就活で伝えるべき短所が思いつかないときは、さまざまなアプローチで探し方を検討する必要があります。
短所はネガティブな印象を与えてしまう懸念があるため、どのような短所が良いのか、探す際は迷うことも多いでしょう。
そこで今回は、短所が思いつかないときの具体的な探し方・答え方などを解説していきます。
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【短所が思いつかない】短所を聞かれる理由
就活で答える短所が思いつかないときは、そもそもなぜ短所を聞かれるのか、理由を整理しておくと良いでしょう。
そのためまずは、就活で面接官から短所を聞かれる理由を解説していきます。
聞かれる主な理由は、以下のとおりです。
- 短所を聞かれる理由
- 自分を客観的に見ることができているか
- 短所を理解して改善や解決に取り組んでいるか
- 求めている人物像にあっているか
いずれも企業にとっては重要な評価につながるポイントであるため、詳細を見ていきましょう。
自分を客観的に見ることができているか
就活で企業から短所を聞かれる理由は、自分を客観的に見ることができているか、確かめたい意図があるからです。
自己分析によって自分の強みと弱みを把握していれば、自分の適性や活躍ポイント、そして改善すべき点を理解していることになります。
そのように自己分析ができている人は、俯瞰から自分を見たうえで評価しており、視野が広いといえます。
視野が広ければ、次にやるべきことや自分の成長のために必要なことをスムーズにとらえられるため、早いスピードで成長していけるでしょう。
したがって客観的に自分自身を見ることができる点は、企業にとって採否を考えるうえで重要な基準になります。
短所を理解して改善や解決に取り組んでいるか
就活で多くの企業が短所を聞く理由は、短所を理解したうえで改善や解決に取り組んでいるかチェックしたい意図があるからです。
自分の課題を理解し、その課題に対して改善行動が取れているか、問題解決と向き合っているのかを見ています。
どのような仕事でも、問題や課題、トラブルと向き合ったうえで解決のために行動することは、常に求められる姿勢です。
課題解決のために動けない人、課題と真剣に向き合えない人は、真面目に働けない懸念が伴います。
そのため、短所を述べる際は単純に何が短所なのかを伝えるだけでなく、改善に向けてどのような努力をしているか具体的にアピールする必要があります。
求めている人物像にあっているか
短所を質問される理由は、企業が求める人物像に合っているか、確かめたい意図があるからです。
長所・短所の内容的にそもそも自社が求める人物像に合っていなければ、その他の要素が優れている人材でも、採用することはできません。
例えば成長したい積極性がある人を求めている企業は、マイペースな人、時間管理が苦手な人などは、職場との相性を考えるうえで不安要素があります。
当然、同じような経歴の候補者がいれば、より相性の良い要素を持っている学生を採用するでしょう。
そのため短所を伝える際は、企業の求める人物像も考慮したうえで、マッチ度が低いと判断されにくい短所を選ぶ必要があります。
【短所が思いつかない】短所一覧
短所が思いつかない人は、就活でよく使われている短所一覧をチェックしておきましょう。
同時に長所への言い換えも理解しておくことで、改善策の内容を見つけられたり、好印象に聞こえる伝え方ができたりする場合があります。
そのためここからは、主な短所一覧を紹介していきます。
短所が思いつかないとき・見つからないときは、先に一覧を見ることで自己分析がはかどることもあるでしょう。
答えるべき短所が何か思いつかない人は、ぜひ参考にしてみてください。
短所 | 長所への言い換え |
---|---|
心配性 | 計画性がある |
優柔不断 | 融通が利く |
マイペース | 冷静 |
緊張しやすい | 真面目 |
人見知り | 観察力がある |
せっかち | 行動力がある |
考えすぎる | 視野が広い |
慎重すぎる | 計画性がある |
短期 | 情熱的 |
でしゃばり | 積極性がある |
【短所が思いつかない】短所の探し方
就活の選考対策をするうえで、短所が思いつかないときは、まず短所の探し方を整理しておきましょう。
主な探し方のポイントは、以下のとおりです。
- 長所から言い換える
- 過去を振り返ってみる
- 性格診断を行ってみる
このようなアプローチで自分の短所を探れば、自分自身でしっくり来る短所や改善点、弱みが見えてくるでしょう。
では、詳細を以下から解説していきます。
長所から言い換える
まず、短所が思いつかない場合は、長所から言い換えることを実践してみてください。
自分の長所がわかっていればそれを言い換えることで、長所と短所に一貫性が生まれ、説得力のある伝え方ができるでしょう。
長所と短所は紙一重の存在であり、「どのようにとらえるか・伝えるか」で長所にも短所にもなり得るものです。
たとえば柔軟性があることが長所である場合は、短所は、優柔不断・周りに流されやすい・八方美人などが当てはまるといえます。
このような言い換えを実践したうえで、伝えやすい短所を選ぶと、思いつかないという最初の悩みをクリアできます。
過去を振り返ってみる
ほかには、過去を振り返ることでも短所を見つけられる場合もあります。
過去の経験を洗い出し、失敗した経験や苦手だと感じたこと、モチベーションが上がらなかったことなどを振り返ってみましょう。
特に失敗経験には、自分の短所や改善点、苦手分野が関係している場合があります。
例えば接客のアルバイトで仕事になじむまで苦労した経験がある人は、人見知りしやすいことや緊張しやすいことなどが短所になるかもしれません。
どのような状況で失敗しやすいのか、モチベーションを落としやすいのかを整理し、短所が思いつかない問題を解決していきましょう。
性格診断を行ってみる
どうしても短所が思いつかないときは、各種診断ツールなどを活用して自己分析に役立て、短所の発見につなげていくことも重要です。
例えばMBTIなどの性格診断を行えば、自分の性格を客観的に把握することができます。
得意なこと、苦手なこと、価値観、行動パターンなどが整理されるため、どのような点が短所になるのかスムーズに把握できる可能性があります。
性格診断は、基本的に簡単な質問に答えていくのみで結果が出るため、気軽に試せることがメリットです。
自己分析が苦手な人や短所を考えてみたもののしっくりこない人などは、診断を活用したうえで、自分自身の長所・短所を明確にしてみましょう。
【短所が思いつかない】短所を答えるときのポイント
短所が思いつかないときは、同時に、短所の答え方や表現方法に悩むことも少なくありません。
そのためここからは、短所を答えるときのポイントを解説していきます。
ポイントは以下のことが挙げられます。
- ポジティブワードに言い換える
- 短所を改善している姿勢を示す
- 具体的な内容で信ぴょう性を増す
短所とはいえ、就活では自分自身の魅力をアピールする必要があるため、ネガティブな印象を与えないことが重要です。
そのためのポイントを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
ポジティブワードに言い換える
短所を答えるときは、基本的にポジティブワードへの言い換えが必要です。
ネガティブな表現を強調すると、どうしてもネガティブな印象ばかりが強く残ってしまいます。
そのため、短所とはいえネガティブな表現・言葉は極力避けましょう。
反対に、ポジティブな言葉を多く活用すれば、短所を答えるときでも好印象を残せる可能性が高くなります。
短所を伝える際は、具体的な失敗談などで内容を詳細化する必要がありますが、どのように改善のために向き合っているかに重きを置いて説明することが大切です。
事実ははっきりと伝える必要はありますが、「苦手」「できない」などのネガティブワードは、必要以上に繰り返さないことも重要です。
短所を改善している姿勢を示す
短所の答え方で重要となるのは、改善している姿勢を示すことです。
単純に短所がわかっているだけでは意味がないため、克服・改善のためにどう行動しているのかを具体的に説明しましょう。
改善策として実践していること、対策を実践したことで改善の兆候が見られることなどを伝えれば、自分の弱みと向き合って真面目に行動していることがわかります。
実際に企業は、自分の短所や欠点と向き合って行動し、成長につなげられる人を求めています。
そのため、短所を聞かれた際は改善策として行っていることや、向き合ったうえで自分なりに考えていることを具体的に伝えましょう。
具体的な内容で信ぴょう性を増す
短所を答えるときは、具体的な内容で信憑性のある伝え方をする必要があります。
単純に「短所は〇〇です」と述べるだけでは、詳細がわからないため本人の人柄やスキルなどが見えてこず、企業は正確に評価することができません。
具体的に説明できなければ、「深く自己分析を行っていない」「短所と向き合っていない」と思われる要因にもなるため、細かいポイントの説明は欠かせません。
短所をわかりやすく具体的に説明するには、失敗経験のエピソードと、それを反省し改善のために行っていることの情報が必要です。
どのような状況で何を失敗したのかを述べたうえで、自分なりに実践している改善策を具体的に述べましょう。
【短所が思いつかない】短所を答えるときの回答法
短所が思いつかないときは、あわせて答えるときの流れやポイントを理解しておくことも重要です。
答えるときの基本的な手順は、以下の4ステップです。
- 客観的にとらえている自分の短所を答える
- 短所のせいで失敗した経験を話す
- 短所を改善するために行動しているエピソードを答える
- 改善することによって入社したときにどのようなメリットがあるのかを示す
このような要点を忘れずに入れたうえで短所を答えれば、わかりやすい答え方ができます。
では、ステップごとに重要なポイントをチェックしていきましょう。
客観的にとらえている自分の短所を答える
短所を答えるときは、はじめに、客観的にとらえている自分の短所を端的に伝える必要があります。
結論として「短所は何か」というポイントを最初に持ってくることが、要点の整っている重要な伝え方になります。
最初に伝えたいことの結論を述べれば、面接官は話のテーマを明確に理解できるようになります。
話の全体像を把握したうえで詳細を聞くことができるため、説明がわかりやすいという評価にもつながるでしょう。
そのため、短所を答えるときはエピソードなどを先に話すのは避け、どのような点が短所なのかを最初に述べるようにしてください。
短所のせいで失敗した経験を話す
短所を聞かれたときは、最初に短所をはっきり伝えたうえで、具体的な失敗談などを説明していく流れになります。
結論は結論として、最初にわかりやすく伝える必要がありますが、実際のところ結論のみでは詳細がわかりません。
面接官も、本人の人柄・能力・価値観などを理解しにくいため、結論を伝えたあとの掘り下げは欠かせないポイントになります。
その短所があったことでどのような失敗につながったのか、何をミスしたのか、そのときのシチュエーションも含めてわかりやすく説明しましょう。
なお、のちに触れていく改善策の部分で主にポジティブな印象を持ってもらうことが重要なので、失敗経験についてはごまかしたり嘘をついたりしないようにしましょう。
短所を改善するために行動しているエピソードを答える
短所を答えるときは、失敗経験を具体的に伝えたうえで、次に改善するための行動や対策をアピールしていく必要があります。
その短所や欠点に対してどう反省し、どのように行動しているのかが、短所を答えるうえで重要なポイントといえます。
短所について詳細を伝えるだけでは、どうしても印象はネガティブなもので終わってしまうため、短所をポジティブに伝えるうえでも改善策についてのエピソードは必要不可欠です。
自分の課題解決能力や自己理解の姿勢、失敗から学ぶ姿勢などを伝えるためにも、改善のために行動していることは具体的に説明しましょう。
改善することによって入社したときにどのようなメリットがあるのかを示す
短所を伝える際は、最後に、改善することによって入社したときにどのようなメリットがあるのかを示す必要があります。
企業に「この人を採用したい」と思ってもらうには、自分を採用すること=メリットがある、と判断してもらわなければなりません。
そのためには、実際に仕事におけるどのような場面で改善のための行動・姿勢が役立つのかを伝えることが必要です。
自分が活躍・貢献できることなどを具体的にアピールすれば、企業はメリットを感じられるため、良い評価が得やすくなります。
そのためには、企業がどのような人材を求めているのか、どのような働き方を望んでいるのか、あらかじめ理解を深めておくことが重要です。
【短所が思いつかない】注意するべき悪い印象を与える短所とは
短所が思いつかない…と悩んでいるときは、探し方や答え方のポイントとあわせて、注意すべき短所も理解しておきましょう。
以下のような短所は、悪い印象を与えやすいため、伝えるうえで避けるべき短所といえます。
- 信頼性に欠ける短所
- プレッシャーに弱い短所
- 業務に関係のない短所
- 短所はないと答える
そのため短所が思いつかないときは、上記のような短所は基本的に避けたうえで答え方を考えましょう。
では、なぜ注意すべきなのかという点も含めて、詳細を解説していきます。
信頼性に欠ける短所
信頼性に欠ける短所は、一人の大人として欠陥がある、組織で働くうえで支障をきたすなどの印象を与えかねないため、避けるべき短所といえます。
具体的には、以下のような短所が挙げられます。
- 嘘をつく
- 人の指示に従うことが嫌い
- 暴言を吐く
- すぐに手が出る(暴力)
- ギャンブルがやめられない
- お金にだらしない
このような短所を伝えてしまうと、採用する側としてもリスクが高くなってしまうため、良い印象を持つことはありません。
短所がなかなか思いつかないときは、明らかに人としての信頼を損なうような短所は避けたうえで、最終的に好印象を与えられる短所を探すようにしてください。
プレッシャーに弱い短所
就活で答える短所を考える際は、プレッシャーに弱い短所は注意すべきといえます。
プレッシャーに弱い部分を持っていると、その面接が自分の改善行動を見られる場になってしまいます。
結果、面接でうまく振る舞えなければ、改善のための行動ができていないという証明になってしまうでしょう。
取り繕うのみで何も努力していない、という印象が強くなるため、どれだけ改善策について具体的なポイントを説明したとしても良い評価にはつながりにくくなります。
自信があれば選んでも問題はありませんが、基本的には、面接の場で改善行動が試されてしまうような短所は避けたほうが無難です。
業務に関係のない短所
就活で答える短所を考えるときは、業務に関係ない短所も避けるべきといえるでしょう。
なぜなら関係のない短所の詳細・エピソードを伝えても、企業からしてみれば、魅力を感じるポイントがないからです。
具体的には、以下のような短所が挙げられます。
- 運動が苦手
- 料理ができない
- 音程が取れない
- 英語が喋れない
このような短所は、仕事との関連性が低いため、改善策を伝えてもあまり企業には響きません。
なお、短所が思いつかないときはネガティブな印象を避けたい意図により、このように関連性のない短所を選んでしまうことも多いため注意が必要です。
短所はないと答える
短所が思いつかない人は、「短所はありません」「特になし」と答えてしまうケースもあるため注意しましょう。
そもそも短所がない人はいないため、短所がないと答える行為は、自己分析をしていない・自分の課題と向き合っていないとそのまま答えるようなものです。
そのため企業は、短所はないと答える人に、良い評価を与えることはないでしょう。
成長の可能性や伸びしろがないと判断されてしまうため、短所がないと答えることは必ず避けてください。
なお、自分に自信があることで本当に短所が思いつかない…と悩んでいる人は、ポジティブすぎて自分を客観視できていない可能性があり、まさにその点が短所にあたるといえます。
【短所が思いつかない】短所を答えるときの例文
短所が思いつかないときは、例文を参考にしたうえで、自分に適した短所を見つけるアプローチもあります。
そのためここからは、短所を答えるときの具体的な例文を紹介していきます。
今回紹介する例文では、以下を短所としています。
- 心配性
- 優柔不断
- マイペース
事前に例文をチェックしておけば、短所の答え方として正しい表現や流れなども理解できます。
では、一つひとつの例文をチェックしていきましょう。
心配性
私の短所は、心配性で細かい問題を気にしすぎてしまうことです。
塾講師のアルバイトをしていた際、生徒一人ひとりの進捗を過剰に心配し、細かい課題を気にしてしまいました。
結果として、別の業務に集中する時間が減り、効率的に仕事を進められないことがありました。
そこで私は、まずはタスクを優先順位で整理し、重要度の低い問題にリソースを割かないように心がけました。
ほかには、定期的に振り返りを行うことで、自分の過剰な心配がどの程度の影響を与えているのかも客観的に評価しています。
入社後も、細部に気を配りつつ、全体の進捗を見極めながら業務に取り組むことを徹底したいと考えます。
優柔不断
私の短所は、優柔不断なところです。
ホテル清掃のアルバイトに携わった際は、作業を始めるときにどの部屋から手をつけるべきかを悩むことが多く、時間を無駄にしてしまいました。
この結果、忙しい時間帯に作業が遅れ、時間内に担当した部屋の清掃が終わらないことがありました。
そのため現在は、改善のために、事前に作業の順番を決めておくようにしています。
また、ほかのスタッフとコミュニケーションを取りながら効率的な方法を共有することで、判断のスピードを上げることも意識しました。
入社後もこの対策を常に実践し、迅速に決断できるように心がけることで、円滑な仕事環境を作り出すことを目指します。
マイペース
私の短所は、マイペースなところです。
バスケットボール部のマネージャーとして練習や試合の準備をしている際は、自分の方針や流れを優先してしまうことで、周囲とペースを合わせることに難しさを感じることがありました。
特に、忙しい時期に他のメンバーと協力して対応する必要があった場面では、チーム全体の作業に遅れが生じることがありました。
そこで私は現在、この短所を改善するために、ほかのメンバーと定期的に進捗を確認するように心掛けています。
これにより、チーム全体の動きに合わせることができ、スムーズに作業を進めることができるようになりました。
入社後は、自分の意思は大事にしながら、周囲の状況に柔軟に対応できるよう意識して行動したいと考えます。
【短所が思いつかない】まとめ
短所が思いつかないときは、過去の失敗経験を振り返ったり、長所を言い換えたりする方法を考えましょう。
誰にでも短所はあるため、客観的に短所を分析したうえで、改善のための行動を示すことが重要といえます。
改善策やそれを踏まえての入社後のビジョンを明確に伝えることができれば、採用担当者からは、短所に関する質問でも好印象を獲得できるでしょう。
また、結論からわかりやすく伝えること、明らかに印象の悪い短所を避けることなどにも注意が必要です。
短所をわかりやすく伝えたうえで具体的な改善のエピソードをアピールすれば、課題解決能力や真面目さをアピールするきっかけにもなるため、短所は工夫を加えながら説明することを心がけましょう。
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