ガクチカで実習経験をエピソードとして伝える際は、より魅力的に内容を伝えるポイントを理解しておくことが大切です。
実習経験はガクチカとして役立つため、頑張った経験のある人は積極的にアピールしていきたいところです。
しかし、初めてガクチカを書くときなどは作成のポイントや上手な表現方法がわからず、困ってしまう学生も多いでしょう。
そこで今回は、ガクチカで実習経験を伝えるときのポイントを紹介していきます。
あわせてせっかくのアピールを台無しにしないための注意点も解説するので、実習経験をガクチカにするときはぜひ参考にしてみてください。
そもそもガクチカとは
実習経験をガクチカにするときは、そもそもガクチカとは何なのか、十分に理解を深めて置くことが大切です。
ガクチカとは、学生時代に力を入れたことを指しています。
就活の選考対策では、このことを略してガクチカと呼ぶことが多いため、選考対策を進める際はぜひ覚えておきましょう。
ガクチカは、エントリーシートや面接で、多くの企業が質問項目の一つとして設けています。
そのため、ガクチカでどのような回答をするのかは、選考対策を進めるうえで必須事項として整理しておく必要があります。
これまでどのような経験があったのかを思い出し、ガクチカ作成に備えましょう。
ガクチカで実習経験をアピールしても大丈夫?
ガクチカを作成する際に気になるのは、在学中の実習経験はアピールポイントになるのかという点です。
結論からいうとまったく問題なく、実際に実習経験をガクチカにする就活生はいます。
ガクチカといえば、一般的にはアルバイトや部活、サークル活動などを取り上げる人が多いため、そういった定番の題材と比べると実習は比較的珍しいといえます。
そのため、実習経験は差別化が図りやすく、採用担当者の印象に残りやすい可能性があります。
実践的なスキルや経験をアピールできるため、採用担当者からは「早いうちに活躍してくれそうだ」という期待とともに好印象を持ってもらえる場合もあるでしょう。
ガクチカで実習経験をアピールするメリット
ガクチカで実習経験をアピールする際は、そもそも実習経験のアピールにはどのようなメリットがあるのかチェックしておきましょう。
具体的なメリットは、以下のとおりです。
- 具体的な内容を書きやすい
- 仕事に対する熱量を伝えられる
- 面接官が入社後の姿をイメージしやすい
これらはすべて重要なメリットであり、就活においてはほかの学生との間で良い差別化ができる可能性があります。
そのため、実習経験をガクチカにするかどうか迷った際は、上記の点にメリットを感じるか整理しておきましょう。
では、一つひとつを詳しく見ていきます。
具体的な内容を書きやすい
ガクチカで実習経験を伝えれば、具体的な内容を書きやすいというメリットを感じられます。
実際に行った仕事の体験をエピソードに盛り込むため、あったことを事細かに伝えやすいということです。
実習では社会人と同じように業務を経験するため、多くのチャレンジにつながります。
初めて経験する現場に戸惑い、どのように仕事をこなせば良いのか迷ったことがある人も多いはずです。
そんな困難を乗り越えるために自分なりに実行してきたことは、ガクチカのエピソードとして非常に役立ちます。
努力や工夫の過程がわかりやすいため、採用担当者には、頑張りがしっかりと伝わるということです。
自然なかたちで具体性のあるエピソードを伝えるうえでは、実習経験は良いガクチカになるでしょう。
仕事に対する熱量を伝えられる
ガクチカで実習経験をアピールすれば、仕事に対する熱量を伝えることもできます。
興味を持ったことに積極的に参加し、そのスキルを真面目に磨いているということが伝わるため、会社に対して入社意欲を伝えるきっかけになります。
どれだけ興味を持っていても、ただその分野を調べているだけでは、興味の程度はなかなか伝わらないものです。
しかし実際に自分がその現場に飛び込んで、業務を体験していれば、本当に興味を強く持っていることがわかります。
学生のうちからしっかりと技能を磨いているという意識の高さもわかるため、採用担当者には魅力を感じてもらえるでしょう。
仕事に対する熱量は就活生の採否を決めるうえで重要なポイントになります。
どのような仕事も、本人がモチベーションを高めて取り組めるものでなければ続かないからです。
そういった意味では、熱量が大きく伝わる実習経験はガクチカとして良いエピソードになるといえます。
面接官が入社後の姿をイメージしやすい
実習経験は、面接官が入社後の姿をイメージしやすいため、ガクチカとして取り上げるうえでメリットがあります。
実習経験を積んでいれば、実際に働いたエピソードをアピールでき、すでに一定の能力・スキルを持っていることがわかるからです。
学生のうちに実際に現場を経験していれば、仕事内容だけでなく、現場ならではの雰囲気も理解しているでしょう。
そのため、入社後に「イメージと違った」と本人がギャップを感じることも少なくなります。
したがってどのように活躍してくれるのか採用担当者も想像しやすくなり、内定につながりやすくなる可能性があります。
そのため実習経験をガクチカとして伝える際は、実習現場でどのように立ち回ってきたか、より具体的にエピソードを述べることが大切です。
実習経験のガクチカから企業がみているポイント
実習経験をガクチカのエピソードとして伝える際は、ガクチカを聞くことで企業はどのようなポイントを見ているのかチェックしておきましょう。
企業は、おもに以下のような点に注目し、実習経験のガクチカを評価しています。
- 物事への取り組み方
- 入社後に自社で活躍できるかどうか
これらのポイントは、学生の活躍の期待度に関わる重要な評価基準になります。
あらかじめ企業が見ているポイントを理解しておけば、実習経験のガクチカを採用担当者により響くように伝えられるはずです。
では、企業が見ているポイントを一つひとつ詳しく見ていきましょう。
物事への取り組み方
企業は実習経験のガクチカをチェックする際に、本人の物事への取り組み方を見ています。
どれだけ物事に熱量をもって取り組めるのか、集中して一つのことを成し遂げられるのかなどをチェックし、社会人としての基本的な能力を確かめているのです。
実習経験をガクチカのエピソードとして話す際は、実習でどのような仕事を経験し、一つひとつをどのような姿勢でこなしてきたのかがわかります。
一つひとつの仕事に真摯に向き合っていれば、エピソードの中の行動や発言、思考などでその様子は伝わるでしょう。
当然ですが、企業はガクチカを聞くことで、真面目に仕事に取り組める人を採用したいと考えています。
そのためガクチカでは、真面目に物事に取り組んでいること、一つひとつの自分事として意識高くこなしていることが伝わるかが重要になります。
入社後に自社で活躍できるかどうか
企業は実習経験のガクチカを聞いた際に、入社後に自社で活躍できるかどうかをチェックしています。
企業は採用活動を行う際に、自社で活躍できること、自社への貢献性が高いことに重きを置いています。
どれだけ能力のある学生でも、能力の種類や人柄的に活躍が見込まれない人を採用してしまっては、貢献に期待ができません。
そのため企業はガクチカを聞く際に、一つひとつのエピソードを細かくヒアリングし、自社に合う働き方ができる学生かどうかを見ているのです。
たとえば細やかなコミュニケーションを大事にする企業であれば、実習経験のエピソードで、こまめに周りとやり取りしながら仕事を進めていたことなどをアピールすることが重要といえます。
そういった行動ややり取りを聞けば、求める人物像と一致しているため、多くの企業は自社でも活躍してくれることを期待するものです。
実習経験のガクチカでアピールできること
実習経験のガクチカでは、さまざまな能力や経験をアピールすることができます。
ガクチカを通じて自分の持つ能力を強みとしてアピールできれば、採用担当者から高評価を得ることができ、最終的に内定につながりやすくなります。
ここでは、実習経験のガクチカでアピールできることをチェックしていきましょう。
アピールできることの内容は、以下が挙げられます。
- やり遂げる力
- 計画力
- コミュニケーション能力
- 協調性
- チームワーク
- 責任感
これらはすべて社会に出たあとに役立つスキルであり、採用担当者からは、社会人適性をしっかり持っている人として好印象を持ってもらうきっかけになります。
では、アピールできることをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
やり遂げる力
実習経験のガクチカでは、やり遂げる能力を伝えることができます。
実習は一定期間続けて行われるため、すべてのスケジュールをこなし困難を乗り越えてくれば、やり遂げる力が身につくからです。
やり遂げる力は、どのような業界・職種でも重要な能力として重宝されます。
やり遂げる力がある人は、大変で難しい仕事を担当することになっても、めげずに取り組むことができます。
また、大変な仕事をやり遂げるためにはある程度の工夫や努力が必要なので、そういった工夫・努力を惜しまない姿勢も伝わるでしょう。
実習内容が大変なことであればなおさらです。
学生のうちに実習を経験して一定のやり遂げる力を身につけていれば、採用担当者からは、現場にもすぐなじめるだろうと評価してもらえます。
一生懸命実習をやり遂げてきた自負がある人は、ぜひアピールしてみましょう。
計画力
実習経験のガクチカでは、計画力も積極的にアピールできます。
どのような内容の実習でも、一定期間続けて行う実習では、複数のタスクを計画的にこなしていく能力が求められるからです。
仕事をこなす中では、一つのことのみに集中すれば良いことは少なく、さまざまなタスクを並行して完了を目指さなければなりません。
それに加えて、一つひとつの作業には期限や終わらせるべきタイミングがあるため、それらを把握したうえで動く必要があります。
そのため、実習で一つひとつの作業を計画的かつ効率的にこなして動いていれば、計画力は自然と鍛えられるでしょう。
複数ある作業をいかに効率的にこなし、時間どおりに仕上げるか、そういったスキルがあれば社会に出たあとも現場で活躍できることは間違いありません。
コミュニケーション能力
実習経験のガクチカを伝えれば、コミュニケーション能力のアピールにもつながります。
実習では、多くの職員や関係者と接しながら仕事を体験していくため、細かいコミュニケーションが欠かせないからです。
実習中はたくさんのコミュニケーションを取り、一つひとつの報告・連絡・相談を欠かさずに行う必要があります。
このような姿勢・能力はどの業界・職種でも求められるため、ガクチカを通じてアピールすれば、良い評価につながるでしょう。
こまめなコミュニケーションを普段から心がけてくれる人は、コミュニケーション不足によるミスやトラブルが起きにくいといえます。
特に医療・介護・教育などの現場では、周りの状況を常に把握するためにスタッフ同士のコミュニケーションが不可欠となります。
実際にコミュニケーションを重視している現場は非常に多いため、ガクチカでアピールすれば良い評価を獲得できます。
協調性
実習経験のガクチカでは、協調性をアピールすることも可能です。
複数人で協力して業務を進める現場であれば、実習を通じて協調性が鍛えられるからです。
どのようして円滑に業務を進めたのか、異なる考え方の人同士でどう協力し合って仕事の体制を築いたのかなど、エピソードを伝える際は詳細を述べることが大切です。
協調性もコミュニケーション能力と同様に、業界・職種問わず多くの現場で重要視される能力といえます。
複数人のスタッフがいる現場では、周りの状況を把握しながら協力の姿勢を見せることが必須であり、協調性がなければ一つの業務を皆でスムーズに進めることはできません。
そのため、企業は新しく人材を採用するうえで、協調性があるかどうかは重要な判断基準になるといえます。
チームワーク
ガクチカで実習経験を伝えれば、ほかには、チームワークもアピールできるでしょう。
実習を進める際は、周りのメンバーとして協力し合い、チームワークを築くことが重要となるからです。
実際にチームワークを形成して業務の連携性を高め、効率的に実習中の作業を進めてきた人も多いでしょう。
そういったチームワークを実習中に鍛えられた人は、ガクチカのエピソードを伝える中で、自分の強みとしてチームワークを意識しながら動けることをアピールすると良いといえます。
協調性やコミュニケーション能力のように、チームワークもさまざまな現場で求められる大事な能力の一つです。
そのため、特にグループやチームで作業を進めることが多い職種を志望する場合は、実習経験を通じてチームワークを学んできたことをぜひアピールしてみましょう。
責任感
ガクチカで実習経験のエピソードを述べる際は、責任感もアピールできます。
教育実習や介護実習、保育実習など「実習」と付くものは多くが実際の仕事の現場を体験するものであり、すべての業務において責任感が求められるからです。
人の生命や健康にかかわる大切な現場も多いため、中途半端な姿勢で望めば、さまざまな危険が伴う可能性があります。
そのため、実習で実際に仕事を経験すれば、自然と責任感が身につくといえます。
実習を経験してみて、現場で働くことの大変さを実感し、責任感が強くなったと感じている人も多いでしょう。
実際に企業も学生を採用する際は、真面目で責任感のある人に入社してもらいたいと考えているものです。
一定の責任の伴う作業が多い現場は、もともと責任感のある人でなければ務まりません。
そのため、実習中に責任感をもって一つひとつの業務に取り組んできた人は、ぜひガクチカを通じて責任感をアピールしてみましょう。
ガクチカでアピールできる実習経験とは
では次に、ガクチカでアピールできる実習経験の種類をそれぞれ見ていきましょう。
実習と一口にいってもその種類はさまざまなので、ガクチカでアピールしやすい実習経験は事前にチェックしておく必要があります。
ガクチカでアピールできる実習経験には、以下が挙げられます。
- 教育実習
- 介護実習
- 保育実習
これらの実習を学生生活の中で経験してきた人は、ガクチカでアピールしやすくなります。
実習中は多くの業務を実際に体験するため、人としてさまざまなスキルが試されることも、ガクチカにおける良いアピール材料になります。
では、それぞれを詳しく見ていきます。
教育実習
ガクチカでアピールできる実習経験の一つには、まず、教育実習が挙げられます。
教育実習では、教育分野への理解を深めるために、教育を学ぶ学生の多くが経験することになります。
生徒・児童を正しく教育するための計画力や、実際の指導方法を学べるため、教育業界において優位性を確保できることがポイントです。
