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継続力のガクチカはぶっちゃけ評価されるのか?
継続力がありますとアピールする学生は少なくありません。
実際に、何かを長期間にわたって続けてきた経験は、就活において一定の評価を得やすい要素です。
しかし、継続したことそのものが評価されるかというと、実はそう単純ではありません。
企業が注目するのは、何をどのように継続し、どのような成果につなげたのかという点です。
アルバイトを3年間続けたとしても、ただ続けていたという印象しか残らないと、他の学生と差別化するのは難しいかもしれません。
一方で、同じアルバイト経験でも売上目標を達成するために施策を提案し、実際に成果が出た、新人教育を任され、定着率が向上したといった成果が伴っていれば、大きなアピールポイントになります。
継続力のガクチカから人事が受ける印象とは
就活で継続力をアピールする学生は多く、実際に企業の人事もこの要素に対して好意的な印象を持つことが一般的です。
- 成果が明確であれば強い印象を受ける
- 専門用語は分からない人事も多い
- 継続力がガクチカだからといって落とすことはない
継続できるということは、責任感や粘り強さ、安定性といった社会人に求められる素養を持っていると感じられやすいためです。
ただし、人事が注目するのはどれだけ長く続けたかではなく、なぜ続けられたのか、その過程でどんな工夫や成長があったのか、最終的にどんな成果を得たのかという点です。
継続力という言葉だけでは抽象的になりやすいため、背景や結果をしっかりと伝えることが、印象を大きく左右します。
ここでは、継続力をどう伝えれば良い印象を持ってもらえるのかを具体的に見ていきましょう。
成果が明確であれば強い印象を受ける
継続力をアピールする際、単に続けたという事実だけでなく、明確な成果をセットで伝えることで、より強い印象を与えることができます。
これは、人事があなたの結果を出す力や粘り強さをよりリアルにイメージできるためです。
努力の過程だけでなく、その結果がどうだったのかを伝えることで、この人は継続を成果に結びつけられる人なんだなと評価されるのです。
また、成果といっても、必ずしも数値的なものだけに限らなくても構いません。

継続の先にどんな価値を生み出せたのか、それを人事にわかりやすく伝えることが、ガクチカの説得力を高めるカギとなります。
専門用語は分からない人事も多い
ガクチカで専門的な取り組みを紹介する場合、特に注意したいのが言葉のわかりやすさです。
自分にとっては当たり前のように使っている専門用語でも、人事の方がその分野に詳しいとは限りません。
専門用語ばかりでよく分からなかったなという印象を持たれてしまうと、せっかくの取り組みが評価されにくくなる可能性があります。
ポイントは、専門用語を使わずに説明できるように工夫すること。
相手に伝わる言葉で語ることも、立派なコミュニケーション能力のひとつです。
専門的な内容だからこそ、シンプルに噛み砕いて伝える工夫が、評価を大きく左右するポイントになります。
継続力がガクチカだからといって落とすことはない
継続力って無難すぎて印象に残らないのでは?と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、継続力そのものが理由で選考から落とされることは、ほとんどありません。
むしろ、企業側から見ても継続できる人は、安定感や信頼感を感じやすいため、プラスの印象を持たれることが多いです。
ただし、継続した内容や期間だけを淡々と伝えるだけでは、やや物足りなく感じられることもあります。
大切なのは、なぜそれを続けたのか、その中で自分なりに工夫したこと、どんな学びや成長を得たかを、エピソードを交えて語ることです。

継続する過程での主体性や視点の転換が感じられると、人事にとっても印象的なエピソードとなります。継続力は、そのままでも十分評価される素質ですが、そこに自分らしさや成長の軌跡を乗せることで、唯一無二のガクチカになります。安心して、自分の取り組みを自信を持って伝えてください。
継続力のガクチカを作る3ステップ
継続力を効果的にアピールするためには、単に〇年間続けましたと言うだけでは不十分です。
- 学生時代に頑張ったことが継続力であることを伝える
- 活動目的や課題、解決のための工夫を具体的に伝える
- 学びを入社後にどう活かすか伝える
どのような目的で取り組み、どんな課題があり、どのように乗り越えたのか、そしてその経験から何を学び、それを今後どう活かしていくのか。
このように一連の流れでエピソードを整理し、伝えることが重要です。
特にガクチカ(学生時代に力を入れたこと)で継続力を取り上げる場合、努力の過程や自分なりの工夫を具体的に言語化することが評価につながります。
人事担当者は、あなたの経験そのものよりもその経験から何を考え、どう行動し、何を得たかに注目しています。
この章では、継続力を強みとしてアピールするために有効な3つのステップをご紹介します。
どのように自分のエピソードを構成すれば良いのか、順を追って解説しますので、ご自身の経験を振り返りながら、実際のエントリーシートや面接で活かしてみてください。
1. 学生時代に頑張ったことが継続力であることを伝える
まず大切なのは、自分のガクチカの中に継続力があることを明確に伝えることです。
アルバイトを3年間続けました、部活動に4年間打ち込みましたというように、まずは何をどのくらい続けたのかを具体的に示しましょう。
このとき、ただ続けただけでなく、なぜその活動を始めたのか、どんな想いで取り組んでいたのかなど、動機や背景も一緒に語ると、より説得力が増します。

継続には必ずきっかけや目的があるはずです。それを丁寧に伝えることで、人事の方にもあなたの価値観や人柄が伝わりやすくなります。また、途中で辞めたいと思ったこともあったが、○○をきっかけに続けることができたといったエピソードを加えることで、より深い継続力のアピールになります。継続とは、ただ長くやることではなく、困難を乗り越えて続けてきた姿勢の表れです。まずはこれは継続力を示す経験なんですと、自信を持って言えるようにしておきましょう。
2. 活動目的や課題、解決のための工夫を具体的に伝える
次に重要なのが、継続の過程でどのような目的を持って取り組んでいたか、そしてどのような困難に直面し、どう乗り越えてきたのかを具体的に語ることです。
この部分がしっかりしていると、あなたの行動力や考える力が伝わり、ガクチカ全体に深みが生まれます。
課題に対してどうアプローチしたかが伝わることで、単なる継続ではなく、成長しながら継続したことが伝わります。
また、アルバイトの新人指導がうまくいかず悩んだが、マニュアルを作成することで改善した、チームメンバーと衝突したが、定期的な話し合いを導入することで解決したといった具体的な解決策があると、行動力や課題解決能力のアピールにもつながります。
継続の中で何に悩み、どう工夫したか、といった部分が最もあなたらしさを表現できるポイントになりますので、丁寧に振り返ってみましょう。
3. 学びを入社後にどう活かすか伝える
最後のステップとして、継続力を通じて得た学びや成長を入社後にどう活かせるのかを伝えることが大切です。
これはガクチカを自分語りで終わらせず、企業に対する貢献意欲を伝える重要なパートです。
特に継続力は、多くの仕事において必要とされる資質です。
日々の業務を地道に積み重ねることや、長期的なプロジェクトに粘り強く取り組むことなど、社会人生活の中で多くの場面で活かされます。
その点をしっかりと理解して伝えられると、人事にとってもこの学生は入社後の姿を具体的に想像できているなと感じてもらえるはずです。

自分はこれまでこうして継続してきた、そしてそれは御社でこう活きるというストーリーを描ければ、ガクチカの完成度が一気に高まります。
継続力のガクチカで選考を通過するコツ
継続力をテーマにガクチカを作成する際、ただ長く続けましたと伝えるだけでは選考を通過するには少し弱いかもしれません。
- 学んだことを言語化する
- 成果を示すために数字を用いて具体的に伝える
- チームの場合は積極的にチーム活動であったことを伝える
企業の人事は、応募者の継続力の中にある価値や成長、再現性のある行動パターンを見極めたいと考えています。
そのためには、継続の中で何を感じ、どう考え、どのように乗り越えてきたかを具体的に伝えることが求められます。
また、成果や学びを言語化して、自分の成長ストーリーとして伝えることも非常に効果的です。
この章では、継続力のガクチカを選考で効果的に伝えるための3つの具体的なコツをご紹介します。
どれも実践的で、今日からでも取り入れられる内容ばかりですので、これからエントリーシートを書く方や面接準備をしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
学んだことを言語化する
継続力をアピールするうえで欠かせないのが、継続する中で得た学びを自分の言葉で語れるかどうかです。
これはつまり、自分自身の変化や成長を言語化し、相手に伝わる形にするということです。
たとえば、3年間サークル活動を継続したことで、粘り強さが身につきましたとだけ述べても、抽象的すぎて印象に残りにくい可能性があります。
これに対して、成果が出ない時期も諦めずに練習メニューを見直し、試行錯誤を重ねた経験から、困難に対して冷静に向き合う力が身につきましたと伝えると、具体的な行動と結びついた成長が見えてきます。

学びは仕事にどう活かせるかまで言及することで、より効果的なアピールになります。この経験から身につけた粘り強さは、業務の中で継続的に成果を出す際にも活かせると考えていますといった形で、学びと志望動機を自然に接続できれば、説得力がぐっと高まります。
成果を示すために数字を用いて具体的に伝える
成果を伝える際に有効なのが、数字を活用することです。
継続して努力を重ねた結果が具体的にどう表れたのかを数値で示すことで、説得力が一気に増します。
結果を視覚的にイメージできるようなデータがあると、聞き手もその成果を実感しやすくなります。
もちろん、すべての経験に明確な数値があるわけではありませんが、なるべく定量的に表現できる部分は数字に置き換えてみる工夫をしてみてください。
数字は客観性を持たせるための強い武器です。
自分が成し遂げたことを、できるだけ他人にも伝わる形で提示できるように工夫してみましょう。
チームの場合は積極的にチーム活動であったことを伝える
ガクチカがサークルや部活動、ゼミやアルバイトなどチームでの取り組みの場合は、自分の役割やチーム全体への貢献を明確にすることがポイントです。
個人の成果だけを強調するのではなく、チーム全体でどのような目標に向かい、どのように協力して取り組んだのかを伝えることで、協調性やリーダーシップといった資質も同時にアピールできます。
自分の立場や行動を明確にしたうえで、その結果、チームとして◯◯という成果を出すことができましたと、チーム全体の成果につなげる構成が理想的です。

対立が起きたときに中立的な立場で調整役を務めた、メンバーの意見を集約し、計画を練り直したといったエピソードがあれば、それも立派なアピールポイントになります。チームでの継続的な努力を通じて、自分がどのように貢献したのかを伝えることで、協働力の高さを示すことができ、面接官にも良い印象を与えることができるでしょう。
継続力のガクチカをアピールする際の注意点
継続力は、就活において非常に評価されやすい要素のひとつですが、その伝え方にはいくつかの注意点があります。
- 途中で挫折した経験も正直に伝える
- 無理に長期間続けた結果だけでなく、その中での工夫も強調する
- 単に続けることに固執しすぎないように意識する
ただ〇年間続けましたと言うだけでは、印象に残りにくいばかりか、それだけ?と思われてしまうこともあるためです。
重要なのは、継続したこと自体よりも、その過程でどのような工夫を重ね、どのような困難を乗り越え、どんな学びを得たのかをしっかりと伝えることです。
また、無理にポジティブなことだけを話そうとするのではなく、失敗や挫折を経験した場合には、その事実を素直に伝えた上で、どう立ち直ったのかやそこから何を学んだのかを語ることで、逆に説得力が増します。
この章では、継続力をアピールするうえで陥りやすい落とし穴や注意すべきポイントを3つに分けて解説します。
途中で挫折した経験も正直に伝える
就活でガクチカを語る際、失敗や挫折はマイナス評価になるのでは?と心配される方もいらっしゃいますが、実際にはそういった経験こそが人間らしさや成長の証として高く評価されることがあります。
特に継続力をアピールする場面では、ただ順調に続けてきた話だけでなく、壁にぶつかったが、乗り越えた経験や中断してしまったが再挑戦した経験があると、それがあなたの粘り強さや自律性を強く印象づけることにつながります。

正直に話すことで、あなたの誠実さも伝わります。挫折は決してマイナスではなく、それをどう受け止め、どう行動したかが重要です。恐れずに、等身大の自分を表現することが信頼につながります。
無理に長期間続けた結果だけでなく、その中での工夫も強調する
継続力を語るうえで、〇年間続けたという時間の長さにばかり注目してしまいがちですが、評価されるのはどのように続けてきたかの中身です。
長く続けたことは確かに立派ですが、それだけでは印象に残るアピールにはなりません。
むしろ、成果を出すためにどんな工夫をしてきたか、どう改善を重ねてきたかを伝えることが、継続力の本質をより深く伝えることにつながります。
継続の中には必ず試行錯誤の過程があります。
その部分を丁寧に伝えることで、単なる続けただけに終わらない、価値ある経験として相手に届くのです。
時間の長さよりも、取り組みの深さを意識して振り返ってみてください。
単に続けることに固執しすぎないように意識する
継続すること自体が目的になってしまうと、かえって本質的な成長や成果を見失ってしまうことがあります。
継続は大切な強みですが、それに固執するあまり、柔軟な判断や変化への対応力が伝わらなくなってしまうのは避けたいところです。

大切なのは、なぜ続けたのか、何を改善しながら続けたのかといった、目的や工夫の部分です。また、必要であれば見直す、やり方を変えるといった選択ができる柔軟性も、現代のビジネスシーンでは重視されます。継続の中にある選択と工夫を意識し、単なる我慢ではない前向きな継続をアピールできるように心がけましょう。
継続力のガクチカ例文3選
ここでは、実際の就活で活用できる継続力をテーマにしたガクチカの例文を3つご紹介します。
- アルバイトのガクチカ例文
- 部活のガクチカ例文
- インターンのガクチカ例文
それぞれ、アルバイト・部活動・インターンシップと異なるシチュエーションに基づいており、ご自身の経験に近いものを参考にしてアレンジすることで、説得力のあるエピソードを作ることができます。
アルバイトのガクチカ例文
ガクチカ例文
アルバイト先で、毎日決まった時間に出勤することを続けました。
最初は業務の進行が遅かったのですが、日々効率を上げるために工夫し、最終的には売上の向上に貢献できました。
この例文では、ただ出勤し続けたという継続ではなく、業務効率化という目的に向かって主体的に取り組んだ姿勢が見える点がポイントです。
また、結果として売上向上に貢献したことを伝えており、成果につながった継続力として評価されやすい内容になっています。
部活のガクチカ例文
ガクチカ例文
部活で毎日練習に参加し、技術向上を目指しました。
途中でケガをしたこともありましたが、リハビリを続けながらチームのために練習を続け、最終的には大会で成績を向上させました。
このエピソードでは、困難(ケガ)に直面しながらも、チームの一員としての役割を果たし、努力を継続した姿勢が強調されています。
挫折と回復を通じて継続力と責任感が伝わる、バランスの良いガクチカです。
インターンのガクチカ例文
ガクチカ例文
インターンシップで、毎週の報告会に参加し、業務の進捗をチェックしました。
途中で問題が発生した際には、その都度解決策を考えながら改善を行い、最終的にチームの目標を達成しました。
この例では、報告を継続するという地道な行動と、問題解決の姿勢をセットでアピールしています。
継続の中で成果を出すためにどのような行動をとったのかが明確に描かれており、実践的なガクチカとして説得力があります。
まとめ
継続力をアピールする際に最も大切なのは、ただ続けたという事実だけで終わらせず、その中で何を考え、どんな工夫をし、どのような成果や学びを得たかをしっかりと言語化することです。
特に就職活動においては、目標に向かって粘り強く取り組む姿勢や、自らの成長を振り返り、それを企業でどう活かせるかを伝えられる人材が求められます。
継続は、単なる根性論ではなく、自律性や課題解決力、協調性といったさまざまな強みを表現できる切り口です。
今回ご紹介した例文や注意点を参考に、ご自身の経験をしっかりと振り返り、自信を持って継続力を語れるように準備していきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
継続力を伝える際には、その背景にある目的意識や行動、得られた学びをセットで語ることが重要です。結果として自分がどう成長したのかを言語化することで、初めて継続力が評価されるガクチカになります。継続は強みになりますが、そこに説得力ある成果や成長のストーリーをのせてこそ、企業の心に響くアピールになるのです。