就職活動で多くの就活生が最初に頭を悩ますのが、エントリーシートの作成ではないでしょうか。
エントリーシートは、就職活動成功の鍵となる重要な書類ですが、序盤から必要になるため、早めに準備をして就職活動を効率良く進めましょう。
- エントリーシートの書き方
- エントリーシートのテンプレートについて
- テンプレートを作成する際の注意点
- エントリーシートを書きたい人
- テンプレートを使いたい人
- テンプレートの際の注意点を知りたい人
目次[目次を全て表示する]
【エントリーシートのテンプレート】エントリーシートとは
エントリーシートとは、企業に提出する応募書類のひとつです。
書類選考から面接まで、一連の採用選考を通して評価資料となるため、就職活動においては非常に重要な位置づけとなります。
また、インターンシップへの参加にも、エントリーシートの提出が求められることが多いです。
エントリーシートの形式は企業によってさまざまですが、どの企業でも求められる基本的な項目については事前に対策できるので、準備をしておくことをおすすめします。
・基本情報
・ガクチカ
・自己PR
・志望動機
基本情報
一般的な履歴書と同じような、氏名や住所、学歴などの基本情報の記入欄については、準備が必要ないように思えます。
しかしいざ記入するとなると、資格や免許の取得年月日や、卒業や入学年度などを確認するために、時間が取られてしまうこともあります。
準備の段階でしっかりと確認しておき、志望企業のエントリーシートが入手できたら、すみやかに記入できるようにしておきましょう。
また資格や免許、賞罰など、記入できるものを整理しておくことも重要になります。
ガクチカ
ガクチカとは、「学生生活で力を入れて頑張ったこと」を略した就活用語です。
ガクチカ欄には、学生時代に熱中したことを書きます。
どのくらいのボリュームが求められるかは、その企業によって異なりますが、おおむね300〜400字くらいで書くのが一般的です。
ガクチカを見ることで、企業はその学生の考え方や価値観など、どのような人物であるかを想像します。
面接の際に深掘りした質問がされることが多いため、何を聞かれてもスムーズに答えられるようにしておく必要があるでしょう。
自己PR
自己PRとは、企業に対して主に自分自身の強みをアピールする項目です。
自身の強みを把握するためには、自己分析をしっかり行い、これまでの経験を振り返ってみることが有効です。
自分が考える自身の強みを、第三者に説得力をもってアピールするためには、それが強みであると納得できる根拠とともに伝えることが重要になります。
自己PRを作成する場合には、自己分析の際に振り返った経験の中から、その強みの根拠となる実体験を交えましょう。
志望動機
志望動機は、その企業を志望する理由を記入します。
志望動機は、記入欄が埋まっていないと、企業への志望度が低い印象をもたれてしまいます。
その企業への熱意が現れる項目なので、指示がない場合でもボリュームが小さくならないように注意しましょう。
また、同じ業界にあるほかの企業にも通用してしまうような内容では、高い評価は得られません。
なぜその企業を志望しているのかを明確に書きましょう。
そのために、しっかりと企業研究を行い、自分自身とその企業との接点を見つけておくことが重要です。
【エントリーシートのテンプレート】エントリーシートのテンプレート
実際に企業に提出するエントリーシートの形式は、企業ごとに異なりますが、準備段階として基本のエントリーシートを作成しておくと便利です。
ここで紹介する各項目のテンプレートを穴埋めして、自分なりのエントリーシートを作成してみましょう。
・学歴
・賞罰
・資格・免許
・ガクチカ
・自己PR
・志望動機
学歴
学歴については、どこから書けば良いのかと悩むことも多いかもしれませんが、新卒の就職活動の場合には、中学校卒業から書くのが一般的です。
年号については、西暦と和暦のどちらを使っても構いませんが、エントリーシート内では統一します。
「○○年3月○○中学校 卒業」から始め、「○○年3月○○大学○○学部○○学科 卒業見込み」で締めくくりましょう。
学校名や学科名などは、略さずに正式名称で記入します。
「高校」は「高等学校」と記載しましょう。
賞罰
賞罰には、これまでの受賞歴を記入します。
学生時代に取得したものについては、積極的に記入しても構いません。
取得年が古すぎる場合や、知名度のない受賞歴については、記載しないほうが良い場合もあるので注意しましょう。
また、受賞経験はなくてもマイナス評価になることはありません。
書くことがないからといって、無理に誰も知らないような賞を書くと、逆に稚拙な印象をもたれてしまう可能性もありますので、ない場合には「特になし」と記入しましょう。
資格・免許
資格・免許欄は、企業が応募学生の能力を客観的に評価できる項目です。
志望企業や職種に関連がある資格や、自分の強みやアピールしたいスキルに関連している資格を記載しましょう。
また、資格は正式名称で記載するのが基本です。
英検は「実用英語技能検定」、TOIECは「TOEIC公開テスト」、運転免許の場合は「普通自動車免許」または「普通自動車第一種免許」と書きます。
取得年月については、「○○年○月」と書きましょう。
業務に関係のあるものであれば、結果待ちの資格や勉強中の資格についても、記入してアピールしても構いません。
ガクチカ
私は大学時代、【@】に力を入れていました。
その中で【A】として【B】を担当していました。
ある日【C】が原因で、【D】の状態となったのです。
私は、これまでの経験を活かして【E】と考え【F】をしました。
この経験から【G】を磨くことができました。
また、【H】ができるようになったと実感しています。
この経験は、貴社でも活かせると考えています。
【@ 】:アルバイトやボランティア、部活動など、学生時代に頑張ったことを端的に書きましょう。
【A】【B】:その活動での、自分の役割を書きます。
【C】【D】:課題を克服したエピソードを選び、課題の状況を書きましょう。
【E】【F】:課題をどのよう捉えてどう行動したのか、人柄や価値観が分かるように書きましょう。
【G】:ガクチカから得られた学びは、仕事で再現性のあるものを書きます。
最後は、ガクチカから得られたものを入社後の企業にどのように活かしたいかを書いて締めましょう。
自己PR
私の強みは【@】です。
【A】によってそれが強みであると自覚しました。
学生時代は、【B】を頑張っていましたが、【C】という課題にぶつかりました。
この課題解決のためには【D】と考え、【E】をしました。
結果、【F】という成果を得られ、今でも日常に活きています。
この経験から【G】を学びました。
貴社に入社後は、この強みを活かして、【H】したいと考えています。
【@】:自分の強みを端的に書きましょう。
【A】:その強みを自覚したエピソードを書いて説得力を出します。
【B】【C】:自身の強みによって課題を克服できた旨を伝えましょう。
【D】:課題解決のためにどのように考えたかを書きましょう。
【E】:課題解決のために実際におこした行動を書きます。
【F】:自分の強みを活かして行動した結果どうなったのかを説明しましょう。
【G】:その経験から得られたことを書きます。
【H】:その強みを、入社後の仕事にどのように活かそうと考えているのかを書き、自分の強みが企業に貢献できることをアピールしましょう。
志望動機
貴社の【@】に共感して志望いたしました。
私は【A】と考えているためです。
私は【B】の経験があります。
その中で、【C】と考え【D】をしました。
この経験から【E】を学べました。
貴社でなら、この経験を活かして【F】できると考えております。
入社後は、【G】で貴社に貢献したいと考えております。
【@】:社風や企業理念など、その企業の何に魅力を感じて志望しているのか、または何に共感して志望するのかを簡潔に書きましょう。
【A】:その企業に共感したり、魅力を感じたりしている自分なりの理由を書きます。
【B】:その企業と自分の価値観との接点となるエピソードを書きましょう。
【C】【D】:そのエピソードを通じて自らがどのように考え、どのように行動したかを書き、自分の価値観を伝えます。
【E】:そのエピソードを通じて得られた学びを書きましょう。
【F】:自分がどのように志望企業でその学びを活かせるかを書きます。
【G】:入社後には、どのように貢献したいかを具体的に書き、エピソードは再現性のあるものにしましょう。
【エントリーシートのテンプレート】エントリーシートを作成する際のポイント3選
穴埋めして作成したエントリーシートを有効なものにするために、考慮すべきポイントをご紹介します。
・企業や職種に合った内容にする
・具体的なエピソードや数字を盛り込む
・誤字脱字がないように注意する
@企業や職種に合った内容にする
客観的に見て、どんなに優秀な人物であると思えるエントリーシートでも、それを提出する企業や職種にふさわしいものでなければ、採用にはつながりません。
企業にはそれぞれ、採用したい理想とする人物像があるので、まずその人物像を把握することが大切です。
自分こそが、企業の求める人材であることをアピールできてこそ、採用担当者に響くエントリーシートであるといえるのです。
エントリーシートからイメージできる人物が、その職種や企業に合った内容になっているかに注意しながら作成する必要があります。
A具体的なエピソードや数字を盛り込む
自身の強みやガクチカは、自分では何とでもいえてしまいます。
そのため、その内容が根拠を伴ったものでなければ、説得力がないものになってしまいます。
読み手を納得させるには、具体的なエピソードを交えて作成すると非常に効果的です。
また、表現が抽象的であると読み手側はイメージすることが難しくなるので、抽象的な表現や受けとり方によって幅が出てくるような文言は、数字を盛り込んで規模感などが分かりやすくなる工夫も必要です。
B誤字脱字がないように注意する
基本的なことですが、誤字脱字がないかは念入りにチェックしなくてはなりません。
誤字や脱字は、内容が立派であればあるほど説得力に欠け、イメージとのギャップから不信感が芽生えやすくなります。
また、注意力が散漫な状態で作成した印象になり、志望度を疑問視されてしまうでしょう。
細かいミスが致命的な結果をもたらすような職種では、誤字脱字があるだけで選考の対象外となってしまう場合もあります。
誤字脱字がないかは、何度も読み返して見ることを忘れないようにしましょう。
【エントリーシートのテンプレート】エントリーシートを作成する際の注意点5選
エントリーシートを作成する際のポイントとあわせて、注意すべきことも見ていきましょう。
・書き始める前に企業研究をしっかりと行う
・自分らしさをアピールする第三者に添削してもらう
・提出する前に必ず確認する
・提出期限を守る
@書き始める前に、企業研究をしっかりと行う
就職活動は、志望企業の求める人物像に沿って、自分の強みやスキルをアピールすることが重要です。
同じ業界内にある企業でも、求める人材はその企業によって異なります。
そのため、業界研究とあわせて企業研究をしっかりと行わないと、企業の求めている人材をイメージできず、企業へのアピールの仕方があいまいになってしまいます。
企業研究は、志望企業を決める際に必要な作業ですが、最終目的は志望企業の求める人物像を理解することです。
A自分らしさをアピールする
エントリーシートは、自分がどのような人物であるかを知ってもらうためのものです。
そのため、自分らしさが分かりやすく伝わるエントリーシートになっているどうか、注意しながら作成する必要があります。
自分の価値観や人柄を、これまでの経験を交えてオリジナリティのある内容に仕上げましょう。
自分らしさがはっきり分からないという場合には、自己分析をしっかりと行うことが必要です。
まずは、自分自身を客観的に把握することから始めてみましょう。
B第三者に添削してもらう
エントリーシートは、分かりやすく伝わる内容であることが重要です。
内容や表現に誤りがないか、分かりにくい箇所はないか、第三者に添削してもらいましょう。
同じ意味でも言葉の使い方によって、印象が大きく変わる場合もあります。
エントリーシートを読むことにより、イメージする人物像がどのようなものであるかを確認してもらうのも良いでしょう。
せっかく作成した内容が、ひとりよがりになっていないか、横柄な印象を与えないかなどもチェックしてもらいましょう。
C提出前に必ず確認する
提出前には、誤字脱字がないかはもちろん、文字の大きさや余白なども見やすく作成されているか、最終確認を怠らないようにしましょう。
聞かれていることに対して、的外れな内容になっていないかについても確認が必要です。
また、エントリーシートを何社分も同じ時期に作成しなければならなくなると、細かい企業側の指示をうっかり見過ごしてしまうこともあり得ます。
念には念を入れ、フォーマットや字数の制限など、企業から特別な指示がないかにも注意しましょう。
D提出期限を守る
いかに力を入れてエントリーシートを仕上げたとしても、提出期限を過ぎてしまえば、当然ながら提出できたとしても読んでもらえない可能性が大きいです。
たとえ読んでもらえたとしても、書かれた内容がすばらしいものであっても、高く評価される可能性は低いでしょう。
社会人として約束の期限を守ることは最低限のマナーですから、どのような強みをアピールしたエントリーシートであっても、印象は非常に悪くなります。
余裕をもって提出できるように、早めに準備をしておくことをおすすめします。
【エントリーシートのテンプレート】エントリーシートの構成とは
ガクチカや自己PR、志望理由など、まとまった文章で記述する必要がある項目は、分かりやすく書かれていることが重要です。
分かりやすく伝えるために使われる文章構成として、ビジネスでは「PREP法」が多く用いられます。
PREP法とは「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の頭文字を取ったもので、この流れで文章を書くことで、分かりやすく内容を伝えられます。
自分以外の人に伝えたいことを分かりやすく伝える能力は、どの企業でも必要とされる能力です。
どんなにすばらしい内容であっても、企業側に伝わらないのでは意味がありません。
【エントリーシートのテンプレート】項目別の例文3選
実際にエントリーシートを作成する前に、例文を確認して理解を深めたいという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、エントリーシートで求められる代表的な項目の例文をご紹介します。
・ガクチカ
・自己PR
・志望理由
ガクチカ
国際的に通用する英語を習得するには、英語でコミュニケーションできる場が必要だと考えたからです。
発起人である私は、常にメンバー間で良好なコミュニケーションを取れるように立ち回っていましたが、メンバー間の衝突も多く、次第に険悪な雰囲気になってしまいました。
これは言葉以外に文化の違いも関係していると考えた私は、英語の学習だけでなくメンバーの母国についての勉強会を定期的に開催することにしました。
その結果、メンバー皆の親睦を深められ、険悪な空気になることも少なくなりました。
この経験から、コミュニケーションの障壁は言語だけではないことを学び、お互いの文化を理解することが大切であると学びました。
私のこの経験を活かし、貴社の海外事業部で活躍したいと考えております。
自己PR
これを自覚したきっかけは、学生時代のアルバイトでした。
ある時、アルバイト先の飲食店でランチ営業を行うことになったのですが、夜は入店待ちになることもある人気店にもかかわらず、ランチでは全く売り上げが伸びず困っていました。
現状を打破するためには、その原因を追及する必要があると考えた私は、近隣の会社や他の飲食店など、さまざまなデータを取り分析してみました。
すると、夜に来店するお客様とは、全く違う需要があるのではないかという結論にいたったのです。
結果を店長に報告し、テイクアウトのメニューを追加し、メニューの内容を変更すると売り上げが伸び、店長から感謝される結果となりました。
目に見えない原因を探り、現実を把握することで、現状を打破できると確信しました。
私はこの探究心を活かし、貴社のマーケティング部門で活躍したいと考えています。
志望理由
人にはそれぞれ個性があり、それを活かして輝ける場所を見つけることが、幸せになる条件であると考えています。
この考えにいたったきっかけは、学生時代の障害者支援のボランティア活動です。
そこでは、一般的には不自由に思える障害でも、その個性に合った仕事を選ぶことで、障害に関係なくパフォーマンスをあげられることを学びました。
そして、人それぞれの個性に寄り添った仕事に出会えれば、障害の有無に関係なくいきいきと生活できるのだと確信しました。
私のこの経験を活かし、貴社のコーディネーターとして、ひとりでも多くの方に輝ける職場をマッチングしたいと考えております。
まとめ
エントリーシートの作成は、選考に深くかかわるため、就職活動において非常に重要な作業です。
大切な書類であるだけに頭を悩ませる方も多いですが、考え込んでしまう前にまずはテンプレートを活用して、自分なりのエントリーシートを作成してみましょう。
そこから、より魅力的なエントリーシートに仕上げていくのがおすすめです。