就職活動を通して必ず提出が求められるESですが、時折「あなたの自慢できる経験はありますか?」と聞かれることがあります。
自慢というと一見ネガティブな印象も感じられ、素直に答えるとマイナスイメージにつながってしまうのではないかと不安になる方もいると思います。
ここでは、選考において好印象を残す「あなたの自慢」の答え方について解説いたします。
ぜひ本記事を参考に、この設問で好印象を獲得しましょう!
ESで聞かれる「あなたの自慢」とは?
エントリーシート(ES)で問われる「あなたの自慢」とは、これまでの人生で特に誇りに思う経験や成果について問う設問です。
この質問は単なる自己満足の話ではなく、自分の強みや成長の過程を企業にアピールする重要な機会です。
企業側は、応募者がどのような価値観を持ち、どんな場面で力を発揮できるかを知りたいと考えています。
したがって、ただ単に「すごいこと」を書くのではなく、その経験から何を学び、どのように成長したのかまでを一貫して伝えることが求められます。
ESの「あなたの自慢」に書くべき内容
ESで「あなたの自慢」を書く際には、単なる成果の羅列ではなく、背景、行動、結果、学びの4つの要素を意識することが重要です。
まず、なぜその行動に取り組んだのかという背景を述べ、次に具体的にどのような行動を取ったのかを説明します。
その結果として何を得たのか、どのような成果があったのかを示し、最後にその経験から何を学んだのか、今後どのように活かしたいのかを記載することで、ストーリー性と説得力のある内容に仕上げることができます。
ESで聞かれる「あなたの自慢」と自己PR・ガクチカとの違い
「あなたの自慢」の設問は、あなた自身が成し遂げたことについて聞いています。
そのため、自分をアピールする場である自己PRやガクチカと混同してしまう学生も多く見られます。
ここでは、「あなたの自慢」を自己PRとガクチカの違いを解説します。
自己PRとの違い
「自己PR」は、自身の強みを企業に売り込むためのものです。
自分の持つスキルや性格的特徴を前面に出し、それがどのように企業に貢献できるかをアピールします。
一方、「あなたの自慢」は、その強みを証明する具体的なエピソードに焦点を当てます。
つまり、「自己PR」は能力や性質を説明する場であり、「あなたの自慢」は"実績"や"経験"を語る場であるといえます。
この違いを理解することで、より明確に両者を使い分けることが可能です。
ガクチカとの違い
「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)は、学生生活の中で特に注力した取り組みを述べる設問です。
ガクチカはあくまで努力に焦点が当たるため、必ずしも成果が出ている必要はありません。
一方、「あなたの自慢」は成果や達成感を伴うものが求められる傾向にあります。
そのため、ガクチカと同じエピソードを使う場合でも、成果や結果に重きを置いて表現を変えることがポイントになります。
ESで「あなたの自慢」を聞かれる理由
そもそもESでなぜ「あなたの自慢」を聞かれるのかについて知っていますか?
質問の意図を把握することで、的確な回答をすることができます。
この設問では、主に以下の4つを見ています。
- どのような人なのか見ている
- 伝える力を見ている
- 自信のある過去経験があるか見ている
- 自社に合う人材かどうか見ている
以下で1つ1つ詳しく解説していきます。
どのような人なのか見ている
企業は応募者の過去の経験から、どのような価値観や行動特性を持つ人物かを知りたいと考えています。
特に自慢話は個人の考え方や優先順位が色濃く表れるため、応募者がどのような場面で力を発揮するのか、またどんな動機で行動するのかを探る手掛かりになります。
そのため、単なる結果だけでなく、その背景にある思考プロセスをしっかりと表現することが求められます。
伝える力を見ている
自慢話を的確にまとめるには、情報を取捨選択し、分かりやすく伝えるスキルが求められます。
これはビジネスにおいても非常に重要なスキルです。
企業は応募者の文章力や論理的思考力、要点を押さえる能力を、この設問を通して評価しています。
そのため、エピソードは簡潔かつ具体的にまとめる必要があり、冗長な表現や曖昧な記述は避けなければなりません。
自信のある過去経験があるか見ている
企業は、応募者が自信を持てる経験を持っているかを重要視します。
困難な状況を乗り越えた経験や、大きな成果を出した経験は、入社後の活躍を予想するための材料となります。
自信のあるエピソードを語ることで、主体性や成長意欲、チャレンジ精神をアピールできるため、自分が誇りに思う経験を堂々と伝えることが大切です。
自社に合う人材かどうか見ている
企業は自社のカルチャーや求める人材像にマッチするかを見極めています。
「あなたの自慢」を通じて、応募者の価値観や行動様式が自社に適しているかを判断しようとします。
そのため、自慢する内容が企業の方向性や求める人物像とずれていないかを意識し、志望企業に合ったエピソードを選び、表現することが成功のカギとなります。
ESで「あなたの自慢」を聞かれた際のエピソードの選び方
あなたの自慢について聞かれた際、どんなエピソードを話せばいいのか悩みますよね。
自慢といってもどんなことを自慢すればいいのか、自慢っぽく聞こえすぎてしまわないか不安になると思います。
ここでは、エピソードを選ぶ際の方法をご紹介します。
- 過去経験を深掘りする
- 他の人にない経験を書き出す
- 周囲の人に聞いてみる
上記三点について詳しく解説していきます。
過去経験を深掘りする
まずは自分のこれまでの経験をリストアップし、その中から特に印象深いものを深掘りしていきましょう。
表面的な成果だけではなく、そこに至るまでの努力や工夫、苦労した点に焦点を当てることで、より説得力のあるエピソードを構築できます。
また、第三者から見ても価値が伝わる内容かを意識して選ぶことが重要です。
他の人にない経験を書き出す
差別化を図るためには、他の応募者があまり経験していないようなユニークなエピソードを選ぶことが効果的です。
例えば、海外でのインターンシップ経験や、独自にプロジェクトを立ち上げた経験などが該当します。
もちろん、特別な経験がない場合でも、一般的な経験を深掘りして自分ならではの視点を付加することで十分に差別化することが可能です。
周囲の人に聞いてみる
自分では当たり前だと思っている経験でも、他人から見ると非常に価値があると評価されることがあります。
家族や友人、大学のキャリアセンターなど、周囲の人に「自分の強み」や「印象に残っているエピソード」を聞いてみると、新たな発見が得られることがあります。
他者の視点を取り入れることで、より客観的に自分の自慢できるポイントを見つけることができます。
ESで「あなたの自慢」を答える際のコツ
「あなたの自慢」という設問に答える際には、いくつかのコツを抑えておく必要があります。
ポイントを抑えて対策することによって、企業の求める回答を作成することができます。
下記2点の企業が見ているポイントを抑えて、それに合わせた回答を行いましょう。
志望企業の求める人物像を確認する
まずは志望企業がどのような人物像を求めているかを調査しましょう。
企業の採用ページや社員インタビュー、求める人材像を明記しているパンフレットなどを活用して情報を集めます。
そのうえで、自分のエピソードが企業のニーズに合致するように調整し、アピールポイントを強調して伝えることが大切です。
自慢となる根拠を提示する
単なる自慢話に終わらないよう、具体的な数字や客観的な評価を交えて根拠を提示しましょう。
例えば「チームをまとめた」と言う場合でも、「10名のメンバーをまとめ、プロジェクトの達成率を20%向上させた」など、成果を明確に示すことで説得力が増します。
根拠を持たせることで、企業側に「この人は確実に結果を出せる人だ」と印象づけることができます。
ESで「あなたの自慢」を答える際の注意点
あなたの自慢について答える際には、いくつか注意すべき点があります。
下記のようなポイントに注意しなければ、せっかく書いたESでマイナス印象を招いてしまう可能性があります。
内容をチェックして、自身の回答が当てはまらないか確認しましょう。
- 内容を複数書かない
- 仕事とかけ離れたことを書かない
- 内容を盛らない
以下で詳しく解説していきます。
内容を複数書かない
一つのエピソードに絞って深く掘り下げることが大切です。
複数の話題を盛り込むと、どれも浅くなり、伝えたいポイントがぼやけてしまいます。
焦点を絞り、そのエピソードを通じて自分の強みを最大限にアピールすることを意識しましょう。
仕事とかけ離れたことを書かない
趣味やプライベートでの些細な成功例など、ビジネスに直結しない内容は避けましょう。
企業は入社後の活躍を見据えてエントリーシートを評価しています。
そのため、できるだけ業務に関連しそうな経験や、社会人としても通用する力を証明できるエピソードを選びましょう。
内容を盛らない
話を盛ったり、実績を誇張するのは厳禁です。
選考が進む中で矛盾が生じれば信用を失うリスクがあります。
また、過剰な自己評価は「協調性がない」「謙虚さに欠ける」という印象を与えかねません。
事実に基づき、正直なエピソードを自信を持って語ることが信頼を得るポイントです。
ESで「あなたの自慢」を答えるのに適切な文章構成
ESでの設問に答える際には、適切な文章構成が存在します。
これは、ESの回答だけでなく社会人として必要な話法でもあるため、これを機に身に着けておくようにしましょう。
結論
まず最初に、結論から述べるのが鉄則です。
どのような経験を自慢するのか、要点を明確に伝えましょう。
読んでいる人にインパクトを与えるためにも、「私の自慢は〇〇です」という形でストレートに述べるのが効果的です。
具体的なエピソード
続いて、結論を支える具体的なエピソードを紹介します。
背景、課題、取り組み、成果の順で論理的に整理すると、読み手に分かりやすく伝わります。
エピソードでは、数値データや第三者からの評価など、客観的な事実を盛り込み、説得力を高めましょう。
業務への活かし方
最後に、その経験をどのように志望企業で活かしたいかを述べましょう。
単なる過去の栄光で終わらせず、「この強みを御社の〇〇業務に活かしたい」と未来志向で締めくくることで、ポジティブな印象を与えることができます。
企業も入社後の活躍ビジョンが見えやすくなり、採用したいとおもってもらえる可能性が高まります。
まとめ
ESにおける「あなたの自慢」は、自分の強みや成長の過程を企業にアピールする絶好のチャンスです。
自己PRやガクチカとの違いを理解し、企業が見ているポイントを押さえた上で、自信を持ってエピソードを伝えることが重要です。
エピソード選びや構成、伝え方に工夫を凝らし、他の応募者と差をつけましょう。
誠実に、しかし堂々と、自分の歩んできた道を語れるよう準備を進めてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート