「エンジニアのインターンシップ」と聞くと、なんだか難しそう、自分も参加できるんだろうかと不安に思うかもしれませんね。
ですが、IT技術が社会に欠かせない今、エンジニア職は新卒就活においても非常に人気が高まっています。
特にエンジニアのインターンシップは、他の職種と比べて内容が実践的で、参加するメリットが非常に大きいのが特徴です。
この記事では、エンジニアのインターンシップに興味があるけれど一歩踏み出せないでいるあなたのために、エンジニアとはどんな仕事なのか、インターンシップにはどんな種類や内容があるのか、そして人気インターンに合格するための具体的なポイントまで、知りたい情報をすべて解説していきます。
この記事を読めば、あなたが今何をすべきか、どのインターンシップを目指すべきかが明確になるはずです。
一緒に準備を始めていきましょう。
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【エンジニアのインターンシップ】エンジニアとは
「エンジニア」と一口に言っても、その領域は非常に広いです。
就活市場で一般的に「エンジニア」と呼ばれるのは、多くの場合「ITエンジニア」を指します。
彼らの仕事は、プログラミング言語というコンピュータが理解できる言葉を使って、システムやアプリケーション、Webサイトなどを作り上げ、私たちの生活やビジネスを便利にすることです。
例えば、皆さんが普段使っているスマートフォンのアプリ、ECサイトでの買い物、友人とのチャットツール、これらすべてがエンジニアの技術によって動いています。
エンジニアの仕事は、ただ黙々とコードを書くだけではありません。
まず、ユーザーやクライアントが「何に困っているのか」「何をしたいのか」という課題を理解することから始まります。
その課題を解決するために、どのような技術を使い、どのような設計にするかを考え、チームのメンバーと協力しながら形にしていきます。
そして、作ったものが正しく、安全に、快適に動き続けるように、テストや運用、改善を繰り返します。
技術力と課題解決能力の両方が求められる、非常に専門的でクリエイティブな仕事です。
現代社会において、IT技術はあらゆる産業の基盤となっており、エンジニアの需要は年々高まり続けています。
成長意欲があり、新しい技術を学び続けることが好きな人にとっては、非常にやりがいのある魅力的な職種と言えるでしょう。
インターンシップは、この奥深いエンジニアの世界を、学生のうちに体験できる貴重なチャンスなのです。
【エンジニアのインターンシップ】インターンシップを募集している職種
エンジニアという言葉が広い意味を持つように、インターンシップの募集も「エンジニア」と一括りにされることもあれば、最初から具体的な職種に分かれて募集されることもあります。
特に技術力の高い企業ほど、職種別採用(インターンシップ)を行う傾向が強いです。
自分がどの分野に興味があるのか、どんな技術に触れてみたいのかによって、選ぶべきインターンシップは大きく変わってきます。
例えば、Webサイトやアプリ開発に興味があるのか、それともサービスを支えるインフラ(基盤)技術に興味があるのか、はたまたデータを分析してビジネスの意思決定を助ける仕事に興味があるのか。
それぞれ求められるスキルやインターンシップで体験できる内容が異なります。
自分の適性や興味を理解することが、インターンシップ選びの第一歩です。
ここでは、エンジニアインターンシップでよく募集されている代表的な3つの職種について、その仕事内容と特徴を詳しく解説していきます。
具体的な仕事内容をイメージして、自分に合った職種を見つけてみましょう。
Webエンジニア
Webエンジニアは、私たちが日常的に利用するWebサイトやWebアプリケーションを開発するエンジニアです。
この職種は、さらに「フロントエンド」と「バックエンド」の二つに分かれることが多いです。
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接目にする部分、つまりブラウザに表示される画面のデザインや操作性(UI/UX)を担当します。
HTML、CSS、JavaScriptといった言語や、React、Vue.jsなどのフレームワークを駆使して、快適で使いやすいWebページを作り上げます。
一方、バックエンドエンジニアは、ユーザーの目には見えないサーバー側(裏側)の処理を担当します。
例えば、Webサイトの会員登録機能、ログイン認証、データベースへの情報の保存や読み出し、決済処理など、サービスの根幹をなす部分です。
Java、PHP、Ruby、Python、Goといった言語を使い、サーバーやデータベースと連携するシステムを構築します。
インターンシップでは、フロントエンドかバックエンド、あるいは両方を体験するプロジェクトに参加することが多いです。
実際のサービス開発のスピード感や、チームでの開発手法(Gitを使ったバージョン管理やコードレビューなど)を学べるのが大きな魅力です。
サービスの「顔」を作る仕事と「心臓部」を作る仕事、どちらにより興味があるか考えてみると良いでしょう。
SRE(Site Reliability Engineering)
SREは、Site Reliability Engineering(サイト・リライアビリティ・エンジニアリング)の略で、日本語では「サイト信頼性エンジニアリング」と訳されます。
これは比較的新しい職種の考え方で、Googleが提唱したものです。
SREの主なミッションは、Webサービスやシステムを「止めずに、安定して動かし続けること」です。
ただし、従来のインフラエンジニア(サーバーやネットワークを管理するエンジニア)と異なるのは、その安定性を「ソフトウェア開発の力で」実現しようとする点です。
例えば、新しい機能のリリース作業、サーバーの監視、障害が発生した際の対応(障害対応)などを、手作業で行うのではなく、自動化するプログラム(ツール)を開発します。
インフラの知識と高いプログラミング能力の両方が求められる、非常に専門性の高い職種です。
インターンシップでは、実際にサービスが動いている環境(本番環境に近い)に触れ、サービスの信頼性を高めるためのツール開発や、パフォーマンス(速度など)の改善といった課題に取り組むことが多いです。
大規模なサービスを裏側で支える重要な役割に興味がある人や、インフラ技術とプログラミングの両方を極めたい人に向いている職種と言えます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、企業が持つ膨大なデータ(ビッグデータ)を分析し、そこからビジネスに役立つ知見を引き出す専門家です。
昨今、AI(人工知能)や機械学習の技術が急速に発展していることもあり、非常に注目度が高い職種の一つです。
彼らの仕事は、単にデータを集計してグラフにするだけではありません。
統計学、情報工学(特に機械学習)、そしてビジネスの知識を駆使して、「なぜこの商品は売れたのか」「次に来るトレンドは何か」「どうすればユーザーはサービスをもっと使ってくれるか」といった問いに、データに基づいて答えていきます。
インターンシップでは、PythonやRといったプログラミング言語を使い、実際に企業のデータを分析するプロジェクトに参加することが多いです。
例えば、ユーザーの行動履歴から退会しそうなユーザーを予測するモデルを作ったり、商品の推薦(レコメンド)機能の精度を改善したりといった課題に取り組みます。
数学的な思考や統計学への興味が求められます。
データという武器でビジネスの課題を解決することに魅力を感じる人にとっては、非常に刺激的な経験となるでしょう。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアのインターンシップの時期
エンジニアのインターンシップに参加したいと思ったら、まず押さえておかなければならないのが「時期」です。
就職活動全体のスケジュールが早期化している中で、特にエンジニアのインターンシップは、募集開始から開催まで、特定の時期に集中する傾向があります。
「まだ大学3年生(修士1年生)の春だから大丈夫」と油断していると、気づいた時には人気企業の応募が締め切られていた、というケースも少なくありません。
特に、夏に開催されるサマーインターンシップは、開催期間が長く、内容も充実しているため、就活生からの人気が集中します。
インターンシップのスケジュールを把握し、いつまでに応募の準備(自己PR、ポートフォリオ作成など)を終えておくべきか、逆算して計画を立てることが非常に重要です。
情報収集のアンテナを高く張っておくことが、第一の関門となります。
ここでは、主な「募集期間」と「開催期間」のピークについて解説します。
自分の学年やスケジュールと照らし合わせながら、いつ動き出すべきかを具体的にイメージしてください。
募集期間
エンジニアインターンシップの募集期間は、大きく分けて「サマーインターンシップ(夏実施)」と「ウィンターインターンシップ(冬実施)」の2つの波があります。
最も大きな波は、サマーインターンシップです。
こちらは、大学3年生(修士1年生)の4月下旬から5月頃に募集情報が公開され始め、6月から7月上旬に応募のピークを迎えます。
特に、外資系企業や技術力の高さを売りにしているメガベンチャー企業などは、この時期に多くの募集を行います。
つまり、大学3年生になると同時に、インターンシップの情報収集と応募準備をスタートする必要があるということです。
次に、ウィンターインターンシップですが、こちらは夏に比べると募集枠が少ない傾向にあります。
募集期間は10月から12月頃が中心となります。
夏に思うような結果が出なかった人や、部活動などで夏に参加できなかった人が応募するケースが多いです。
いずれの時期も、応募に際してはエントリーシート(ES)だけでなく、ポートフォリオ(自分の作品)の提出や、コーディングテストの受験を求められることが多いため、募集開始と同時に準備を始めるのでは間に合いません。
常日頃からスキルアップと情報収集を心がけることが重要です。
開催期間
インターンシップの開催期間は、そのプログラムの内容によって大きく異なりますが、こちらも「夏」と「冬」に集中します。
サマーインターンシップの開催期間は、大学の夏休み期間である8月から9月にかけてが圧倒的に多いです。
期間の長さは様々で、1日や2〜3日で完結する短期のものから、1〜2週間程度のプロジェクト型、さらには1ヶ月以上に及ぶ長期・就業型のものまであります。
特にエンジニアインターンシップの場合、実践的な開発を経験できる2週間以上のプログラムが人気です。
一方、ウィンターインターンシップは、大学の冬休みや春休み期間、つまり12月下旬から翌年の2月頃にかけて開催されます。
こちらはサマーインターンシップに比べて、1day(ワンデー)や数日間といった、より短期間のプログラムが中心となる傾向があります。
どちらの時期に参加するにしても、自分の目的に合った期間のプログラムを選ぶことが大切です。
例えば、複数の企業を比較検討したいなら短期プログラム、一つの企業でじっくりと開発文化を学びたいなら長期プログラム、といった具合です。
大学の授業や研究、アルバイトのスケジュールとも調整しながら、計画的に応募先を決めましょう。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアのインターンシップの内容
エンジニアのインターンシップと一口に言っても、その内容は企業やプログラムによって千差万別です。
「インターンシップに参加した」という事実よりも、「そこで何を得たか」が将来の就活やキャリアにとって重要になります。
例えば、ただ会社説明を聞くだけのプログラムでは、エンジニアとしてのスキルは身につきません。
エンジニアのインターンシップが他の職種と大きく異なるのは、その「実践性」にあります。
多くの場合、参加者は学生扱いではなく、一人の「開発者」として扱われ、実際の業務に近い課題に取り組むことになります。
そのため、自分がどのレベルの経験を積みたいのかを明確にしておく必要があります。
技術を基礎から学びたいのか、それとも自分のスキルを試したいのか。
ここでは、エンジニアインターンシップでよく見られる代表的な3つのプログラム内容について、それぞれの特徴を解説します。
自分の現在のスキルレベルや参加目的に最も合う形式はどれか、考えながら読んでみてください。
プロジェクト型(チーム開発)
プロジェクト型(チーム開発)は、エンジニアのサマーインターンシップなどで最も多く見られる形式です。
参加者は3人から5人程度のチームに分けられ、企業から与えられたテーマ(例えば「新しい〇〇サービスを開発せよ」など)に対して、決められた期間内(1週間から2週間程度)で実際にアプリケーションやサービスを開発し、最終日に成果発表を行います。
この形式の最大の特徴は、実際の開発現場に極めて近い環境を体験できることです。
多くの場合、チームには一人、現役のエンジニアがメンター(指導役)として付き、開発の進め方や技術的な相談に乗ってくれます。
個人での開発とは異なり、Gitを使ったバージョン管理、コードレビュー(お互いのコードをチェックし合うこと)、アジャイル開発といった、チームで効率的に開発を進めるための手法を実践的に学べます。
技術力だけでなく、コミュニケーション能力やチームワークも問われるため、非常に密度の濃い経験が得られます。
完成した成果物は、後の就活でポートフォリオの一部としてアピールすることも可能です。
講義・ワークショップ型
講義・ワークショップ型は、1day(ワンデー)や2〜3日の短期間のプログラムでよく見られる形式です。
これは、特定の技術テーマ(例えば「クラウド技術入門」「AI機械学習ハンズオン」「〇〇フレームワークを使ったアプリ開発体験」など)について、企業のエンジニアが講師となって講義を行い、その後、参加者が実際に手を動かしながら学ぶ(ハンズオン)というものです。
この形式のメリットは、企業が注目している最新技術や、その企業で実際に使われている技術の基礎を効率的に学べる点にあります。
また、開発経験がまだ浅い人や、特定の分野に興味はあるけれど何から学べばいいか分からないという人にとって、参加のハードルが低いことも魅力です。
ただし、期間が短いため、チーム開発型ほど深いスキルが身につくわけではありません。
この形式は、業界研究や企業研究の一環として、あるいは自分の技術的な興味・関心がどこにあるのかを探る「お試し」として活用するのが良いでしょう。
複数の企業のワークショップに参加し、社風や技術領域を比較検討するのにも役立ちます。
就業型(長期インターン)
就業型インターンシップは、数週間から数ヶ月、場合によっては半年以上にわたり、実際に企業の開発チームの一員として働く形式です。
これは「インターンシップ」という名前がついていますが、実態としては「有給のアルバイト」に近いものも多く含まれます。
参加者は、実際のサービス開発の現場に配属され、社員と同じようにタスク(例えば、既存機能のバグ修正、小規模な新機能の追加、テストコードの作成など)を割り当てられます。
社員と同じミーティングに参加し、同じ開発プロセス(コードレビューやデプロイ作業など)を経験します。
この形式の最大のメリットは、「学生扱い」ではないリアルな業務経験が積めることです。
企業の文化、開発のスピード感、求められるコードの品質、エンジニア同士のコミュニケーションの取り方などを肌で感じることができます。
入社後のミスマッチを限りなくゼロに近づけたい人や、学生のうちから圧倒的な実務経験を積みたい人にとっては、最適な選択肢となります。
その分、選考の難易度は高く、一定レベル以上の基礎的な開発スキルが求められることがほとんどです。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアのインターンシップが人気な理由
今、新卒就活においてエンジニアのインターンシップは、文系・理系を問わず非常に高い人気を集めています。
その背景には、単に「IT業界が伸びているから」という漠然とした理由だけではなく、参加する学生にとって明確で具体的なメリットが多数存在するためです。
他の職種のインターンシップが、グループワークや会社説明が中心であるのに対し、エンジニアのインターンシップは、前述の通り「ものづくり」という実践的な経験を積める場が用意されています。
この経験が、その後の就職活動を非常に有利に進める「切り札」となることを、多くの学生が理解し始めています。
スキルアップとキャリア形成に直結すること、それが最大の理由です。
ここでは、なぜこれほどまでにエンジニアのインターンシップが人気を集めているのか、その具体的な理由を3つの側面から深掘りしていきます。
自分の就活の軸と照らし合わせながら、その魅力を確認してください。
実践的なスキルが身につく
エンジニアのインターンシップが人気な最大の理由は、大学の授業だけでは決して得られない「実践的なスキル」が身につくことです。
大学の講義では、アルゴリズムやデータ構造といった「理論」や、プログラミング言語の「文法」を学ぶことができます。
しかし、それらの知識をどう組み合わせて「動くサービス」を作るのか、特にチームで開発する際に必要なツール(Gitなど)の使い方や、他人が読んでも理解できる「綺麗なコード」の書き方、コードレビューの文化などは、実際の開発現場でしか学べません。
インターンシップでは、現役のエンジニアからのフィードバックを受けながら、これらの実務的なスキルを集中的に学ぶことができます。
「知っている」と「できる」の間にある大きな溝を埋めることができるのです。
この経験は、エンジニアとしての市場価値を学生のうちから高めることに直結します。
早期選考につながりやすい
多くの就活生にとって、これが最も魅力的な理由の一つかもしれません。
エンジニアのインターンシップは、企業の採用活動と直結しているケースが非常に多いです。
特に技術力の高いIT企業やメガベンチャーは、インターンシップを「学生のスキルとポテンシャル(将来性)を見極める選考の場」として明確に位置づけています。
インターンシップ期間中のパフォーマンス(成果物や学習意欲、チームへの貢献度など)が優れていると評価された学生は、インターンシップ終了後に「特別選考ルート」に招待されることがあります。
これには、本選考の一部(ESや一次・二次面接)が免除されたり、通常よりも早い時期に内定(早期内定)が出たりといった特典が含まれます。
インターンシップでの頑張りがそのまま内定につながる可能性があるため、優秀な学生ほど早期からエンジニアインターンシップに挑戦する傾向が強いのです。
業界・企業研究が深まる
エントリーシートや面接で必ず聞かれる「志望動機」。
しかし、企業のWebサイトや説明会で見聞きした情報だけで、説得力のある志望動機を語るのは難しいものです。
特にエンジニアの場合、「その企業の技術」や「開発文化」への理解が浅いと、すぐに見抜かれてしまいます。
インターンシップに参加すれば、その企業がどのような技術スタック(開発環境や言語)を使っているのか、開発の意思決定はどのように行われるのか(トップダウンかボトムアップか)、エンジニアはどのような雰囲気で働いているのか、コードレビューはどの程度厳密に行われるのか、といったWeb上には載っていない生の情報を肌で感じることができます。
自分とその企業の「カルチャーフィット」(文化的な相性)を見極める絶好の機会であり、その経験に基づいた志望動機は、他の就活生と圧倒的な差をつけることができます。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアのインターンシップの特徴
エンジニアのインターンシップは、他の職種(例えば営業職や企画職)のインターンシップとは、いくつかの点で明確な違いがあります。
これらの特徴を理解しておかないと、「こんなはずじゃなかった」と後悔したり、十分な準備ができずに選考で苦戦したりすることになります。
最大の違いは、やはり「技術」が中心にあることです。
コミュニケーション能力や論理的思考力ももちろん重要ですが、それ以前に「手を動かしてものを作れるか」という技術的な土台が問われる場面が多くなります。
参加のハードルが少し高いとも言えますが、だからこそ、それを乗り越えて参加する価値があるのです。
ここでは、エンジニアのインターンシップならではの、特に知っておくべき3つの特徴について解説します。
す. 他の職種との違いを意識することで、エンジニアインターンシップへの理解をさらに深めましょう。
スキルや成果物(ポートフォリオ)を選考で重視する
これはエンジニアのインターンシップにおける最大の特徴です。
営業職や企画職のインターン選考では、自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)といった「経験」や「人柄」が重視されます。
しかし、エンジニアの選考では、それらに加えて、あるいはそれ以上に「現時点での技術スキル」が問われます。
そのスキルを証明するために求められるのが、「ポートフォリオ(成果物)」です。
これは、あなたが過去に個人で開発したWebサービスやアプリケーション、GitHubのアカウント(コードの置き場所)などを指します。
「やる気があります」という言葉よりも、「これを作りました」という成果物の方が、あなたのスキルと熱意を雄弁に語ってくれます。
選考の土俵に立つためのパスポートとして、ポートフォリオの準備が不可欠となるケースが多いのです。
メンター(指導役)のエンジニアがつく
多くの実践的なエンジニアインターンシップでは、参加学生(またはチーム)一人ひとり(あるいは一組)に対して、現役のエンジニアが「メンター」としてサポートにつきます。
これは、他の職種のインターンシップではあまり見られない、非常に手厚い体制です。
メンターは、技術的なアドバイスやコードレビュー(書いたコードのチェック)をしてくれるだけでなく、キャリア相談に乗ってくれたり、その企業での働き方を教えてくれたりします。
第一線で活躍するプロのエンジニアから直接フィードバックをもらえることは、短期間で急成長するための何よりの近道です。
学生にとっては、自分の書いたコードがプロの基準でどう評価されるのかを知る貴重な機会であり、一方的な講義では得られない双方向の学びがここにはあります。
このメンター制度の充実度も、インターンシップを選ぶ上での重要な指標となります。
報酬(給与)が支払われるケースが多い
エンジニアのインターンシップ、特に数週間から数ヶ月にわたる就業型や、高い専門性が求められるプログラムでは、参加学生に対して報酬(給与)が支払われるケースが珍しくありません。
これは、インターンシップ生を単なる「お客様」や「学習者」としてではなく、企業の開発に貢献する「戦力」の一員として扱っていることの表れです。
企業側は、学生の貴重な時間とスキルに対して対価を支払うことで、より優秀な人材を惹きつけようとしています。
学生にとっては、自分のスキルが金銭的な価値として認められるという経験は、大きな自信につながります。
スキルを提供し、対価を得るというプロフェッショナルな経験を積めることも、エンジニアインターンシップの大きな特徴であり、魅力の一つと言えるでしょう。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアでインターンシップに参加するメリット
これまでエンジニアインターンシップの人気な理由や特徴を見てきましたが、これらを踏まえて、あなたが実際に参加した場合に得られる「具体的なメリット」を整理してみましょう。
インターンシップに参加するためには、ポートフォリオの準備や技術面接の対策など、相応の時間と労力が必要です。
そのコストを払ってでも参加すべき価値はどこにあるのでしょうか。
結論から言えば、そのメリットは「就活が有利になる」という短期的なものに留まりません。
エンジニアとしてのキャリアをスタートする上での強固な土台を作ることができるのです。
ここでは、あなたの成長とキャリア選択に直結する3つの大きなメリットを解説します。
インターンシップ参加の目的意識を明確にするために、ぜひ参考にしてください。
自分の「できること」と「できないこと」が明確になる
独学や大学の授業でプログラミングを学んでいると、「自分は結構できるようになったんじゃないか」と感じることがあるかもしれません。
しかし、インターンシップで実際の開発現場に入ると、その多くが「井の中の蛙」であったことに気づかされます。
例えば、他人が書いた大量のコードを読んで理解する力、エラーを迅速に解決するデバッグ能力、チーム開発で使われるツールを使いこなすスキルなど、実務で求められるレベルの高さを痛感するでしょう。
しかし、これはネガティブなことではありません。
自分の「現在地」を正確に把握できることこそが、最大のメリットです。
何が足りないのかが具体的に分かることで、入社までの残りの学生生活で何を重点的に学習すべきか、その道筋が明確になります。
この差は、入社後のスタートダッシュに大きく影響します。
エンジニア同士のつながりができる
インターンシップは、貴重な「人脈」を作る絶好の場でもあります。
一つは、メンターや社員として関わってくれる「現役エンジニア」とのつながりです。
彼らとの出会いは、技術的な学びだけでなく、キャリアを考える上でのロールモデル(お手本)を見つけるきっかけにもなります。
インターンシップ後も関係が続き、キャリアの相談に乗ってもらえるケースも少なくありません。
もう一つは、「同じインターンシップに参加した学生同士」のつながりです。
同じ時期に、同じ高い志を持って集まった仲間は、就活本番でも情報交換をしたり、励まし合ったりできる貴重な存在となります。
彼らは、大学や研究室の外にいる優秀なライバルであり、将来、業界のどこかで再会するかもしれない「未来の同僚」でもあります。
このネットワークは学生時代の財産となるでしょう。
入社後のミスマッチを防げる
就職活動で最も避けたいことの一つが、入社後の「ミスマッチ」です。
「こんなはずじゃなかった」と感じて早期に離職してしまうのは、学生にとっても企業にとっても不幸なことです。
特にエンジニア職は、企業の「開発文化」によって働き方が大きく異なります。
例えば、開発のスピード感、使っている技術、コードレビューの厳しさ、チームの雰囲気、技術的な挑戦が奨励されるか、安定運用が重視されるかなど、外から見ているだけでは分かりません。
インターンシップで実際にその環境に身を置くことで、自分がその企業の文化や開発スタイルに合っているかを、身をもって確認することができます。
「この会社で働き続けたい」という確信を得られるか、あるいは「自分には合わないな」と早期に判断できるかは、長期的なキャリアを築く上で非常に重要です。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアでインターンシップを実施している企業(25年6月時点)
エンジニアのインターンシップが魅力的なことは分かったけれど、具体的にどんな企業が実施しているのか、気になりますよね。
現在(2025年6月時点)も、非常に多くの企業がエンジニア学生向けのインターンシッププログラムを募集・開催しています。
その内容は、世界的な技術力を持つ外資系企業から、日本のインターネットサービスを牽引するメガベンチャー、特定の領域に強みを持つスタートアップまで、多岐にわたります。
企業によって、インターンシップで得られる経験や求められるスキルレベルは大きく異なります。
自分のレベルや目指すキャリアに合わせて、応募先を選ぶことが重要です。
ここでは、それぞれ異なる特徴を持つ代表的な企業を3社ピックアップして、そのインターンシップの傾向を紹介します。
あくまで一例ですが、企業研究の参考にしてください。
Google (グーグル合同会社)
Googleは、言わずと知れた世界トップクラスの技術を持つ企業であり、そのインターンシップは世界中の学生から注目されています。
代表的なものに「STEP (Student Training in Engineering Program)」や「Software Engineer Intern」があります。
これらのインターンシップは、選考の難易度が非常に高いことで知られています。
特徴は、コンピュータサイエンスの基礎知識(アルゴリズムやデータ構造)を深く問われることです。
インターンシップの内容も、世界中から集まった優秀な学生と共に、非常にチャレンジングな課題に取り組むものとなります。
メンター制度も充実しており、世界最高水準のエンジニアから直接指導を受けられる環境は、他では得難い経験となるでしょう。
自分の技術力を世界レベルで試したい、あるいは将来的にグローバルな環境で働きたいと考えている学生にとっては、最高の目標の一つとなります。
ヤフー株式会社
ヤフー株式会社(LINEヤフーグループ)は、日本を代表するメガベンチャー企業の一つであり、毎年非常に大規模かつ多様なエンジニアインターンシップを実施しています。
Web開発、インフラ、データサイエンス、機械学習、セキュリティなど、募集されている職種の幅広さが特徴です。
インターンシップは、多くの場合、実際にヤフーが提供しているサービス(Yahoo!ニュースや検索、広告など)の開発チームに配属され、実務に近い課題に取り組みます。
メンターによる手厚いサポートにも定評があり、学生一人ひとりのスキルレベルに合わせて丁寧に指導してくれる文化があります。
日本の大規模なコンシューマー向けサービス開発に携わってみたい人や、充実したサポート体制のもとで着実にスキルアップしたい人に適しています。
インターンシップ参加者向けの早期選考ルートも用意されています。
株式会社メルカリ
株式会社メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」で知られる、日本を代表するユニコーン企業(現在は上場)の一つです。
同社のインターンシップは、「Go Bold(大胆にやろう)」というミッションを体現するような、実践的かつ挑戦的な内容で知られています。
技術的には、マイクロサービスアーキテクチャやGo言語といった、モダン(現代的)な技術スタックを積極的に採用しているのが特徴です。
インターンシップでも、これらの技術を用いた開発プロジェクトに参加し、非常に速いスピード感の中で成果を出すことが求められます。
新しい技術トレンドに触れたい人や、スタートアップのようなスピード感のある環境で自分の力を試したい人にとって、非常に刺激的な環境です。
高い技術力を持つエンジニアが多く在籍しており、彼らと共に開発できる経験は大きな財産となるでしょう。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアのインターンに合格するためのポイント
これまで見てきたように、エンジニアのインターンシップは非常に魅力的ですが、同時に人気が高く、選考のハードルも低くありません。
特に人気企業や実践的な内容のプログラムでは、高い倍率を勝ち抜く必要があります。
「自分にはまだ早いかも」と諦める必要はありません。
エンジニアのインターンシップ選考には、他の職種とは異なる明確な「評価ポイント」があります。
つまり、正しい方向性で、適切な準備をすれば、合格の可能性を大きく高めることができるのです。
ガクチカや自己PRを磨くだけでは不十分です。
ここでは、エンジニアのインターンシップに合格するために、今すぐあなたが取り組むべき3つの重要なポイントを解説します。
「熱意」を「技術」で証明する準備を始めましょう。
ポートフォリオ(成果物)を準備する
これが最も重要かつ時間がかかる準備です。
ポートフォリオとは、あなたが自分で考えて作ったWebサービス、スマートフォンアプリ、あるいは便利なツールなどの「成果物」を指します。
エンジニアの選考では、「プログラミングを勉強しました」という言葉よりも、「これを作りました」という具体的な証拠(アウトプット)が何よりも雄弁にあなたのスキルと熱意を物語ります。
完璧なサービスである必要はありません。
大切なのは、(1)最後まで作りきった(完成させた)こと、(2)なぜそれを作ろうと思ったのか、どんな技術を使ったのか、どこで苦労したのかを自分の言葉で説明できることです。
GitHubなどのプラットフォームでコードを公開し、ESや面接でそのURLを提示できるように準備しておきましょう。
まだ何もない人は、まずは簡単なものでも良いので、何か一つ作り上げることから始めてください。
技術面接(コーディングテスト)対策を行う
多くのエンジニアインターンシップの選考プロセスには、「技術面接」や「コーディングテスト」が含まれています。
これは、面接官の前で実際にコードを書いたり、オンラインのテストプラットフォームで出題されたアルゴリズムの問題を解いたりする試験です。
ここで見られているのは、単に正解のコードが書けるかだけでなく、問題解決までの思考プロセスや、コンピュータサイエンスの基礎知識(アルゴリズム、データ構造など)が身についているかです。
対策としては、AtCoder(アットコーダー)やLeetCode(リートコード)といった競技プログラミングのサイトで問題を解く練習を積むのが一般的です。
また、面接では「なぜその解き方を選んだのか」を説明する練習も必要です。
一朝一夕では身につかないため、日頃からコツコツと基礎力を鍛えておくことが合格への鍵となります。
なぜその企業・職種なのかを明確にする
これは他の職種の選考とも共通しますが、エンジニアの選考ではより「技術的な視点」での明確化が求められます。
「IT業界で成長したいから」といった漠然とした志望動機では、評価されません。
「なぜ他社ではなく、御社のインターンシップなのか」を、その企業のサービスや技術、開発文化と結びつけて説明する必要があります。
例えば、「御社の〇〇というサービスが好きで、特に〇〇の機能に使われている〇〇という技術に興味があり、その開発現場を体験したい」といった具体的な動機です。
職種についても同様で、「なぜWebエンジニアなのか」「なぜSREに興味があるのか」を、自分の過去の経験や技術的な興味に基づいて論理的に説明できるように準備しておきましょう。
そのためには、徹底した企業研究が不可欠です。
【エンジニアのインターンシップ】エンジニアのインターンシップに関するよくある質問
ここまでエンジニアのインターンシップについて詳しく解説してきましたが、まだ個別の疑問や不安が残っているかもしれません。
特に、プログラミング経験が浅い方や、文系学部の方にとっては、一歩踏み出すのに勇気がいるかもしれませんね。
ここでは、「就活市場」の就活アドバイザーとして、学生の皆さんから特によく寄せられる質問を3つピックアップし、具体的にお答えしていきます。
多くの人が同じような悩みを抱えています。
ここで疑問を解消し、自信を持ってインターンシップへの挑戦をスタートさせましょう。
小さな疑問でも放置しないことが、就活成功の秘訣です。
Q1: 文系・プログラミング未経験でも参加できますか?
A1: 正直にお答えすると、プログラミング「全くの未経験」の状態で、エンジニアとして採用される実践的なインターンシップに参加するのは非常に難しいです。
多くのインターンシップは、基本的なプログラミング知識(変数、配列、関数、クラスなどの理解)があることを前提としています。
ただし、「文系だから」という理由だけで諦める必要は全くありません。
企業が見ているのは学部ではなく、あくまで個人のスキルと熱意です。
もし文系の方でもエンジニアに本気でなりたいのであれば、今すぐに独学やプログラミングスクールなどで学習を始めてください。
そして、簡単なものでも良いのでポートフォリオ(成果物)を作ることです。
一部の企業では、プログラミング経験を問わない「ポテンシャル採用枠」や「初心者向けワークショップ」を設けている場合もあります。
まずはそうしたプログラムを探しつつ、並行して学習とアウトプットを継続することが重要です。
Q2: ポートフォリオはどのレベルまで作ればいいですか?
A2: この質問も非常に多く寄せられます。
結論から言うと、「完璧なサービス」である必要はありません。
企業側も、学生が作るものにプロレベルの品質やデザインを求めているわけではありません。
重要なのは、「リリース(完成)されていること」と「技術的な工夫や苦労した点を説明できること」です。
例えば、ただチュートリアルを写しただけのものではなく、自分なりのオリジナルな機能を一つでも追加してみる。
あるいは、なぜその技術(言語やフレームワーク)を選んだのかを論理的に説明できるようにしておく。
レベルの目安としては、基本的なCRUD(作成・読み取り・更新・削除)機能を持つWebアプリケーション(例えば、シンプルな掲示板、ToDoリスト、日記アプリなど)を、フレームワーク(RailsやDjango、Reactなど)を使って一つ作り上げることができれば、多くのインターンシップ選考でスタートラインに立てると言えます。
Q3: 複数社のインターンに参加するのはアリですか?
A3: もちろん「アリ」です。
むしろ、スケジュールが許す限り、複数のインターンシップに参加することをお勧めします。
理由は2つあります。
一つ目は「比較検討ができる」ためです。
A社とB社、両方のインターンシップに参加することで、それぞれの開発文化、社員の雰囲気、技術レベルの違いを肌で感じることができます。
これにより、自分が本当に働きたい環境が明確になります。
二つ目は「経験の幅を広げられる」ためです。
例えば、1dayのワークショップ型(講義・体験型)で広く業界の知識を得て、2週間のプロジェクト型(チーム開発型)で深く実践的なスキルを磨く、といった組み合わせが可能です。
目的の異なる複数のプログラムに参加することで、より多角的に業界研究とスキルアップを進めることができます。
ただし、長期インターンと本選考のスケジュールが重ならないよう、優先順位と体調管理には十分注意してください。
【エンジニアのインターンシップ】まとめ
エンジニアのインターンシップは、大学の授業では得られない「実践的な開発経験」を積み、現役のエンジニアから直接フィードバックをもらえる貴重な機会です。
参加することで、スキルが身につくだけでなく、自分の適性や、その企業との相性を確かめることができます。
何より、インターンシップでの経験や成果が、その後の早期選考や本選考を有利に進めるための強力な武器となります。
確かに、ポートフォリオの準備やコーディングテストの対策など、参加までのハードルは他の職種より高いかもしれません。
しかし、その分、乗り越えた先にあるリターンは非常に大きいものです。
まずは小さな目標で構いません。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート











