【例文10選】ES「将来実現したいこと」の答え方!聞かれる意図や書く際のポイントを徹底解説!

【例文10選】ES「将来実現したいこと」の答え方!聞かれる意図や書く際のポイントを徹底解説!

就職活動において、エントリーシート(ES)で頻出の設問のひとつが「将来実現したいこと」です。

自分の夢や目標を語る場面でありながら、何を書けば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

特に「企業とのつながりが見えない」「抽象的すぎる」といった内容では、意欲があっても評価されにくいことがあります。

この記事では、よくあるNG例文とその理由を詳しく解説しながら、ESで避けるべきポイントをわかりやすくご紹介します。

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「将来実現したいこと」はESで頻出の項目

エントリーシート(ES)において、「将来実現したいこと」は志望動機や自己PRと並んで頻出の設問です。

企業はこの質問を通じて、学生がどのようなビジョンを持ち、どんな未来を描いているのかを知ろうとしています。

単なる夢や理想ではなく、その人の価値観や思考の深さ、成長意欲を読み取るための大切な材料とされています。

「将来実現したいこと」を問う設問では、単に「こうなりたい」という気持ちだけでなく、その背景や理由、どのような努力をしているのか、そしてその企業で働くこととどう結びついているのかまでが見られています。

そのため、自己理解を深め、明確なキャリアビジョンを描くことが求められます。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

近年では、入社後の成長可能性や自律的にキャリアを築いていける人材が重視される傾向にあり、「将来実現したいこと」はその見極めの軸の一つになっています。

だからこそ、将来像を語るときには「企業とともにどう成長していきたいか」という視点を持つことが大切です。

あなたの未来像が企業にどんな貢献をもたらすかを考えながら、自分らしい言葉で表現していきましょう。

ESで聞かれる「将来実現したいこと」とは

就職活動のエントリーシートでは、「将来実現したいこと」というテーマで質問されることが多くあります。

これは、単に夢や理想を語るのではなく、将来のキャリアの中でどのような成果を出し、どのような役割を担っていきたいのかという、より具体的な内容を求められる設問です。

例えば、「社会に貢献したい」「人の役に立ちたい」といった漠然とした思いを持っている方も多いと思いますが、それを一歩進めて、「どのような業務を通じて?」「どのようなポジションで?」という視点に落とし込んでいく必要があります。

企業側は、この質問を通じて、応募者が入社後どのように成長し、どのようなキャリアパスを描いているのかを見ようとしています。

また、企業のビジョンや方向性とマッチしているかどうかを判断する材料にもなります。

そのため、まずは自分が将来的にどんな存在でありたいのか、どのような社会的意義を感じながら働きたいのかを考えてみてください。

そして、その実現のために今から何をしているのか、どんな姿勢で取り組んでいるのかを、具体的なエピソードを交えながら伝えることが効果的です。

「将来実現したいこと」の類似項目との違い

「将来実現したいこと」にはいくつかの類似項目があります。

「将来実現したいこと」の類似項目

志望動機

将来の夢

似たような内容に感じられますが、企業の見ているポイントは異なる設問になります。

そのため、違いを抑えて企業の知りたい情報を答える必要があります。

ここから、類似の質問との違いについて解説します。

志望動機との違い

「志望動機」と「将来実現したいこと」は一見似ているように思えますが、実は焦点がまったく異なります。

志望動機は、「なぜこの企業を選んだのか」「なぜこの業界に興味を持ったのか」といった、企業との接点に関する問いです。

一方で、「将来実現したいこと」は、その企業に入ったあとに「自分がどのように活躍し、どのような目標を達成したいのか」といった未来志向の内容になります。

つまり、志望動機は入口の話、「将来実現したいこと」はその後の話です。

たとえば、志望動機で「貴社のグローバルな事業展開に魅力を感じました」と述べたのであれば、「将来実現したいこと」では「海外拠点のマネジメントを任されるような人材になりたい」といった具合に、より発展的かつ具体的なキャリアの展望を語るのが望ましいでしょう。

両者を混同せず、役割の違いを理解することで、それぞれの設問に対して深みのある回答を用意することができます。

将来の夢との違い

「将来の夢」という言葉は、やや抽象的で自由度の高い表現が許される傾向があります。

たとえば、「いつか自分の店を持ちたい」「世界を飛び回る仕事がしたい」といった表現は、夢としては成立します。

しかし、エントリーシートで問われる「将来実現したいこと」は、より現実的かつ具体的である必要があります。

企業側が知りたいのは、あなたがその会社でどのように成長し、どのような役割を果たしていくのかということです。

そのため、「実現可能性」や「行動の裏付け」が求められます。

ただの願望ではなく、「それを叶えるために今どんな努力をしているのか」「その企業の環境がどう役立つのか」といった点まで踏み込むことが大切です。

たとえば、「リーダーとしてプロジェクトを推進したい」という将来像を語るのであれば、「大学でのグループワーク経験」や「責任ある立場での実績」など、具体的な経験を交えて語ると説得力が増します。

夢を描くだけでなく、それに向けた行動と考えが伴っていることを伝えることが、企業からの信頼を得る鍵となります。

ESで将来実現したいことを聞く理由

エントリーシート(ES)で「将来実現したいこと」が問われるのは、単なる興味本位ではありません。

企業はこの設問を通じて、応募者がどのような価値観を持ち、どんな未来を描いているのかを深く理解しようとしています。

その背景には、「自社と長期的にマッチする人材かどうか」を見極めたいという意図があります。

また、ただ夢を語るのではなく、「企業で働くこと」と「自身のビジョン」がどのように結びついているのかを示せるかどうかも重視されます。

この点が曖昧なままだと、企業側は「この人は本当にうちで働きたいのだろうか?」と不安を感じてしまうこともあります。

さらに、将来像を描けている人は、仕事に対しても主体的な姿勢を持っている傾向があります。

企業としては、単に指示された業務をこなすだけでなく、自ら考え、行動し、成果を出す意識を持った人材を求めているため、この設問を通してその片鱗が見えるかどうかを見ています。

自分自身のキャリアの方向性と企業のビジョンが交差するポイントを明確に伝えることができれば、選考において好印象を与えることができるでしょう。

自社との相性をはかるため

企業が「将来実現したいこと」を聞く理由の一つに、「応募者と自社との相性」を確認する目的があります。

企業にはそれぞれ独自の理念や方針、求める人材像があります。

その方向性と応募者の価値観やビジョンが合っているかどうかを見極めることは、入社後のミスマッチを防ぐためにも重要なプロセスです。

たとえば、「チームで成果を上げたい」という将来像を持つ学生が、個人主義を重視する企業に入社すると、価値観のズレから苦労してしまうかもしれません。

逆に、自分のビジョンと企業の方向性が合致していれば、働くモチベーションも高まり、長期的に活躍できる可能性が高まります。

企業側は、ESの回答から「この人は自社でどんな未来を描けるのか」「どれだけ企業研究をして自分の将来と重ねているか」を見ています。

つまり、単なる理想の押し付けではなく、企業と共に歩む未来を想像できているかが問われるのです。

そのため、自己分析と企業研究をしっかり行い、「なぜその企業でなければならないのか」を自身の将来像と結びつけて語れるようにしておきましょう。

志望度の高さをはかるため

ESで将来実現したいことを問うことで、企業が見ようとしているのは「本気度」、つまり志望度の高さです。

単に「この企業が有名だから」「業界に興味があるから」といった表面的な理由ではなく、企業の中で何をしたいのか、どんなキャリアを築きたいのかを具体的に描けている人ほど、本気でその企業に入りたいと考えていると受け取られます。

企業は、入社後に早期離職するリスクを避けたいと考えているため、「この人は本当にうちで長く働くつもりがあるのか?」という視点でESを読みます。

その判断材料の一つが、「将来実現したいこと」の内容です。

自分の目指す姿と企業のキャリアパスを丁寧に結びつけられている場合、「この人は企業のことをよく調べていて、自分の将来と真剣に向き合っている」と評価されやすくなります。

志望度の高さを伝えるためには、企業の特性や制度、取り組みに共感した点と自分の将来像がどう重なるかをしっかりと言葉にしていくことが大切です。

丁寧な企業研究が、そのまま志望度のアピールにもつながります。

仕事への取り組み方を知るため

「将来実現したいこと」という設問には、応募者の仕事への姿勢を知りたいという企業の思いも込められています。

単に「働きたい」「安定した職に就きたい」という気持ちだけではなく、どのような成果を目指し、どのように行動しようとしているのか。

その主体性と意欲を見ているのです。

たとえば、「新しいサービスを立ち上げたい」「チームをまとめてプロジェクトを推進したい」といったビジョンを語る中で、どんな経験を通じてそう思うようになったのか、またその実現に向けてどのような準備をしているのかが見えると、企業はその人の働く姿勢を具体的にイメージすることができます。

企業が求めているのは、指示を待つ受け身の人材ではなく、自ら課題を見つけて行動できる人です。

そのため、「将来実現したいこと」を通して、「自分はこんなふうに仕事に取り組んでいきたい」「こんな価値を提供したい」と伝えられると、面接官にも前向きな印象を残すことができるでしょう。

ESに書ける将来実現したいことの見つけ方

「将来実現したいこと」と聞かれても、「やりたいことなんてまだ決まっていない」と戸惑う方は多いのではないでしょうか。

将来像を描くことは、就職活動の中でも特に難易度の高いテーマです。

しかし、明確な目標がないからといって不安になる必要はありません。

大切なのは、これまでの経験や自分の価値観を丁寧に振り返り、少しずつ自分らしい将来像を見つけていくことです。

将来実現したいことを見つけるには、いくつかのステップを意識することが有効です。

たとえば、過去の経験を振り返ることで、自分がどんな場面でやりがいを感じたか、何に価値を置いているかを知ることができます。

また、自己分析を通じて、自分の強みや興味のある分野を整理することも大切です。

さらに、業界・企業研究を深めることで、「自分の目指す将来がどのような場所で実現できそうか」が見えてきます。

実際にインターンやOB・OG訪問を通じて社会人のリアルな声に触れることも、大きなヒントになります。

焦らず、段階的に自分自身と向き合うことで、自然と将来像は形づくられていきます。

過去経験を深掘る

「将来実現したいこと」を考える際、まず取り組みたいのが自分の過去を深掘ることです。

これまでの学生生活やアルバイト、部活動、ボランティアなどの中で、印象に残っている経験を振り返ってみてください。

特に、自分が何かに熱中した瞬間や、困難を乗り越えた場面には、あなたの価値観や行動特性が表れているはずです。

たとえば、文化祭の実行委員としてメンバーをまとめた経験があるなら、「周囲と協力して一つの目標を達成すること」にやりがいを感じるタイプかもしれません。

また、アルバイトでクレーム対応を通じて工夫を重ねた経験から、「課題解決」や「相手の立場に立つこと」に強みを感じる人もいるでしょう。

大切なのは、出来事そのものではなく、「そのとき自分がどう感じ、どう動いたか」を丁寧に掘り下げることです。

そこに、自分の将来像のヒントが隠れていることが多いです。

「こういう経験があったから、将来はこんな形で人の役に立ちたい」——そんな風に、自分の過去と未来をつなげていけると、説得力のあるESが書けるようになります。

自己分析を行う

自己分析は、将来実現したいことを見つけるための出発点です。

自分の強み・弱み、得意なこと、苦手なこと、そして「どんなときにやりがいを感じるのか」を掘り下げていくことで、自分が本当に望む働き方や役割が見えてきます。

たとえば、「誰かの成長を支えることに喜びを感じる」という人は、人材育成や教育に関わる仕事が向いているかもしれません。

「コツコツと丁寧に作業することが好き」という方なら、品質管理やバックオフィスの業務なども選択肢に入ってきます。

自己分析をする際には、自己PRと混同しないよう注意しましょう。

「自分を売り込む」よりも、「自分がどういう人間で、どんな未来に向かいたいのか」を知ることが目的です。

友人や家族にフィードバックを求めたり、診断ツールを使ったりするのも効果的です。

やりがいを感じるポイントは、将来実現したいことを考えるうえで大きなヒントになります。

まずは自分の心が動いた瞬間を思い出してみましょう。

業界・企業研究を行う

自分の将来像を考える上で欠かせないのが、業界・企業研究です。

どんなに素晴らしい目標を掲げても、それを実現できる環境がなければ意味がありません。

だからこそ、自分のやりたいことが「どの業界で実現できるのか」「どの企業がそのチャンスを提供してくれるのか」を見極めることが大切です。

たとえば、「地域社会に貢献したい」という思いがあるなら、自治体関連の仕事だけでなく、地元密着型の企業や地域支援に力を入れる民間企業なども視野に入ります。

「海外と関わる仕事がしたい」という方であれば、商社だけでなく、グローバル展開を進めるメーカーやIT企業なども選択肢に入ってくるでしょう。

企業研究では、企業のミッションや事業内容、社風、育成制度などを細かくチェックしましょう。

説明会だけでなく、採用HPや社員インタビューなども参考になります。

こうした情報をもとに、自分の将来像と重なる部分を見つけられると、説得力のあるESにつながります。

インターンに参加する

インターンシップは、「将来実現したいこと」を考えるうえで非常に有効な手段です。

実際の仕事を体験することで、自分の適性や関心のある業務、働き方のスタイルを肌で感じることができるからです。

参加してみることで、「思っていたより合わなかった」「逆にやりがいを感じた」といった気づきが得られることも珍しくありません。

インターンに参加することで、「自分はどんな環境で力を発揮できるか」「どのような業務にやりがいを感じるか」といった自己理解が深まり、それが将来像を描く材料になります。

また、インターンでは実際の社員と接する機会も多いため、仕事に対する姿勢や社内の雰囲気を知ることができます。

それによって、「自分もこうなりたい」と思えるロールモデルに出会えることもあるでしょう。

短期の1dayインターンでも得られるものは多くあります。

気になる業界があれば、積極的に参加して、自分の視野を広げてみてください。

OB・OG訪問を行う

OB・OG訪問は、将来実現したいことを具体化するうえで非常に貴重な機会です。

なぜなら、実際にその企業で働いている人のリアルな話を聞くことで、働くイメージやキャリアパスを現実的に捉えることができるからです。

説明会やHPだけではわからない、日々の業務内容や職場の雰囲気、やりがい・大変さといった「現場の声」は、ESに書く将来像に説得力を持たせるためのヒントになります。

また、「その企業で働く人がどんな目標を持っているか」「どんな姿勢で仕事に取り組んでいるか」を知ることで、自分自身のキャリア観も磨かれていきます。

訪問の際は、単に質問するだけでなく、自分の考えている将来像を伝えたうえでフィードバックをもらうと、より深い学びにつながります。

「こういう働き方をしたいと考えているのですが、御社でそれは可能でしょうか?」といった問いかけをすることで、自分の方向性とのマッチ度も確認できます。

就活中は緊張する場面が多いですが、先輩の経験を素直に聞いて吸収する姿勢が、将来像を固める第一歩になります。

ESの将来実現したいことで高評価を得るコツ

「将来実現したいこと」は、ただ理想を語るだけでは企業の評価にはつながりません。

大切なのは、「その思いがどれだけ現実的で、自社との接点があるか」という視点です。

つまり、企業側が「この人ならうちで活躍してくれそうだ」「長く働いてくれそうだ」と思えるような内容にすることが求められます。

そのためには、自分のビジョンがその企業でどのように実現できるかを調べて示すことが重要です。

また、第三者の視点を取り入れて文章を客観的に見直すことで、説得力がぐっと高まります。

さらに、「社会にどんな価値を提供したいのか」といったビジネス的な視点を持つことも、他の学生と差別化を図るポイントです。

そして、夢を語るだけでなく、それに向けて「どのような努力をしているのか」「これから何をしていくのか」といった行動計画を添えると、実現可能性が伝わりやすくなります。

現時点で具体的な取り組みがある場合は、それを必ず記載しましょう。

将来像の言葉に、リアルな行動の裏付けがあるほど、評価は高まります。

受ける企業で実現できることを書く

ESで高評価を得るためには、「その企業だからこそ実現できること」を明確に記述することが重要です。

どんなに素晴らしい目標であっても、企業の事業内容や戦略と関連がなければ、説得力が弱くなってしまいます。

たとえば、「グローバルに活躍したい」という将来像を掲げるなら、その企業が実際に海外展開しているのか、どんなグローバルプロジェクトを持っているのかを調べたうえで、その中で自分が果たしたい役割を具体的に述べると効果的です。

企業の採用担当者は、「この学生は自社のことをどれだけ理解しているか」「自社で活躍する姿をどれだけ具体的に想像しているか」を見ています。

そのため、企業研究を丁寧に行い、自分の将来像と企業の方向性がどのように結びつくのかを、自分の言葉で説明することが評価の鍵となります。

「この企業でなければならない理由」と「自分の将来像」が自然につながっていれば、採用担当者に強く印象づけることができるでしょう。

アドバイザーコメント

ESの内容に自信が持てないと感じたときは、第三者の視点を取り入れてブラッシュアップすることが効果的です。

ゼミの先生、キャリアセンターのアドバイザー、信頼できる先輩などに読んでもらい、客観的な意見をもらうことで、自分では気づかなかった改善点が見えてくることがあります。

特に、「伝わりにくい表現」「根拠が曖昧な部分」「具体性に欠ける内容」などは、他人の目から見ると明確に浮かび上がってきます。

アドバイスをもらう際には、「この表現で将来像が伝わっているか」「企業との結びつきが納得できるか」といった観点で意見を求めると良いでしょう。

また、何度も添削を受ける中で、自分の考えや軸がより明確になってくることも多いです。

他者の意見を受け入れる柔軟さも、社会人としての成長につながるポイントです。

独りよがりな内容にならないよう、積極的に第三者の意見を取り入れ、精度の高いESに仕上げていきましょう。

ビジネス的な視点を持つ

就職活動では、「自分がどうなりたいか」だけでなく、「社会や企業にどんな価値を提供できるか」を考える視点がとても重要です。

ESでも、将来実現したいことを語る際に、社会的意義や市場価値といったビジネス的な視点を盛り込むことで、より説得力のある内容になります。

たとえば、「新しい製品を開発したい」と書くだけでなく、「市場の課題をどう捉え、それをどう解決することで社会に貢献できるか」といった背景を加えると、目標の意義が明確になります。

企業側も、「この学生は自己満足でなく、社会や顧客を意識している」と感じやすくなります。

ビジネス的な視点を持つには、業界や社会の動向に関心を持ち、常に情報をキャッチアップすることが大切です。

新聞や業界紙、企業のIR資料などに目を通す習慣をつけておくと、自然と視野が広がり、文章にも深みが出てきます。

「自分の夢」と「社会の課題」をつなぐようなストーリーが描けると、非常に魅力的なESに仕上がります。

実現するために何をするのか提示する

「将来実現したいこと」を語る際は、それに向けて「自分が何をするのか」「どのように努力するのか」までをしっかり記述することが大切です。

目標だけを掲げても、具体的な行動が伴っていなければ、現実味に欠けてしまいます。

たとえば、「新規事業を立ち上げたい」という将来像を語るなら、「マーケティングや財務の知識を習得するために、現在○○の勉強をしている」「企画力を高めるために、学生団体でリーダー経験を積んでいる」といったように、現在の行動や今後の計画を示すと説得力が高まります。

企業の採用担当者は、理想を語る学生よりも、目標に向けて着実に動いている学生に信頼感を覚えます。

「今の自分に足りないものをどう補っていくか」を正直に書くことも、前向きな姿勢として評価されるポイントです。

「この目標に向かって本気で取り組んでいる」という熱意を、行動で示すことが高評価への近道になります。

今やっていることがあれば書く

もしすでに「将来実現したいこと」に向けて何らかの行動を起こしているのであれば、それはESで必ずアピールすべきポイントです。

実際の取り組みがあることで、あなたの目標が単なる理想ではなく、現実に向かって進んでいるものだと伝わります。

たとえば、「人を支える仕事がしたい」という将来像に対して、「福祉系のボランティア活動を通して、支援の現場を経験している」といった実績を盛り込むと、志望動機やキャリアビジョンに深みが出ます。

これにより、企業側も「この学生は行動力があり、言葉に責任を持つタイプだ」とポジティブな印象を抱くでしょう。

重要なのは、どんな小さな行動でも、自分の目標とどう結びついているかを明確に伝えることです。

アルバイトや授業、課外活動などでも、「この経験を将来にどう活かすか」をしっかり説明できれば、評価につながります。

行動の積み重ねが、信頼と説得力を生み出します。

今の自分ができることを見つめ直し、ESに具体的に落とし込んでいきましょう。

将来実現したいことをESに書く際の注意点

「将来実現したいこと」をESに記載する際は、ただ思いや理想を語るだけではなく、読み手である企業側の視点にも配慮することが重要です。

せっかく素晴らしい目標を掲げても、それが企業の方針と大きく異なっていたり、根拠に乏しかったりすると、かえってマイナスの印象を与えてしまうことがあります。

特に注意したいのは、企業との相性です。

応募先の企業で本当に実現可能な内容であるか、方針やビジョンと食い違っていないかを確認しましょう。

また、主張する将来像には必ず自身の経験や考えを裏付ける根拠を添えることで、説得力が生まれます。

さらに、「すぐに叶いそうな目標」や「短期的な視点のみに偏った目標」では、成長意欲や長期的なキャリア形成への関心が薄いと見られる可能性もあります。

加えて、自分の成長ばかりに焦点を当てすぎると、企業にとってのメリットが伝わりづらくなってしまいます。

以下で、具体的な注意点を見ていきましょう。

企業の方針と異なりすぎる内容にしない

ESで高い評価を得るには、自分の将来像が企業の方針や事業内容とマッチしていることが重要です。

いくら意欲的な目標であっても、その企業が大切にしている方向性と大きくかけ離れていれば、「この人はうちで活躍するイメージがわかない」と判断されてしまうこともあります。

たとえば、地域密着型で地元貢献を重視する企業に対して、「将来は海外でバリバリ働きたい」といった目標を掲げると、価値観のずれが明らかになってしまいます。

もちろんグローバル志向がすべて悪いわけではありませんが、それを語る際には「貴社の○○の海外展開に関心がある」といったように、企業との接点を示す工夫が必要です。

企業研究をしっかり行い、企業のビジョン・価値観・事業展開を理解したうえで、「その企業だからこそ実現できる将来像」を描くことが大切です。

根拠のない主張はしない

将来実現したいことを語る際に、「なんとなくそう思った」「漠然と憧れている」といった印象を与えてしまう主張は避けるべきです。

企業が重視しているのは、その目標に向かう意志と、どれだけ現実的に考えているかという点です。

根拠のない理想は、行動力や計画性のない人物だと思われるリスクがあります。

たとえば、「リーダーシップを発揮したい」と書く場合には、「過去にサークルでリーダーを経験した際に感じたやりがい」や「その経験から得た学び」など、具体的な背景を添えることで説得力が増します。

また、「なぜその目標を持つようになったのか」という自分なりの理由を言語化することも重要です。

根拠は必ずしも特別な実績である必要はありません。

日常の経験や、小さな気づきから得た価値観でも十分です。

経験に裏付けられた将来像は、読み手に信頼感を与えます。

簡単に成し遂げられる内容にしない

「将来実現したいこと」は、企業に対して自分の成長意欲やビジョンをアピールできる貴重な機会です。

そのため、あまりにも簡単に達成できそうな目標を掲げてしまうと、「挑戦心が感じられない」「入社後に伸びしろが少なそう」といった印象を与えてしまう恐れがあります。

たとえば、「チームの一員として貢献したい」という目標は決して悪くはありませんが、少し抽象的でインパクトに欠けます。

これを「入社3年以内にプロジェクトを任される存在になりたい」「顧客から信頼される営業担当として社内No.1の成果を目指したい」など、より具体的かつチャレンジングな表現にすることで、成長意欲がより明確に伝わります。

企業は「この人は中長期的にどう成長していくのか」という観点でESを読んでいます。

達成までにある程度の努力や経験が必要とされる目標を掲げることで、「この人は継続して努力する力がある」と評価されやすくなります。

短期目標だけを語らない

「将来実現したいこと」として、入社直後に目指す姿や短期的な目標を述べるのは自然なことですが、それだけで終わってしまうと、やや物足りない印象になってしまいます。

企業側は、応募者が中長期的にどのようにキャリアを築いていくのかも知りたいと思っています。

たとえば、「1年目は一人前の営業職として自立することを目指したい」という内容だけでは、「その先はどうするの?」と疑問を抱かれる可能性があります。

このような場合は、「その経験を踏まえて、将来的には新規事業の立ち上げに携わりたい」といったように、長期的な展望へとつなげることが大切です。

目標には段階があって当然です。

短期目標をスタート地点として示し、そこからどのように発展させていきたいかを描くことで、より具体的で計画的な印象を与えることができます。

自分の成長だけにフォーカスしない

将来の目標を語る際にありがちなのが、「自分がどう成長したいか」だけに話が集中してしまうことです。

もちろん自己成長は大切ですが、企業にとって魅力的なのは、「成長を通じてどんな貢献ができるのか」という視点です。

たとえば、「マネジメントスキルを身につけたい」と述べるだけでは自己中心的に映る可能性があります。

そこに「チーム全体のパフォーマンスを高め、組織の目標達成に貢献したい」といった視点を加えると、より協調性や目的意識のある人物だと伝わります。

企業は「自分たちの組織や社会にどんな価値をもたらしてくれるのか」を重視しているため、自分本位な印象を避けるためにも、社会や組織への貢献という要素を盛り込むようにしましょう。

「自分がどうなりたいか」と「その結果、どんな影響を与えたいか」の両方を語ることで、バランスの取れた将来像が描けます。

ESに将来実現したいことを書く際の文章構成

エントリーシートで「将来実現したいこと」を伝えるには、ただ理想を並べるのではなく、論理的かつ読みやすい構成を意識することが大切です。

採用担当者は限られた時間で多くのESに目を通しているため、要点が明確に伝わるかどうかが評価の分かれ道となります。

おすすめの構成は、「結論→背景→自身の強み→入社後の意気込み」という流れです。

まず初めに「何を実現したいのか」という結論をはっきり伝えることで、読み手の関心を引き、その後に「なぜそう思うのか」「それに向けてどう取り組むのか」といった要素を丁寧に展開していきます。

この構成に沿って書くことで、自分の考えを筋道立てて説明でき、将来像に対する本気度や現実味も伝わりやすくなります。

さらに、過去の経験や強みとのつながり、企業での具体的なアクションまでを盛り込むことで、単なる理想で終わらない、説得力のあるESに仕上げることができるでしょう。

それでは、各パートの書き方を詳しく見ていきましょう。

結論:最初に「何を実現したいのか」を明確に提示

文章の冒頭で、「自分が将来実現したいことは○○です」と明確に結論を述べることが、最も重要なポイントです。

採用担当者が一目であなたのビジョンを理解できるようにすることで、読み手の興味を引き、続きを読んでもらえる可能性が高まります。

たとえば、「私は将来的に、地域社会と企業をつなぐ新たなサービスを企画・推進する人材になりたいと考えています」といったように、具体的かつシンプルに伝えるのが理想的です。

抽象的な言葉でぼんやりとした印象を与えてしまうと、読み手に意図が伝わりにくくなるため、できるだけ明快な表現を心がけましょう。

「何を実現したいのか」がはっきりしていれば、続く文章で「なぜその目標を持ったのか」「どうやって実現するつもりか」といった内容も自然と伝わりやすくなります。

最初の一文にしっかりと軸を持たせることで、文章全体の説得力も大きく高まります。

背景:その目標を持つに至った経緯を説明

将来実現したいことを語る際には、その目標を持つに至った「背景」を丁寧に説明することが欠かせません。

人は何かしらの経験や気づきを通じて価値観を形成し、将来の方向性を見出していきます。

ESでも、「なぜその目標に至ったのか」を語ることで、あなたの考えにリアリティと深みが加わります。

たとえば、「学生時代に地域イベントの企画運営に関わり、地元の方々との交流を通じて、地域活性化に貢献することのやりがいを感じた」という経験がある場合、それが将来のキャリアビジョンにつながっているというストーリーが描けます。

背景を語る際は、単に出来事を並べるのではなく、「そのとき何を感じ、どのように考えたのか」に焦点を当ててください。

そうすることで、あなたの価値観やモチベーションがより伝わりやすくなります。

読み手に「この目標にはしっかりとした理由がある」と感じてもらえるような、具体的で共感を呼ぶ背景を示しましょう。

自身の強みとの結びつき:自分の資質がどのように役立つかを説明

将来実現したいことを語るうえで、「自分にその目標を叶える力があるのか?」という疑問に答えることも大切です。

そのため、目標と自身の強みやスキルを結びつけるパートを盛り込むと、実現可能性が伝わりやすくなります。

たとえば、「チームをまとめて課題に取り組むのが得意」「困難な状況でも諦めずに粘り強く取り組める」といったあなたの強みを、将来の目標達成にどう活かせるかを説明していきましょう。

この部分では、具体的なエピソードを簡潔に交えることで説得力が高まります。

「ゼミの発表で全体をまとめる役割を担った経験」や「アルバイトでの改善提案が採用された経験」など、あなたの強みが実際の行動や成果につながった実績を紹介できると効果的です。

「自分にはこんな強みがあるから、この目標に向かって前向きに取り組める」という姿勢を示すことで、企業にも前向きな印象を与えることができます。

入社後の意気込み:入社後にどのように行動するかを具体的に述べる

最後に、入社後の具体的な行動計画や意気込みを記載することで、あなたの将来像が「夢」で終わらない、実現に向けた「現実的な計画」であることをアピールしましょう。

ここでは、「入社後の学び方」や「どのようにスキルを高めていくか」「どの部署でどのように活躍したいか」といった、企業での成長ストーリーを描くのが効果的です。

たとえば、「まずは現場での業務を徹底的に学び、3年目にはプロジェクトの一部を任されることを目指します。

そのうえで、○○分野の知見を深め、将来的には新規事業の提案にも挑戦したいです」といったように、段階的な目標を設定すると、計画性と成長意欲が伝わります。

企業は、「この学生が本当にうちで活躍するイメージを持てるか」という視点でESを見ています。

入社後のビジョンを具体的に描くことで、その企業で働く意志の強さと、現実的な思考力を伝えることができます。

自分の未来をしっかりと見据えた熱意あるメッセージで、締めくくりましょう。

【職業別】将来実現したいことのES回答例文

将来実現したいことは、自分のキャリアビジョンや価値観を伝える重要な設問です。

しかし、漠然とした目標になりがちで、「どう書けばいいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

特に、職種ごとに求められる役割やスキルが異なるため、それに合わせた表現が求められます。

ここでは、代表的な6つの職種(営業職・販売職・エンジニア職・開発職・クリエイティブ職・企画職)について、それぞれの特徴を踏まえた例文を紹介します。

どれも具体性と企業との接点を意識して構成されていますので、ご自身の志望職種に近い内容を参考にしていただき、自分らしい将来像の表現につなげていただければと思います。

営業職|顧客との信頼関係を築き、売上に貢献し続ける存在を目指す

私が将来実現したいことは、「顧客に最も信頼される営業担当」として、継続的な売上貢献を果たすことです。

大学時代に携わったアパレルの販売アルバイトで、お客様との会話を重ねる中で、「あなたから買いたい」と言っていただいた経験があります。

このとき、ただ商品を売るのではなく、「人」として信頼されることの価値を実感しました。

貴社の営業職は単なる売上追求にとどまらず、顧客の課題を理解し、長期的な信頼関係を築く姿勢を重視している点に共感しています。

私自身、相手のニーズを丁寧に汲み取る力や、誠実に対応する姿勢には自信があります。

特に、課題解決型の営業に興味があり、顧客の「こうしたい」を形にしていく存在になりたいと考えています。

入社後はまず、商品知識を徹底的に学び、お客様に信頼されるための土台を築きます。

その上で、担当顧客一人ひとりと真摯に向き合い、末永く付き合える関係づくりを通じて、貴社の成長に貢献していきたいと考えています。

この例文では、営業職に必要とされる「信頼構築力」や「顧客理解力」を軸に据えています。

アルバイト経験という身近なエピソードから、自分の強みと価値観を明確にし、それが営業職でどのように活かせるのかを具体的に説明しています。

また、「入社後にどのように行動するか」まで記載しているため、実現可能性と成長意欲がしっかり伝わる内容になっています。

営業職は成果と信頼の両立が求められる職種であるため、このようなバランスの取れた構成が高評価につながりやすいです。

販売職|顧客満足を追求し、店舗の売上やブランド価値向上に寄与したい

私が将来実現したいことは、「お客様にとって一番信頼できる販売員」として、店舗の売上向上だけでなく、ブランド価値を高める存在になることです。

大学時代に百貨店での販売アルバイトを経験し、ただ商品を売るだけでなく、お客様一人ひとりのニーズに寄り添った接客の大切さを学びました。

「あなたに相談して良かった」と言われた経験は、今も私の原動力になっています。

貴社は接客の質にこだわりを持ち、ブランドイメージを大切にしている点に強く共感しております。

私は、丁寧で親身な対応を通じて、お客様の満足度を高めることにやりがいを感じます。

販売の現場では、商品知識や会話力だけでなく、相手を思いやる姿勢が何よりも大切だと考えています。

入社後は、まずは接客スキルと商品理解を深め、一人でも多くのお客様に満足いただける提案ができるよう努力します。

将来的には、売上分析や店舗運営にも携わり、売上面とサービス面の両面からブランド価値向上に貢献したいです。

この例文では、「顧客満足」と「ブランド価値の向上」をキーワードに、販売職としての将来像を描いています。

アルバイト経験を通じて得た気づきがしっかりと背景として語られており、自分の強み(寄り添う姿勢・丁寧な接客)が職務にどう活きるかが明確です。

また、店舗での成長だけでなく、将来的なマネジメントや売上への貢献といった中長期の視点がある点も評価のポイントです。

エンジニア職|新技術の研究開発を通じて、業界全体に革新を起こす

私が将来実現したいことは、「社会に新しい価値をもたらす技術革新」に貢献するエンジニアになることです。

大学では情報工学を専攻し、人工知能の応用技術について研究しています。

学内のプロジェクトでIoTと機械学習を組み合わせたシステム開発を経験し、課題解決に向けて技術を応用する面白さと難しさを実感しました。

貴社はAIやロボティクスといった最先端分野に力を入れており、実社会に新たなソリューションを提供している点に強く惹かれています。

私は技術そのものの探求だけでなく、それを「どう社会に実装するか」という視点を大切にしています。

入社後は、まず現場での開発経験を積みながら技術力を高め、研究段階の技術を実用レベルに引き上げることができるエンジニアを目指します。

そして将来的には、技術を通じて業界に革新をもたらすリーダー的存在となりたいと考えています。

この例文では、エンジニア職に必要な「技術力」「探究心」「応用力」の3点を軸に、実際の学業や研究経験を交えて目標を語っています。

単に「技術が好き」という姿勢だけでなく、「技術で社会にどう貢献するか」というビジネス的視点が含まれている点も高評価です。

貴社との接点を明確にし、自分のキャリアが企業の取り組みとどう交わるかを説明できている点も好印象です。

開発職|ユーザー視点に立った製品開発で新たな市場を開拓したい

私が将来実現したいことは、「ユーザーにとって本当に使いやすい製品」を開発し、新たな市場価値を生み出すことです。

大学でプロダクトデザインを学ぶ中で、機能や性能だけでなく、ユーザーの行動や心理に配慮した設計の重要性を学びました。

卒業研究では、シニア世代向けのUI設計を行い、「使いやすさ」がどれほど製品の価値に影響するかを実感しました。

貴社はユーザー中心の開発思想を掲げ、常に新しい視点から製品を生み出している点に強く魅力を感じております。

私は、ただ性能を追求するのではなく、「誰のために、何のために作るのか」を常に問い続ける開発者でありたいと考えています。

入社後は、ユーザーの声を丁寧に拾い上げる姿勢を大切にし、既存の枠にとらわれない視点で開発に挑みたいです。

そして将来的には、社会の潜在的なニーズに応える新たな製品を企画・設計できる開発者になることを目指します。

開発職に必要な「ユーザー視点」と「市場理解」の2点がしっかり盛り込まれた例文です。

具体的な研究テーマを提示することで、実際に考え、行動してきたことが伝わりやすく、将来のキャリアにも現実味があります。

企業の開発方針との接点も自然に組み込まれており、「その企業で実現可能な目標」になっている点が非常に好印象です。

クリエイティブ職|独創的なアイデアで世の中に新しい価値を提供したい

私が将来実現したいことは、「独創的なアイデアで人々の心を動かすコンテンツを生み出す」ことです。

大学ではデザインや映像制作を学び、ゼミ活動では商品プロモーション動画の制作を担当しました。

視聴者の反応を見ながら内容を改善していくプロセスに魅力を感じ、「伝える」ことの奥深さと影響力を実感しました。

貴社のクリエイティブ職は、企画から制作、発信までを一貫して手掛ける点に魅力を感じております。

私は、斬新さと共感性のバランスを大切にしながら、世の中に新たな価値を届けたいと考えています。

入社後は、まず既存コンテンツの分析を通じてニーズを把握し、経験を積みながら自分の表現力を磨きたいです。

そして将来的には、「○○といえばこの人」と言われるような、ブランドを牽引できるクリエイターになることを目指します。

クリエイティブ職に求められる「独自性」と「共感力」を両立させた構成になっています。

経験として語っている映像制作エピソードも、チームでの工夫やユーザー視点の工夫がにじみ出ており、実務に通じるアプローチとして評価されやすいです。

入社後の意気込みも「段階的にスキルアップし、影響力を持つ人材へ」というビジョンが描かれていて、説得力があります。

企画職|社会課題を解決するようなプロジェクトを生み出したい

私が将来実現したいことは、「身近な社会課題に目を向け、それを解決するような企画を世に出すこと」です。

大学では都市社会学を専攻し、地域コミュニティにおける高齢者の孤立問題を研究しました。

その過程で、課題に対して情報やサービスが届いていない現状に歯がゆさを感じ、「仕組み」そのものを変える発想の重要性を学びました。

貴社は生活者視点での商品・サービス企画を数多く実現しており、私が目指す「社会とつながる企画」を形にできると確信しております。

私は課題発見力と仮説構築力を活かし、暮らしの中の「不」を解決するアイデアを提案していきたいです。

入社後は、ユーザーインサイトを的確に捉える力を磨き、マーケティングやデータ分析のスキルも積極的に習得しながら、課題解決型のプロジェクトを実現する企画職を目指します。

この例文は、企画職に必要な「課題発見力」と「社会貢献志向」が軸になっています。

大学での専攻内容と将来像がしっかりとリンクしており、社会課題への関心が一貫している点が好印象です。

また、企業の理念や事業内容と自分の価値観との接点を自然に織り交ぜることで、企業理解の深さと志望度の高さも伝わる構成になっています。

【目標別】将来実現したいことのES回答例文

「将来実現したいこと」は、職種に限らず「どのような目標をもって社会に関わっていきたいか」を企業に伝える大切なテーマです。

特に最近は、「自身の成長」だけでなく、「社会への貢献」や「周囲への影響力」を含めたキャリアビジョンが評価される傾向にあります。

この項目では、「ビジネスリーダーを目指す」「地域に貢献したい」「教育や人材育成に携わりたい」「新たな技術を開発したい」という4つの異なる目標を例に、それぞれのES例文をご紹介いたします。

それぞれの目標に込められた思いや価値観が、企業にどのように伝わるかを意識した構成になっていますので、ご自身の将来像を描く際の参考にしていただければ幸いです。

ビジネスリーダーを目指す|組織を牽引するリーダーとしてグローバルに活躍したい

私が将来実現したいことは、国内外の多様なチームを束ね、組織を成長させるグローバルリーダーになることです。

大学時代には、国際交流サークルの代表を務め、留学生との共同イベントを企画・運営しました。

異文化理解と多様な価値観の調整に苦労した経験を通じて、リーダーの役割の重みとやりがいを実感しました。

貴社はグローバルに事業を展開しており、現地法人との連携やクロスボーダーのプロジェクトが多数存在します。

そのような環境で、多様な人々を巻き込みながら目標達成に導く経験を積みたいと考えています。

入社後は、まずは現場での業務理解と語学・業務スキルの強化に努め、海外案件や新規事業に関わる機会を積極的に得ていきたいです。

そして将来的には、社内外の関係者と連携しながら、組織に変革をもたらすリーダーとして成長していきたいと考えています。

この例文では、「グローバルに活躍するリーダー」という目標に対して、学生時代のリーダー経験を根拠として展開しています。

多文化理解や調整力をキーワードに、貴社のグローバルな事業展開との接点も自然に盛り込まれており、志望動機との一貫性もあります。

入社後の行動計画も現実的で、段階的な成長イメージが伝わる構成になっています。

地域に貢献したい|地元の魅力を発信し、地域活性化に寄与したい

私が将来実現したいことは、地元の魅力を広く発信し、地域活性化に貢献することです。

大学進学を機に地元を離れて改めて感じたのは、地域に眠る魅力や可能性が十分に伝わっていないという現実でした。

ゼミでは観光政策を学び、地域資源をどう活用すれば人を呼び込めるかというテーマに取り組みました。

貴社は地域密着型のビジネスを展開し、自治体や住民と連携した商品企画やサービス開発に取り組んでいる点に惹かれました。

私は、地元をはじめとする各地域の魅力を引き出す企画や広報活動に携わりたいと考えています。

入社後はまず、現場の声を大切にしながら地域のニーズを理解し、それに応じたサービスや情報発信を通じて価値を提供していきたいです。

将来的には、地域発の新しい取り組みを事業化し、全国に発信できる存在を目指します。

この例文では、「地元への想い」を出発点にしつつ、大学での学びと企業の地域貢献活動がどう重なるかを具体的に示しています。

単なる地元愛にとどまらず、「どう活性化に寄与したいか」という行動レベルで語られている点がポイントです。

入社後のステップも「現場理解→企画提案→事業化」と段階を踏んでおり、実現性のある将来像として伝わります。

教育や人材育成に携わりたい|次世代を担う人材の育成を通じて社会に貢献したい

私が将来実現したいことは、次世代の人材育成に携わり、組織や社会の持続的な成長に貢献することです。

大学では教育学を専攻し、学校ボランティアとして地域の中学生に学習支援を行ってきました。

その中で、「できた」「分かった」と笑顔を見せる生徒の姿に触れ、人の成長を支えることの喜びと責任を強く感じました。

貴社は人材育成に力を入れており、新人研修やキャリア形成支援といった制度が充実している点に魅力を感じています。

私は、人の力を引き出し、組織全体の力へとつなげる役割を担いたいと考えています。

入社後は、まず自身が成長することで教育の土台を築き、その後は後輩育成やチームマネジメントを通じて、人の可能性を広げる存在になりたいです。

最終的には、教育制度の企画や改善にも携わり、社内外の人材育成に広く関わっていきたいと考えています。

この例文は、「教育」や「成長支援」をテーマにしつつ、個人の体験と企業の制度・方向性を結びつけています。

「自分が支える側になりたい」という想いと、「まずは自分が成長する」という謙虚な姿勢のバランスも好印象です。

また、社内育成にとどまらず、制度づくりへの意欲も示すことで、中長期的な視野を持っていることが伝わります。

新たな技術を開発したい|課題解決につながる先進技術の研究・実装を進めたい

私が将来実現したいことは、社会の課題を解決する先進技術を開発・実装し、多くの人々の生活を支えることです。

大学では機械工学を専攻し、センサ技術を応用した介護支援ロボットの研究に取り組んできました。

技術の力で人の負担を軽減し、誰もが安心して暮らせる社会を支えられることに大きなやりがいを感じています。

貴社は社会課題に直結した技術開発に注力しており、現場のニーズに基づいた製品設計を行っている点に強く共感しています。

私は、自らの研究姿勢と貴社の開発理念が一致していると感じています。

入社後は、まずは製品開発の基礎を学び、課題抽出から試作・実装に至る一連のプロセスを経験したいです。

将来的には、新しい技術を生み出すだけでなく、それを必要とする現場に届けるまでを担える技術者として成長していきたいと考えています。

この例文は、技術への関心だけでなく、「それを社会にどう活かすか」という実用的な視点を強く意識しています。

大学での研究テーマが具体的に書かれており、技術と社会貢献の結びつきが明確です。

また、企業の開発スタンスとの共通点を挙げることで、「その企業だからこそ実現できる目標」であることが伝わる構成になっています。

将来実現したいことのNG例文

「将来実現したいこと」は、自分の夢や目標を企業に伝える重要な機会ですが、表現の仕方を誤ると、意欲や魅力が正しく伝わらないばかりか、逆効果になってしまうこともあります。

ここでは、実際にありがちなNG例文とその問題点を解説します。

ご自身のESを見直す際のチェックポイントとしてもぜひご活用ください。

NG例文1:企業の方針と異なりすぎている

注意

「将来的には地元に戻って個人カフェを開業したいと考えています。」

なぜNGか:

応募先が大手IT企業やメーカーなど、飲食業とは無関係な業界であった場合、将来像と企業との接点が見出せず、「なぜうちに応募したのか?」と疑問を持たれます。

企業は入社後に継続的に活躍してくれる人材を求めているため、企業でのキャリア継続を前提とした将来像を描くことが基本です。

NG例文2:主張に根拠がない

注意

「私はグローバルに活躍できる人材になりたいです。」

なぜNGか:

一見すると前向きな目標に見えますが、「なぜそう思うのか」「どんな経験を通じてその目標に至ったのか」といった背景がないため、非常に抽象的で説得力に欠けます。

目標は、自分自身の体験や価値観に根ざしている必要があります。

NG例文3:簡単に成し遂げられそう

注意

「まずは配属先で早く仕事を覚えて、一人前になりたいです。」

なぜNGか:

この内容自体は間違いではありませんが、あまりにも基本的かつ短期的すぎるため、他の応募者との差別化が難しく、成長意欲や将来への展望が感じられません。

ESでは、もっと先を見据えた目標を伝えることが求められます。

NG例文4:短期目標しか書いていない

注意

「入社1年目はとにかくがむしゃらに努力し、2年目にはリーダーになりたいです。」

なぜNGか:

具体性があるように見えますが、あくまで短期の話にとどまっており、3年目以降、10年後などの中長期的なキャリアビジョンが見えません。

企業は「長くどう活躍してくれるか」を知りたいと考えているため、目の前の目標だけでなく将来像も併せて語ることが大切です。

NG例文5:自分の成長しか見ていない

注意

「将来的には多くの経験を通じて、自分自身のスキルを高めていきたいです。」

なぜNGか:

スキル向上は大切ですが、この例文では「自分がどう成長したいか」だけに焦点が当たっており、企業や社会への貢献がまったく語られていません。

企業は「自社でどのような価値を発揮してくれるのか」を重視しているため、組織の一員としての役割や影響を含めて表現する必要があります。

まとめ

「将来実現したいこと」をESに書く際は、自分の目標だけでなく、企業との接点や社会的な意義を意識することが非常に重要です。

NG例文に共通しているのは、「抽象的」「自分本位」「短期的」「企業との関連が薄い」といった点です。

ESでは、まず結論を明確にし、背景にある体験や価値観を示したうえで、自分の強みと結びつけ、入社後の行動まで具体的に描くことが理想的な構成となります。

特に、企業でどのように活躍したいか、どんな価値を提供したいかまで踏み込むことで、説得力が大きく増します。

自分の将来像を一度文章に起こしたら、今回ご紹介したNG例と照らし合わせて、企業目線での読みやすさや一貫性があるかを確認してみてください。

「自分のための目標」から「社会とつながる目標」へと視点を広げることが、納得のいくES作成につながります。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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