一定期間の実習とはいえ、教育現場での指導経験があれば、やり遂げる力やコミュニケーション能力、わかりやすく説明するための説明スキルなどを鍛えることができます。
短い期間の中でも現場でもまれることになるので、一定の度胸やメンタルの強さが身につく人もいるでしょう。
教育実習はまさにチャレンジの連続なので、経験したことのすべてがガクチカとして良いアピールになります。
介護実習
ガクチカでアピールできる実習経験といえば、ほかには、介護実習も挙げられます。
介護実習では、正確性や洞察力、広い視野などを鍛えることができるため、人として総合的にスキルを高められます。
これらのスキルは業界・職種問わずさまざまな現場で発揮できるため、入社後に積極的に活躍してくれる人材として期待してもらえる可能性があります。
また、介護実習では現場の職員と協力しながら業務を進めることも多いので、協調性やコミュニケーション能力も身につくでしょう。
そういった現場の様子や学んだことをアピールすれば、良いガクチカとして採用担当者からは高評価をもらえる可能性が出てきます。
もちろん、介護・福祉系の業界を志望する場合は、有利に働く可能性に期待が持てます。
保育実習
ガクチカでアピールできる実習経験は、そのほかに保育実習も挙げられるでしょう。
保育実習では、実際に子供たちと触れ合いながら保育現場の仕事を体験するため、洞察力や発想力、体力、状況判断能力などを養うことができます。
これらの能力を在学中から鍛えているとアピールできれば、採用担当者は好印象を持つ可能性が高いです。
いずれの能力も多くの企業で求められる重要な能力・スキルのため、就活では一定の有利性を保つことができるでしょう。
教育実習や介護実習と同様に、もちろん保育系の業界を志望する際も、その経験を買ってもらえる可能性は高いといえます。
そのため保育実習で多くの頑張りを見せてきた人は、その努力や工夫を見せたり鍛えた能力をアピールしたりするためにも、ぜひガクチカのエピソードとして保育実習を取り上げたいところです。
ガクチカで実習経験をアピールする時のポイント
ここからは、ガクチカで実習経験をアピールするときの重要なポイントをそれぞれ解説していきます。
実習経験をアピールするときは、協調すべき点や盛り込むべき情報などを理解していなければ、アピール内容が薄くなってしまう可能性があります。
せっかく良い経験をしていても、アピールが適切に伝わらない可能性があるため、ポイントはしっかり事前にチェックしておきましょう。
具体的なポイントは、以下のとおりです。
正しい構成でアピールする
数字を用いて具体的に表現する
実習経験からの学びを伝える
どのような適性があるのかを伝える
入社後の目標を伝える
これらのポイントを心がけてガクチカを作成すれば、より魅力的なガクチカが書けるでしょう。
では、ガクチカで実習経験をアピールするときのポイントを詳しく見ていきます。
正しい構成でアピールする
まず、実習経験のガクチカは、正しい構成を活用して伝えることが大切です。
ガクチカを伝える際の正しい構成や流れについては、別の項目で後述していきますが、構成に沿ってガクチカを伝えればより内容はわかりやすく伝わります。
ガクチカでは、何を経験してどのような課題に直面し、結果としてどう乗り越えて何を得たのかというポイントをわかりやすく伝えていく必要があります。
盛り込む情報が多いため、順序よく伝えなければ内容がごちゃついてしまいます。
魅力をアピールするはずが、結果としてわかりにくいという印象を与えてしまえば、低評価を受ける可能性があります。
実習経験をガクチカのエピソードで取り上げる場合は、文章の流れや構成に十分注意しましょう。
数字を用いて具体的に表現する
ガクチカは、数字を用いることで、より具体的に伝えることを意識しましょう。
数字を使って状況を詳しく伝えれば、どの程度頑張って取り組んだのか、どの程度大きな成果を残したのかという重要なポイントが伝わるからです。
エピソードに具体性を持たせるうえで、数字で表現できることは重要といえます。
「業務が効率化した」という表現では程度がわかりにくいですが、「業務が10分早く終わるようになった」という表現であれば効率化が実現したことが明確にわかります。
エピソードに具体性がないとわかりにくいだけでなく、抽象的な印象ゆえに信憑性も失われてしまう可能性があります。
そのため、数字で言い表せる部分は、積極的に数字を使って述べるようにしましょう。
実習経験からの学びを伝える
ガクチカで実習経験を伝える際は、その経験を通じてどのような学びを得たのかを具体的に述べる必要があります。
ガクチカにおいて得た学びや身につけたスキルは重要なポイントであり、本人が経験から学ぶ姿勢をどの程度持っているのか測ることができます。
学ぶ姿勢や成長に対して貪欲であることは、多くの企業が人材を採用するにあたって重要視する点です。
