志望動機の重要性が高いのは、一般企業の選考だけでなく教員採用試験でも同様です。
そこで今回は、教員採用試験における志望動機でどのような点が見られているのか、どのように作成すれば良い印象を与えられるのかについて詳しく紹介します。
記事の最後には15個と豊富に例文も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次[目次を全て表示する]
【教員・教諭の志望動機】教員・教諭の志望動機の書き方
志望動機を書く際には、以下の構成で作り上げると良いでしょう。
- 結論(その企業・学校を通して成し遂げたいこと・想い)
- そう考えるようになった原体験
- なぜその業界か
- なぜその企業か
- 結論(入社後・入校後にどうしていきたいか)
論理的な構造になっており、説得力の高い志望動機を作り上げることができます。
1. 結論(その企業・学校を通して成し遂げたいこと・想い)
まず最初に、自分がその企業を通じて成し遂げたいことを端的に述べます。
志望動機の核となる部分であり、「私は○○を実現したいと考えています」といった形で、明確に伝えることが重要です。
- 企業を志望する理由が明確に伝わる内容にする
- 具体的なキーワードを入れる(例:通信を通じて人々の生活を豊かにしたい、DX推進で企業の課題を解決したい など)
- 企業の事業内容と自分の目標が合致していることを示す
2. そう考えるようになった原体験
結論に説得力を持たせるために、自分がその目標を持つに至った背景や原体験を述べます。
どのような経験を通じてその想いを抱くようになったのかを具体的に説明しましょう。
- 自分自身の経験に基づいたエピソードを盛り込む
- その経験を通してどのように考えが変化したかを示す
- できるだけ具体的な事例を用いる(例:インターンでの経験、学生時代の活動 など)
3. なぜその業界か
次に数ある業界の中でも、その業界を選んだ理由を説明します。
単に「興味があるから」ではなく、自分の経験や目標と業界の特性がどのように結びついているのかを明確に伝えましょう。
- その業界の社会的な役割や成長性に触れる
- 具体的な業界の特徴と自分の志向・経験がどのように合致するかを説明する
- 競合他社の業界と比較して、その業界ならではの魅力を述べる
4. なぜその企業か
業界の中でも特にその企業を選ぶ理由を説明します。
企業ごとの特徴や強み、自分が共感するポイントを具体的に述べることで、志望の本気度を伝えましょう。
- 企業のビジョンや理念に共感した点を述べる
- 企業の事業内容や強みと自分の経験・スキルがどのように合致するかを示す
- 具体的な企業の取り組みや文化に言及する(例:○○事業の成長性、○○という独自の取り組み など)
5. 結論(入社後・入校後にどうしていきたいか)
最後に、入社後・入校後にどのように活躍したいかを述べます。
最初に述べた「成し遂げたいこと」を実現するために、具体的にどのように貢献したいかを明確に伝えましょう。
- 入社後・入校後のキャリアビジョンを具体的に示す
- 企業の成長にどのように貢献できるかを説明する
- 長期的な視点での目標を持っていることを伝える(例:○○分野での専門性を高め、新規事業の立ち上げに携わりたい など)
【教員・教諭の志望動機】志望動機で見られるポイント
まずは志望動機でどのような点が見られるのかについて紹介します。
以下の3点はどのような学校でも採用担当者が必ずチェックしているポイントです。
これらの要素が文章からにじみ出てくるような質の高い志望動機を提出し、採用に一歩近づきましょう。
1.教育に対する想いがあるかどうか
当然ですが、教員採用の場においては教育そのものに対してどのような思いを抱いているかが非常に重視されます。
なぜなら、教育は知識や技術の伝達だけでなく、生徒一人ひとりを人間的に成長させる場所であり、教員自身の理念や価値観が日々の指導や対応に大きく影響を与えるからです。
特に、長期的な信頼関係の構築や困難な状況にも立ち向かう姿勢が求められるため「教育を通じて何を実現したいのか」といった根本的な思いが明確に語られていることが重要です。
「子どもが成長する瞬間に立ち会いたい」といった気持ちを自分の原体験や具体的なエピソードと結びつけて伝えることで「理想論」ではなく「現実的な志望動機」として説得力を持たせられるでしょう。
2.教育分野で何を達成したいか
教育の仕事はやりがいが大きい一方で、日々の業務や責任の重さ、想定外の対応が求められる場面が日常茶飯事であり、簡単に成果が見えるものではありません。
したがって、明確な目標やビジョンを持っていないと、困難に直面した際に気持ちが折れてしまう可能性が高いです。
採用側は「その人が教育分野で何を成し遂げたいのか」「どのような価値を子どもたちに提供したいと思っているのか」という未来志向を重視しています。
「生徒の自己肯定感を高める指導がしたい」「学びの土台となる習慣を育てる教育がしたい」といった目標を、教育方針と重ねて伝えるとより効果的です。
3.目標を達成する力があるかどうか
教育に対する思いや目指すべき目標を掲げることは大切ですが、それ以上に目標を実現する力があるかどうかも、採用側は重視します。
特に教員は知識を教えるだけでなく、生徒や保護者、同僚とのコミュニケーションや問題解決を日常的に行う職業であり、目標に向けて粘り強く行動できるか、柔軟に工夫できるかといった実践的な力が必要です。
そこで、志望動機では目標を達成するために取った行動など、過去の経験に基づいた具体的なエピソードが求められます。
アルバイト、ボランティア、教育実習などでリーダーシップを発揮した経験や、生徒の変化に向き合ってきた取り組みを伝えることで、目標達成力の裏付けができるでしょう。
意欲や想いだけでなく、それを行動に移せる実践力があることを明確にすることが大切です。
【教員・教諭の志望動機】学校別に見られるポイント
続いて、学校別にどのようなポイントが見られているのかについて詳しく紹介します。
あなたがどのタイプの学校を受けるかによって、意識しなければならないポイントは多少異なります。
ぜひ自分が受けようと思っている学校が志望動機において注目しているポイントを理解しておいてください。
幼稚園の場合
幼稚園教諭を目指す上で重視されるのは、まず第一に子どもと共に過ごす時間を心から楽しめるかどうかという姿勢です。
幼稚園では小学校のような教科学習は行われず、子どもが自由に遊びながら学ぶことが基本です。
したがって、知識や教える技術以上に、子どもの目線で一緒に遊び、気持ちに寄り添うことができる柔軟性や観察力が求められます。
また、園内では体を張った遊びが多くなるため、体力や持久力があるかどうかも見られるポイントです。
さらに、まだ言葉で感情をうまく表現できない年齢の子どもも多いため、些細な仕草や表情の変化に気づける感受性や優しさも重要です。
小学校の場合
小学校教諭には学力の基礎を教えるだけでなく、社会性や人間性の土台を築く役割が求められます。
6年間という長い期間にわたり、一人ひとりの成長を見守る存在となるため、子どもが好きかどうか、じっくり寄り添えるかどうかといった人間性が強く見られるのが特徴です。
特に低学年と高学年では発達段階も異なるため、それぞれに応じた接し方ができるか、指導に柔軟性があるかどうかも評価の対象になります。
また、学級経営や生徒指導も教員の重要な役割であるため、子ども同士のトラブルを適切に見守る力や、保護者と円滑に信頼関係を築く力も重要です。
中学校の場合
中学校は心身の大きな変化が起こる思春期にあたり、教員には生徒の複雑な感情に寄り添う力が強く求められます。
この時期は自立心が芽生える一方で、不安や劣等感、反発心が強まるため、教員にはただ知識を教えるだけでなく、信頼できる大人としての存在感が必要不可欠です。
生徒との距離感をうまく保ちつつ、しっかりと見守るバランス感覚や、時には厳しく指導する覚悟、そして何より、生徒を信じて待つ姿勢が重要です。
教科指導の難易度も高くなるため、専門的な知識をわかりやすく伝える力も求められます。
「なぜ中学生と関わりたいのか」といった観点を重視し、自分が中学生と接した経験や、当時、感じた思いなどを具体的に語ると説得力が増します。
高校の場合
高校生は自分の進路や生き方について本格的に考え始める時期であり、教員には学力指導に加えて、生徒の進路指導やキャリア支援の力が強く求められます。
大学進学・専門学校・就職といった多様な選択肢の中から、生徒が納得のいく道を選べるよう適切にサポートできる姿勢があるかが重要です。
また、アルバイトや交友関係、校外での活動も活発になる時期であるため、自立を促しながら自身の価値観を持ち続ける力が問われます。
志望動機は「高校生にどう関わりたいか」「どのような成長支援をしたいか」という点を意識し、自分自身が高校生だった頃の経験や教育実習でのエピソードなどを交えて具体的に語ると、気持ちの強さが伝わりやすくなります。
特別支援学校の場合
特別支援学校では知的・発達・身体的な障害を持つ児童生徒一人ひとりの特性に応じた支援を行うため、障害への理解と寄り添う姿勢が何よりも重視されます。
したがって、知識や技術以上に「児童・生徒とどう向き合っていきたいか」という思いが志望動機において問われます。
子どもの変化や成長のスピードは人それぞれであり、その小さな一歩を喜び合える感受性や粘り強さ、そして何度も試行錯誤できる柔軟な対応力が必要です。
また、保護者との関わりや、他の教職員・専門職との連携も多いため、チームで協力しながら支援にあたる姿勢も欠かせません。
【教員・教諭の志望動機】志望動機を書く前の準備3選
志望動機を書く前に、ぜひ取り組んでいただきたい準備についても紹介します。
早速書き始めたいと思っている人も多いでしょうが、以下の準備を行ってから取り組む方がクオリティが高まりますし、何よりスムーズに作成できます。
「急がば回れ」とも言いますから、ぜひまずは以下の準備に取り組んでみてください。
業界研究をする
教員採用試験で良い印象を与えるためには、まず教育業界全体に対する理解を深めておかなければなりません。
教育現場は現在、多様な課題を抱えており、教員の働き方改革、ICTの活用、インクルーシブ教育の推進、不登校支援の強化など、学校現場では従来の教育方針からの転換が求められている状況です。
そうした背景を踏まえた上で、自分がどのような視点で教育に関わりたいのか、また社会の中で教員としてどのような役割を果たしたいのかを考えることで、より説得力のある志望動機を構築できます。
業界全体に対する興味や課題意識があることを示すと「教えることが好き」という動機から一歩踏み込み、教育を取り巻く現実を理解した上での志望であることを伝えられるでしょう。
学校理解を深める
次に大切なのは、志望する学校や教育委員会の方針や特色を理解しておくことです。
教育には全国で共通の部分もありますが、自治体や学校ごとに方針・重点施策・求める教員像などが異なります。
Aの自治体では学力向上を重視している一方で、Bの自治体では地域と連携した体験学習や心の教育を重視している、などのケースも多いです。
こうした背景を知らずに志望動機を書くと、どこにでも通じる抽象的な内容になってしまいます。
自治体・学校が発信している教育目標、重点施策、学校運営方針、教育実践報告などの資料を読み込み、その学校に合わせた具体性のある志望動機を作りましょう。
自己分析を進める
志望動機を書くための準備として、自己分析も欠かせません。
「なぜ教員という職業を目指すのか」「どのような教育を行いたいのか」「どの年齢層の子どもたちと関わっていきたいのか」といった問いに、自分なりの答えを持っておく必要があります。
また、自分が影響を受けた教員とのエピソードや、部活動・ボランティアなどの経験を振り返ることで、自分が何を大切にし、どのような指導をしていきたいかが明確になるでしょう。
こうして整理した内容はそのまま志望動機の「核」となる部分に反映できます。
【教員・教諭の志望動機】志望動機を作る際のポイント
志望動機を作成するにあたって意識しておいていただきたいポイントについても紹介します。
このポイントは学校教員としての志望動機だけでなく、一般企業の志望動機を作成するにあたっても共通する要素です。
ぜひ、教員と一般企業を併願している方も参考にしてみてください。
結論ファーストにする
志望動機を作成する際は、真っ先に伝えたい結論をはっきりと述べる「結論ファースト」の構成を意識することが欠かせません。
採用担当者は大量の応募書類を読まなければならないため、冒頭から何を伝えたいのかがわからない文章では印象に残りにくく、読み飛ばされてしまいます。
「私が〇〇を志望する理由は△△だからです」と最初に要点を提示すれば、読み手はその後に続くエピソードや理由をより深く理解できます。
また、面接の場面でも限られた時間の中で話す内容を分かりやすく伝えるためにはまず結論を述べ、その後に補足情報を加える話し方が求められます。
「結論ファースト」は論理的かつ明確な印象を与えるとともに、自分の考えを整理する上でも役立つ手法であるため、自己PRやガクチカを作成する際にも覚えておいてください。
1文を短く伝える
志望動機を伝える際は1文を短く、簡潔に書くことを意識しましょう。
文が長くなると構造が複雑になり、読み手が意味を取り違えたり、内容を最後まで理解できなかったりしてしまいます。
特に教育現場においては相手にわかりやすく伝える力が求められ、志望動機の文章からもその能力の高さを感じさせることが大切です。
情報を詰め込まず、1つの文には1つの主張や事実、つまり「一文一義」を意識することで情報の整理がしやすくなります。
「私は小学校教諭を目指しています。子どもの成長を支えることに魅力を感じております。教育実習では指導技術の基礎を学びました。」といった形に分けて、読みやすい構成を心がけましょう。
わかりやすい表現を心がける
志望動機を伝える際は誰にでも伝わるわかりやすい表現を心がけることが大切です。
難しい専門用語や抽象的な言い回しだと、読み手によっては正確に伝わらない可能性すらあります。
また「難解さ」だけでなく「曖昧さ」にも注意が必要です。
「子供と接するのが得意です」ではなく「子供と楽しく会話しながら、距離感を把握することが得意です」などと話すと、あなたのコミュニケーションの手法が伝わります。
「この表現で伝わるだろうか」と確認しながら文章を組み立てることで、よりわかりやすい志望動機が完成するのです。
また、教員に大切な「相手への思いやり」があることも伝わるでしょう。
【教員・教諭の志望動機】志望動機を作る際の注意点
上記のポイントについて理解できたら、続いて注意点についても確認してみましょう。
こちらも同様に「一般企業の志望動機」を作成するにあたっても気をつけてほしい要素です。
まず志望動機を作成する前に読んでおき、完成した後にもう一度以下の3点を思い出して、当てはまってしまっているところがないか、本番前にチェックしてください。
条件を志望動機にしない
志望動機を作成する上で最も気をつけるべきなのは給料・勤務時間・休暇制度といった条件を主な動機として書くことです。
働き方に関する希望があるのは自然なことですが、それをそのまま動機にすると、教員としての本質的な意欲や理念が欠けていると判断されてしまいます。
例えば「小学校は中学校と比べて、部活の顧問にならなくて良いから応募した」「高校は1つの教科だけ教えていれば良いから応募した」などと伝えてしまっては、マイナスな印象を与えてしまいます。
もし1つの教科だけ担当したいと思っている場合でも「その教科に自信があり、生徒の学力を伸ばすことに貢献したいから」などといった話し方をするように心がけてください。
どこでも通じる内容にしない
最もやってしまいがちな「どこでも通じる内容」の志望動機にしないことも意識してください。
特に「子どもが好きです」とアピールする学生は本当に多いため、気をつけなければなりません。
私立の学校を受ける際は「なぜその学校なのか」について説明しなければなりませんし、公立の教員採用試験を受ける際は「なぜ小学校なのか」「なぜ中学校なのか」などと説明する必要があります。
また、地元、またはあなたの大学がある地域ではなく、別の地域を受ける際は「なぜその地域を選んだのか」といったことも説明しなければなりません。
どの自治体でも、どの区分の学校でも通じるような内容にならないよう、心がけてください。
教育に関心がない印象を与えない
教員・教諭を目指す上で、教育に対する関心や熱意が見えない志望動機はその時点で足切りとなってしまいます。
「教えることが得意だから」「安定している職業だから」といった理由だけでは教育の本質を理解していないと判断されてしまうでしょう。
教育とは知識を伝えるだけでなく、子どもたちを成長させ、心に寄り添う責任ある仕事です。
したがって、志望動機には「どのような教育をしたいのか」「どのような教育現場で何を実現したいのか」といった、自分なりの教育観を織り込む必要があります。
話したい経験を元にしたエピソードを交えて、教育に関心を持つようになった背景や自分の教育への熱意が芽生えた場面などの「原点」を語ると、説得力が増します。
【教員・教諭の志望動機】小学校教諭の志望動機例文
小学校教諭の志望動機例文を紹介します。
例文1:学びの楽しさを引き出す教育
例文2:心理的成長を支える教育への関心
例文3:多様性を尊重する学びの場づくり
【教員・教諭の志望動機】中学校教諭の志望動機例文
中学校教諭の志望動機例文を紹介します。
例文1:個性を尊重し、学びの主体性を育む教育
例文2:多感な時期の心に寄り添う教員
例文3:多様性と協働の中で成長を支える教育
【教員・教諭の志望動機】高等学校教諭の志望動機例文
高等学校教諭の志望動機例文を紹介します。
例文1:国際的視野を育てる教育への挑戦
例文2:生徒の個性に寄り添う教育で未来を支える
例文3:自由な学びで創造力と自立心を育む
【教員・教諭の志望動機】特別支援学校教諭の志望動機例文
特別支援学校教諭の志望動機例文を紹介します。
例文1;個別ニーズに応える特別支援教育の実現
例文2;すべての子どもに平等な学びの機会
例文3;専門知識と実践経験で教育アクセスを向上
【教員・教諭の志望動機】幼稚園教諭の志望動機例文
幼稚園教諭の志望動機例文を紹介します。
例文1;子どもの好奇心を育む学びの伴走者
例文2;自己表現の土台を築く
例文3;可能性を信じる教育
【教員・教諭の志望動機】志望動機のNG例文
以下では志望動機のNG例文を紹介します。
以下の部分に気をつけて、志望動機を作成しましょう。
NG例1:「家から近いから」など条件ベースの志望理由
NG例文1
❌ NG例:
「自宅から近く、通勤しやすいことが志望理由です。また、公立校で安定して働ける点にも魅力を感じました。」
✅ 改善例:
「地域に根ざした教育を行っている御校の方針に共感し、地元の子どもたちの成長に長期的に関わりたいと考え、志望いたしました。地域のつながりを大切にする教育方針に共鳴し、教員として自分の経験を活かしたいと考えています。」
NG例2:抽象的すぎて印象に残らない
NG例文2
❌ NG例:
「私は子どもが好きで、教員という仕事に昔から憧れていました。子どもと関わる仕事がしたいと思い、教職を目指しています。」
✅ 改善例:
「学童保育のアルバイトで、勉強に苦手意識を持つ児童に丁寧に向き合ったことで、『わかった!』と笑顔を見せてくれた経験が忘れられません。そのときの嬉しさから、子どもたちの“できた”を引き出せる教員になりたいと強く感じるようになりました。」
NG例3:どの学校にも通用するテンプレート文
NG例文3
❌ NG例:
「子どもたちと一緒に成長していきたいと思い、教員を志望しました。子どもの成長を見守りながら、自分も成長したいです。」
✅ 改善例:
「貴校が実践している“主体的・対話的な学び”の取り組みに惹かれました。大学で学んだ教育心理学の知識を活かし、子どもたち一人ひとりが自ら学び、成長できる環境づくりに貢献したいと考えています。」
【教員・教諭の志望動機】どんな教員になりたいかを言語化する方法
教員を目指すうえで大切なのは、「自分はどんな教員になりたいのか」を明確にすることです。
面接やエントリーシートで志望動機を問われたとき、自分の言葉で語れるようにするには、理想像や自分の強み、生徒との関わり方を具体化しておく必要があります。
この章では、教員としての将来像を言語化するための3つの視点をご紹介します。
自分が「理想の教員像」だと思う人を思い浮かべる
教員としての理想像を描くには、まず自分が影響を受けた「憧れの先生」を思い浮かべるのが効果的です。
どんなときも寄り添い、話をじっくり聞いてくれた先生や、厳しくも信頼できた部活動の顧問などがいるかもしれません。
その先生のどんな言動が印象に残っているのかを言語化することで、自分が目指したい教員像が見えてきます。
「その先生のようになりたい」と感じた理由を掘り下げれば、自分がどんな価値観を教育に持っているのかも明確になり、説得力のある志望動機につながります。
小さなエピソードでも、今の自分にどのような影響を与えているのかを考えることが大切です。
自分の強みを教育現場でどう活かせるかを考える
自分の強みと教員という仕事をどうつなげるかは、志望動機の軸になります。
「相手の気持ちをくみ取るのが得意」という強みがあるなら、生徒の気持ちに寄り添い、安心して話せる環境づくりに活かせるでしょう。
また、「物事をわかりやすく伝えるのが得意」であれば、授業の進行や個別指導で力を発揮できるかもしれません。
部活動、アルバイト、ボランティアなど、これまでの経験から得たスキルや自分の人柄を、教育現場でどう活かせるかを具体的に言葉にしてみましょう。
そうすることで、「自分だからできる教育の形」が見えてきて、志望動機に一貫性と個性を持たせることができます。
生徒にどう関わりたいかを具体化してみる
「生徒とどう関わりたいか」は、あなたの教育観や教員としての役割意識を示す重要な視点です。
「どんな悩みも安心して話せる存在になりたい」「生徒の小さな変化にも気づける先生でありたい」といった想いがあるなら、それを実現するためにどのような関わり方をしたいかを具体的に考えてみましょう。
また、授業や日常の声かけ、進路相談の場面でどのように信頼関係を築くのかといったイメージを持つことも重要です。
生徒の立場になって考えることで、自分なりの関わり方や大切にしたい価値観が見えてきます。
あなたが目指す「生徒との関係性」を明確にすることで、自然と教員像にも厚みが出てきます。
【教員・教諭の志望動機】よくある質問と答え方のコツ
教員採用試験や面接では、定番ともいえる質問がいくつかあります。
あらかじめ質問の意図を理解し、自分なりの答え方の軸を持っておくことで、本番でも落ち着いて答えることができます。
この章では、よく聞かれる質問3つと、それに対する考え方や回答のコツを紹介します。
「なぜ教員を目指したのですか?」
この質問では、教員になろうと決意した理由や背景が問われています。
漠然とした憧れではなく、「どんな経験から教員を目指すようになったのか」を具体的に語ることが大切です。
中学時代に先生から受けた一言で進路に自信が持てた経験や、塾講師として生徒の成長を間近で感じた経験など、リアルなエピソードがあると説得力が高まります。
また、その経験を通して「教えることにやりがいを感じた」「人の成長を支えることが自分の喜びだと気づいた」など、気づきや学びをセットで伝えるとより効果的です。
自分の言葉で語ることを意識し、背伸びをせずに本音で語る姿勢も重要です。
「どんな教員になりたいですか?」
この質問では、あなたが思い描く教員像をどれだけ具体的に語れるかがポイントです。
大切なのは、「理想の先生像」だけでなく、そこに至った理由や自分とのつながりを明確にすることです。
「一人ひとりの話を丁寧に聞き、信頼関係を築ける教員になりたい」と思うなら、そう感じるようになった背景や、過去の経験とどう結びついているのかを言語化しておきましょう。
また、その理想を実現するために今どんな努力をしているのかを補足すると、志望動機としての説得力がさらに増します。
理想を語るだけでなく、現実とのつなぎ方を意識して話すのがコツです。
「他の職業ではなく教員を選んだ理由は?」
この質問では、他の職業との違いや比較を通して、教員という職業をどれだけ真剣に考えているかが見られます。
「子どもと関わる仕事は他にもあるが、日常的に成長を支えられる教員の仕事に魅力を感じた」など、教員だからこそ実現できる価値を言語化しましょう。
また、「教育実習でのやりがいや、関わった生徒からの言葉がきっかけになった」など、自分だけの経験を交えて語ることも大切です。
他職種と迷った経験がある人は、その迷いを経てなお教員を選んだ理由を明確にしておくと、誠実さや熱意が伝わりやすくなります。
志望の深さを示すためにも、自分なりの視点で教員という職業の魅力を再確認しましょう。
【教員・教諭の志望動機】面接で志望動機を聞かれたときの答え方
面接では、志望動機を自分の言葉でわかりやすく、印象に残るように伝える力が求められます。
そのためには、伝え方の構成や表現方法に工夫が必要です。
この章では、面接での志望動機の伝え方と、その際に気をつけたいポイントを解説します。
志望動機は結論ファースト+エピソードで構成する
面接では限られた時間の中で印象的に話す必要があるため、「結論を先に述べる」ことを意識しましょう。
「私は、生徒の挑戦を支える教員になりたいです。その理由は…」のように始めると、聞き手に話の方向性が伝わりやすくなります。
そのうえで、自分の過去の経験を1つに絞って紹介し、「なぜそう考えるようになったのか」を丁寧に話しましょう。
エピソードには、場面・自分の行動・気づきの3点を意識すると、相手に伝わりやすくなります。
結論→理由→エピソード→今後の意欲、という流れを意識することで、自然で論理的な志望動機に仕上がります。
学校の理念や特色とつなげて話す
面接で志望動機を話す際は、その学校の教育方針や理念と自分の価値観を重ねることがポイントです。
「生徒の自主性を重んじる校風に共感し、自ら考えて行動する力を育てたいと感じました」など、学校独自の方針に言及することで、事前にしっかり調べたことが伝わります。
加えて、自分の教育観と学校の理念がどう合致するのかを具体的に語ることで、志望の強さがより明確になります。
学校のWebサイト、パンフレット、学校公開日などで得た情報をもとに、自分の想いや教育スタイルとどう結びつくかを言語化しておくと、説得力が格段にアップします。
志望動機がブレたときは「なぜ教員か」を自分に問い直す
面接準備を進めるうちに、自分の志望動機に迷いが出てしまうこともあります。
そんなときは、「なぜ自分は教員になりたいのか?」をもう一度じっくり考えてみましょう。
子どもに関わるやりがいを感じた瞬間、誰かに背中を押された経験、何かに感動した場面など、自分の心が動いた出来事を振り返るのがおすすめです。
大切なのは、他人に評価される答えよりも、自分が納得できる動機を見つけることです。
原点に立ち返ることで、志望動機に一貫性が生まれ、自信を持って自分の想いを語れるようになります。
【教員・教諭の志望動機】志望動機が思いつかない時の対処法
教員を目指す気持ちはあるのに、志望動機となると「うまく言葉にできない」と悩む方は少なくありません。
そんなときは、完璧な答えを求めず、自分の中にある「原体験」や「やってみたいこと」からヒントを探るのがおすすめです。
この章では、志望動機が思いつかない時に試したい3つの対処法をご紹介します。
教職を目指したきっかけを振り返ってみる
志望動機に悩んだら、まずは「なぜ教員を目指そうと思ったのか」を振り返ってみましょう。
幼少期の先生との出会いや、学校生活の中で心に残った出来事、自分自身の学びに対する想いなど、原点に立ち返ることで、自分らしい志望動機のヒントが見えてきます。
「誰かの支えになりたいと思った瞬間」や「教える楽しさを感じた経験」など、小さなエピソードでも大丈夫です。
きっかけを素直に言葉にすることで、共感を呼ぶ動機に仕上げることができます。
教員の仕事で「やってみたいこと」を書き出してみる
志望動機が浮かばない時は、「教員になったら何をしたいか」に目を向けるのも有効です。
授業づくり、部活動の指導、生徒の相談に乗る、進路指導を行うなど、教員の仕事には多くの側面があります。
その中で「自分が関心を持てること」「挑戦してみたいこと」をリストアップしてみましょう。
それらをベースに「こうした想いから教員を目指している」と展開すると、未来志向の志望動機がつくりやすくなります。
実習やボランティア、子どもとの関わりから探る
実際に子どもと関わった経験がある場合、その体験から志望動機を組み立てるのも有効です。
教育実習、学習支援ボランティア、塾講師、児童館など、関わった場所や形式は問いません。
「こんな子どもがいて、こんな対応をした」「その時に感じたこと」などを具体的に思い出すことで、自分の教育観や支援のスタイルが見えてきます。
その経験が「だから教員になりたい」という気持ちに自然につながるので、説得力のある志望動機になります。
【教員・教諭の志望動機】よくあるQ&A
面接やエントリーシートでは300〜400文字程度が目安。限られた字数で熱意と具体性を伝えることが大切です。
書いて問題なし。免許取得予定であることや、教職への強い想い・学びの姿勢を示すことが重要です。
例文:
「私は現在、通信制大学にて教職課程を履修しており、来年度中には中学校国語の教員免許を取得予定です。生徒に寄り添いながら、ことばの面白さを伝える教員を目指しています。」
基本的には触れないのが無難。どうしてその自治体・校種を志望するのか、固有の理由に集中して書きましょう。
志望動機は添削してもらおう!
作成した志望動機は、必ず添削をしてもらうようにしましょう。
自分だけで作成していては気が付くことのできない凡ミスがあったり、書き漏れや失礼な言葉遣いなどを避けるためにも、第三者にみてもらうことが大変重要です。
自分の親や友達、大学のキャリアセンター、就活エージェントなど、依頼できる先は幅広いので、まずは気軽に一度誰かに依頼してみましょう。
また、まずはポイントをおさえることができているかの確認もしてみましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート