ガクチカで傾聴力をアピールするには、アピールのコツを十分に理解しておく必要があります。
傾聴力は社会人として働くうえで、さまざまな場面で重宝する重要なスキルです。
そのため傾聴力を効果的にアピールすれば、面接やESで良い評価をもらえる可能性は高いでしょう。
しかしながら、多くの学生は傾聴力をアピールするポイントを理解していない傾向にあり、実際のアピールで失敗してしまえばあまりにもったいないものです。
そこで今回は、ガクチカで傾聴力を効果的にアピールするコツ・注意点を解説していきます。
「ガクチカで傾聴力をアピールしたいが、具体的な伝え方がわからない…」と悩んでいる学生は、ぜひ参考にしてみてください。
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【ガクチカを聞く理由】ガクチカとは
傾聴力を就活でアピールする際は、そもそもガクチカとは何なのか理解を深めておく必要があります。
「ガクチカ」とは「学生時代に力を入れたこと」の略称です。
近年就活生の中で、学生時代に力を入れたことをガクチカと略して呼ぶことは多いため、就活用語の一つとしてぜひ覚えておきましょう。
何かに没頭したり集中したりして、どのような結果をもたらしたのかを具体的にアピールしていきます。
企業はあなたの人柄や価値観、興味関心、モチベーションの源泉、強み、自社とのマッチ度を確かめるために、さまざまな質問をします。
そのうちの一つがガクチカであり、ガクチカからは、上記のことが総合的に読み取れるのが特徴です。
効果的なアピールの方法を理解しておこう
ガクチカは、企業から頻繁に質問されることの一つです。
そのためガクチカをうまく伝えるためには、効果的にアピール方法を理解しておくことが重要です。
そして、傾聴力は社会人にとって非常に重要なスキルの一つなので、それを強みにすれば自分の魅力は企業にしっかりと伝わるでしょう。
しかし、伝え方が抽象的だったり表現がわかりにくかったりすると、ガクチカは採用担当者に響く内容になりません。
傾聴力そのものは魅力的なスキルですが、効果的にアピールしなければ、志望先企業の採用担当者にはインパクトを残せないということです。
ガクチカで高い評価を得て「うちでぜひ働いてもらいたい」と思ってもらうためにも、傾聴力をガクチカの中でアピールするときは、アピールのコツをしっかり押さえておきましょう。
ガクチカからは就活生本人に関する多くのことが読み取れるため、採否にかかわる重要なアピールの一つになるといえます。
傾聴力をアピールする方法
ガクチカで傾聴力をアピールするには、複数のポイントを事前に整理しておく必要があります。
ただ「強みは傾聴力です」とアピールするのみでは、抽象的すぎて説得力に欠けるからです。
傾聴力を自分の強みにする学生はほかにもたくさんいるため、被ってしまえば埋もれてしまうでしょう。
ガクチカで傾聴力をアピールするときは、ぜひ以下をチェックしてみてください。
- 具体的なエピソードを入れる
- 傾聴力によって得られた成果を述べる
- 入社後にどのように活かせるかを示す
上記を意識してガクチカを書けば、より良いアピールになり、採用担当者から高評価を獲得できるはずです。
では、傾聴力をアピールするうえでの重要なポイントを整理していきましょう。
具体的なエピソードを入れる
傾聴力をガクチカの中でアピールするなら、具体的なエピソードを盛り込む必要があります。
エピソードは、自分の強みをアピールするうえで、説得力を持たせる重要な部分になるからです。
傾聴力が発揮されたエピソード、傾聴力がきっかけで物事を変えたり問題を解決したりしたエピソードがあれば、傾聴力が強みというアピールには説得力が出てきます。
「実際にその傾聴力を活かして活躍してもらいたい」と感じてもらえるきっかけになるでしょう。
なお、エピソードは文字数・時間が許す限り、具体的に述べる必要があります。
いくらエピソードを入れても、抽象的すぎる内容では、エピソードを語る意味がなく説得力も弱いからです。
傾聴力をガクチカの中で伝える際は、しっかりと具体的なエピソードに触れつつ、説得力と深みのあるアピールをしましょう。
具体的なエピソードは、自分自身に興味や親しみを持ってもらうきっかけにもなります。
傾聴力によって得られた成果を述べる
ガクチカでは、自分の強みによって何が得られたのか、どのような結果につながったのかを明確に述べることが重要です。
傾聴力が発揮されたエピソードに触れる以上、具体的に、傾聴力という強みがあったからこそどのような結果をもたらしたのか伝える必要があるからです。
そのため伝えるエピソードは、自分自身の傾聴力が直接的に問題解決に役立ったもの、傾聴力のおかげで良い結果につながったものを選ぶことが重要です。
エピソードの内容が「ほかの人の働きかけで成果につながったもの」「別のスキルがきっかけで問題を解決したもの」では、自分の傾聴力が活きたエピソードとはいえないでしょう。
また、しっかりと順序に沿って説明しなければ一つひとつの物事は意外に伝わりません。
そのためガクチカで傾聴力が強みだと伝える際は、「どのような場面で活きたのか」「なぜ傾聴力が成果につながったのか」を論理的に述べるようにしてください。
入社後にどのように活かせるかを示す
ガクチカで傾聴力があることを強みとしてアピールするなら、入社後の活かし方について、最後にしっかりと触れる必要があります。
そもそもガクチカは、就活における自分のアピールであることを忘れてはいけません。
ただ「強みは傾聴力です」と述べて、エピソードを加えるだけでは、事実を述べただけになるためアピールとして決定力不足といえます。
そのため決定力のあるアピールをして採用担当者をうならせるには、自分の強みを入社後にどう活かしたいか、具体的に伝えることが重要です。
入社後の活かし方を述べれば、こちらの一方的な強みアピールではなく、企業に寄り添ったアピールになるでしょう。
そのためには、企業のニーズをつかむことも大事です。
企業が新卒採用にあたってどのような人物像を求めているのかを整理し、その人物像にマッチするアピールを重ねていきましょう。
マッチ度の高いアピールができれば、企業からは自然と高評価を獲得できるはずです。
傾聴力をアピールするポイント
ガクチカで傾聴力をアピールするには、採用担当者に響く効果的なアピールをするために、いくつかの工夫を加えることが重要です。
工夫ポイントがなければ、ほかの学生との間で埋もれやすく、印象にも残りにくいといえます。
具体的なアピールのポイントは、以下の3つが挙げられるでしょう。
- 独自の視点を入れる
- 論理的に説明をする
- 論理的思考力
上記の点を意識してアピール内容・伝え方を考えれば、採用担当者の印象には残りやすくなります。
ほかの学生との差別化・内容のわかりやすさのためにも、傾聴力をアピールするポイントはしっかりと押さえておきましょう。
では、ポイント一つひとつを詳しく解説していきます。
独自の視点を入れる
傾聴力をアピールするときは、独自の視点を取り入れたエピソードを話すと良いでしょう。
誰もが経験していること、ありきたりすぎて内容がわかりきっていることなどは、ほかの学生と差別化しにくいためです。
ありきたりなことではなく、あなただけが経験した場面で個性・強みを発揮できたエピソードを用いると、独自の視点によってアピールした際のインパクトが強まります。
実際に入社した際も、傾聴力を活かしてさまざまな活躍をしてくれるだろうと期待してもらえるはずです。
傾聴力に自信を持っている人であれば、その強みを発揮できたエピソードはさまざまあるでしょう。
ガクチカのエピソードを選ぶときは、できるだけ自分らしさ・個性をアピールできるものを選び、ほかの学生との差別化を狙いましょう。
奇抜で珍しいエピソードを使う必要はありませんが、最低限、差別化の意識は持ちたいところです。
論理的に説明をする
傾聴力をガクチカの中でアピールする場合は、論理的な説明が必要です。
理にかなった説明がなければ、矛盾が生まれたり説明不足だったりするせいで、説得力が弱くなる可能性があります。
なぜその場面で傾聴力が必要だったのか、傾聴力が役に立ったのはなぜなのか、論理的な説明が重要となります。
感覚的に大事なポイントを飛ばして説明してしまうと、「傾聴力ではなく別のスキルが役立ったのでは?」「そこで傾聴力が強みというと、少し無理があるのでは」などの疑問を持たれることもあり得るでしょう。
論理的に説明しているつもりでも、矛盾が出てしまっていることは少なくありません。
そのため論理的な説明になっているかどうか、根拠に基づく結論が出せているか不安なときは、周りの人に読んでもらうことも重要といえます。
客観的な視点を忘れずに持ち、誰が読んでも論理的だと感じる文章を作成することが大切です。
論理的思考力
ガクチカで傾聴力をアピールする際は、傾聴力の必要性を示すのはもちろんのこと、そこでどのようなことを考えて傾聴力が重要だと感じたのか、根拠を話すことも大事です。
「〇〇だと感じたから、△△した」というアピールで論理的思考力を伝えられれば、傾聴力を含め、さまざまな点で社会人として重要なスキルを持っていることがわかるでしょう。
物事を冷静に判断し、根拠に基づいて施策を考えられる力は、どのような業界・職種でも必要なものです。
問題解決能力に通ずる部分もあるでしょう。
論理的思考力・問題解決力があると採用担当者に感じてもらえれば、あらゆる場面で臨機応変に対応できる可能性に期待してもらえるはずです。
傾聴力とあわせて、「論理的に物事を考え、冷静に状況を判断しながら必要な行動が取れる」という強みを知ってもらうためにも、「なぜ必要だと感じたのか」というポイントは明確に説明しましょう。
傾聴力をアピールする際の注意点
ガクチカで傾聴力をアピールするときは、知らず知らずのうちにわかりにくい文章にならないように、さまざまな注意点に気をつけましょう。
ガクチカは何度も書き直したり手を加えたりするため、修正の末に、伝えたいことがまとまらなくなってしまうことは意外に少なくありません。
そのため傾聴力をアピールするなら、以下3つのことが注意したいポイントとして挙げられます。
- プロセスを重視する
- 嘘をつかない
- 企業研究を怠らない
いずれも、魅力的なガクチカを作成するうえでは、非常に重要な注意点といえるでしょう。
では、一つひとつの注意点の詳細を整理していきましょう。
プロセスを重視する
ガクチカでは、プロセスが重要になります。
単純に傾聴力が強みだとアピールするのみでは、自分を過大評価した自慢話になってしまいがちです。
人と人の会話の中で、どのような経験があり、結果としてどのようないきさつでスキルを発揮してきたのかが重要です。
わかりやすくいうなら結論そのものより、エピソードの内容から感じられる、自分のものの考え方・得た学びなどが大事になってきます。
つまり、大事なのは傾聴力という強みそのものではなく、傾聴力を発揮するうえで自分が何を考えて何を得たのかというポイントです。
社会人になれば、仕事をする際に自分で考えて行動し、その経験を成長につなげていくことが常に求められます。
ガクチカにおけるプロセスからは、本人のそういった社会人適性の部分が見えてくるため、ガクチカを伝える際はプロセス(エピソード)には力を入れる必要があるのです。
嘘をつかない
ガクチカで傾聴力をアピールするときは、嘘はやめましょう。
嘘は言っていなくても、とらえ方によっては嘘と判断されてしまうような誇張表現もNGです。
嘘や誇張は、バレたときに信頼を大きく失うことになるからです。
そして、ガクチカの中に嘘があった場合、大抵の嘘は見破られてしまいます。
採用担当者に嘘がバレやすい理由は、以下が挙げられます。
- たくさんの候補者に触れてきているからこそ、経験的になんとなくわかる
- 嘘があると、特に面接では挙動不審になったり深掘りの質問に答えられなかったりする
- そもそも内容が抽象的すぎる
嘘があるとさまざまな部分で「ボロ」が出るため、辻褄が合わなくなり、結果として嘘だと知られてしまうことは多いです。
アピールできることがない…と困ったとき、つい嘘に逃げてしまうことは少なくありませんが、就活のアピールは嘘偽りなく伝えることが大事です。
魅力的なガクチカが書けないときは、嘘をつくのではなく、表現方法を工夫したり自己分析で自分の魅力を探したりすることが有効です。
企業研究を怠らない
ガクチカで傾聴力をアピールするなら、企業研究も欠かせません。
企業のことをよく知らなければ、企業のニーズに合ったアピールもできないからです。
企業にはそれぞれ特色や社風、大事にしている理念などがあり、それによって求める人物像も違ってきます。
求める人物像=企業のニーズなので、求める人物像を知るための企業研究は欠かせないでしょう。
せっかく傾聴力をガクチカの中でアピールしても、求める人物像とずれていると、アピールの意味はなくなってしまいます。
企業研究では、事業内容から企業の歴史、理念、社風など細かい部分まで理解を深めていきます。
傾聴力を志望先企業で活かせることを上手にアピールするには、その社風だからこそ傾聴力が役立つはず、ということを論理的に説明する必要があります。
企業研究の結果に基づくアピールができれば、アピールとしての決定力は増すため、企業からは高評価を獲得できるきっかけになるでしょう。
傾聴力をガクチカでアピールする際のコツコツ
次に、傾聴力をガクチカでアピールする際のコツも解説します。
ガクチカで傾聴力を伝えるには、以下のコツを意識し、効果的なアピールにつなげる必要があります。
- 数字を活用する
- 細かい場面を思い出す
- PREP法を活用する
上記の点を意識してガクチカを作成すれば、わかりやすく、かつインパクトのあるアピールになるでしょう。
傾聴力をガクチカや自己PRの中でアピールする人は少なくありませんが、ありきたりな内容にならないためには、上記のような工夫が必要です。
では、コツ一つひとつの重要なポイントをチェックしていきましょう。
数字を活用する
ガクチカで傾聴力を強みとして伝える際は、積極的に数字を活用することが望ましいです。
物事は、漠然とした表現より数字を使って明確に表現したほうが、どのような場合においてもわかりやすいからです。
たとえば「たくさんあった」と言われた場合どの程度かはわかりませんが、「100個あった」と言われれば具体的な数がわかるため、場面がイメージしやすくなります。
また、単純に「100個売り上げた」と言われても具体的なすごさはわかりにくいため、「前日と比べると150%アップで100個売り上げた」と伝えたほうが成果はわかりやすいといえます。
数字・データを使って内容を述べれば、説得力が増しますし、「それはどのくらいすごいことなのか」という疑問も生まれません。
採用担当者が理解しやすいように配慮し、数字で表せる事柄に関しては、数字を活用した伝え方を積極的に意識しましょう。
細かい場面を思い出す
ガクチカでは、エピソードや過程が重要なため、成果を出すまでの細かい場面を思い出すと良いでしょう。
傾聴力を活かして成果を上げるまでには、実際に、さまざまな場面があったはずです。
すべて順風満帆とはいかないことも多いはずなので、人によっては、最初はうまくいかなかったというケースもあるでしょう。
文字数や時間の許す限り、細かい部分まで丁寧に表現することで、ガクチカの内容はより具体的になります。
細かいポイントまで具体的に表現されているガクチカのほうが、ほかの学生と比べて差別化しやすいのは確かです。
そのためエピソードを選ぶときは、些細なことまで思い出せる経験を選ぶと良いでしょう。
ただしその際は、不必要な部分まで書いてしまい、内容がわかりにくくなることはないように気をつけてください。
大前提としてわかりやすさは意識しつつ、積極的に細かい場面まで思い出しながらガクチカを作成しましょう。
PREP法を活用する
ガクチカのエピソードを書くときは、文章の基本的な流れ・構成として、PREP法を用いることが望ましいです。
PREP法とは論理的でわかりやすい文章を書くための基本であり、PREP法を意識して書けば、伝えたいこととその詳細がはっきり伝わります。
PREP法における基本の流れは以下のようになります。
- 結果
- 理由(根拠)
- 例
- 結果
エピソードの中では、上記の流れに完璧に従う必要はありませんが、意識するだけでもわかりやすさは変わってきます。
ガクチカのエピソードは、詳細を伝えようとして内容がごちゃごちゃしてしまい、結果としてわかりにくくなることは珍しくありません。
そんなときはPREP法を意識し、結果・理由・例・結果の4要素を整理してみましょう。
なお、PREP法を使用した文章の流れは、そもそもガクチカ全体でも意識する必要があります。
詳細は次項の「構成」で解説していくため、ぜひ参考にしてみてください。
構成
ガクチカをわかりやすい内容に仕上げるには、伝えたいことを明確に伝えられる構成を意識することが大事です。
構成や流れがぐちゃぐちゃになっていると、論点や話の流れが変わってしまうせいで、せっかくのアピールもわかりにくくなる恐れがあります。
傾聴力自体は魅力的でも、構成がわかりにくいせいでマイナス評価をもらっては、アピールも台無しになります。
わかりやすい構成は、先ほども触れたように、PREP法が挙げられます。
ここではPREP法を意識したガクチカの構成について、詳しく解説していきます。
構成を理解していれば、文章を書くことが苦手な人でも書きやすくなるため、ぜひチェックしてみてください。
PREP法とは
PREP法とは、明確かつ簡潔に要点を伝えられる文章を作成するために用いるフレームワークです。
平たくいえば要点のわかりやすい文章を書くうえで、PREP法を意識した構成は最適です。
PREP法を用いれば、効率的に説得力のある文章を作成できるため、就活では文章作成の基本としてしっかり覚えておく必要があります。
ガクチカに限らず、志望動機、自己PR、長所短所などの文章を作成する際も、基本的にはPREP法を意識することが望ましいといえます。
PREP法は、具体的には以下の流れで構成されるのが特徴です。
- Point:結論
- Reason:理由
- Example:例
- Point:結論
「Point」「Reason」「Example」「Point」、それぞれの頭文字を取り、一般的にPREP法と呼ばれる仕組みになります。
最初に伝えたいこととして結論を述べ、そのうえで理由や根拠を伝えたうえで補足として例を挙げ、最終的にもう一度結論を述べるのがPREP法の基本構成です。
では、項目ごとに重要なポイントを見ていきましょう。
Point:結論
PREP法では、はじめに、結論を述べることが大事です。
最初に結論を述べることで、伝えたいことや要点をはっきりさせることができます。
そのためガクチカの場合は、「学生時代に頑張ってきたこと」「力を入れてきたこと」を端的にわかりやすく伝えるようにしましょう。
たとえば部活動に力を入れてきた場合は、「私は学生時代に、サッカー部の活動に力を入れてきました」といった形で文章をスタートさせていきます。
結論を最初に伝えれば、ガクチカ=〇〇というテーマが明確になるため、採用担当者もその後の内容をスムーズに把握できるのがポイントです。
反対に、先にエピソードを述べたり強みである傾聴力のことを伝えたりすると、何の話なのかが理解しにくくなります。
論点・テーマをはっきりさせ、内容を伝わりやすくするために、最初に結論を述べることは徹底しましょう。
Reason:理由
PREP法では、結論をはっきり伝えたあとに、理由や背景、根拠などに触れていきます。
理由は話のテーマである結論部分に説得力を持たせるポイントなので、話を詳細化し興味を持ってもらうには、重要な部分といえるでしょう。
ガクチカの場合は、なぜそれを行ったのかという理由・結論の部分にあたります。
結論→理由として話を進めれば、結論を述べた際に生まれた疑問や興味関心に寄り添うことができるため、話を聞く相手はスムーズに内容を理解できる仕組みです。
なお、理由をはっきり述べられないときは、根拠に基づく行動ができない証拠ともいえます。
必要に応じて内容を見直し、論理的に伝えられるガクチカを作成しましょう。
「なぜ?」「どうして?」がはっきりとしたガクチカを作成することが、採用担当者から好印象を持ってもらう重要なポイントです。
Example:例
PREP法では、結論→理由の順番で伝えたいことを述べていき、次に例に触れることが重要です。
例は、伝えたい結論の部分について、例を挙げて詳細化する部分です。
どのような事柄も、例を挙げたうえで具体的に説明したほうが、わかりやすさ・説得力が増します。
ガクチカをアピールする際は、自分自身が取った行動や施策について、明確に述べる流れになります。
よりわかりやすさを意識するなら、データや数値を用いて内容に触れることが望ましいです。
データ・数値があったほうが、内容をより詳しく理解でき、客観的にどのくらいの成果なのかが伝わります。
説得力のあるアピールにつなげるためにも、PREP法における例の部分は、抽象的な表現をできる限り避けて伝えるようにしましょう。
Point:結論
PREP法では、最終的なまとめとして、結論をもう一度述べる流れになります。
最初に結論をはっきり述べたうえで具体的なポイントを伝え、最後に再び結論に触れることで、論点・テーマが明確に把握できるようになる仕組みです。
そのためガクチカの場合は最後の結びとして、ガクチカの経験を経て学んだことや培ったことを活かしてどうしたいのか、具体的な意思表示をすることが大事です。
要点を整理したうえで、入社意欲や具体的な貢献の仕方などを伝えていきましょう。
ガクチカを通じて傾聴力をアピールする場合は、傾聴力をどのように活かしていきたいのか、企業のニーズに合う貢献の仕方を伝えることが望ましいです。
企業が求める人物像に合うアピールができるように企業研究を徹底し、より具体的に入社に対する熱意を伝えていきましょう。
例文
続いて、傾聴力をアピールできるガクチカの例文を紹介していきます。
例文は、ガクチカの書き方や文章の流れ、言葉遣いを知るうえで大きく役に立ちます。
そのため「重要なポイントはわかったけれど、なかなか自分オリジナルのガクチカが書けない」と困ったときは、最初に、例文を読み込んでみましょう。
例文をチェックして表現方法を学べば、それらをほどよく真似ていくことで、オリジナルのガクチカが書けるようになります。
今回紹介する例文は、以下4つの例文です。
- チームワーク向上に貢献した傾聴力
- 顧客満足度向上に貢献した傾聴力
- 問題解決に貢献した傾聴力
- 異文化コミュニケーションにおける傾聴力
さまざまなパターンでの例文になるため、自分に近いものを積極的にチェックし、ガクチカ作成に活用してみましょう。
1:チームワーク向上に貢献した傾聴力
私は大学生活の中で、バスケットボールサークルの活動に力を入れてきました。
サークル内ではしばしば意見が対立することがあり、チームワークが低下しやすい状態が続いていたことが大きな課題でした。
そこで私は、自分自身の強みである傾聴力を活かしてチームメンバーそれぞれの意見を聞き、皆の意見をまとめる役割を買って出ることにしました。
ゆっくり一人ひとりと会話する機会はそれまでなかったため、個別にメンバーと面談を行い、それぞれの意見に耳を傾けることを徹底しました。
結果、全員が自分の意見を言いやすい空気ができ、信頼関係は向上しました。
チームワークも良くなり、多くのメンバーからは練習がしやすくなったとの声をもらうこともできました。
この経験を通じて私は、信頼関係を構築するには、まずは話を聞いて相手の心理・意見を理解することが重要なのだと学びました。
入社後もこの傾聴力を活かして周りの意見に耳を傾け、組織のチームワーク向上に貢献したいと考えています。
2:顧客満足度向上に貢献した傾聴力
私が学生時代に力を入れてきたことは、アパレルショップのアルバイトです。
働いていたアパレルショップは、顧客満足度の低さが以前から課題となっていました。
私は、せっかくお仕事をするなら気持ちの良い接客を心がけたいと考え、顧客のニーズを徹底的に把握することを意識しました。
接客中は自分本位の接客をするのではなく、とにかくお客様の話をじっくり聞き、掘り下げたニーズに基づいて、ぴったり合う服やコーディネートを提案するようにしました。
結果、お客様アンケートでは私の接客が良かったという声をいただき、店長からは顧客満足度が上がったことを知らせてもらえました。
最終的には売上アップにも貢献でき、接客に気を付ける前と比べると、売上は130%増加していました。
入社後もアルバイトを通じて培った傾聴力を積極的に活かし、お客様のお悩みに合うサービスを提案していきたいと考えています。
3:問題解決に貢献した傾聴力
私は学生時代に、インターンシップに注力してきました。
その際はグループワークでディスカッションを行ったのですが、メンバー間で意見の衝突が起こってしまい、議論がまとまらないことが大きな課題になりました。
私はもともと人の話を聞いて物事を考えることが好きだったため、建設的な議論ができるように調整役を務め、意見の衝突を避けるべく、まずはメンバー一人ひとりの意見に耳を傾けることにしました。
それぞれ何を主張したいのか細かくヒアリングし、共通点と相違点をまとめるように尽力しました。
結果、メンバー間の理解が深まり、意見の衝突からお互いの言いたいことを否定し合うような状況はなくなりました。
議論も円滑に進んだため、ディスカッション後は、社員の方から積極的に意見を聞く姿勢が素晴らしかったとの評価もいただきました。
御社に入社した際も、強みの傾聴力を活かし、コンサルタントとしてお客様の悩みや要望を丁寧にヒアリングしていきたいと考えています。
4:異文化コミュニケーションにおける傾聴力
私は大学生活の中で、留学に力を入れてきました。
初めての海外留学だったため、最初のうちは、異なる文化を持つ人とのコミュニケーションに苦労することが多々ありました。
そこで私はうまく会話できない状況をなんとか脱したいと考え、とにかく相手の話をじっくり聞き、気になることはすぐに質問することを意識しました。
結果、話を丁寧に聞くという姿勢から、真剣に会話に臨んでいること・相手に興味を持って接していることが伝わり、円滑にコミュニケーションが取れるようになりました。
私はこの経験から、話を聞くことで相手の文化・価値観を理解し、尊重することの大切さを知りました。
御社に入社した際も、留学のときのように丁寧に傾聴する姿勢を大事にし、国籍の違うお客様とも円滑に信頼関係を築いていきたいと考えています。
まとめ
ガクチカで傾聴力をアピールするときは、文章作成のコツや注意点、基本的な構成について理解を深めることが重要です。
ポイントを押さえてガクチカを作成すれば、もともと文章を書くことに苦手意識がある人でも、魅力的なガクチカが書けるでしょう。
採用担当者に響く内容に仕上げられるため、最終的には内定獲得のきっかけになる可能性もあります。
ガクチカは、あなたの人柄や価値観、強み、興味関心などを明確に伝えられる重要なアピールの一つです。
面接では頻繫に聞かれる質問の一つでもあるため、事前に大事なポイントをチェックし、書き方を整理しておきましょう。