就活やインターンシップでエントリーシートを書く機会は多いかと思います。
エントリーシートにおいて定番の質問がいくつかあり、その中の一つに「挑戦したこと」「人生で一番挑戦したこと」という設問があります。
本記事ではこの「挑戦したこと」について、挑戦にはどのような種類があるのか、どう答えることで好印象につなげることができるのか、見つからない際の探し方などについて、例文も用いながら詳しく解説していきます。
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【ESで挑戦したことを聞かれたら?】挑戦した経験がないと選考は受からない?
就職活動で「挑戦したこと」をESで聞かれると、特別な成果や大きな困難を乗り越えた経験がないと不利なのでは…と不安に感じるのではないでしょうか。
結論、大きな成果や華々しい実績につながる挑戦でなくても問題ありません。
企業が知りたいのは「どんな挑戦をしたか」よりも、「どう考え、どう行動したか」です。
回答できない、という場合にはもちろん評価されなくなりますので、日常的な経験の中にも評価される挑戦を見つけることが大切です。
自分にとっての壁に向き合った経験を丁寧に振り返り、挑戦のエピソードを探しましょう。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】挑戦したことがないと感じる理由
エントリーシートで「挑戦したこと」を聞かれても、自分にはそんな経験がないと悩む学生は多くいます。
その背景には、「挑戦とは大きな成果を出した経験」といった思い込みや、他人と比較してしまう心理、さらに設問の意図を理解していないことが挙げられます。
まずは「なぜ書けないと感じるのか」という原因を正しく理解することで、自分の中にある挑戦を見つける第一歩が踏み出せます。
「挑戦したこと」のハードルが高い
多くの学生が「挑戦」と聞くと、起業、全国大会、海外留学など、非日常的で大きな成果を伴う経験を想像します。
そのため、自分の日常にあるような経験では不十分だと感じてしまい、「挑戦したことがない」と思い込んでしまうのです。
しかし企業が見ているのは、経験の規模ではなく、経験にどう向き合ったかという姿勢です。
たとえば、苦手なことを克服しようと努力した経験や、小さな目標を地道に達成した経験も、立派な挑戦として評価されます。
大切なのは、「自分にとって意味のある挑戦」であるかどうか。
ハードルの高さではなく、取り組みの真剣さに目を向けることで、ESに書ける内容が見つかるようになります。
周囲と比較してしまっている
自分の経験が他の学生よりも劣っているのではないかという不安から、「挑戦したことがない」と感じるケースは多くあります。
特にSNSや説明会などで、他人の「すごい挑戦体験」を聞いたとき、自分の地道な努力が価値のないものに思えてしまうのです。
しかし就職活動では、自分自身の成長や価値観を伝えることが重要であり、他人との比較は意味がありません。
むしろ、ありふれた経験の中でも、自分なりに工夫し、乗り越えた姿勢のほうがリアリティがあり、企業に伝わりやすくなります。
比較ではなく、自分なりに頑張った経験を丁寧に掘り下げることが、評価されるESを書くための第一歩になります。
挑戦したことを聞かれる理由を知らないから
「なぜ企業は挑戦したことを聞くのか」を知らないまま書こうとすると、どうしても書けない、という壁にぶつかってしまいます。
企業がこの設問を通じて知りたいのは、あなたの人柄や価値観、そして困難にどう向き合うかといった「仕事に活かせる行動特性」です。
つまり、挑戦の内容ではなく、その過程や姿勢、学びの部分が評価されるのです。
この本質を理解していれば、特別な実績がなくても、自分の経験を自信を持って書くことができます。
設問の意図を読み解くことは、ES全体においても重要なスキルであり、書けないと感じたときこそ立ち止まって考えてみるべきポイントです。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】企業が挑戦したことを聞く理由
就活において「挑戦したこと」に対する答え方を考える際は、まず、挑戦したことを企業が聞く理由を整理しておきましょう。
企業がESで挑戦したことを聞く理由には、以下のことが挙げられます。
- 成長意欲を判断するため
- ポテンシャルがあるか見極めるため
- 困難に対してどう対処するか知るため
- 企業文化との適合性を見極める
このように企業は「挑戦したこと」を質問することで、学生の成長意欲やポテンシャル、企業文化との適合性などをチェックしています。
そのため「挑戦したこと」は、あなた自身の人物像を企業側が深く理解するうえで重要といえます。
では、理由の詳細を一つひとつ解説していきます。
成長意欲を判断するため
企業が挑戦したことを聞く理由には、まず、本人の成長意欲を判断したい意図があります。
企業は、本人がどれだけ自分を成長させたいと感じているのかをチェックしたうえで、成長意欲の高い学生に積極的に関心を寄せようとします。
なぜなら、成長意欲の高い人こそスピーディーに成長でき、入社後も多くのことに挑戦することでスキルを着実に伸ばしていけるからです。
成長意欲の高い人はあらゆる知識やスキルを学ぼうとするため、その意識の高さやポジティブな考え方は、周りにも良い影響を及ぼすでしょう。
そのため、挑戦したことを伝える際は、どのように成長してきたのかをわかりやすくアピールすることが重要です。
挑戦によって学んだこと、鍛えたスキル、成長したことをアピールすれば、今後の成長可能性を期待してもらえます。
周囲にもその成長意欲を伝染させる良い人材として、高い評価を獲得できるでしょう。
ポテンシャルがあるか見極めるため
企業が挑戦したことをESで聞く理由には、本人のポテンシャルを確認したいという意図も関係しています。
本人に将来的な成長が期待できるかどうか、現場で活躍できるスキルを身に付けられるかをチェックしており、その期待値が高い学生を採用したいと考えているといえます。
なぜなら「挑戦したこと」の回答からは、本人の強みや鍛えてきたスキル、人柄や価値観などがよくわかるからです。
なかなかほかの人が経験できないことに自ら挑戦したのであれば、その内容を話すことで、チャレンジ精神や好奇心旺盛な姿勢を伝えられるでしょう。
また、挑戦の際に自分の強みを活かして困難を乗り越えてきたのであれば、課題解決能力ややり遂げる姿勢などをアピールできます。
企業はこのようなポテンシャルをチェックしており、そのスキルや強みをもって仕事に適応できるかを見ているのです。
挑戦を通じて学んだことをアピールする際は、具体的に内容や行動について伝えるようにしましょう。
困難に対してどう対処するか知るため
企業が「挑戦したこと」に注目する一番の理由は、あなたが困難にどう対処するかを知るためです。
仕事では予期せぬトラブルや壁に直面する場面が数多くあります。
そうしたときに、冷静に状況を把握し、自ら行動して課題を乗り越えられる人材であるかどうかをESのエピソードから見極めています。
したがって、ESでは「なぜその挑戦に取り組んだのか」「どのような困難があったのか」「どのように工夫・努力して乗り越えたのか」「何を学んだか」の流れで、具体的かつ論理的に伝えることが大切です。
企業文化との適合性を見極める
企業が挑戦したことを聞く理由には、企業文化との適合性を見極めたいからという意図も関係しています。
企業は、自社の文化や理念に適した人材を求めています。
掲げる理念や大事にしている企業文化に適した人材を集めて組織を作れば、業務で成果を残しやすくなり、企業の成長につなげられるからです。
そのため挑戦したことをESで伝える際は、企業の価値観とマッチしていることを明確にアピールする必要があります。
挑戦のエピソードの内容や、身に付けたことなどを伝え、企業が重視する考え方や強みを持っている人材であることをアピールしましょう。
なお、企業文化とマッチしていることを伝えるには、事前の企業研究が必要不可欠となります。
どのような価値観・理念で経営を行っているのか、どのような点を重視して人材を集めているのかを事前にリサーチすることが重要です。
【人生で一番挑戦したことがない】ESで求められる「挑戦したこと」の種類
就活において「ESで挑戦したこと」は、応募者の価値観や行動力、成長意欲を測る重要な設問です。
採用担当者は、どのような挑戦に取り組み、それをどのように乗り越えたかを知りたがっています。
以下の3つのカテゴリで整理すると、自分の経験を見つめ直しやすくなり、ESの完成度も高まります。
苦手分野への挑戦
ESで挑戦したこととして「苦手なことに取り組んだ経験」は、自分を変えようとする前向きな姿勢として好印象を与えます。
たとえば、人前で話すのが苦手だった人がプレゼンに積極的に参加した経験や、計算が苦手な人がデータ分析に挑戦した事例などが該当します。
課題意識と成長意欲が伝わる内容にすることで、企業側に強い印象を残すことができます。
なぜ苦手だったのかを客観的に説明したうえで、それを克服するために何をしたのか、そして結果としてどう成長したのかまで具体的に伝えましょう。
新しい領域への挑戦
「新しい領域に挑戦した経験」もESでの定番テーマです。
未経験の分野に自ら飛び込んだ行動力や、適応力をアピールできます。
例えば、文系の学生がIT系インターンに参加した経験や、サークルで初めてイベントの運営を担当した話などが該当します。
さらに、初めての挑戦だからこそ直面した壁や、試行錯誤のプロセスを具体的に描くことで、よりリアリティが増します。
結果として得られた学びや今後にどう活かせるかもあわせて伝えましょう。
このタイプの挑戦では、なぜその新領域に興味を持ったのかという動機が重要です。
高い目標への挑戦
「高い目標に挑んだ経験」は、主体性と努力量を示せる強力なエピソードになります。
例えば、部活動で全国大会を目指した話や、学業で学年トップを狙ったエピソードなどが効果的です。
途中でうまくいかないことがあっても、それをどう乗り越えたかまで描くことで、逆境に対する粘り強さや、結果に向けて努力し続ける力をアピールできます。
結果の大小に関わらず、過程に説得力があれば高評価につながります。
目標設定の理由と、そのためにどのような戦略を立て、どのような努力を重ねたかを明確にすることが大切です。
【人生で一番挑戦したことがない】企業が評価するポイント
エントリーシートで「挑戦したこと」を聞かれる理由は、あなたの人柄や働く姿勢を具体的に知るためです。
企業は、課題をどう捉え、どのように行動し、何を得たのかを重視します。
結果だけでなく、過程で発揮された能力や考え方、周囲への影響力まで含めて評価対象となります。
そのため、単なる成功体験ではなく、失敗や葛藤を乗り越えたプロセスを含めて伝えることが重要です。
課題発見力
企業は、与えられた業務だけでなく、自ら課題を見つけて行動できる人材を求めています。
挑戦エピソードでは、まず「何に問題意識を持ったのか」を具体的に説明しましょう。
たとえば、チームの成果が上がらない状況で「何が原因か」「何を改善すべきか」といった視点で課題を捉えた経験があれば、それは高く評価されます。
問題を見過ごさず、自分なりの視点で発見しようとした行動が、主体性や論理的思考力の証明にもなります。
主体性・行動力
企業は、自分で考え行動できる人を求めています。
そのため、挑戦したエピソードには「自分がどんな意志を持ち、どのように動いたか」を明確にする必要があります。
「誰かに言われたから」ではなく、「自らの意思で行動した」という姿勢が伝わることが重要です。
行動量の多さではなく、意図を持った行動かどうかが評価されます。
小さな行動でも、自分で判断して実行に移したことをしっかりと伝えるようにしましょう。
粘り強さ・継続力
一度や二度の失敗で諦めず、地道に努力を続ける姿勢は、どの業界でも評価される資質です。
挑戦したことの中で、困難に直面した場面や、なかなか成果が出なかった時期の描写を入れることで、粘り強さを具体的に伝えることができます。
特に、継続して取り組む中で、工夫を凝らしたり改善を試みたりした経験がある場合は、それを丁寧に書くと効果的です。
簡単に諦めない「やり抜く力」があることを伝えるようにしましょう。
チームへの影響力
企業ではチームで働く力が求められるため、自分の挑戦が周囲にどんな影響を与えたかも重要な評価ポイントです。
自分の行動によってチームの雰囲気が変わったり、メンバーの意識が高まったりしたような変化があれば、積極的に盛り込みましょう。
また、協力や調整の工夫、他者への働きかけなども評価されます。
「自分が頑張った」だけでなく、「自分の行動がどう周囲に作用したか」を伝えることで、組織の中で活躍できる人物像を印象づけられます。
経験から何を得たか
どんなに素晴らしい挑戦経験でも、そこから何を学び、今後にどう活かせるかが語られていなければ、自己成長が感じられません。
企業は「この経験を通じて何を得たのか」「どんな価値観が形成されたのか」を重視しています。
たとえば、「挑戦して失敗したが、そこから計画力の大切さを学んだ」といった内省や、「この経験から得た教訓を、今後は業務にこう活かしたい」といった未来志向の表現ができると、成長意欲のある学生として評価されやすくなります。
【人生で一番挑戦したことがない】挑戦したことがない時の見つけ方
挑戦した経験が思い浮かばないときは、「挑戦とは何か」を見直すところから始めるのが有効です。
結果の大小ではなく、困難に立ち向かったプロセスに着目すれば、意外と身近なところにヒントがあるものです。
以下の3つの視点から自分の過去を振り返ることで、ESに書ける「自分なりの挑戦」が見つかる可能性が高まります。
努力した経験を振り返る
一見目立たない努力でも、自分にとって乗り越えるのが難しかったことや、時間やエネルギーをかけて粘り強く取り組んだ経験には、大きな価値があります。
例えば、苦手な科目を克服するために毎日30分勉強を続けた、苦手な人間関係に対して積極的に会話を増やしたなど、自分なりに試行錯誤しながら取り組んだ努力を思い出してみましょう。
そのプロセスこそが「挑戦」です。
継続してきたことを振り返る
挑戦は一度きりの大きなイベントである必要はありません。
長期間にわたって継続してきたことにも、挑戦といえる価値があります。
たとえば3年間サークル活動を続けた、毎朝5時に起きてランニングをしたなど、日常の中で自分にルールを課し、それを守ってきた習慣には高い自己管理力が見られます。
継続という形の挑戦に目を向けることも重要です。
困難を乗り越えた経験を振り返る
「挑戦」とは、必ずしも自発的な行動だけを指すわけではありません。
体調不良、家庭の事情、人間関係のトラブルなど、思いがけない困難をどのように乗り越えたかも立派な挑戦の一つです。
その中で自分が工夫したこと、心がけたことを整理すれば、企業にとっても興味深いエピソードになります。
あらためて、自分が「大変だった」と感じた瞬間を棚卸ししてみましょう。
チームで何かに取り組んだ経験を振り返る
チームでの挑戦経験は、協調性やリーダーシップなど社会人に求められる力をアピールする絶好のチャンスです。
たとえば、サークルでの文化祭準備や、ゼミでの共同研究、インターン先でのグループワークなど、チームで目標を追いかけた経験を振り返ってみましょう。
ESでは、自分の役割とその中で果たした貢献、メンバー間での意見の違いや衝突があった際の対応なども具体的に伝えると評価が高くなります。
企業は個人の力だけでなく、他者と協働しながら成果を出せる人材を求めているため、チーム経験は非常に有効です。
【人生で一番挑戦したことがない】エピソードがないと感じる人が選ぶ際のコツ
「人生で一番挑戦したこと」と聞かれても、特別な経験が思い浮かばず悩む人は少なくありません。
しかし、企業が知りたいのはあなたなりの挑戦についてです。
小さな目標に向かって努力した経験や、人間関係で一歩踏み出した瞬間も立派な挑戦です。
大切なのは結果より過程です。
自分なりに困難を乗り越えた経験を掘り下げることで、あなただけの挑戦が見えてきます。
小さな目標達成も挑戦の一つとして考える
「大きな成果を出していない」「特別な活動をしていない」と思っていても、挑戦といえる経験は日常の中にあります。
たとえば、アルバイトで初めてクレーム対応を任されたとき、うまく対応できるよう接客マニュアルを自作した、というような経験も立派な挑戦です。
重要なのは、どんな目標に対してどのように工夫・努力をしたのか、そしてその過程でどんな変化や成長があったのかという点です。
こうした一連の行動を自分なりの挑戦と捉えて言語化することが、説得力あるエピソードにつながります。
特別な経験でなくても、自ら立てた小さな目標に向かって真剣に取り組んだ姿勢は、企業から高く評価されるポイントになります。
周囲との関係が深まったエピソードを選ぶ
「挑戦=個人で頑張った経験」と思いがちですが、実は人との関わりの中で勇気を出して行動した経験も挑戦として十分評価されます。
たとえば、人見知りを克服するためにゼミのリーダーに立候補したり、クラス内の意見対立を調整するために自ら話し合いを提案した経験などは、人間関係における挑戦の好例です。
こうした経験では、相手との信頼関係や自分の変化が明確に見えるため、エピソードに深みが出やすく、企業からも「協調性」や「主体性」といった評価項目に結びつきやすくなります。
自分の殻を破った瞬間を振り返り、それが結果的に周囲と良好な関係を築く一歩となったエピソードを選ぶことで、あなたらしい挑戦を伝えることができます。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】ESで挑戦したことを書く際のポイント8選
ESで挑戦したことをわかりやすく伝えるには、重要なポイントを事前に押さえておくことが重要です。
主なポイントは、以下のとおり3つが挙げられます。
- それを挑戦と捉えている理由を伝える
- 直面した困難とその解決法を伝える
- 大学時代のエピソードを使う
- 適切なエピソードを選ぶ
- ストーリーを構築する
- 企業が求める人物像を意識する
- なぜそれが挑戦なのか伝える
上記のとおり、エピソードの選定やストーリー構成、企業が求める人物像を意識して書くことが必要です。
