陸上経験をガクチカにしたい場合は、さまざまなガクチカのポイントを理解しておくことが大事です。
就活のガクチカでは、陸上部・サークルの経験は大きく活かせるため、ポイントを押さえたうえで魅力的なガクチカを作成することが大切です。
今回は、陸上のガクチカの書き方のポイントや、作成する際に注意すべきことなどを解説していきます。
【陸上のガクチカ】ガクチカとは
陸上のガクチカを書く際は、まず、ガクチカの概要・基礎的なポイントから押さえておきましょう。
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと・頑張ったこと」の略称です。
就活の面接やESでは、ガクチカは頻繁に聞かれる質問の一つであり、対策は欠かせません。
以下の項目では、ガクチカの基本を押さえるためのポイントとして2つのことを解説していきます。
- ガクチカを聞く理由
- 高校時代のことは使えるの?
では、ガクチカを聞く理由から、詳細をチェックしていきましょう。
ガクチカをなぜ書く必要があるのか疑問を抱いている人は、ぜひ参考にしてみてください。
ガクチカを聞く理由
企業が新卒採用にあたってガクチカを聞く理由は、主に以下のことが挙げられます。
- 人柄を知りたいから
- 興味関心を知りたいから
- 社会人適性をチェックしたいから
- モチベーションが高まるきっかけを知りたいから
ガクチカを聞けば、打ち込んだことの内容や具体的なエピソードから、本人の人となりや興味関心、モチベーションが上がるポイントなどがよくわかります。
人柄は、企業が求める人物像とマッチしているか判断するうえで重要なポイントです。
企業はミスマッチを避けて新卒採用を決める必要があるため、ガクチカなどで本人の人柄が自社の社風・雰囲気に合うか、冷静に確かめているといえます。
また、ガクチカを聞けば、そこで培ってきた能力や強みがわかるものです。
そこから一般的な社会人としての適性をチェックし、組織に溶け込める人物か評価しているともいえます。
高校時代のことは使えるの?
ガクチカを書く際は、高校時代の内容でも問題はありません。
ただし、高校時代と大学時代のことでどちらが良いかと聞かれれば、より望ましいのは大学時代のことでしょう。
高校時代のことにしか触れていないガクチカについては、採用担当者から「大学時代は何をしていたのか」「そこから大学時代はどう成長したのか」などの印象を持たれる可能性があります。
そのため、マイナスな評価を少しでも避けるうえでは、高校時代か大学時代か迷っている場合は後者を選択すべきといえます。
どうしても高校時代のエピソードに触れたい場合は、高校時代の話のみで完結させないことが大切です。
高校時代から継続して努力していることなどに触れ、大学時代の活躍をアピールすることが望ましいでしょう。
【陸上のガクチカ】企業が見ているガクチカのポイント
ガクチカを作成する際は、企業が見ている部分をあらかじめ理解しておくことが大切です。
事前に企業の狙いや意図などを認識しておけば、採用担当者に響くガクチカが書けるでしょう。
具体的なポイントは、以下のとおりです。
- ほかの学生と差別化できる内容か
- 本人の人柄やバックグラウンドが伝わる内容か
- エピソード内に工夫や対策などの行動が見られるか
- 企業に再現性が伝わるか
ガクチカは具体的にエピソードを述べる必要があるため、ほかの人と被る内容やテンプレートを感じさせる内容は避け、差別化を意識する必要があります。
具体性を意識して書けば、人柄やバックグラウンド、エピソード内の工夫・対策などの行動もしっかりと伝わります。
そのうえで、企業に再現性が伝わること、つまり入社後に活かせるガクチカ・強みだとわかることが重要です。
【陸上のガクチカ】陸上経験から得られるスキル
陸上経験をガクチカにする際は、陸上経験からどのようなスキルが得られるのかよく理解しておきましょう。
事前に得られるスキルやアピールポイントをチェックしておけば、入社後に求められるスキルとして合ったものをアピールできる可能性があります。
陸上経験から得られるスキルは、主に以下のとおりです。
- 総合的なリーダーシップスキル
- 陸上競技ならではのスキル
では、それぞれのスキルについて詳細を解説していきます。
陸上経験のガクチカを書くうえで、アピールポイントや自分の強みとして何を伝えれば良いのかわからない…となった際は、ぜひチェックしてみてください。
具体的なスキル一覧
- チームワーク
- コミュニケーション能力
- 目標達成能力
- 集中力
- 継続力
- 忍耐力
陸上経験のガクチカでは、以上のようなスキルをアピールできる可能性があります。
部活やサークルで陸上に力を入れてきた人は、チームワークやコミュニケーション能力、それに付随する気遣いの姿勢などが自然と培われるでしょう。
陸上競技は基本的に個人スポーツですが、組織の中に所属していれば周りに配慮しながら適切な行動が取れるスキルは身につくものです。
ほかには目標達成能力、集中力、継続力、忍耐力などのスキルも高まるでしょう。
これらの強みはすべて社会人になったあとも活かされるものであり、ガクチカを通じて学んだこと・得たこと・培われた能力としてアピールすると効果的です。
入社後の再現性を意識したうえで、採用担当者の印象に残りやすいアピールにつなげましょう。
陸上競技ならではのスキル
せっかく陸上経験のガクチカを書くなら、陸上競技ならでは、陸上競技だからこそ培われるスキルをアピールすることも大事です。
陸上経験では、一つの部活の部員としてチームワークが培われるのはもちろんですが、競技の多くは個人競技のためどちらかといえば「自分との戦い」です。
そのため、一つのことを徹底的に極めようとする姿勢や集中力、自分に負けない意思の強さ、継続力などが鍛えられる傾向にあります。
陸上競技ならではの強みやスキルをアピールしたい人は、以上のようなスキルを意識したうえでガクチカを作成すると良いでしょう。
ガクチカで伝えるエピソードとも結びつきやすいので、陸上競技ならではのスキルはアピールポイントとして活用しやすいはずです。
【陸上のガクチカ】具体的なガクチカの書き方
陸上のガクチカを書く際は、具体的なガクチカの書き方のポイントを押さえておきましょう。
実際にガクチカを作成するにあたって、伝えるべき要点や文章の流れがわからず、困ってしまう人は多いものです。
事前に書き方のポイントを理解しておけば、わかりやすくまとまったガクチカが書けるでしょう。
書き方で重要なポイントは、以下のとおりです。
- ストーリーテリング(エピソードを具体的に描写)
- STAR法(状況、タスク、行動、結果)を用いた構造
- 強調したいスキルに合わせた言葉選び
では、それぞれどのような点を意識して書けば良いのか、詳細を解説していきます。
ストーリーテリング(エピソードを具体的に描写)
ガクチカを書くときは、ストーリーテリングを意識しましょう。
ストーリーテリングを意識したガクチカとは、つまり、エピソードを具体的に描写することです。
いつ、どこで、誰が、何をしたのかを明確に書くことで、採用担当者にはそのシーンが詳しく伝わります。
どのように陸上に打ち込んできて、そこで何を学んだのかがイメージしやすくなるため、採用担当者の印象に残りやすくなります。
さらに、ガクチカは具体性が増すほど、ほかの学生との差別化を図れます。
一方で抽象的なエピソードでは、何を行ってきたのか、どの程度頑張ったのかが伝わりません。
ほかのガクチカにも等しく当てはまってしまうことも多いため、ガクチカは、文字数・時間が許す限りストーリーテリングを意識して具体的に述べましょう。
STAR法(状況、タスク、行動、結果)を用いた構造
ガクチカを具体的に述べる際は、説明がわかりにくくならないように、STAR法という文章の構成を用いることがおすすめです。
STAR法とは、以下の流れで構成されています。
STAR
- S(Situation):状況説明
- T(Task):タスク(自分の役割や直面している課題など)
- A(Action):自分が起こした行動
- R(Result):結果どのような変化・成果があったのか
STAR法を用いれば、そのエピソードの状況を説明したうえで自分の役割や直面している課題にスムーズに触れられます。
そのうえで、課題に対して何を行ったのか、そしてどうなったのかを順序よく説明できる流れです。
ガクチカでエピソードを書く際は、積極的にSTAR法を活用したわかりやすい文章を作成しましょう。
強調したいスキルに合わせた言葉選び
ガクチカを書くときは、強調したいスキルに合わせた言葉選びが必要です。
ガクチカで培ったスキルとして例えば「継続力」をアピールする際は、そのまま継続力と表現しても問題ないですが、より表現に工夫を加えたほうが印象に残りやすくなります。
ほかの学生との差別化や、自分のオリジナリティのアピールにもつながるでしょう。
さらに、スキルの具体性がアップすることで、どのような強みを持った学生なのかがより伝わりやすくなります。
継続力をアピールするなら、たとえば「困難な状況でも自分の意思を強く持ち、一つのことを継続する能力」と具体的に述べることが望ましいです。
「ガクチカの完成度をもっと上げたい」「自分の強みをもっと魅力的に伝えたい」と考えるのであれば、強調するスキルに合わせ、さまざまな言葉選びを検討しましょう。
【陸上のガクチカ】面接で聞かれる質問への答え方
陸上のガクチカを書く際は、面接に備えて、面接で聞かれる質問への対応も考えておくと良いでしょう。
ここからは、以下の点について適切な答え方などを紹介していきます。
逆質問への対策
志望動機との関連付け方
特に、逆質問は面接において対策が必須といえる項目です。
「面接の逆質問をどう乗り切れば良いのかわからない」と不安に感じている人も多いでしょう。
まずは以下から詳細をチェックし、対策を万全にしましょう。
逆質問への対策
就活の面接では、必ずといって良いほど、最後に逆質問を求められます。
面接の締めくくりとして「何か質問はありますか?」とこちらから質問する機会を設けてもらえるため、基本的に何も質問しないことはNGです。
逆質問では、企業に対する理解度や入社への熱意、自己理解の深度などが主な評価ポイントとなります。
企業に興味を持っていなければ、企業のことについて適切な質問はできません。
なお、逆質問の例は以下のとおりです。
- 今回陸上部の部長を経験して培ったリーダーシップを伝えさせていただきましたが、御社には新卒社員がリーダーを経験できる機会はありますでしょうか。
- 〇〇様にとって、仕事で最もやりがいを感じられる瞬間はどのようなときでしょうか。
- 御社の〇〇事業に興味を持っていますが、入社後に携われるチャンスはありますでしょうか。
- 入社までに勉強しておくべきことを教えてください。
- 御社の〇〇に魅力を感じていますが、取り組みを始めたきっかけを教えていただきたいです。
逆質問を考える際は、業界・企業研究、自己分析を忘れずに行うようにしましょう。
志望動機との関連付け方
陸上のガクチカを書く際は、志望動機との関連付けも必要といえます。
重要なのは、志望動機でアピールしていることとガクチカの内容に一貫性があることです。
たとえば志望動機で「〇〇でチームワークを培ったので、△△に興味を持ち志望した」と述べているのに対して、ガクチカで「個人で強い意思を持って競技に集中する力」を強みとして伝えているのでは、アピールの内容に一貫性が感じられません。
「チームワークと個人プレーどっちが得意なの?」という疑問が生まれる原因になり、採用担当者も人となりをつかみにくくなってしまいます。
そのため、ガクチカを考える際は、志望動機との親和性・一貫性を意識することも忘れないようにしましょう。
なお、就活では志望動機以外にも自己PRや長所などもよく聞かれるため、それらとの一貫性もしっかり意識したいところです。
【陸上のガクチカ】面接官の印象に残りやすいガクチカ
ここからは、陸上のガクチカとして、面接官・採用担当者の印象に残りやすい例文を紹介していきます。
重要なのは具体性と文章のわかりやすさで、読んだことで人となりが伝わることです。
紹介するのは、以下4つの例文になります。
例文
- 陸上×部活のガクチカ
- 陸上×サークルのガクチカ
- 選手としてのガクチカ
- マネージャーとしてのガクチカ
陸上のガクチカを書くにあたって例文を参考にすれば、より文章の流れや表現方法をイメージしやすくなります。
具体的な書き方がわからないときは、ぜひチェックしておきましょう。
陸上×部活のガクチカ
私は学生時代に、陸上部の活動に力を入れてきました。
陸上経験は中学生の頃からありましたが、今まで活動への姿勢が中途半端だった自覚があったため、大学では一生懸命取り組むことで結果を出したい思いがありました。
しかし、入部しや陸上部は部員も少なく、コーチが来てくれる日も限られていたため、部内ではモチベーション管理が大きな課題でした。
そこで私は、タスク管理ツールを活用し、皆それぞれがやるべきことを共有し合うように提案しました。
結果、目標ややるべきことの共有によって緊張感と励まし合う空気が生まれ、私自身も記録更新を果たせました。
今後も陸上部で培った周りの士気を高められる団結力を活かし、チームワークを重視する御社でも積極的に活躍していきたいです。
陸上×サークルのガクチカ
私が学生時代に力を入れてきたことは、陸上競技サークルの活動です。
昔から陸上部で活躍してきた兄の影響から、陸上競技に興味を持つことは以前から多くありました。
しかし、私は生活費を自分で稼ぐ必要があったため、アルバイトとうまく両立できるかどうかが課題でした。
そのため、私は毎週月曜日に1週間の予定を細かく決め、予定に沿って行動することでサークル活動をおろそかにしない姿勢を大事にしました。
結果、アルバイトもサークル活動も休むことなくこなすことができ、〇〇市主催のマラソン大会でも初めて入賞を経験しました。
入社後も、困難な状況でもぶれない自己管理能力を発揮し、マルチタスクを求められる場面でも円滑に業務をこなしていきたいと考えます。
選手としてのガクチカ
私は学生時代に、陸上競技の全国大会で活躍してきました。
陸上は小学生の頃から続けてきており、念願だった全国出場を大学時代では絶対に果たしたい思いがありました。
しかし私は、去年スランプに陥ってしまい、何をしてもタイムが伸びないことが課題でした。
このままでは全国出場は難しいと考え、私は自分の殻に閉じこもってばかりいるのではなく、周りのアドバイスを参考にすることを徹底しました。
結果、コーチだけでなく先輩やほかの大学の陸上仲間、家族、アルバイト先の友人などさまざまな人からアドバイスをもらうことができ、フォームの悪い癖を直すことができました。
全国出場も実現し、今までの競技人生の中では最も良い結果を残せました。
入社後は問題と徹底的に向き合って解決に導く能力を活かし、お客様に最適なソリューションを提案していきたいです。
マネージャーとしてのガクチカ
私は大学時代に、陸上部のマネージャーとして活動に集中してきました。
昔から私は気遣いについて周りから褒めてもらえることが多かったため、この能力を活かして人間力をさらに高めたいと思ったことが入部のきっかけです。
しかし、大学の陸上部は強豪校ということもあり、マネージャーにも常に意識の高さが求められたため、最初は何をすれば良いのかわからず悩むことが多くありました。
そこで私は、マネージャーリーダーの動きをよく見て行動することを徹底し、わからないことがあれば些細なことでも空き時間にリーダーに質問しにいきました。
結果、現在ではよく気が利くマネージャーとして周りに評価してもらえるようになり、昨年からは私自身がマネージャーリーダーを任されるようになりました。
入社後は、徹底的に学んで成長する意欲を忘れず、第一線で活躍できる社員として会社に貢献していきたいと考えています。
【陸上のガクチカ】陸上のガクチカを作る際の注意点
陸上のガクチカを作る際は、内容の完成度を高めるためにも、以下の点に注意する必要があります。
- 強み・スキルと陸上のエピソードに関連性があるかチェックする
- 完成したら終わりではなく必ず添削して内容を見直す
ガクチカを書く際は、アピールする強みと陸上のエピソードに関連性があるか、入念にチェックしましょう。
極端な例ですが、陸上競技で記録を更新したことをエピソードとして述べている中で、いきなりコミュニケーション能力が強みだと伝えても採用担当者はピンと来ません。
強みや学んだことを伝える際は、必ず「このエピソードだからこそ鍛えられた強み・学んだこと」であることが重要になります。
また、ガクチカ完成後は、必ず添削を行ったうえで内容の見直し・推敲を徹底しましょう。
必要に応じて家族や友人にチェックしてもらったり、添削サービスを利用したりするなどの対策を実践することが望ましいです。
【陸上のガクチカ】まとめ
陸上競技のガクチカでは、さまざまな強みや自分の魅力を伝えられます。
そのため、大学時代に陸上に力を入れてきた人は、ガクチカのエピソードとして積極的に取り上げていきたいところです。
その際は、ガクチカを書くときのポイントや、具体的な文章構成などを知ることが重要といえます。
採用担当者に響く内容に仕上げるためにも、評価されるポイントを理解することも欠かせないでしょう。
具体的な例文もチェックしつつ、頑張ってきた陸上経験をしっかり活かせる、魅力的なガクチカを作成してください。
こちらの記事は部活動のガクチカについて詳しく解説しています。
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明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート