はじめに
人と接する仕事がしたい人には、接客販売職の求人が人気です。
就活において販売職で見事内定をもらうためには、しっかりとした志望動機が必要になってきます。
履歴書や面接でアピールできる志望動機の内容や書き方のコツを紹介します。
接客業の分野を希望する人は参考にしてください。
販売職の仕事内容
ブレない軸があり内容の濃い志望動機を作成するためには、まずは販売職の業務内容について知っておくことが大切です。
そもそも販売職とは、どのような仕事をするのでしょうか。
もちろん企業によって細かい仕事内容は異なりますが、一般的な販売職における業務について見ていきましょう。
商品の販売
当然のことながら、販売職のメインの仕事は商品の販売です。
扱う商品も販売方法も企業によって多種多様ですが、いずれにせよ商品を売ることで利益を得ることが販売業の役割といえます。
自社ブランドの商品を販売する会社もあれば、委託商品を扱うところもあります。
またレンタル販売といった形も近年は増えてきました。
スーパーやショッピングモールのテナント、ホームセンターに書店などお店の種類もさまざまです。
販売方法にしても、実店舗の店頭で売る形式もあれば、イベントメインで販売しているところもあります。
旅行代理店のように目には見えない商品を扱う販売もあれば、自社ブランドの売りとする商品をアピールする仕事もあります。
ここではスーパーやアパレル店のような実店舗で接客販売する仕事について、業務内容を少々見ていきましょう。
まずは店を訪れたお客様に対して必要に応じた接客をして商品説明を行います。
お客様が選んだ商品を受け取り、レジで会計します。
店舗によっては、購入された商品をラッピングすることもあるでしょう。
接客とレジ打ち、ギフト対応や集客などが主な業務です。
商品のレイアウト決め
アパレル店や雑貨屋、スーパーなどでは商品の陳列作業も大切な業務です。
お客様が見やすく購買意欲をそそるようなレイアウトを考えなければいけません。
ディスプレイに関しても、扱う商品によって並べ方のポイントは異なります。
ファッションアイテムであれば、トルソーを利用して新商品や流行のアイテムをアピールします。
ワゴンでセールを行う場合もあるでしょう。
雑貨や家具類を扱うお店では、まるでモデルルームのようなセンスのあるレイアウトが重要になってきます。
服や雑貨のディスプレイは、色やデザインを上手にコーディネートしたレイアウトが大切になります。
一方、スーパーやコンビニエンスストアでは、商品のジャンル別に見やすく並べていきます。
要冷蔵の食品類もあるので、お客様が安心して購入できるレイアウトが必須です。
レイアウトの方法として、陳列以外にポップ描きが必要となる職場もあるでしょう。
ポップとは、商品についての詳細説明やプライスを分かりやすくカードなどに書いて掲示したものです。
インパクトがあり商品価値が伝わるポップを作成することで、お客様の購買意欲が高まります。
店舗の運営
店舗運営とは、言い換えれば「店作り」のような意味合いです。
いかに魅力的なお店にしてお客様に来てもらうかが、店舗運営の基本です。
集客がなくなってしまうと、利益を得ることができなくなります。
販売職において、店舗運営は非常に重要な業務といえるでしょう。
基本的なことですが、商品を販売する場所は、常に清潔で美しく保つ必要があります。
そのために店の前と店内の掃除や整理整頓は欠かせません。
また集客を得るためのマーケティングも大切になってきます。
看板やチラシ、メルマガなど集客につながる方法は多種多様ですが、その店に合う効果的な方法を見つけ出して実践することが大事です。
さらにスタッフの教育として、接客マナー研修などを提案して行う企業も多いです。
店長などの役職だけでなく、スタッフみんなで魅力的な店づくりをしていくのが理想的でしょう。
販売職でアピールすると良いポイント
就活において、販売職を受ける場合にアピールするべき強みについて解説します。
業務内容を把握すれば、仕事をするにあたってどのような能力が求められるのかが分かってくるはずです。
自分の長所や強みと照らし合わせて重なる部分があれば、しっかりとアピールしていきましょう。
接客経験
販売職を志望する人は、人と接する仕事がしたいと考えている人も多いはずです。
学生時代や前職で接客経験があることは、面接でも高い評価につながります。
服や日用品といった商品を販売した経験はなくとも、飲食店で接客していたエピソードも良いアピールになるでしょう。
そのほか、バスガイドや営業など、人と関わる仕事の経験があるのであれば話しておきたいものです。
接客経験がある人は、接客マナーが身に着いている点がまず大きなメリットです。
さらに笑顔やコミュニケーション能力も期待できます。
接客スキルやマナー、コミュニケーション能力などをアピールすると良いでしょう。
人から感謝された経験
販売業は、お客様に喜んでもらうサービス精神も必要です。
人に感謝されることが多い人は、思いやりや傾聴力のある人だといえます。
接客販売業では、お客様の立場になって物事を考える姿勢が基本です。
何かを探して困っている人がいれば、空気を読みながら声をかけて希望に合いそうな商品を提案していきます。
お客様の気持ちを汲み取ることが、商品購入へとつながるのです。
一方的に商品価値を話しておすすめしても、お客様の気持ちは掴めません。
逆に、離れていってしまうこともあるでしょう。
何かしら人から感謝された経験があるなら、気配りの気持ちや思いやりがある証拠です。
具体的なエピソードを話すとともに、自信を持ってそうした強みをアピールしてはいかがでしょうか。
マネジメント経験
販売という職種も、企業によってそれぞれ職場の形式が異なります。
全国各地に実店舗を構え、社員数人とアルバイトスタッフで販売業務を行うところも多いでしょう。
その場合、店長として店のスタッフをまとめる人材が各店舗に必要になります。
さらに売り上げ管理を行う立場の人もいなくてはなりません。
販売職には、マネジメントスキルのある人が必要不可欠といえるのです。
そこで販売職を受けるにあたって、マネジメントスキルのある人材が有利になります。
言うなれば、「部下や後輩に対する管理業務を行うスキル」です。
とはいえ特に学生の場合は、マネジメント経験などないと感じる人が多いのではないでしょうか。
しかしながら、何らかの役職に就くことだけがマネジメント経験ではありません。
例えば学生時代に部活やサークル活動でキャプテンやマネージャーを任されてメンバーを率いた経験もマネジメント経験といえます。
またアルバイトでチームリーダーとして頑張ったエピソードも、言うなればマネジメントになるわけです。
何かしらリーダー的な立場でみんなを引っ張った経験があるのであれば、ぜひともマネジメントスキルとしてアピールしたいものです。
企業によっては、具体的なマネジメントスキルを求めているところもあります。
そのような指定のくくりがないのであれば、マネジメント経験になりそうな強みはどんどんアピールしていきましょう。
就活では、肩書きよりも経験やリーダー適性が求められるのです。
販売職の志望動機の書き方ポイント
履歴書や面接で志望動機を作成するときには、ポイントを押さえることで面接官に好印象を持ってもらうことができます。
せっかく強い意志があっても、書き方一つで伝わらない可能性も出てきます。
内定へとつながる効果的な志望動機の書き方について知っておきましょう。
結論から話す
志望動機だけでなく、全ての質疑応答の回答は結論から話すことが重要です。
結論とは、自分が一番言いたいことです。
ダラダラと長い前置きをするのではなく、最初に簡潔に結論を述べるようにします。
そうすることで面接官も何が言いたいのか理解しやすいですし、話している自分自身も頭の中で整理しやすくなります。
販売職における志望動機を話す場合には、「私は学生時代の接客業で培ったコミュニケーション能力を御社で生かしたいのと、インテリアコーディネーターの資格も活用できると思い、御社の販売職を志望しました」といった書き出しが良いでしょう。
この志望動機であれば、コミュニケーション能力とインテリアコーディネーターの資格の2点を簡潔ながらも的確にアピールできています。
志望する理由を具体的なエピソードを交えて話す
志望動機の結論を述べた後には、それを裏付ける体験談やエピソードを話していきます。
「〇〇の能力を生かしたい」と結論を話しても、それだけではリアリティがなく具体性に欠けるのです。
きちんとそれを証拠付ける体験談を話すことで、面接官はその能力を信じることができます。
説得力のあるエピソードを考えることは大切な作業となります。
そのためには、できるだけ具体的で理論的な話をしなければなりません。
数字を用いるなどして、より一層リアリティを感じさせる体験談にしたいものです。
入社後、その会社に何が貢献できるのかを伝える
販売職に向いている能力をアピールして入社したい意欲も伝えたところで、入社後に能力をどう生かしてどんな仕事をしたいのかが分からなければ、内容が薄くなってしまいます。
面接官は、自社で活躍してくれる人材を求めています。
目の前の就活生を見て、自社で活き活きと働いている姿がイメージできるようであれば、ぜひとも自社に来てほしいと思うでしょう。
志望動機では、入社後のビジョンや目標、夢などを伝えることも忘れてはなりません。
その会社に入社して、どのように貢献していきたいのかを最後にまとめます。
そのためには、念入りな企業研究が欠かせません。
内定につながる志望動機制作の下準備として、希望する会社についてはしっかりと調べておきたいものです。
販売職における志望動機にどんなエピソードを用いる?
販売職における志望動機ではどのようなエピソードをアピールすると良いのでしょうか?
エピソードをどのように選ぶべきかお話します。
4通りほどエピソードを例として挙げますので参考にしてみてください。
実務経験は好印象
まず、実務経験がある場合はそれをアピールするようにしましょう。
アルバイトやインターンなどで実務経験を積んでいる場合は、それが直接企業の入社後にも活きます。
実務経験ではさまざまなことを学べるはずです。
自分なりに学んできたことを活かせる旨をアピールしましょう。
人に褒められた経験をアピール
実務経験がある場合もない場合も、人に褒められた経験をアピールすると印象がいいです。
実務経験がある場合は、自分が業務において工夫したことで同僚やお客様にご満足いただけたエピソードなどがあればそれを話しましょう。
お客様アンケートに書いてもらえたことや、直接褒めてもらった経験は、ただ普通に働いているだけではできない経験です。
自分が仕事においてきちんと向き合った成果として裏付けに使えます。
また、実務経験がない場合も、人とのコミュニケーションで褒められた経験があればそれを説明するようにしましょう。
人助けをしたり、部活などの活動に工夫を取り入れたり、さまざまな内容が考えられます。
挫折経験も注目される
挫折経験も企業からの好印象を獲得できる内容の一つです。
挫折経験はそこからどのように立ち直ったのか、どのように問題を解決したのかに焦点を当てる必要があります。
企業に入社後、課題解決能力や気持ちを切り替える力は重宝されます。
挫折経験は
ただ挫折しただけではなく、その後解決するまでが大事なのです。
実務経験がなくてもアピールできることはある
実務経験がなくてもアピールできることは沢山あります。
部活や他の業種のアルバイトなど、継続してきたことなどを思い返してみましょう。
継続する上で、工夫したことはありませんか?
販売職はただ働くだけではいけません。
お客様に満足してもらえるように常に自分で考えて動く必要があるのです。
自分で工夫したエピソードがあると企業でも役に立つ人材であることをアピールできます。
販売職の志望動機の例文
具体的に、販売職の志望動機の例文を3つ挙げます。
文章の書き出しや組み立て方をはじめ、エピソード内容やまとめ方について参考にしてください。
面接では緊張して思うように話せなくなる人も多いです。
志望動機は事前に文章にしてまとめるようにしましょう。
例文①
私は学生時代に服屋のアルバイトでバイトリーダーを任され、店づくりの楽しさとやりがいを知りました。
御社での店舗販売業で、こうしたマネジメントスキルや接客力を生かしたく思い志望いたしました。
また服が好きで御社の〇〇ブランドの素材の良さやセンスは素晴らしいと実感しております。
大好きなブランドで接客販売をしている自分を想像するだけでワクワクしてしまいます。
服屋のアルバイトでは、店長が正社員で残りの数名がアルバイトというシステムで毎日稼働しておりました。
私はリーダーとして、アルバイトの人間のシフト管理をはじめセールなどのイベント企画や新作のディプレイを任されていました。
販売職では、店の見せ方が非常に大切だと思います。
いかにお客様に魅力的に感じてもらえるかを常に考えて、さまざまなレイアウトを試しました。
ポップ描きもイラスト付きで説明するといった工夫を凝らすことで、高い効果を得ることができたと思います。
御社では、ゆくゆく店長として関西ナンバー1の店舗を目指すことが夢です。
お客様が楽しめる店づくりをしていきたいです。
例文②
私はコールセンターでのアルバイトを学生時代にしておりました。
電話で化粧品について紹介する仕事でしたが、お顔が見えないだけになおさら丁寧で分かりやすい話し方をしなければなりません。
御社はマダム層相手のアパレル販売ということで、質の高い上品な接客が求められると思います。
コールセンターの仕事で得た接客マナーや話し方をぜひとも御社の売り場で生かしたいと思い、志望いたしました。
コールセンターの仕事では、クレーム対応をすることもありました。
そんなときでも私は、落ち着いてお客様の話を聞いて臨機対応な電話対応をすることができて会社でも褒めていただいたのです。
マダム相手となると、細かい気配りも必要になると思います。
クレームのようなことをおっしゃる方もおられると思いますが、そんなときでも私は丁寧に対応する自信があります。
会社説明会では、東京の都心部に大きな店舗を構える予定だとお聞きしました。
優秀な人材にそこの店長を任すとのことでしたので、私はぜひともそちらでの店長を目指して頑張りたいと思います。
例文③
「私は、学生時代は生徒会の副会長として20名ほどのメンバーをまとめて学校が楽しく過ごしやすくなるための運動をしておりました。
そこで必要になるのが、みんなの意見を聞いてまとめるコミュニケーション力です。
生徒会のメンバーだけでなく、在学中の生徒のみんなとも常に交流していろいろな意見を聞く必要があります。
正直、販売職は未経験ですが持ち前のコミュニケーション力と人に好かれる人柄を御社の職場で生かしたいと思い志望しました。
御社は食品から日用品や衣服まで幅広い種類の商品を扱っており、子どもからご年配の方までが訪れるお店です。
だからこそ、どんなタイプのお客様とも気持ち良く対応できて必要な商品を提案することが大切だと思います。
生徒会でもあらゆるタイプの人と関わってきましたので、御社でも自身のコミュニケーション能力は発揮できると思います。
御社では、イベント業のほうも今後力を入れていかれると聞きました。
生徒会でもさまざまなイベントを企画実践してきましたので、そちらのプロジェクトにもゆくゆくは参加したいと思っております。
まとめ
販売職の志望動機を考えるときには、まずは仕事に生かせる自身の強みを洗い出してみましょう。
そしてその強みを生かせるエピソードを思い起こして、会社に貢献したい気持ちを伝えることが大切です。
無事に内定をもらえるために、自己分析と企業研究をして説得力のある志望動機を作成したいものです。