これらを意識してアピールの内容を組み立てれば、採用担当者からは高評価を獲得しやすくなります。
では、重要なポイントの詳細を解説していきます。
それを挑戦と捉えている理由を伝える
「挑戦したこと」を話す際は、基本あなたにとっての挑戦のエピソードを話すことになります。
そのため、あなた自身がなぜそれを挑戦と捉えているのかを伝える必要があります。
行動の結果が同じでも、挑戦のハードルは人によって異なるため、あなたにとってどんなポイントが挑戦であったのかを明確にする必要があります。
挑戦の大枠を伝えた後に、なぜそれを挑戦だったと捉えているのかを伝えるようにしましょう。
直面した困難とその解決法を伝える
挑戦の中では必ず課題や困難なことにぶつかります。
どのような困難に直面したのか、それをどのように捉えていたのか、その後どのような行動を持って解決に導いたのかを伝えましょう。
これを明確に伝えることで、課題に対しての価値観や対応力を伝えることができます。
あなた自身の考え方を伝えるだけでなく、対応力や行動力をアピールできるポイントにもなりますので、しっかりと深掘りをして伝えるようにしましょう。
適切なエピソードを選ぶ
挑戦したことをESの中で説明する際は、具体的なエピソード選びが肝心です。
エピソードがわかりにくかったり、企業の意図と関係ないものだったりすると、良いイメージを獲得することはできません。
特に、企業が求めるスキルや経験と一致する挑戦エピソードを選ぶことが、高く評価してもらうポイントになります。
わかりやすくいえば、例えば協調性を重んじる企業であれば、挑戦したことで協調性やチームワークを鍛えたエピソードなどが望ましいでしょう。
そのため、まずは企業研究をじっくりと行い、企業が人材採用において求めることを理解することが大切です。
求められるスキル・人物像を明確に把握したうえで、その能力を身に付けてきたことを示せるエピソードを探しましょう。
大学時代のエピソードを使う
ESでは、当然ですがあなたを採用するかどうかを見ています。
そのため、現在のあなたらしさがわかるエピソードの方が魅力的です。
直近の大学生活でのことをアピールするようにしましょう。
古いエピソードを用いると、大学生活を通しては何も挑戦していないのかな、と思われる可能性があります。
挑戦というと、何かをやり遂げた経験を探してしまい見つけるのが難しそうだな、と思ってしまうかもしれません。
あなたなりの挑戦で構いませんので、あなたの人柄がつとぁる無いようにしましょう。
ストーリーを構築する
ESで挑戦したことを述べるときは、わかりやすく要点を押さえ、ストーリーを構築する必要があります。
挑戦の過程や成果をストーリー形式で伝え、読み手が理解しやすいように情報をまとめていきます。
エピソードの始めから終わりまでの流れを意識し、必要なポイントを押さえながら書くことが大切です。
なお、エピソードのストーリーを構築するうえで特に重要なのは、直面した課題と自分が起こした行動です。
どのような課題や困難に直面し、どのような工夫・努力でそれを乗り越えたのかを説明しましょう。
課題への向き合い方や具体的な行動内容から、本人の強みやスキルがわかるからです。
また、乗り越えるうえで大変だったことやその工夫や努力が有効だと考えた理由などにも、詳しく触れておくと深みのあるアピールができます。
企業が求める人物像を意識する
ESで挑戦したことを述べる際は、企業が求める人物像を意識することが大切です。
企業が重視する人物像に合わせたエピソードを選べば、求めるスキルや強み、経験を持っていることがわかり、採用担当者は好印象を抱くからです。
企業には、自社の理念や事業内容に基づき、求める人物像がそれぞれあるものです。
その人物像に適していることを明確にアピールできれば、「長く働いてくれそう」「すぐに会社になじんで活躍してくれそう」などの印象につながります。
そのため、さまざまな挑戦を重ねてきた人は、志望企業に合わせたエピソードの選び方をすると良いでしょう。
なお、企業が求める人物像を意識したアピールができれば、企業についてよく調べていることが伝わるため、入社意欲・熱意の高さを評価してもらえる場合もあります。
数字や具体例を交える
エピソードに説得力を持たせるためには、数字や具体例を積極的に用いることが大切です。
たとえば「売上が増えた」ではなく「SNS運用を見直したことで月間売上が20%アップした」と書くことで、成果の大きさが一目で伝わります。
数字は客観性を与え、読み手にインパクトを与える要素になります。
また、登場人物の人数や取り組んだ期間、施策の具体的な内容なども詳細に記すと、リアリティが増して評価につながります。
シンプルかつ論理的な構成を意識
エピソードがどれだけ素晴らしくても、文章構成が複雑で伝わりづらいと評価を落としかねません。
PREP法(結論→理由→具体例→再主張)やSTAR法(状況→課題→行動→結果)など、論理的な構成を活用することで、伝えたい内容が明確になります。
文章は短く簡潔にまとめ、主語と述語の関係を明確に保つことを意識しましょう。
読みやすさを重視しつつ、あなたの考えや行動が一貫して伝わる構成にすることで、選考官の理解と納得を得ることができます。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】ESで「挑戦したこと」を書く際の注意
エントリーシート(ES)で「人生で一番挑戦したこと」を書く際には、注意すべきポイントがあります。
具体的には、以下のようなものです。
- 時系列で語らない
- 計画性や協調性がないと思われないようにする
- エピソードを盛らない
- 自慢話だけをしない
- 抽象的な表現を使用しない
- 他の設問との一貫性を失わない
ここから詳しく解説していきます。
時系列で語らない
挑戦したことを時系列で語ると、最も伝えたい挑戦の内容やあなたが直面した困難、それに対する行動などがわかりにくくなってしまいます。
要点が伝わりにくくなると、挑戦していることを聞かれている理由、企業の質問意図のから逸れた回答となってしまいます。
そうすると、内容が評価されないだけではなく、伝える力がないと思われてしまう可能性があります。
結論ファーストの話し方はビジネスにおいても重視されるポイントですので、まず挑戦したことの結論を端的に伝えるように意識しましょう。
計画性や協調性がないと思われないようにする
「挑戦したこと」を語るうえで見落としがちなのが、行動力だけを強調してしまうケースです。
突発的に行動したり、個人プレーに走ったエピソードでは、計画性や協調性の欠如を懸念される可能性があります。
企業はチームでの働き方を重視するため、目標達成のためにどのように計画を立て、周囲と協力したかを具体的に示すことが大切です。
自分の意志や努力だけでなく、周囲との関わりや調整の工夫なども盛り込むことで、社会人としての適性が伝わりやすくなります。
無計画に、個人で突発的な行動をした経験などは、伝え方に注意する必要がある。
エピソードを盛らない
ESでは目立たせたい一心で話を誇張したくなるかもしれませんが、事実以上の脚色は逆効果です。
企業の採用担当者は数多くのESを見ており、不自然なエピソードにはすぐに気づきます。
過度に盛られた内容は信頼性を損ね、「本当の姿が見えない」と判断されかねません。
むしろ、身近な経験であっても、そこでどんな課題に直面し、どのように努力したかを丁寧に描写する方が心に響きます。
誠実さとリアルな成長が伝わる内容を心がけましょう。
素直に書くことで矛盾や違和感が生まれないようにする
自慢話だけをしない
ESで「挑戦したこと」を語る際、成果や達成感を伝えるあまり、ただの自慢話になってしまうことがあります。
しかし、採用担当者が注目するのは結果以上に「過程」と「学び」です。
困難にどう向き合ったのか、失敗から何を学んだのかがポイントです。
成功体験だけでなく、壁にぶつかった場面や悩みながらも努力を続けたプロセスを丁寧に描写することで、真摯な姿勢や成長意欲をアピールできます。
等身大の自分を伝えることが信頼を生む鍵です。
自分の成果を押し出しすぎず、努力にフォーカスする。
抽象的な表現を使用しない
ESでよくある失敗の一つが、抽象的な言葉ばかり使ってしまい、具体性に欠けることです。
たとえば「頑張った」「努力した」「成長した」などの表現は曖昧で、読み手には伝わりにくくなります。
どんな行動を取ったのか、どんな困難があったのか、どのように乗り越えたのかを具体的に記述することで、説得力が生まれます。
読み手に自分の経験を「映像化」してもらえるような描写を意識することが、印象に残るES作成への第一歩です。
伝わりにくい表現や中身のわからない表現は避ける
他の設問との一貫性を失わない
「挑戦したこと」のエピソードにはあなたの価値観や行動指針が強く現れます。
そのため、自己PRや長所短所のエピソードと大きく異なっているとES全体の一貫性に欠ける内容になってしまいます。
一貫性が無いと、エピソード自体が本当のものなのかどうかを疑われかねません。
書き進める際にもですが、書き終わった後にはES全体の一貫性が守られているかどうかを確認するようにしましょう。
ESに一貫性を持たせるためのステップ
ESのアピール系の項目には、ガクチカ、自己PR、長所短所があります。
これらの設問はあなたの価値観や人となりを表現しているため、一貫性を意識する必要があります。
ESでアピール系の設問を書く際には、以下のような順番で書き進めるようにしましょう。
- ESを書く志望企業を決める
- 志望企業の求める人物像を明確にする
- それに沿った自分の長所短所を見つける
- それをアピールできる過去経験を振り返る
- それをもとに自己PR、長所短所、ガクチカなどを書く
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】企業の評価が上がる「挑戦したこと」の基本構成
ESで挑戦したことを伝えるときは、企業の評価が上がる基本構成を事前に学んでおくことが大切です。
構成を意識して書けば、どのような挑戦で何を得たのかという重要なポイントがわかりやすくなるため、採用担当者から高評価をもらいやすくなるでしょう。
具体的な構成は、以下の流れのとおりです。
- 結論
- 挑戦の背景と理由
- 具体的な行動
- 成果と学び
上記の4ステップを意識して書けば、次に何を伝えるべきかがわかるため、自分自身でもアピール文章を組み立てやすくなります。
では、それぞれのステップの詳細を解説していきます。
結論:挑戦したことをシンプルに伝える
ESで挑戦したことを書くときは、まず、結論として挑戦の内容をシンプルに伝えましょう。
情報量としては、挑戦したことと得た成果のみにとどめておくことが望ましいです。
最初から詳しい情報やエピソードを語ろうとすると、結局何に挑戦したのかがわかりにくくなり、読む人を戸惑わせてしまいます。
内容も明確に頭に入ってこなくなるため、エピソードや背景から触れることは避けましょう。
反対に、結論を先に伝えれば、何に挑戦したのかという重要なポイントをスムーズに把握できます。
その後の詳細の説明もすんなり頭に入ってくるため、挑戦したことを書く際は、結論ファーストを徹底しましょう。
「私は大学時代に〇〇を経験し、△△を得ました」などの伝え方で、話のテーマを明らかにすることが大切です。
挑戦の背景と理由:なぜそれに挑戦したのか?
ESで挑戦したことを書く際は、最初に結論したうえで、なぜそれに挑戦したのかという背景を伝える必要があります。
挑戦のきっかけ、やりたいと思った理由や動機、自分とその挑戦内容の関わりなどをわかりやすく伝えましょう。
挑戦の背景と理由に触れれば、どのようなバックグラウンドを持つ学生なのかがわかりやすくなり、採用担当者に興味を持ってもらうきっかけになります。
本人の人柄や価値観、興味関心が見えてくるポイントになるため、企業は自社との相性を総合的に確かめるうえで関心を寄せるものです。
例えば「自分の可能性を試したかった」という動機を伝えれば、チャレンジ精神が豊かであることを伝えられます。
もともと持っている強みやポテンシャルを伝えるきっかけにもなるため、挑戦の背景や理由には積極的に触れましょう。
具体的な行動:どのように課題を乗り越えたか?
挑戦したことの内容をESに書くときは、なぜそれに挑戦したのかという背景を伝えたうえで、どのように課題を乗り越えたのかをアピールすると良いでしょう。
どのような過程で挑戦して課題を乗り越えたのかというポイントからは、強みやスキル、人柄などが伝わります。
特に、乗り越えるうえで工夫したことや努力したことなどは具体的に伝えましょう。
エピソードに具体性があれば、ほかの就活生と差別化するポイントにもなります。
採用担当者にも強いインパクトを与えられるため、ありきたりな内容にしないためにも、行動の内容は具体的にアピールしましょう。
また、その行動を実践するにあたって気をつけたことなどがあれば、あわせて伝えることも重要です。
成果と学び:結果とそこから得た成長を明確に
挑戦したことをESに書く際は、最後に、成果と学びについて触れる必要があります。
大事なのは挑戦から何かを学び、成長につなげられることです。
企業は、本人のその成長や学びに重きを置いて挑戦したことを聞いているため、挑戦を自分の成長につなげられる人材であることをアピールしましょう。
どのようなことを学んだのか明確に伝えられない場合は、エピソードの掘り下げが足りない可能性があります。
成果や学び、成長の内容がわからないときは、挑戦を通じて実感したことや鍛えられたスキル・強みに触れると良いでしょう。
具体的に何を得たのかをよく思い出したうえで、最終的には、その得たことを入社後にどう活かしたいのかアピールすることが大切です。
入社後のビジョンや成し遂げたい目標などを伝え、企業に明確な活躍のイメージを持ってもらいましょう。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】企業が注目する「挑戦したこと」の例文6選
ここからは、ESに書く「挑戦したこと」の例文を紹介していきます。
紹介する例文は、以下のような挑戦を題材としています。
- 部活動での挑戦
- サークル活動での挑戦
- ゼミでの挑戦
- アルバイトでの挑戦
- インターンシップでの挑戦
- 留学での挑戦
これらの経験の中では多くの人が挑戦を経験するため、例文を参考にすれば、挑戦したことを初めて書く人には特に役立つでしょう。
例文を事前に見ておけば、どのような流れや表現で書けば良いのかがわかります。
では、例文を一つひとつ見ていきます。
部活動での挑戦
私が挑戦したことは、サッカー部のキャプテンとしてリーダーシップを発揮し、チームワークを高めたことです。
キャプテン就任当初は、チームは個々の実力は高いものの、連携がうまく取れず試合で結果を残せていませんでした。
そこで私は、選手同士の意見交換を活発にするためにミーティングを増やし、練習メニューにもメンバーの意見を反映させるよう努めました。
また、プレー以外でも積極的に声をかけ、チームの士気を高めることを意識しました。
結果、チームの一体感が生まれ、先日の県大会では過去最高の成績を収めることができました。
この経験を通じて、周囲を巻き込みながら目標に向かうチームワークの大切さを学びました。
入社後も、チームで成果を上げることを意識しながら、会社に貢献していきたいと思います。
リーダーシップやチームワークを発揮した経験が具体的に描かれており、挑戦した背景や行動、その結果までが明確です。
入社後も活かせる学びが記されているため、再現性のある強みとして伝わります。
サークル活動での挑戦
私が挑戦したことは、サークルの組織運営とイベント企画です。
私の所属するサークルは活動が活発である一方、運営体制のルールにおいてあいまいな部分があり、新入生の参加が年々減少していました。
そこで私は、幹部として活動内容を見直し、魅力を伝えるためのイベントを企画しました。
特にSNSを活用した広報や、初心者でも楽しめる体験会には力を入れ、新入生が参加しやすい環境を整えました。
その結果、前年よりも多くの新入生が入会し、サークルの活気が戻りました。
今回の経験から、課題を分析し、周囲を巻き込みながら改善策を実行する力を身に付けることができました。
入社後も積極的に行動し、組織の活性化や新しい企画の推進に貢献したいと考えています。
組織課題に気づき、環境を変えるために主体的に行動した点が評価されます。
特に広報戦略や改善プロセスが明確で、ビジネス視点での課題解決力もアピールできる好例です。
ゼミでの挑戦
私が挑戦したことは、〇〇の研究において、実験の失敗を乗り越えて発表までこぎつけたことです。
研究を進める中では、当初の仮説通りに結果が出ず、何度も実験が失敗しました。
原因を分析したところ、実験条件の設定に問題があることがわかったため、先行研究を調査し条件を細かく調整しました。
また、教授や先輩に適宜相談しながら試行錯誤を重ねたため、安定的にデータを得ることができました。
結果、研究発表の際も、教授からは「わかりやすい」と高く評価していただきました。
この経験から、粘り強く課題に向き合ったうえで改善を重ねる力を身につけました。
入社後に困難に直面した際も諦めず、論理的に問題を解決しながら成果につなげたいと考えます。
失敗から学び、粘り強く改善を重ねた過程が印象的です。
論理的思考力と問題解決力が表現されており、専門性のある分野での挑戦は説得力のあるエピソードになります。
アルバイトでの挑戦
私が挑戦したことは、飲食店のアルバイトで新メニューの売上向上に貢献したことです。
アルバイト先では、新メニューがなかなか注文されず、売上が伸び悩んでいるという課題がありました。
そのため私は、まずお客様に興味を持ってもらうために、商品の魅力を伝えるポップを作成しました。
さらにスタッフ間で試食会を行うことを店長に提案し、特徴やおすすめのポイントを共有することで、接客の際に積極的に提案できる環境を作りました。
結果、新メニューの注文数が増加し、売上は前年比で○○%向上しました。
今回の経験により、率先して行動することで周囲を巻き込み、課題に対する改善策を実行する大切さを学びました。
入社後も課題解決のために自ら考え、スタッフ同士で積極的に協力しながら成果を出していきたいと考えています。
売上改善という定量的成果を出しており、取り組みの工夫や周囲を巻き込む力が伝わります。
