ガクチカを書くにあたって、少しでも強いエピソードを選びたいと考えている人は多いでしょう。
魅力的なエピソードとともに自分の強みを伝えれば、採用担当者からより良い評価を獲得でき、内定にもつながりやすくなるでしょう。
そんなときはまず、どのようなガクチカなら強いのか理解しておくことが大切です。
強いガクチカのエピソードを理解していれば、評価されやすいことを認識したうえでアピールできます。
そもそも正解がわからない状態ではガクチカは書きにくいため、強いエピソードを探している人は、ぜひチェックしてみてください。
企業がガクチカを聞く理由
ガクチカの強いエピソードを見つける際は、そもそも企業がなぜガクチカを聞くのか理解しておく必要があります。
これによりガクチカそのものへの理解が深まるため、ガクチカの意義からぶれない内容でアピールができるでしょう。
企業がガクチカを聞く理由は、以下のとおりです。
- 人間性や価値観を見るため
- 求めている人物像とマッチしているか
- あなたの持っているスキルを知るため
以上の点をチェックしながら、企業は学生一人ひとりを評価していることが特徴です。
では、企業がガクチカを聞く理由を詳しく見ていきましょう。
人間性や価値観を見るため
企業がガクチカを聞く理由には、まず、学生の人間性や価値観を見たいという狙いがあります。
ガクチカからは、興味関心、困難に直面した際の考え方・行動などで、本人の総合的な人間性や価値観がわかるものです。
日本の多くの企業は人柄重視で新卒採用を行っており、自社の雰囲気とマッチすることが重要です。
企業はガクチカを通じて、何に取り組んだ結果どのような困難があり、それに対して何を行って成果につなげてきたのかをチェックしていきます。
そのエピソードからはコミュニケーション能力や問題解決能力など、社会人としての一般的な適性がわかってきます。
そこから興味・親しみやすさを持てる学生か評価し、自社との価値観の親和性を見たうえで採否判断につなげているといえます。
求めている人物像とマッチしているか
企業がガクチカを聞く理由には、求めている人物像とマッチするかどうかも関係しています。
企業にはそれぞれ大事にしている理念やこだわりなどがあり、それらを徹底して守ることで、企業が持つ特色や社風を形成しています。
現場の雰囲気も、企業が求める人物像によって形成されていきます。
そのため企業は、理想とする組織づくりのために求める人物像に合った人を採用することが必要です。
求める人物像とのマッチ度が高ければ、貢献度が高いことで企業は成長を遂げられ、本人は働くうえでやりがいを感じられるでしょう。
ガクチカからは本人の特徴としてさまざまな要素が伝わってくるため、そこから求める人物像にマッチするかを確かめています。
なお、マッチ度の低い人材を採用してしまうとミスマッチが起こり、双方にとってデメリットになります。
ミスマッチを避けるためには、企業にとってガクチカは重要な質問項目といえるのです。
あなたの持っているスキルを知るため
企業がガクチカを聞く理由には、学生が持つスキルを知りたいという狙いも関係しているでしょう。
ガクチカを聞けば、その取り組みを通じて鍛えてきたスキルなどがわかります。
鍛えてきたスキルが業務において再現性が高ければ、より活躍をイメージできるため、多くの企業は採用を前向きに検討するでしょう。
また、ガクチカのエピソードからは問題やトラブルに対する向き合い方によって、解決能力や当事者意識、論理的思考力などの水準がわかるものです。
スキルが総合的に高ければ、入社後は社会人として円滑に活躍してくれると期待できます。
このようにガクチカは、本人のさまざまなスキルとそのレベルを測るうえでも、大事な役割を果たしているのです。
強いエピソードの一覧
- 部活
- ゼミ
- サークル
- 学業
- 資格
- 留学
- アルバイト
- ボランティア
- インターンシップ
- 趣味
- リーダーシップ経験
- コンテスト
- 起業経験
それぞれの例文を見たい人は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
よく書かれているガクチカのエピソード
強いガクチカのエピソードを知りたいときは、書かれやすいガクチカのエピソードをチェックしておきましょう。
よく書かれるガクチカのエピソードは、以下のとおりです。
- アルバイトでのリーダー経験
- ゼミや研究での成果
- 部活やサークルでの活躍
上記のエピソードは、定番だからこそアピールしやすいメリットがあります。
では、詳細を見ていきましょう。
アルバイトでのリーダー経験
多くの学生がチョイスするガクチカのエピソードといえば、アルバイトでのリーダー経験があります。
アルバイトは、学生の多くが経験することであり、働く中ではさまざまな困難やトラブルに直面するものです。
そのため、就活で何らかのアピールをする際は、エピソードとして選びやすい傾向にあります。
さらに、リーダー経験はより刺激的で学びの多い経験になるため、ガクチカでは効果的に自分の強みやスキルを伝えられる可能性があります。
アルバイトでのリーダー経験をガクチカする場合は、リーダーを務める中で高めたスキル、学んだことなどをアピールしていく形です。
リーダーは通常のアルバイトと違ってやるべきことがさまざまあるため、アルバイトとはいえ、総合的に人間力を高められた自覚がある人も多いでしょう。
ゼミや研究での成果
ガクチカで書かれやすいエピソードには、ほかに、ゼミや研究での成果も挙げられます。
大学のゼミ・研究は、大学生であればほとんどの人が参加するため、エピソードとして活用しやすいことが大きなメリットです。
さらに、研究・調査には何らかの成果が伴うため、実績としてアピールしやすい部分もあるでしょう。
最終的な成果に至るまでには困難もつきものなので、困難とどう向き合い、どう解決してきたのかも伝えやすいといえます。
ゼミや研究のガクチカでは、一つのことを徹底的に分析・調査しようとする姿勢や、集中力、仲間と協力し合って研究発表につなげるチームワークなどアピールできる強みがさまざまあります。
いずれも社会人生活では多くの業界で重宝される能力なので、ゼミや研究のガクチカは、企業の求める人物像に合うアピールにもしやすいでしょう。
部活やサークルでの活躍
ガクチカでは、部活やサークルでの活躍もよく書かれる傾向にあります。
学生であれば多くの人が取り組んでおり、さらには興味ある分野や好きなことに合わせて参加しているため、積極的に力を入れたこととしてアピールしやすいことが特徴です。
趣味とサークル活動がつながっていれば、自然と取り組みも積極的になるため、ガクチカはのエピソードには選びやすいでしょう。
部活やサークルでは、多くの場合周りの人との協力やコミュニケーションが求められるため、協調性やコミュニケーション能力、気遣いの姿勢などアピールできる強みがたくさんあります。
部活やサークルを通じて、専門的な技術を磨いてきたのであれば、技術を磨くために努力を惜しまない姿勢などもアピールできます。
キャプテンやリーダーを任されてきた人などは、リーダーシップや責任感などをアピールすることで、社会人適性の高さを伝えられるでしょう。
ガクチカ最強ランキング
ガクチカは、企業が応募者を評価する際に重視するポイントの一つです。
どのテーマを選ぶかによって、自分のスキルや価値観がどれだけ伝わるかが大きく変わります。
ここでは、企業が特に高く評価するテーマをランキング形式で紹介します。
それぞれの特徴やアピールポイントを理解し、自分に合った最適なガクチカを作り上げましょう。
- 1位インターン経験
- 2位アルバイト
- 3位部活
- 4位留学
- 5位資格取得
- 6位ボランティア活動
- 7位学業
1位インターン経験
ランキング1位はインターン経験です。
インターンシップは、ガクチカの中でも特に企業が高く評価するテーマです。
実際の業務を経験することで、業界や職種に直結したスキルや知識を得られる点が最大の魅力です。
インターン経験を通じて、応募者が業務内容や職場環境に対してどれだけ適応できるか、実務での成果を通じて即戦力としての可能性をアピールできます。
例えば、「3ヶ月間、営業インターンを経験し、新規顧客の開拓を担当しました。その結果、月間目標を達成し、提案スキルを向上させました」といった具体的な成果を述べると効果的です。
また、企業はインターン経験を通じて応募者の業界理解度や業務適応能力を評価します。
そのため、単に「経験した」というだけでなく、そこで何を学び、どのように活かしたいかを明確に伝えることが重要です。
2位アルバイト
ランキング2位のアルバイト経験は、多くの学生が持つガクチカテーマですが、その分アピールの仕方が重要になります。
接客業や販売業の経験は、特にコミュニケーション能力や顧客対応スキルを示す上で効果的です。
「飲食店でのアルバイトで、繁忙期の注文対応を効率化するためにスタッフ間の役割分担を改善し、業務を円滑化しました」など、具体的なエピソードを述べることで、課題解決力やチームでの協力がアピールできます。
また、アルバイトを通じて得た経験を入社後にどのように活かせるかを示すことで、企業に対する貢献意欲を伝えることができます。
継続力や責任感もアルバイトを通じて得られる資質として評価されるため、これらを具体的に表現することがポイントです
3位部活
ランキング3位の部活動は、チームワークやリーダーシップ、継続力など、多くの能力をアピールできるテーマです。
特にキャプテンや幹部として活躍した経験があれば、組織での適応力や人間関係構築力を具体的に伝えることができます。
「大学時代にサッカー部のキャプテンを務め、チーム全体の士気を高めるために練習方法を改革しました。その結果、リーグ戦で過去最高の成績を収めました」といった成果を交えると説得力が増します。
また、継続して努力を積み重ねる力や目標達成への取り組み方を伝えることも重要です。
部活動を通じて得た経験を仕事の現場でどのように活かせるかを明確にすることで、より具体的で効果的なアピールが可能です。
4位留学
ランキング4位の留学経験は、グローバルな視野を持ち、異文化適応力や語学能力を示す上で非常に効果的なテーマです。
企業は国際的な業務やチームにおいて、柔軟に対応できる人材を求めているため、留学経験は高く評価されます。
例えば「アメリカに1年間留学し、異文化の中でプロジェクトを進行する際に、柔軟なコミュニケーションの重要性を学びました」といった具体的なエピソードを盛り込むことで、留学経験の価値を伝えられます。
また、困難を乗り越えた経験や、自分がどのように成長したかを強調することで、採用担当者に印象を与えることができます。
さらに、留学で得た経験を入社後の業務にどう活かせるかを明確にすることで、企業に対する貢献意欲を示すことが可能です。
5位資格取得
ランキング5位の資格取得は、特に専門的なスキルや知識をアピールするのに最適なテーマです。
企業は、応募者が特定の分野に対してどれだけ努力し、結果を出せるかを評価します。
資格取得は単なる学びにとどまらず、目標に向かって計画的に取り組む姿勢や困難を乗り越える継続力を示す要素としても評価されます。
さらに、資格が直接業務に関連する場合、その具体的な応用例を伝えることで、企業に自分の即戦力性を印象付けることができます。
このように、資格取得の背景や学びの具体性を丁寧に説明することで、より強いアピールが可能になります。
6位ボランティア活動
ランキング6位のボランティア活動は、社会貢献への意識やコミュニケーション能力、問題解決力を示すテーマとして有効です。
特に、非営利団体での活動や国際的なボランティア経験があれば、人間力や協力の精神を強くアピールできます。
例えばですが、「被災地支援のボランティア活動に参加し、現地のニーズを理解しながら支援物資の配布を行いました」と述べることで、具体的な行動や成果を伝えられます。
企業は、ボランティア活動を通じて得た共感力や柔軟性を評価するため、エピソードを具体的に述べることが重要です。
また、活動を通じて得た学びを仕事にどう活かすかを示すことで、採用担当者への印象を高めることができます。
7位学業
ランキング7位の学業は、基礎的な知識や論理的思考能力を示すテーマとして活用できます。
ただし、単に成績が良いことを述べるだけでは十分ではなく、学業を通じて何を学び、それをどのように応用したかを具体的に伝える必要があります。
「卒業論文では、地域経済の活性化をテーマに研究を行い、データ分析のスキルを磨きました」といった内容を含めると、実用性が伝わりやすくなります。
また、研究や授業の中で直面した課題をどのように克服したかを示すことで、問題解決能力や粘り強さをアピールできます。
さらに、学業を通じて得た知識を具体的な業務に結びつけて述べると、企業が求める適応力や応用力を伝えることができます。
このように、学びの内容とその応用可能性を具体的に伝えることがポイントです。
最強のガクチカを作成する際のポイント
最強のガクチカを書くことで採用担当者からの高評価を目指すのであれば、ガクチカ作成のポイントを理解しておくことが重要です。
エピソード自体が強くても、大事なポイントを押さえていなければ、ガクチカのアピール内容は企業にまったく刺さりません。
最強のガクチカを作成するためのポイントは、以下の3つです。
- ガクチカは応募先の企業に合わせて書く
- 具体的な数字やデータを混ぜて書く
- 論理的な説明ができている
上記のポイントをチェックしたうえでガクチカを書けば、ほかと差別化ができる、完成度の高いガクチカに仕上げられるでしょう。