経験から多くのことを学び、自分の成長につなげていける人でなければ、企業自体も成長を遂げられないからです。
実習経験では、細かいコミュニケーションの重要性やチームワークの大切さなどさまざまなことを学ぶでしょう。
そういった学びがあったことをエピソードの結びとして述べ、今後も経験から学んで成長していける人物であることをアピールしましょう。
どのような適性があるのかを伝える
ガクチカで実習経験を述べる際は、自分自身にどのような適性があるのかを明らかにしていきます。
当然のことですが、企業は業界・自社の業務内容・雰囲気などに適応できる人材を求めています。
マッチ度が高い人材を多く集めることが、社員の離職を防ぐこと、社員にやりがいをもって働いてもらうことにつながるからです。
社員一人ひとりがやりがいをもって業務に取り組めば、多くの成果が望めるため、企業も業績アップを実現できます。
ガクチカを聞く際に、多くの企業は本人のスキルや性格的な強み、人柄を見たうえで適性の有無を判断していきます。
そのため、実習経験をガクチカとして述べる際は、実習経験を含む過去の出来事から自分が発揮できるスキルを伝え、業務で活躍できる人材であることを示すことが肝心です。
入社後の目標を伝える
ガクチカで実習経験を伝える際は、エピソードや学んだことを一通り伝えたうえで、最終的に入社後にどのような目標やビジョンを持っているか述べることが大切です。
単純にガクチカの内容を話すのみでは、事実を伝えるのみで、アピールとして弱く感じられてしまうからです。
入社後にどう活躍したいのか、何を成し遂げたいのか、どのような社員になりたいのかなどのポイントが重要となります。
その際は、「積極的に活躍したいです」などどのような業界・職種にも当てはまることを述べることはNGです。
抽象的すぎて熱意が伝わらないため、志望先企業の業務や社風に当てはまることをできるだけ具体的に述べましょう。
目標に具体性があれば、事前にしっかりと業界・企業研究ができていることがわかるため、企業はその熱意の強さや真面目さを評価するはずです。
ガクチカで実習経験をアピールする際の正しい構成
ここからは、ガクチカで実習経験をアピールする際の正しい構成をまとめていきます。
正しい構成に沿ってガクチカをまとめれば、何に一生懸命取り組んだのかよくわかるため、構成は事前によくチェックしておきましょう。
構成は、以下のとおりです。
- 結論を伝える
- 課題と目標を伝える
- 目標に対する行動を伝える
- 行動の結果を伝える
- 学んだことと就職後にどう活かすかを伝える
この流れに沿ってガクチカを書けば、次に伝えるべきことがわかるため、自分自身の書きやすさにもつながります。
では、詳細を解説していきます。
1.結論を伝える
ガクチカを書くときは、結論からまず述べることが大切です。
冒頭で結論を述べれば、エピソードの主旨がわかるため、採用担当者が内容をスムーズに理解できるようになります。
これから何を述べるのかというテーマを提示する部分なので、結論から述べることは忘れずに実践しましょう。
もしエピソードや学んだことなどを先に話してしまうと、主旨が見えない状態でガクチカを紐解いていくような形になるため、採用担当者は内容を理解できなくなる可能性があります。
特にガクチカのように、情報の多いことを述べる際は、はじめに結論を明らかにすることが大切です。
なお、結論から述べる構成はどのような受け答えをする際も重要なので、これを機に覚えておきましょう。
2.課題と目標を伝える
ガクチカで実習経験のエピソードを伝えるときは、まず実習経験がガクチカであるという結論に触れたうえで、次に課題と目標を述べましょう。
課題と目標は、ガクチカでなんらかのことに挑戦した・乗り越えたというエピソードを伝えるうえで、大前提として必須になる情報だからです。
その経験の中で問題になっていたこと、トラブルとして起きたことなどを具体的に述べ、自分自身がどのような目標をもって実習経験に取り組んでいたのか伝えることが大切です。
なお、課題と目標の情報が抜けてしまうと、何に頑張って取り組んだのかわかりにくくなる可能性があります。
実習の情景が採用担当者にもよく伝わるように、何がどう問題だったのかをかみ砕いて説明していくことが大切です。
3.目標に対する行動を伝える
結論としてガクチカの内容を簡潔に伝え、そのあとに課題と目標をわかりやすく述べたあとは、目標に対する行動に触れていきましょう。
ガクチカでは、目標達成のために、課題と直面してどのような行動を取ったのかが重要な評価ポイントになります。
課題が発生したことで自分自身が何を考えたのか、その解決のために実際にどのような施策を実行したのか、目標達成のためにどのような工夫をしたのか…といった点を詳しく説明していきましょう。
これらを明確に伝えることで、実習のエピソードの信憑性が高まり、採用担当者に興味を持ってもらうきっかけになります。