課題発見から施策、成果までの一連の流れが論理的に整理されており、実行力と提案力をアピールできます。
インターンシップでの挑戦
私が挑戦したことは、長期インターンで営業スキルを高めたことです。
当初はお客様との信頼関係を築くことが難しく、提案してもなかなか契約につながりませんでした。
そこで、営業成績No.1の先輩社員の商談を観察し、会話の流れやヒアリングのポイントを学びました。
また、商談後の振り返りやシミュレーションも積極的に行い、自分の改善点を明確にしながら実践を重ねました。
結果、お客様のニーズを的確に捉えた提案ができるようになり、これまでインターン生が出してきた営業成績の中でトップの成績を記録することができました。
今回の経験を通じて、私はスキル向上のために試行錯誤を繰り返すことの重要性を学びました。
入社後もお客様に寄り添った提案ができるように、常に試行錯誤を行い、信頼される営業マンを目指していきます。
営業スキル向上のための努力と成果が明確に描かれており、業務への向き合い方や成長意欲が伝わります。
現場での学びを活かす姿勢が入社後の活躍を想起させる内容です。
留学での挑戦
私が挑戦したことは、留学を通じて異文化理解力と語学力を高めたことです。
留学当初は、言語の壁や文化の違いに戸惑い、現地の学生と円滑にコミュニケーションを取ることがなかなかできませんでした。
そこで私は、積極的にディスカッションの授業に参加し、現地の友人との会話を増やすことで実践的な語学力を身につけました。
また、日本の文化を紹介する機会を設けることで、互いの価値観を共有し異文化を受け入れる姿勢を学びました。
結果、英語でのコミュニケーション能力が向上し、異なる背景を持つ人を積極的に理解しようとする姿勢が身に付きました。
入社後も多様な価値観を尊重しながら、柔軟に対応できる人材を目指します。
異文化への適応や語学力の向上だけでなく、主体的に関係性を築こうとする姿勢が評価できます。
多様性への理解力や柔軟な対応力を示すエピソードとして有効です。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】よくあるNG例と改善方法
就活のESで挑戦したことをアピールする際は、よくあるNG例を見たうえで、改善方法もあわせてチェックしておくことが大切です。
よくあるNG例には、以下のパターンが挙げられます。
- 抽象的すぎる表現
- 挑戦の過程が曖昧
- 結果や学びが弱い
ESに挑戦したことを書く際は、以上のような失敗をしやすいため注意が必要です。
書き方を失敗すると、挑戦したことの内容で良い評価を得ることは難しくなるため、どのような改善が望ましいのか見ておきましょう。
では、NG理由も含めて、詳細を以下から解説していきます。
抽象的すぎる表現
ESで挑戦したことを述べる際は、全体を通して抽象的な内容になってしまうことがあります。
「さまざま」「いろいろ」「たくさん」などのあいまいな表現を使ったり、詳しい行動の内容に触れていなかったりすると、抽象的すぎて良い評価は得られなくなります。
何に挑戦したのか、そこでどのような行動をして何を得たのかもわからないため、アピールの意味はなくなってしまいます。
そのため、抽象的すぎる表現で全体的にわかりにくいときは、具体的なエピソードに落とし込む必要があります。
挑戦したときのエピソードを詳しく説明し、そのとき考えたこと、行動に移したこと、学んだことを具体的に書きましょう。
行動や結果が明確に見えれば説得力が増すため、採用担当者からは魅力を感じてもらいやすくなります。
また、内容を見直す際は、知らず知らずのうちにあいまいな表現を多用していないかよくチェックしてみてください。
挑戦の過程が曖昧
ESで挑戦したことをアピールするときは、よくあるNG例として、挑戦の過程をぼかしてしまうパターンがあります。
課題や困難をどのように乗り越えたのかがわからなければ、強みや能力、人柄の魅力などは適切に評価できません。
物事にチャレンジする中でどのようなことができる人物なのか、というポイントが見えてこないため、挑戦の過程をあいまいにするのは避けましょう。
挑戦の過程では、主に以下のようなポイントを具体的に書く必要があります。
- 目標
- 課題・困難
- 課題を解決するために行った工夫・努力
- 行動を起こすうえで自分なりに考えたこと
過程をわかりやすく伝えれば、物事にチャレンジする際に発揮できる能力などが明確になります。
企業はそのようなポテンシャルを見て採否を判断するため、挑戦の過程として、課題解決のための行動は詳しく説明しましょう。
結果や学びが弱い
ESで挑戦したことをアピールするときは、結果や学びが弱いというNGパターンに注意が必要です。
結果や学びのインパクトが薄かったり、具体性に欠けたりすると、採用担当者の記憶に残りにくくなります。
企業は多くの応募者のESを見ているため、結果や学びが弱くあいまいさが目立つ内容は、なかなか覚えてもらえません。
結果として不合格の原因になるため、結果や学びの内容は具体的に書くようにしましょう。
必要に応じて数字を使い、より詳しい成果をアピールすることも重要です。
そのうえで、入社後に得た学びをどのように活かしていきたいか、企業の求める働き方や具体的な業務内容に落とし込みながら伝えましょう。
成果と今後の活かし方を強調すれば、採用担当者には活躍や貢献の形をイメージしてもらいやすくなります。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】企業ごとの「挑戦したこと」の書き分け戦略
ESで挑戦したことを伝える際は、企業ごとの上手な書き分けポイントを理解しておくことも大切です。
企業によって求める人物像や重視するポイントは異なるため、企業に合ったアピール方法を実践することが内定を増やすことにつながります。
そのためここからは、以下の分類に分けて、企業ごとの「挑戦したこと」の書き分け戦略を紹介していきます。
- 外資系企業向け
- 日系大手企業
- ベンチャー企業
重要なのは、それぞれの企業でどのような点を重視して採用活動を行っているのか、理解したうえで適切なアピールをすることです。
では、詳細を以下から整理していきましょう。
外資系企業向けのアピール方法
まず、外資系企業を志望するときは、ESの挑戦したことにはグローバルな視野、柔軟性、問題解決能力を強調して記載する必要があります。
外資系企業では、一定の価値観や常識にとらわれず、臨機応変に対応することや広い視野を持つことが求められるからです。
そのため取り上げるエピソードは、グローバルな視野や柔軟性などを発揮しながら挑戦した経験、もしくは挑戦によってそれらのスキルを身につけた経験が望ましいでしょう。
なお、エピソード内でも視野の広さや適応力などが伝わるように、行動や工夫のポイントはわかりやすく伝えましょう。
また、グローバル環境に適応できる考え方・価値観の持ち主であることをアピールするために、挑戦するうえで感じたことなどの心情に触れることも大切です。
日系大手企業向けの書き方
日系大手企業を志望する場合は、ESの挑戦したことでは、チームでの挑戦や安定的な成果を意識してアピールすると良いでしょう。
日系大手企業の場合、安定性やチームワークを意識した行動が重要視されるからです。
チームで動ける協調性やコミュニケーション能力があり、安定的に成果を出せるスキルの高さがあれば、良い評価にはつながりやすくなるでしょう。
そのため、挑戦したことのエピソードは、周りと協力しながら何かを達成したり乗り越えたりした経験がおすすめです。
挑戦を通じて協調性やチームワークを養ってきたことがわかるため、総合的な社会人適性を評価してもらえます。
また、挑戦によって安定的に成果を出した経験があれば、そのエピソードを取り上げるのも良いでしょう。
ベンチャー企業向けの視点
ベンチャー企業を志望する際は、積極的な姿勢やスピード感、柔軟な思考がわかるように、挑戦したことを書く必要があります。
ベンチャー企業では、常に柔軟に物事を考えてチャレンジし、スピード感をもって次の行動につなげていく姿勢が求められるからです。
挑戦を通じて、積極的な姿勢やスピード感、柔軟な思考をどのように活かして行動したのかを具体的にアピールすると良いでしょう。
困難を乗り越えるための施策、続けた努力の内容にそれらの能力・強みが反映されていることが重要です。
また、学びをどのように活かして活躍したいかという最後の締めくくりでは、積極的に行動したい点や早く業務に携わって成長したい意思などをアピールすると効果的です。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】挑戦したことがない場合は?
「挑戦したことがない」と感じていても、必ず振り返れば何かしら努力した経験があるはずです。
大切なのは、世間一般の大きな挑戦にこだわらず、自分にとって意味のある取り組みを見つけること。
視点を変えて日常や過去を深堀りすることで、あなたなりの「挑戦」が見えてくるはずです。
以下の方法を使って、自分の経験を整理してみましょう。
自分史を作成してみる
挑戦経験が思い浮かばない場合、自分史の作成がおすすめです。
小学生から現在までを年ごとに振り返り、「頑張ったこと」「困難だったこと」「印象的だったこと」を時系列で書き出してみましょう。
すると、意識していなかったけれど、意外と継続的に努力していたことや、自分なりに苦労して乗り越えた経験が見えてくることがあります。
自己分析の第一歩として、自分の過去を見える化することで、挑戦の種が明確になります。
自分にとっての「挑戦」を明確にする
「挑戦=全国大会に出場」「難関資格に合格」などと考えるとハードルが高くなりますが、大切なのは自分にとって挑戦だったかどうかです。
たとえば、人前で発表するのが苦手だった人が、授業で発言するよう努力した経験も立派な挑戦です。
他人との比較ではなく、自分の壁をどう乗り越えたかに注目しましょう。
こうした視点に立てば、どんな人でも自分だけの挑戦を語れるはずです。
日常の努力に目を向ける
挑戦という言葉に圧倒されがちですが、日常の中にも多くの「努力」や「工夫」が隠れています。
たとえば、アルバイトでクレーム対応をしたり、部活動で遅刻者を減らす工夫をしたりした経験も、十分に挑戦といえます。
地味に見える経験でも、問題意識を持ち、それに対して行動したという点が重要です。
日常の中で「当たり前にやってきたこと」を丁寧に振り返れば、魅力的なエピソードになります。
第三者に聞いてみる
自分では「挑戦」と思っていなかった経験も、他人から見ると十分に価値あるものだった、ということは多々あります。
家族、友人、指導教員などに「私ってどんなときに頑張ってた?」と聞いてみると、新たな気づきがあるかもしれません。
他者視点で振り返ることで、自分の行動の意味や価値が見えてくることもあります。
客観的な意見を取り入れることで、自信を持って語れる経験が見つかる可能性があります。
【ESで挑戦したことを聞かれたら?】まとめ
ESに挑戦したことを書いてうまくアピールするには、具体的なエピソードをわかりやすく説明する必要があります。
どのような課題があり、それに対してどのような行動を起こしたことで、最終的にどのような成果につながったのかを伝えましょう。
そして、挑戦を通じて学んだことや成長したポイントに触れることで、チャレンジを通じて成長できることをアピールする必要があります。
具体性のないアピールは、わかりにくいうえに印象に残らず、不採用につながりやすいため注意が必要です。
詳しいエピソードを通じて、自分の成長や企業にどれだけ貢献できるのかを示しましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
「挑戦したこと」をESで聞く企業は、チャレンジ精神のある人材を求めている傾向にあります。
企業の社風として、新技術の開発や新しいコンテンツへの挑戦をしたいフェーズに当たっていたり、荒田亜取引先の開拓などを狙っている場合には、採用する人材にもチャレンジ精神を求めることがあります。人と違ったことに挑戦していたり、困難だとわかっていてもそこに飛び込む力を持っているかどうか、物事に意欲的に挑戦できる姿勢を示すことができればよいでしょう。