では、ポイントの詳細を一つひとつ見ていきます。
ガクチカは応募先の企業に合わせて書く
ガクチカは、応募先の企業に合わせて書くことが望ましいです。
単純に頑張ったことや自信をもっている強みなどをアピールするのみでは、企業との親和性が弱く、採用担当者に響かない可能性があるためです。
企業にはそれぞれ求める人物像があり、多くの採用担当者がマッチ度の高い新卒採用を行いたいと考えているものです。
マッチ度の高い人材になるためには、ESや面接でガクチカを伝える際に、企業のニーズ・狙いに合わせる必要があります。
能力や強みをアピールするなら、その能力・強みを直接的に活かせる業種・職種のほうが採用担当者の印象に残りやすく、内定につながる確率が上がるということです。
応募先企業に合わせてガクチカを書きたい場合は、企業自体に理解を深める必要があるため、事前の企業研究が欠かせません。
具体的な数字やデータを混ぜて書く
最強のガクチカを書くためには、エピソードを述べる際に、数字やデータを活用して具体的に表現することが重要といえます。
具体的な数字やデータを活用すれば、基準値との比較ができるため、どのくらい凄い成果なのか評価しやすくなる仕組みです。
〇%などの表現を使えば、具体性が高まるため、エピソードに深みが出るという良さもあります。
ガクチカは基本的に成果よりプロセスが重視されますが、成果の凄さがわかれば、プロセスが適切だったことの証明になります。
アルバイトや部活などに力を入れて取り組んだ成果については、可能な限り数字やデータを使って表現しましょう。
このような具体性が、ほかの学生との間で差別化を図るポイントにもなります。
論理的な説明ができている
強いエピソードでガクチカを書く際は、論理的な説明ができているかどうかも重要なポイントになります。
ガクチカでは多くのことを具体的に説明していくため、論理的に、必要なことを順序立てて説明しなければ内容が伝わりません。
頑張って成果を出したエピソードを取り上げても、結果として内容が伝わらないのでは、アピールとして意味がないでしょう。
なお、論理的な説明ができていれば論理的思考力や問題解決能力の高さに期待できるため、社会人適性のある人材として評価につながります。
論理的な説明をするためには、はじめにテーマとして結論をはっきり述べたうえで、あとから掘り下げていく説明の方法が有効といえます。
この伝え方はPREP法というため、詳細については後述の「評価される最強の構成4ステップ」の項目でチェックしてみてください。
最強のガクチカを作成する際の注意点
ガクチカで強いエピソードを使い、魅力的なアピールをするためには、以下3つの注意点もチェックしておきましょう。
- 結果だけをアピールしてしまう
- 専門用語を使ってしまう
- 曖昧な表現は使わない
ガクチカを作成する際は、せっかく取り上げる魅力的なエピソードが台無しにならないように、主に伝え方や表現方法に注意することが大切です。
では、注意点一つひとつを詳しく見ていきましょう。
結果だけをアピールしてしまう
ガクチカで作成するときは、結果だけをアピールしないように注意してください。
やり遂げたことがどれだけ素晴らしいことでも、結果だけのアピールでは、あなたが組織内でどのような役割を果たしてきたのか詳細がわからないからです。
極端な話ですが、結果だけのアピールで済むのなら、何もせずにグループに所属していただけで成果をアピールできてしまいます。
だからこそガクチカでは、問題に対して考えたことや行った施策、自分自身の役割などのプロセスが重要視されるのです。
成果のみでは、単純な実績紹介や自慢話で終わってしまうケースもあるため、注意が必要です。
自分の頑張りや役割を詳しく説明できない場合は、むしろガクチカには不適切なエピソードといえるため、自分の行動で何らかの成果や学びにつなげてきたエピソードを選びしょう。
専門用語を使ってしまう
ガクチカを書くときは、専門用語の多用に注意してください。
専門用語を使いすぎると、内容がわかりにくくなり、論理的にまとめられていても評価は高まりません。
専門用語は誰でも知っているわけではないため、ガクチカの内容は、原則として一般的に使われる言葉のみで仕上げるべきです。
志望先の業界に関係する用語でも、より専門性が高い場合は、採用担当者は知らない可能性があります。
「業界に関する言葉だから問題ないだろう」と安易に考えるのではなく、誰でも内容を理解できることを前提に、言葉選びをしましょう。
専門用語を使いすぎると、「言葉がわからない人がいるかもしれない」などの配慮ができない人というマイナス評価を受ける可能性もあります。
曖昧な表現は使わない
ガクチカを書く際は、あいまいな表現を使わないように注意しましょう。
あいまいな表現が多いと、エピソードとして信ぴょう性が薄くなり、面接の際などは「もしかして嘘なのでは」と疑われてしまう可能性があります。
また、あいまいな表現を使っていると、どの分野にも当てはまる内容に感じられてしまいます。
結果、アピールの準備不足と評価される恐れがあり、採用担当者に熱意が伝わることは当然ないでしょう。
ほかの学生との間で埋もれてしまう可能性もあるため、採用担当者の記憶に残らない原因にもなります。
ガクチカでは、エピソードの具体性が重要です。
特に課題や取り組んだ施策の内容などは、具体的に表現することで採用担当者からの評価を高められます。
プロセスが重要視されているからこそ、エピソードをあいまいな表現でぼかすことは避けましょう。
評価される最強の構成4ステップ
ガクチカを書く際は、評価されやすい構成についても理解を深めておきましょう。
ガクチカで評価されやすい構成は、PREP法です。
- Point(要点)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(要点)
PREP法は、以上4ステップの頭文字を取ったものです。
それぞれどのような書き方をしていくと良いのか、ステップごとに詳細を見ていきましょう。
Point(要点)
PREP法では、まず、要点(Point)として伝えたいことを最初に述べていきます。
論理的な物事の伝え方では、どのような内容のことでも、基本的に結論から述べることが重要です。
なぜなら、はじめにテーマ・結論・要点をはっきり伝えることで、聞き手がこれから話されることのテーマを明確に把握できるからです。
採用担当者は、最初に結論を把握した状態で話を聞くことができるため、前もって最終的に言いたいことや全体像を理解できるようになります。
結果、必要な質問もしやすくなり、学生に対して理解も深まりやすくなる仕組みです。
ガクチカの場合は、学生生活で力を入れてきたことの内容を、簡潔に伝えることが重要となります。
最初からエピソードから話さないように注意が必要です。
Reason(理由)
PREP法でガクチカを伝える場合は、次に、結論に対する理由や根拠、背景などを伝えていきます。
結論に対する最初の補足・掘り下げ箇所なので、ここから順序立てて話していくことで、採用担当者の興味関心を引くことができる流れになります。
ガクチカでは、結論で伝えた取り組んだ内容に対して、取り組んだ理由やバックグラウンドなどを話していきましょう。
「なぜ取り組んだのか」という理由や背景が加わることで、ガクチカからは、本人の人となりや価値観、興味関心などが見えてきます。
これに対して、先に理由を述べたうえで結論を話してしまうと、順番として理由を先に聞くことで採用担当者を混乱させる原因になります。
「結局何に取り組んできたのかわからなかった」と思われないためにも、ガクチカでは、必ず結論として取り組んだことを伝えたうえで、取り組んだ理由を述べましょう。
Example(具体例)
PREP法では、結論に対して理由を伝えたあとは、そのさらに補足・掘り下げとして具体例を伝えていく流れになります。
具体例によって結論を補足していくため、伝えたいことに対して、より説得力が加わることになります。
ガクチカの場合、具体例で述べていくのはエピソードです。
アルバイトのガクチカを伝える場合は、この具体例の部分で、どのようなエピソードで活躍してきたのかを話していきましょう。
その際は、数字を使ってわかりやすく成果を伝えることや、実践した施策を詳しく述べるなどの工夫が必要です。
ガクチカでは、エピソードの具体性によっては差別化ができるといっても過言ではありません。
そのため、具体例としてエピソードを伝える際は、文字数の許す限り具体的に述べることを意識しましょう。
Point(要点)
PREP法では、結論→理由→具体例ときて、最後に再び結論を述べる流れになります。
ここまで結論の補足や掘り下げをしてきた流れを受け、最終的にもう一度伝えたいことに触れ、文章を締めくくりましょう。
ガクチカでは、取り組んできたことの内容を再度強調するのとあわせて、入社後の活躍について述べることも重要です。
「〇〇を活かして△△に貢献したいです」といったように、具体的な強みの活かし方を伝えていきましょう。
これによって採用担当者は学生本人の入社後の様子をイメージしやすくなり、より自社が求める人物像に近ければ、採用を前向きに検討していく流れになります。
ガクチカでは以上のようにPREP法を意識し、論理的でわかりやすい伝え方で、強みやスキルをアピールしていきましょう。
エピソード別のガクチカの例文
ここからは、以下のエピソード別のガクチカ例文を紹介していきます。
- アルバイト①
- アルバイト②
- ゼミ
- 部活
- サークル
- ボランティア
- 留学
- 学業
- インターン
- 資格
例文を実際に見ておけば、自分らしさを担保しつつ強いエピソードを含んだ、完成度の高いガクチカを書くことができるでしょう。
では、例文を一つひとつ見ていきます。
アルバイト①
私が学生時代に取り組んできたことは、飲食店のアルバイトです。
私は人と接することが好きなため、接客に興味があり、将来に活かすためにも接客スキルを磨きたいと考えていました。
しかし、接客のアルバイトは初めての取り組みだったため、最初は失敗ばかりで現場になかなか慣れることができませんでした。
そこで私は、アルバイトリーダーの先輩から徹底的にアドバイスをもらい、一つひとつのアドバイスに忠実に従いました。
結果、接客スキルは向上し、アルバイト先の定期評価では接客スキルNo1の称号をいただくことができました。
御社に入社した際も、一つひとつのルールや決まりから忠実に学んでいく成長意欲を大事にし、お客様に満足いただけるサービスをお届けしたいと考えます。
アルバイト②
私は大学生活の中で、コンビニのアルバイトリーダーに注力してきました。
コンビニのアルバイトは高校1年生の頃から続けていたため、店長に働きぶりを評価していただき、その評価に応えたいと感じたことがきっかけでした。
当時、アルバイト先にはわかりやすいマニュアルがなく、新人アルバイトが戸惑いやすいことが課題でした。
そのため私は、自分自身が新人教育する際にも役立つと感じ、空き時間を使いながらマニュアル作りを行いました。
結果、働き方がマニュアルによって統一され、新人アルバイトが戸惑うことでの時間の無駄がなくなりました。
私はこの経験を活かし、責任感を常にもって行動できるリーダーシップも今後も鍛えたうえで、入社後も周りの模範となれる人材になりたいです。
ゼミ
私が大学時代に力を入れたのは、ゼミの研究活動です。
小学生の頃から〇〇分野に興味があり、ゼミで専門性を高めることは自分の夢でした。
しかし、先日プロジェクトに取り組んだ際は、アルバイトの繁忙期が重なり、研究活動とうまく両立できないことが悩みでした。
そこで私は、自己管理を徹底することで両立を実現しようと考え、研究のタスクをタスク管理ツールを使用しながら丁寧にこなしていきました。
これにより、進捗はいつもより良くなり、プレゼン手前で準備に追われることはなく、無事プレゼンを終了することができました。
アルバイトも欠勤することなく両立でき、教授からは研究の進め方が素晴らしかったと褒めていただきました。
入社後も必要なツールを積極的に活用して自己管理に備える姿勢を大事にし、〇〇部門の数あるタスクを丁寧にこなしていきたいです。
部活
私は大学生活の中で、剣道部の活動に力を入れてきました。
剣道は小学生の頃に一度やったきりだったため、大学生になって自分で道具を購入できる頃には、もう一度チャレンジしてみたい気持ちがありました。
冬の剣道場は非常に冷えるため、寒さによって皆のモチベーションが下がってしまうことが大きな課題でした。
そのため私は、少しでも体を温めてモチベーションを保つための対策になればと思い、練習前に皆でジョギングに出掛けることを提案しました。
これにより、ジョギングで体が温まり、練習がはかどりやすくなりました。
また、それだけでなく、ジョギング中の交流が生まれたことで、練習を始める段階から部内が明るくなったことも良い結果につながりました。
御社に入社した際も、皆の士気を上げる意識を持ち、職場の明るい空気をけん引していける人材になりたいです。
サークル
私が大学生活で力を入れてきたことは、編み物サークルの活動です。
昔から私は編み物が好きでしたが、サークル活動のように同じものを好きな人同士で楽しめる場は今までなかったため、自然と夢中になっていました。
先日は大学の学園祭がありましたが、私は作る予定の作品を多めにリストアップしてしまい、学園祭まで間に合わないことが課題でした。
そのため私は、サークル内で制作が早い先輩の編み方を学び、今までかたくなに変えてこなかった自分の制作スタイルを変更しました。
結果、クオリティを保ったまま作品をすべて仕上げることができ、それと同時に、今まで自分の編み方には無駄な動きが多かったことを知りました。
入社後も、それまでの価値観にとらわれずに柔軟に学ぶ姿勢を大事にし、企画職として、多くのアイデアを創出していきたいと思います。
ボランティア
私が学生時代に力を入れたことは、ボランティア活動です。
私には以前から社会貢献したい気持ちが強くあったため、大学で定期的に行われているボランティア活動には興味がありました。
手伝いに行った子ども食堂は、人手が足らず、常に忙しく動かなければならないことが課題でした。
中には高齢のスタッフもいたため、忙しいのでは今後成り立たなくなると考えた私は、動線の整備を提案しました。
人手が足りない根本的な解決にはならないものの、動線を整備して作業効率を高めれば、人手不足解消に少しでもアプローチできるのではないかという思いがありました。
結果、動きにくいと感じていた箇所の動線が改善され、ほかのスタッフからは「忙しさを感じにくくなった」と言っていただけました。
入社後も問題解決能力を活かし、仕事のトラブルにもすぐ対処できる人材でありたいと思います。
留学
私が大学時代に力を入れたことは、中国への留学です。
昔から私は中国文化に興味があり、大学進学後は、必ず中国留学を果たしたいと目標を掲げてきました。
留学では、最低限の暮らしのサポートはあるものの、大学の授業を英語や日本語でサポートしてもらえることはほぼありませんでした。
そのため私は、まずは話しかけにいく積極性を持ち、自分自身で半年以内にある程度のリスニングができるようになることを目標に掲げました。
結果、話しかけにいったことが功を奏し、4か月目を迎える頃には皆の中国語がわかるようになってきました。
先生からは、リスニングの上達が早すぎると褒めていただくこともありました。
御社に入社した際も、物怖じせずにコミュニケーションを取りに行く姿勢を大事にし、営業職として成果を出すことで会社に貢献したいです。
学業
私が大学時代に力を入れたことは、プログラミングの勉強です。
昔から私はプログラミングに興味があり、高校までは独学で勉強を進めてきましたが、大学進学後は本格的に技術を向上させたい思いがありました。
授業ではシステムを制作する課題が出るのですが、先日学んだ言語はなかなか理解が追い付かず、課題制作などまともにできないことが悩みでした。
そこで私は、本や学習サイトなどを活用し、わからないことをその日のうちに解決する意識を持ちました。
結果、今ではその言語もよく理解できるようになり、先日は制作物の模範として選んでいただくこともできました。
御社に入社した際も、わからないことを放置せず学ぶ姿勢を大事にし、常に成長できる人材でありたいと考えています。
インターン
私が大学時代に力を入れてきたことは、長期インターンです。
以前から本格的に業務を体験できる長期インターンに興味があり、実際に就職するまでには、長期インターンでしっかりと働くことを疑似体験しておきたいと考えていました。
長期インターンでは、お客様に対するメール返信を任されていましたが、テンプレートが整っていないせいでメール返信に時間がかかることが課題となっていました。
そこで私は社員の方に相談し、メール返信の勉強も兼ねて、テンプレートの作成を提案しました。
これにより、返信効率がアップしたことで返信速度が向上し、社員の方からは褒めていただくこともできました。
入社後も、その場で必要な対策を考えられる課題解決能力を伸ばし、事業の業務効率改善に貢献していきたいです。
資格
私が大学時代に力を入れてきたことは、資格の勉強です。
私は金融関係の仕事に就きたいと以前から考えており、そのためには、在学中にFP2級を取得することが目標でした。
私は大学が家から遠いため、往復だと毎日3時間もの時間がかかってしまい、勉強の時間を思うように取れないことが悩みでした。
そのため私は、むしろ通学時間を勉強に充てることを意識し、通学中でもできるFPの勉強法として本や学習ツールをたくさん活用しました。
結果、一度で合格することができ、時間を有効活用することの大事さを知りました。
御社に入社した際も効率的に物事をこなす要領を大事にしたうえで、会社に貢献したいと考えています。
文字数別の最強ガクチカ
ここからは、以下のとおり文字数別のガクチカの例文を紹介していきます。
- 100字
- 200字
- 300字
- 400字
- 600字
文字数によって盛り込める情報量は異なるため、例文を参考にしながら、情報の取捨選択をしていきましょう。
100字
私は在学中に、アルバイトに注力してきました。
積極的に新商品の声がけを行ったことで売上アップに貢献してきたため、この主体性とコミュニケーション能力は、社会人生活においても活かせるものだと考えています。
200字
私は大学生活の中で、ゼミの研究活動に力を入れてきました。
先日発表したテーマは調べることが多く、発表日までにリサーチが間に合わないことが課題でした。
そのため私は計画表を作り、効率的に学ぶ意識を強く持つようにしました。
結果、数ある文献をさばくことができ、教授からも調査方法について高評価をいただいております。
入社後も培った調査能力を活かし、マーケティング職として会社に貢献したいです。
300字
私は大学生活において、趣味の絵画制作に力を入れてきました。
大学は高校と比べて自分で時間を用意しやすいため、大学入学後は、大きなキャンバスに絵を描いて大作を仕上げることが目標でした。
先日の夏休み中はその作品に着手しましたが、自分で思っているよりもアイデアがうかばないことが課題でした。
そこで私は、あえてほとんど関係ないところから着想を得る意識を持ち、モチーフとは関係のない場所を散歩するようにしました。
結果、アイデアが多く生まれるようになり、筆も進むようになりました。
御社に入社した際も、従来のやり方にとらわれない柔軟な考え方を活かし、課題解決に向けて挑戦したいと考えています。
400字
私が大学生活の中で注力してきたことは、ダンスサークルの活動です。
昔からダンスに興味はあったのですが、なかなか打ち込む機会がなく、大学ではサークルに入ることで挑戦してみたいと考えていました。
しかし私はダンス初心者だったため、練習にはなかなかついていけないことが大きな悩みでした。
そのため私は、ついていけないことは基礎がしっかりしていないことが原因だと考え、先輩や友達に聞きながら、基礎をじっくり教えてもらう時間を毎日少しでも取るようにしました。
結果、ダンススキルは向上し、先日の学園祭では発表の機会をいただくこともできました。
先輩からは、基本に忠実な姿勢が素晴らしいと褒めていただいたため、やはりどのような場面でも基礎が大事であることを実感しました。
御社に入社した際も、基礎や初心を忘れずに業務に励み、常に成長していける人材でありたいと考えています。
600字
私はレストランのアルバイトリーダーとして、新人教育に力を入れてきました。
私は大学でリーダー論を学んでおり、アルバイトで新人教育に一生懸命取り組もうと思えたのは、学校で学んだリーダー論をアルバイトで実証できるのではと考えたためです。
アルバイト先のレストランは人手が少ない中でも忙しいため、いかに多忙な中で効率的に新人教育を行うかが鍵となっていました。
そのため私は、新人スタッフにはベテランの後ろについて回り、すべての動きを真似しながら行動することを教育ルールとして提案しました。
多忙な中で新人を放り出すわけにはいかず、この方法であれば、新人スタッフも実戦を疑似体験しながら学んでいけると考えたためです。
もちろん、ただ何も考えずに真似して回るだけになるリスクも自覚していたため、手が空いたタイミングでは、必ず新人スタッフから今までの動きについて質問してもらうルールも徹底していました。
これにより新人スタッフはアウトプットとインプットを良いバランスで行えるようになり、忙しい中でも教育がはかどるようになりました。
新人の一人立ちまでの時間も30%カットされ、店長からは、素晴らしいやり方を考えてくれたと評価していただく機会もありました。
私はこれにより、問題と徹底的に向き合い解決策を考えれば、解決のアイデアにたどりつけることを実感しました。
御社に入社した際も、アルバイトのリーダー経験から培った問題解決能力を活かし、コンサルタントとしてお客様に最適な解決策を提案したいと考えます。
まとめ
ガクチカはさまざまなエピソードを用いることができるため、強いエピソードは、例文などを参考にするようにしましょう。
そのうえで注意点やコツを押さえて作成することで、完成度を上げることができます。
ガクチカでは、課題解決能力や論理的思考力などがわかるため、社会人としてのポテンシャルや、本人の人となりがよくわかります。
ESや面接では必ずといって良いほど聞かれる項目になるため、ぜひ対策は万全にしておきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート