません。
このルールを理解した上で、応募のタイミングを戦略的に考える必要があります。
もし準備不足を感じるのであれば、あえてサマーインターンの応募を見送り、秋冬や本選考に向けて万全の対策を整えるというのも一つの賢明な選択です。
一度の不合格がキャリアの終わりを意味するわけではないので、前向きに捉え、次のチャンスに向けてしっかりと準備を進めましょう。
【P&Gのインターン】P&Gのインターンに関するよくある質問
ここまでP&Gのインターンについて詳しく解説してきましたが、まだ個別の疑問や不安を抱えている方も多いかもしれません。
P&Gのインターンは情報が限られている部分もあり、多くの就活生が同じような点で悩んでいます。
ここでは、就活アドバイザーとして学生から頻繁に受ける質問の中から、特に重要なものを3つピックアップし、分かりやすく回答していきます。
例えば、「学歴フィルターは実際にあるのか?」、「高い英語力は必須なのか?」、「どのような性格の人が向いているのか?」といった疑問は、多くの人が気になるところでしょう。
これらの質問に対する答えを知ることで、P&Gインターンへの理解がさらに深まり、より効果的な対策を立てることができるはずです。
漠然とした不安を解消し、自信を持って選考に臨むために、ぜひ参考にしてください。
Q1. いわゆる「学歴フィルター」はありますか?
A1. P&Gの選考において、「特定の大学以下は無条件で不合格」というような明確な学歴フィルターは存在しないと言われています。
実際に、様々な大学から採用実績があります。
しかし、結果として、難関大学の学生が多く採用されているのも事実です。
これは、P&Gが求める高度な論理的思考力やリーダーシップを、厳しい受験戦争を勝ち抜いてきた学生が有しているケースが多いためと考えられます。
重要なのは大学名そのものではなく、P&Gが求める能力を自分が持っているか、そしてそれを論理的に証明できるかです。
サプリメンタルデータシートや面接での受け答えが論理的で説得力に富んでいれば、学歴に関係なく評価されます。
自分の大学名に臆することなく、中身で勝負するという強い意志を持って選考に臨んでください。
Q2. 英語力はどれくらい必要ですか?
A2. P&Gはグローバル企業であり、社内の公用語が英語の部署も存在するため、高い英語力があれば大きなアドバンテージになることは間違いありません。
しかし、応募段階で必ずしも流暢な英語力が必須というわけではありません。
特に国内の営業職や一部の職種では、入社後に学ぶ意欲があれば問題ないとされています。
選考も基本的には日本語で行われます。
ただし、マーケティング職など、海外との連携が頻繁に発生する職種を目指す場合は、ビジネスレベルの英語力がある方が有利です。
英語力に自信がない場合でも、「入社後、英語力を向上させるために具体的に何をするか」という学習意欲や計画性を示すことで、ポテンシャルを評価してもらえる可能性があります。
英語力はあくまでツールの一つであり、それ以上に論理的思考力やリーダーシップといった本質的な能力が重視されることを忘れないでください。
Q3. どのような人がP&Gのインターンに向いていますか?
A3. P&Gのインターン、ひいてはP&Gという会社に向いているのは、一言で言えば「成長意欲の高いリーダータイプ」です。
具体的には、困難な課題に対しても臆することなく、自ら目標を設定し、周りを巻き込みながら粘り強く解決策を実行できる人が求められます。
また、データに基づいて物事を論理的に分析し、戦略を立てることが好きな人も向いています。
P&Gのインターンは、手厚くおもてなしされる「お客様」ではなく、一人の社員として厳しい成果を求められる場です。
そのため、プレッシャーのかかる状況を楽しめるタフな精神力と、失敗から学び次に活かす前向きな姿勢も不可欠です。
自分がこの人物像に当てはまるか、過去の経験を振り返って考えてみてください。
【P&Gのインターン】まとめ
この記事では、世界最大級の消費財メーカーP&Gのインターンシップについて、その概要から選考の倍率、対策ポイントまでを網羅的に解説してきました。
P&Gのインターンは、リアルなビジネス課題に取り組むことで圧倒的な成長を遂げられる、まさに「最強の成長機会」です。
その分、選考は数百倍にも達する超難関であり、突破するためにはP&Gが求めるリーダーシップ像を深く理解し、自身の経験と結びつけて語るという徹底した準備が欠かせません。
重要なのは、インターンに参加すること自体がゴールなのではなく、そこで何を得たいのか、そしてその経験を将来どのように活かしていきたいのかを明確にすることです。
この記事で得た情報を武器に、自信を持ってP&Gインターンという高い壁に挑戦してください。
あなたの挑戦を心から応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート