「商社で働きたい!」就活生の皆さんなら、一度はそう考えたことがあるかもしれませんね。
世界を舞台に大きなビジネスを動かす商社は、いつの時代も学生にとって憧れの的です。
しかし、その華やかなイメージとは裏腹に、実際の仕事内容や働き方を具体的にイメージできている人は少ないのではないでしょうか。
そこで強くおすすめしたいのが、商社のインターンシップに参加することです。
インターンシップは、業界や企業への理解を深める絶好の機会であると同時に、本選考への切符を掴むための重要なステップでもあります。
この記事では、商社のインターンシップの概要から、具体的なプログラム内容、人気企業の情報、そして難関を突破するための選考対策まで、皆さんが知りたい情報を余すところなく解説していきます。
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【商社のインターンシップ】商社とは
まず、「商社」がどのような役割を担う企業なのか、基本的なところからおさらいしておきましょう。
商社とは、非常に幅広い商品やサービスを取り扱い、それらを必要とする企業と企業を結びつけることで利益を生み出す「トレーディング」を主な事業とする会社です。
「ラーメンからロケットまで」と表現されるように、食料品や繊維、エネルギー、金属、化学品、機械など、その領域は多岐にわたります。
近年では、トレーディングで得た資金や情報、ネットワークを活かして、世界中の企業の経営に参画し、事業を育てる「事業投資」にも力を入れています。
商社は大きく「総合商社」と「専門商社」に分けられます。
総合商社は前述の通りあらゆる分野の商品を取り扱う一方、専門商社は鉄鋼や食品といった特定の分野に特化しているのが特徴です。
どちらも日本の経済、そして世界のビジネスシーンにおいて欠かせない重要な役割を担っています。
【商社のインターンシップ】インターンシップを募集している職種
商社のインターンシップは、その後のキャリアを大きく左右する重要な経験となります。
多くの学生が憧れる商社ですが、インターンシップではどのような職種が募集されているのでしょうか。
一般的に、商社のインターンシップは総合職と一般職(またはそれに準ずる職種)の2つに大別されます。
総合職は将来の幹部候補として、国内外を問わず幅広い業務を経験し、ビジネスの最前線で活躍することが期待されるポジションです。
一方、一般職は特定の分野で専門性を高め、事業活動を円滑に進めるためのサポート役を担います。
どちらの職種を選ぶかによって、インターンシップで体験する内容や求められるスキルも大きく異なります。
自分の興味や適性、将来のキャリアプランをしっかりと見つめ直し、どの職種に応募するのかを考えることが、商社インターンシップの第一歩と言えるでしょう。
ここでは、それぞれの職種について、具体的な仕事内容やインターンシップで体験できることを詳しく解説していきます。
自分に合った職種を見極め、効果的なアピールに繋げてください。
総合職
商社のインターンシップで最も募集が多いのが、この「総合職」です。
総合職は、将来的に会社の経営を担うことが期待されるポジションであり、国内外の様々な部署を経験しながらキャリアを積んでいきます。
主な仕事内容は、特定の商品やサービスを世界中の企業間で売買するトレーディング業務や、有望な企業やプロジェクトに投資して価値を高める事業投資です。
インターンシップでは、これらの業務を疑似体験できるようなプログラムが組まれていることが多く、例えば「特定の国で新規事業を立案せよ」といったテーマでグループワークを行うなど、非常に実践的な内容となっています。
求められるのは、語学力や論理的思考力はもちろんのこと、どんな環境でも主体的に行動し、周囲を巻き込みながら成果を出せるリーダーシップやコミュニケーション能力です。
インターンシップを通じて、社員の方々と議論を交わしたり、複雑なビジネス課題に取り組んだりする中で、商社パーソンに求められる圧倒的な当事者意識やタフさを肌で感じることができるでしょう。
一般職(ビジネスサポート職など)
総合職がビジネスの最前線でダイナミックに活躍する一方、「一般職」や「ビジネスサポート職」と呼ばれる職種は、その活動を円滑に進めるための重要な役割を担います。
具体的な業務としては、トレーディングに関わる受発注や納期管理、船積書類の作成といった貿易実務、営業担当者のアシスタント業務、経理や人事といったコーポレート部門での業務など多岐にわたります。
インターンシップでは、こうした定型的な業務の一部を体験したり、社員の方々がどのように連携して一つのビジネスを動かしているのかを学んだりするプログラムが中心となります。
求められるのは、正確かつ迅速に物事を処理する能力や、細やかな気配り、そしてチームの一員として貢献しようとする協調性です。
総合職のインターンシップに比べて、実際のオフィスで社員の方々と一緒に働く就業体験型のプログラムが多いのも特徴です。
商社のビジネスが、多くの専門的なサポート業務によって支えられていることを理解できる貴重な機会となるでしょう。
【商社のインターンシップ】商社のインターンシップの時期
憧れの商社インターンシップに参加するためには、まず選考スケジュールを正確に把握しておくことが不可欠です。
商社のインターンシップは、他の業界と比較しても早期から募集が開始される傾向にあり、「気づいた時には募集が終わっていた」という事態は絶対に避けなければなりません。
一般的に、大学3年生(修士1年生)の夏休みや冬休みに開催されるプログラムが多く、それに合わせて募集や選考が行われます。
特に、夏に実施されるサマーインターンは規模も大きく、本選考への影響も大きいとされるため、多くの学生がターゲットにしています。
企業の採用サイトや就活情報サイトをこまめにチェックし、エントリーシートの提出締切やWebテストの受検期間など、重要な日程を見逃さないようにしましょう。
また、近年では大学1、2年生を対象とした早期のプログラムを実施する企業も増えています。
ここでは、具体的な募集期間と開催期間について詳しく解説していきますので、しっかりと情報収集を行い、計画的に準備を進めていきましょう。
募集期間
商社のインターンシップの募集は、主に大学3年生の4月から6月頃に夏のプログラムの募集が始まり、10月から11月頃に冬のプログラムの募集が行われるのが一般的です。
特に、三菱商事や三井物産といった五大商社のサマーインターンは非常に人気が高く、大学3年生になってすぐに情報収集を開始し、エントリーの準備を始める必要があります。
エントリーシートの提出だけでなく、Webテストの受検や面接が複数回行われるなど、選考プロセスも長いため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。
また、企業によっては、本選考と同様にOB・OG訪問が選考に影響する場合もあります。
募集要項をよく読み、どのような準備が必要なのかを正確に把握しておきましょう。
多くの企業では、公式LINEやメールマガジンに登録することで、インターンシップの募集開始情報を受け取ることができますので、志望度の高い企業は忘れずに登録しておくことをおすすめします。
開催期間
インターンシップの開催期間は、プログラムの内容によって大きく異なりますが、主に夏休み期間中である8月から9月、そして冬休み期間中である12月から2月にかけて集中的に実施されます。
期間の長さも様々で、1日で完結するセミナー形式のものから、数日間にわたるグループワーク形式、長いものでは1ヶ月以上にわたって実際の職場で就業体験を積むものまであります。
特に、本選考に直結する可能性が高いとされるのは、5日間以上の長期にわたって行われる実践的なプログラムです。
これらのプログラムは、参加できる人数も限られており、選考の倍率も非常に高くなります。
学業や他の活動との兼ね合いも考えながら、どのインターンシップに参加するのかを戦略的に選ぶことが大切です。
複数の企業のインターンシップに参加したい場合は、開催時期が重ならないように事前にしっかりと計画を立てておきましょう。
【商社のインターンシップ】商社のインターンシップの内容
商社のインターンシップと一言で言っても、その内容は企業やプログラムによって千差万別です。
1日で完結する企業説明会に近いものから、数週間にわたって実際のビジネス課題に取り組むものまで、その形式は多岐にわたります。
しかし、いずれのプログラムにも共通しているのは、学生に商社というビジネスの面白さやダイナミズムを体感してもらい、自社への志望度を高めてもらうという目的があることです。
そのため、多くのインターンシップでは、社員との交流会や座談会が設けられており、現場で働く人々の生の声を聞く貴重な機会となっています。
自分がインターンシップを通じて何を得たいのか、どのようなスキルを試したいのかを明確にすることで、数あるプログラムの中から自分に最も合ったものを見つけることができるでしょう。
ここでは、商社のインターンシップでよく見られる代表的なプログラム内容をいくつかご紹介します。
これらの内容を参考に、自分が挑戦してみたいプログラムのイメージを具体的に膨らませてみてください。
講義・セミナー型
講義・セミナー型のインターンシップは、1日から2日程度の短期間で開催されることが多く、商社ビジネスの全体像や各部門の役割について、社員の方々が講義形式で解説してくれるプログラムです。
商社がどのような事業を展開し、社会にどのような価値を提供しているのかといった基本的な知識をインプットするのに最適な機会と言えるでしょう。
また、若手社員からベテラン社員まで、様々なバックグラウンドを持つ方々のキャリアパスを聞くパネルディスカッションや、学生からの質問にフランクに答えてくれる座談会などが含まれていることもあります。
この形式のインターンシップは、まだ商社業界について詳しくないという方や、まずは気軽に業界研究を始めたいという方におすすめです。
選考プロセスが比較的簡単な場合が多く、参加のハードルが低いのも魅力の一つですが、その分、受け身の姿勢でいると得られるものが少なくなってしまうため、積極的に質問をするなど能動的な参加が求められます。
グループワーク型
グループワーク型のインターンシップは、商社のインターンシップの中で最も主流な形式と言えるでしょう。
4〜6人程度の学生でチームを組み、企業から与えられた特定のテーマについて、数日間かけて議論し、最終的に社員の前でプレゼンテーションを行うという流れが一般的です。
テーマとしては、「〇〇国で新規事業を立ち上げるための戦略を提案せよ」や「ある商品のトレーディングにおける課題を解決せよ」といった、実際のビジネスに近いものが設定されます。
このプログラムでは、論理的思考力や情報収集能力はもちろん、チーム内で円滑に議論を進めるための協調性や、意見の対立を乗り越えて結論を導き出すリーダーシップが試されます。
最終日のプレゼンテーションでは、現役の社員から厳しいフィードバックを受けることもあり、自分の未熟さを痛感するかもしれませんが、ビジネスの最前線で求められる思考のレベルや視座の高さを肌で感じられる非常に刺激的な経験となるはずです。
就業体験型
就業体験型は、実際に企業のオフィスで、社員の方々と一緒に働きながら業務を体験するプログラムです。
数週間から1ヶ月以上という長期間にわたって実施されることが多く、参加できる人数もごく少数に限られています。
配属された部署で、市場調査や資料作成、議事録の作成といった実務の一部を担当させてもらえるため、商社で働くということを最もリアルに体感できる形式と言えるでしょう。
社員の方々が日々どのようなスケジュールで働き、どのようにコミュニケーションを取りながら仕事を進めているのかを間近で見ることができるのは、このプログラムならではの大きな魅力です。
また、ランチや飲み会などを通じて、仕事以外の場面で社員の方々と交流する機会も多く、企業のカルチャーや雰囲気を深く理解することができます。
このタイプのインターンシップは、企業と学生の相互理解を深める場であり、参加後の本選考では非常に高い評価を得られる可能性があります。
【商社のインターンシップ】商社のインターンシップが人気な理由
就職活動において、商社のインターンシップはいつの時代も学生から絶大な人気を誇ります。
その背景には、単に「かっこいい」「グローバル」といった漠然としたイメージだけではなく、学生を惹きつけてやまない具体的な理由が存在します。
高い給与水準や世界を股にかけるダイナミックな仕事内容はもちろんのこと、インターンシップに参加すること自体が、その後の就職活動を有利に進めるための大きなアドバンテージになると考えられているからです。
難関とされる選考を突破し、インターンシップに参加したという経験は、自分自身の大きな自信に繋がるだけでなく、他社の選考においても優秀な学生であることの証明として機能することがあります。
多くの学生が時間と労力をかけてでも参加したいと考えるのは、それに見合うだけの、あるいはそれ以上の価値ある経験が得られると期待しているからに他なりません。
ここでは、なぜ商社のインターンシップがこれほどまでに人気なのか、その理由を3つの観点から深掘りしていきます。
これらの理由を理解することで、選考に臨む際のモチベーションもさらに高まるはずです。
給与水準の高さと安定性
商社が就活生から人気を集める最も分かりやすい理由の一つが、その給与水準の高さです。
日本の企業の中でもトップクラスの平均年収を誇り、若いうちから高い収入を得られることは、多くの学生にとって大きな魅力と言えるでしょう。
インターンシップは、そうした高待遇の企業で働くことのイメージを具体的に掴む最初のステップです。
実際に豪華なオフィスを訪れたり、優秀でスマートな社員の方々と交流したりする中で、「自分も将来このようになりたい」という憧れを抱く学生は少なくありません。
高い給与は、単に贅沢な暮らしができるというだけでなく、自己投資や将来の選択肢を広げるための重要な基盤となります。
また、総合商社は長い歴史を持つ大企業であり、その事業基盤は非常に安定しています。
経済の動向に左右されにくい安定した環境で、長期的なキャリアを築いていけるという安心感も、学生が商社を志望する大きな動機となっています。
グローバルに活躍できる機会
「世界を舞台に働きたい」という夢を持つ学生にとって、商社はまさに理想的な環境です。
商社のビジネスは本質的にグローバルであり、海外出張や海外駐在の機会が非常に多いことで知られています。
インターンシップのプログラムにおいても、海外の市場をテーマにしたグループワークや、海外駐在経験のある社員との座談会が組まれることが多く、グローバルなキャリアへの期待感を高めてくれます。
語学力を活かしたい、多様な文化を持つ人々と一緒に仕事がしたいと考えている学生にとって、商社ほど魅力的な選択肢は他にないかもしれません。
重要なのは、単に海外に行けるというだけでなく、日本の代表として世界のビジネスパートナーと対等に渡り合い、大きな価値を創造していくというダイナミックな仕事に携われる点です。
インターンシップを通じて、そうした仕事のスケールの大きさや責任の重さを垣間見ることで、多くの学生が商社で働くことへの強い意欲をかき立てられます。
本選考に直結する可能性がある
商社のインターンシップ、特に夏から冬にかけて行われる数日間のプログラムは、本選考のプロセスの一部として位置づけられているケースが少なくありません。
インターンシップでのパフォーマンスが高く評価された学生は、その後の選考フローが一部免除されたり、「特別選考ルート」に招待されたりすることがあります。
これは企業側にとっても、時間をかけてじっくりと学生の能力や人柄を見極めることができるというメリットがあります。
学生にとっては、早期に内定を獲得できるチャンスであると同時に、厳しい本選考を有利に進めるための大きなアドバンテージとなります。
そのため、多くの優秀な学生が、この貴重な機会を逃すまいと全力でインターンシップの選考に臨みます。
インターンシップに参加することがゴールではなく、そこで高い評価を得て次のステップに繋げることを意識して取り組む姿勢が、内定を勝ち取る上で非常に重要になるのです。
【商社のインターンシップ】商社のインターンシップの特徴
数ある業界の中でも、商社のインターンシップにはいくつかの際立った特徴があります。
これらの特徴を事前に理解しておくことは、効果的な準備と対策を行う上で非常に重要です。
まず、多くの学生が憧れる業界であるため、その門戸は極めて狭く、生半可な準備では到底太刀打ちできないという現実があります。
また、厳しい選考を勝ち抜いて参加してくるのは、全国トップクラスの大学に所属し、かつ様々な経験を積んできた優秀な学生ばかりです。
そうした環境に身を置くこと自体が、大きな刺激と学びになるでしょう。
そして、プログラムの内容も、実際のビジネスを凝縮したような、思考力と体力の両方が求められるタフなものが多くなっています。
単なる企業説明会や簡単な仕事体験とは一線を画す、非常に中身の濃い経験ができるのが、商社インターンシップの最大の特徴と言えます。
ここでは、これら3つの特徴について、さらに詳しく見ていきましょう。
これらの特徴を覚悟の上で臨むことが、インターンシップを乗り越え、成長するための鍵となります。
選考倍率が非常に高い
商社のインターンシップの最大の特徴として、まず挙げられるのが選考倍率の高さです。
企業の知名度、待遇の良さ、仕事のスケールの大きさから、毎年全国から非常に多くの学生が応募します。
特に五大商社と呼ばれるようなトップ企業のインターンシップでは、募集人数が数十名であるのに対し、応募者は数千人にものぼり、その倍率は数百倍に達することも珍しくありません。
この狭き門を突破するためには、他の学生との差別化を図るための徹底した自己分析と企業研究が不可欠です。
エントリーシートの設問一つひとつに、自分の経験と企業の求める人物像を関連付けながら、論理的かつ情熱的に記述する必要があります。
また、Webテストや複数回の面接など、選考プロセスも長丁場になることが多いため、最後まで高い集中力とモチベーションを維持し続ける精神的な強さも求められます。
参加学生のレベルが高い
厳しい選考を勝ち抜いた学生だけが、商社のインターンシップに参加することができます。
そのため、会場に集うのは、いわゆるトップ大学の学生が中心であり、それに加えて体育会の部活動で全国レベルの実績を残していたり、長期の海外留学や起業経験があったりと、個性豊かで優秀な学生ばかりです。
グループワークでは、自分とは異なる強みを持つメンバーと意見をぶつけ合い、一つの目標に向かって協力していくことになります。
自分がいかに狭い世界で生きてきたかを痛感させられると同時に、知的な刺激に満ちた非常に有意義な時間を過ごすことができるでしょう。
彼らとのディスカッションを通じて、自分に足りない視点や考え方を学ぶことができますし、インターンシップ後も続くような貴重な人脈を築くことも可能です。
このレベルの高い環境に身を置き、切磋琢磨すること自体が、商社インターンシップに参加する大きな価値の一つと言えます。
実践的なプログラムが多い
商社のインターンシップは、座学で知識をインプットするだけの受け身なプログラムではありません。
むしろ、実際のビジネス現場で起こりうるような複雑な課題を与えられ、限られた時間の中でチームとして解決策を導き出す、極めて実践的な内容が中心となります。
例えば、新規事業立案のワークでは、膨大な資料を読み込んで市場を分析し、事業の収益性を計算し、リスクを洗い出した上で、説得力のある提案をまとめ上げなければなりません。
そこでは、論理的思考力や分析能力だけでなく、プレッシャーのかかる状況で成果を出すための精神的なタフさや、チームをまとめるリーダーシップが問われます。
現役の社員からは、学生扱いではない、ビジネスパーソンとしての厳しい視点でフィードバックが与えられます。
こうした濃密な経験を通じて、商社で働くことの面白さと厳しさをリアルに体感できることでしょう。
【商社のインターンシップ】商社でインターンシップに参加するメリット
競争率が非常に高く、参加のハードルも高い商社のインターンシップですが、それでも挑戦する価値のある大きなメリットが存在します。
それは、単に「本選考で有利になるから」という直接的な理由だけではありません。
インターンシップという濃密な経験を通じて得られる学びや気づきは、たとえその企業の選考に進まなかったとしても、その後の就職活動全体、ひいては皆さんのキャリア観そのものにポジティブな影響を与えてくれます。
憧れの企業の内側に入り、社員の方々と触れ合い、レベルの高い仲間と切磋琢磨する数日間は、間違いなく皆さんを大きく成長させてくれるはずです。
漠然とした憧れを具体的な目標に変え、就職活動へのモチベーションを飛躍的に高めることができるのが、商社インターンシップに参加する最大のメリットと言えるでしょう。
ここでは、その具体的なメリットを3つの側面に分けて詳しく解説していきます。
これらのメリットを意識することで、インターンシップへの参加意欲がさらに増すに違いありません。
業界・企業理解が深まる
商社が「ラーメンからロケットまで」と称されるように、その事業領域は非常に幅広く、複雑です。
企業のウェブサイトやパンフレットを読むだけでは、そのビジネスモデルや仕事の具体的な内容を深く理解することは困難でしょう。
インターンシップに参加することで、社員の方々による事業説明や、実際のビジネスケースを基にしたワークを通じて、商社という業界がどのようにして価値を生み出しているのかを体系的に学ぶことができます。
例えば、トレーディングと事業投資の違いは何か、それぞれのビジネスでどのようなスキルが求められるのかといったことを、肌感覚で理解できるようになります。
また、同じ総合商社であっても、企業ごとに得意とする分野や社風、価値観は大きく異なります。
インターンシップは、そうした企業ごとの「カラー」を直接感じ取ることができる絶好の機会であり、自分が本当にその企業で働きたいのかを見極めるための重要な判断材料となるのです。
自己分析が進み、課題が明確になる
インターンシップの選考プロセスや、プログラム中のグループワークは、自分自身と向き合う貴重な機会となります。
エントリーシートで「学生時代に最も力を入れたことは何か」を問われたり、面接で「あなたの強みと弱みは何か」を深掘りされたりする中で、これまでの経験を棚卸し、自分の価値観や特性を言語化する必要に迫られます。
また、レベルの高い他の学生と自分を比較することで、自分の得意なことや苦手なこと、今後の成長のために何をすべきかといった課題が明確になります。
例えば、「自分はアイデアを出すのは得意だが、論理的に説明するのが苦手だ」とか、「リーダーシップを発揮するよりも、サポート役の方が力を発揮できる」といった気づきが得られるかもしれません。
こうした自己理解は、その後の就職活動の軸を定める上で非常に重要であり、より自分に合った企業選びに繋がっていきます。
優秀な学生や社員と繋がれる
商社のインターンシップには、厳しい選考を突破した全国の優秀な学生が集まります。
数日間にわたって、同じ目標に向かって協力し、時には意見をぶつけ合う中で、一生モノの仲間との出会いが生まれることも少なくありません。
彼らと情報交換をしたり、互いに高め合ったりする関係は、就職活動中はもちろん、社会人になってからも大きな財産となるでしょう。
また、インターンシップ中は、普段なかなか接点を持つことができない現場の社員の方々と深く交流できるチャンスに恵まれています。
仕事内容やキャリアパスに関する質問はもちろん、「仕事のやりがいは何か」「休日は何をしているのか」といったプライベートなことまで、フランクに話を聞くことができます。
社員の方々の生の声に触れることで、その企業で働くことの解像度が格段に上がり、入社後のミスマッチを防ぐことにも繋がります。
【商社のインターンシップ】商社でインターンシップを実施している企業(25年6月時点)
多くの学生が憧れる商社業界ですが、実際にどのような企業がインターンシップを実施しているのでしょうか。
特に、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5社は「五大商社」と呼ばれ、就活生からの人気が集中しています。
これらの企業は、夏と冬を中心に、それぞれ特色のあるインターンシッププログラムを企画・開催しており、学生に自社の魅力をアピールしています。
プログラムの内容は、新規事業立案をテーマとしたグループワークが主流ですが、扱うテーマや期間、選考プロセスは企業によって様々です。
自分の興味や関心、キャリアプランに合わせて、どの企業のインターンシップに挑戦するかを戦略的に選ぶことが重要になります。
ここでは、2025年6月時点でインターンシップ情報が公開されている、または例年実施されている代表的な総合商社を3社ピックアップし、その特徴を紹介します。
各社の違いを比較検討し、自分の強みを最も活かせる企業を見つけましょう。
(※下記は過去の傾向に基づく情報も含まれます。
最新かつ正確な情報は必ず各社の採用サイトで確認してください。
)。
三菱商事
「組織の三菱」と称される三菱商事は、その名の通り、強固な組織力と総合力を活かして多岐にわたる事業を展開しています。
インターンシップも、その総合力を体感できるような、スケールの大きいプログラムが特徴です。
過去には、数日間にわたり、特定の国や地域を舞台にしたビジネスケースに取り組み、最終的に経営層に対してプレゼンテーションを行うといった内容が実施されました。
求められるのは、個人の能力の高さはもちろんのこと、多様なバックグラウンドを持つメンバーと協働し、組織として最大の成果を追求する姿勢です。
プログラムを通じて、論理的思考力や課題解決能力を徹底的に鍛えられると同時に、三菱商事が大切にする価値観や企業文化を深く理解することができるでしょう。
社員の方々も非常に優秀かつ論理的であるため、フィードバックの一つひとつが自己の成長に繋がる貴重な経験となります。
三井物産
「人の三井」として知られる三井物産は、個人の挑戦を尊重し、自由闊達な風土を持つ企業です。
インターンシップにおいても、学生一人ひとりの個性や創造性を引き出すようなプログラムが用意されています。
他の商社と同様に、グループワークが中心となりますが、より「事業創造」に重点が置かれているのが特徴です。
過去のプログラムでは、三井物産のアセット(資産)を活用して新たなビジネスを創造するといった、発想力が問われるテーマが出題されました。
選考段階から「あなたは何を成し遂げたいのか」という個人の意志や情熱が重視される傾向にあります。
インターンシップに参加することで、社員の方々のチャレンジングな精神や、人を大切にする温かい社風に触れることができるでしょう。
自らのアイデアで新しい価値を生み出したい、若いうちから大きな裁量を持って挑戦したい、という意欲のある学生に最適な環境です。
伊藤忠商事
「非資源分野に強みを持つ」ことで知られる伊藤忠商事は、他の総合商社とは一線を画す独自のポジションを築いています。
特に、生活消費関連分野でのビジネスに強みを持っており、私たちの身近なところでその存在感を発揮しています。
インターンシップも、そうした伊藤忠商事ならではのビジネスを体感できるような、ユニークなプログラムが特徴です。
例えば、BtoCビジネスに近いテーマが扱われたり、マーケットイン(顧客視点)の発想を重視したワークが組まれたりします。
求められるのは、従来の商社の枠にとらわれない柔軟な発想力と、消費者のニーズを的確に捉えるマーケティング視点です。
また、朝型勤務の推進など、働き方改革に積極的な企業としても知られており、インターンシップを通じてそうした企業文化の一端に触れることもできます。
既存のビジネスだけでなく、新しい商社のあり方を追求したいと考える学生にとって、非常に刺激的な経験となるでしょう。
【商社のインターンシップ】商社のインターンに合格するためのポイント
これまで見てきたように、商社のインターンシップは非常に人気が高く、その選考は熾烈を極めます。
多くの優秀な学生が応募する中で、内定を勝ち取るためには、付け焼き刃の対策では通用しません。
エントリーシートから面接に至るまで、一貫して「なぜ商社なのか」「なぜこの会社でなければならないのか」そして「あなたは何ができるのか」を明確に伝え続ける必要があります。
そのためには、徹底した自己分析と企業研究に基づいた、自分だけの志望動機を練り上げることが不可欠です。
単に優秀であるだけでなく、「この学生と一緒に働きたい」と面接官に思わせるような、人間的な魅力や熱意を伝えることも忘れてはなりません。
ここでは、この難関を突破するために特に重要となる3つのポイントを解説します。
これらのポイントをしっかりと押さえ、万全の準備で選考に臨みましょう。
なぜ商社で、なぜその企業なのかを明確にする
面接で必ず問われるのが、「数ある業界の中でなぜ商社を志望するのか」という質問です。
これに対して、「グローバルに活躍したいから」「大きな仕事がしたいから」といった漠然とした答えでは、他の学生との差別化は図れません。
金融やメーカーなど、他の業界でもグローバルに活躍できる企業はたくさんあります。
その中で、なぜ「商社」というビジネスモデルに惹かれるのか、トレーディングや事業投資を通じて何を成し遂げたいのかを、自身の経験と結びつけて具体的に語る必要があります。
さらに、「なぜ三菱商事(三井物産、伊藤忠商事)なのですか?」という問いにも、明確に答えられなければなりません。
各社の強みや企業文化、事業内容の違いを深く理解し、「自分の〇〇という強みは、貴社の△△というフィールドでこそ最も活かせると考えている」というように、自分とその企業との接点を見つけ出し、説得力のある言葉で伝えることが重要です。
求められる素養をアピールする
商社で活躍する人材には、共通して求められる素養があります。
それは、困難な状況でも諦めずにやり遂げる「精神的なタフさ」、国籍や文化の異なる人々と信頼関係を築く「コミュニケーション能力」、そしてチームをまとめ目標達成に導く「リーダーシップ」などです。
インターンシップの選考では、学生時代の経験に関する質問を通じて、こうした素養が備わっているかが見られています。
例えば、「学生時代に最も力を入れたこと」を語る際には、単に活動内容を説明するだけでなく、その経験の中で直面した課題や困難に対し、自分がどのように考え、行動し、周りを巻き込みながら乗り越えたのかというプロセスを具体的に示すことが重要です。
華やかな実績や役職がなくとも、地道な努力や試行錯誤の経験の中にこそ、あなたの人柄やポテンシャルが表れます。
自分の経験を丁寧に振り返り、商社で求められる素養と結びつけてアピールしましょう。
Webテスト・SPI対策を徹底する
エントリーシートの内容がいかに優れていても、多くの企業が選考の初期段階で課すWebテストやSPIで基準点に達しなければ、次のステップに進むことはできません。
特に商社のように応募者が殺到する企業では、学歴やエントリーシートの内容と合わせて、このテストの結果が足切りのために用いられることが多く、非常に重要な関門となります。
対策をすれば必ずスコアが伸びる分野であるにもかかわらず、準備不足で機会を失ってしまうのは非常にもったいないことです。
市販の問題集を最低でも2〜3周は繰り返し解き、出題形式に慣れておきましょう。
特に、非言語(数学)分野は苦手意識を持つ学生が多いため、早めに対策を始めることが肝心です。
友人同士で時間を計って問題を解き合ったり、模擬試験を受けたりするなどして、本番に近い環境で実力を試しておくことも有効な対策と言えるでしょう。
【商社のインターンシップ】商社のインターンシップに関するよくある質問
商社のインターンシップを目指すにあたって、多くの学生が様々な疑問や不安を抱えていることでしょう。
「自分のような普通の学生が挑戦しても意味がないのではないか」「特別なスキルや経験がないと通用しないのではないか」といった声もよく耳にします。
しかし、最初から諦めてしまっては、得られるはずだった貴重な成長の機会を逃すことになってしまいます。
大切なのは、正しい情報を得て、漠然とした不安を具体的な対策へと転換していくことです。
ここでは、就活生の皆さんから特によく寄せられる質問を3つ取り上げ、就活アドバイザーとしての視点から率直にお答えしていきます。
これらの回答を通じて、皆さんの疑問や不安が少しでも解消され、前向きな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
一人で抱え込まず、正しい知識を身につけて、自信を持って挑戦しましょう。
体育会系や留学経験がないと不利ですか?
「商社は体育会系の学生や留学経験者が多い」というイメージは根強くあり、実際にそうした経験を持つ学生が多いのも事実です。
彼らが持つストレス耐性や目標達成意欲、異文化適応能力は、商社の仕事で活かせる場面が多いからです。
しかし、体育会系の経験や留学経験がなければ不利になるかと言えば、決してそんなことはありません。
企業が見ているのは、経験そのものではなく、その経験を通じて何を学び、どのような強みを身につけたかという「中身」です。
例えば、文化祭の実行委員として仲間と協力して一つのものを作り上げた経験や、ゼミの研究で地道な分析を続けた経験、アルバイトで売上目標を達成するために工夫した経験など、どんな経験からでもあなたのポテンシャルをアピールすることは可能です。
重要なのは、その経験に再現性があること、つまり、その経験で発揮した強みが、商社という新しい環境でも活かせるということを論理的に説明できることです。
英語力はどの程度必要ですか?
グローバルに事業を展開する商社において、英語力が重要なスキルであることは間違いありません。
選考の過程でTOEICのスコア提出を求められたり、面接で英語力を問われたりすることもあります。
しかし、入社の段階でネイティブレベルの流暢な英語力が必須かというと、必ずしもそうではありません。
多くの企業では、入社後の研修制度が充実しており、必要に応じて語学力を向上させる機会が与えられます。
それ以上に重視されるのは、現時点での英語力そのものよりも、「語学の壁を恐れずに、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢」や、必要に迫られた際に必死に学習する「キャッチアップ能力」です。
もちろん、高い英語力があれば大きなアピールポイントになりますが、スコアが低いからといって諦める必要はありません。
英語学習に現在進行形で取り組んでいる姿勢を示したり、語学以外の自分の強みを明確にアピールしたりすることで、十分にカバーすることが可能です。
インターンに参加しないと本選考で不利になりますか?
商社のインターンシップが本選考に直結するケースが多いのは事実であり、参加できた学生が有利になることは間違いありません。
しかし、インターンシップに参加できなかったからといって、本選考で内定を獲得する道が閉ざされるわけでは決してありません。
企業側も、学業や部活動、留学など、様々な事情でインターンシップに参加できない優秀な学生がいることを理解しています。
インターンシップはあくまで企業理解を深め、自身の適性を見極めるための一つの機会です。
もし参加できなかった場合は、OB・OG訪問を積極的に行ったり、企業説明会に何度も足を運んで質問したりすることで、社員の方々と接点を持ち、企業理解を深めていくことが重要です。
インターンシップに参加した学生以上にその企業への熱意があることを、具体的な行動で示すことができれば、本選考で十分に逆転することが可能です。
【商社のインターンシップ】まとめ
この記事では、商社のインターンシップについて、その概要から具体的な対策までを網羅的に解説してきました。
商社のインターンシップは、高い競争率とレベルの高さから、多くの学生にとって非常にハードルの高い挑戦です。
しかし、その分、参加することで得られる経験や学びは計り知れず、皆さんの就職活動、そしてキャリアを考える上で非常に大きな財産となります。
大切なのは、漠然とした憧れだけで終わらせるのではなく、徹底した自己分析と企業研究を行い、自分自身の言葉で挑戦する意義を語れるように準備することです。
この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ自信を持って憧れの商社への扉を叩いてみてください。
皆さんの挑戦を心から応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート