【ポイント7選】初めてのグループディスカッションで気をつけることや定番の進め方を徹底解説!

【ポイント7選】初めてのグループディスカッションで気をつけることや定番の進め方を徹底解説!

初めてのグループディスカッションでは、気をつけることは何か、具体的に何をすれば良いのかなど、困ることもさまざまあるものです。

そこで今回は、グループディスカッションを乗り切るポイントや定番の進め方、主な役割などを紹介していきます。

グループディスカッションは、一部の企業では選考に取り入れられるため、気をつけることをしっかりと押さえておきましょう。

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グループディスカッションとは?

グループディスカッション(GD・グルディス)は、就活で行われる集団形式の選考の一つです。

複数の就活生が特定のテーマについて話し合い、制限時間内に結論を導き出すことが主な特徴です。

企業はこのグループディスカッションの選考過程を通じて、協調性や論理的思考力、コミュニケーション能力、柔軟性など、実際の業務に必要なスキルや適性を見極めていきます。

また、一人ひとりの発言内容だけでなく、チームにどう貢献するかといった姿勢も評価の対象となります。

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柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

グループディスカッションでは「リーダー」や「書記」などの役割があるため、役割を全うすることも大切です。

どのような役割があるのか・何をすべきなのかを理解したうえで、与えられた仕事をこなしながら、チームに貢献しましょう。

グループディスカッションのよくある不安

続いて、グループディスカッションに関するよくある不安や質問に対して回答します。

この記事を読んでくれているあなたも、以下のような不安を抱えているのではないでしょうか。

あらかじめ疑問点や不安を解消しておき、心に余裕を持ってグループディスカッション本番に臨みましょう。

グルディスのよくある不安
  • 目立たないと評価されない?
  • 出しゃばりすぎるとマイナス評価?
  • 役割を担当しないと落ちる?
  • 話し方や表現はどのようにすべき?
  • 意見が違うときは折れるべき?
  • 求められている正解はある?
  • 企業は何を見ている?

目立たないと評価されない?

グループディスカッションで目立つことが必ずしも評価につながるわけではありません。

自分の意見を積極的に述べるだけでなく、他の参加者の発言をしっかりと活かし、議論を前に進める力をアピールしましょう。

「こういう方向性も考えられるかもしれません」といった形で他者の意見を拾って広げる発言は十分高評価につながります。

企業が見ているのは自分本位で話す力ではなく、チームで協力して課題に取り組む姿勢です。

常に目立たなくても、必要な場面で適切に意見を話すことでリーダーシップを示し、論理的思考力をアピールすることができます。

議論の流れを読みながら的確に関わることを意識しましょう。

出しゃばりすぎるとマイナス評価?

確かに「誰が見ても、出しゃばっている」と思われるような、独壇場のように1人だけで話していると、マイナスの印象を与えてしまう可能性が高いです。

全体のバランスを崩す原因となり、気付かぬうちにグループディスカッションのクラッシャーになってしまうことすらあり得ます。

大切なのは議論の方向性を意識し、必要なタイミングで発言をすることです。

話の流れに合ったタイミングで建設的な意見を出すことが、チーム全体にとっても自分にとっても、良い結果につながります。

役割を担当しないと落ちる?

グループディスカッションにおいては、何か特定の役割を担当しないからといって評価されないわけではありません。

リーダー役やタイムキーパーを引き受けなかった場合でも、議論の中での立ち回りによって十分に貢献できます。

参加者が多い場合、アイディアマン(役割なし)でも問題はありません。

大切なのは「何をやるか」ではなく「どうやって関わったか」です。

大役にこだわるよりも、自分の役割の中で、できることをこなすことが大切です。

話し方や表現はどのようにすべき?

グループディスカッションでの話し方は必要以上に硬くなる必要はありませんが、砕けすぎても印象が悪くなるため、丁寧さと親しみやすさのバランスを心がけましょう。

敬語を基本としつつ、やや柔らかい表現を使うと相手に伝わりやすく、話しやすい雰囲気を作ることが可能です。

「〜だと思います」「〜かもしれません」といった表現は堅すぎず、軽すぎず、ちょうど良いバランスです。

断定口調を避けることを心がけましょう。

また、早口になりすぎず、聞き取りやすいテンポで話すことも重要です。

「相手に理解してもらおう」という意識を持って話すことで、伝える力だけでなく、相手を思いやる姿勢も評価されるでしょう。

意見が違うときは折れるべき?

意見がぶつかった時は、必ずしも折れる必要はありませんが、かといって、主張しすぎるのも良くありません。

ただ「反対です」と答える、または簡単に折れるのではなく、別の視点として丁寧に提示することが大切です。

グループディスカッションは対立を避ける場ではなく、異なる考え方を持ち寄ってより良い解決策を探す場です。

「その意見も確かに大切だと思います。ただ、別の視点から見ると、こういったリスクがあるかもしれません」といった表現であれば、否定的に聞こえずに自分の考えを伝えられます。

相手の意見を認めて、自分の立場を丁寧に述べることで、対話をする姿勢が伝わるでしょう。

求められている正解はある?

グループディスカッションにはあらかじめ決まった正解があるわけではありません。

企業が注目しているのは結論そのものではなく、そこに至るまでの考え方の筋道や、他の参加者とどのように関わったか、です。

自分の意見が論理的で議題に合っているか、そして意見をどのように伝えたか、という点が評価されます。

また、内容に正確性があるかだけでなく、チームとしての最終的な方向性を意識しながら行動できたかも重要です。

自分の意見を大切にしながらも、周囲とのバランスを考慮する姿勢を心がけましょう。

企業は何を見ている?

企業がグループディスカッションで見ているのは発言の中身やリーダーシップだけではありません。

協調性、論理的思考力、発信力、傾聴力、柔軟性など、職場で必要となる基本的なスキルや姿勢も総合的に確認しています。

議論の流れを読み取りながら、自分の役割を果たし、周りのメンバーと協力して前向きに進められるかどうかが、大きなポイントであると言えるでしょう。

また、他の参加者の意見を尊重しながら、違う視点を冷静に提示できるかどうかも評価につながります。

1人で目立とうとするよりも、全体を意識して議論に関わる姿勢が求められているのです。

企業は「一緒に働きたいと思える人かどうか」を見ているのだ、という意識を持って臨みましょう。

グループディスカッションで企業が見ているポイント8つ

まずは、グループディスカッションで気をつけることを整理するうえで、企業がどのような点を見ているのかチェックしておきましょう。

企業が見ているポイントを理解しておけば、グループディスカッションで何に注意して立ち回れば良いのか、自然と見えてきます。

そのためここからは、企業が見ているポイントとして、以下6つを紹介していきます。

ポイント
  1. 協調性
  2. 積極性
  3. 論理的思考力
  4. コミュニケーション能力
  5. 時間管理能力
  6. 柔軟性
  7. 他社への配慮
  8. 協議性

では、それぞれの重要なポイントを解説していきます。

1.協調性

グループディスカッションで重要視されるポイントといえば、まず、協調性が挙げられます。

協調性とは、周りにいるほかのメンバーと円滑に協力し、チームとしての目標達成に向けて積極的に自分にできることを行う姿勢・能力のことです。

そのためグループディスカッションで発言する際は、ほかのメンバーの意見をよく聴き、その内容を尊重することが求められます。

ほかの人が発表した意見に対しては、例えば「それは良いアイデアですね、さらにこうしたらどうでしょうか?」といった形で自分の意見を加えることで、協調性を示すことができるでしょう。

また、ほかのメンバーが発言しやすいように気を配り、全体を調整していく姿勢も重要です。

グループディスカッションでは、協調性が高い人はチームの一体感を牽引することができ、円滑な成功につなげられるのがポイントです。

2.積極性

グループディスカッションでは、企業は、一人ひとりの積極性もしっかりと評価しています。

そのため討論を行う際は、積極的に意見を出す姿勢が求められます。

どのような企業も、自己主張をしっかり行えること・主体的にプロジェクトに参加することは重要視しており、そのような姿勢を持つ人は入社後も活躍できる可能性が高いといえます。

ただし、積極性と一方的な発言は異なるため、グループディスカッションを進める際はくれぐれも注意しましょう。

自分の意見を述べる際には、ほかのメンバーの意見を遮らず、議論が円滑に進むよう配慮する必要があります。

積極的に自分の考えを述べる姿勢を維持しつつ、必要に応じて周りの意見を聞いたり、気を配ったりすることで、協力の姿勢を示すことが重要といえます。

3.論理的思考力

グループディスカッションでは、企業からは、一人ひとりの論理的思考力も評価されます。

論理的思考力とは、物事を整理し、筋道立てて考える力を指しています。

話し合いが進む中では論点やテーマがぼやけることがありますが、その際には自分の考えを明確に伝え、ディスカッションの方向性を修正する能力が求められます。

基本的には、意見を述べる際は「なぜそう思うのか」を説明し、論理的に根拠を示すことで自分の考えに説得力を持たせることが重要です。

場合によっては、ほかのメンバーの意見に耳を傾けたうえで理解を深め、矛盾点を指摘することも必要になるでしょう。

論理的思考力は、課題に対する的確な対処法を見極めたり、原因を見つけたりするうえで必要な考え方のアプローチです。

社会人として働く際はどのような場面でも求められるため、グループディスカッションでは、論理的思考力に重きを置いて評価を行う企業は多いでしょう。

4.コミュニケーション能力

グループディスカッションでは、コミュニケーション能力も積極的に求められます。

ディスカッションにおけるコミュニケーション能力は、議論を進める中でほかのメンバーと円滑に意見を交わし、協力して結論を導く力を指します。

討論中は適切なタイミングで発言し、相手の意見について理解を深めながら、明確に伝えたいことを述べていく必要があります。

また、発言をする際にはほかのメンバーの意見を受け入れ、全体の考えを調整したりまとめたりするスキルも欠かせません。

状況によっては自分の意見が通らないケースもよくあるため、相手の立場に対して理解を示し、建設的な話し合いをしていく必要があります。

コミュニケーション能力も論理的思考力と同様に、多くの場面で重宝される能力であるため、企業はグループディスカッションを通じて積極的に評価していくことが考えられます。

5.時間管理能力

時間管理能力も、グループディスカッションで評価の対象になる重要なスキルです。

グループディスカッションは、時間無制限で話し合えるわけではないため、与えられた時間内に結論を出さなければなりません。

そのため、常に時間を意識して行動することや、時間配分を行いながら計画的に議論を進める姿勢が求められます。

議論が必要以上に長引くとテーマがぼやけてしまうため、時間を意識して効率よく進めることは大前提として重要といえます。

なお、役割分担としてタイムキーパーを担当するわけではなくても、自分で時間を意識し「そろそろ結論を出す段階に入りましょう」などの発言で場を調整していくことは非常に重要です。

状況判断能力にも通ずるものがあるため、時間管理能力も企業から高く評価されるスキルといえます。

6.柔軟性

柔軟性も、企業がグループディスカッションを行ううえで、積極的に評価しているスキル・姿勢の一つです。

グループディスカッションでは、意見が分かれたり対立したりすることがしばしばあります。

その際は、柔軟性をもって臨機応変に対応できるかが重要になります。

グループディスカッションにおける柔軟性とは、ほかのメンバーの意見を受け入れ、状況に応じて自分の考えを変えることができる能力を指します。

もし議論が行き詰まった際は、別の視点を取り入れて新しい方向を示すなどの柔軟な行動を取ると、チーム全体への貢献につながります。

また、自分の意見に固執せず、建設的にほかの意見を受け入れる姿勢も柔軟性を示すポイントといえます。

グループディスカッションで柔軟な思考を持つことができれば、議論がスムーズに進み、チームとしての結論もトラブルなく導き出せるでしょう。

7.他者への配慮

グループディスカッションにおいて、配慮ができるかどうかは非常に重要な評価ポイントの1つです。

企業は学生がチーム内でどのように振る舞い、他者と関わるかを注意深く確認しています。

議論の中で自分の意見を主張する力も求められますが、それ以上に大切なのが、相手の立場や感情を考慮できるかという姿勢です。

発言が少ないメンバーに声をかける、相手の意見を否定せずに汲み取って話を広げる、議論が偏っていたら「一度整理しましょう」と中立的な立場で提案するなど、さりげない気配りの積み重ねが評価に直結します。

こうした行動は社会人として働く上での協調性や共感力の表れでもあり、職場での人間関係づくりやチームの連携において大きな差がつく要素です。

8.協議性

グループディスカッションでは一方的に話すのではなく、互いの意見を合わせながら話を進めることが求められます。

企業は個人の主張の強さよりも対話を通じて合意形成に向かう力に注目しており、話し合いの中で柔軟に対応できる人を高く評価します。

自分とは異なる意見が出た時に感情的に反応するのではなく「それも一理あると思います。

ただ、こういう視点もあるのではないでしょうか」といった形で対話を継続させる姿勢を持ちましょう。

協議性のある人はチーム全体の納得感や議論の一体感を大切にしながら、建設的な方向に導くことが可能です。

全員の力を引き出す役割を果たすことができ、企業にも「現場でチームを動かせる人物」という印象を与えられるでしょう。

グループディスカッションで気をつけるべき7つのポイント

グループディスカッションをうまく乗り切るためには、事前に、気をつけることを整理しておくことが大切です。

あらかじめ注意点や立ち回りのポイントを理解していれば、スムーズに発言したり場を回したりすることができ、高評価を得るきっかけになります。

ポイントは以下の7つがあります。

ポイント
  1. 論点に沿った発言をする
  2. 過度な自己主張をしない
  3. 否定ではなく「建設的な意見」を意識する
  4. 時間配分を意識して議論する
  5. 意見が浮かばない時はサポートに回る
  6. 役割を理解し、適切に動く
  7. 最後まで積極的に関わる
  8. 発言の量に注意する
  9. クラッシャーには冷静に対処する
  10. クラッシャーは放置せず対処しよう

では、7つのポイントについて、詳細を以下から整理していきましょう。

1.論点に沿った発言をする

グループディスカッションでは、論点に沿った発言を行うことが大切です。

議論の軸や大前提となるテーマから外れた発言をすると、話していることが散らかってしまい、結論がまとまらなくなる原因になります。

そのためグループディスカッションで発言する際は、自分の意見が「問題提起に対する答えになっているか」「議論の進行に貢献しているか」を常に意識しましょう。

特に、話し合いが盛り上がってきたタイミングでは、脱線しやすくなるため注意が必要です。

まずは発言前に一呼吸おくようにし、「今、何を話すべきか?」を意識することで、より的確な発言ができるようになります。

なお、論点に沿った意見は思考力と貢献意識の面で評価されやすく、企業からの印象アップにつながります。

2.過度な自己主張をしない

グループディスカッションで気をつけることといえば、ほかに、過度に自己主張をしないことが挙げられます。

自分の意見をしっかりと伝えることは重要ですが、一方的になりすぎると、「協調性に欠ける」「柔軟性がない」というマイナス評価につながってしまいます。

特に、相手の話を遮ったり意見を聞かずに自分の考えを押し通したりする行動は、グループディスカッションにおいてはNG行為といえます。

まず、グループディスカッションの目的は議論の勝ち負けではなく、チームでより良い結論を導き出すことである点を理解しておきましょう。

議論に臨む際は、ほかのメンバーの意見にも積極的に耳を傾け、必要に応じて自分の考えを修正する柔軟性も見せることが大切です。

3.否定ではなく「建設的な意見」を意識する

グループディスカッションでは、否定ではなく「建設的な意見」を意識する必要があります。

議論の中でほかの意見に異を唱える場面があっても、頭ごなしに否定するのではなく、代替案や具体的な提案を添えて「建設的な発言」を行うことが大切です。

単純に「それは違うと思います」「そのアイデアは良くない」と伝えるのではなく、「別の案として、〇〇という視点もあるかもしれませんね」といった表現を使うと、印象が柔らかくなります。

また、否定ではなく深掘りや補完の視点で発言することも、議論を前進させるきっかけになります。

協調性と論理的思考力の両方をアピールするためにも、相手の意見を尊重しながら発展させるような姿勢を保ちましょう。

4.時間配分を意識して議論する

グループディスカッションで気をつけることとしては、時間配分を意識し、効率的に議論を進めることが大切です。

限られた時間内で結論を出すためには、グループディスカッションでは、時間配分を欠かさず行う必要があります。

例えば「アイデア出しに時間を使いすぎて、発表のためのまとめの時間が足りなくなった」という失敗はグループディスカッションではよくあるケースです。

そのため最初に全体の時間を区切り、各フェーズ(意見出し、整理、結論など)にかける時間はおおまかに決めておきましょう。

また、議論の途中でも「あと〇分です」といった声がけを実践すると、周囲からの信頼も高まります。

なおグループディスカッションでは、タイムキーパーの役割でなくても、時間を積極的に気にかける姿勢は評価ポイントになります。

5.意見が浮かばない時はサポートに回る

グループディスカッションでは、意見が浮かばないときでも、積極的にサポートに回ることが大切です。

アイデア出しなどで直接的に協力できていなかったとしても、周囲の意見をまとめたり発言のフォローをしたりすれば、ディスカッションには十分貢献できるものです。

例えば「これはつまり、〇〇ということでしょうか?」と質問して意見をまとめると、周りのメンバーも内容を理解しやすくなります。

また、「その視点は良いと思います」などの形で発言を拾うだけでも、全体の流れを整えるきっかけになるでしょう。

ほかの人の意見に対して「それを実現するにはどうすれば?」「これが課題ですね」と問いかければ、問題提起にもつながります。

そのためグループディスカッションでなかなか発言できない場合は、無理に話すよりも、場に応じた立ち回りを意識しましょう。

6.役割を理解し、適切に動く

グループディスカッションで気をつけることには、ほかに、役割を理解したうえで適切に動くことが挙げられます。

基本的にグループディスカッションでは、リーダー・タイムキーパー・書記などの役割が設けられる場合が多いです。

そのため、役割分担を行う際は、それぞれに求められる行動を理解して的確に動くことが重要といえます。

リーダーであれば議論の進行とまとめ、書記であれば発言の要約や結論の記録など、与えられたポジションで責任を持って動けば、その行動は評価につながるでしょう。

また、役割が決まっていない場合でも自発的に「では、時間を意識していきましょうか」といった補助的な発言をすれば、積極性と協調性の両方をアピールできます。

7.最後まで積極的に関わる

グループディスカッションでは、議論が始まってすぐに発言できなかったとしても、途中からでも積極的に関わる姿勢を見せることが大切です。

逆に、最初だけ話して後は沈黙してしまうと、「一時的な貢献」にとどまり、評価が下がる可能性があります。

グループディスカッションでは、最初は相槌や要約など簡単なことからでも関わり、徐々に意見を述べる形でも問題ありません。

特にグループディスカッションの終盤は、結論のまとめや発表に向けた確認が求められるため、積極的に動くチャンスが来ます。

最後までチームの一員として貢献する姿勢が、選考での印象に大きく影響します。

グループディスカッションは自分の立ち回りを評価してもらう選考なので、最後まで気を抜かずにチームに貢献しましょう。

8.発言の「量」に注意する

グループディスカッションにおいては発言の量が評価に直結するわけではありませんが、全く意見を出さない、または話しすぎるとマイナスに作用することがあります。

企業が注目しているのは参加者それぞれがバランスよく議論に参加し、貢献できるかです。

したがって、誰かが一方的に話しすぎてしまうと、他のメンバーが発言しにくくなってしまい、全体の空気が悪くなってしまいます。

一方で、意見を全く発信しない人も「議論への貢献が少ない」「やる気がない」とみなされる可能性があります。

良いグループは各メンバーが適度に発言し合い、内容の質を高めながら進行していくものです。

自分の発言量を意識しながら、他の人が発言しやすい雰囲気を作ることを心がけると、さらに評価が高まるでしょう。

9.クラッシャーには冷静に対処する

グループディスカッションではまれに「クラッシャー」と呼ばれるタイプの人が現れることがあります。

自分の意見を強引に押し通そうとしたり、他の参加者の意見を頭ごなしに否定したりして、議論の進行や雰囲気を乱す存在です。

このような人がいると、グループ全体が本来の目的を見失い、まとまりを欠いたまま議論が終わってしまう可能性が高いです。

しかし、そうした相手に対して感情的に反応してしまうと、かえって評価を落としてしまう可能性があります。

大切なのは、冷静な姿勢を保ちながら、適切な距離感で議論を戻す工夫をすることです。

「今の意見も一理ありますが、他の意見も確認して、整理しましょう」など、落ち着いて対応しましょう。

クラッシャーは放置せず対処しよう

とはいえ「もはや手がつけられないのではないか?」と思えるようなクラッシャーも、まれに存在します。

上記のような対処法が難しい場合には、以下のような方法を試してみることをおすすめします。

①今話すべきことを改めて提示する

最もおすすめの対処法は「今話すべきこと」について改めて提示することです。

「では、〇〇について改めて結論をまとめましょう」

「今は〇〇について話しているので、後ほどそちらについて議論をしましょう」などと話を引き戻す方法です。

扱いが難しい人でも、このように伝えれば過度な振る舞いは控えるでしょう。

②メンバー一人ひとりに順番に意見を求める

1人ばかり話しているような状況が生まれてしまった場合は、メンバー一人ひとりに順番に意見を求めることで、流れを引き戻せます。

「この議題について1人ずつ意見を述べてください」などと促すことで、クラッシャーを落ち着かせることができます。

グループディスカッションの種類と特徴

グループディスカッションには複数の種類があり、選考によってどのような形式・種類が取り入れられるのかは異なります。

そのためグループディスカッションの対策を進める際は、まず、種類とその特徴を理解することが大切です。

主な種類は、以下の3つがあります。

主な種類
  • グループワーク
  • 自由討論
  • ディベート

いずれの形式でも、グループディスカッションといわれるため、あらかじめ違いには注意しておきましょう。

では、種類ごとに特徴を以下から説明していきます。

グループワーク

グループディスカッションの種類の一つには、まず、グループワークが挙げられます。

グループワークでは企業からある課題が与えられるため、それに対してチームで協力してアイデアを出し、最終的な「結論」や「提案」を発表する形式になります。

出される課題には、例えば「新しい商品を考えてください」「企業の売上を上げる施策を考えてください」などが挙げられます。

課題に対して的確なまとめ・発表を行ううえでは、ロジカルな議論と創造的な発想のバランスが求められます。

リーダーや書記などの役割分担を行ったうえで時間内に結論を出すことが求められるため、協調性やリーダーシップ、論理的思考力が主な評価の対象になります。

グループワークは課題クリアが最終的なゴールであるため、単なる思いつきではなく、「なぜそう考えたか」「実現可能かどうか」などの視点を持つことが重要です。

自由討論

グループディスカッションの種類の一つである「自由討論」は、特定のテーマに対して、形式を決めずに、メンバー同士でさまざまな意見交換を行うことが特徴です。

基本的には、企業の担当者が進行役を務めることなどもありません。

主なテーマとしては、「働き方改革は必要か?」「AIは人間の仕事を奪うか?」などが挙げられ、その内容は抽象的なものであるケースが多いです。

そのため、どのように議論を進めていくか、誰がリードするか、着地点はどこかなど、すべて参加者に任される形式になります。

よって、自由討論では、自発的な行動力や場をまとめる力が強く問われるのが特徴です。

グループディスカッションで自由討論が取り入れられる場合は、黙って周りを見るだけでは、評価されにくいため注意が必要です。

基本的には発言・傾聴・調整などのバランスが重要になるため、周りの状況をよく見ながら、積極的に協力していくことが大切です。

ディベート

グループディスカッションにおける「ディベート」は、特定のテーマの賛成派・反対派に分かれ、対立する立場から議論を展開していくことが特徴です。

あらかじめ自分の立場が決められている場合が多く、個人の本音と異なる主張を行うことも少なくありません。

ディベートで主に評価されるのは、自分の主張・意見を論理的に構築したうえで、いかに相手の意見にどのように反論するかという論理的思考力・分析力・説得力です。

なお、対立構造はありますが、ディベートでは必要以上に感情的にならず冷静に議論を進める姿勢が重要となります。

また、相手の意見もきちんと理解したうえで反論することが、単なる押し付けではない質の高いディベートを作り上げます。

グループディスカッションでディベート形式が採用されるケースはそこまで多くありませんが、可能な限り対策は行っておきましょう。

グループディスカッションの事前準備

ここからは、就活のグループディスカッションで気をつけることとして、事前準備のポイントを整理していきます。

グループディスカッションでは、事前に準備を済ませておくことで、スムーズな発言と積極的な行動につなげることができます。

事前準備として行っておくべきことは、以下の3つが挙げられます。

事前準備
  • ニュースや時事問題に触れる
  • 就活エージェントを活用する
  • YouTubeでグループディスカッション動画を見る

特にニュースや時事問題に触れること、就活エージェントを活用することは重要な対策といえます。

では、以下から事前準備における重要なポイントをそれぞれまとめていきます。

ニュースや時事問題に触れる

グループディスカッションで良い結果を出すためには、事前準備のポイントとして、ニュースや時事問題に触れておくことが大切です。

そもそもグループディスカッションでは、「最近の経済ニュースをテーマに議論してください」など、時事的なテーマが出題されることがあります。

普段から新聞やニュースアプリをチェックし、政治・経済・IT・環境・国際問題など幅広い分野の知識をインプットしておくと効果的です。

特に、志望する業界や企業に関連するニュース、トレンドは要チェックです。

また、ニュースについては単純に知るだけでなく、自分なりの意見を持つことが重要といえます。

「なぜこの課題が問題なのか」「自分ならどう解決するか」と自分なりに考えることで、グループディスカッションでも説得力ある発言ができるようになります。

就活エージェントを活用する

選考対策の一つとしてグループディスカッションに備えるうえでは、就活エージェントを活用することも重要です。

就活エージェントは、グループディスカッションの練習機会や、フィードバックを得るうえで大きく役立つのがメリットです。

就活エージェントが主催するグループディスカッション練習会や、グループディスカッションに関連したセミナーなどは、他の就活生とのレベル感を把握するきっかけになります。

また、自分の担当者からは個別にアドバイスをもらえるため、自分の課題や改善点を客観的に知ることができます。

特に初めてグループディスカッションに参加する人や、自分の立ち回りに自信がない人にとっては、就活エージェントのサポートは必要不可欠といえます。

就活生であれば無料で利用できるサービスも多いため、自己分析や企業研究と並行して、積極的に活用してみてください。

YouTubeでグループディスカッション動画を見る

YouTubeなどを活用してグループディスカッションの動画を見ることも、事前に行っておきたい準備の一つです。

実際のグループディスカッションの流れや雰囲気を知るうえでは、YouTubeで公開されている模擬グループディスカッションの動画がとても参考になります。

リーダーやメンバーの立ち回り方、テーマの傾向、議論の進め方などを視覚的に学ぶことができ、主な成功例と失敗例の違いについても理解を深められます。

また、動画を見れば、自分がその場にいたらどう発言するかをシミュレーションすることもできます。

短時間で見られる動画も多いため、スキマ時間を活用しながら効率よくグループディスカッション対策をしていきたい人にもおすすめです。

グループディスカッションの進め方5選

グループディスカッションで失敗しないためには、気をつけることの一つとして、事前に進め方を勉強しておくことも重要です。

グループディスカッションの進め方を理解していれば、当日、慌てることなく議論に参加できるようになります。

基本的にグループディスカッションは、以下の流れで行われます。

流れ
  1. テーマ確認
  2. 議論の進め方を決める
  3. 意見交換
  4. まとめ・発表準備
  5. 発表

では、それぞれのステップごとに、重要なポイントや立ち回りのコツ、注意点などをまとめていきます。

初めてグループディスカッションに臨む際は、積極的に流れを頭に入れておきましょう。

1.テーマ確認

グループディスカッションでは、まず、議論が始まった際に「テーマの確認」をしっかりと行う必要があります。

テーマや企業の案内をしっかり読み込み、求められていること(結論を出すのか・アイデアを出すのか・賛否を述べるのかなど)について共通認識を持つことが大切です。

グループディスカッションによっては、テーマが抽象的だったり、複数の解釈が可能だったりする場合もあります。

そのため、早い段階で内容を確認し合い、情報共有を行うことが重要なポイントといえます。

なお、テーマをうまく理解できない場合は、「どういう意味だと思いますか?」と周りのメンバーに積極的に問いかけましょう。

最初の数分でテーマの方向性を明確に定めることが、議論の質を大きく左右するため、確認と共通認識を持つことはしっかり徹底してください。

2.議論の進め方を決める

グループディスカッションでは、最初にテーマの確認が終わったら、続いて議論の進め方を話し合っていく必要があります。

どのように進めていくのかという点においても、共通認識がなければ、途中で話し合いがつまずく原因になります。

例えば「最初に全員で意見を出し合ったうえで、3つに絞って整理しよう」など、大まかな流れを共有しておくことが大切です。

このように流れや形式を整理しておくと、議論が脱線しにくくなります。

また、時間配分や役割分担についても、議論の進め方を決めるタイミングで明確にしておくと良いでしょう。

なお、議論の進め方を決めるステップでは、誰かが進行役を買って出ることで自然とリーダーシップを発揮できます。

3.意見交換

グループディスカッションでは、続いて、意見交換のフェーズに移っていきます。

意見交換の段階では、テーマに対して、各自の意見を積極的に出していくのがポイントです。

まずは自由にアイデアを出すブレインストーミング的な段階として時間を有効活用し、出てきた意見については、否定せずにどんどん書き出していくことが大切です。

そしてある程度意見を出し終えたら、内容を整理し「どれを採用するか」「どうまとめるか」を議論していく流れです。

自ら意見を出すことが苦手な人は、他人の意見に乗っかって話を広げたり、逆の視点を提示して話を深めたりするのも良いでしょう。

なお、意見交換は大事なフェーズですが、論点を見失わないことや時間を意識することは常に大事にしていきましょう。

4.まとめ・発表準備

グループディスカッションを通じて具体的な方向性や結論が固まったら、決まったことを丁寧に整理し、発表用の内容にまとめていく流れになります。

グループディスカッションは、単純に議論して終わりになるわけではなく、最終的な発表も含まれるケースがほとんどです。

まとめる際は、「なぜその結論に至ったのか」「他案との比較はどうだったか」「具体的な実現方法や効果」など、論理的な構成にすることが重要なポイントです。

効率よく発表準備を進めるには、書記のメモをもとに、発表者が話しやすいように構成を整えることが大切です。

このフェーズで大事なのは、時間切れにならないように意識し、早めに準備に入ることです。

また、発表者をしっかりと決めたうえで内容のすり合わせをしておくと、本番でのミスや認識のズレを防げます。

5.発表

グループディスカッションでは最終的に、チームの成果として、考えや結論を企業の担当者に向けて発表していきます。

発表で大切なのは、「結論→理由→具体例」の順で、要点をわかりやすく伝えることです。

また、誰が話すにしても、ほかのメンバーはうなずいたり、相槌を打ったりしてチームの一体感を見せる必要があります。

なお、1人が結論のほとんどを話す形式ではなく、2〜3人で分担する形式を取り入れるのもおすすめです。

グループディスカッションでは、内容が多少あいまいでも「全員で協力して導いた結論」であれば、チームワークや論理力はしっかりと評価してもらえます。

そのため、「発表が終わるまでがグループディスカッション」であることを意識し、最後まで気を抜かず堂々と臨みましょう。

グループディスカッションの役割分担

グループディスカッションには役割分担があるため、与えられた役割を全うし、チームの成果に貢献することが重要といえます。

事前に気をつけることとしては、役割分担を把握しておくことも重要と言えるでしょう。

主な役割は、以下が挙げられます。

主な役割
  • リーダー
  • タイムキーパー
  • 書記
  • メンバー

当然、役割ごとに担当する仕事ややるべきこと、立ち回りのポイントは異なるため、あらかじめ注意が必要です。

では、どのような役割があるのか、具体的な点を整理していきましょう。

リーダー

グループディスカッションにおけるリーダーの役割は、グループ全体の進行と、議論の方向性を管理することです。

最初にグループディスカッションの議題を整理し、目標やゴールを明確にしたうえで、全員が発言しやすい雰囲気をつくることが重要といえます。

また、議論を進める中で意見が対立したときは、冷静に状況を見ながら調整し全体の意見をまとめる調整力を発揮する必要があります。

なお、リーダーシップとは単に仕切ることではなく、メンバーの発言を尊重しながら議論を建設的に導く姿勢を指します。

ディスカッションを進める中で発言しない人がいれば声をかける、討論が脱線したらしっかりと方向転換を行うなど、全体への配慮もリーダーとしての評価ポイントになります。

タイムキーパー

タイムキーパーは、グループディスカッションにおける時間管理を担う重要な役割です。

議論から発表までが制限時間内に収まるように、段階ごとに目安時間を設定し、進行状況を随時グループに伝えていきます。

タイムキーパーがいると、時間をより有効に使うことができるため、意見出し・整理・結論出しまでを効率よく進められます。

また、ディスカッション中に時間が足りなくなりそうなタイミングでは、リーダーや全体に対して「あと〇分です」と声をかけて注意を促すことも欠かせません。

タイムキーパーは冷静に全体を見ながら議論の質とスピードを支える、縁の下の力持ち的なポジションとなるため、その全体を見る能力やサポート能力が評価の対象になります。

書記

グループディスカッションにおける役割といえば、書記も挙げられます。

書記は、議論の内容を要点ごとに整理しながら記録する役割を持っています。

基本的にはホワイトボードやメモを活用しながら、単純に誰が何を言ったかではなく、「何が決まったか」「どんな方向で議論が進んでいるか」を的確にまとめることが求められます。

また、視覚的に議論を見える化することで、参加者全員の理解度を高めて意見の整理や結論づけを助ける役割も担っていると言えるでしょう。

議論中に混乱が起きたり脱線したりした際は、「現状こういう流れです」と書記が整理して状況を伝えれば、グループディスカッションの方向修正にも貢献できるのがポイントです。

なお、書記は議論に対する積極的な発言と両立が難しい役割でもあるため、主に簡潔で分かりやすい要約力が評価の対象になります。

メンバー

グループディスカッションの「メンバー」とは、議論において積極的に意見を出しつつ、ほかの役割の人を必要に応じてサポートする存在です。

そもそも意見が出なければ議論は進まないため、メンバーはグループディスカッションにおいて、常に重要な役割を担っています。

自分の意見をしっかりと伝えることはもちろん、ほかの人の発言をよく聞いたうえで共感・補足・反論などを適切に行うことで、議論を円滑に進めていきます。

必要に応じて発言の少ない人に話を振る、対立があった場合に橋渡しをするなど、全体のバランスをとる立ち回りができることも高評価を受けるきっかけになります。

基本的には、自分が主張するだけでなく、チームとしてより良い結論に導くためにどう動けるかが重要なポイントになります。

自発性と協調性の両方を発揮したうえでグループディスカッションを盛り上げ、良い評価を獲得していきましょう。

発表者

発表者はリーダーが務めることが多いですが、リーダー以外のメンバーが任されることも少なくありません。

あらかじめ誰が発表するかを決める場合もありますが、議論が終わった後に誰が発表するかを決めることもあります。

したがって、議論にしっかり参加して、不明点を作らないことが大切です。

発表する際に建設的な話し方ができるように、話の内容を理解するだけでなく「どのように話を展開するのか」を意識しながら議論に参加できると良いでしょう。

たとえ自分が発表を担当しなくても、発表者が台本をまとめる助けになるよう、情報をまとめておくとスムーズにサポートできます。

オンラインのグループディスカッションの注意点

グループディスカッションがオンラインで行われる場合は、オンラインならではの難点を理解したうえで、成功につなげることが重要といえます。

そのためここからは、オンラインのグループディスカッションにおける注意点を解説していきます。

主な注意点は、以下の3つが挙げられます。

注意点
  • 通信環境を整える
  • 発言のタイミングを工夫する
  • ジェスチャーや表情を意識する

このように、オンラインのグループディスカッションでは、対面のディスカッションとは異なるポイントに注意する必要があります。

では、気をつけることを具体的にまとめていきます。

1.通信環境を整える

オンラインのグループディスカッションでは、通信環境の安定性が重要になります。

せっかくディスカッションに集中したくても、回線が不安定だと音声や映像が途切れ、議論の流れに乗れなくなってしまうリスクがあります。

そのためオンラインのグループディスカッションに参加する際は、事前に自宅や使用場所のWi-Fi速度を確認し、可能であれば有線接続を検討しましょう。

Wi-Fi(無線接続)は接続が不安定になるリスクが高く、それに対して有線接続によるネット回線は、Wi-Fiと比べて接続が安定しやすい傾向にあります。

また、周りの雑音が入りにくい静かな環境を確保することも大切です。

なお、マイクについてはマイク付きイヤホンを使うと音声がクリアになり、相手にも聞き取りやすくなります。

オンラインのグループディスカッションに参加する際は、万一のトラブルに備え、復帰方法も事前に確認しておくと良いでしょう。

2.発言のタイミングを工夫する

オンラインのグループディスカッションでは、発言のタイミングを工夫することも大切です。

対面のグループディスカッションとは空気感が異なり、オンラインで行われる議論は話し出すタイミングがかぶりやすく、発言がうまく通らないケースがあります。

そのため発言する際は、「発言してもいいですか?」などの一言を挟むなどの対策を実践すると効果的です。

ほかには、相手の話が完全に終わったことを確認してから話し始めるなど、ある程度の「間」を意識することも重要なポイントになります。

グループディスカッション中はタイミングを図って協調性を見せることも重要なので、オンラインという特殊な環境も考慮したうえで、全員が発言しやすい雰囲気を作っていきましょう。

3.ジェスチャーや表情を意識する

オンライン上で行われるグループディスカッションでは、対面よりも相手の反応が伝わりにくいため、意識的にリアクションを取ることが大切です。

わかりやすく頷いたり笑顔を見せたりすれば、相手に「聞いている」「賛同している」という意思を明確に伝えることができます。

軽い表情の変化は伝わらない可能性があるため、笑顔は伝わりやすさを大事にし、積極的にジェスチャーも加えましょう。

また、自分が話すときも表情を明るくしたうえで、カメラ目線を意識することが重要です。

無表情だったりうつむきがちだったりすると、オンラインのグループディスカッションでは、かなり消極的な印象に見えるため注意が必要です。

また、カメラ位置や照明に気を配り、少しでも自分の印象を良く保つ意識も必要です。

非言語コミュニケーションが伝わりづらいオンラインだからこそ、グループディスカッション中は、自分自身の見せ方を忘れずに工夫しましょう。

実際にあったグループディスカッションの例

続いて、実際にあったグループディスカッションの例について紹介します。

どのような問題が出されるのか、何を聞かれており、どのようなアピールをすれば良いのかについて詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

広告・マスコミ業界

課題

「新しいSNSを使ったプロモーション施策を考えよ」

「若者に新聞を読んでもらうための施策を提案せよ」

「ある企業のイメージを向上させるための広告キャンペーン案を立案せよ」

広告・マスコミ業界のグループディスカッションではアイディアの独創性とターゲットへの深い理解が問われるテーマが出題される傾向にあります。

実際の広告企画立案の場面を想定しており、限られた時間の中でどれだけ柔軟な発想を出せるかが試されます。

思いつきで終わらせず「誰に届けたいか」「どのような媒体で伝えるのか」「実現可能性はあるのか」といった視点で提案することが大切です。

また、グループ内で発想を広げつつ、まとめ役として方向性を定める力も評価対象となります。

一人ひとりの意見を大切にしながら、現実的で具体的な施策に落とし込めるかどうかが評価の分かれ目となります。

コンサルティング業界

課題

「売上が低迷しているコンビニチェーンの立て直し策を提案せよ」

「5年後、◯◯業界で生き残る企業とは?」

「新規事業の立ち上げに必要な要素を優先順位をつけて議論せよ」

コンサルティング業界のグループディスカッションは課題解決力が問われる問題が多く見られます。

ここで重要なのは現状の課題を冷静に整理し、因果関係を論理的に捉える力です。

議論の中では「なぜその施策が必要なのか」「どの順番で取り組むべきか」といった優先順位付けも求められ、深い分析と構造的な思考が試されます。

また、複数の案が出てくる中で他人の意見を受け止めつつ、全体像を俯瞰して整理できれば、より高く評価されるでしょう。

課題の本質に迫る姿勢や、聞く力と伝える力のバランスを意識して、制限時間内に結論を導く推進力が重視されます。

「ロジカルさ」を意識して立ち回ることを心がけましょう。

金融業界(銀行・証券・保険)

課題

「若年層に投資を促すための金融教育施策とは?」

「地方の中小企業支援として、銀行にできる新たなサービスを提案せよ」

「現金主義の高齢者にキャッシュレスを広めるには?」

金融業界のグループディスカッションでは身近な社会課題を扱うテーマが多く見られます。

ここで求められるのは現実社会の課題に対する深い理解と、それを踏まえた提案の説得力です。

また、金融に関わる提案にはリスクの要素がつきものであるため、リスクとメリットを比較しながらアイディアを出せるかどうかも見られています。

加えて、金融業界では信頼性や誠実さが強く求められるため、議論の進め方にも落ち着きと論理性が求められます。

顧客の立場に立って物事を考える姿勢や、複数の関係者を意識した視点を持てると、業界への理解の深さをアピールできるでしょう。

結論だけでなく、そのプロセスにもこだわることで、説得力ある議論が展開できます。

IT・通信業界

課題

「若年層に投資を促すための金融教育施策とは?」

「地方の中小企業支援として、銀行にできる新たなサービスを提案せよ」

「現金主義の高齢者にキャッシュレスを広めるには?」

IT・通信業界のグループディスカッションにおいては最新のトレンドやテクノロジーに関心を持っているかどうかが試されるテーマがよく出題されます。

新しい技術について話すだけでなく「なぜその技術が必要なのか」「どのようなニーズを満たすのか」などを説明することが大切です。

また、業界は変化のスピードが非常に早いため、柔軟な発想を持ち、変化に対応できる構想力も評価されます。

そして、プレゼン力も重視される傾向があり、最後にチームでアイディアを発表する際には、特に簡潔で、説得力のある話し方が評価されます。

IT業界では「理論」と「発想」の両方が問われるため、仕組みや利便性を理解しようとする姿勢が伝わると好印象です。

メーカー(食品・自動車・日用品など)

課題

「スマートシティ構想を進めるにあたって、通信会社としてできることは?」

「今後10年で最も伸びるITサービスは何か?その理由と戦略を説明せよ」

「メタバースを活用した新しいビジネスモデルを提案せよ」

メーカー系のグループディスカッションではユーザー目線を重視したテーマが多く出されます。

ユーザーのニーズを的確に捉える力、そして商品や販売方法に反映させる企画力をアピールしましょう。

「清涼飲料水の売上が低迷している」というテーマであれば、ターゲットを明確に定めて、どのような味・見た目・価格帯が受け入れられるのかを考えなければなりません。

また、企画した案の実現可能性やコストも問われます。

思いつきで終わらせず「なぜこのアイディアが有効なのか」「どのようなニーズに応えているのか」を論理的に伝えることが大切です。

商社・物流・流通業界

課題

「売上が伸び悩む清涼飲料水の新しい売り方を考えよ」

「高齢者向けの商品開発をするなら、どんな切り口が良いか?」

「海外進出を考えている食品メーカーの戦略を立てよ」

商社や物流・流通業界のグループディスカッションにおいては地球規模の視点や社会的責任が問われるテーマが出題されることが多くあります。

このようなテーマにおいてはビジネスの視点だけでなく、環境問題や国際情勢、SDGsといったグローバルな観点が求められます。

特に総合商社の場合、多くの国や業界と関わるため、複雑な利害関係をどう調整し、最適な解決策を導き出すかというバランス感覚も試されていることが多いです。

議論においては「この施策は利益を出せるか」だけでなく「社会的価値を満たせるか」「長期的な視点で持続可能か」といった問いを立てられるかどうかが見られています。

インフラ・公務員系

課題

「2030年の東京の都市計画を提案せよ」

「災害時に対応できるインフラの強化策とは?」

「過疎地域に若者を呼び戻すにはどうすればいいか?」

インフラや公務員系のグループディスカッションでは公共性の高いテーマが取り上げられることが多いです。

現代社会が抱える構造的な課題に対して深い理解を示し、その上で多くの人にとって公平で実現可能な解決策を提案する力を確認されています。

例えば、災害対策に関する議題であれば、コストや技術面の現実性だけでなく、高齢者や障害を持つ方への配慮といった倫理的な視点も欠かせません。

また、公務員志望者であれば、政策の実行プロセスや予算の仕組みにも一定の理解があると、説得力のある発言ができます。

まとめ

グループディスカッション(GD)に初めて臨む際は、事前準備のポイントを押さえたり、気をつけることを一通りチェックしたりすることが大切です。

議論を進める中でうまく立ち回るには、全体の基本的な流れや役割分担、発言するときのポイントなどを把握しておくと良いでしょう。

ただ一方的にたくさん発言すれば良いわけではないため、グループディスカッションでは、周りの意見を尊重しながら協力の姿勢を見せていくことも求められます。

協調性やコミュニケーション能力、柔軟性などを見せながら、自分に必要な役割をこなし、グループディスカッションでしっかりと成果を残していきましょう。

発言や自己主張が苦手な人も、自分にできるサポートはさまざまあるため、具体的な立ち回りのポイントや気をつけることは十分に把握しておいてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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