就活ではよく「あなたの長所を教えて下さい」と聞かれることがあります。
企業がどんな回答を欲しているのか、どのようなことを答えればよいのかわからないという就活生も多いです。
本記事では、長所が思いつかない時の対策や長所一覧、高評価を受けられる長所の伝え方について解説していきます。
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【長所が思いつかない】そもそも長所とは
長所とは、その人が持つ強みや得意なこと、他人に比べて優れている点を指します。
就職活動においては、応募者がどのような価値を企業にもたらすことができるかを示す重要な要素です。
自分自身の強みを把握し、明確に言語化することで、面接官に自分の魅力を伝えることが可能となります。
しかし、そもそも「長所とは何か」が明確でないと、自分の強みを見つけることは難しくなります。
長所は、特別な能力や実績だけではなく、日常的に無意識で行っている行動や姿勢の中にも存在します。
そのため、まずは自分の行動を見つめ直すことが、長所を見つける第一歩となるのです。
【長所が思いつかない】長所が思いつかない原因5選
長所が思いつかず、自分に長所がないのではないかと感じている人もいるかもしれません。
しかし、本当に長所がないのではなく、考え方や捉え方の違いで長所を見つけられていないだけのことがほとんどです。
ここでは、長所が思いつかない人の多くが抱えている原因5つについて解説します。
自分に当てはまるものがないか確認し、適切に対処していきましょう。
誇れる成功体験がない
多くの人が「成功体験がないから長所がない」と感じています。
特に新卒の就活生は、社会人経験がないため、自信を持てるエピソードが少ないと感じがちです。
しかし、成功体験とは必ずしも大きな成果を意味するわけではありません。
日々の努力や、小さな達成感の積み重ねも立派な成功体験といえます。
そのため、自分の中で基準を高く設定しすぎず、ささいな出来事にも目を向けることが大切です。
たとえば、学業での努力、アルバイトでの責任感ある行動、部活動での協力姿勢なども成功体験の一部として評価されます。
経歴に自信がない
他人と比べて経歴に見劣りすると感じてしまうことも、長所が思いつかない原因の一つです。
名門大学出身ではない、目立った資格がない、リーダー経験がないなど、ネガティブな面ばかりに目を向けてしまうと、自信を持つことが難しくなります。
しかし、企業が重視しているのは、過去の華々しい実績よりも、その人のポテンシャルや人柄であることが多いです。
誠実に物事に取り組む姿勢や、粘り強く努力できる性格など、経歴以外の部分に注目してみることで、自分の長所が見えてくるでしょう。
長所のイメージが高い
長所とは「誰もが感嘆するような優れた能力」でなければならないと思い込んでいると、自分にはそんなものがないと感じてしまいます。
しかし、長所とは他人と比較して特別に秀でていなければならないというものではありません。
自分にとっては当たり前にできることでも、それが他人にとっては難しい場合もあります。
たとえば、丁寧に物事を進める、約束を守る、人の話をよく聞くなど、一見地味に思える特性でも、それは十分に長所になり得ます。
自分の中での「長所のハードル」を下げることで、新たな発見があるかもしれません。
自己分析ができていない
自己分析が不十分な場合、自分の強みや特徴を把握することができません。
自分を客観的に見つめる機会が少ないと、長所を言語化するのは難しいものです。
特に普段から自分について考える習慣がない人ほど、「何が得意なのか分からない」と感じてしまいます。
自己分析には時間と手間がかかりますが、それを行うことで自分自身の理解が深まり、長所も自然と見えてきます。
過去の経験を振り返り、自分がどのように行動してきたのか、何を大切にしてきたのかを整理することが必要です。
他の人と比べてしまっている
周囲の友人や同級生と比べてしまうと、「自分にはたいした取り柄がない」と感じることがあります。
特にSNSなどで他人の成功が目につきやすい現代では、自分を過小評価しがちです。
しかし、他人との比較はあくまで主観的なものであり、そこから自分の価値を測ることは適切ではありません。
それよりも、自分の経験や行動に焦点を当て、自分なりの良さを見つけることが大切です。
比べるべきは他人ではなく、過去の自分自身です。
【長所が思いつかない】思いつかない人がやるべきこと8選
先ほど挙げたような理由から、自分の長所が思いつかない人がやるべきことについて解説していきます。
長所を探すには、自分自身と向き合う必要があります。
ここから紹介していく方法を試し、自分の長所について改めて考え直してみましょう。
成功体験を振り返る
自分の長所を見つける第一歩として、過去の成功体験を振り返ることが効果的です。
成功体験とは、何かを達成した時や、他人に評価された時のことを指します。
たとえば、学業で良い成績を取った経験、部活動での活躍、アルバイトでの工夫、友人や家族から感謝されたことなどが挙げられます。
これらの体験を思い出すことで、自分の中にある強みや努力の軌跡を再確認できます。
記憶をたどる際には、「どんな場面で」「どんな行動をして」「どんな結果になったか」を具体的に掘り下げることが大切です。
他己分析をする
自己分析が難しい場合は、他人からの意見を聞く「他己分析」が非常に有効です。
家族や友人、学校の先生、アルバイト先の上司など、自分をよく知る他者に「自分の良いところ」を尋ねてみましょう。
自分では当たり前だと思っている行動や習慣が、他人にとっては魅力的に映ることも多くあります。
他己分析は、自分の視点では気づけない長所を発見する手助けになります。
得られた意見を記録し、自分の認識と照らし合わせながら新たな気づきを得ることが重要です。
短所を長所に言い換える
一見ネガティブに思える短所でも、視点を変えることで長所として捉えることができます。
たとえば、「優柔不断」は「慎重に判断する」、「飽きっぽい」は「新しいことに好奇心を持てる」などです。
このように短所をポジティブに変換することで、長所として活用できる材料が見えてきます。
ただし、言い換えた際には、その特徴を裏付ける具体的なエピソードを用意しておくと、説得力が増します。
短所を無理に隠すのではなく、前向きに捉える姿勢が、面接でも良い印象を与える要因になります。
企業の求める人物像との接点を探す
企業が求める人物像と自分の資質がどこで一致しているのかを探すことで、自信を持って長所を提示することができます。
企業の採用ページや求人票、社風などから、どのような人物を求めているのかをリサーチしましょう。
そして、自分の過去の経験や行動の中で、それに当てはまるものがないかを探してみることが大切です。
たとえば、「チームワークを重視する」とあれば、自分がチームで協力して目標を達成した経験を思い出してみるなど、接点を意識することで、自分の長所が企業にとってどれだけ価値があるかを伝えることができます。
苦労せずできることから考える
長所は必ずしも努力の末に得られるものばかりではありません。
自分が「特に意識せずにできてしまうこと」「人から簡単にできると驚かれること」の中にも、他人にとっては価値のある長所が隠れている場合があります。
たとえば、人前で話すことが苦にならない、誰とでもすぐに打ち解けられる、細かい作業が得意など、自然体でできることに目を向けることも効果的です。
それらは無意識のうちに身についた能力であり、むしろ自分らしさが表れる部分とも言えます。
継続経験などから考える
何かを継続して行ってきた経験も、立派な長所につながります。
たとえば、長年続けてきた趣味や習い事、毎日続けているルーティンなどは、忍耐力や責任感、計画性などをアピールする要素になります。
続けるという行動自体に意志の強さが伴うため、企業側にとっては非常に魅力的に映ります。
その経験に込めた思いや、継続する中で工夫したことなどを整理することで、自分の価値を具体的に伝えることが可能です。
誰かに褒められた経験を振り返る
他人から褒められたことがある行動や態度は、他者から見た自分の長所である可能性が高いです。
家族や友人、先生、同僚などから「○○がすごいね」と言われた経験を思い出し、その背景や状況を深掘りしてみましょう。
自分では気づいていないような特性や魅力を再確認することができるかもしれません。
褒められたことには、自分の強みが反映されている場合が多く、面接でのアピールポイントとして活用できます。
自己分析をやり直す
一度自己分析を試みたが上手くいかなかったという場合でも、方法を変えて再度取り組むことで新たな気づきが得られることがあります。
たとえば、過去の出来事を時系列に沿って書き出してみたり、性格診断ツールを活用してみたり、他人のアドバイスをもとに考えてみるなど、アプローチの方法を変えることが重要です。
何度か繰り返すことで、自分でも気づかなかった面に光が当たることがあります。
焦らず時間をかけて向き合うことで、より深い自己理解とともに、本質的な長所にたどり着くことができるでしょう。
【長所が思いつかない】就活で使える長所一覧
就職活動では、自分の長所を明確に把握し、それを企業にわかりやすく伝えることが求められます。
しかし、長所と言われても具体的に何を挙げればよいのか分からない人も少なくありません。
そこで、就活でアピールしやすく、企業からの評価も高い長所をいくつかのカテゴリーに分けて紹介します。
長所は大きく分けて「人間関係における長所」「仕事の取り組み方に関する長所」「性格や考え方に関する長所」に分類できます。
これらの観点から自分に合うものを探し、具体的なエピソードとともに説明できるように準備することが重要です。
人間関係における長所一覧
- 協調性
- 傾聴力
- 共感力
- 気配り
- 柔軟性
- リーダーシップ
- 明るさ
- 丁寧さ
- 礼儀正しさ
- 親しみやすさ
- 我慢強さ
- 協力性
- 対話力
- 忍耐力
- 包容力
- 感受性
人間関係に関する長所とは、対人スキルに関連する能力を指します。
こうした長所は、チームでの仕事や顧客とのコミュニケーションが求められる職場において特に評価されやすいです。
実際の場面としては、部活動やサークル、アルバイト先などで他人と協力しながら課題を乗り越えた経験があれば、それを具体的に伝えると説得力が増します。
誰とでも円滑な関係を築ける能力は、どの業界でも通用する汎用性の高い長所です。
仕事の取り組み方に関する長所一覧
- 真面目に取り組む
- 継続力がある
- 計画的に行動できる
- 柔軟な対応ができる
- 目標達成への執着がある
- 几帳面さ
- 向学心
- 集中力
- 整理整頓能力
- スピード感
- 柔軟な発想
- 自己管理能力
- 責務感
- 時間管理力
- 報連相の徹底
仕事の取り組み方に関する長所は、責任感や努力の姿勢、計画性など業務遂行に関わる特徴を指します。
これらの長所は、日々の業務を着実にこなす能力として重視されます。
たとえば、勉強の習慣が続いている、アルバイトで任された仕事を丁寧にこなしてきた、目標を立てて達成する習慣があるなど、日常的な行動から裏付けるエピソードを添えることで、その長所が実際の職場でも活かされるという印象を与えることができます。
性格や考え方に関する長所一覧
- ポジティブ思考
- 向上心が強い
- 冷静に判断できる
- 誠実さがある
- 柔軟な発想ができる
- 好奇心旺盛
- 慎重さ
- 自己主張ができる
- 論理的思考力
- 柔軟性
- 自制心
- 効率意識
- 好感度の高さ
- 倫理観の強さ
- 思いやり
性格や思考に関する長所は、内面的な強みを表すものです。
これらの長所は、変化の激しい社会や多様な価値観が共存する職場環境において、適応力や成長意欲として評価されます。
たとえば、失敗しても前向きに行動し続けた経験、常に新しい知識を学ぼうと努力している姿勢、自分の信念を持って行動している点などを具体的に述べることで、ただの自己主張ではない説得力ある長所として伝えることができます。
【長所が思いつかない】長所の伝え方のコツ
せっかく自分の長所を見つけても、それを効果的に伝える方法を知らなければ、面接官に魅力が伝わりません。
長所を伝える際には、いくつかのポイントを意識することで、説得力と印象を高めることができます。
特に重要なのは、「結論から伝える」「根拠となる具体的なエピソードを伝える」「入社後にどう活かすつもりなのかを伝える」「企業の求める人物像に合わせる」といった点です。
これらのポイントを押さえることで、単なる自己満足ではなく、企業にとって価値のある人物としてアピールすることが可能になります。
結論から伝える
自己PRではまず、「私の長所は○○です」と明確に伝えることが大切です。
話の冒頭で結論を述べることで、面接官にとって理解しやすく、印象にも残りやすくなります。
話の流れが曖昧で長くなると、伝えたい内容がぼやけてしまい、せっかくのアピールが効果を持ちません。
明確に一言で長所を伝え、その後に補足や具体例を加えていく構成が効果的です。
話し方にも注意し、自信を持って言い切ることで、聞き手に安心感と信頼感を与えることができます。
根拠となる具体的なエピソードを伝える
長所を主張するだけでなく、それを裏付けるエピソードを具体的に語ることが重要です。
たとえば、「計画性がある」と述べる場合には、「学業とアルバイトを両立するために時間管理を徹底し、毎月のスケジュールを立てて行動していた」といった具体的な実践例を挙げましょう。
エピソードはできるだけ数字や成果を含めることで、より信頼性が増します。
長所と行動、結果が一貫している構成にすることで、面接官に「本当にその長所を持っている」と納得してもらえるようになります。
入社後にどう活かすつもりなのか伝える
自分の長所をアピールしたうえで、それを企業でどのように活かしたいのかを伝えることは非常に重要です。
採用担当者は、「この人が会社に入ったら、どのように貢献してくれるか」を常に考えています。
そのため、「協調性があるので、チーム内でのコミュニケーションを円滑にし、プロジェクトを効率的に進めていきたい」など、実際の業務での活用イメージを伝えることが大切です。
長所が企業の価値観や仕事内容と一致していれば、より強いアピールになります。
企業の求める人物像に合わせる
企業ごとに求める人物像は異なるため、それに合わせた長所の伝え方が求められます。
企業研究を行い、「自社がどんな人材を求めているか」「どのような価値観を重視しているか」を把握したうえで、自分の長所がそのニーズとどう合致しているかを説明しましょう。
たとえば、ベンチャー企業であれば「柔軟な対応力」や「主体性」、大手企業であれば「計画性」や「協調性」が重視される傾向があります。
単に自分の長所を述べるのではなく、「その企業でこそ活かせる長所」であることを強調することで、説得力が一段と高まります。
【長所が思いつかない】長所を伝える際の注意点
長所を効果的に伝えるためには、避けるべき落とし穴にも注意を払う必要があります。
いくら魅力的な内容であっても、伝え方によっては逆効果になる場合もあります。
代表的な注意点として、「抽象的な表現を使用しない」「ただの自慢にしない」「仕事に活きない長所にしない」「短所との一貫性を大切にする」などが挙げられます。
これらのポイントを踏まえて、聞き手にとって信頼性があり、納得感のあるアピールを目指しましょう。
抽象的な表現を使用しない
「優れている」「頑張り屋」などの抽象的な表現だけでは、具体性に欠けて説得力がありません。
聞き手にとってわかりにくく、実際にどのような能力があるのかをイメージしにくくなってしまいます。
そのため、抽象的な言葉はできるだけ避け、実際の行動や成果を交えた具体的な表現に言い換えることが重要です。
自分の経験に基づいて、どのような場面でどのように活かされたのかを明確にすることで、より実践的なアピールとなります。
ただの自慢にしない
自己PRはあくまで「企業への貢献を示す」ためのものであり、自分をひたすら褒めるだけの自慢話になってしまうと逆効果です。
話の中心は「自分がどう貢献できるか」に据えることが重要であり、その長所を持っていることが企業の利益につながるという視点を忘れてはいけません。
自慢話にならないよう、謙虚さや周囲への感謝を織り交ぜながら、自分の特性を自然体で伝えることが大切です。
仕事に活きない長所にしない
たとえ素晴らしい長所であっても、それが仕事に直接活かされないものであれば、企業にとってはあまり意味を持ちません。
たとえば、「モノマネが得意」「ゲームが上手」などは面白みはありますが、職務内容に直結しない場合はアピール材料としては適しません。
自分の長所がどのように職場で役立つのか、具体的なイメージをもって説明できるように準備しましょう。
短所との一貫性を大切にする
自己PRでは、長所と短所に矛盾がないようにすることも重要です。
たとえば、長所で「計画性がある」と述べながら、短所で「行き当たりばったり」と伝えると、信憑性に欠けてしまいます。
長所と短所は表裏一体であるため、整合性を保つことで、より納得感のあるアピールが可能になります。
短所を補うような長所、あるいは長所の裏返しとして短所を説明するなど、バランスの取れた構成が求められます。
【長所が思いつかない】まとめ
長所が思いつかないという悩みは、多くの就活生が抱える共通の課題です。
しかし、視点を変えたり、具体的な行動を振り返ったりすることで、自分自身の中に確かに存在する長所を見つけ出すことが可能です。
成功体験や他己分析、自己分析の再挑戦など、さまざまな方法を通じて自分の強みを再発見し、それを就職活動の武器に変えていきましょう。
大切なのは、自分の経験に自信を持ち、それを企業に対してどのように役立てられるかをしっかりと伝えることです。
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