なお、行動の部分も、前述のとおり具体的かつ定量的に伝えていくことが大切です。
数字を使うことや自分が担当していた役割を伝えることなどを意識し、エピソードの中の自分の立ち回りを明らかにしていきましょう。
4.行動の結果を伝える
結論→課題と目標→目標に対する行動…と順を追って説明してきたあとは、行動の結果を詳しく伝えることが必要です。
行動の結果の部分は、目標や課題解決のために動いたことで得た成果を伝える部分になります。
頑張って取り組んだ結果を正直に伝え、自分の行動がどのような成果につながったのかを示しましょう。
ガクチカは力を入れて取り組んだことなので、基本的には取り組みの成果は何らかの成功や成長であることが望ましいですが、どうしても伝えたいエピソードであれば結果として失敗したエピソードでも問題ありません。
というのも、目標に向けて課題や困難と向き合い、どのように自分なりに努力したのかがガクチカでは重要になるからです。
避けたいのは、高評価を得ようとして、嘘の成果を伝えたり必要以上に話を盛ってしまうことです。
どのような成果をもたらしたのか詳細を伝え、次の学びの部分につなげましょう。
5.学んだことと就職後にどう活かすかを伝える
ガクチカで実習経験を伝える際は、最後に、学んだことをどう活かしていくのか述べましょう。
頑張って一つのことに取り組み、何らかの成果を得たあとは、自分なりに考えたことや実感したことなどがあるはずです。
その学びの部分や成長を実感できたポイントなどに触れ、入社後にどう活かしたいのかつなげていく流れです。
大事なのは、経験から重要なことを学び、それを仕事に活かしてさらなる成果や成長につなげられるかという点です。
学ぶ姿勢や成長意欲を伝えるためにも、実習経験を通じて学んだことはしっかりとアピールしましょう。
そのうえで、企業の業務内容や大事にしている理念などと絡めたうえで、就職後の活かし方を伝えることが大切です。
ガクチカで実習経験をアピールした例文
ここからは、実習経験をアピールするガクチカの例文を紹介していきます。
実習経験をガクチカとして伝える際のポイントは理解していても、実際にガクチカを書くとなると、どのように書けば良いのか迷うことは多いものです。
そんなときは、ガクチカの例文からチェックしておくことをおすすめします。
例文を参考にすれば、文章表現や流れのモデルケースがわかるので、ある程度真似をすることで良いガクチカが書けるようになります。
今回紹介するガクチカの例文は、以下のとおりです。
- 教育実習のガクチカ例文
- 介護実習のガクチカ例文
- 保育実習のガクチカ例文
実際にポイントを押さえてガクチカを作成する際は、ぜひ参考にしてみてください。
教育実習のガクチカ例文
私が学生時代に力を入れたことは、教育実習で中学校の指導を経験したことです。
実習先では国語の授業を担当したのですが、難解な言葉が多い文章を読み解く必要があり、いかに生徒にわかりやすく伝えるかが課題でした。
そこで私は、一つひとつの表現に例を設けてかみ砕いて説明することを徹底しました。
これにより、教えた言葉の復習をする際は積極的に生徒から手が上がるようになり、担当の先生からは良い評価をいただきました。
今回の経験を通じて、理解度に配慮し説明することの重要さを実感しました。
入社後もわかりやすく丁寧な説明を心がけ、お客様に積極的に頼っていただける社員を目指したいです。
介護実習のガクチカ例文
私が学生時代に力を入れたことは、1週間の介護実習で、一人ひとりの入所者に寄り添うことです。
実習先の介護施設は非常に広く入所者もたくさんいたため、忙しいからこそ対応が雑にならないようにと注意点をあらかじめ伝えられていました。
そこで私は、一人ひとりの入所者に対する理解が重要だと考え、体調や健康のことだけでなく雑談も含め、入所者の方とは多くの会話をするように心がけました。
この結果、最初は会話の少なかった入所者の方とも会話が弾むようになり、楽しそうに声をかけていただけるようになりました。
私は今回の経験を通じて、こまめなコミュニケーションが相手を理解するうえで重要になることを学びました。
入職後もコミュニケーションと気遣いを大事にしながら、入所者の方の状況をいち早く理解できる職員になりたいと考えています。
保育実習のガクチカ例文
私は学生時代に、保育実習に力を入れてきました。
実習先の保育園では、子供たちのお絵描きの指導を担当しましたが、まだまだ幼い子供だからこそ、「〇〇の絵を描いて」と伝えてもなかなか伝わらない子もいました。
そこで私は一人ひとりの個性を重んじる指導を大事にし、指導通りやらないことを否定するのではなく、こちらに興味を持ってもらえる話をしながら指導を行いました。
結果、大きな問題も起こらずに指導を終えることができ、のちに保護者の方から「子供が〇〇先生の話が面白かったと言っていた」とのお話を聞くことができました。
私はこの経験を通じてそれぞれの興味に合わせて立ち回ることの重要性を学びました。
入社後も個性を重んじる指導方法を大事にし、子供たちの成長を積極的にサポートしたいと思います。
実習経験をガクチカにすると好印象になる業界や企業
実習経験をガクチカとしてアピールする際は、どのような業界・企業だとより印象が良いのかチェックしておくことも大切です。
実習経験のガクチカと相性の良い業界・企業を知っておけば、その業界・企業を志望するうえで、スキルや強みをより評価してもらいやすくなります。
ほかの学生に対して優位性を確保できる可能性もあるため、積極的にチェックしておきましょう。
好印象になる業界・企業は、おもに以下が挙げられます。
- 学校の教師
- 塾の講師
- 人材業界
- 福祉業界
- 研修関連の企業
- 人材コンサルの企業
上記の業界・職種を志望する場合、何らかの実習経験がある人は、ガクチカとしてぜひアピールしてみましょう。
では、それぞれの業界・企業の詳細を解説していきます。
学校の教師
実習経験をガクチカにすれば、学校の教師を志望する際に高評価を得やすくなります。
教育実習をすでに経験していれば、生徒とのコミュニケーションや授業の計画、その実行力などの基本がある程度備わっていることがわかります。
エピソードの詳細から実習中の様子が具体的に伝われば、教師として入職した際に、どのように振る舞ってくれるか採用担当者もイメージしやすいでしょう。
実習経験を経ていれば、協調性や現場に対する適応力、状況判断能力も身につけてきているといえます。
そういった能力も評価につながるため、内定にはつながりやすくなるでしょう。
実習にひたむきに取り組んで努力した様子が伝われば、教師を務めるうえで重要な真面目さや責任感なども感じ取ってもらえるはずです。
塾の講師
ガクチカで実習経験を伝えれば、塾の講師を志望するときも良い評価につながりやすくなるでしょう。
塾の講師も、教育現場で生徒の指導にあたるため、基本的な指導力やコミュニケーション能力、責任感などは重視されるからです。
すでに教育実習などを経験していれば、現場でもまれたことで、生徒一人ひとりに対して向き合うことも大切さを理解していることがわかります。
塾では、生徒一人ひとりの習熟度をチェックし、それに合わせた指導方法を実践することが重要となります。
そのため実習を通じて現場の状況を細かく判断するスキルや、たくさんいる生徒一人ひとりをそれぞれ見て寄り添う姿勢を身につけていれば、良い評価につながる可能性は高いでしょう。
人材業界
実習経験をガクチカにすれば、人材業界でも良い評価を獲得できる可能性があります。
なぜなら、求職者とのカウンセリング経験や企業との交渉経験を持っていれば、人材業界での仕事に直結すると評価してもらえるからです。
人材業界では、求職者に寄り添う姿勢やコミュニケーション能力、交渉力、さまざまな業界・企業に対する理解と知識が基本として求められます。
それらを実習を通じて少しでも身につけていれば、業務にスムーズになじんでいけると期待が持てるでしょう。
そもそも実習では多くの人とやり取りすることでコミュニケーション能力を鍛えていけるため、どのような内容の実習でも、人材業界で働く際は好印象を持ってもらえる可能性があります。
福祉業界
福祉業界の企業や施設を志望する際も、実習経験のガクチカは良いアピールポイントになる可能性があります。
利用者支援や介護技術の実習を在学中に済ませていれば、福祉業界で仕事をするうえで、すぐに活かせると期待できるからです。
福祉業界の現場を知っていれば、入社後に現場以外の場所で働く際にも、その経験と知識は多かれ少なかれ役立つでしょう。
現場スタッフの立場に立って業務のことを考えられるため、より的確な提案ができる可能性もあります。
福祉業界は、どのような仕事も、相手を気遣うことや寄り添うことが重要となります。
そういった姿勢や、寄り添うために必要なものの考え方を勉強していることは、まったく実習を経験していない人と比べて有利に働くことは間違いありません。
研修関連の企業
ガクチカのエピソードに実習経験を選んだ場合は、研修関連の企業を志望する際も好印象を獲得できる可能性があります。
すでに学生のうちから研修プログラムの開発や指導方法の考案などに携わっていれば、その経験と知識を大きく評価してもらえるため、現場で即戦力になると期待してもらえるでしょう。
基本的に新卒採用では多くの企業がポテンシャル採用を行いますが、即戦力として期待できるスキルは、それでもあるに越したことはないといえます。
もともと持っているスキルと経験が豊富であれば、能力の高さを評価してもらえるため、内定につながりやすくなります。
そのため、実習で研修関連の仕事を一定期間経験しているときは、その経験の内容をガクチカで積極的にアピールしたいところです。
人材コンサルの企業
ガクチカのエピソードとして実習経験を選べば、人材コンサルティング系の企業を志望する際も良い評価を得やすくなるでしょう。
在学中に企業分析や課題診断の実習を経験しており、一定の実践的スキルを習得していれば、入社後に活躍できるのも早いと期待してもらえるからです。
人材コンサルは、専門的なコンサルタントとして多くの経験と知識を身につけたうえでこなしていくことになります。
そのため企業としては学生を採用するうえで、実習を通じて基礎的なスキルを身につけており、スピーディーに成長してくれそうな人には期待せずにはいられないものです。
コンサルタントとして多くの知見が必要になるからこそ、実習経験を活かした効率的な成長に期待できる学生は、ほかの学生と比べて非常に有利になるということです。
ガクチカで実習経験をアピールする際の注意点
ガクチカで実習経験をアピールする際は、構成や具体性を高めることなどに注意が必要ですが、ほかにも注意したいポイントはさまざまあります。
そのためここからは、ガクチカで実習経験をアピールするときの注意点をいくつか紹介していきます。
おもな注意点は、以下の3つです。
- 専門用語を使わない
- 実習内容の紹介にならないよう注意する
- 質問を想定して回答を用意しておく
良い経験を積んでいても結果として伝わりにくくなってしまっては意味がないため、ガクチカで実習経験を述べる際は、上記の点をしっかり押さえておきましょう。
では、詳細を一つひとつ見ていきます。
専門用語を使わない
ガクチカで実習経験をアピールする場合は、専門用語はできる限り使用しないようにしてください。
一般的に解説が必要になるような専門用語を使ってしまうと、採用担当者がスムーズに理解できない可能性があるからです。
実習の内容が志望先企業の業務と一致しているときでも、採用担当者は人事部やその他の部署の社員が務めていることが多く、現場で使われるような専門用語は知らない場合があります。
そんななかで専門用語を使ってしまうと、「知らない人に対して配慮がない」「わかりやすく文章をまとめる能力が低い」などのネガティブな評価を下されてしまいます。
解説を加えながら専門用語を使うのも、不必要に尺を割いてしまうため、あまり望ましくありません。
そのため専門用語の使用はできるだけ避け、一般的な言葉で表現するようにしましょう。
実習内容の紹介にならないよう注意する
実習経験をガクチカのエピソードにする際は、単純な実習の内容紹介にならないように注意が必要です。
実習でどのようなことを経験したのかという事実を伝えるのみでは、ただの日記のような文章になってしまいます。
企業は何をしたかという事実を知りたいのではなく、経験を通じて得た学びの内容や、その経験の中で困難をどう乗り越えてきたのかというポイントです。
また、そのうえで学びの活かし方を知りたいという意図もあります。
エピソードの具体性を高めることに集中しすぎると、ただ起きたことをダラダラ書いてしまうだけになる場合があるため、くれぐれも注意しましょう。
具体性を高めたことで、学びや入社に対する意気込みなどを述べる部分がなくなってしまう場合は、内容を見直したうえで不必要な情報を削るようにしましょう。
質問を想定して回答を用意しておく
実習経験をガクチカのエピソードにするときは、採用担当者から深掘りの質問が来ることをあらかじめ想定し、回答を用意しておくことが大切です。
面接でガクチカを述べる際は、多くの場合、内容に対する深掘りの質問が来ます。
何も準備していないと、スムーズな受け答えができず、場合によっては「あのエピソードは本当のことなのか」と疑われてしまう可能性もあります。
なお、よくあるガクチカの深掘り質問は、以下のとおりです。
- そのことに力を入れた理由
- 課題に直面して自分はどう思ったのか
- 途中で投げ出さずに取り組めた理由
- どのような手順でこなしたのか
- なぜその選択が適していると思ったのか
このような深掘り質問をすることで、企業は学生の考え方や価値観をさらに知りたいと考えています。
ガクチカを書く際は、「なぜ」「どのように」というポイントを自分自身でも入念に整理し、回答後の質問に備えましょう。
実習経験をガクチカでアピールして選考を通過しよう!
実習経験をガクチカとして書く際は、どのような内容や流れで書くべきなのか知るために、事前にポイントを理解しておきましょう。
学生のうちに経験する各種実習では、多くのことを体験することで自分自身を伸ばすきっかけになるため、ガクチカとして取り上げれば良いアピールになる可能性があります。
特に、実習経験をそのまま活かせる業界・企業を志望する際は、実習経験をガクチカにすればほかの学生より良い評価を獲得しやすい場合もあります。
必要に応じて例文なども事前に参考にし、あわせて注意点などもチェックしながら、ガクチカの完成度を高めていきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート