集団面接は個人面接とどんな違いがある?受けるポイントやよく聞かれる質問も解説

集団面接は個人面接とどんな違いがある?受けるポイントやよく聞かれる質問も解説

はじめに

「これから就職活動を始めるけれど、何から始めればいいか分からない」 「面接対策はどうすればいいんだろう?」 このように、就活や転職活動に対して疑問を持っている人は多いことでしょう。

この記事では、集団面接と個人面接の違い、面接におけるポイントやよく聞かれる質問に加え、面接の流れといった面接対策について解説しているため、この記事を読むことで、面接におけるマナーやコツがつかめます。

また、面接に対する幅広い見方ができるようになれば、これから大学受験を考えている方や、マーケティングを担当している方にとっても有力な情報になるでしょう。

本記事を参考に面接におけるマナーやコツを身に付け、一足先にライバルとの差をつけましょう。

集団面接はどんな面接?

「集団面接」とは、その名前のとおり、複数の応募者が同時に行うスタイルの面接です。面接官の人数は決まっておらず、1人の場合もあれば複数いる場合もあるでしょう。

集団面接は、一次面接で行われることが多く、自己PRや志望動機といった定番の質問が多い傾向にあります。

全員に同じ質問を投げかけられることが多く、他の応募者の回答を聞いた上で自分の回答を話す事も多いでしょう。その時に、自分なりにしっかりと回答ができるかどうかが、集団面接に合格するポイントとも言えます。

ともに集団面接を受ける応募者は、仲間ではなくライバルだと思って挑みましょう。

集団面接と個人面接の違いは?

集団面接と個人面接の主な違いは、面接を受ける側の人数とかかる時間です。面接官は、集団面接の場合と同様に、1人の場合もあれば複数いる場合もあります。

個人面接の場合、面接官の質問を受けるのは1名で、面接にかかる時間は約20分~30分と、長めに設定されているのが一般的です。ここでは、一つひとつの質問が深堀りされることが多いでしょう。

集団面接の場合、面接官の質問を受けるのは複数で、面接にかかる時間は約30~40分と言われています。その場にいる就活生全員に同じ質問がされることもあるため、自分以外の就活生の答えについてもしっかりと覚えておく必要があるでしょう。

ここからは、集団面接の特徴につて詳しく見て行きましょう。

一人あたりのアピール時間が短い

集団面接における面接時間は約30分~40分のため、応募者が4~5人いる場合、一人あたりの総アピール時間は約5分と短くなります。

個人面接に比べて長く話せないため、限られた時間で自分をアピールできるかどうかがポイントになるでしょう。自分の番で長々と話してしまえば、他の就活生が話す時間がなくなってしまいます。

その結果、面接官に「自分のことしか考えていないのではないか」「協調性に難があるのでは」という目で見られる可能性もあるでしょう。

そのようなことを避けるためにも、各質問に対して1分以内に回答できるよう、簡潔にまとめておくことをおすすめします。

他の応募者と比較される

集団面接で、面接官はその人のマナー、コミュニケーション能力、協調性などを見極めています。

集団面接では、誰が優秀で誰が劣っているかなどが顕著に表れるため、比較されることが多いと理解しておきましょう。

たとえば、声の大きさや表情1つで悪目立ちしてしまう可能性もあるため、所作一つひとつを丁寧に行うように心がけてください。

自分以外の応募者の回答を聞くことができる

自分以外の応募者の回答を聞いている時の傾聴力も、評価に繋がります。

「自分が回答し終わったから終わり」ということではなく、相槌を打つなどの反応や少し微笑むといった表情まで、気を緩めないようにしましょう。

また、自分以外の回答を聞くことで、思いがけない回答が見つかる可能性もあるでしょう。

集団面接のマナーと受ける時のポイント

集団面接のマナー自体は、個人面接とほとんど変わりません。面接前に何度も確認することで正しく理解し、納得のいく集団面接にしましょう。

ここからは集団面接を受ける際のポイントなどを紹介するため、ぜひ参考にしてください。

集団面接を受ける時のマナー

面接の場において重要なマナーは、身だしなみ、言葉遣い、態度の3点になります。

それぞれ、受付時、入退室時でどのように気をつければいいか、押さえておきたいポイントを見て行きましょう。

受付の時

面接は、受付の時点から審査が始まっています。

面接の受付は、10分前には終わらせておくのが基本的なマナーです。そのためには、どのくらい前に会場到着している必要があるのか、逆算して時間配分を決めておきましょう。

会社に入る前に、まずは身なりを整えましょう。受付では自分の名前と来訪した目的に加え、これからどうしたいのかをはっきりと伝えます。

ここでの第一印象が面接に響く場合もあるため、嫌な印象を持たれない振る舞いを心がけましょう。

入室する時

入室してから退室するまで、順を追って説明しましょう。

1、受付の方が面接会場まで案内してくれた場合、「ありがとうございます」とお礼を述べる。 2、室内から応答があったら、「失礼いたします」と声をかけてからドアを開ける。 3、入室したら、両手で静かにドアを閉める。 4、面接官としっかり向き合ったことを確認してから名前と挨拶を述べた上で、「よろしくお願いします」と笑顔で話す。 5、面接官から着席を促されたら、「失礼いたします」と言って着席する。

上記は一般的な流れですが、先に就活生だけ面接会場に通される場合もあるでしょう。

後から入室してきた面接官を、座ったまま迎えることは失礼にあたります。この場合も、面接官から着席を促されるまでは立ったままでいましょう。

退出する時

面接が終了してから、出口までの動作は以下の通りです。

1、面接官から面接終了の合図があったら、「本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます」などとお礼を言う。 2、速やかに物を片付けて、バッグを持って立ち上がる。 3、出口でしっかりと面接官に向き直り、「本日はありがとうございました。よろしくお願いします」とお礼と挨拶を述べる。 4、両手で静かに扉を閉める。

退室後、企業の出口までに他の社員とすれ違った場合は軽く会釈するようにしましょう。

集団面接のポイント

面接におけるポイントは集団も個人もほぼ変わりありませんが、集団面接ならではのポイントがあります。

集団面接をより良いものにするために、以下に挙げるポイントをチェックし、万全の体制で本番に臨みましょう。

身だしなみに気をつける

「第一印象は、身だしなみで決まる」と言っても過言ではないでしょう。

面接はほとんどの場合、初めて会う人ばかりでしょう。見た目の印象で評価が下がってしまうことがあるため、身だしなみはしっかりと整えておく必要があります。

男女ともに落ち着いた髪色でお辞儀をした時に、髪で顔が隠れない程度の短さが良いでしょう。髪が長い女性の場合は、まとめておくことをおすすめします。スーツは自分に合ったサイズのものを着用します。

常に相手にどう見られるかを意識し、ヘアスタイルや小物、メイクまで気を遣うようにしましょう。

エントリーシートに書いた内容をチェックしておく

面接時の質問は、多くの場合、提出したエントリーシートの内容から出されます。

そのため、自己紹介、学生時代頑張ったこと(ガクチカ)、自己PRなど、面接では必ず聞かれる質問に対する回答は覚えておく必要があります。

エントリーシートに書いた内容と回答が違うことがないよう、しっかりとチェックしておきましょう。

質問には簡潔に答える

集団面接の場合、一人あたりの回答時間が短くなります。

自分ばかりでなく、他の応募者の持ち時間も意識する必要があるため、簡潔に内容を伝えるように心がけましょう。

ただしいくら簡潔とは言え、他の応募者に比べて自分だけ短ければ「やる気が無い」という印象を与えてしまう可能性もあります。

1分以内に伝えたいことをまとめ、限られた時間の中で自分をアピールしましょう。

面接にふさわしい言葉遣いをする

社会に出たら、目上の人に正しい敬語を使えることは当たり前のマナーでしょう。そのため、面接の時点でも、ふさわしい言葉遣いができているかが見られます。

正しい敬語とは、尊敬語、丁寧語、謙譲語を上手に使えているかどうかです。面接官に好印象を与えるために、この3点は押さえておきましょう。

尊敬語と謙譲語の使い方に迷った場合、主語が自分の場合は謙譲語、主語が相手の場合は丁寧語だと覚えておいてください。

企業の求める人材像に合った回答をする

企業が求める人物像は、積極性がある人です。

「与えられた仕事をこなして終わり」ではなく、自分で考えて行動できる人や柔軟性がある人、外向性がある人が求められていることを知っておきましょう。

ただし、企業によって求める人物像が異なることには注意が必要です。たとえば、サービス業や事務などで重要視されるものと金融系専門職で求められるものは同じではありません。

自分が応募する企業がどのような人材を求めているのかをしっかりと把握した上で、企業が求める人物像に合った回答をしましょう。

アピールできるようなエピソードがない場合

自己PRがないと悩む人は多いでしょう。そういう人は、「自分の魅力が分からないのに、それを売り込むことはできない」などと難しく考えているのではないでしょうか。

誰にもアピールポイントはあります。悩んでいる人は、まだ見つけられていないだけと考えてください。

自己PRがないという悩みを解消するポイントには、以下の3点があります。

1、自己分析で過去の経験を深掘りする 2、家族や友人に自分の強みを聞く 3、企業が求める人物像を調べる

中でも、自己分析は自己PRを作成する時にとても役立ちます。リーダー経験などの特別なエピソードや実績にこだわらず、小さなエピソードでも、自信を持って堂々と話しましょう。

自分以外の人が話している時も緊張感を持つ

自分の回答が終わっても気を抜かないというのは、集団面接ならではのポイントでしょう。

このポイントを見過ごし、安心感から表情が暗くなったり、態度がだらけてしまったりしては面接官の評価が下がってしまいます。

他の人が話している時も緊張感を持つようにしましょう。

他の応募者の回答に気を取られない

たとえば、他の応募者の回答が自分より優れていると感じてしまった場合、自分の意見に自信が持てなくなることがあります。

また、意見が被ってしまった場合も焦りが出るでしょうが、相手の回答に気を取られないことは重要なポイントです。

面接官がどんな答えに魅力を感じるのか、就活生が測り知ることは難しいでしょう。他の回答者がどんな答えをしても、焦らずに自信を持って自己アピールしましょう。

話そうとしていた内容を他の人が先に言ってしまったら

集団面接では、話そうとしていた内容を他の人が先に言ってしまうことはよくあります。

しかし、そこで慌てて意見を変えるのはやめましょう。たとえ被ってしまっても、焦らずに自分の意見としてアピールすることをおすすめします。

ここで自分らしさを主張することで、面接官に好印象を抱いてもらえる可能性もあります。

面接中は、他人の意見に左右されずに自信を持って答えることが、集団面接で勝ち抜くポイントと言えるでしょう。

挙手制の場合は早めに手を挙げる

企業によっては応募者の積極性を見るために、挙手制で答えを求めることがあります。そういう時は、迷わずにすぐに手を挙げましょう。

トップバッターになることを恐れず、早く挙手できるのが理想です。

逆質問をする

面接の最後に、面接官から応募者に対して何か質問はないか問われることがありますが、これを「逆質問」と言います。

逆質問の目的としては以下の3点が挙げられます。内容を踏まえた上で逆質問を考えましょう。

・学生の入社意欲を知ること ・企業への興味関心をはかるため ・集団でのコミュニケーション能力をはかるため

たとえば、入社後の昇給制度についての質問であれば、「自分がその企業に入社した後のキャリアプランまで考えている」とアピールできるでしょう。

集団面接で聞かれることが多い質問

ここからは、集団面接で聞かれるオーソドックスな質問やその答え方について紹介していきます。

それぞれの質問にどのように答えれば良いのか、1個ずつチェックしておきましょう。

自己紹介をお願いします

自己紹介では、名前だけでなく、大学・学部・学科まで伝えます。ここに所属しているサークルや趣味などを追加で伝えると、覚えてもらいやすくなります。

ただし、自己紹介はあくまで挨拶のため、簡潔に必要な情報だけを伝えましょう。

自己PRをしてください

自己PRとは、面接官に自分をアピールすることです。

面接官は、あなたが企業でどのように役立ってくれるのかという観点で見ています。

アピールとなると、話したいことがたくさんあるという方もいるでしょうが、簡潔に伝えることが大切です。的外れな答えにならないよう、企業がどういった人材を求めているのかを事前に調査しておきましょう。

学生時代に取り組んだことは?

学生時代に取り組んだこと(ガクチカ)の質問では、エントリーシートに書かれていることを深掘りされることが多いでしょう。これは限られた文字では分からない、応募者の価値観や対応力を見極めるためです。

ガクチカについて話す時は、まず結論から話しましょう。次にその行動を起こした理由と出来事の解説をし、最後にその経験を通してどうなったかという結論を話します。

ポイントは、エントリーシートに書いたことを暗記するのではなく、書けなかった意見を述べることです。

時間配分も重要ですが、面接は面接官とのコミュニケーションだということを覚えておきましょう。

志望動機は?

企業側は応募者の志望動機を通じて志望度の高さを計り、社風にマッチしているかを見極めます。

この質問への回答では、目の前の人物が会社で活躍してくれる人材なのか、内定を出した場合、本当に自社へ来る気持ちがあるのかなどが判断されます。

そのため、応募する企業がどのような社風でどんな人材を求めているのか事前調査し、企業に応じた志望動機を伝えるようにしましょう。

あなたの強みは何ですか?

強みを伝える時は、応募先の企業求める人物像を知り、その像と自分の強みにズレはないかという確認が必要です。

自分の強みについて話す際は、抽象的な表現をやめましょう。たとえば、強みがコミュニケーション能力という場合、ただ「能力がある」と伝えただけでは説得力に欠けます。

コミュニケーション能力について話す時はこれまでの経験の中で、その能力が役立った場面についても詳しく話しましょう。

企業側の求める人材と自分をマッチさせながら、根拠となる事実例も話せれば、面接官の印象に残せるでしょう。

自分で短所だと思うことは?

面接の場で、自分の短所を話したくないという方は多いでしょう。

しかし、企業側が短所を聞く理由はその人物が自分の短所と向き合い、克服する努力をしているのかを知るためです。

面接では、抱えている一番のコンプレックスを話す必要はありません。

短所をそのまま伝えるのではなく、克服するためにどのような努力をしているのかという前向きな結論で締めくくることがポイントです。

挫折した経験を話してください

挫折経験を聞く理由は、目の前の人物がどんな人生を歩んできたのかを知り、今後挫折した時にどう対処するのを知るためです。面接官は単なる失敗談を聞きたいわけではありません。

短所同様、自分の失敗体験を大切な面接で話すことに抵抗がある人は、なぜこの質問をするのか理解しておきましょう。

この質問の回答には、なぜトラブルが起こったのかを掘り下げられる失敗体験を選ぶのがポイントです。

まずは、どのような挫折だったのかを一言で話し、次にその内容を具体的に掘り下げます。そして、挫折を乗り越えるために自分がどのように対応したのかを話してください。

さらには、その経験を教訓に、今後自分はどうしていきたいのかなどが話せれば、なお良いでしょう。

答えに困る質問であっても、最後はポジティブな締めくくりになるように心がけましょう。

ポイントを押さえて集団面接に臨もう

本記事では、集団面接は個人面接の違いについて紹介しました。

集団面接は、一般的な面接マナーの他にも、時間配分や傾聴力が見られる面接です。そのため、自分が話していない間も気は抜けません。

集団面接を受ける前に、今一度マナーやルールを押さえておきましょう。また、エントリーシートの内容の確認も忘れずに行なってください。

本記事を参考に、ポイントを押さえて集団面接を勝ち抜きましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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